JP2000063746A - 水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents

水性塗料用樹脂組成物

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JP2000063746A
JP2000063746A JP10238428A JP23842898A JP2000063746A JP 2000063746 A JP2000063746 A JP 2000063746A JP 10238428 A JP10238428 A JP 10238428A JP 23842898 A JP23842898 A JP 23842898A JP 2000063746 A JP2000063746 A JP 2000063746A
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water
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isocyanate
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JP10238428A
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Masaharu Shimoda
雅春 下田
Kenichi Tomita
賢一 冨田
Reijiro Nishida
礼二郎 西田
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散安定性、耐水性、防食性、付着性に優れ
た塗料及び接着剤として有用なポリフェノール樹脂及び
/又はフェノキシ樹脂変性水性ウレタン樹脂を提供する
こと。 【解決手段】 ジイソシアネート(a)、ポリオール
(b)及びカルボキシル基含有ジオール(c)を反応さ
せてなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(A)と、ポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹
脂(B)とを反応させた後、3級アミンで中和し、水分
散することを特徴とする水性塗料用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性塗料用樹脂組成
物に関し、更に詳細には、分散安定性、耐水性、防食
性、付着性に優れた塗料及び接着剤として有用なポリフ
ェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹脂変性水性ウレタ
ン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】ウレタン樹脂は強靭性、密
着性、耐衝撃性等に優れており、塗料、接着剤、水性イ
ンキ等に利用されている。
【0003】近年、地球環境保全のために、上記の分野
での水性化の要求は非常に高く、水性ウレタン樹脂の需
要が高まっている。
【0004】しかしながら、自己乳化型のポリウレタン
樹脂は、樹脂骨格中にカルボキシル基を含有しているた
め、乾燥塗膜の耐水性が不十分であるという問題点を有
している。しかも、ラッカーのような常温乾燥塗膜にお
いては、アミン等の中和剤が乾燥時に十分揮散しないの
で、乾燥塗膜の耐水性をより悪化させるという問題点を
有している。
【0005】ウレタン樹脂の耐水性、耐溶剤性、防食性
を向上させるために、これらの諸性能に優れたポリフェ
ノール樹脂及び/又はフェノキシ樹脂をウレタン樹脂と
併用することが望ましい。しかしながら、ポリフェノー
ル樹脂及び/又はフェノキシ樹脂をウレタン樹脂とただ
単に混合するだけでは水分散性が悪く、貯蔵時に分離し
てしまう。更に、ポリフェノール樹脂及び/又はフェノ
キシ樹脂はウレタン樹脂との相溶性が不良であるため、
相分離し易く、平滑で良好な塗膜を形成させることがで
きないといった問題点を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の諸問
題を一挙に解決し、耐水性、耐溶剤性、防食性に優れた
皮膜を形成することができる水性塗料用樹脂組成物を提
供するものである。
【0007】
【発明を解決するための手段】本発明者等は、前記の諸
問題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、ウ
レタン樹脂中の末端イソシアネート基とポリフェノール
樹脂及び/又はフェノキシ樹脂中の水酸基とを反応させ
てウレタン樹脂をポリフェノール樹脂及び/又はフェノ
キシ樹脂で変性することによって両樹脂の相溶性を良好
にし、しかもこのものを3級アミンで中和し、水分散さ
せたものは水分散性が良好であり、相分離せず、このも
のから得られるウレタン塗膜は耐水性、耐溶剤性、防食
性に優れことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】しかして、本発明によれば、ジイソシアネ
ート(a)、ポリオール(b)及びカルボキシル基含有
ジオール(c)を反応させてなるイソシアネート末端ウ
レタンプレポリマー(A)と、ポリフェノール樹脂及び
/又はフェノキシ樹脂(B)とを反応させた後、3級ア
ミンで中和し、水分散することを特徴とする水性塗料用
樹脂組成物が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(A) 本発明で用いるイソシアネート末端ウレタンプレポリマ
ー(A)は、ジイソシアネート(a)、ポリオール
(b)及びカルボキシル基含有ジオール(c)を反応さ
せてなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーであ
る。
【0011】上記ジイソシアネート(a)としては、例
えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−ト
リレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、1,4−シクロヘキシレンジイイソシアネ
ート、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3´−ジメチル−4,4´−ビフェニレンジ
イソシアネート、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ビ
フェニレンジイソシアネート、3,3´−ジクロロ−
4,4´−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナ
フタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフ
タレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
等が挙げられる。これ等の中でも、テトラメチレンジイ
ソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート及び1,
4−シクロヘキシレンジイイソシアネート、4,4´−
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが好適で
ある。
【0012】上記ポリオール(b)としては、例えば、
低分子量グリコール類、高分子量グリコール類、ポリエ
ステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類等
をそれぞれ単独に用いてもよく、また、ポリエステルポ
リオールや高分子量グリコールに低分子量グリコールを
併用してもよい。該ポリオール(b)は数平均分子量が
62〜10,000の範囲が好ましく、該数平均分子量
が62より小さいとウレタンの軟質部分がなくなり、逆
に10,000より大きいと合成時の取扱いが困難にな
るので好ましくない。
【0013】低分子量グリコール類としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,
3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、
ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、
オクタンジオール、トリシクロデカンジメチロール、水
添ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ビ
スフェノールAポリエチレングリコールエーテル、ビス
フェノールAポリプロピレングリコールエーテル等があ
り、これ等は単独または2種以上混合して使用してもよ
い。
【0014】高分子量グリコール類としては、例えば、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等が挙げられ、ポリエス
テルポリオール類としては、例えば、グリコール成分と
ジカルボン酸成分を反応させたものが挙げられ、公知の
方法で容易に製造でき、エステル化反応に限らず、エス
テル交換反応によっても製造できる。また、ε−カプロ
ラクトン等の環状エステル化合物の開環反応によって得
られるポリエステルジオール及びこれ等の共縮合ポリエ
ステルも含む。
【0015】カルボキシル基含有ジオール(c)として
は、例えば、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−
ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪
酸、2,2−ジメチロール吉草酸及びこれ等を縮合した
ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオール
等が挙げられる。これ等に1,2−ヒドロキシステアリ
ン酸、パラオキシ安息香酸、2,2−ジメチル−3−ヒ
ドロキシプロピオン酸、サリチル酸等のヒドロキシカル
ボン酸を併用することもできる。
【0016】上記のイソシアネート末端ウレタンプレポ
リマー(A)の合成反応は、有機溶剤中で行なってもよ
いが、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、テトラ
ヒドロフラン等のイソシアネート基に不活性で且つ水と
の親和性の大きい有機溶剤中で行なうことが望ましい。
該イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(A)の合
成において、前記した(a)、(b)及び(c)成分の
他に過剰のイソシアネート基を封鎖する目的で、必要に
応じて1価アルコールを配合してもよい。
【0017】これらの(a)、(b)及び(c)成分の
配合割合は種々変えることができるが、全成分中のイソ
シアネート基と水酸基との当量比が一般に1.1:1〜
8:1、好ましくは1.1:1〜5:1の範囲内になる
ようにする。イソシアネート基と水酸基との当量比が
1.1:1より小さいと末端のイソシアネート基の量が
少なくなって本目的上好ましくなく、逆に8:1より大
きいと分子量が低下して塗膜性能を低下させるので好ま
しくない。
【0018】上記のイソシアネート末端ウレタンプレポ
リマー(A)の製造は特に限定されず、前記した
(a)、(b)及び(c)成分を一度に反応させてもよ
く、ジイソシアネートの一部と、ポリオールとカルボキ
シル基含有ジオールとを反応させて末端ジオールのウレ
タンプレポリマーを形成してからジイソシアネートの残
りと反応させる等の多段的に反応させる方法によって製
造してもよい。反応温度は通常30〜150℃、好まし
くは40〜130℃の範囲内である。
【0019】この反応を促進させるため、通常のウレタ
ン化反応ににおいて使用されるトリエチルアミン、N−
エチルモルホリン、トリエチレンジアミン等のアミン系
触媒;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテー
ト、ジオクチル錫ジラウレート等の錫系触媒;エチルト
リフェニルホスホニウムアイオダイド等のリン系触媒を
用いてもよい。
【0020】このようにして製造されたイソシアネート
末端ウレタンプレポリマー(A)の酸価は、樹脂固形分
で10〜200mgKOH/gの範囲内が好ましい。こ
の範囲外では水溶化または水分散化が困難であったり、
塗膜にした場合耐水性が低下するため好ましくない。
【0021】ポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ
樹脂(B) 本発明で用いるポリフェノール樹脂及び/又はフェノキ
シ樹脂(B)は、ポリフェノール樹脂及び/又はフェノ
キシ樹脂として公知のものである。
【0022】ポリフェノール樹脂の例としては、例え
ば、「ベルパールS−970」(商品名、鐘紡(株)製
品)、「ショウノールCKM−5254」(商品名、昭
和高分子(株)製品)等を挙げることができる。
【0023】また、フェノキシ樹脂の例としては、例え
ば、「エピクロンEXA−123」(商品名、大日本イ
ンキ(株)製品)、「フェノトートYP−50」(商品
名、東都化成(株)製品)等を挙げることができる。該
フェノキシ樹脂は、適当な液状エポキシ樹脂とビスフェ
ノールとを任意の割合で混合し、アミン類、リン化合
物、四級塩、フッ化ホウ素系化合物等の触媒を使用した
公知の方法で合成することもできるビスフェノール型フ
ェノキシ樹脂である。末端フェノキシ基となるように、
液状エポキシ樹脂とビスフェノールとのモル比は1未満
であることが望ましい。反応時又は希釈時において適当
な溶剤を用いることもできる。使用する溶剤としては、
引き続きイソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(A)と反応させるために、活性水素を含有しない溶剤
の使用が好ましい。活性水素を含有しない溶剤として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン類;酢酸イソブチル、酢酸エ
チル等のエステル類;ジグライム等のジエーテル類;ト
ルエン、キシレン、ジオキサン、ジメチルホルムアルデ
ヒド、ピロリドン等が挙げられる。
【0024】上記のイソシアネート末端ウレタンプレポ
リマー(A)とポリフェノール樹脂及び/又はフェノキ
シ樹脂(B)との反応は、公知の方法で任意に行なうこ
とができるが、通常、30〜120℃の範囲内、好まし
くは40〜100℃の範囲内の温度で行ない、イソシア
ネート末端ウレタンプレポリマー(A)のイソシアネー
ト基の1〜90%、好ましくは5〜50%を反応させ
る。
【0025】イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(A)とポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹脂
(B)との固形分重量配合比(A)/(B)は、任意の
値をとることができるが、通常、0.1〜100、好ま
しくは0.5〜50、より好ましくは0.7〜10であ
る。固形分重量配合比(A)/(B)が0.1より小さ
な値では水分散が困難であり、逆に100より大きな値
ではポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹脂
(B)の特性が活かされないので好ましくない。
【0026】反応時に任意に反応溶剤を加えることがで
きる。反応溶剤として好ましいものは、活性水素を含有
しない前述の溶剤を挙げることができる。反応濃度は任
意に設定することができるが、通常、10〜90重量
%、好ましくは15〜70重量%、より好ましくは20
〜60重量%の範囲内である。反応濃度が10重量%よ
り低ければ後に続く水分散時に良好なエマルションが得
られず、逆に90重量%より高ければ後に続く水分散時
にゲル化する場合があるので好ましくない。
【0027】中和用3級アミンは公知のものを使用する
ことができ、例えば、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペ
ンチルアミン、メチルジエチルアミン、メチルジブチル
アミン、エチルジブチルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールア
ミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルプロパノー
ルアミン、トリエタノールアミン等を挙げることができ
る。必要とあれば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリ金属化合物を併用してもよい。中和アミン
と樹脂中のカルボキシル基の当量比は、通常0.2〜
2、好ましくは0.3〜1.5、より好ましくは0.5
〜1.2の範囲内である。
【0028】イソシアネート末端ウレタンプレポリマー
(A)とポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹脂
(B)を反応させた後、上記3級アミンで中和し、水分
散する。該3級アミンは全量を樹脂中に加えてもよく、
一部又は全部を水中に加えておいてもよい。水分散の方
法は任意の方法が使用できるが、樹脂を撹拌しながら水
を加えてもよく、水中へ中和された樹脂を加えてもよ
い。水は、エマルション濃度が通常5〜60重量%、好
ましくは15〜50重量%となるように加える。反応温
度は通常10〜90℃、好ましくは20〜70℃であ
る。この過程で、残っていたイソシアネート基と水を反
応させ、更に脱炭酸反応により生じたアミノ基とイソシ
アネート基とを反応させて、高分子量化を進める。この
反応工程において、通常しばしば用いられるヒドラジ
ン、エチレンジアミン、トリエチレンジアミン等の鎖伸
張剤を加えて高分子量化を図ってもよい。また、この時
必要に応じて界面活性剤を加えてもよい。
【0029】最後に溶剤を除去する。このための手法に
は公知の方法が使用でき、例えば、真空ポンプを使用し
て溶剤と水を除去し、エマルション濃度20〜50重量
%、好ましくは25〜45重量%に濃縮する。
【0030】このようにして合成されたポリフェノール
樹脂及び/又はフェノキシ樹脂変性ウレタン化合物の水
分散物は、耐水性、耐溶剤性、防食性に優れているが、
よりその性能を向上させるためには、樹脂固形分に対す
るカルボキシル基の濃度が酸価で通常10〜100mg
KOH/g、好ましくは15〜70mgKOH/g、よ
り好ましくは20〜50mgKOH/gとなるようにカ
ルボキシル基含有ジオール(c)の量を調整することが
好ましい。
【0031】このようにして得られる本発明の水性塗料
用樹脂組成物は、そのまま水性塗料として使用してもよ
く、また公知の塗料用材料、例えば、チタン白等の顔
料;炭酸カルシウム、クレー、シリカ、硫酸カルシウ
ム、タルク等の体質顔料;トリポリリン酸アルミニウ
ム、塩基性ケイ酸鉛、モリブデン酸カルシウム等の各種
防錆顔料;種々の着色剤等;消泡剤、可塑剤、溶剤、界
面活性剤、各種エマルションや水性樹脂と混合して使用
することもできる。
【0032】また、この水分散物を各種塗料に加えるこ
とによって、その塗料の改質に役立てることもできる。
この場合、各種塗料としては、常乾型塗料であってもよ
く、焼付型塗料であってもよく、また紫外線硬化型や電
子線硬化型の塗料であってもよい。
【0033】本発明の水性塗料用樹脂組成物は、ディッ
ピング塗装、刷毛塗り塗装、スプレー塗装、ロール塗り
塗装、電着塗装等の種々の塗装方法で塗装することがで
き、また、その被塗物としては鉄、非鉄金属、プラスチ
ック、紙、木材、繊維、コンクリート、スレート等が挙
げられ、種々のものに塗装することができる。
【0034】
【発明の効果】本発明によって得られる水性塗料用樹脂
組成物は分散安定性に優れ、これから得られる塗膜は耐
水性、防食性、付着性に優れ、塗料及び接着剤として有
用である。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明がこれらに限定されるものではな
い。尚、「部」および「%」は「重量部」および「重量
%」を示す。
【0036】製造例1 ウレタンプレポリマー溶液(A
−1)の製造 四つ口フラスコの反応容器内に数平均分子量2,000
のポリカプロラクトンジオール400部(0.2モ
ル)、ジメチロールプロピオン酸134部(1モル)及
びメチルエチルケトン652部を仕込み、80℃に昇温
し、撹拌しながらイソホロンジイソシアネート444部
(2モル)を60分かけて滴下した(イソシアネート基
/水酸基当量比=1.67)。その後、5時間反応させ
て、イソシアネート基の濃度が固形分あたり6.9%に
なるまで反応させ、ウレタンプレポリマー溶液(A−
1)を得た。このものの固形分は60%、樹脂酸価は5
7mgKOH/gであった。
【0037】製造例2 ウレタンプレポリマー溶液(A
−2)の製造 四つ口フラスコの反応容器内に数平均分子量2,000
のポリプロピレングリコール800部(0.4モル)、
ジメチロールプロピオン酸93.8部(0.7モル)及
びメチルエチルケトン892部を仕込み、80℃に昇温
し、撹拌しながらイソホロンジイソシアネート444部
(2モル)を30分かけて滴下した(イソシアネート基
/水酸基当量比=1.82)。その後、6時間反応させ
て、イソシアネート基の濃度が固形分あたり5.7%に
なるまで反応させ、ウレタンプレポリマー溶液(A−
2)を得た。このものの固形分は60%、樹脂酸価は3
0mgKOH/gであった。
【0038】製造例3(比較用) ウレタンプレポリマ
ー溶液(A−3)の製造 四つ口フラスコの反応容器内に数平均分子量5,500
のポリカプロラクトンジオール825部(1.5モ
ル)、ジメチロールプロピオン酸201部(1.5モ
ル)及びメチルエチルケトン980部を仕込み、80℃
に昇温し、撹拌しながらイソホロンジイソシアネート4
44部(2モル)を60分かけて滴下した(イソシアネ
ート基/水酸基当量比=0.67)。その後、5時間反
応させて、イソシアネート基が検出されなくなるまで反
応させ、ウレタンプレポリマー溶液(A−3)を得た。
このものの固形分は60%、樹脂酸価は57mgKOH
/gであった。
【0039】製造例4 フェノキシ樹脂溶液(B−1)
の製造 四つ口フラスコの反応容器内にビスフェノールA456
部(2モル)、エポキシ当量190のビスフェノールA
ジグリシジルエーテル380部(1モル)及びメチルエ
チルケトン209部を仕込み、120℃に昇温し、撹拌
しながらテトラブチルアンモニウムブロマイド0.26
部を加え、140℃に昇温した。その後、4時間反応さ
せてエポキシ基が無くなるまで反応させ、フェノキシ樹
脂溶液(B−1)を得た。このものの固形分は80%、
アルコール性水酸基濃度は計算上、固形分あたり2.4
ミリ当量/g、フェノール性水酸基濃度は計算上、固形
分あたり2.4ミリ当量/gであった。
【0040】製造例5 フェノキシ樹脂溶液(B−2)
の製造 四つ口フラスコの反応容器内にビスフェノールA684
部(3モル)、エポキシ当量190のビスフェノールA
ジグリシジルエーテル760部(2モル)及びメチルエ
チルケトン481部を仕込み、120℃に昇温し、撹拌
しながらテトラブチルアンモニウムブロマイド0.45
部を加え、140℃に昇温した。その後、4時間反応さ
せてエポキシ基が無くなるまで反応させ、フェノキシ樹
脂溶液(B−2)を得た。このものの固形分は75%、
アルコール性水酸基濃度は計算上、固形分あたり2.8
ミリ当量/g、フェノール性水酸基濃度は計算上、固形
分あたり1.4ミリ当量/gであった。
【0041】実施例1 四つ口フラスコの反応容器内に、製造例1で得たウレタ
ンプレポリマー(A−1)を333部(固形分200
部)、製造例4で得たフェノキシ樹脂溶液(B−1)を
168部(固形分134部)及びメチルエチルケトン5
6部を仕込み、撹拌しながら80℃に昇温した(ウレタ
ンプレポリマー(A)/フェノキシ樹脂(B)の固形分
比は1.5)。イソシアネート基の濃度が固形分あたり
4.1%から2.5%にまで減少して、イソシアネート
基の40%が反応するのに70分必要であった。続い
て、トリエチルアミン14部(0.14モル、アミン/
カルボキシル基の当量比=0.7)を加えて中和後、す
ぐに脱イオン水550部を徐々に加えて水分散した。こ
のものを、減圧下でメチルエチルケトンを除去し(一部
水も除去される)、フェノキシ樹脂変性ウレタンエマル
ション(C−1)を得た。このものの固形分は39%、
粒子径は0.18μm、樹脂酸価は34mgKOH/g
であった。
【0042】実施例2 四つ口フラスコの反応容器内に、製造例2で得たウレタ
ンプレポリマー(A−2)を333部(固形分200
部)、製造例4で得たフェノキシ樹脂溶液(B−1)を
108部(固形分86部)及びメチルエチルケトン35
部を仕込み、撹拌しながら70℃に昇温した(ウレタン
プレポリマー(A)/フェノキシ樹脂(B)の固形分比
は2.3)。イソシアネート基の濃度が固形分あたり4
%から3%にまで減少して、イソシアネート基の30%
が反応するのに50分必要であった。続いて、トリエチ
ルアミン11部(0.11モル、アミン/カルボキシル
基の当量比=1.0)を加えて中和後、すぐに脱イオン
水450部を徐々に加えて水分散した。このものを、減
圧下でメチルエチルケトンを除去し(一部水も除去され
る)、フェノキシ樹脂変性ウレタンエマルション(C−
2)を得た。このものの固形分は40%、粒子径は0.
13μm、樹脂酸価は21mgKOH/gであった。
【0043】実施例3 四つ口フラスコの反応容器内に、製造例1で得たウレタ
ンプレポリマー(A−1)を333部(固形分200
部)、製造例5で得たフェノキシ樹脂溶液(B−2)を
67部(固形分50部)及びメチルエチルケトン20部
を仕込み、撹拌しながら80℃に昇温した(ウレタンプ
レポリマー(A)/フェノキシ樹脂(B)の固形分比は
4.0)。イソシアネート基の濃度が固形分あたり5.
5%から3.6%にまで減少して、イソシアネート基の
35%が反応するのに60分必要であった。続いて、ト
リエチルアミン15部(0.15モル、アミン/カルボ
キシル基の当量比=0.75)を加えて中和後、すぐに
脱イオン水650部を徐々に加えて水分散した。このも
のを、減圧下でメチルエチルケトンを除去し(一部水も
除去される)、フェノキシ樹脂変性ウレタンエマルショ
ン(C−3)を得た。このものの固形分は39%、粒子
径は0.16μm、樹脂酸価は45mgKOH/gであ
った。
【0044】実施例4 四つ口フラスコの反応容器内に、「ショウノールCKM
−5254」(商品名、昭和高分子(株)社製、ポリフ
ェノール樹脂、固形分100%)50部及びメチルエチ
ルケトン50部を仕込み、撹拌しながら120℃に昇温
した。5時間保持して「ショウノールCKM−525
4」が完全に溶解したのを確認後、50℃に冷却し、製
造例1で得たウレタンプレポリマー(A−1)333部
(固形分200部)と混合しながら速やかに75℃に昇
温した(ウレタンプレポリマー(A)/ポリフェノール
樹脂(B)の固形分比は4.0)。イソシアネート基の
濃度が固形分あたり5.5%から3.6%にまで減少し
て、イソシアネート基の35%が反応するのに65分必
要であった。続いて、トリエチルアミン15部(0.1
5モル、アミン/カルボキシル基の当量比=0.75)
を加えて中和後、すぐに脱イオン水650部を徐々に加
えて水分散した。このものを、減圧下でメチルエチルケ
トンを除去し(一部水も除去される)、ポリフェノール
樹脂変性ウレタンエマルション(C−4)を得た。この
ものの固形分は38%、粒子径は0.20μm、樹脂酸
価は44mgKOH/gであった。
【0045】比較例1 四つ口フラスコの反応容器内に、製造例1で得たウレタ
ンプレポリマー(A−1)333部(固形分200部)
及びメチルエチルケトン20部を仕込み、撹拌しながら
80℃に昇温した。続いて、トリエチルアミン15部
(0.15モル、アミン/カルボキシル基の当量比=
0.75)を加えて中和後、すぐに脱イオン水320部
を徐々に加えて水分散した。このものを、減圧下でメチ
ルエチルケトンを除去し(一部水も除去される)、ウレ
タンエマルション(C−5)を得た。このものの固形分
は39%、粒子径は0.06μm、樹脂酸価は57mg
KOH/gであった。
【0046】比較例2 四つ口フラスコの反応容器内に、製造例3で得たウレタ
ンプレポリマー(A−3)を333部(固形分200
部)、製造例4で得たフェノキシ樹脂溶液(B−1)を
168部(固形分134部)及びメチルエチルケトン5
6部を仕込み(ウレタンプレポリマー(A)/フェノキ
シ樹脂(B)の固形分比は1.5)、撹拌し、トリエチ
ルアミン14部(0.14モル、アミン/カルボキシル
基の当量比=0.7)を加えて中和後、すぐに脱イオン
水550部を徐々に加えて水分散した。このものを、減
圧下でメチルエチルケトンを除去し(一部水も除去され
る)、フェノキシ樹脂混合ウレタンエマルション(C−
6)を得た。このものの固形分は39%、粒子径は0.
80μm、樹脂酸価は34mgKOH/gであった。上
記実施例1〜4及び比較例1〜2で得られたウレタンエ
マルション(C−1)〜(C−6)について、各種試験
を行なった。結果を後記表1に示す。
【0047】表1における各種試験の試験方法は次の通
りである。
【0048】安定性試験:30℃で3週間貯蔵後の状態
の変化を沈降物の有無で評価した。
【0049】 ○:粒子径の変化もなく、沈降物もなく良好、 △:粒子径の増大が認められる、 ×:粒子径が増大し、沈降物が認められる。
【0050】以下の試験は、ウレタンエマルション(C
−1)〜(C−6)をそれぞれ乾燥膜厚が30〜40μ
mになるようにアプリケーターでりん酸亜鉛処理鋼板上
に塗装し、30℃で7日間静置乾燥した乾燥塗膜につい
て行なった。
【0051】スポット試験:キシレン/トルエン=1/
1の混合溶剤を塗板上に2滴落とし、30分後にガーゼ
で拭き取り、その状態を目視で評価した。
【0052】 ○:塗膜のつやびけが認められず良好、 △:若干の塗膜のつやびけが認められる、 ×:塗膜が軟化し、剥がれる。
【0053】耐水性試験:塗膜を室温ならびに40℃の
水に没水し、3、5、7日後の塗膜を目視評価した。
【0054】 ◎:塗膜の軟化、白化、ブリスター等認められず、良
好、 ○:若干の塗膜の軟化或いは白化が認められる、 △:塗膜全体に軟化、白化、ブリスターが認められる、 ×:塗膜全体に軟化、白化、ブリスターが認められ、さ
らに容易に剥離する。
【0055】耐食性試験:JIS K−5400に基づ
き、120時間行ない、評価した。
【0056】○:塗膜の軟化、白化、ブリスター等認め
られず、クロスカット部からの片側剥離幅3mm以内、 △:若干の塗膜の軟化、白化、ブリスターが認められ、
クロスカット部からの片側剥離幅3〜7mm、 ×:塗膜全体に軟化、白化、ブリスターが認められ、ク
ロスカット部からの片側剥離幅7mm以上。
【0057】
【表1】
【0058】
フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA07 BA08 CA02 CA04 CA22 CB03 CB04 CB07 CB08 CC03 CC08 CC12 CC23 CC26 CC52 CC53 CC61 CC62 CC65 CC67 CD04 DA01 DB04 DB07 DF12 DF14 DF24 DG03 DG04 DG06 DG08 DG18 HA01 HA02 HA07 HB11 HB12 HB17 HC03 HC09 HC12 HC13 HC17 HC18 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA02 JA14 JA42 KA01 KB02 KC17 KD02 KD12 KD14 KE02 LA16 LA36 QA01 QA07 QC05 RA07 RA08 4J038 DG051 DG261 GA06 GA11 MA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジイソシアネート(a)、ポリオール
    (b)及びカルボキシル基含有ジオール(c)を反応さ
    せてなるイソシアネート末端ウレタンプレポリマー
    (A)と、ポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹
    脂(B)とを反応させた後、3級アミンで中和し、水分
    散することを特徴とする水性塗料用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 イソシアネート末端ウレタンプレポリマ
    ー(A)のイソシアネート基/水酸基の当量比が1.1
    〜8.0の範囲内である請求項1記載の水性塗料用樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 イソシアネート末端ウレタンプレポリマ
    ー(A)とポリフェノール樹脂及び/又はフェノキシ樹
    脂(B)との固形分比(A)/(B)が0.1〜100
    の範囲内である請求項1記載の水性塗料用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂酸価が10〜100mgKOH/g
    の範囲内である請求項1記載の水性塗料用樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003105554A (ja) * 2001-07-23 2003-04-09 Nkk Corp 耐白錆性に優れた表面処理鋼板及びその製造方法
CN100412147C (zh) * 2001-09-17 2008-08-20 关西油漆株式会社 阳离子树脂组合物
KR101058777B1 (ko) 2011-04-13 2011-08-24 박광수 폴리머 일액형 수용성 우레탄 방수제 제조방법 및 그 시공방법

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