JP2765637B2 - 蒸気タービン発電設備 - Google Patents

蒸気タービン発電設備

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JP2765637B2
JP2765637B2 JP3195594A JP19559491A JP2765637B2 JP 2765637 B2 JP2765637 B2 JP 2765637B2 JP 3195594 A JP3195594 A JP 3195594A JP 19559491 A JP19559491 A JP 19559491A JP 2765637 B2 JP2765637 B2 JP 2765637B2
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正道 鳥越
捷二 西島
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボイラと、このボイラ
からの蒸気により駆動される抽気復水タービンと、この
タービンにより駆動される発電機とを備えた蒸気タービ
ン発電設備、特に負荷の急増減に対して適切な運転ので
きる蒸気タービン発電設備に関する。
【0002】
【従来の技術】ボイラと、このボイラからの蒸気が主蒸
気系を経て供給される抽気復水タービンと、このタービ
ンで発生する動力を電力に変換して電力負荷に供給する
発電機とを備える蒸気タービン発電設備が知られてい
る。
【0003】抽気復水タービンは高圧タービン部と低圧
タービン部とからなる蒸気タービンと、このタービンか
らの排気を復水して大気圧以下の所定圧力に保持する復
水器とを備えている。なお、高圧タービン部の入口には
高圧蒸気加減弁、いわゆる主蒸気加減弁が、また低圧タ
ービン部の入口には低圧蒸気加減弁、いわゆる抽気加減
弁が設けられている。
【0004】上記の蒸気タービンにはタービン負荷に応
じた蒸気量の蒸気がボイラから高圧蒸気加減弁を経て供
給され、そして高圧タービン部の排気の一部を抽気した
抽気蒸気は抽気系に供給され、発電機からは電力を負荷
に供給している。この場合、負荷はAPC (自動電力調
整装置) により電力系統からの買電量が所定量になるよ
うに制御される (以下APC制御ともいう) 。
【0005】ところで一般に上記の抽気蒸気の圧力は高
圧蒸気加減弁により制御され、APC制御は低圧蒸気加
減弁により行われる。
【0006】なお、高圧タービン部をバイパスして高圧
圧力調整弁を備えた高圧バイパス系と低圧タービン部を
バイパスして低圧圧力調整弁を備えた低圧バイパス系と
が設けられ、主蒸気系の蒸気を高圧圧力調整弁を介して
高圧バイパス系を経て抽気系に流し、また抽気系の蒸気
を低圧圧力調整弁を介して低圧バイパス系を経て復水器
又はアキュムレータに流すようにしている。以下図面を
用いて従来技術について説明する。
【0007】図3は従来の蒸気タービン発電設備の系統
図である。図において蒸気タービン1は高圧タービン部
4と低圧タービン部5とからなり、高圧タービン部4の
入口にボイラ2からの蒸気を主蒸気系6を経て高圧ター
ビン部4に流入させる高圧蒸気加減弁7と、高圧タービ
ン部4からの排気の一部を抽気して脱気器14, プロセス
11に接続される抽気系8に供給し、残りの排気を低圧タ
ービン部5に流入させる低圧蒸気加減弁9とを備えてい
る。ここで高圧蒸気加減弁7は抽気系8に供給する抽気
蒸気の圧力を制御し、低圧蒸気加減弁9はAPC制御す
る。
【0008】発電機10は蒸気タービン1に接続され、ボ
イラ1からの蒸気が蒸気タービンに流れて仕事する仕事
量に応じた電力を発電し、工場電力系統41に接続される
工場負荷40に電力を供給する。なお、工場電力系統41に
は電力を買電する電力系統42が接続されている。
【0009】復水器3は低圧タービン部5からの排気を
復水にして大気圧以下の所定圧力に保持する。復水器3
とボイラ2とには脱気器給水ポンプ12,低圧給水加熱器1
3,脱気器14, ボイラ給水ポンプ15とを備えた給水系16が
接続されている。
【0010】脱気器14は脱気器14内に流入する給水を加
熱脱気する蒸気を供給するために抽気系8に接続されて
いる。また低圧給水加熱器13には復水器3からの復水を
含む給水を加熱する蒸気を低圧タービン部5から抽気し
て供給する低圧抽気系18が接続されている。なお19は低
圧給水加熱器13にて生じたドレンを復水器3に戻すドレ
ン系である。また20は補給水を復水器3に供給する補給
水系である。
【0011】主蒸気系6と抽気系8とには高圧タービン
部4をバイパスして高圧圧力調整弁22を備えた高圧バイ
パス系23が接続されている。高圧圧力調整弁22は主蒸気
系6の蒸気の圧力が所定圧力になったとき、及び抽気系
8の抽気圧力が所定圧力より低下したとき開になる。
【0012】抽気系8と復水器3とには低圧タービン部
5をバイパスして低圧圧力調整弁24を備えた低圧バイパ
ス系25が接続されている。低圧圧力調整弁24は抽気系8
の抽気蒸気の圧力が所定圧力になったとき開になる。な
お、抽気系8には抽気圧力が異常高の所定圧力になった
とき、抽気系8の蒸気を大気に逃がす逃がし弁27が設け
られている。
【0013】ここで抽気系8の抽気蒸気の所定圧力で
開、または制御される逃がし弁27, 低圧圧力調整弁24,
高圧蒸気加減弁7, 高圧圧力調整弁22の設定圧力は上記
の順で順次小さくしている。
【0014】このような構成による蒸気タービン発電設
備の運転は下記のようにして行われる。
【0015】ボイラ2から蒸気が蒸気タービン1に供給
されると、高圧蒸気加減弁7を経て高圧タービン部4に
流入して仕事をし、その排気の一部は取出されて抽気系
8に供給される。そして残りの排気は低圧蒸気加減弁9
を経て低圧タービン部5に流れて仕事をし、その排気は
復水器3に導かれて復水となり、大気圧以下の所定圧力
に保持される。なお、この際復水器3内の不凝縮ガスは
図示しないエゼクターにより外部に排出される。
【0016】発電機10は蒸気が高圧, 低圧タービン部
4, 5を流れて仕事をした仕事量に相応する電力を発生
し、電力負荷の工場負荷40に供給する。この際所定量の
電力を電力系統42から買電している。
【0017】復水器3内の復水と補給水とが混合した給
水は脱気器給水ポンプ12により昇圧されて低圧給水加熱
器13にて低圧抽気系18を経る抽気蒸気により加熱昇温さ
れた後、脱気器14に送水される。送水された給水は脱気
器14にて抽気系8を経る抽気蒸気により加熱脱気され、
ボイラ給水ポンプ15により昇圧されてボイラ2に供給さ
れる。ボイラ2に供給された給水はボイラ2にて蒸気と
なり、前述のように蒸気タービン1に送られる。なお、
復水器3には抽気系8を経て外部に供給される蒸気量に
見合う補給水が補給水系20を経て供給される。
【0018】ところで、上記において主蒸気系6を流れ
るボイラ2からの蒸気の圧力が負荷急減等により所定圧
力より上昇したときには高圧圧力調整弁22が開になって
主蒸気系6の蒸気を抽気系8に逃がし、また抽気系8の
蒸気の圧力が所定圧力より上昇したときには低圧圧力調
整弁24が開になって抽気系8の余剰の蒸気を復水器3又
は図示しないアキュムレータに逃がしている。なお、抽
気系8の蒸気の圧力が所定圧力より低下したときには高
圧圧力調整弁24が開になって抽気圧力を所定圧力に制御
する。
【0019】上記の高圧蒸気加減弁7, 低圧蒸気加減弁
9, 高圧圧力調整弁22, 低圧圧力調整弁24及びAPC制
御は制御部30で行われる。
【0020】つぎに図3及び図4の制御系統図に基づい
て蒸気タービン発電設備の制御について説明する。蒸気
タービンの回転速度は回転速度検出器31で検出した回転
速度と設定回転速度とが加算器45にて比較演算される。
この加算器45からの偏差信号は速度制御部46で速度制御
信号となる。この速度制御信号は低値選択器52を通って
高圧蒸気加減弁7並びに低圧蒸気加減弁9を制御して蒸
気タービン1の回転速度を制御する。
【0021】電力系統との並列運転時には発電機10が発
生した電力は設定負荷と加算器47にて比較演算され、そ
の偏差信号は出力調節部48で負荷制御信号となる。この
負荷制御信号は低値選択器52を通って高圧蒸気加減弁7
並びに低圧蒸気加減弁9を制御して負荷を設定負荷に制
御する。なお低値選択器52では出力制御部48からの負荷
制御信号と抽気圧力検出器34での検出圧力の信号が入力
され、抽気蒸気の圧力を制御する抽気圧制御器54からの
制御信号と比較される。そして低値選択器52を通った制
御信号は高圧蒸気加減弁7を制御する。
【0022】また、タービンの単独運転時には回転速度
検出器31で検出した回転速度は周波数と負荷との関係の
ドループ特性に基づいて演算する調定率演算器49で速度
調定率に相応した負荷信号となる。この負荷信号は出力
調節部48で負荷制御信号となる。この負荷制御信号は低
値選択器52を通って高圧蒸気加減弁7並びに低圧蒸気加
減弁9を制御して速度調定率に相応した電力を負荷に供
給する。なお低値選択器52では前述と同様に出力調節部
48からの負荷制御信号と抽気圧力制御器54からの制御信
号とが比較され、低値選択器52を通った制御信号は高圧
蒸気加減弁7を制御する。
【0023】一方、APC制御は電力系統42に設けられ
た電力検出器32により検出された買電電力がAPC制御
器58に入力され、買電電力が所定値になるように低圧蒸
気加減弁9を制御して行われる。
【0024】主蒸気系6に設けられた主蒸気圧力検出器
33で検出されたボイラ2からの主蒸気の圧力の信号は主
蒸気圧力制御器57に入力され、この制御器から出力され
た出力信号は高値選択回路59で抽気系8に設けられた抽
気圧力検出器34で検出された抽気蒸気の圧力の信号が入
力される抽気圧力制御器60からの制御信号と比較され
る。そして高値選択器59を通った制御信号は高圧圧力調
整弁22を制御し、主蒸気系6の蒸気圧力が所定値より高
くなる場合や抽気系8の抽気蒸気圧力が所定値より低く
なる場合、抽気系8の抽気蒸気の圧力を所定値に制御す
る。
【0025】また抽気系8に設けられた抽気圧力検出器
34で検出された抽気蒸気の圧力の信号が入力される抽気
圧力制御器61から出力する制御信号により低圧圧力調整
弁24を制御し、抽気蒸気の圧力が所定値より高くなれば
低圧圧力調整弁24を開にし、余剰の蒸気を復水器又はア
キュムレータに逃がして抽気蒸気の圧力を所定値に制御
する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】上記の蒸気タービン設
備において、電力負荷が急減した場合には、APC制御
により低圧蒸気加減弁9が急閉して抽気圧力が上昇し、
抽気圧力制御器54からの制御信号により高圧蒸気加減弁
7は急速にその開度を小さくして高圧タービン部が通常
許容できない負荷変化速度で高圧タービン部に流入する
蒸気量を急減する。この急減する蒸気量により温度変化
が大きくなってケーシングやロータの熱応力が大きくな
り、高圧タービン部の寿命が短くなる。一方ボイラにお
いても負荷急減に応じてボイラでの発生蒸気量を低減す
る必要があり、このためボイラの許容負荷降下速度を超
えた運転を余儀なくされるという問題がある。
【0027】また電力負荷が急増した場合には、APC
制御により低圧蒸気加減弁9が開き抽気圧力が低下す
る。したがって抽気圧力制御器54からの制御信号により
高圧蒸気加減弁7は急速にその開度を大きくして高圧タ
ービン部が通常許容できない負荷変化速度で高圧タービ
ン部に流入する蒸気量を急増する。この急増する蒸気量
により温度変化が大きくなってケーシングやロータの熱
応力が大きくなり、高圧タービン部の寿命が短くなると
いう問題がある。一方、ボイラにおいても負荷急増に応
じて発生する蒸気量を増加する必要があり、このためボ
イラの許容負荷増加速度を超えた運転を余儀なくされ、
またタービンの負荷増加に追随できないという問題があ
る。
【0028】本発明の目的は、電力負荷の急増減時、高
圧タービン部の寿命を短くすることなく、タービンとボ
イラとが適切な負荷変化速度で運転できる蒸気タービン
発電設備を提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によれば、ボイラと、このボイラからの蒸気
が主蒸気系を経て供給される高圧タービン部と低圧ター
ビン部とからなる蒸気タービンと、このタービンからの
排気を復水にし、大気圧以下の所定圧力に保持する復水
器と、蒸気タービンに接続される発電機とからなり、前
記蒸気タービンには高圧タービン部の入口に設けられ、
高圧タービン部の排気部から抽気して抽気系に供給する
抽気蒸気の圧力を制御する高圧蒸気加減弁と、低圧ター
ビン部の入口に設けられ、高圧タービン部からの抽気蒸
気以外の排気が流れ、発電機から電力負荷に供給し、電
力系統から買電する電力を制御する低圧蒸気加減弁と、
高圧タービン部をバイパスし、主蒸気系と抽気系とに接
続し、高圧圧力調整弁を備える高圧バイパス系と、低圧
タービン部をバイパスし、抽気系と復水器又はアキュム
レータとに接続し、低圧圧力調整弁を備える低圧バイパ
ス系とを備える蒸気タービン発電設備において、蓄熱運
転時高圧蒸気加減弁によりタービン入口蒸気圧力を制御
する前圧圧力制御手段及び蓄熱運転, 電力負荷の急増,
急減時高圧蒸気加減弁を開閉する開閉速度調節可能な開
閉手段を設けるものとする。
【0030】また上記の前圧圧力制御手段及び開閉手段
は、高圧タービン部に流入する蒸気の圧力を検出する主
蒸気圧力検出器と、抽気系の蒸気圧力を検出する抽気圧
力検出器と、主蒸気圧力検出器からの検出圧力の信号が
入力され、高圧タービン部に流入する蒸気の圧力を制御
する信号を出力する前圧圧力制御器と、抽気圧力検出器
からの検出圧力の信号が入力され、抽気系の抽気圧力を
制御する信号を出力する抽気圧力制御器と、負荷急増を
検出して負荷急増の指令を出力する負荷急増指令器と、
高圧蒸気加減弁を、蓄熱運転時には前圧圧力制御器から
の制御信号によりボイラの最大許容負荷上昇速度に対応
する速度で、また電力負荷急増時には負荷急増指令器か
らの負荷急増指令により高圧タービン部の最大許容負荷
上昇速度で開にし、一方電力負荷急減時には抽気圧力制
御器からの制御信号によりボイラの最大負荷降下速度に
対応する速度で閉にする信号を出力する開閉速度制限器
とを備えるものとする。
【0031】
【作用】高圧蒸気加減弁により高圧タービン部の排気の
一部を抽出する抽気蒸気の圧力を制御し、低圧蒸気加減
弁により電力系統から買電する電力量の所定量に制御す
る蒸気タービンにおいて、予め蓄熱運転を行った後電力
負荷を急増するときの運転,電力負荷を急減するときの
運転及び高圧蒸気加減弁により蓄熱運転時タービン入口
蒸気圧力を制御する運転は、前圧制御手段及び蓄熱運
転,電力負荷の急増, 急減時高圧蒸気加減弁を開閉する
開閉速度調節可能な開閉手段を設けることにより、蓄熱
運転時のタービン入口蒸気圧力、すなわちボイラ出口蒸
気圧力が制御され、また蓄熱運転時, 電力負荷の急増,
急減時高圧蒸気加減弁を高圧タービン部又はボイラの許
容負荷変化速度内で開閉する。
【0032】上記の前圧制御手段, 開閉手段は、抽気系
の抽気圧力を検出する抽気圧力検出器, 抽気圧力制御
器, 開閉速度制限器, 高圧タービン部に流入する蒸気の
圧力を検出する主蒸気圧力検出器, 前圧圧力制御器, 負
荷急増指令器を備えることにより、電力負荷を急増する
前に行われ、ボイラの最大許容負荷上昇速度で蒸気量を
発生させる蓄熱運転時には主蒸気圧力検出器からの検出
圧力の信号が入力される前圧圧力制御器からの制御信号
が開閉速度制限器に入力され、この制限器からの出力信
号により、高圧蒸気加減弁に流入する蒸気圧力の制御,
すなわち前圧制御しながら高圧蒸気加減弁をボイラの最
大許容負荷上昇速度に対応する速度で開にする。一方A
PC制御により低圧蒸気加減弁は閉方向に動くが、所定
開度で高圧, 低圧蒸気加減弁を止める。この際余剰の蒸
気は高圧, 低圧圧力調整弁を通って復水器又はアキュム
レータに流入する。
【0033】蓄熱運転が終了したら電力負荷の急増が行
われる。この場合APC制御により低圧蒸気加減弁が開
方向に動く。この際負荷の急増を検出して負荷急増指令
器からの負荷急増指令が開閉速度制限器に入力され、高
圧蒸気加減弁は高圧タービン部の最大許容負荷速度で開
になる。そして負荷の上昇が止まった後も高圧蒸気加減
弁は所定開度まで開くため、低圧蒸気加減弁が今度は閉
じていき、高圧蒸気加減弁が所定開度になったとき、低
圧蒸気加減弁を閉じ止まる。この間タービン入口蒸気圧
力は高圧圧力調整弁により制御され、抽気圧力は低圧圧
力調整弁により制御される。
【0034】電力負荷の急減時には、APC制御により
低圧蒸気加減弁は急閉し、これに伴って抽気圧力が上昇
する。この際抽気圧力検出器での検出圧力の信号が抽気
圧力制御器に入力され、この抽気圧力制御器から出力さ
れる負荷急減による制御信号が入力される開閉速度制限
器からの制御信号により、高圧蒸気加減弁はボイラの最
大許容負荷降下速度に対応する速度で閉方向に動く。こ
の際抽気圧力は低圧圧力調整弁により制御される。
【0035】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例について
説明する。図1は本発明の実施例による蒸気タービン発
電設備の制御系統図である。なお、図1において図3,
図4の従来例と同一部品には同じ符号を付し、その説明
を省略する。図1において従来例と異なるのは、抽気系
8の抽気蒸気の圧力を制御するため抽気圧力制御器54か
ら出力される制御信号を低値選択器52に入力する前に入
力させる高圧蒸気加減弁7の開閉速度制限器65と、負荷
変化パターンに従ってタービン負荷上昇前に行われる蓄
熱運転を行わせる蓄熱指令回路66と、この指令回路から
の蓄熱指令によりボイラ制御67を行わせるとともに、高
圧蒸気加減弁7の入口蒸気圧力を制御する、いわゆる前
圧制御するために主蒸気圧力検出器33での検出圧力の信
号が入力される前圧圧力制御器68と、負荷急増時APC
制御による負荷急増を検出して負荷急増指令を出力する
負荷急増指令器62と、前圧圧力制御器68からの制御信号
を負荷急増指令器62からの指令と切換える切換スイッチ
63と、前圧圧力制御器68から出力される制御信号及び負
荷急増指令器からの指令と抽気圧力制御器54からの制御
信号とを切換えて低値選択回路52に入力させるための切
換スイッチ69とを設けたことである。
【0036】なお、上記の開閉速度制限器65は高圧蒸気
加減弁7を閉にするときには、その閉速度はボイラの最
大許容負荷降下速度に制限され、一方開にするときには
その開速度は高圧タービン部の最大許容負荷上昇速度に
制限される。ここで高圧圧力調整弁22が閉のときはその
開速度はボイラの最大許容負荷上昇速度に制限される。
【0037】このような構成により、予め定められた負
荷変化パターンに従って行う蓄熱運転、これに続いて行
われるタービン負荷急増, タービン負荷急減及び通常の
負荷又はプロセス蒸気量の変動時の運転について図2の
運転状態を示すタイムチャートをも用いて説明する。
【0038】蓄熱運転時には蓄熱指令回路66からの蓄熱
指令によりタービン負荷, プロセス蒸気量は図2で
1 , P1 で一定のままボイラ出力はボイラの最大許容
負荷上昇速度で発生蒸気量が増加し、図2でB1 からB
2 になる。この際タービンの高圧蒸気加減弁7 (以下H
CVという) の開度は蓄熱指令により切換スイッチ69が
作動して前圧圧力制御器68からの制御信号が閉状態の切
換スイッチ63を経て開閉速度制限器65に入力され、低値
選択器52を経てHCVを制御する。このためHCVの入
口蒸気圧力は所定圧力に制御されながらHCVはボイラ
の最大許容負荷上昇速度に対応する速度で開き、図2で
HCVの開度はH1 からH2 になる。またAPC制御に
より低圧蒸気加減弁9 (以下ECVという) は閉方向に
動き、図2でECV開度はE1 からE2 になる。この間
負荷はL1 に保持されている。ここでECVの開度E2
は所定開度にし、HCVの開度H2 はECVの開度E2
により定まる開度とする。
【0039】この際、ECVの閉により抽気圧力は上昇
するので、抽気圧力を制御するために低圧圧力調整弁24
(以下CV2という)は開、図2でCV2開度はN0
らN 1 になって抽気圧力は制御される。
【0040】上記においてHCVの開度はH2 に保持さ
れるため、ボイラからタービンに流入しない余剰の蒸気
により主蒸気系6の蒸気圧力は上昇するので、主蒸気圧
力制御器57からの制御信号により高圧圧力調整弁22 (以
下CV1という) は開になり、図2でCV1開度はM0
からM1 になって前記余剰の蒸気は抽気系8に流れ、さ
らにCV2が開、図2でCV2開度はN1 からN2 にな
って主蒸気系6及び抽気系8の蒸気圧力を制御する。な
おCV2から流れる蒸気は復水器3又はアキュムレータ
に導かれる。
【0041】上記の蓄熱運転が終了したらタービンの負
荷の急増を行う。この際、切換スイッチ69の作動位置は
蓄熱指令のときと同じ位置である。したがって抽気圧力
制御器54からの制御信号は開閉速度制限器65に入力され
ない。この状態で負荷急増に伴ってAPC制御によりE
CVは急開、図2で負荷はL1 からL2 に急増し、EC
V開度はE2 からE3 になる。この際負荷急増指令器62
により負荷急増指令が出力され、この急増指令により切
換スイッチ63が作動して負荷急増指令は開閉速度制御器
65に入力され、HCV開度を高圧タービン部の最大許容
負荷上昇速度にて予め決められた所定開度、図2でHC
V開度をH2 から所定開度のH3 にする。
【0042】上記の予め決められたHCVの所定開度は
つぎのようにして定められる。負荷上昇時の目標負荷
と、そのときのプロセス蒸気量とは予め分かっているの
で、最終的に必要なボイラ出力, HCV開度, ECV開
度は決まる。なおこのときCV1, CV2はいずれも全
閉とする。そしてこの決められたHCV開度にある程度
の余裕を見込んだ値をあらかじめ決められたHCVの所
定開度とする。
【0043】ところでAPC制御によりECVは開方向
に動き、図2でECV開度はE2 からE3 になるが、負
荷の上昇が止まり、すなわち負荷が図2でL2 になった
後もHCVは所定開度H3 まで開くので、ECV開度は
図2でE3 から閉方向に動き、HCV開度がH3 のとこ
ろでECV開度も閉じ止まり、図2でECV開度はE 4
となる。
【0044】なお、ボイラ出力が図2でL1 からL2
上昇し、HCV開度がH3 に開き止まってからのボイラ
出力がL2 である間、高圧蒸気加減弁7の入口蒸気圧力
はCV1で制御され、図2でCV1開度はM1 からM0
になって制御され、また抽気圧力はCV2で制御され、
図2でCV2開度はN2 →N3 →N4 となって制御され
る。
【0045】負荷急増が終了したら通常運転に移る。こ
のとき切換スイッチ69は蓄熱指令の解除により切換えら
れて抽気圧力制御器54からの制御信号が開閉速度制限器
65に入力するようになる。したがって抽気圧力は高圧蒸
気加減弁7により制御されるので、抽気圧力制御器54か
らの制御信号により高圧蒸気加減弁7は閉方向に動き、
図2でHCV開度はH3 からH4 になるとともにECV
はAPC制御により開方向に動き、図2でECV開度は
4 からE5 になり、したがってCV2は全閉、図2で
CV2開度はN4 からN0 になる。これに伴って負荷は
2 の一定のままボイラ出力は減少し、図2でボイラ出
力はB2 からB3 になる。
【0046】つぎに負荷を急減、図2で負荷をL2 から
3に急減するときにはAPC制御によりECVは急
閉、図2でECV開度はE5 からE6 になり、これに伴
って抽気圧力は上昇するので、抽気圧力を制御するため
抽気圧力制御器61からの制御信号によりCV2は開、図
2でCV2開度はN0 からN5 になる。この時点でボイ
ラは最大許容負荷降下速度で発生蒸気量を減、図2でボ
イラ出力はB3 からB4になるとともにHCVは開閉速
度制限器65からの制御信号によりボイラの最大許容負荷
降下速度に対応する速度で閉、図2でHCV開度はH4
からH5 になる。この間CV2は抽気圧力制御器61から
制御信号により閉、図2でCV2開度はN 5 からN0
なって抽気系8の抽気圧力はCV2によって制御され
る。なおHCVの閉によりタービンに流入する蒸気量は
減少するのでECVは開方向に動き、図2でECV開度
はE6 からE7 になる。なお、上記においてHCVの閉
速度はボイラの最大許容負荷速度に制御されるので、ボ
イラ出力はこれに追従でき、このため高圧蒸気加減弁7
の入口蒸気圧力はボイラの圧力制御により一定に保持さ
れる。
【0047】なお、抽気圧力制御はHCVにより、AP
C制御はECVにより行われる通常運転時の負荷やプロ
セス蒸気量の変動は下記のようになる。負荷が一定でL
1 のときCV1及びCV2が閉状態でプロセス蒸気量が
1 →P2 →P3 →P1 に変動したときには、ボイラ出
力はB4 →B5 →B6 →B4 に、HCV開度はH5 →H
6 →H7 →H5 に、ECV開度はE7 →E8 →E9→E
7 になる。
【0048】またプロセス蒸気量が一定でP1 のときC
V1及びCV2が閉状態で負荷がL 1 →L2 →L3 →L
1 に変動したときには、ボイラ出力はB4 →B7 →B8
→B 4 に、HCV開度はH5 →H8 →H9 →H5 に、E
CV開度はE7 →E10→E11→E7 になる。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば予め電力負荷急増が予定される前に行われる蓄熱
運転時、ボイラはボイラの最大許容負荷上昇速度で蒸気
量を発生し、ボイラからの蒸気が流入する蒸気タービン
は高圧タービン部の入口蒸気の圧力を前圧制御しながら
開閉速度制限器により高圧蒸気加減弁をボイラの最大許
容負荷上昇速度に開にし、また蓄熱運転終了時の電力負
荷急増は開閉速度制限器により高圧蒸気加減弁を高圧タ
ービン部の最大許容負荷上昇速度で開にし、さらに電力
負荷急減時には高圧蒸気加減弁を開閉速度制限器により
ボイラの最大許容負荷降下速度で閉にすることにより、
蓄熱運転, 負荷の急増, 急減に対し、ボイラや高圧ター
ビン部の負荷変化速度は許容値内に収まるので、ボイラ
やタービンの大きな寿命消費がなくなるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による蒸気タービン発電設備の
制御系統図
【図2】図1の蒸気タービン発電設備の制御系統による
運転状態を示すタイムチャート図
【図3】従来の蒸気タービン設備の系統図
【図4】図2の蒸気タービン設備の制御系統図
【符号の説明】
1 蒸気タービン 2 ボイラ 3 復水器 4 高圧タービン部 5 低圧タービン部 6 主蒸気系 7 高圧蒸気加減弁 8 抽気系 9 低圧蒸気加減弁 10 発電機 22 高圧圧力調整弁 23 高圧バイパス系 24 低圧圧力調整弁 25 低圧バイパス系 33 主蒸気圧力検出器 34 抽気圧力検出器 54 抽気圧力制御器 62 負荷急増指令器 65 開閉速度制限器 68 前圧圧力制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−101010(JP,A) 特開 平3−37304(JP,A) 特開 昭58−23208(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01K 7/38

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボイラと、このボイラからの蒸気が主蒸気
    系を経て供給される高圧タービン部と低圧タービン部と
    からなる蒸気タービンと、このタービンからの排気を復
    水にし、大気圧以下の所定圧力に保持する復水器と、蒸
    気タービンに接続される発電機とからなり、前記蒸気タ
    ービンには高圧タービン部の入口に設けられ、高圧ター
    ビン部の排気部から抽気して抽気系に供給する抽気蒸気
    の圧力を制御する高圧蒸気加減弁と、低圧タービン部の
    入口に設けられ、高圧タービン部からの抽気蒸気以外の
    排気が流れ、発電機から電力負荷に供給し、電力系統か
    ら買電する電力を制御する低圧蒸気加減弁と、高圧ター
    ビン部をバイパスし、主蒸気系と抽気系とに接続し、高
    圧圧力調整弁を備える高圧バイパス系と、低圧タービン
    部をバイパスし、抽気系と復水器又はアキュムレータと
    に接続し、低圧圧力調整弁を備える低圧バイパス系とを
    備える蒸気タービン発電設備において、蓄熱運転時高圧
    蒸気加減弁によるタービン入口蒸気圧力を制御する前圧
    圧力制御手段及び蓄熱運転, 電力負荷の急増, 急減時高
    圧蒸気加減弁を開閉する開閉速度調節可能な開閉手段を
    備え、前記前圧圧力制御手段及び開閉手段は高圧タービ
    ン部に流入する蒸気の圧力を検出する主蒸気圧力検出器
    と、抽気系の蒸気圧力を検出する抽気圧力検出器と、主
    蒸気圧力検出器からの検出圧力の信号が入力され、高圧
    タービン部に流入する蒸気の圧力を制御する信号を出力
    する前圧圧力制御器と、抽気圧力検出器からの検出圧力
    の信号が入力され、抽気系の抽気圧力を制御する信号を
    出力する抽気圧力制御器と、負荷急増を検出して負荷急
    増の指令を出力する負荷急増指令器と、高圧蒸気加減弁
    を、蓄熱運転時には前圧圧力制御器からの制御信号によ
    りボイラの最大許容負荷上昇速度に対応する速度で、ま
    た電力負荷急増時には負荷急増指令器からの負荷急増指
    令により高圧タービン部の最大許容負荷上昇速度で開に
    し、一方電力負荷急減時には抽気圧力制御器からの制御
    信号によりボイラの最大負荷降下速度に対応する速度で
    閉にする信号を出力する開閉速度制限器とを備えたこと
    を特徴とする蒸気タービン発電設備。
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