JP2000064436A - 木材の連結構造 - Google Patents

木材の連結構造

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JP2000064436A
JP2000064436A JP10256041A JP25604198A JP2000064436A JP 2000064436 A JP2000064436 A JP 2000064436A JP 10256041 A JP10256041 A JP 10256041A JP 25604198 A JP25604198 A JP 25604198A JP 2000064436 A JP2000064436 A JP 2000064436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダボやホゾを介して、木材を簡単かつ容易
に、しかも確実に外れないように連結する。 【解決手段】 木材の連結構造は、木製ダボ2の両端
を、互いに連結される木材1の連結穴3に嵌入して、ダ
ボ2を介して木材1を連結している。さらに、ダボ2
は、木材1を外周から中心に向かって圧縮して、細く収
縮された状態として、連結穴3に嵌入できる外形に成形
している。圧縮された木製ダボ2は、連結穴3に入れた
状態で、液状ないしペースト状の接着材6を吸い込んで
膨張し、連結穴3の内面に隙間なく密着して接着材6を
介して木材1を連結している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材を連結する構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】図1と図2は、ダボ2を介して木材1を
連結する構造を示す。ダボ2は、図2の断面図に示すよ
うに、両端を木材1の連結穴3に挿入する。ダボ2は、
連結穴3に挿入するために、連結穴3よりも細くする必
要がある。しかしながら、ダボ2を連結穴3に隙間なく
挿入して、木材1を確実に連結するためには、太くする
必要がある。ただ、太すぎるダボは、連結穴にスムーズ
に挿入できなくなる。実際には、ダボ2は連結穴3の内
形よりもわずかに小さく加工されているのが実状であ
る。
【0003】さらに、ホゾを介して木材を連結する構造
も、ダボと同じ状態となる。図3と図4はホゾ4を介し
て木材1を連結する構造を示す。ホゾ4は、図において
左側に位置する第1の木材1Aに設けている。ホゾ4を
連結する連結凹部5を図の右側に位置する第2の木材1
Bに設けている。この構造も、ホゾ4の幅を連結凹部5
の幅よりもわずかに小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ダボやホゾを介して連
結される木材は、極めて高い精度で加工する必要があ
る。このため、確実に隙間なく連結するのに手間がかか
る欠点がある。また、木材は水分率によって伸縮するの
で、高い精度で加工しても、水分率が変動して形状が狂
うことがある。このため、理想的な状態で連結できる形
状に加工しても、実際に連結するときには、ダボやホゾ
をスムーズに挿入できず、あるいは、反対にダボやホゾ
を挿入した状態で隙間ができることがある。
【0005】さらに、木材を高い精度で加工して、ダボ
やホゾを隙間なく連結穴や連結凹部に挿入したとして
も、木材は、次第に痩せる性質があるので、時間が経過
すると、隙間ができる。隙間ができると、ダボやホゾ
は、外れないように木材を連結できなくなる。
【0006】この欠点は、ダボやホゾを、接着材を介し
て連結して解消できる。しかしながら、連結穴等に接着
材を入れて連結する構造は、ダボやホゾと、連結穴等と
の隙間をさらに広くする必要がある。隙間がないと間に
接着材を充填できないからである。したがって、接着材
を使用する構造は、ダボやホゾを、連結穴等に外れ難い
状態で連結できるが、隙間ができやすい欠点がある。接
着材が、ダボやホゾを連結穴等に接着して連結する構造
は、隙間ができると、連結部が直ちに外れることはな
い。しかしながら、隙間ができると連結強度は著しく低
下する。さらに、ふたつの木材を、正確な位置で、動か
ないようには連結できなくなる。したがって、連結部分
で段差やズレが生じ、あるいは、連結している木材が相
対的に動く等の弊害が発生する。
【0007】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、ダボやホゾを介して、木材を簡単かつ容易に、しか
も確実に外れないように連結できる木材の連結構造を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の木材
の連結構造は、木製ダボ2の両端を、互いに連結される
木材1の連結穴3に嵌入して、ダボ2を介して木材1を
連結している。さらに、ダボ2は、木材1を外周から中
心に向かって圧縮して、細く収縮された状態として、連
結穴3に嵌入できる外形に成形される。圧縮された木製
ダボ2は、連結穴3に入れた状態で、液状ないしペース
ト状の接着材6を吸い込んで膨張して、連結穴3の内面
に隙間なく密着し、接着材6を介して木材1を連結して
いる。
【0009】さらに、本発明の請求項2の木材の連結構
造は、第1の木材1Aにホゾ4を突出させており、第2
の木材1Bには、第1の木材1Aのホゾ4を嵌入する連
結凹部5を設けている。第1の木材1Aのホゾ4は、第
2の木材1Bの連結凹部5に嵌入されて、ホゾ4を介し
て、第1の木材1Aと第2の木材1Bを連結している。
さらに、第1の木材1Aは、木材1を外周から中心に向
かって圧縮して、細く収縮した状態で、連結凹部5に挿
入できるホゾ4を加工している。ホゾ4は、連結凹部5
に入れられた状態で、液状ないしペースト状の接着材6
を吸い込んで膨張している。膨張するホゾ4は、連結凹
部5の内面に隙間なく密着し、接着材6を介して強固に
連結される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための木材の連結構造を例示す
るものであって、本発明は木材の連結構造を下記のもの
に特定しない。
【0011】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0012】本発明の木材の連結構造は、木材と木材を
連結するダボあるいはホゾを細く収縮した状態に圧縮し
て成形することを特徴としている。したがって、連結さ
れる木材の材質、ダボやホゾの形状、さらには、ダボや
ホゾを挿入する連結穴や連結凹部の形状を特定しない。
連結される木材には、従来と同じ材質の木材を使用で
き、また、ダボやホゾおよび連結穴や連結凹部の形状
は、従来と同じ、さらには今後開発される全ての形状と
することができる。
【0013】図1に示す木材の連結構造は、木製ダボ2
の両端を、互いに連結される木材1連結穴3に嵌入し、
ダボ2を介して木材1を連結している。連結穴3は、連
結される木材1の対向面の中央部に穿孔して設けられて
いる。連結穴3は、その内形を、挿入されるダボ2の外
形とほぼ等しく、あるいは、やや大きく成形されてい
る。
【0014】ダボ2は、たとえば、スギ、ヒノキ、マ
ツ、カシ、ラワン、ヒバ、キリ、クスノキなどの木材を
円柱状または角柱状に成形したものである。木製のダボ
2は、好ましくは、これらの木材を、あらかじめ15%
程度以下に乾燥した後に圧縮成形される。木製のダボ2
は、木材を外周から中心に向かって圧縮して、細く収縮
した状態で連結穴3に嵌入できる外形に成形されてい
る。
【0015】ダボ2は、上記の木材を、たとえば10〜
30%の割合で圧縮して、細く収縮している。ダボ2
は、好ましくは、木材を全周から圧縮して細くする。全
周から圧縮される木材は、均一に収縮できる特長があ
る。ただ、木材は、たとえば、上下をプレートで挟んで
左右からプレスして、全周を圧縮することもできる。こ
の構造は、簡単な装置でプレスできる特長がある。
【0016】さらに、ダボ2は、好ましくは、木材を加
熱しながら圧縮して成形される。加熱しながら圧縮する
方法は、木材を割れずに細く圧縮できる特長がある。た
だ、ダボは、木材を加熱しないで圧縮して成形すること
もできる。
【0017】ダボ2は、連結する木材1の連結穴3の奥
まで挿入できる長さに成形される。したがって、ダボ2
の長さは、連結穴3の深さのほぼ2倍に設計される。ダ
ボ2は、長い木材を連結穴3に嵌入できる外形に成形し
た後に、所定の長さに切断することも、所定の長さに切
断した後に、連結穴3に嵌入できる外形に成形すること
もできる。
【0018】円柱状のダボ2は、図5に示すように、木
材を圧縮して、所定の割合で細く収縮した後に、円柱状
に切削して所定の外形に成形する。角柱状のダボも、図
示しないが、木材を圧縮して所定の割合で細く収縮した
後に、角柱状に切削して所定の外形に成形できる。この
ように、木材を圧縮した後に所定の形状に成形する方法
は、ダボ2をより正確な外形に成形できる特長がある。
ただ、円柱状のダボは、円柱状に成形した木材を圧縮し
て所定の太さの外形とすることもできる。また、角柱状
のダボは、角材を細く圧縮して角柱状のダボとすること
もできる。
【0019】さらに、木材を圧縮した後に、所定の形状
に成形する方法は、たとえば、1本の太い木材を圧縮し
て所定の割合で収縮させた後に、分割して細く切断し、
所定の外形のダボに成形することもできる。この方法
は、一度の圧縮工程で、多量のダボを効率よく製造でき
る特長がある。
【0020】ダボ2は、たとえば、連結穴3の内形より
も、0.1〜0.5mm小さく加工する。ダボ2を連結
穴3の内形よりも小さく加工するのは、接着材を充填す
る隙間を設けるためである。小さく加工されるダボ2
は、スムーズに連結穴3に挿入できる特長がある。大き
く加工されるダボ2は、膨れた状態で確実に連結できる
特長がある。
【0021】以上のようにして、所定の形状に成形され
たダボ2は、図6に示すように、表面に接着材6を塗布
して連結穴3に嵌入される。接着材6は、連結穴3の内
面に塗布することもできる。
【0022】接着材6は、液状のもの、あるいは、ペー
スト状のものを使用する。液状の接着材6は、木製のダ
ボ2に浸透しやすい性質がある。このため、カシやクス
ノキ等のように、木目の密な木製のダボには、好ましく
は、粘度の低い液状の接着材6を使用する。逆に、スギ
やキリ等のように木目の粗な木製のダボには、粘度の高
いペースト状の接着材6を使用する。接着材6が、木材
1に完全に吸い込まれると、連結穴3とダボ2の境界に
接着材6がなくなって、接着力が低下するからである。
【0023】接着材6を塗布されて連結穴3に嵌入され
たダボ2は、接着材6を介して木材1を連結する。ダボ
2と連結穴3の隙間に充填される接着材6は、図6の拡
大断面図の鎖線の矢印で示すように、ダボ2の内部に浸
透していく。このとき、ダボ2は、浸透する接着材6の
液体成分によって、図の実線の矢印で示す方向に膨張す
る。それは、この木製のダボ2が圧縮成形されているか
らである。膨張するダボ2は、連結穴3の内面を強く押
圧して、ダボ2の表面と連結穴3の内面との隙間をなく
す。ダボ2は、より広い面積で連結穴3に接触し、接着
材6で確実に強く接着される。このようにして、ふたつ
の木材1は、強い連結強度で、しかも、正確な位置で動
かないように連結される。
【0024】さらに、本発明の連結構造は、図3に示す
ように、ホゾ4と連結凹部5を介して木材1を連結する
こともできる。図に示す連結構造は、第1の木材1Aに
設けたホゾ4を、第2の木材1Bに設けた連結凹部5に
嵌入して、第1の木材1Aと第2の木材1Bを連結して
いる。
【0025】第1の木材1Aは、木材をあらかじめ外周
から中心に向かって10〜30%の割合で圧縮して細く
収縮させている。第1の木材1Aは、この圧縮された木
材1の端部を切削加工して、端縁から突出するホゾ4を
設けている。ホゾ4は、連結凹部5の内形よりも、0.
1〜0.5mm小さく加工して、連結凹部5に挿入でき
る外形としている。このように、圧縮された第1の木材
1Aを加工してホゾ4を設ける方法は、木材1自体の強
度を強くして、圧縮されたホゾ4を設けることができ
る。
【0026】ただ、ホゾは、図7に示すように、連結凹
部5の開口幅よりもやや厚く成形したものを圧縮して薄
くし、連結凹部5に挿入できる厚さに成形することもで
きる。このホゾ4は、たとえば、上下からプレスして、
10〜30%の割合で収縮して、連結凹部5の内形より
も0.1〜0.5mm小さく加工している。このとき、
第1の木材1Aは、必ずしも全体を、あらかじめ圧縮す
る必要はない。さらに、第1の木材は、端部のみを外周
から中心に向かって圧縮して収縮した後に、圧縮された
端部を切削して、連結凹部に挿入できる外形のホゾを成
形することもできる。
【0027】第2の木材1Bは、端部をスリット状に切
削して連結凹部5を設けている。連結凹部5は、その内
形を、挿入されるホゾ4の外形とほぼ等しく、あるい
は、やや大きく成形されている。
【0028】ただ、本発明は、ホゾと連結凹部の形状を
この図の形状に特定しない。ホゾと連結凹部は、たとえ
ば、図8に示すように、木材1の縦横の幅よりも小さい
幅に成形することもできる。この形状に成形されたホゾ
4と連結凹部5は、接着材を塗布して連結した状態で、
連結部の外観を良くできると共に、連結部から接着材が
流出しない特長がある。
【0029】所定の形状に成形されたホゾ4は、図9に
示すように、表面に接着材6を塗布して連結凹部5に嵌
入される。接着材6は、連結凹部5の内面に塗布するこ
ともできる。接着材6は、液状のものとペースト状のも
のを、前述のように、木材の材質によって使い分けて使
用する。
【0030】接着材6を塗布されて連結凹部5に嵌入さ
れたホゾ4は、接着材6を介して第1の木材1Aと第2
の木材1Bを連結する。ホゾ4と連結凹部5の隙間に充
填される接着材6は、図9の拡大断面図の鎖線の矢印で
示すように、ホゾ4の内部に浸透していく。このとき、
ホゾ4は、浸透する接着材6の液体成分によって、図の
実線の矢印で示す方向に膨張する。膨張するホゾ4は、
連結凹部5の内面を強く押圧して、ホゾ4の表面と連結
凹部5の内面との隙間をなくす。ホゾ4と連結凹部5
は、より広い面積で接触して接着材6で強く接着され、
第1の木材1Aと第2の木材1Bを確実に連結する。
【0031】さらに、ホゾと連結凹部で木材を連結する
構造は、図10に示すように、ホゾ4と連結凹部5の間
に連結片7を挿入して、この連結片7を介して第1の木
材1Aと第2の木材1Bとを連結することもできる。こ
の連結構造は、ホゾ4と連結凹部5の間に、圧縮された
連結片7を介在させている。
【0032】この連結片7は、前述のダボと同様に、ス
ギ、ヒノキ、マツ、カシ、ラワン、ヒバ、キリ、クスノ
キなどの木材を圧縮して薄く成形したものである。連結
片7は、これ等の木材を上下からプレスして、薄く収縮
した状態で、第1の木材1Aから突出するホゾ4とほぼ
等しい大きさに切断して製作している。
【0033】連結片7は、ホゾ4と連結凹部5の間に挿
入している。したがって、ホゾ4と連結凹部5は、この
連結片7を挿入できるように、ホゾ4と連結凹部5の間
に隙間を設けて成形している。図に示す連結構造は、ホ
ゾ4の一方の面にのみ連結片7を介在させているが、連
結片は、ホゾの両面に介在させることもできる。この場
合は、ホゾと連結凹部の間の隙間をさらに大きくする。
【0034】連結片7は、両面に接着材6を塗布して、
ホゾ4と連結凹部5の間に挿入している。接着材6は、
好ましくは、ホゾ4の両面または連結凹部5の内面にも
塗布する。ホゾ4と連結凹部5の間に挿入された連結片
7は、塗布された接着材6が、図10の拡大断面図の鎖
線の矢印で示すように、内部に浸透していく。このと
き、連結片7は、浸透する接着材6の液体成分によっ
て、図の実線の矢印で示す方向に膨張する。膨張する連
結片7は、ホゾ4の表面と連結凹部5の内面を共に強く
押圧して、ホゾ4と連結片7、および、連結凹部5と連
結片7の間の隙間をなくす。連結片7は、より広い面積
でホゾ4と連結凹部5に接触して、接着材6で確実に強
く接着される。
【0035】さらに、膨張する連結片7は、連結片7が
挿入されない側のホゾ4の表面も連結凹部5の内面に強
く押圧する。互いに押圧されるホゾ4と連結凹部5は、
接触部分の隙間がなくなって、接着材6で強く接着され
る。このようにして、第1の木材1Aと第2の木材1B
は、強い連結強度で、確実に連結される。
【0036】
【発明の効果】本発明の木材の連結構造は、ダボやホゾ
を介して、木材を簡単かつ容易に、しかも確実に外れな
いように連結できる特長がある。それは、本発明の木材
の連結構造が、木製のダボやホゾを、連結穴や連結凹部
に挿入して木材を連結しており、これらのダボやホゾを
外周から中心に向かって圧縮し、細く収縮した状態で連
結穴や連結凹部に挿入できる外形に成形しているからで
ある。圧縮された木製のダボやホゾは、連結穴や連結凹
部に挿入した状態で、液状ないしペースト状の接着材を
吸い込んで膨張し、連結穴や連結凹部の内面に隙間なく
密着して接着材で連結される。したがって、本発明の木
材の連結構造は、ダボやホゾを、極めて高い精度で加工
することなく、いいかえるとスムーズに挿入できる形状
に加工して、しかも、ダボやホゾを連結穴や連結凹部に
挿入して木材を連結した状態においては、接着材で膨張
するダボやホゾを、連結穴や連結凹部の内面に隙間なく
密着させて、確実に外れないように連結できる特長があ
る。
【0037】さらに、本発明の木材の連結構造は、木材
を連結させるダボやホゾを細く収縮した状態に圧縮して
成形しているので、長期間にわたって、正確に連結され
た状態を維持できる特長がある。圧縮されたダボやホゾ
は、時間が経過しても痩せにくく、ダボやホゾと連結穴
や連結凹部との間に隙間ができないからである。したが
って、本発明の木材の連結構造は、木材の連結部分にお
ける段差やズレの発生を阻止し、連結している木材が相
対的に動く等の弊害を確実に防止でき、長期間にわたっ
て強い連結強度を維持できる優れた特長がある。しか
も、圧縮されたダボやホゾは、硬くて強度も高いので、
木材の連結部分を従来の連結構造以上に補強できる特長
も備える。さらに、圧縮されたダボやホゾは、水分率の
変動による形状の狂いも有効に防止できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダボを介して木材を連結する構造を示す斜視図
【図2】従来のダボを介して木材を連結する構造を示す
断面図
【図3】ホゾと連結凹部を介して木材を連結する構造を
示す斜視図
【図4】従来のホゾと連結凹部を介して木材を連結する
構造を示す断面図
【図5】本発明の実施例の木材の連結構造に使用するダ
ボの製造工程を示す斜視図
【図6】本発明の実施例の木材の連結構造であってダボ
を介して木材を連結する構造を示す一部拡大断面図
【図7】本発明の他の実施例の木材の連結構造における
ホゾの製造工程を示す断面図
【図8】本発明の他の実施例の木材の連結構造における
ホゾと連結凹部を示す斜視図
【図9】本発明の他の実施例の木材の連結構造であって
ホゾと連結凹部を介して木材を連結する構造を示す一部
拡大断面図
【図10】本発明の他の実施例の木材の連結構造であっ
てホゾと連結凹部の間に連結片を介在させて木材を連結
する構造を示す一部拡大断面図
【符号の説明】
1…木材 1A…第1の木材 1B
…第2の木材 2…ダボ 3…連結穴 4…ホゾ 5…連結凹部 6…接着材 7…連結片
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月26日(1999.7.2
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 木材の連結構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材を連結する構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】図1と図2は、ダボ2を介して木材1を
連結する構造を示す。ダボ2は、図2の断面図に示すよ
うに、両端を木材1の連結穴3に挿入する。ダボ2は、
連結穴3に挿入するために、連結穴3よりも細くする必
要がある。しかしながら、ダボ2を連結穴3に隙間なく
挿入して、木材1を確実に連結するためには、太くする
必要がある。ただ、太すぎるダボは、連結穴にスムーズ
に挿入できなくなる。実際には、ダボ2は連結穴3の内
形よりもわずかに小さく加工されているのが実状であ
る。
【0003】さらに、ホゾを介して木材を連結する構造
も、ダボと同じ状態となる。図3と図4はホゾ4を介し
て木材1を連結する構造を示す。ホゾ4は、図において
左側に位置する第1の木材1Aに設けている。ホゾ4を
連結する連結凹部5を図の右側に位置する第2の木材1
Bに設けている。この構造も、ホゾ4の幅を連結凹部5
の幅よりもわずかに小さくしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ダボやホゾを介して連
結される木材は、極めて高い精度で加工する必要があ
る。このため、確実に隙間なく連結するのに手間がかか
る欠点がある。また、木材は水分率によって伸縮するの
で、高い精度で加工しても、水分率が変動して形状が狂
うことがある。このため、理想的な状態で連結できる形
状に加工しても、実際に連結するときには、ダボやホゾ
をスムーズに挿入できず、あるいは、反対にダボやホゾ
を挿入した状態で隙間ができることがある。
【0005】さらに、木材を高い精度で加工して、ダボ
やホゾを隙間なく連結穴や連結凹部に挿入したとして
も、木材は、次第に痩せる性質があるので、時間が経過
すると、隙間ができる。隙間ができると、ダボやホゾ
は、外れないように木材を連結できなくなる。
【0006】この欠点は、ダボやホゾを、接着材を介し
て連結して解消できる。しかしながら、連結穴等に接着
材を入れて連結する構造は、ダボやホゾと、連結穴等と
の隙間をさらに広くする必要がある。隙間がないと間に
接着材を充填できないからである。したがって、接着材
を使用する構造は、ダボやホゾを、連結穴等に外れ難い
状態で連結できるが、隙間ができやすい欠点がある。接
着材が、ダボやホゾを連結穴等に接着して連結する構造
は、隙間ができると、連結部が直ちに外れることはな
い。しかしながら、隙間ができると連結強度は著しく低
下する。さらに、ふたつの木材を、正確な位置で、動か
ないようには連結できなくなる。したがって、連結部分
で段差やズレが生じ、あるいは、連結している木材が相
対的に動く等の弊害が発生する。
【0007】本発明は、このような欠点を解決すること
を目的に開発されたものである。本発明の重要な目的
は、ダボやホゾを介して、木材を簡単かつ容易に、しか
も確実に外れないように連結できる木材の連結構造を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の木材
の連結構造は、木製ダボ2の両端を、互いに連結される
木材1の連結穴3に嵌入して、ダボ2を介して木材1を
連結している。さらに、ダボ2は、木材1を外周から中
心に向かって加熱しながら圧縮して、細く収縮された状
態として、連結穴3の内形よりも小さい外形に加工さ
、連結穴3に嵌入できる外形に成形される。圧縮され
た木製ダボ2は、連結穴3に入れた状態で、液状ないし
ペースト状の接着材6を吸い込んで膨張して、連結穴3
の内面に隙間なく密着し、接着材6を介して木材1を連
結している。
【0009】さらに、本発明の請求項2の木材の連結構
造は、第1の木材1Aにホゾ4を突出させており、第2
の木材1Bには、第1の木材1Aのホゾ4を嵌入する連
結凹部5を設けている。第1の木材1Aのホゾ4は、第
2の木材1Bの連結凹部5に嵌入されて、ホゾ4を介し
て、第1の木材1Aと第2の木材1Bを連結している。
さらに、第1の木材1Aは、木材1を外周から中心に向
かって10〜30%の割合で圧縮して、細く収縮した状
態で、連結凹部5の内形よりも小さく加工して、連結凹
部5に挿入できるホゾ4を加工している。ホゾ4は、連
結凹部5に入れられた状態で、液状ないしペースト状の
接着材6を吸い込んで膨張している。膨張するホゾ4
は、連結凹部5の内面に隙間なく密着し、接着材6を介
して強固に連結される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための木材の連結構造を例示す
るものであって、本発明は木材の連結構造を下記のもの
に特定しない。
【0011】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0012】本発明の木材の連結構造は、木材と木材を
連結するダボあるいはホゾを細く収縮した状態に圧縮し
て成形することを特徴としている。したがって、連結さ
れる木材の材質、ダボやホゾの形状、さらには、ダボや
ホゾを挿入する連結穴や連結凹部の形状を特定しない。
連結される木材には、従来と同じ材質の木材を使用で
き、また、ダボやホゾおよび連結穴や連結凹部の形状
は、従来と同じ、さらには今後開発される全ての形状と
することができる。
【0013】図1に示す木材の連結構造は、木製ダボ2
の両端を、互いに連結される木材1連結穴3に嵌入
し、ダボ2を介して木材1を連結している。連結穴3
は、連結される木材1の対向面の中央部に穿孔して設け
られている。連結穴3は、その内形を、挿入されるダボ
2の外形とほぼ等しく、あるいは、やや大きく成形され
ている。
【0014】ダボ2は、たとえば、スギ、ヒノキ、マ
ツ、カシ、ラワン、ヒバ、キリ、クスノキなどの木材を
円柱状または角柱状に成形したものである。木製のダボ
2は、好ましくは、これらの木材を、あらかじめ15%
程度以下に乾燥した後に圧縮成形される。木製のダボ2
は、木材を外周から中心に向かって圧縮して、細く収縮
した状態で連結穴3に嵌入できる外形に成形されてい
る。
【0015】ダボ2は、上記の木材を、たとえば10〜
30%の割合で圧縮して、細く収縮している。ダボ2
は、好ましくは、木材を全周から圧縮して細くする。全
周から圧縮される木材は、均一に収縮できる特長があ
る。ただ、木材は、たとえば、上下をプレートで挟んで
左右からプレスして、全周を圧縮することもできる。こ
の構造は、簡単な装置でプレスできる特長がある。
【0016】さらに、ダボ2は、木材を加熱しながら圧
縮して成形される。加熱しながら圧縮する方法は、木材
を割れずに細く圧縮できる特長がある。
【0017】ダボ2は、連結する木材1の連結穴3の奥
まで挿入できる長さに成形される。したがって、ダボ2
の長さは、連結穴3の深さのほぼ2倍に設計される。ダ
ボ2は、長い木材を連結穴3に嵌入できる外形に成形し
た後に、所定の長さに切断することも、所定の長さに切
断した後に、連結穴3に嵌入できる外形に成形すること
もできる。
【0018】円柱状のダボ2は、図5に示すように、木
材を圧縮して、所定の割合で細く収縮した後に、円柱状
に切削して所定の外形に成形する。角柱状のダボも、図
示しないが、木材を圧縮して所定の割合で細く収縮した
後に、角柱状に切削して所定の外形に成形できる。この
ように、木材を圧縮した後に所定の形状に成形する方法
は、ダボ2をより正確な外形に成形できる特長がある。
ただ、円柱状のダボは、円柱状に成形した木材を圧縮し
て所定の太さの外形とすることもできる。また、角柱状
のダボは、角材を細く圧縮して角柱状のダボとすること
もできる。
【0019】さらに、木材を圧縮した後に、所定の形状
に成形する方法は、たとえば、1本の太い木材を圧縮し
て所定の割合で収縮させた後に、分割して細く切断し、
所定の外形のダボに成形することもできる。この方法
は、一度の圧縮工程で、多量のダボを効率よく製造でき
る特長がある。
【0020】ダボ2は、たとえば、連結穴3の内形より
も、0.1〜0.5mm小さく加工する。ダボ2を連結
穴3の内形よりも小さく加工するのは、接着材を充填す
る隙間を設けるためである。小さく加工されるダボ2
は、スムーズに連結穴3に挿入できる特長がある。大き
く加工されるダボ2は、膨れた状態で確実に連結できる
特長がある。
【0021】以上のようにして、所定の形状に成形され
たダボ2は、図6に示すように、表面に接着材6を塗布
して連結穴3に嵌入される。接着材6は、連結穴3の内
面に塗布することもできる。
【0022】接着材6は、液状のもの、あるいは、ペー
スト状のものを使用する。液状の接着材6は、木製のダ
ボ2に浸透しやすい性質がある。このため、カシやクス
ノキ等のように、木目の密な木製のダボには、好ましく
は、粘度の低い液状の接着材6を使用する。逆に、スギ
やキリ等のように木目の粗な木製のダボには、粘度の高
いペースト状の接着材6を使用する。接着材6が、木材
1に完全に吸い込まれると、連結穴3とダボ2の境界に
接着材6がなくなって、接着力が低下するからである。
【0023】接着材6を塗布されて連結穴3に嵌入され
たダボ2は、接着材6を介して木材1を連結する。ダボ
2と連結穴3の隙間に充填される接着材6は、図6の拡
大断面図の鎖線の矢印で示すように、ダボ2の内部に浸
透していく。このとき、ダボ2は、浸透する接着材6の
液体成分によって、図の実線の矢印で示す方向に膨張す
る。それは、この木製のダボ2が圧縮成形されているか
らである。膨張するダボ2は、連結穴3の内面を強く押
圧して、ダボ2の表面と連結穴3の内面との隙間をなく
す。ダボ2は、より広い面積で連結穴3に接触し、接着
材6で確実に強く接着される。このようにして、ふたつ
の木材1は、強い連結強度で、しかも、正確な位置で動
かないように連結される。
【0024】さらに、本発明の連結構造は、図3に示す
ように、ホゾ4と連結凹部5を介して木材1を連結する
こともできる。図に示す連結構造は、第1の木材1Aに
設けたホゾ4を、第2の木材1Bに設けた連結凹部5に
嵌入して、第1の木材1Aと第2の木材1Bを連結して
いる。
【0025】第1の木材1Aは、木材をあらかじめ外周
から中心に向かって10〜30%の割合で圧縮して細く
収縮させている。第1の木材1Aは、この圧縮された木
材1の端部を切削加工して、端縁から突出するホゾ4を
設けている。ホゾ4は、連結凹部5の内形よりも、0.
1〜0.5mm小さく加工して、連結凹部5に挿入でき
る外形としている。このように、圧縮された第1の木材
1Aを加工してホゾ4を設ける方法は、木材1自体の強
度を強くして、圧縮されたホゾ4を設けることができ
る。
【0026】ただ、ホゾは、図7に示すように、連結凹
部5の開口幅よりもやや厚く成形したものを圧縮して薄
くし、連結凹部5に挿入できる厚さに成形することもで
きる。このホゾ4は、たとえば、上下からプレスして、
10〜30%の割合で収縮して、連結凹部5の内形より
も0.1〜0.5mm小さく加工している。このとき、
第1の木材1Aは、必ずしも全体を、あらかじめ圧縮す
る必要はない。さらに、第1の木材は、端部のみを外周
から中心に向かって圧縮して収縮した後に、圧縮された
端部を切削して、連結凹部に挿入できる外形のホゾを成
形することもできる。
【0027】第2の木材1Bは、端部をスリット状に切
削して連結凹部5を設けている。連結凹部5は、その内
形を、挿入されるホゾ4の外形とほぼ等しく、あるい
は、やや大きく成形されている。
【0028】ただ、本発明は、ホゾと連結凹部の形状を
この図の形状に特定しない。ホゾと連結凹部は、たとえ
ば、図8に示すように、木材1の縦横の幅よりも小さい
幅に成形することもできる。この形状に成形されたホゾ
4と連結凹部5は、接着材を塗布して連結した状態で、
連結部の外観を良くできると共に、連結部から接着材が
流出しない特長がある。
【0029】所定の形状に成形されたホゾ4は、図9に
示すように、表面に接着材6を塗布して連結凹部5に嵌
入される。接着材6は、連結凹部5の内面に塗布するこ
ともできる。接着材6は、液状のものとペースト状のも
のを、前述のように、木材の材質によって使い分けて使
用する。
【0030】接着材6を塗布されて連結凹部5に嵌入さ
れたホゾ4は、接着材6を介して第1の木材1Aと第2
の木材1Bを連結する。ホゾ4と連結凹部5の隙間に充
填される接着材6は、図9の拡大断面図の鎖線の矢印で
示すように、ホゾ4の内部に浸透していく。このとき、
ホゾ4は、浸透する接着材6の液体成分によって、図の
実線の矢印で示す方向に膨張する。膨張するホゾ4は、
連結凹部5の内面を強く押圧して、ホゾ4の表面と連結
凹部5の内面との隙間をなくす。ホゾ4と連結凹部5
は、より広い面積で接触して接着材6で強く接着され、
第1の木材1Aと第2の木材1Bを確実に連結する。
【0031】さらに、ホゾと連結凹部で木材を連結する
構造は、図10に示すように、ホゾ4と連結凹部5の間
に連結片7を挿入して、この連結片7を介して第1の木
材1Aと第2の木材1Bとを連結することもできる。こ
の連結構造は、ホゾ4と連結凹部5の間に、圧縮された
連結片7を介在させている。
【0032】この連結片7は、前述のダボと同様に、ス
ギ、ヒノキ、マツ、カシ、ラワン、ヒバ、キリ、クスノ
キなどの木材を圧縮して薄く成形したものである。連結
片7は、これ等の木材を上下からプレスして、薄く収縮
した状態で、第1の木材1Aから突出するホゾ4とほぼ
等しい大きさに切断して製作している。
【0033】連結片7は、ホゾ4と連結凹部5の間に挿
入している。したがって、ホゾ4と連結凹部5は、この
連結片7を挿入できるように、ホゾ4と連結凹部5の間
に隙間を設けて成形している。図に示す連結構造は、ホ
ゾ4の一方の面にのみ連結片7を介在させているが、連
結片は、ホゾの両面に介在させることもできる。この場
合は、ホゾと連結凹部の間の隙間をさらに大きくする。
【0034】連結片7は、両面に接着材6を塗布して、
ホゾ4と連結凹部5の間に挿入している。接着材6は、
好ましくは、ホゾ4の両面または連結凹部5の内面にも
塗布する。ホゾ4と連結凹部5の間に挿入された連結片
7は、塗布された接着材6が、図10の拡大断面図の鎖
線の矢印で示すように、内部に浸透していく。このと
き、連結片7は、浸透する接着材6の液体成分によっ
て、図の実線の矢印で示す方向に膨張する。膨張する連
結片7は、ホゾ4の表面と連結凹部5の内面を共に強く
押圧して、ホゾ4と連結片7、および、連結凹部5と連
結片7の間の隙間をなくす。連結片7は、より広い面積
でホゾ4と連結凹部5に接触して、接着材6で確実に強
く接着される。
【0035】さらに、膨張する連結片7は、連結片7が
挿入されない側のホゾ4の表面も連結凹部5の内面に強
く押圧する。互いに押圧されるホゾ4と連結凹部5は、
接触部分の隙間がなくなって、接着材6で強く接着され
る。このようにして、第1の木材1Aと第2の木材1B
は、強い連結強度で、確実に連結される。
【0036】
【発明の効果】本発明の木材の連結構造は、ダボやホゾ
を介して、木材を簡単かつ容易に、しかも確実に外れな
いように連結できる特長がある。それは、本発明の木材
の連結構造が、木製のダボやホゾを、連結穴や連結凹部
に挿入して木材を連結しており、これらのダボやホゾを
外周から中心に向かって圧縮し、細く収縮した状態で連
結穴や連結凹部に挿入できる外形に成形しているからで
ある。圧縮された木製のダボやホゾは、連結穴や連結凹
部に挿入した状態で、液状ないしペースト状の接着材を
吸い込んで膨張し、連結穴や連結凹部の内面に隙間なく
密着して接着材で連結される。したがって、本発明の木
材の連結構造は、ダボやホゾを、極めて高い精度で加工
することなく、いいかえるとスムーズに挿入できる形状
に加工して、しかも、ダボやホゾを連結穴や連結凹部に
挿入して木材を連結した状態においては、接着材で膨張
するダボやホゾを、連結穴や連結凹部の内面に隙間なく
密着させて、確実に外れないように連結できる特長があ
る。
【0037】さらに、本発明の木材の連結構造は、木材
を連結させるダボやホゾを細く収縮した状態に圧縮して
成形しているので、長期間にわたって、正確に連結され
た状態を維持できる特長がある。圧縮されたダボやホゾ
は、時間が経過しても痩せにくく、ダボやホゾと連結穴
や連結凹部との間に隙間ができないからである。したが
って、本発明の木材の連結構造は、木材の連結部分にお
ける段差やズレの発生を阻止し、連結している木材が相
対的に動く等の弊害を確実に防止でき、長期間にわたっ
て強い連結強度を維持できる優れた特長がある。しか
も、圧縮されたダボやホゾは、硬くて強度も高いので、
木材の連結部分を従来の連結構造以上に補強できる特長
も備える。さらに、圧縮されたダボやホゾは、水分率の
変動による形状の狂いも有効に防止できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダボを介して木材を連結する構造を示す斜視図
【図2】従来のダボを介して木材を連結する構造を示す
断面図
【図3】ホゾと連結凹部を介して木材を連結する構造を
示す斜視図
【図4】従来のホゾと連結凹部を介して木材を連結する
構造を示す断面図
【図5】本発明の実施例の木材の連結構造に使用するダ
ボの製造工程を示す斜視図
【図6】本発明の実施例の木材の連結構造であってダボ
を介して木材を連結する構造を示す一部拡大断面図
【図7】本発明の他の実施例の木材の連結構造における
ホゾの製造工程を示す断面図
【図8】本発明の他の実施例の木材の連結構造における
ホゾと連結凹部を示す斜視図
【図9】本発明の他の実施例の木材の連結構造であって
ホゾと連結凹部を介して木材を連結する構造を示す一部
拡大断面図
【図10】本発明の他の実施例の木材の連結構造であっ
てホゾと連結凹部の間に連結片を介在させて木材を連結
する構造を示す一部拡大断面図
【符号の説明】 1…木材 1A…第1の木材 1B
…第2の木材 2…ダボ 3…連結穴 4…ホゾ 5…連結凹部 6…接着材 7…連結片

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木製ダボ(2)の両端を、互いに連結され
    る木材(1)の連結穴(3)に嵌入して、ダボ(2)を介して木
    材(1)を連結する木材の連結構造において、 ダボ(2)が、木材(1)を外周から中心に向かって圧縮し
    て、細く収縮させた状態で、連結穴(3)に嵌入できる外
    形に成形され、連結穴(3)に入れた状態で、液状ないし
    ペースト状の接着材(6)を吸い込んで膨張して、連結穴
    (3)の内面に隙間なく密着して接着材(6)で連結されてな
    ることを特徴とする木材の連結構造。
  2. 【請求項2】 第1の木材(1A)はホゾ(4)が突出してお
    り、第2の木材(1B)は第1の木材(1A)のホゾ(4)を嵌入
    する連結凹部(5)を有し、第1の木材(1A)のホゾ(4)を、
    第2の木材(1B)の連結凹部(5)に嵌入して、第1の木材
    (1A)と第2の木材(1B)が連結されてなる木材の連結構造
    において、 第1の木材(1A)が、木材(1)を外周から中心に向かって
    圧縮して、細く収縮させた状態で、連結凹部(5)に挿入
    できるホゾ(4)を成形しており、ホゾ(4)を連結凹部(5)
    に入れた状態で、ホゾ(4)が液状ないしペースト状の接
    着材(6)を吸い込んで膨張して、連結凹部(5)の内面に隙
    間なく密着して接着材(6)で連結されてなることを特徴
    とする木材の連結構造。
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