JP2000063274A - 喘息抑制用吸入剤 - Google Patents

喘息抑制用吸入剤

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JP2000063274A
JP2000063274A JP10234751A JP23475198A JP2000063274A JP 2000063274 A JP2000063274 A JP 2000063274A JP 10234751 A JP10234751 A JP 10234751A JP 23475198 A JP23475198 A JP 23475198A JP 2000063274 A JP2000063274 A JP 2000063274A
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inhalant
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kinase inhibitor
inhalation
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Kunihiko Iizuka
邦彦 飯塚
Masayoshi Uehata
雅義 上畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、(+)−トランス−4−(1−ア
ミノエチル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シク
ロヘキサンのRhoキナーゼ阻害剤としての他の作用を
発現させず抗喘息作用のみを発現させる有用な喘息抑制
用吸入剤を提供する。 【解決手段】 (+)−トランス−4−(1−アミノエ
チル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキ
サンを吸入投与する場合に、Rhoキナーゼ阻害剤とし
ての他の作用を発現させず抗喘息作用のみを発現させる
ため特定量を該喘息抑制用吸入剤に含有させることによ
って本発明の課題を解決することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Rhoキナーゼ阻
害剤である(+)−トランス−4−(1−アミノエチ
ル)−1−(4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサ
ン(以下、Y−27632と称する。)を含有する喘息
抑制用吸入剤に関し、具体的には、Y−27632のR
hoキナーゼ阻害剤としての他の作用を発現させず抗喘
息作用のみを発現させるための喘息抑制用吸入剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平3−218356号公報には、Y
−27632が持続性の冠・脳・腎血流増加作用を有
し、抗高血圧剤および冠・脳・腎などの循環器系用疾患
予防・治療剤として有用である旨が開示されている。ま
た、特開平4−273821号公報には、Y−2763
2が抗喘息治療剤として有用であり、その投与形態とし
て、錠剤、顆粒、粉末、カプセル剤、注射剤、エアゾー
ル剤、軟膏および坐剤などの形態で経口または非経口的
に投与することができる旨記載されている。更に、WO
98/06433号公報には、Y−27632がRho
キナーゼ阻害作用を有することが記載され、これらの化
合物をはじめとするRhoキナーゼ阻害剤は、抗高血圧
作用、抗狭心症作用、脳血管攣縮抑制作用、抗喘息作
用、末梢循環改善作用、早産防止作用、抗動脈硬化作
用、抗癌作用、抗炎症作用、免疫抑制作用、自己免疫疾
患改善作用、抗AIDS作用、受精および受精卵の着床
防止作用、骨粗鬆症治療作用、網膜症治療作用、脳機能
改善作用、細菌の消化管感染防止作用を有し、Y−27
632がRhoキナーゼ阻害剤なる医薬として、特に、
高血圧症治療薬、狭心症治療薬、脳血管攣縮抑制薬、喘
息治療薬、末梢循環障害治療薬、早産予防薬、動脈硬化
症治療薬、抗癌薬、抗炎症薬、免疫抑制薬、自己免疫疾
患治療薬、抗AIDS薬、骨粗鬆症治療薬、網膜症治療
薬、脳機能改善薬、避妊薬、消化管感染予防薬として有
用であり、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ト
ローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤
(液剤、懸濁剤等)、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼
剤、軟膏剤等の製剤として経口または非経口に適した形
態で処方され得ることが記載されている。一方、一般に
吸入剤とは、局所投与を目的とした投与形態であって、
消炎、収斂、鎮咳、鎮静などの目的で吸入させるもの
で、薬効は気管、気管支にまで及ぶものとされている。
しかし、有効成分の種類によっては、気管および気管支
等の局所のみならず、他の用途においても吸入剤の投与
形態が使用されている。例えば、血管拡張剤である亜硝
酸アミルが狭心症治療剤として、また、各種吸入麻酔剤
が全身麻酔剤として吸入剤の形態で投与されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Y−27632のRh
oキナーゼ阻害剤は、上記WO98/06433号公報
に記載のようにRhoキナーゼに起因するさまざまな疾
患に有用であり、この化合物を医薬として使用する際に
は、単に、その適用疾患に適合する一般的投与形態を選
択するといったいままでのような安易な選択でなく、互
いに好ましくない作用が同時に発現することなく、目的
とする作用のみを発現させるという視点から、各疾患に
対して特定の投与形態を選択することが必要であること
が明らかになった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を克服するため種々検討を重ねた結果、Rhoキナー
ゼ阻害剤であるY−27632を抗喘息治療剤として使
用する場合、吸入投与によって、Rhoキナーゼ阻害剤
の他の作用を発現させず抗喘息作用のみを発現させるこ
とができることを見出して本発明を完成させるに至っ
た。すなわち、本発明は、(1)Y−27632のRh
oキナーゼ阻害剤としての他の作用を発現させず抗喘息
作用のみを発現させるための喘息抑制用吸入剤、およ
び、(2)Y−27632のRhoキナーゼ阻害剤とし
ての他の作用を発現させず抗喘息作用のみを発現させる
ため、Y−27632を吸入投与した場合に血中濃度定
量限界以下となる量を含有する喘息抑制用吸入剤、に関
する。
【0005】ここで、本発明のRhoキナーゼとは、R
hoの活性化に伴い活性化されるセリン/スレオニンキ
ナーゼを意味し、例えば、ROKα(ROCK−II)
(Leung,T.ら、J.Biol.Chem.,270,29051-29054,1995
)、p160ROCK(ROKβ、ROCK−I)(Is
hizaki,T.ら、The EMBO J.,15(8),1885-1893,1996)
およびその他のセリン/スレオニンキナーゼ活性を有す
るタンパク質をいう。
【0006】また、Rhoキナーゼ阻害剤とは、これら
のタンパク質の活性を阻害するものをいう。
【0007】本発明のRhoキナーゼ阻害剤の作用と
は、抗高血圧作用、抗狭心症作用、脳血管攣縮抑制作
用、抗喘息作用、末梢循環改善作用、早産予防作用、抗
動脈硬化作用、抗癌作用、抗炎症作用、免疫抑制作用、
自己免疫疾患改善作用、抗AIDS作用、受精および受
精卵の着床防止作用、細菌の消化管感染防止作用、骨粗
鬆症治療作用、網膜症治療作用、脳機能改善作用が挙げ
られる。
【0008】本発明のRhoキナーゼ阻害剤の他の作用
とは、上記作用のうち、抗喘息作用とともに発現すると
好ましくないすべての作用を意味する。
【0009】本発明のRhoキナーゼ阻害剤が有効であ
るRhoに関与する疾患とは、たとえば、高血圧症、狭
心症、脳血管攣縮、喘息、末梢循環障害、早産、動脈硬
化症、癌、炎症、免疫疾患、自己免疫疾患、AIDS、
細菌の消化管感染、骨粗鬆症、網膜症、脳機能障害等の
病的疾患、ならびに受精および受精卵の着床といった生
物学的現象をも含めるものである。
【0010】癌とは、骨髄性白血病、リンパ性白血病、
胃癌、大腸癌、肺癌、膵臓癌、肝臓癌、食道癌、卵巣
癌、乳癌、皮膚癌、頭頸部癌、睾丸腫瘍、神経芽細胞
腫、尿路上皮癌、多発性骨髄腫、子宮癌、メラノーマ、
脳腫瘍等を意味し、抗癌とはこれらの腫瘍の形成、浸
潤、転移、増殖の抑制等を意味する。
【0011】免疫疾患とはアレルギー性疾患、臓器移植
時の拒絶反応等を意味する。
【0012】自己免疫疾患とは関節リウマチ、全身性エ
リトマトーデス、シェーグレン病、多発性硬化症、重症
筋無力症、I型糖尿病、内分泌性眼障害、原発性胆汁性
肝硬変、クローン病、糸球体腎炎、サルコイドーシス、
乾癬、天疱瘡、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫
斑病等を意味する。
【0013】細菌の消化管感染とは、サルモネラ、赤痢
菌、腸管病原性大腸菌等が、腸管粘膜上皮細胞内に侵入
することによって生じる各種疾患を意味する。
【0014】網膜症とは血管障害性網膜症、動脈硬化性
網膜症、中心性血管攣縮性網膜症、中心性漿液性網膜
症、輪状網膜症、糖尿病性網膜症、異常蛋白血網膜症、
高血圧性網膜症、白血病網膜症、脂肪血網膜症、増殖性
網膜症、腎性網膜症、鎌状赤血球網膜症、妊娠中毒症性
網膜症等を意味する。
【0015】脳機能障害とは脳出血、脳血栓、脳塞栓、
クモ膜下出血、一過性脳虚血発作、高血圧性脳症、脳動
脈硬化症、硬膜下血腫、硬膜外血腫、脳低酸素症、脳浮
腫、脳炎、脳腫瘍、頭部外傷、精神病、代謝中毒、薬物
中毒、一過性の呼吸停止、手術時の深麻酔、物理学的障
害等による精神症状、および上記疾患等による後遺症、
注意力低下、多動、言語障害、精神発育遅滞、健忘症、
痴呆(痴呆に随伴する徘徊、夜間せん妄、攻撃的行動等
を含む)等を意味する。
【0016】Y−27632は、特開平3−21835
6号公報に記載されている方法により合成することがで
きる。
【0017】また、Y−27632は、製薬上許容され
る酸付加塩でも良く、その酸とは塩酸、臭化水素酸、硫
酸等の無機酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン
酸、マンデル酸、クエン酸、酒石酸、サリチル酸等の有
機酸が挙げられる。また、カルボキシル基を有する化合
物は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウ
ム、アルミニウム等の金属との塩、リジン等のアミノ酸
との塩とすることもできる。さらに、それらの1水和
物、2水和物、1/2水和物、1/3水和物、1/4水
和物、2/3水和物、3/2水和物等も本発明に含まれ
る。
【0018】本発明の吸入剤は常法に従って製造され
る。すなわち、吸入剤は、Y−27632を粉末または
液状にして、吸入用噴射剤および/または担体中に配合
し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。
また、Y−27632が粉末の場合は通常の機械的粉末
吸入器を、液状の場合はネブライザー等の吸入器をそれ
ぞれ使用することもできる。ここで噴射剤としては従来
公知のものを広く使用でき、フロン−11、フロン−1
2、フロン−21、フロン−22、フロン−113、フ
ロン−114、フロン−123、フロン−142c、フ
ロン−134a、フロン−227、フロン−C318、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン等のフロン、ジ
クロロジフルオロメタン等のクロロフルオロ炭化水素
(CFC)、プロパン、イソブタン、n−ブタン等の炭
化水素類、ジエチルエーテル等のエーテル類、窒素ガ
ス、炭酸ガス等の圧縮ガス等が挙げられる。
【0019】本発明の吸入剤には、さらに必要に応じて
従来より使用されている界面活性剤、油、調味料、シク
ロデキストリンまたはその誘導体、ラクトース等を適宜
配合することができる。ここで界面活性剤としては、た
とえば、オレイン酸、レシチン、ジエチレングリコール
ジオレエート、テトラヒドロフルフリルオレエート、エ
チルオレエート、イソプロピルミリステート、グリセリ
ルトリオレエート、グリセリルモノラウレート、グリセ
リルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グ
リセリルモノリシノレート、セチルアルコール、ステア
リルアルコール、ポリエチレングリコール400、セチ
ルピリジニウムクロリド、ソルビタントリオレエート
(商品名スパン85)、ソルビタンモノオレエート(商
品名スパン80)、ソルビタンモノラウレート(商品名
スパン20)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(商品
名HCO−60),ポリオキシエチレン(20)ソルビ
タンモノラウレート(商品名ツイーン20)、ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(商品名
ツイーン80)、天然資源由来のレシチン(商品名エピ
クロン)、オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル
(商品名ブリジ92)、ステアリルポリオキシエチレン
(2)エーテル(商品名ブリジ72)、ラウリルポリオ
キシエチレン(4)エーテル(商品名ブリジ30)、オ
レイルポリオキシエチレン(2)エーテル(商品名ゲナ
ポル0−020)、オキシエチレンとオキシプロピレン
とのブロック共重合体(商品名シンペロニック)等が挙
げられる。油としては、たとえばトウモロコシ油、オリ
ーブ油、綿実油、ヒマワリ油等が挙げられる。
【0020】本発明のY−27632を液状化するには
有効成分化合物を液状担体に溶解すればよく、液状担体
としては、たとえば、水、塩水、有機溶剤等が挙げら
れ、好ましくは水である。また、溶解にあたり、分子量
200〜5000のポリエチレングリコール、ポリオキ
シエチレン(20)ソルビタンモノオレエート等の界面
活性剤、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール等を適宜添加することができる。
【0021】本発明のY−27632の投与量は、Rh
oキナーゼ阻害剤の他の作用を発現させず抗喘息作用の
みを発現させるという本発明の目的を達成することがで
きる量であればいずれでもよい。特に、所期の効果を発
揮するためには、吸入投与でY−27632が血中濃度
定量限界以下となる量であればよく、例えば、本発明の
薬理実験例1のようにモルモットに対しY−27632
を10mmol/L未満の濃度、特に好ましくは1mm
ol/Lの濃度の溶液を、オムロン超音波式ネブライザ
ー(NE-U07)で2分間吸入投与するに相当する量投与す
ることにより本発明の目的を達成することができる。
【0022】本発明中のY−27632の血中濃度は下
記の方法により測定した。 〔測定法〕 1.装置 ポンプはL-7100型(日立製作所)を、オートインジェク
ターはL-7200型(日立製作所)を、カラムオオーブンは
L-7300型(日立製作所)を、紫外検出器はL-7400型(日
立製作所)を、データ処理装置はD-7000型(日立製作
所)を、それぞれ用いた。 2.抽出法 血清0.2 mLに、1 mol/L 水酸化ナトリウム0.2 mLおよび
クロロホルム 2.0 mLを加えて10分間振とう後、3,000 m
in -1で 5分間遠心分離した。有機層の1.7 mLを分取
し、遠心式減圧濃縮器を用いて濃縮したのち、残渣を移
動相200 μL に溶かし、その150 μL をHPLCに注入し
た。 3. HPLC 条件 カラムにはCapcell pak C18 UG-120 S-5(150 mm ×4.
6 mm I.D.,資生堂)を使用し、移動相としてはメタノー
ル−20 mmol/L 過塩素酸ナトリウム(過塩素酸でpH 2.5
に調整)(1:9, v/v)の混液を用いたカラム温度を40℃
に、流速を1.0 mL/minに、検出器の波長を270 nmに、そ
れぞれ設定した。 4.標準液の調製 遊離塩基として10.0 mg をエタノールに溶かして10 mL
とし、これを標準液の原液とした。この原液をさらにエ
タノールで希釈して、5 ,20,50,200 および500 ng/5
0 μL (それぞれ0.02,0.08,0.2, 0.8 および2 nmol
/50 μL )の標準液を調製した。 5.検量線 ブランク血清0.2 mLに5 ,20,50,200 および500 ng
(それぞれ0.02,0.08,0.2 ,0.8 および2 nmol)のY
−27632 を添加した試料を各1 本ずつ測定し、ピ
ーク高(YμV)を求めた。添加濃度(X ng/mL) とピーク高
を対数変換し、最小二乗法によりlog Y =a ×log X +
b に直線回帰した式を検量線として用いた。この検量線
を用いて、絶対検量線法により、クロマトグラムから血
清中のY−27632濃度を算出した。
【0023】上記測定方法により測定した結果、100
nmol/L以下の場合を定量限界以下と表し、10n
mol/L以下の場合を検出限界以下と表す。
【0024】
【実施例】
【0025】以下に製剤処方例および薬理実験例を示し
て本発明を詳細に説明するが、これらは本発明をなんら
制限するものではない。
【0026】製剤処方例1:エアゾール剤の調製 Y−27632 0.15gをエタノール10gおよび
水10gに溶解し、ジクロロジフルオロメタン79.8
5gを噴霧用圧力容器に封入しエアゾール剤を調製す
る。
【0027】製剤処方例2:粉末剤の調製 下記処方にて各種成分を微粉末にし、Y−27632
10gおよび乳糖(日本薬局方品)100gを均一な混
合物になるように攪拌して粉末剤を調製する。この粉末
剤を常法に従い吸入剤とする。
【0028】薬理実験例1:静脈投与および吸入投与で
の気管抵抗抑制作用および血圧降下作用 〔方法〕Hartley 系雄性モルモット(450−600
g)をウレタン麻酔後、挿管し、propranorol を1mg
/kgで投与下、呼吸抵抗測定器(Baxco Model6:Ba
xcoelectronics, Sharon, CT, USA)にて呼吸抵抗を測
定することによって、ヒスタミンまたはアセチルコリン
による気道反応を検討した。Y−27632は静脈投与
または吸入投与(オムロン超音波式ネブライザー、NE
−U07,2分間)で前投与し、各濃度のヒスタミン
(10、30および100μmol/L)またはアセチ
ルコリン(0.1、1、3、10、30および100μ
mol/L)を順次吸入させて行った。ここで、呼吸抵
抗は以下の計算式にて算出した。
【0029】呼吸抵抗=−logPC200Histamine 呼吸抵抗=−logPC200ACh いずれも、呼吸抵抗を2倍増加させるヒスタミンあるい
はアセチルコリンの濃度の負対数。また、同時に頚動脈
にカニュレーションして血圧測定を行った。 〔結果1:静脈投与〕Y−27632を1および3mg
/kg静脈投与することによってどちらの濃度において
もヒスタミン吸入による呼吸抵抗増加を抑制しなかっ
た。しかし、Y−27632を10mg/kg静脈投与
することによってヒスタミン吸入による呼吸抵抗増加を
完全に抑制した。一方、Y−27632を1、3および
10mg/kg静脈投与することによっていずれの濃度
においても投与5分でモルモットの平均血圧を50mm
Hgから30mmHgに低下させた。また、Y−276
32(1mg/kg)の投与30秒後で静脈血中濃度が
HPLC測定で約5000nmol/Lであった。 〔結果2:吸入投与〕Y−27632 1mmol/L
の溶液を上記条件で吸入前投与することによって、アセ
チルコリン吸入による呼吸抵抗3.07±0.1を2.
59±0.1に有意に抑制し、その作用は少なくとも4
時間継続された。一方、Y−27632 1mmol/
Lでは有意な血圧低下作用は観察されず、ほぼ50mm
Hgが維持された。また、この場合のY−27632吸
入開始2〜4分後の静脈血中濃度はHPLC測定で定量
限界以下(100nmol/L以下)であった。しか
し、Y−27632 10mmol/Lの溶液を吸入前
投与した場合は、アセチルコリン吸入による呼吸抵抗増
加を有意に抑制するが、同時に血圧低下作用が発現し、
その作用は20分弱維持された。この場合のY−276
32吸入開始2〜4分後の静脈血中濃度はHPLC測定
で定量限界以上であった。
【0030】
【発明の効果】上記の結果から、Rhoキナーゼ阻害剤
であるY−27632を吸入投与することによって、R
hoキナーゼ阻害剤の他の作用を発現させず、抗喘息作
用のみを発現させることができる。したがって、本発明
の喘息抑制用吸入剤は、Y−27632を吸入投与した
場合に血中濃度定量限界以下となる量含有させることに
よって、Y−27632のRhoキナーゼ阻害剤として
の他の作用を発現させず抗喘息作用のみを発現させる有
用な吸入剤となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C076 AA24 AA29 AA93 BB22 CC15 DD37E DD67A FF67 FF68 4C086 AA01 AA02 BC17 MA01 MA04 MA57 NA05 NA10 ZA42 ZA59 ZC20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Rhoキナーゼ阻害剤としての他の作用
    を発現させず抗喘息作用のみを発現させるための量の
    (+)−トランス−4−(1−アミノエチル)−1−
    (4−ピリジルカルバモイル)シクロヘキサンを含有す
    る喘息抑制用吸入剤。
  2. 【請求項2】 Rhoキナーゼ阻害剤としての他の作用
    を発現させず抗喘息作用のみを発現させるため(+)−
    トランス−4−(1−アミノエチル)−1−(4−ピリ
    ジルカルバモイル)シクロヘキサンを吸入投与した場合
    に血中濃度定量限界以下となる量含有する喘息抑制用吸
    入剤。
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