JP2000064810A - ボイラ設備の高低圧タービンバイパス弁制御方法 - Google Patents

ボイラ設備の高低圧タービンバイパス弁制御方法

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JP2000064810A JP10234196A JP23419698A JP2000064810A JP 2000064810 A JP2000064810 A JP 2000064810A JP 10234196 A JP10234196 A JP 10234196A JP 23419698 A JP23419698 A JP 23419698A JP 2000064810 A JP2000064810 A JP 2000064810A
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turbine bypass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイラの起動時間を短縮し得、且つ通常運転
時においては高圧タービン入口部での主蒸気圧力並びに
低圧タービン入口部での再熱蒸気圧力を確実に制御し
得、更に緊急時における急激な負荷下げにも対応し得る
ようにする。 【解決手段】 主蒸気圧力14と主蒸気圧力設定値22
との主蒸気圧力偏差24をなくすための高圧タービンバ
イパス弁開度指令26により、高圧タービンバイパス弁
11の開度を、高圧タービンバイパス弁開度上限設定値
28を越えない範囲で調整すると共に、再熱蒸気圧力1
6と再熱蒸気圧力設定値31との再熱蒸気圧力偏差33
をなくすための低圧タービンバイパス弁開度指令35に
より、低圧タービンバイパス弁13の開度を、低圧ター
ビンバイパス弁開度下限設定値41未満とならず且つ低
圧タービンバイパス弁開度上限設定値45を越えない範
囲で調整する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ボイラ設備の高低
圧タービンバイパス弁制御方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、ボイラ設備には、図7に示され
る如く、高圧タービン1と低圧タービン2とが設けられ
ており、ボイラの過熱器(図示せず)で過熱された主蒸
気を主蒸気ライン3を介して高圧タービン1へ導入し、
該高圧タービン1を駆動して発電を行うと共に、前記高
圧タービン1を駆動した後の蒸気を再熱ライン4を介し
てボイラの再熱器5へ導き、該再熱器5で再熱してから
低圧タービン2へ導入し、該低圧タービン2を駆動して
発電を行い、前記低圧タービン2を駆動した後の蒸気を
復水ライン6を介して復水器7へ導き、該復水器7で前
記蒸気をボイラ給水に戻し、循環させるようになってい
る。 【0003】又、前記ボイラ設備においては、従来、主
蒸気ライン3途中から分岐して低圧タービン2と復水器
7との間の復水ライン6途中に接続されるタービンバイ
パスライン8が設けられ、該タービンバイパスライン8
途中にはタービンバイパス弁9が設けられており、ボイ
ラ設備の起動時における高圧タービン1並びに低圧ター
ビン2への通気前には、該高圧タービン1並びに低圧タ
ービン2入口の図示していないガバナ弁が閉じられてお
り、タービンバイパス弁9が開かれ、ボイラの過熱器か
ら送られてくる充分に昇温・昇圧していない主蒸気がタ
ービンバイパスライン8を流れ、高圧タービン1と再熱
器5と低圧タービン2を迂回し、低圧タービン2と復水
器7との間の復水ライン6途中に導かれて循環され、前
記主蒸気が充分に昇温・昇圧した後、高圧タービン1の
入口における主蒸気圧力をタービンバイパス弁9の開度
調整により設定値に保持した状態で、前記高圧タービン
1並びに低圧タービン2入口のガバナ弁が開かれ、通気
が行われて通常運転に移行する一方、通常運転時には、
負荷指令に応じたタービンバイパス弁9の開度調整によ
り、高圧タービン1の入口部での主蒸気の圧力制御が行
われるようになっており、更に、ボイラ設備における機
器の故障等により負荷を急激に下げたいような場合に
は、前記タービンバイパス弁9を全開として主蒸気をタ
ービンバイパスライン8へ逃がし、高圧タービン1へ導
入される主蒸気圧力を低下させることも行われるように
なっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
如く、ボイラ設備の起動時における高圧タービン1並び
に低圧タービン2への通気前に、タービンバイパス弁9
を開き、主蒸気をタービンバイパスライン8へ導いて高
圧タービン1と再熱器5と低圧タービン2を迂回させる
のでは、高圧タービン1入口のガバナ弁が開かれて通気
が行われるまでは再熱器5へ蒸気が全く導入されないた
め、ボイラが暖まるまでに時間がかかり、起動時間が長
くなるという欠点を有していた。 【0005】このため、高圧タービン1を迂回する高圧
タービンバイパスラインと、低圧タービン2を迂回する
低圧タービンバイパスラインとを別個に設け、前記高圧
タービンバイパスライン途中に高圧タービンバイパス弁
を設けると共に、前記低圧タービンバイパスライン途中
に低圧タービンバイパス弁を設けることにより、ボイラ
設備の起動時における高圧タービン1並びに低圧タービ
ン2への通気前にも、再熱器5へ蒸気が導入されるよう
にし、ボイラの起動時間を短縮することも提案されてい
るが、前記高圧タービンバイパス弁と低圧タービンバイ
パス弁の具体的な制御方法については確立されていない
のが現状であった。 【0006】本発明は、斯かる実情に鑑み、ボイラの起
動時間を短縮し得、且つ通常運転時においては高圧ター
ビン入口部での主蒸気圧力並びに低圧タービン入口部で
の再熱蒸気圧力を確実に制御し得、更に緊急時における
急激な負荷下げにも対応し得るボイラ設備の高低圧ター
ビンバイパス弁制御方法を提供しようとするものであ
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、主蒸気ライン
途中から分岐して高圧タービンと再熱器との間の再熱ラ
イン途中に接続され且つ途中に高圧タービンバイパス弁
が設けられた高圧タービンバイパスラインと、再熱器と
低圧タービンとの間の再熱ライン途中から分岐して低圧
タービンと復水器との間の復水ライン途中に接続され且
つ途中に低圧タービンバイパス弁が設けられた低圧ター
ビンバイパスラインとを備えてなるボイラ設備の高低圧
タービンバイパス弁制御方法であって、主蒸気圧力と負
荷指令に基づく主蒸気圧力設定値との主蒸気圧力偏差を
なくすための高圧タービンバイパス弁開度指令により、
高圧タービンバイパス弁の開度を、負荷指令に基づく高
圧タービンバイパス弁開度上限設定値を越えない範囲で
調整すると共に、再熱蒸気圧力と負荷指令に基づく再熱
蒸気圧力設定値との再熱蒸気圧力偏差をなくすための低
圧タービンバイパス弁開度指令により、低圧タービンバ
イパス弁の開度を、前記高圧タービンバイパスラインへ
流されるバイパス流量を確保するための低圧タービンバ
イパス弁開度下限設定値未満とならず且つ負荷指令に基
づく低圧タービンバイパス弁開度上限設定値を越えない
範囲で調整することを特徴とするボイラ設備の高低圧タ
ービンバイパス弁制御方法にかかるものである。 【0008】上記手段によれば、以下のような作用が得
られる。 【0009】主蒸気圧力と負荷指令に基づく主蒸気圧力
設定値との主蒸気圧力偏差をなくすための高圧タービン
バイパス弁開度指令により、高圧タービンバイパス弁の
開度が、負荷指令に基づく高圧タービンバイパス弁開度
上限設定値を越えない範囲で調整されると共に、再熱蒸
気圧力と負荷指令に基づく再熱蒸気圧力設定値との再熱
蒸気圧力偏差をなくすための低圧タービンバイパス弁開
度指令により、低圧タービンバイパス弁の開度が、前記
高圧タービンバイパスラインへ流されるバイパス流量を
確保するための低圧タービンバイパス弁開度下限設定値
未満とならず且つ負荷指令に基づく低圧タービンバイパ
ス弁開度上限設定値を越えない範囲で調整される。 【0010】ここで、ボイラ設備の起動時における高圧
タービン並びに低圧タービンへの通気前に、高圧タービ
ン並びに低圧タービン入口のガバナ弁が閉じた状態で、
高圧タービンバイパス弁が開かれたとしても、主蒸気は
再熱器へ導入されるため、ボイラが暖まるまでに時間が
あまりかからなくなり、起動時間が短縮される。 【0011】又、前記高圧タービンバイパス弁の開度調
整と前記低圧タービンバイパス弁の開度調整により、基
本的に高圧タービン入口部での主蒸気圧力並びに低圧タ
ービン入口部での再熱蒸気圧力の制御が行われるが、高
圧タービンバイパス弁の開度は、負荷指令に基づく高圧
タービンバイパス弁開度上限設定値を越えない範囲で調
整されると共に、低圧タービンバイパス弁の開度は、負
荷指令に基づく低圧タービンバイパス弁開度上限設定値
を越えない範囲で調整されるため、復水器の受入許容容
量以上の蒸気が復水器へ導入されることは防止される。 【0012】更に又、前記低圧タービンバイパス弁の開
度は、前記高圧タービンバイパスラインへ流されるバイ
パス流量を確保するための低圧タービンバイパス弁開度
下限設定値未満とならないように調整されるため、少な
くとも高圧タービンバイパスラインへ流される主蒸気の
バイパス流量と同量の再熱蒸気が、低圧タービンバイパ
スラインへ流される形となり、これにより、ボイラ設備
における機器の故障等により負荷を急激に下げたいよう
な場合に、高圧タービンバイパスラインへ逃がした主蒸
気は、同量の再熱蒸気として低圧タービンバイパスライ
ンへ逃がされ、バイパス機能が確保されることとなり、
高圧タービンをバイパスさせた主蒸気の一部が再熱蒸気
として低圧タービンへ供給されてしまうことはなく、急
激な負荷下げにも対応可能となる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示
例と共に説明する。 【0014】図1は本発明を実施する形態の一例であっ
て、図中、図7と同一の符号を付した部分は同一物を表
わしており、主蒸気ライン3途中から分岐して高圧ター
ビン1と再熱器5との間の再熱ライン4途中に接続され
る高圧タービンバイパスライン10を設け、該高圧ター
ビンバイパスライン10途中に高圧タービンバイパス弁
11を設けると共に、再熱器5と低圧タービン2との間
の再熱ライン4途中から分岐して低圧タービン2と復水
器7との間の復水ライン6途中に接続される低圧タービ
ンバイパスライン12を設け、該低圧タービンバイパス
ライン12途中に低圧タービンバイパス弁13を設け
る。 【0015】更に、高圧タービン1へ導入される主蒸気
圧力14を検出する主蒸気圧力検出器15と、低圧ター
ビン2へ導入される再熱蒸気圧力16を検出する再熱蒸
気圧力検出器17とを設けると共に、前記主蒸気圧力検
出器15で検出された主蒸気圧力14と、前記再熱蒸気
圧力検出器17で検出された再熱蒸気圧力16とに基づ
き、高圧タービンバイパス弁開度指令18と低圧タービ
ンバイパス弁開度指令19とを出力する制御装置20を
設ける。 【0016】前記制御装置20は、図1に示す如く、負
荷指令21に基づき主蒸気圧力設定値22を求めて出力
する第一関数発生器23と、前記主蒸気圧力検出器15
で検出された主蒸気圧力14と前記第一関数発生器23
から出力される主蒸気圧力設定値22との差を求め、主
蒸気圧力偏差24を出力する減算器25と、該減算器2
5から出力される主蒸気圧力偏差24を比例積分処理
し、該主蒸気圧力偏差24をなくすための高圧タービン
バイパス弁開度指令26を出力する比例積分調節器27
と、負荷指令21に基づき高圧タービンバイパス弁開度
上限設定値28を求めて出力する第二関数発生器29
と、該第二関数発生器29から出力される高圧タービン
バイパス弁開度上限設定値28と前記比例積分調節器2
7から出力される高圧タービンバイパス弁開度指令26
のうち低い方を選択し高圧タービンバイパス弁開度指令
18として高圧タービンバイパス弁11へ出力する低選
択器30と、負荷指令21に基づき再熱蒸気圧力設定値
31を求めて出力する第三関数発生器32と、前記再熱
蒸気圧力検出器17で検出された再熱蒸気圧力16と前
記第三関数発生器32から出力される再熱蒸気圧力設定
値31との差を求め、再熱蒸気圧力偏差33を出力する
減算器34と、該減算器34から出力される再熱蒸気圧
力偏差33を比例積分処理し、該再熱蒸気圧力偏差33
をなくすための低圧タービンバイパス弁開度指令35を
出力する比例積分調節器36と、前記主蒸気圧力検出器
15で検出された主蒸気圧力14に対し前記高圧タービ
ンバイパス弁11へ出力される高圧タービンバイパス弁
開度指令18を掛け高圧タービンバイパスライン10へ
流される主蒸気のバイパス流量37を求めて出力する乗
算器38と、前記第三関数発生器32から出力される再
熱蒸気圧力設定値31に基づき低圧タービンバイパス弁
流量特性値39を求めて出力する第四関数発生器40
と、前記乗算器38から出力されるバイパス流量37を
前記第四関数発生器40から出力される低圧タービンバ
イパス弁流量特性値39で割り、低圧タービンバイパス
弁開度下限設定値41を求めて出力する除算器42と、
該除算器42から出力される低圧タービンバイパス弁開
度下限設定値41と前記比例積分調節器36から出力さ
れる低圧タービンバイパス弁開度指令35のうち高い方
を選択し低圧タービンバイパス弁開度指令43として出
力する高選択器44と、負荷指令21に基づき低圧ター
ビンバイパス弁開度上限設定値45を求めて出力する第
五関数発生器46と、該第五関数発生器46から出力さ
れる低圧タービンバイパス弁開度上限設定値45と前記
高選択器44から出力される低圧タービンバイパス弁開
度指令43のうち低い方を選択し低圧タービンバイパス
弁開度指令19として低圧タービンバイパス弁13へ出
力する低選択器47とを備えてなる構成を有している。 【0017】前記第一関数発生器23には、図2に示す
如く、負荷指令21の増加に伴って主蒸気圧力設定値2
2を増加させるような関数が入力されている。 【0018】前記第二関数発生器29には、図3に示す
如く、負荷指令21の増加に伴って高圧タービンバイパ
ス弁開度上限設定値28を減少させるような関数が入力
されており、この高圧タービンバイパス弁開度上限設定
値28は、復水器7の受入許容容量以上の蒸気が復水器
7へ導入されることを防止するために設定されるもので
ある。 【0019】前記第三関数発生器32には、図4に示す
如く、負荷指令21の増加に伴って再熱蒸気圧力設定値
31を増加させるような関数が入力されている。 【0020】前記第四関数発生器40には、図5に示す
如く、再熱蒸気圧力設定値31の増加に伴って低圧ター
ビンバイパス弁流量特性値39を減少させるような関数
が入力されている。 【0021】前記第五関数発生器46には、図6に示す
如く、負荷指令21の増加に伴って低圧タービンバイパ
ス弁開度上限設定値45を減少させるような関数が入力
されており、この低圧タービンバイパス弁開度上限設定
値45は、前記高圧タービンバイパス弁開度上限設定値
28と同様、復水器7の受入許容容量以上の蒸気が復水
器7へ導入されることを防止するために設定されるもの
である。 【0022】次に、上記図示例の作動を説明する。 【0023】高圧タービン1へ導入される主蒸気圧力1
4が主蒸気圧力検出器15によって検出されると共に、
低圧タービン2へ導入される再熱蒸気圧力16が再熱蒸
気圧力検出器17によって検出され、制御装置20へ入
力される。 【0024】前記制御装置20においては、減算器25
において前記主蒸気圧力検出器15で検出された主蒸気
圧力14と負荷指令21に基づいて第一関数発生器23
から出力される主蒸気圧力設定値22との差が求めら
れ、主蒸気圧力偏差24が比例積分調節器27へ出力さ
れ、該比例積分調節器27において前記減算器25から
出力される主蒸気圧力偏差24が比例積分処理され、該
主蒸気圧力偏差24をなくすための高圧タービンバイパ
ス弁開度指令26が低選択器30へ出力され、該低選択
器30において、負荷指令21に基づき第二関数発生器
29から出力される高圧タービンバイパス弁開度上限設
定値28と前記比例積分調節器27から出力される高圧
タービンバイパス弁開度指令26のうち低い方が選択さ
れ高圧タービンバイパス弁開度指令18として高圧ター
ビンバイパス弁11へ出力され、該高圧タービンバイパ
ス弁11の開度調整が行われる。 【0025】これと同時に、減算器34において前記再
熱蒸気圧力検出器17で検出された再熱蒸気圧力16と
負荷指令21に基づき第三関数発生器32から出力され
る再熱蒸気圧力設定値31との差が求められ、再熱蒸気
圧力偏差33が比例積分調節器36へ出力され、該比例
積分調節器36において前記減算器34から出力される
再熱蒸気圧力偏差33が比例積分処理され、該再熱蒸気
圧力偏差33をなくすための低圧タービンバイパス弁開
度指令35が高選択器44へ出力される一方、乗算器3
8において前記主蒸気圧力検出器15で検出された主蒸
気圧力14に対し前記高圧タービンバイパス弁11へ出
力される高圧タービンバイパス弁開度指令18が掛けら
れ高圧タービンバイパスライン10へ流される主蒸気の
バイパス流量37が求められて除算器42へ出力され、
該除算器42において、前記乗算器38から出力される
バイパス流量37が前記第三関数発生器32から出力さ
れる再熱蒸気圧力設定値31に基づき第四関数発生器4
0から出力される低圧タービンバイパス弁流量特性値3
9で割られ、低圧タービンバイパス弁開度下限設定値4
1が求められて高選択器44へ出力され、該高選択器4
4において、前記除算器42から出力される低圧タービ
ンバイパス弁開度下限設定値41と前記比例積分調節器
36から出力される低圧タービンバイパス弁開度指令3
5のうち高い方が選択され低圧タービンバイパス弁開度
指令43として低選択器47へ出力され、該低選択器4
7において、負荷指令21に基づき第五関数発生器46
から出力される低圧タービンバイパス弁開度上限設定値
45と前記高選択器44から出力される低圧タービンバ
イパス弁開度指令43のうち低い方が選択され低圧ター
ビンバイパス弁開度指令19として低圧タービンバイパ
ス弁13へ出力され、該低圧タービンバイパス弁13の
開度調整が行われる。 【0026】ここで、ボイラ設備の起動時における高圧
タービン1並びに低圧タービン2への通気前に、高圧タ
ービン1並びに低圧タービン2入口の図示していないガ
バナ弁が閉じた状態で、高圧タービンバイパス弁11が
開かれたとしても、主蒸気は再熱器5へ導入されるた
め、ボイラが暖まるまでに時間があまりかからなくな
り、起動時間が短縮される。 【0027】又、前記高圧タービンバイパス弁11の開
度調整と前記低圧タービンバイパス弁13の開度調整に
より、基本的に高圧タービン1入口部での主蒸気圧力並
びに低圧タービン2入口部での再熱蒸気圧力の制御が行
われるが、前記低選択器30においては、負荷指令21
に基づき第二関数発生器29から出力される高圧タービ
ンバイパス弁開度上限設定値28と比例積分調節器27
から出力される高圧タービンバイパス弁開度指令26の
うち低い方が選択され高圧タービンバイパス弁開度指令
18として高圧タービンバイパス弁11へ出力されると
共に、前記低選択器47においては、負荷指令21に基
づき第五関数発生器46から出力される低圧タービンバ
イパス弁開度上限設定値45と高選択器44から出力さ
れる低圧タービンバイパス弁開度指令43のうち低い方
が選択され低圧タービンバイパス弁開度指令19として
低圧タービンバイパス弁13へ出力されるため、復水器
7の受入許容容量以上の蒸気が復水器7へ導入されるこ
とは防止される。 【0028】更に又、前記乗算器38から除算器42へ
出力されるバイパス流量37は、高圧タービンバイパス
ライン10へ流される主蒸気の流量であって、該バイパ
ス流量37を低圧タービンバイパス弁流量特性値39で
割ることにより低圧タービンバイパス弁開度下限設定値
41を求めており、前記高選択器44においては、低圧
タービンバイパス弁開度下限設定値41と比例積分調節
器36から出力される低圧タービンバイパス弁開度指令
35のうち高い方が選択され低圧タービンバイパス弁開
度指令43として低選択器47へ出力されるため、少な
くとも高圧タービンバイパスライン10へ流される主蒸
気のバイパス流量37と同量の再熱蒸気が、低圧タービ
ンバイパスライン12へ流される形となり、これによ
り、ボイラ設備における機器の故障等により負荷を急激
に下げたいような場合に、高圧タービンバイパスライン
10へ逃がした主蒸気は、同量の再熱蒸気として低圧タ
ービンバイパスライン12へ逃がされ、図7に示した従
来例におけるタービンバイパスライン8と同等のバイパ
ス機能が確保されることとなる。尚、仮に、高圧タービ
ンバイパスライン10へ流される主蒸気のバイパス流量
37と同量の再熱蒸気を低圧タービンバイパスライン1
2へ流す機能がない場合には、高圧タービン1をバイパ
スさせた主蒸気の一部が再熱蒸気として低圧タービン2
へ供給されてしまい、急激な負荷下げに対応できなくな
るが、本図示例の場合には、前述したように急激な負荷
下げにも対応可能となる。 【0029】こうして、ボイラの起動時間を短縮し得、
且つ通常運転時においては高圧タービン1入口部での主
蒸気圧力並びに低圧タービン2入口部での再熱蒸気圧力
を確実に制御し得、更に緊急時における急激な負荷下げ
にも対応し得る。 【0030】尚、本発明のボイラ設備の高低圧タービン
バイパス弁制御方法は、上述の図示例にのみ限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て種々変更を加え得ることは勿論である。 【0031】 【発明の効果】以上、説明したように本発明のボイラ設
備の高低圧タービンバイパス弁制御方法によれば、ボイ
ラの起動時間を短縮し得、且つ通常運転時においては高
圧タービン入口部での主蒸気圧力並びに低圧タービン入
口部での再熱蒸気圧力を確実に制御し得、更に緊急時に
おける急激な負荷下げにも対応し得るという優れた効果
を奏し得る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図
である。 【図2】図1に示される第一関数発生器に入力された関
数を表わす線図である。 【図3】図1に示される第二関数発生器に入力された関
数を表わす線図である。 【図4】図1に示される第三関数発生器に入力された関
数を表わす線図である。 【図5】図1に示される第四関数発生器に入力された関
数を表わす線図である。 【図6】図1に示される第五関数発生器に入力された関
数を表わす線図である。 【図7】従来例の全体概要構成図である。 【符号の説明】 1 高圧タービン 2 低圧タービン 3 主蒸気ライン 4 再熱ライン 5 再熱器 6 復水ライン 7 復水器 10 高圧タービンバイパスライン 11 高圧タービンバイパス弁 12 低圧タービンバイパスライン 13 低圧タービンバイパス弁 14 主蒸気圧力 16 再熱蒸気圧力 20 制御装置 21 負荷指令 22 主蒸気圧力設定値 24 主蒸気圧力偏差 26 高圧タービンバイパス弁開度指令 28 高圧タービンバイパス弁開度上限設定値 30 低選択器 31 再熱蒸気圧力設定値 33 再熱蒸気圧力偏差 35 低圧タービンバイパス弁開度指令 37 バイパス流量 39 低圧タービンバイパス弁流量特性値 41 低圧タービンバイパス弁開度下限設定値 44 高選択器 45 低圧タービンバイパス弁開度上限設定値 47 低選択器

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 主蒸気ライン途中から分岐して高圧ター
    ビンと再熱器との間の再熱ライン途中に接続され且つ途
    中に高圧タービンバイパス弁が設けられた高圧タービン
    バイパスラインと、再熱器と低圧タービンとの間の再熱
    ライン途中から分岐して低圧タービンと復水器との間の
    復水ライン途中に接続され且つ途中に低圧タービンバイ
    パス弁が設けられた低圧タービンバイパスラインとを備
    えてなるボイラ設備の高低圧タービンバイパス弁制御方
    法であって、 主蒸気圧力と負荷指令に基づく主蒸気圧力設定値との主
    蒸気圧力偏差をなくすための高圧タービンバイパス弁開
    度指令により、高圧タービンバイパス弁の開度を、負荷
    指令に基づく高圧タービンバイパス弁開度上限設定値を
    越えない範囲で調整すると共に、 再熱蒸気圧力と負荷指令に基づく再熱蒸気圧力設定値と
    の再熱蒸気圧力偏差をなくすための低圧タービンバイパ
    ス弁開度指令により、低圧タービンバイパス弁の開度
    を、前記高圧タービンバイパスラインへ流されるバイパ
    ス流量を確保するための低圧タービンバイパス弁開度下
    限設定値未満とならず且つ負荷指令に基づく低圧タービ
    ンバイパス弁開度上限設定値を越えない範囲で調整する
    ことを特徴とするボイラ設備の高低圧タービンバイパス
    弁制御方法。
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