JP2000064684A - ステアリングロック装置 - Google Patents

ステアリングロック装置

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JP2000064684A
JP2000064684A JP10252041A JP25204198A JP2000064684A JP 2000064684 A JP2000064684 A JP 2000064684A JP 10252041 A JP10252041 A JP 10252041A JP 25204198 A JP25204198 A JP 25204198A JP 2000064684 A JP2000064684 A JP 2000064684A
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rotor
cylinder
cam
key
hole
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JP10252041A
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English (en)
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Yuichi Uchiyama
雄一 内山
Shuichi Shimizu
秀一 清水
Toshiyuki Tanaka
利幸 田中
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Asahi Denso Co Ltd
Original Assignee
Asahi Denso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正規のキー以外ではロータが空回りするように
構成して、不正解錠を防止するステアリングロック装置
の提供。 【解決手段】タンブラ(6)の外側中央部に切欠溝(6
a)を形成し、シリンダ(1f)の内側のほぼ中央部にテ
ーパー状の肩部(1e)を形成すると共に該肩部(1e)よ
り上方を大径部(1h)とし、ロータ(2)の側面に縦長
状のスリット(2c)を前記タンブラの切欠溝に対応させ
て設け、該スリット内に、外側中央部に前記シリンダ内
面の肩部に対応する斜面(3a)を有する板状のサイドバ
ー(3)を上下のバネ(12)(12)により外方に付勢さ
せて径方向に進退自在に装填し、キー(15)をロータの
キー穴(2f)に挿入して押圧した際、全タンブラの切欠
溝が整列し、サイドバーがスリット内を内方に移動して
タンブラの切欠溝に嵌まり込むことによってロータをシ
リンダの奥底に押し込み、ロックバー(16)作動用の連
結部を作動させ得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二輪車または四輪
車のステアリングロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、二輪車や四輪車のステアリン
グロック装置には、例えば数枚の板タンブラを有するシ
リンダ錠が広く用いられてきたが、近年、特に二輪車に
おいて、これらのシリンダ錠のキー孔に異物(例えばハ
サミの先端部やマイナスドライバ)を挿入し、強引にこ
じ回すことにより解錠するという盗難行為が増えてお
り、社会問題になっている。
【0003】このような不正解錠行為に対抗する手段と
して、従来から各種の方法が提案されており、本出願人
においても、例えば、実願平3−60268号(実公平
7−24537号公報)や実願平5−4117号(実開
平6-55898号公報)に記載の構造を出願してい
る。
【0004】前者の考案は、シリンダ錠のロータの外周
下部に張出突起を設けると共にシリンダケースの内周下
部に係合凹部を設け、ロータのロック位置において前記
張出突起がシリンダケースの係合凹部に弾圧的に嵌まり
込むようにして、こじ回しに対する抵抗力を高めたもの
である。
【0005】また、後者の考案は、前記した構成に加え
て、シリンダ錠の押し込みを阻止する電磁ロック機構を
付設して、この電磁ロック機構が解除されない限り、ス
テアリングロックが解除されないように構成したもので
ある。
【0006】これらの装置は、前記した不正な解錠行為
に対し、一定の効果を有するものであるが、実際の車両
に採用した結果、次のような問題点が明らかになった。
【0007】すなわち、前記した従来の構造は、いずれ
も、こじ回しに対するシリンダ錠の抵抗力を高めるもの
であるため、たとえば、キー孔にハサミの先端部などの
異物を挿入してこじ回しされた場合、異物がロータ内で
折れて、残ってしまうことがある。これにより、正規の
ユーザが運転しようとした際、キーが入らず、運転がで
きなくなる。このような場合、ユーザはシリンダ錠を含
むステアリングロック装置全体を交換しなければなら
ず、大きな負担となるものであった。
【0008】前記した問題点を解決するためには、シリ
ンダ錠を正規のキー以外では空転するように構成すれば
よい。このようなシリンダ錠としては、例えば特開平7
−150828号公報に記載の構造がある。このシリン
ダ錠は、ロータをキーロータとスリーブの二重構造と
し、タンブラが所定位置に至らない場合、キーロータが
空回りするようにして、不正解錠を防止すると共に構成
部品の破損や異物の折損を防止するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このシ
リンダ錠においては、ロータを二重構造にする必要があ
るほか、空転用の四つの移動子を前記キーロータとスリ
ーブとの間に配置する必要があり、ステアリングロック
装置に採用した場合、構造が複雑で組立性も悪く、コス
トが高いものであった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、正規のキー以
外ではロータの押圧を不可能にして、ロータが空回りす
るように構成することにより、不正解錠を防止すると共
に、従来品に対して構造が簡単で低コストなステアリン
グロック装置を提供するものである。
【0011】すなわち、本発明の第一は、円筒状のシリ
ンダ(1f)を上部に有するボディ(1)と、前記シリン
ダ(1f)に回動可能に設けられた複数のタンブラ(6)
を装填したロータ(2)と、該ロータ(2)の下端部に
設けられたロックバー(16)作動用の連結部とから成る
ステアリングロック装置(20)において、前記複数の全
タンブラ(6)の外側中央部に切欠溝(6a)を形成し、
前記シリンダ(1f)の内側のほぼ中央部にテーパー状の
肩部(1e)を形成すると共に該肩部(1e)より上方を大
径部(1h)とし、前記ロータ(2)の側面に縦長状のス
リット(2c)を前記タンブラ(6)の切欠溝(6a)に対
応させて設け、該スリット(2c)内に、外側中央部に前
記シリンダ(1f)内面の肩部(1e)に対応する斜面(3
a)を有する板状のサイドバー(3)を上下のバネ(1
2)(12)により外方に付勢させて径方向に進退自在に
装填し、キー(15)をロータ(2)のキー穴(2f)に挿
入して押圧した際、全タンブラ(6)の切欠溝(6a)が
整列し、サイドバー(3)がスリット(2c)内を内方に
移動してタンブラ(6)の切欠溝(6a)に嵌まり込むこ
とによってロータ(2)をシリンダ(1f)の奥底に押し
込み、ロックバー(16)作動用の連結部を作動させ得る
ようにしたことを特徴とするステアリングロック装置で
ある。
【0012】また、本発明の第二は、前記第一の発明に
おいて、ステアリングロック作動時にロックバー(16)
が連結されたカム(18)をシリンダ(1f)に係合させる
ことによって、該ロックバー(16)に外力が作用した場
合においてもステアリングロック状態が解除されないよ
うにしたものである。
【0013】すなわち、本発明の第二は、シリンダ(1
f)の内側下端の対向位置に凹部(1b)を設け、ロータ
(2)の下端中心に穴(2e)を設け、該ロータ(2)下
端の穴(2e)に、円柱状の頭部(4c)と該頭部(4c)の
下方から径方向に突出した一対の腕部(4a)(4a)を備
え下端にバネ穴(4b)を有する作動子(4)の該頭部
(4c)を嵌め込むと共に、バネ穴(4b)内に作動子バネ
(9)を挿入して作動子(4)を上方に付勢し、該作動
子(4)の下方に、円盤部(18e)の上面に円弧状の二
つの壁(18a)(18a)が対向的に形成されると共に下
部にクランク(18d)を形成したカム(18)を回動可能
に設け、該カム(18)の二つの壁(18a)(18a)間の
間隙溝(18b)に作動子(4)の両腕部(4a)(4a)を
嵌め込んだ状態で該両腕部(4a)(4a)を前記シリンダ
(1f)下部の両凹部(1b)(1b)に嵌め込むことによっ
て、ステアリングロック装置作動時におけるロックバー
(16)の戻りを防止したことを特徴とするステアリング
ロック装置である。
【0014】さらに本発明の第三は、前記第一の発明に
おいて、ロータ(2)をシリンダ(1f)内に押し込んだ
際に、該ロータ(2)とカム(18)とを接続させること
によって、ロックバー(16)を作動させることを特徴と
するものである。
【0015】すなわち、本発明の第三は、ロックバー
(16)作動用の連結部として、ロータ(2)の下部に突
起(2b)(2b)を設けると共に該ロータ(2)を作動子
バネ(9)にて上方に付勢し、該ロータ(2)の下方
に、円盤部(18e)の上面に円弧状の二つの壁(18a)
(18a)が対向的に形成されると共に下部にクランク
(18d)を形成したカム(18)を回動可能に設け、該カ
ム(18)のクランク(18d)にロックバー(16)を連結
し、ロータ(2)をシリンダ(1f)の奥底に押し込んだ
際に前記突起(2b)(2b)を前記カム(18)の二つの壁
(18a)(18a)間の間隙溝(18b)に係合させてロー
タ(2)とカム(18)とを連結し、ロックバー(16)を
作動させ得るようにしたことを特徴とするステアリング
ロック装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
2〜図3に基づき説明する。
【0017】本実施例に係るステアリングロック装置
(20)は、シリンダ(1f)を上部に有するボディ
(1)、該シリンダ(1f)内に回動自在に設けられ、複
数枚の板タンブラ(6)を有するロータ(2)、該ロー
タ(2)の側面に軸方向に沿って摺動可能に設けられた
縦長状のサイドバー(3)、該ロータ(2)の下方に上
下移動可能に設けられた作動子(4)と、この作動子
(4)と係合するカム(18)、該カム(18)の回動によ
り出没するロックバー(16)および同じくカム(18)の
回動により作動するスイッチ(30)等から構成されてい
る。
【0018】前記ボディ(1)は、上部の円筒状のシリ
ンダ(1f)と下部のケース(1g)とから成り、亜鉛ダイ
カスト等で堅牢に形成されていて、取付孔(1d)を利用
してボルト(図示しない)にて車両に取り付けられるも
のである。
【0019】前記シリンダ(1f)は、図2に示すよう
に、内側のほぼ中央部にテーパー状の肩部(1e)が形成
されると共に該肩部(1e)より上方が大径部(1h)に形
成されていて、該大径部(1h)の内周面に複数の節度溝
(1c)が形成されおり、該シリンダ(1f)の下部が、下
部のケース(1g)の上部と連結された状態にてボディ
(1)を構成している。
【0020】また、該シリンダ(1f)下部には、図2、
図6および図8に示すように、周囲から中心部に向けて
二個の突起(1a)が対向状に設けられると共に該突起
(1a)の更に下方には、図3、図7および図8に示すよ
うに後記する作動子(4)の腕部(4a)が嵌まる一定幅
の凹部(1b)が、シリンダ(1f)の内径より外方に入り
込むように形成されている。
【0021】(2)は、前記シリンダ(1f)に回動自在
に嵌まるロータである。該ロータ(2)は、従来品と同
様に上端から軸方向にキー穴(2f)が設けられると共
に、側面に複数段のタンブラ孔(2d)が形成され、本発
明品においては、該タンブラ孔(2d)と直交する側面外
周部に該タンブラ孔(2d)に達する縦長状のスリット
(2c)が形成されている。
【0022】また、ロータ(2)の下部には、上部突起
(2a)(2a)と下部突起(2b)(2b)が上下に一定間隔
を有して一対ずつ設けられると共に、該ロータ(2)の
下端中心には、後記する作動子(4)の頭部(4c)が嵌
まる穴(2e)が形成されている。
【0023】前記タンブラ孔(2d)には、従来公知のも
のと同様に金属板をプレスして形成された複数のタンブ
ラ(6)が摺動自在に設けられている。該タンブラ
(6)は、図2および図5に示すように、中央部にキー
孔(6b)が設けられると共に前記ロータ(2)のスリッ
ト(2c)と対応する外側面(図2においては右側)中央
部には切欠溝(6a)が設けられており、タンブラバネ
(19)によって、径方向に付勢された状態にてロータ
(2)のタンブラ孔(2d)に挿入されている。
【0024】そして、タンブラ(6)は、該キー孔(6
b)の位置をたとえば4段階に変化させたものを用意
し、これらを適宜組み合わせることによって、所定のキ
ー種を形成するものである。
【0025】一方、前記ロータ(2)のスリット(2c)
には、板状のサイドバー(3)が設けられている。該サ
イドバー(3)は、外側(図2、図3においては右側)
中央部に前記シリンダ(1f)内面の肩部(1e)に対応し
た斜面(3a)を有し、該斜面(3a)を前記肩部(1e)に
当接させた状態にて、前記スリット(2c)に径方向に進
退自在に挿入され、上下のバネ(12)(12)の弾性力に
より、常時外方に付勢されている。
【0026】なお、(8)は、ロータ(2)の上端に連
結固定されて、該ロータと一体的に回動する硬質金属
(たとえば焼結合金)製の保護リングであり、(10)
は、該保護リング(8)内に摺動可能に設けられたキー
穴(2f)を閉鎖するシャッターであり、(11)はシャッ
ターバネである。また、(13)および(14)は、ロータ
(2)の節度用バネおよびボールである。
【0027】そして、図3に示すように、シリンダ(1
f)にロータ(2)を挿入すると共に、該ロータ(2)
の上端に前記保護リング(8)を連結し、この状態で、
保護リング(8)の上方からシリンダキャップ(7)を
被せてネジ(17)でボディ(1)に取り付けることによ
り、抜け止めがなされる。なお、ネジ(17)は、容易に
取り外すことができないように、たとえば食い切りボル
ト(一定値以上のトルクで頭部が切断されるボルト)の
ような特殊なネジを使用することが望ましい。
【0028】(4)は、図2に示すように、円柱状の頭
部(4c)と、該頭部(4c)の下方から径方向に突出した
一対の腕部(4a)(4a)と、下端に設けられたバネ穴
(4b)とから形成されている作動子で、該作動子(4)
は、前記ロータ(2)の下方の穴(2e)に回動自在に設
けられている。
【0029】また、前記作動子(4)の下方には、カム
(18)が同軸上に回動可能に設けられている。該カム
(18)は、円盤部(18e)の上面中央部に突起(18c)
が設けられると共にその外周部に円弧状の二つの壁(18
a)(18a)が対向的に形成され、各々の壁の間の間隙
溝(18b)には前記作動子(4)の腕部(4a)が係合し
ている。
【0030】一方、円盤部(18e)の下部には、クラン
ク(18d)が形成されており、該クランク(18d)の中
央部には、車両のステアリングシャフト(図示しない)
に嵌まるロックバー(16)が係合されると共に、先端部
には車両の電源や点火系を制御するスイッチ(30)の可
動接点板(32)が係合している。
【0031】前記作動子(4)と前記カム(18)との間
には、作動子バネ(9)が介在されている。該作動子バ
ネ(9)は、上端が前記作動子(4)のバネ穴(4b)に
挿入されると共に、下端がカム(18)の突起(18c)に
嵌められていて、作動子(4)の頭部(4c)を前記ロー
タ(2)下部の穴(2e)に回動自在に嵌めると共に、腕
部(4a)を前記カム(18)の間隙溝(18b)に嵌め込ん
だ状態にて、ロータ(2)と共に作動子(4)を上方に
付勢するもので、これらロータ(2)、作動子(4)、
作動子バネ(9)、カム(18)により、クラッチ機構
(21)を構成しており、常時は、両者の接続が断たれた
状態、すなわち、図3に示すように、ロータ(2)がカ
ム(18)に対して分離し、回動自在の状態に位置してい
る。
【0032】なお、図3における(23)はカム(18)の
抜け止めのためのプレートであり、ネジ(22)でボディ
(1)のケース(1g)に固定されるものである。また、
(30)はスイッチであり、従来公知のステアリングロッ
ク装置と同様に、固定接点(36)を有する固定接点板
(31)と、可動接点(32)を有する可動接点板(33)
と、節度用のボール(35)および節度バネ(34)と、ス
イッチカバー(37)と、スイッチベース(38)とから構
成されているもので、図示しないリード線によって車両
の電装品に接続されている。
【0033】次に、本実施例の動作について説明する。
【0034】まず、ロータ(2)が図1のOFF位置に
あって、ロータ(2)にキーを挿入しない状態では、タ
ンブラ(6)とサイドバー(3)との関係は、図3およ
び図5(a)に示す通りである。この状態から、ロータ
(2)に正規のキー(15)を挿入すると、タンブラ
(6)が整列し、同時に切欠溝(6a)も径方向に一列に
整列する。
【0035】タンブラ(6)の整列後にキーを押圧して
ロータ(2)を押し下げると、サイドバー(3)の斜面
(3a)が、シリンダ(1f)の肩部(1e)に当接している
ことから、サイドバー(3)は図中左方向に押される。
この時、タンブラ(6)の溝(6a)が一列に整列してい
ることから、サイドバー(3)は、図4、図5(b)に
示すように該切欠溝(6a)内に進入して嵌まり込むの
で、ロータ(2)のスリット(2c)内に押し込まれる。
これにより、ロータ(2)をシリンダ(1f)の奥底に押
し込むことができる。
【0036】ロータ(2)が押し込まれると、図4およ
び図7(a)に示すようにロータ(2)の下部突起(2
b)(2b)がカム(18)の間隙溝(18b)(18b)と係
合するので、クラッチ機構(21)は接続され、ロータ
(2)を回動操作すれば、カム(18)が連動して回動
し、スイッチ(30)の開閉操作やロックバー(16)の進
退操作が可能になる。
【0037】この状態から、ロータ(2)を図1のON
位置に回動させると、スイッチ(30)の可動接点(32)
が固定接点(36)を短絡し、二輪車の電源や点火系がO
Nになる。また、このON位置においては、図6(b)
に示すように、ロータ(2)の上部突起(2a)(2a)が
シリンダ(1f)内面の突起(1a)(1a)の下側に入り込
むので、ロータ(2)の押下力を解除しても、ロータ
(2)は図3の位置に上昇することができない。よっ
て、タンブラ(6)の溝(6a)にはサイドバー(3)が
入り込んだままであるため、キー(15)の抜き取りは不
可能であり、これにより、たとえば走行中に誤ってキー
(15)が抜けてしまうことが防止される。
【0038】一方、ロータ(2)に何も挿入しない場合
はもとより、ハサミの先端部のような異物を挿入した場
合、ハサミの先端部では全タンブラ(6)を整列させる
ことはできないから、切欠溝(6a)も一列に整列しな
い。よって、ロータ(2)を押圧してもサイドバー
(3)をロータ(2)のスリット(2c)内に押し込むこ
とができないので、ロータ(2)の押し下げは不可能で
ある。したがって、クラッチ機構(21)は、接続が断た
れた状態を維持しているため、この状態でロータ(2)
に回転力を加えても、作動子(4)の腕部(4a)上を回
動(空転)するだけで、その回転力がカム(18)に伝達
されず、スイッチ(30)の開閉操作やロックバー(16)
の進退操作は不可能である。
【0039】また、ドリル等の工具を用いてロータ
(2)を破壊しようとしても、前記した通り、正規のキ
ー(15)以外ではロータ(2)が空転することに加え
て、ロータ(2)の上部に硬質金属製の保護リング
(8)がロータ(2)と一体的に回転するように設けら
れていることから、ロータ(2)を破壊することはきわ
めて困難である。
【0040】なお、前記した通り、本実施例において
は、シリンダ(1f)上部の節度溝(1c)にロータ(2)
のボール(14)が係合することにより、ロータ(2)の
各回動位置において、適宜の節度感が得られるようにな
っている。したがって、ユーザーは、ロータ(2)が正
規の回動位置から外れていたとしても、正規の回動位置
を容易に探り当てることができるものである。
【0041】次に、キー(15)を前記のONもしくはO
FF位置から半時計方向に回して、図1のLOCK位置
に回動させた場合について説明する。この位置では、カ
ム(18)のクランク(18d)の作用により、ロックバー
(16)が図1の二点鎖線で示すように突出して、ステア
リングシャフト(図示しない)に係合し、車両のハンド
ルがロックされる。
【0042】このLOCK位置においては、ロータ
(2)の上部突起(2a)(2a)がシリンダ(1f)の突起
(1a)(1a)から外れるので、ロータ(2)は図2の位
置まで上昇可能であり、キー(15)をロータ(2)から
抜き取ることができる。
【0043】また、このLOCK位置においては、キー
(15)を抜き取ると、図7(b)に示すように、作動子
(4)の腕部(4a)(4a)が、作動子バネ(9)の弾性
力によって、シリンダ(1f)内側下端の凹部(1b)(1
b)に嵌まるので、カム(18)は強固にロックされる。
したがって、駐車中の車両のハンドルに回動力を加えて
ロックバー(16)をケース内に引き込む方向の力を作用
させたとしても、カム(18)は回動せず、ロックバー
(16)が引き込まれることはないので、ステアリングロ
ックの不正な解除が防止されるものである。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上のように、タンブラ
(6)の側部に切欠溝(6a)を設け、この切欠溝(6a)
にロータ(2)側部に設けたサイドバー(3)を係合可
能に構成することにより、正規のキー(15)以外では、
ロータ(2)が空転するようにしたため、異物の挿入に
よるステアリングロックの不正解錠を効果的に防止でき
ると共に、従来品に比べて構成が簡単で低コストにて提
供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平面図である。
【図2】 本発明の主要な構成部品を示す分解斜視図で
ある。
【図3】 図1のA−A断面図である。
【図4】 キーでロータを押下げた状態を示す、図3相
当の断面図である。
【図5】 タンブラとサイドバーとの関係を示し、
(a)は、図3のB−B断面図、(b)は図4のC−C
断面図である。
【図6】 図3のD−D断面図で、(a)はロータがO
FF位置の場合、(b)はロータがON位置の場合、
(c)はロータがLOCK位置の場合をそれぞれ示すも
のである。
【図7】 図3のE−E断面図で、(a)はロータがO
N位置の場合、(b)はロータがLOCK位置の場合を
示すものである。
【図8】 シリンダ下部の一部を切り欠いた斜視図であ
る。
【符号の説明】
1………ボディ 1a………突起 1b………凹部 1e………肩部 1f………シリンダ 2………ロータ 2a………上部突起 2b………下部突起 2c………スリット 2d………タンブラ孔 2e………穴 2f………キー穴 3………サイドバー 3a………斜面 4………作動子 4a………腕部 4b………バネ穴 4c………頭部 6………タンブラ 6a………切欠溝 6b………キー孔 9………作動子バネ 18………カム 18a……壁 18b……間隙溝 21………クラッチ機構

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状のシリンダ(1f)を上部に有するボ
    ディ(1)と、前記シリンダ(1f)に回動可能に設けら
    れた複数のタンブラ(6)を装填したロータ(2)と、
    該ロータ(2)の下端部に設けられたロックバー(16)
    作動用の連結部とから成るステアリングロック装置(2
    0)において、前記複数の全タンブラ(6)の外側中央
    部に切欠溝(6a)を形成し、前記シリンダ(1f)の内側
    のほぼ中央部にテーパー状の肩部(1e)を形成すると共
    に該肩部(1e)より上方を大径部(1h)とし、前記ロー
    タ(2)の側面に縦長状のスリット(2c)を前記タンブ
    ラ(6)の切欠溝(6a)に対応させて設け、該スリット
    (2c)内に、外側中央部に前記シリンダ(1f)内面の肩
    部(1e)に対応する斜面(3a)を有する板状のサイドバ
    ー(3)を上下のバネ(12)(12)により外方に付勢さ
    せて径方向に進退自在に装填し、キー(15)をロータ
    (2)のキー穴(2f)に挿入して押圧した際、全タンブ
    ラ(6)の切欠溝(6a)が整列し、サイドバー(3)が
    スリット(2c)内を内方に移動してタンブラ(6)の切
    欠溝(6a)に嵌まり込むことによってロータ(2)をシ
    リンダ(1f)の奥底に押し込み、ロックバー(16)作動
    用の連結部を作動させ得るようにしたことを特徴とする
    ステアリングロック装置。
  2. 【請求項2】シリンダ(1f)の内側下端の対向位置に凹
    部(1b)を設け、ロータ(2)の下端中心に穴(2e)を
    設け、該ロータ(2)下端の穴(2e)に、円柱状の頭部
    (4c)と該頭部(4c)の下方から径方向に突出した一対
    の腕部(4a)(4a)を備え下端にバネ穴(4b)を有する
    作動子(4)の該頭部(4c)を嵌め込むと共に、バネ穴
    (4b)内に作動子バネ(9)を挿入して作動子(4)を
    上方に付勢し、該作動子(4)の下方に、円盤部(18
    e)の上面に円弧状の二つの壁(18a)(18a)が対向
    的に形成されると共に下部にクランク(18d)を形成し
    たカム(18)を回動可能に設け、該カム(18)の二つの
    壁(18a)(18a)間の間隙溝(18b)に作動子(4)
    の両腕部(4a)(4a)を嵌め込んだ状態で該両腕部(4
    a)(4a)を前記シリンダ(1f)下部の両凹部(1b)(1
    b)に嵌め込むことによって、ステアリングロック装置
    作動時におけるロックバー(16)の戻りを防止したこと
    を特徴とする請求項1に記載のステアリングロック装
    置。
  3. 【請求項3】ロックバー(16)作動用の連結部として、
    ロータ(2)の下部に突起(2b)(2b)を設けると共に
    該ロータ(2)を作動子バネ(9)にて上方に付勢し、
    該ロータ(2)の下方に、円盤部(18e)の上面に円弧
    状の二つの壁(18a)(18a)が対向的に形成されると
    共に下部にクランク(18d)を形成したカム(18)を回
    動可能に設け、該カム(18)のクランク(18d)にロッ
    クバー(16)を連結し、ロータ(2)をシリンダ(1f)
    の奥底に押し込んだ際に前記突起(2b)(2b)を前記カ
    ム(18)の二つの壁(18a)(18a)間の間隙溝(18
    b)に係合させてロータ(2)とカム(18)とを連結
    し、ロックバー(16)を作動させ得るようにしたことを
    特徴とする請求項1に記載のステアリングロック装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008125776A (ja) * 2006-11-20 2008-06-05 Samii Kk 枠体の施錠装置及び遊技機
KR101366917B1 (ko) * 2012-12-07 2014-02-24 정재근 복제방지 구조를 갖는 자물쇠용 키 실린더
CN105073515A (zh) * 2013-04-01 2015-11-18 株式会社阿尔发 转向锁定装置
CN110219510A (zh) * 2019-05-22 2019-09-10 黄思忠 一种空转锁芯的旋转环外侧防错位装置

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