JP2000063785A - 粘着剤および該粘着剤を用いた化粧面形成方法 - Google Patents

粘着剤および該粘着剤を用いた化粧面形成方法

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JP2000063785A
JP2000063785A JP23547698A JP23547698A JP2000063785A JP 2000063785 A JP2000063785 A JP 2000063785A JP 23547698 A JP23547698 A JP 23547698A JP 23547698 A JP23547698 A JP 23547698A JP 2000063785 A JP2000063785 A JP 2000063785A
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Hiroshi Marui
浩 丸井
Yasunori Yoshida
康則 吉田
Toshiaki Koizumi
壽章 小泉
Koichi Yoshida
耕一 吉田
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KOTOBUKI SANKO KK
Taiheiyo Cement Corp
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KOTOBUKI SANKO KK
Taiheiyo Cement Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着性、剥離性、フィルム形成性を有し、接
着後、容易に剥離・除去できる粘着剤、およびこの粘着
剤を使用して、構造物の表面に表面化粧材による化粧面
を形成するための化粧面形成方法を提供する。 【解決手段】 型枠部材2の表面に粘着剤3を塗布す
る。粘着剤3は、高重合物と低重合物を所定の割合で配
合した平均けん化度が80〜95モル%のポリビニルア
ルコールに、添加物、および水を混合してなるA剤と、
ポリイソシアネートなどからなるB剤を混合したもので
ある。この粘着剤3の層に砂利などの表面化粧材4を付
着させて化粧面成形用型枠1を形成し、これをコンクリ
ート躯体6の表面に所定の隙間をおいて設置する。この
隙間にモルタル5を打設し、型枠部材2を脱型すること
で、コンクリート躯体6の表面に化粧面が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、接着性、剥離
性、フィルム形成性を有し、接着後、必要に応じて容易
に剥離させ、除去できる粘着剤、およびこの粘着剤を使
用し、土木・建築構造物あるいは建築用パネルなどに表
面化粧材による化粧面を形成させるための化粧面形成方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、景観を考慮して、構造物の外壁
面などに表面化粧材として、砂、砂利、人造石、あるい
はタイル片等を付着させて一体化し、自然の風合いを出
させたり、構造物の美感を高めるために壁面などに着色
したタイル等を貼り付けるといったことが行われてい
る。
【0003】表面化粧材としてタイルを用いる場合、従
来、一般的な方法としては、有機系接着剤やモルタルな
どの無機系接着剤で表面化粧材を直接貼り付ける方法が
ある。一方、表面化粧材として砂、砂利、人造石等を用
いる場合、通常はモルタル等が用いられるが、モルタル
が表面に付着したり、洗い出しが必要となる等、一般的
にタイルに比べても取り扱いが難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現場で後から表面化粧
材を有機系または無機系の接着剤で貼り付ける場合、構
造物の躯体の構築の際の作業手間や養生期間に加え、さ
らに化粧材の貼付けのための作業手間と養生期間が必要
となり、煩雑な作業と長い工期を必要とする。また、表
面化粧材を現場で均一に貼り付けるためには、熟練工が
必要である。
【0005】特に、表面化粧材として砂、砂利、人造石
等、粒状の化粧材を用いる場合、上述したように取り扱
いが難しく、多数の表面化粧材を取り付けるのに手間が
かかる。また、付着が不十分であると、表面化粧材が剥
がれ落ちるといった問題もある。また、化粧材の表面側
にモルタル等の硬化性材料(モルタル中のセメントペー
スト成分等のいわゆるトロ)が回り込みやすく、仕上げ
に多くの手間を要するといった問題もある。
【0006】一方、タイル等の場合は、発泡スチロール
等の合成樹脂発泡体からなる型枠にタイルを保持する凹
部を形成しておき、モルタル等の硬化性材料の打設、充
填と同時に構造体の表面に化粧材を一体化する方法も知
られている(例えば、特公昭63−24589号)。し
かし、合成樹脂発泡体などからなる型枠には、通常、油
性あるいはワックス状の離型剤が塗布されるものの、モ
ルタル等の硬化性材料と異種の化粧材とで形成される表
面において、必ずしもスムーズな脱型が難しい。
【0007】本願発明は、上述のような課題の解決を図
ったものであり、適度な付着性と剥離性を有し、さらに
水などで容易に除去することができる粘着剤を提供し、
さらにその粘着剤の付着性を利用して、表面化粧材を型
枠部材の内面に付着させた状態でモルタルなどの硬化性
材料の打設、充填を行うことができ、脱型後は化粧材の
表面に汚れやトロを残すことなく粘着剤による被膜を容
易に取り除くことができる化粧面形成方法を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に係る粘
着剤は、重合度が異なり、部分けん化した複数のポリビ
ニルアルコールを主剤として、これに水を加えてなり、
被覆対象となる塗布面に塗布した場合、適度な付着性を
有する液状から、時間の経過とともに乾燥して被膜とし
てのフィルムを形成し、フィルム形成後は容易に剥離さ
せることができるものである。
【0009】また、付着性を利用して、被付着物を塗布
面に押し付けることで、被付着物を仮保持することがで
き、乾燥後は、被付着物からそのまま、あるいは必要に
応じて水洗いすることで被付着物の表面からも容易に除
去することができる。一般的に重合度の低いポリビニル
アルコールは、粘性が低く、乾燥して形成される被膜は
柔らかい。一方、重合度の高いポリビニルアルコール
は、粘性が高く、形成される被膜は硬く、強度も大き
い。従って、重合度の異なるポリビニルアルコールを混
合することで、混合作業時の粘性を調整し、またできあ
がる被膜としてのフィルムの硬さ、強度を比較的容易に
調整することができる。
【0010】また、完全けん化のポリビニルアルコール
は高温でないと溶解しないのに対し、部分けん化のポリ
ビニルアルコールは低温で溶解するので、本願発明の粘
着剤の生産、使用にあたって作業性がよく、好ましい。
また、部分けん化のものは、完全けん化のものに比べ、
架橋剤を加えた場合の架橋の進行が遅く、付着性を維持
できる時間が長いという利点もある。
【0011】請求項2は、請求項1に係る粘着剤におい
て、前記ポリビニルアルコールが、重合度1000〜3
000の高重合物3〜20重量部に対し、重合度200
〜700の低重合物を5〜30重量部配合したものであ
り、これらの平均けん化度が80〜95モル%である場
合を限定したものである。上述したように、ポリビニル
アルコールは重合度により粘性に変化があり、このため
高重合度(1000〜3000)のものと低重合度(2
00〜700)のものとの混合割合を加減することによ
って粘着性を調整することができる。低重合度のものを
多く配合すると、粘着性を上げずに、できた被膜の厚
さ、すなわち粘着剤層の層厚を厚くすることができる。
従って、用途に応じて、粘着剤層の厚さを変えることが
可能である。
【0012】けん化度に関しては、平均けん化度が80
モル%未満ではフィルム形成性が不十分であり、良好な
剥離性が得られ難い、あるいはフィルム形成に時間を要
する。一方、平均けん化度が95モル%より大きい場
合、完全けん化に近い性質を有し、作業性の面や付着性
の維持の面で実用的でない。本願の請求項3に係る粘着
剤は、重合度1000〜3000のポリビニルアルコー
ル3〜20重量部と、重合度200〜700のポリビニ
ルアルコール5〜30重量部とからなり、これらの平均
けん化度が80〜95モル%のポリビニルアルコール1
0〜35重量部に、デキストリン3〜10重量部、水6
0〜80重量部、および所要量の添加剤を混合して、全
体として100重量部となるようにしたものである。
【0013】デキストリンは、架橋反応を補助する働き
を有する他、粘着力増強作用があり、被膜を形成する際
の被膜物質としての作用がある。デキストリン3〜10
重量部というのは、好ましい範囲を挙げたものであり、
10重量部より多いと、粘着性が強過ぎ、剥離性が損な
われる。また、3重量部未満では粘着性の増強効果が小
さく、用途によっては使用に適さない。
【0014】請求項4は、請求項3に係る粘着剤におい
て、添加剤としてまたは添加剤の一部として、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ヘキシレングリコール、ソルビトール等のOH基を
有するグリコールを3〜10重量部混合した場合であ
る。これらのグリコール類も架橋反応を補助する働きを
有する。また、分散助剤として作用し、水に対するポリ
ビニルアルコールの分散に適した量を使用する。3重量
部未満では分散性の向上効果が得られず、10重量部を
超えると、精製された被膜のエラストマーが高まり、剥
離性に問題が生ずる。
【0015】この他の添加物質として、セルロース、天
然または合成ゴム類、皮革、紙類等の有機化合物、土石
類、粘土、鉱滓類等の無機微粉末、各種繊維類が挙げら
れる。請求項5に係る粘着剤は、請求項1〜4における
粘着剤を構成する組成物水溶液をA剤として、これにさ
らにNCO基を有するB剤を所要量配合してなるもので
ある。
【0016】NCO基を有するB剤としては、イソシア
ネート、ポリイソシアネート等が好ましい。請求項6
は、請求項5に係る粘着剤における前記B剤が主として
ポリイソシアネートからなるものである場合を限定した
ものである。請求項7は、請求項5または6に係る粘着
剤において、前記A剤とB剤の配合に関し、A剤100
重量部に対し、B剤を1〜10重量部混合する場合を限
定したものである。
【0017】A剤自体、粘着剤として機能するものであ
るが、これにNCO基を有するB剤、例えばポリイソシ
アネートからなるものを所要量、好ましい範囲としてA
剤100重量部に対し、B剤を1〜10重量部混合する
と、架橋反応が進行し、粘着性を有するゴム状の粘着剤
となる。また、架橋反応に伴ってCO2 ガスが発生する
ため、気泡となって粘着剤内に分散され、発泡体状とな
る。
【0018】ポリイソシアネートなどからなるB剤が1
重量部未満では、A剤のみの粘着剤とほとんど差がな
く、10重量部を超えて使用するのはコスト高となる。
この粘着剤は水分を保有している状態では粘着性を有す
るが、A剤に含まれる水分の蒸発によって乾燥状態の多
孔質物質となり、それ自体の粘着性はなくなる。そし
て、一旦乾燥させた後に水を与えると、粘着性が戻るこ
となく多孔質内に水分が浸透し、膨潤白濁化する。
【0019】従って、この粘着剤は、例えば、ガラス板
の表面に塗布すると、従来のポリビニルアルコール系接
着剤と同様、透明なフィルムを形成してガラス表面に付
着する。そして、乾燥後もそのフィルムの付着状態が維
持されるが、フィルム自体に粘着性はなくなる。従来の
接着剤と大きく異なるのは、その後、そのフィルムが不
要となった場合、そのフィルムに水を含ませることによ
り、フィルムは膨潤白濁化してガラス板の表面に対する
付着力が失われ、フィルムが自然に剥がれてくることで
ある。
【0020】このようなことから、本願発明の粘着剤の
用途としては、その付着性、剥離性などの性質を利用し
て、例えば土木・建築構造物の壁体などの表面に表面化
粧材を取り付けるにあたり、表面化粧材をあらかじめ本
願発明の粘着剤によって型枠部材の内面に付着させた状
態でモルタル類などの硬化性材料の打設、充填を行い、
脱型後、表面化粧材が硬化性材料の表面に残るような形
での使用がある。
【0021】この他、一時的に使用される保護膜とし
て、例えばガラス、陶磁器、植物などの壊れやすいも
の、表面が汚損しやすいもの、傷みやすいものなどを包
み込んで保護するために使用したり、コンクリートの養
生の際にコンクリート表面を被覆したり、粘着性を利用
して建物の床面、外壁面の洗浄を要する箇所に塗布した
後、剥がすことで汚染部分を清浄化するために利用する
といったことが考えられる。
【0022】請求項8に係る粘着剤は、請求項1、2、
3または4に係る粘着剤の組成物50〜80重量部に、
さらに軽質パラフィン油および/またはシリコン樹脂エ
マルジョンを合計20〜50重量部(ただし、シリコン
樹脂エマルジョンは20重量部以内)を加え、全体とし
て100重量部となるようにしたものである。これは、
請求項5でいうA剤の変形型に相当し、用途によってA
剤では剥離性が不十分である場合や、付着性を加減した
い場合に用いることができる。
【0023】軽質パラフィン油やシリコン樹脂エマルジ
ョンを加えることで、塗布した状態の付着力は小さくな
るが、より柔軟な剥離性のよい粘着剤となる。例えば型
枠部材に塗布し、砂利その他の表面化粧材を仮保持させ
て、硬化性材料と一体化させる場合、脱型の際、表面化
粧材との付着力が小さいことで、無理なく脱型を行うこ
とができる。
【0024】軽質パラフィン油および/またはシリコン
樹脂エマルジョンの合計量を20重量部以上としたの
は、それより少ないと、作用効果の面でA剤と顕著な差
が表れず、これらを混合するメリットが少なく、合計量
を50重量部以内としたのは、50重量部を超えて配合
した場合、柔らかくなり過ぎ、表面化粧材を仮保持させ
るための十分な保持力が得られず、またフィルム形成に
時間がかかったり、だれが生じやすいといった問題がで
てくるためである。
【0025】また、シリコン樹脂エマルジョンについて
は、多量に配合した場合、シリコンそのものの非相溶
性、非極性、および界面活性剤の共存による剥離効果の
有効性が保てなくなるので、このような理由から20重
量部以内とすることが望ましい。請求項9に係る粘着剤
は、請求項1、2、3または4に係る粘着剤の組成物5
0〜80重量部に、さらに軽質パラフィン油5〜30重
量部と、シリコン樹脂エマルジョンおよび/または界面
活性剤20重量部以内(ただし、シリコン樹脂エマルジ
ョンは10重量部以内)と、植物性油脂、動物性油脂ま
たはロウ類のいずれか少なくとも1つを30重量部以内
とを加え、全体として100重量部となるようにしたも
のである。
【0026】請求項8のものと同様、請求項5でいうA
剤の変形型に相当し、請求項8における軽質パラフィン
油やシリコン樹脂エマルジョンの一部を、界面活性剤や
油脂類で置き換えたものとなっている。請求項8のもの
と同様、用途によってA剤では剥離性が不十分である場
合や、付着性を加減したい場合に用いることができる。
【0027】界面活性剤としては、ステアリン酸塩、オ
レイン酸塩、脂肪酸アミドなどのアニオン系界面活性剤
やポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリ
コール(PG)付加物などのノニオン系界面活性剤など
を用いることができる。また、植物性油脂、動物性油
脂、ロウ類としては、例えばヒマシ油、牛脂、パラフィ
ンなどを用いることができる。
【0028】これらの配合を上記の範囲で調整すること
で、用途に応じた付着性、柔軟性、フィルム形成性が得
られる。請求項10に係る粘着剤は、請求項8または9
記載の粘着剤を構成する組成物水溶液をC剤として、こ
れにさらにNCO基を有するB剤を所要量配合してなる
ものである。
【0029】請求項11は、請求項10に係る粘着剤に
おける前記B剤が主としてポリイソシアネートからなる
ものである場合を限定したものである。請求項12は、
請求項10または11に係る粘着剤において、前記C剤
とB剤の配合に関し、C剤100重量部に対し、B剤を
1〜10重量部混合する場合を限定したものである。
【0030】C剤は上述したように、基本的にはA剤の
変形型に相当し、請求項10〜12における配合理由お
よび限定理由は、請求項5〜7の場合と同様である。本
願の請求項13に係る化粧面形成方法は、請求項1〜1
2のいずれか1項に係る粘着剤を1種または2種以上、
型枠部材の内面に所要厚さ塗布して粘着剤層を形成し、
土木・建築構造物の表面を構成する表面化粧材を、前記
粘着剤層にその一部が埋没するように付着させて化粧面
形成用型枠を形成し、その内側に硬化性材料を打設し、
該硬化性材料の硬化後、前記化粧面形成用型枠の脱型に
より、硬化性材料の表面部に表面化粧材が一体化されて
なる化粧面を形成することを特徴とするものである。
【0031】本願発明に係る粘着剤を型枠部材の内面に
所要厚さ塗布し、適度の粘着性を有する粘着剤層を形成
することで、その表面に砂、砂利、その他の表面化粧材
を仮止めすることができ、そのようにして形成された化
粧面形成用型枠を用いてモルタル類などの硬化性材料
(各種モルタル、コンクリート、その他の無機系あるい
は有機系の硬化性材料を含む)を型枠の内側に充填、あ
るいは打設し硬化性材料が硬化した後、脱型すること
で、表面化粧材が硬化性材料の表面に転写される形で硬
化性材料と一体化される。
【0032】なお、この場合の硬化性材料には、そのま
ま構造物の躯体を構成するコンクリート等の硬化性材料
の場合と、モルタルあるいはグラウト剤等、既に構築さ
れた構造物の表面に化粧材を取り付けるための硬化性材
料の場合とが含まれる。表面化粧材の例としては、例え
ば、砂、砂利、人造石、ビーズ、セラミック片、タイル
片等が挙げられる。
【0033】また、型枠部材としては、発泡ポリスチロ
ールや発泡ポリプロピレン等の発泡合成樹脂が適する
が、これらに限定されるものではない。粘着剤は、脱型
に際し、剥離剤の機能を有し、型枠部材に負担が生じ
ず、従来、硬化性材料との付着等により脱型が難しかっ
た材質の型枠に適用した場合でも、スムーズな脱型が可
能となり、型枠を傷めないため、型枠を繰り返し使用す
ることができる。
【0034】特に、発泡ポリスチレンは安価で材料が容
易に入手できる反面、強度的には強いものではなく、型
枠としては脱型しにくい材質であったことから、本願発
明を適用するメリットが大きい。この他、型枠部材が剥
離剤を塗布しないとモルタル等の硬化性材料に付着し、
脱型しにくい材質の型枠である場合にメリットが大き
く、発泡ポリスチレンに限らず、従来、剥離剤を塗布し
ないとモルタル等の硬化性材料に付着し、脱型しにくい
材質の型枠一般(木型、金型など)に適用可能である。
【0035】なお、工場生産のような場合には、本願発
明に係る化粧面形成用型枠は、例えば発泡ポリスチロー
ルなどからなる型枠部材の上面に、上述したようなA剤
とB剤を混合し、必要に応じて前記第三添加物質や水を
加えてなる粘着剤を塗布して所要厚の粘着剤層を形成
し、その上に表面化粧材を散布し、必要に応じ、表面化
粧材を粘着剤層に押し付けて化粧面形成用型枠を製作す
る。
【0036】本願の請求項14に係る化粧面形成方法
は、請求項1〜7のいずれか1項に係る粘着剤を、型枠
部材の内面に所要厚さ塗布して第1の粘着剤層を形成
し、その上に請求項8〜12のいずれか1項に係る粘着
剤を所要厚さ塗布して第2の粘着剤層を形成し、土木・
建築構造物の表面を構成する表面化粧材を、前記第1お
よび第2の粘着剤層を含む2以上の層からなる粘着剤層
にその一部が埋没するように付着させて化粧面形成用型
枠を形成し、その内側に硬化性材料を打設し、該硬化性
材料の硬化後、前記化粧面形成用型枠の脱型により、硬
化性材料の表面部に表面化粧材が一体化されてなる化粧
面を形成することを特徴とするものである。
【0037】本願の請求項1〜7に係る粘着剤および特
に請求項5でいうA剤の変形型であるC剤を用いる請求
項8〜12に係る粘着剤は、それぞれA剤単独の場合
と、A剤にB剤を加えて架橋反応を進行させた場合、C
剤単独の場合とC剤にB剤を加えて架橋反応を進行させ
た場合で、さらには各組成物の配合関係で粘着性、剥離
性、フィルム形成性などが微妙に異なってくるが、一般
的にはA剤を用いた請求項1〜7に係る粘着剤は、比較
的薄い粘着剤層を形成する場合あるいは比較的大きな粘
着性が要求される場合などに適し、C剤を用いた請求項
8〜12に係る粘着剤は比較的厚い粘着剤層を形成する
場合あるいは粘着性が比較的小さくてよい場合などに適
する。
【0038】請求項14は、両者の性能の違いを利用
し、型枠部材に接する部分に比較的粘着性が高く、フィ
ルム形成性の面などで有利なA剤を含む粘着剤を用い、
その上にC剤を含む粘着剤を用いたもので、表面化粧材
の径が大きい場合や、表面化粧材に凹凸形状があり粘着
剤との剥離が不十分となる恐れがある場合などに適す
る。
【0039】
【発明の実施の形態】次に、本願発明の粘着剤および該
粘着材を用いた化粧面形成方法の実施形態について説明
する。まず、請求項5でいうA剤の配合としては、表1
に示す範囲が好ましい。
【0040】
【表1】 なお、ポリビニルアルコール(PVA)としては、高重
合物も低重合物もけん化度が80〜95モル%程度の部
分けん化のポリビニルアルコールが好ましい。また、
高、低重合物合わせて10〜35重量部が好ましい。1
0重量部未満では、溶液中に造膜成分濃度が低いので、
被膜の生成、乾燥に時間がかかり、また35重量部を超
えると、溶液の粘性が増大し、取扱いに支障をきたした
り、状況によってはさらに水で溶液全体を希釈すること
が必要となり、作業性を悪化させる恐れがある。
【0041】高重合物のポリビニルアルコールが少な過
ぎると、生成する被膜の乾燥および架橋が遅く、かつそ
の強度も小さいものとなり、逆に多過ぎると溶液全体が
ゲル化し、生成する被膜の性質が悪化する恐れがある。
また、プロピレングリコールは分散助剤として作用する
ものであり、水に対するポリビニルアルコールの分散に
必要な量を使用する。好ましい範囲は3〜10重量部で
ある。3重量部未満では十分な分散性の向上効果が得難
く、また10重量部を超えると生成された被膜のエラス
トマーが高まり適切な剥離強度が保てなくなる。
【0042】デキストリンは、粘着性の増強剤として使
用し、これが10重量部以上と多過ぎると粘着性が強過
ぎ、脱型時の型枠部材の剥離性が悪くなる。また、3重
量部未満と少な過ぎると十分な粘着性の増強効果が得ら
れない。水は不純物のない精製水が好ましく、60〜8
0重量部がよい。60重量部未満では、溶液全体の粘性
を高めるので、さらに水で溶液を希釈しその粘性を調整
しなければならなくなる。80重量部を超えると、溶液
の粘性が低く、被膜の乾燥に時間がかかり、かつその強
度も低下し、新たにポリビニルアルコールを添加し、溶
解させるなど、再調整をしなければならなくなる恐れが
ある。
【0043】防腐剤は品質安定に用いる。防腐剤や香料
は特に限定されず、必要に応じて従来のものを適量用い
ればよい。請求項5でいうB剤を用いる場合の、NCO
基を有するB剤としては、ジフェニルメタンジイソシア
ネート(NCOとして25〜30%)などを、好ましく
はA剤100重量部に対し、1〜10重量部使用する。
【0044】B剤が1重量部未満では架橋性が悪く弾性
化しにくい。10重量部を超えて使用するのはコスト高
となる。なお、必要に応じ第三の添加物質として、セル
ロース、天然または合成ゴム類、皮革、紙類等の有機化
合物、土石類、粘土、鉱滓類等の無機微粉末、各種繊維
類などを添加する場合もある。
【0045】このような表1に示されるA剤は、ポリビ
ニルアルコールにプロピレングリコールを適量添加し、
さらに水、デキストリン、防腐剤を加え加温し、攪拌溶
解させ、冷却し、香料を加えて製造する。また、B剤
は、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジアミンに塩
化カーボニルを作用させ、4,4’−ジフェニルメタン
カルバミン酸クロリドを経て、4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネートとして製造することができる。
【0046】B剤を用いる場合には、A剤とB剤を使用
時に所定の割合で混合して使用する。混合方法は特に限
定されない。混合後は速やかに使用するのが好ましい。
A剤とB剤を用いる場合のより具体的な配合の一例を挙
げると、以下の通りである。 〔A剤〕 ポリビニルアルコール(信越化学社製) 高重合物(重合度2000、けん化度88モル%) 10重量部 低重合物(重合度 500、けん化度88モル%) 15重量部 プロピレングリコール(昭和電工社製) 5重量部 デキストリン(日澱化学社製) 5重量部 水(蒸留水) 65重量部 パラオキシ安息香酸エステル(上野製薬社製) 0.2重量部 リモネン系香料(宮坂香料社製) 0.1重量部 〔B剤〕 ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製) 上記A剤とB剤を20:1および15:1の割合で、使
用直前に混合して使用した。
【0047】なお、A剤は、予めポリビニルアルコール
にプロピレングリコールを加えて混合し、さらにデキス
トリン、パラオキシ安息香酸を加えて加熱溶解させ、冷
却後、香料を加えて作製した。このように作製した粘着
剤を、発泡ポリプロピレンの板状体の表面に約1mmの
厚さに塗布した。
【0048】粘着性のある半透明の液状から時間の経過
とともに乾燥し、発泡ポリプロピレンの板状体の表面に
フィルム状の被膜を形成した。7時間経過後、乾燥した
被膜を端部から剥がすことで、被膜は発泡ポリプロピレ
ンの板状体表面から容易に剥がれ、発泡ポリプロピレン
の表面に損傷を与えることはなかった。また、粘着剤を
塗布した表面に、直径約5mmの表面が角張った石粒
と、直径5〜10mmの玉砂利および小タイル片の表面
側を押し付けたものを作製し、粘着状況および乾燥後の
剥離状況を観察した。
【0049】玉砂利については、その一部が付着してい
るだけでも十分な接着状態が得られ、乾燥後は被膜から
容易に剥離させることができた。角張った石粒について
は乾燥した被膜からの剥離が若干困難であったが、被膜
に水を含ませることで被膜が柔らかくなり容易に外すこ
とができた。小タイル片については、被膜に接する表面
に被膜の一部が残ったが、これも容易に除去することが
できた。
【0050】また、ポリビニルアルコールのけん化度に
関する比較を行うため、同様の配合で、ポリビニルアル
コールについて完全けん化のものを使用したものを作製
し、試験を行った。 (1) A剤:B剤=20:1の場合について、部分けん化
(P)と、完全けん化(C)の比較を行い、表2の結果
が得られた。
【0051】
【表2】 (2) 次に、A剤:B剤=15:1の場合について、部分
けん化(P)と、完全けん化(C)の比較を行い、表3
の結果が得られた。
【0052】
【表3】 これらの比較において、部分けん化のポリビニルアルコ
ールは、低温にて溶解するので作業性がよいのに対し、
完全けん化のポリビニルアルコールは高温でないと溶解
しない。また、部分けん化の粘着剤は、架橋状態および
発泡率が完全けん化のものより優れ、形成された被膜の
弾力性が大きい。
【0053】図1は、本願の請求項13に係る化粧面形
成方法の一実施形態を示したものであり、コンクリート
躯体6に、比較的粒径の小さい砂利などを表面化粧材4
として、モルタル5で貼り付ける場合である。図中、2
はポリプロピレンなどの合成樹脂発泡体からなる型枠部
材、2aは型枠補強材であり、型枠部材2の表面に本願
発明に係る粘着剤3を1〜2mm厚さに塗布する。な
お、この例では、使用直前に上記配合のA剤とB剤を2
0:1の割合で混合して用いている。
【0054】この粘着剤3の層に対し、表面化粧材4で
ある砂利を上から押し付けて化粧面成形用型枠を形成
し、これをコンクリート躯体6の表面に所定の隙間をお
いて設置する(図1(a) 参照)。この状態では、表面化
粧材4は主として粘着剤3表面の粘着性によって仮保持
されており、次に、この隙間にモルタル5を打設、充填
し、モルタル5の硬化を待つ(図1(b) 参照)。
【0055】時間の経過とともに、粘着剤3は型枠部材
2および表面化粧材4との接触面位置より乾燥が進み、
フィルム化して行く。モルタル5が所定の強度を発揮す
るようになったら、型枠部材2を脱型する(図1(c) 参
照)。このとき、通常は、型枠部材4とフィルム化した
粘着剤3の接触面で剥がれる。続いて、フィルム化した
粘着剤3を端部から引き剥がすようにして表面化粧材4
の表面から除去することで、コンクリート躯体6の表面
に化粧面が形成され、モルタル5のトロまわりの問題な
どもない。
【0056】なお、通常は、フィルム化した粘着剤3を
引き剥がすだけでよいが、粘着剤3の一部が表面化粧材
4の表面に残った場合には、さらにその部分を剥がした
りこすり取るか、あるいは水を含ませたり水洗いするこ
とで容易に取り除くことができる。ただし、表面化粧材
4の径が大きい場合などにおいて、表面化粧材4の径に
合わせて粘着剤3の層を厚く塗った場合や、表面化粧材
4の表面形状が滑らかでない場合などには、フィルム化
した粘着剤3を表面化粧材4から剥がすのが容易でない
場合がある。その場合にはA剤の配合を調整したり、B
剤の添加量を加減することで、粘着剤3の粘着性や柔軟
性、弾力性を調整することが望ましい。
【0057】図2は、種々の表面化粧材を用いた場合の
化粧面形成用型枠1への表面化粧材の取付け状態を概略
的に示したもので(表面化粧材については、図示を一部
のみとしている)、図2(a) は表面化粧材が砂4aの場
合、図2(b) は表面化粧材が砂利4bの場合、(c) は表
面化粧材が小タイル片4cの場合である。図2(a) の砂
4aの場合は、粘着剤3は比較的薄塗りでよく、図2
(b) 、(c)の砂利4bや小タイル片4cの場合は、は比
較的厚塗りとし、かつこれらの表面化粧材が脱落しない
粘着性を有する必要がある。
【0058】上述したように、フィルム化した粘着剤3
を表面化粧剤4から剥がすのが必ずしも容易でない場合
については、本願の請求項10でいうC剤を用いること
が考えられ、上述したようなA剤とB剤の組み合わせで
は、剥離性が不十分である場合や、粘着性あるいは接着
性を加減したいとき(接着性を弱くしたい場合)などに
有効である。
【0059】このC剤は、基本的にはA剤の変形型と考
えることができ、請求項8に対応するものをC1 剤、請
求項9に対応するものをC2 剤と呼ぶこととする。C1
剤の配合としては、下の表4に示す範囲が好ましい。
【0060】
【表4】 2 剤の配合としては、下の表5に示す範囲が好まし
い。
【0061】
【表5】 図3は本願の請求項14に係る化粧面形成方法を建築用
パネルに適用した場合の一実施形態を示したもので、以
下その作業手順に従って説明する。まず、ポリスチレン
発泡体あるいはポリプロピレン発泡体などからなる型枠
部材2の表面に、使用にあたりA剤とB剤を20:1の
割合で混合した粘着剤3aを塗布し、約2mmの第1の
粘着剤層を形成する。続いて、C剤からなる粘着剤3b
を約2〜3mm塗布し、第2の粘着剤層を形成する(図
3(a) 参照)。
【0062】なお、粘着剤3a,3bの塗布に関して
は、天候や材料の状態、その他の使用条件に応じて分量
を加減して使用することが望ましい。その上に、表面化
粧材として、直径5〜10mm(厚さは約4〜5mm程
度)の砂利4b(玉石)を上から押し付けて、2層の粘
着剤層の付着力により仮保持させ、化粧面形成用型枠1
を形成する(第3図(b) 参照)。
【0063】なお、第1の粘着剤層の付着力は、第2の
粘着剤層の付着力に比べて大きいため、第1の粘着剤層
を塗布した後、先に砂利4bを付着させて仮保持させた
状態で、第2の粘着材層を塗布してもよい。次に、表面
化粧材としての砂利4bの上からモルタル5を打設し
(図3(c) )、続いて所定の強度、剛性を有する軽量パ
ネル7を載置する(図3(d) 参照)。
【0064】モルタル5が硬化した後、既に乾燥しフィ
ルム化した第1および第2の粘着剤層からなる粘着剤3
a,3bは、型枠部材2から容易に剥がすことができ、
さらに砂利4bおよびその周囲に露出するモルタル5か
ら引き剥がすことで(図3(e) 参照)、製品として軽量
パネル7の表面に化粧材を有する建材としてのパネルが
製造される(図3(f) 参照)。
【0065】なお、軽量パネル7としては、例えば、特
開平7−256667号公報に記載されるような、カー
ル状の磁気テープ収縮片にバインダーとして熱硬化性樹
脂を加えて加圧成形してなり、曲げ強度および曲げ剛性
が大きく、寸法安定性が良く、また吸音性、断熱性を有
する軽量パネルが知られており、このような軽量パネル
を利用することで、建築用パネルとして広範囲での利用
が図られる。
【0066】上記実施形態におけるA剤およびC剤の配
合は、以下の通りである。 〔A剤〕 ポリビニルアルコール(信越化学社製) 高重合物(重合度2000、けん化度88モル%) 5重量部 低重合物(重合度 500、けん化度88モル%) 15重量部 プロピレングリコール(昭和電工社製) 5重量部 水(蒸留水) 75重量部 パラオキシ安息香酸エステル(上野製薬社製) 0.2重量部 リモネン系香料(宮坂香料社製) 0.1重量部 〔B剤〕 ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製) (A剤:B剤=30:1) 〔C剤〕 ポリビニルアルコール(信越化学社製) 高重合物(重合度2000、けん化度88モル%) 5重量部 低重合物(重合度 500、けん化度88モル%) 15重量部 シリコン樹脂エマルジョン(信越化学社製) 10重量部 軽質パラフィン油(松村石油社製) 15重量部 水(蒸留水) 55重量部 パラオキシ安息香酸エステル(上野製薬社製) 0.2重量部 リモネン系香料(宮坂香料社製) 0.1重量部 なお、上記実施形態では、第2の粘着剤層については、
C剤を単独で用いているが、第2の粘着剤層についても
C剤とB剤を混合して用いる場合や、あるいはC剤の替
わりにA剤を単独で用いる場合なども考えられる。
【0067】
【発明の効果】本願の粘着剤は、重合度の異なる複数の
部分けん化したポリビニルアルコールを主剤として、こ
れに水を加えてなり、被覆対象となる塗布面に塗布した
場合、適度な付着性を有する液状から、時間の経過とと
もに乾燥して被膜としてのフィルムを形成し、フィルム
形成後は容易に剥離させることができる。
【0068】また、付着性を利用して、被付着物を塗布
面に押し付けることで、被付着物を仮保持することがで
き、乾燥後は、被付着物からそのまま、あるいは必要に
応じて水洗いすることで被付着物の表面からも容易に除
去することができる。ポリビニルアルコールとして、高
重合度のものと低重合度のものを混合して用い、その混
合割合を加減することによって粘着性を調整することが
できる。従って、用途に応じて、粘着剤層の厚さやを変
えることが可能である。
【0069】完全けん化のポリビニルアルコールは高温
でないと溶解しないのに対し、部分けん化のポリビニル
アルコールは低温で溶解するので、本願発明の粘着剤の
生産、使用にあたって作業性がよい。また、部分けん化
のものは、完全けん化のものに比べ、架橋剤を加えた場
合の架橋の進行が遅く、付着性を維持できる時間が長い
という利点がある。
【0070】水溶性のポリビニルアルコールを主体とし
ているため、人体や環境汚染に関する危険性が少ない。
本願発明に係る化粧面の形成方法によれば、型枠部材の
表面に適度な付着力を有する粘着剤層を形成し、その粘
着剤層を介して表面化粧材を仮止めした状態で、モルタ
ルやコンクリート等の施工を行うことで、脱型と同時に
化粧面を形成することができ、施工性の大幅向上が図れ
る。
【0071】粘着剤の配合を変えることで、塗布した粘
着剤層の厚さを調整することができ、細かい砂から、砂
利、人造石、ビーズ、セラミック片、タイル片等、適用
可能な表面化粧材の選択の幅が広い。粘着剤層は、同時
にスムーズな脱型のための剥離剤としても機能し、型枠
部材として、安価な発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピ
レンなどの発泡樹脂材料を使用することができ、かつ繰
り返し使用が可能となるため、経済性の大幅向上も図れ
る。
【0072】化粧面形成用型枠の使用時において、粘着
剤と表面化粧材の接触面は密着状態にあるため、モルタ
ルあるいはコンクリート等の打設に際し、トロまわりを
防ぐことができる。従って、化粧材による綺麗な仕上げ
面が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明に係る化粧面形成方法を建物躯体壁
面に適用した場合の一実施形態における施工手順の一例
を示す断面図である。
【図2】 本願発明に係る化粧面形成方法において種々
の表面化粧材を用いた場合の型枠部材への表面化粧材の
取付け状態を概略的に示した平面図(一部、表面化粧材
を省略)であり、(a) は表面化粧材が砂の場合、(b) は
表面化粧材が砂利の場合、(c) は表面化粧材がタイル片
の場合である。
【図3】 本願発明に係る化粧面形成方法を建材として
の軽量パネルに適用した場合の一実施形態における作業
手順の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…化粧面形成用型枠、2…型枠部材、2a…型枠補強
材、3…粘着剤、4…表面化粧材、4a…砂、4b…砂
利、4c…タイル片、5…モルタル、6…コンクリート
躯体、7…軽量パネル材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 康則 東京都千代田区大手町1丁目6番1号 日 本セメント株式会社内 (72)発明者 小泉 壽章 東京都足立区花畑4丁目3番10号 有限会 社壽三幸内 (72)発明者 吉田 耕一 東京都足立区花畑4丁目3番10号 有限会 社壽三幸内 Fターム(参考) 4J040 BA111 BA112 BA172 BA182 DD021 DD022 EE022 EF181 EF182 EK032 GA07 HB10 HB11 HB25 HC11 JA02 JA03 JB09 KA38 LA01 LA06 MA04 MA05 MA06 MA10 MA11 MA14 NA13 NA14

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合度が異なり、部分けん化した複数の
    ポリビニルアルコールを主剤として、これに水を加えて
    なる粘着剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルアルコールが、重合度1
    000〜3000の高重合物3〜20重量部に対し、重
    合度200〜700の低重合物を5〜30重量部配合し
    たものであり、これらの平均けん化度が80〜95モル
    %である請求項1記載の粘着剤。
  3. 【請求項3】 重合度1000〜3000のポリビニル
    アルコール3〜20重量部と、重合度200〜700の
    ポリビニルアルコール5〜30重量部とからなり、これ
    らの平均けん化度が80〜95モル%のポリビニルアル
    コール10〜35重量部に、デキストリン3〜10重量
    部、水60〜80重量部、および所要量の添加剤を混合
    して、全体として100重量部となるようにした粘着
    剤。
  4. 【請求項4】 前記添加剤としてまたは添加剤の一部と
    して、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
    チレングリコール、ヘキシレングリコール、ソルビトー
    ル等のOH基を有するグリコールを3〜10重量部混合
    した請求項3記載の粘着剤
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘
    着剤を構成する組成物水溶液をA剤として、これにさら
    にNCO基を有するB剤を所要量配合してなる粘着剤。
  6. 【請求項6】 前記B剤が主としてポリイソシアネート
    からなるものである請求項5記載の粘着剤。
  7. 【請求項7】 前記A剤100重量部に対し、前記B剤
    を1〜10重量部混合してなる請求項5または6記載の
    粘着剤。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3または4記載の粘着剤
    の組成物50〜80重量部に、さらに軽質パラフィン油
    および/またはシリコン樹脂エマルジョンを合計20〜
    50重量部(ただし、シリコン樹脂エマルジョンは20
    重量部以内)を加え、全体として100重量部となるよ
    うにした粘着剤。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3または4記載の粘着剤
    の組成物50〜80重量部に、さらに軽質パラフィン油
    5〜30重量部と、シリコン樹脂エマルジョンおよび/
    または界面活性剤20重量部以内(ただし、シリコン樹
    脂エマルジョンは10重量部以内)と、植物性油脂、動
    物性油脂またはロウ類のいずれか少なくとも1つを30
    重量部以内とを加え、全体として100重量部となるよ
    うにした粘着剤。
  10. 【請求項10】 請求項8または9記載の粘着剤を構成
    する組成物水溶液をC剤として、これにさらにNCO基
    を有するB剤を所要量配合してなる粘着剤。
  11. 【請求項11】 前記B剤が主としてポリイソシアネー
    トからなるものである請求項10記載の粘着剤。
  12. 【請求項12】 前記C剤100重量部に対し、前記B
    剤を1〜10重量部混合してなる請求項10または11
    記載の粘着剤。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の粘着剤を1種または2種以上、型枠部材の内面に所要
    厚さ塗布して粘着剤層を形成し、土木・建築構造物の表
    面を構成する表面化粧材を、前記粘着剤層にその一部が
    埋没するように付着させて化粧面形成用型枠を形成し、
    その内側に硬化性材料を打設し、該硬化性材料の硬化
    後、前記化粧面形成用型枠の脱型により、硬化性材料の
    表面部に表面化粧材が一体化されてなる化粧面を形成す
    ることを特徴とする化粧面形成方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    粘着剤を、型枠部材の内面に所要厚さ塗布して第1の粘
    着剤層を形成し、その上に請求項8〜12のいずれか1
    項に記載の粘着剤を所要厚さ塗布して第2の粘着剤層を
    形成し、土木・建築構造物の表面を構成する表面化粧材
    を、前記第1および第2の粘着剤層を含む2以上の層か
    らなる粘着剤層にその一部が埋没するように付着させて
    化粧面形成用型枠を形成し、その内側に硬化性材料を打
    設し、該硬化性材料の硬化後、前記化粧面形成用型枠の
    脱型により、硬化性材料の表面部に表面化粧材が一体化
    されてなる化粧面を形成することを特徴とする化粧面形
    成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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