明細書
気管支喘息の予防及び/または治療剤
技 術 分 野
本発明は、三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分とし て含有する気管支喘息の予防及び/または治療剤等に関する。
背 景 技 術
気管支喘息の主たる病態は気道平滑筋の異常収縮、 血管漏出、 分泌腺刺激、 血管透過性増大等の炎症症状からなる。 気管支喘息の治療剤としては、 気管平 滑筋弛緩作用を有する吸入 ]3刺激剤ゃ抗炎症作用を有する吸入ステロイド剤 が多く用いられている。 吸入^刺激剤においては、 速効性で著明な作用が認め られるが、 連用により作用が減弱することや、 突然死を招く恐れがあることが 報告されている [ザ ·ニュ一 ·ィングランド ·ジャーナル■ォブ ·メディシン
(The New Engl and Journal of Medicine) 、第 326巻、 .501-506 (1992年) ] 。 一方、 吸入ステロイド剤は抗炎症作用が強力であり優れた薬剤であるが、 ステ ロイド剤においては、 小児の成長障害等の重篤な副作用も報告されており [ァ メリカン · ジャーナル 'ォブ · レスピレ一トリ一 · アンド · クリティカル · ケア · メアイシン (American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine) 、 第 151巻、 p.1715- 1719 (1995年) ] 、 長期間に渡る使用での安 全性は確立していない。 また、 吸入剤では用法が煩雑なため、 安全性の高い経 口剤が望まれている。
気管支喘息患者の気道では、 抗原、 ウィルス感染、 運動、 煙、 冷気、 ストレ ス等の様々な危険因子により、 平滑筋、 分泌腺、 毛細血管等の周囲に分布する 知覚神経の末端から夕キキニンの放出が促され、 平滑筋収縮、 分泌亢進、 血管 透過性亢進等の作用が引き起される。これらのことからタキキニンは気管支喘 息の病態に深く関わっていると考えられ、タキキニン抑制剤は気管支喘息の治 療剤として利用できると考えられている [ランセット (Lancet) 、 第 1 巻、 p.242-245 (1986年) ] 。
一方、 本発明で用いられる化合物と同一の構造を有する化合物群は、 膀胱充 満時に生ずる排尿間隔の延長作用を有し、神経因性膀胱及び不安定膀胱等をは
じめとする種々の疾患または状態における頻尿、 尿失禁、 尿意切迫感及び残尿 感等の治療または改善に有用であることが知られている (W097/14672、 W098/46587) ,。
発 明 の 開 示
本発明の目的は、三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成 分として含有する気管支喘息の予防及び/または治療剤等を提供することに める。
本発明は、 以下の (1) 〜 (32) に関する。
( 1) 式 (I)
(I)
{式中、 R1は水素原子、 八ロゲン、 置換もしくは非置換の低級アルキルまたは 置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、
X^X2- X3は、 CR5=CR6_CR7=CR8 [式中、 R5、 R6、 R7及び R8は、 同一または異なって 水素原子、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換 ァミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の低級 Tルコキシまたは置換もしくは非置換の低級アル カノィルァミノを表す] 、 N (0) m=CR6_CR7=CR8 (式中、 R6、 R7及び R8はそれぞれ 前記と同義であり、 mは 0または 1 を表す) 、 CR5=CR6_N (0) m=CR8 (式中、 R5、 R6、 R8及び mはそれぞれ前記と同義である) 、 CR5=CR6- CR7=N (0) n (式中、 R5、 R6、 R7及び mはそれぞれ前記と同義である) 、 CR5=CR6_0 (式中、 R5及び R6はそ れぞれ前記と同義である) 、 CR5=CR6- S (式中、 R5及び R6はそれぞれ前記と同 義である)、 0-CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれぞれ前記と同義である)、 S-CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれぞれ前記と同義 ある) または 0-CR7=N (式中、 R7は 前記と同義である) を表し、
Yは- CH2S -、 - CH2S0-、 - CH2S02-、 - CH20-、 - CH=CH -、 - (CH2) p- (式中、 pは 0〜2 の整数を表す) 、 - SCH2-、 - S0CH2_、 - S02CH2 :または- 0CH厂を表し、
R2は水素廐子、 ァミノ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非 置換の低級アルケニル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシ、. モノ(置換も しくは非置換の低級アルキル)置換ァミノ、ジ(置換もしくは非置換の低級アル キル)置換アミノ、 置換もしくは非置換のァリール、 置換もしくは非置換のへ テロアリール、 置換もしくは非置換のァラルキルァミノ、 置換もしくは非置換 のァリールアミノまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す }で表される三 環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する気 管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
(2) 前記 (1 ) に記載の三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有 効成分として含有する夕キキニン抑制剤。
(3) 式 ( l a)
(la)
[式中、 R1及び X1- X2- X3はそれぞれ前記と同義であり、 Yaは _CH2S02-、 - SCH2-、 -S0CH2-、 - S02CH2 -または- 0CH2-を表し、
Yaが- CH2S02-、 -SCH2-、 -S0CH2-または- S02CH2-であるときに、
R2aは水素原子、 ァミノ、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは 非置換の低級アルケニル、 置換もしくは非置換の低 アルコキシ、 モノ(置換 もしくは非置換の低級アルキル)置換アミノ、ジ(置換もしくは非置換の低級ァ ルキル)置換アミノ、 置換もしくは非置換のァリール、 置換もしくは非置換の ヘテロァリール、 置換も.しくは非置換のァラルキルァミノ、 置換もしくは非置 換のァリールァミノ、置換もしくは非置換の脂環式複素環基または置換もしく は非置換の含窒素複素環基を表し、
Yaが- 0CH2-であるときに、
R2aは水素原子、 ァミノ、 トリフルォロメチル、 置換もしくは非置換の低級ァ ルケニル、 置換もしくは非置換の低級アルコキシ、 モノ(置換もしくは非置換 の低級アルキル)置換アミノ、 ジ(置換もしくは非置換の低級アルキル)置換ァ ミノ、置換もしくは非置換のァリール、置換もしくは非置換のへテロアリール、 置換もしくは非置換のァラルキルァミノ、置換もしくは非置換のァリ一ルアミ ノ、 置換もしくは非置換の脂環式複素環基、 置換もしくは非置換の含窒素複素 環基または式 (I I)
(II)
(式中、 nは 0または 1であり、 R3及び R4は、 同一または異なって水素原子、 置換もしくは非置換の低級アルキル、 置換もしくは非置換の環状アルキル、 置 換もしくは非置換のァリールまたは置換もしくは非置換のァラルキルを表す か、 R3及び R4が隣接する炭素原子と一緒になつて環状アルキルを形成しても よく、 Qはハロゲン、 ァミノ、 ヒドロキシまたは置換もしくは非置換の低級ァ ルコキシを表す) を表す] で表される三環式化合物またはその薬理学的に許容 される塩を有効成分として含有する気管支喘息の予防及び/または治療剤。
(4) Yaが- CH2S02-、 - SCH2 -、 -S0CH2 -または- S02CH2-である前記 (3) 記載の気 管支喘息の予防及び または治療剤。
(5) Yaが _0CH2-である前記(3)記載の気管支喘息の予防及び/または治療剤。
(6) Yaが- CH2S02 -、 - S02CH2 -または- 0CH2_である前記 (3) 記載の気管支喘息の 予防及び Zまたは治療剤。
(7) Yaが _CH2S02-または- S02CH2-である前記 (3) 記載の気管支喘息の予防及 び Zまたは治療剤。
(8) Yaが- CH2S02-である前記 (3) 記載の気管支喘息の予防及び/または治療 剤。
(9) R1が水素原子、 ハロゲンまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシで
ある前記 (3) 〜 (8) のいずれかに記載の気管支喘息の予防及び/または治療 剤。
( 10) R1が水素原子である前記 (3) 〜 (8) のいずれかに記載の気管支喘息の 予防及び/または治療剤。 .
( 11) X1- X2- X3が S-CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれぞれ前記と同義である) で ある前記 (3) 〜 (10) のいずれかに記載の気管支喘息の予防及び/または治 療剤。
( 12) Χΐχ2- X3が CR5=CR6- CR7=CR8 (式中、 R5、 R6、 R7及び R8はそれぞれ前記と 同義である) である前記 (3) 〜 (10) のいずれかに記載の気管支喘息の予防 及び Zまたは治療剤。
( 13) R2aが式 (I I)
(式中、 n、 R3、 R4及び Qはそれぞれ前記と同義である)である前記(3) 〜(12) のいずれかに記載の気管支喘息の予防及び/または治療剤。
( 14) nが 0である前記 (13) 記載の気管支喘息の予防及び/または治療剤。
( 15) R3がメチルであり、 R4がトリフルォロメチルであり、 Qがヒドロキシで ある前記 (14) 記載の気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
( 16) R
1が水素原子であり、 Y
aが- CH
2S0
2_であり、 X
1- X
2-X
3が S_CR
7=CR
8 (式中、 R
7及び R
8はそれぞれ前記と同義である) であり、 R
2aが式 (I I I)
(ΙΠ) である前記 (3) 記載の気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
( 17) 前記 (3) 〜 (16) のいずれかに記載の三環式化合物またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有する夕キキニン抑制剤。
( 18) 式 (lb)
[式中、 R
1及び X'-X
2- X
3はそれぞれ前記と同義であり、 Y
bは - CH
20_、 - CH
2S -、 -CH
2S0-、 - CH=CiI-または-(CH
2)
P - (式中、 p は前記と同義である) を表し、 R
2b は式 (I I I)
(ΠΙ) を表す]で表される三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成 分として含有する気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
( 19) Xし X2- X3が CR5=CR6_CR7=CR8 (式中、 R5、 R6、 R7及び R8はそれぞれ前記と 同義である) または CR5=CR6- CR7=N (式中、 R5、 R6及び R7はそれぞれ前記と同義 である) である前記 (18) 記載の気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
(20) X1 - X2- X3が CR5=CR6 - 0 (式中、 R5'及び R6はそれぞれ前記と同義である) ま たは CR5=CR6-S (式中、 R5及び R6はそれぞれ前記と同義である)である前記(18) 記載の気管支喘息の予防及び/または治療剤。
(21) X1- X2- X3が 0- CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれぞれ前記と同義である) ま たは S- CR7=CR8 (式中、 R7及び R8はそれぞれ前記と同義である)である前記(18) 記載の気管支喘息の予防及び/または治療剤。
(22) Ybが- CH20 -である前記 (18) 〜 (21) のいずれかに記載の気管支喘息の 予防及び/または治療剤。
(23) Ybが _ (CH2) P- (式中、 pは前記と同義である) である前記 (18) 〜 (21) のいずれかに記載の気管支喘息の予防及び または治療剤。
( 24) pが 0である前記 (23) 記載の気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
( 25) pが 2である前記 (23) 記載の気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤。
(26) Ybが- CH=CH-である前記 (18) 〜 (21 ) のいずれかに記載の気管支喘息 の予防及び Zまたは治療剤。 ''
(27) Ybが- CH2S -または- CH2S0-である前記 (18) 〜 (21 ) のいずれかに記載の 気管支喘息の予防及び/または治療剤。
(28) 前記 (18) 〜 (27) のいずれかに記載の三環式化合物またはその薬理学 的に許容される塩を有効成分として含有するタキキニン抑制剤。 '
(29) 気管支喘息の予防及びノまたは治療剤の製造のための、 前記 (1) 、 (3) 〜 (16) 及び (18) 〜 (27) のいずれかに記載の三環式化合物またはその薬理 学的に許容される塩の使用。 ,
(30) 夕キキニン抑制剤の製造のための、 前記 (1) 、 (3) 〜 (16) 及び (18) 〜 (27) のいずれかに記載の三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩 の使用。
(31) 前記 (1 ) 、 (3) 〜 (16) 及び (18) 〜 (27) のいずれかに記載の三環 式化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する工程を含む、 気管支喘息の予防及び Zまたは治療方法。
(32) 前記 (1 ) 、 (3). 〜 (16) 及び (18) 〜 (27) のいずれかに記載の三環 式化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与する工程を含む、 タキキニンの作用抑制方法。
以下、 式 (I) で表さ l'る化合物を化合物 (I) という。 他の式番号で表され る化合物についても同様である。
式 (I) の各基の定義において、 低級アルキルとしては、 例えば直鎖または 分岐している炭素数 1〜8のアルキル、 より具体的にはメチル、 ェチル、 プロ ピル、 ィソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 ter t -ブチル、 ペン チル、 へキシル、 1, 2, 2-卜リメチルプロピル、 ヘプチル、 ォクチル等が挙げら れる。
ハロゲンは、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素の各原子を意味する。
低級アルコキシ、モノ(低級アルキル)置換ァミノ及びジ(低級アルキル)置換
ァミノにおける低級アルキル部分は、 前記低級アルキルと同義である。
低級アルカノィルァミノにおける低級アルカノィルとしては、例えば炭素数
1〜6 のアルカノィル、 より具体的にはホルミル、 7セチル、 プロパノィル、 ブタノィル、 ペンタノィル、 2, 2 -ジメチルプロパノィル、 へキサノィル等が挙 げられる。
低級アルケニルと.しては、 例えば直鎖または分岐している炭素数 2〜6のァ ルケニル、 より具体的にはビニル、 ァリル、 1 -プロべニル、 メタクリル、 1 - ブテニル、 クロチル、 ペンテニル、 へキセニル等が挙げられる。
ァリ一ル及びァリールァミノのァリール部分としては、 例えばフエニル、 ナ フチル等が挙げられ、 ヘテロァリールとしては、 例えばピリジル、 フリル、 チ ェニル、 キノリル、 イミダゾリル、 ベンゾィミダゾリル、 チアゾリル等が挙げ られる。
ァラルキルァミノのァラルキル部分としては、例えば炭素数 7〜1 2のァラル キル、より具体的にはベンジル、フエネチル、ナフチルメチル等が挙げられる。 複素環基としては、例えば脂環式複素環基、含窒素複素環基等が挙げられる。 脂環式複素環基としては、例えばテトラヒドロフリル、テトラヒドロチェニル、 クロマニル等が挙げられる。含窒素複素環基は、 例えば 1つまたは 2つの窒素 原子をその環内に含む複素環基であり、 さらに酸素、 硫黄等のへテロ原子を含 んでいてもよく、 例えばピロリジニル、 ピペコリニル、 ピペラジニル、 ピペリ ジル、 モルホリニル、 チオモルホリニル、 ォキサゾリル等が挙げられる。 '置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換アミ ノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルカノィルァミノ及び置換 低級アルケニルにおける置換基としては、 同一または異なって、 置換数 1〜置 換可能な数の (好ましくは 1〜6の、 より好ましくは 1〜4の) 、 例えばハロゲ ン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級 アルキル)置換ァミノ、 環状アルキル、 置換環状アルキル [該置換環状アルキ ルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロ ゲン、 ヒドロキシ、 二,トロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低 級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる] 、 ァリール、 置換
ァリール (該置換ァリールにおける置換基は、 後記の置換ァリールにおける置 換基と同義である) 、 ァラルキル、 置換ァラルキル (該置換ァラルキルにおけ る置換基は、 後記の置換ァラルキルにおける置換基と同義である) 、 低級アル コキシ、置換低級アルコキシ [該置換低級アルコキシにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級 アルコキシ等が挙げられる] 等が挙げられる。 また、 上記の置換低級アルキル においては、 該低級アルキルにおける同一炭素原子上に 2つの置換基を有し、 該 2つの置換基が該炭素原子と一緒になつて脂肪族環を形成していてもよい。 なお置換低級アルキルが置換メチルまたは置換ェチルである場合は、その置換 基は、 さらに同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 低級アルキルまたは 置換低級アルキル [該置換低級アルキルにおける置換基としては、 同一または 異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、' ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モ ノ(低級アルキル)置換ァミノ、 ジ (低級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ 等が挙げられる] であってもよい。
置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換アミ ノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルカノィルァミノ及び置換 低級アルケニルにおける置換基の定義において、ハロゲンは前記と同義であり、 低級アルキル、 モノ(低級アルキル)置換ァミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ 及び低級アルコキシにおける低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義で あり、 ァリールは前記と同義である。 環状アルキル及び脂肪族環の環状アルキ ル部分としては、 例えば炭素数 3〜8の環状アルキル、 より具体的にはシクロ プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、 シクロォクチル等が挙げられる。 ァラルキルとしては、 例えば炭素数 7〜1 2の ァラルキル、 より具体的にはベンジル、 フエネチル、 ナフチルメチル等が挙げ られる。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキルァミノ及び置換ァリー ルァミノにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ァミノ、 低級アルキル等が挙げられる。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキルァミノ及び置換ァリ一 ルァミノにおける置換基の定義において、ハロゲン及び低級アルキルはそれぞ れ前記と同義である。
置換複素環基における置換基としては、 同一または異なつて例えば置換数 1 〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 低級アルキル等が挙げられる。
置換複素環基における置換基の定義において、ハロゲン及び低級アルキルは それぞれ前記と同義である。
式 (l a) 及び式 (lb) の各基の定義において、 低級アルキルとしては、 例え ば直鎖または分岐している炭素数 1〜6のアルキル、 より具体的にはメチル、 ェチル、 プ tiピル、 イソプロピル、 ブチル、 イソブチル、 sec-ブチル、 t er t- プチル、 ペンチル、 へキシル、 1 , 2, 2-トリメチルプロピル等が挙げられる。 ハロゲンは、 フッ素、 塩素、 臭素、 ヨウ素の各原子を意味する。
低級アルコキシ、モノ(低級アルキル)置換アミノ及びジ(低級アルキル)置換 ァミノにおける低級アルキル部分は、 前記低級アルキルと同義である。
低級アルケニルとしては、 例えば直鎖または分岐している炭素数 2〜6のァ ルケニル、 より具体的にはビニル、 ァリル、 1 -プロべニル、 メ夕クリル、 1 - ブテニル、 クロチル、 ペンテニル、 へキセニル等が挙げられる。 .
ァリ一ル及びァリ一ルァミノのァリ一ル部分としては、 例えばフエニル、 ナ フチル等が包含され、 ヘテロァリールとしては、 例えばピリジル、 フリル、 チ ェニル、 キノリル、 イミダゾリル、 ベンゾイミダゾリル、 チアゾリル等が挙げ られる。
ァラルキル及びァラルキルァミノのァラルキル部分としては、例えば炭素数 7〜1 2のァラルキル、 より具体的にはベンジル、 フエネチル、 ナフチルメチル 等が挙げられる。
脂環式複素環基としては、 例えばテトラヒドロフリル、 テトラヒドロチェ二 ル、 クロマニル等が挙げられる。 含窒素複素環基は、 例えば 1つまたは 2つの 窒素原子をその環内に含む複素環基であり、 さらに酸素、 硫黄等のへテロ原子 を含んでいてもよく、且つその環内の窒素原子が隣接するカルポニル基と結合 している複素環基を表し、例えばピロリジニル、ピペコリニル、ピペラジニル、
ピペリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、ォキサゾリル等が挙げられる。 環状アルキルとしては、 例えば炭素数 3〜8の環状アルキル、 より具体的に はシク口プロピル、 シクロブチル、 シクロペンチル、 シクロへキシル、 シクロ ヘプチル、 シクロォクチル等が挙げられる。
置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換アミ ノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルケニル及び置換環状アル キルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハ ロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低 級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる。 また置換低級アル キルが、 置換メチルまたは置換ェチルである場合は、 その置換基は、 さらに同 一または異なって例えば置換数 1〜3の、低級アルキル、置換低級アルキル [該 置換低級アルキルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数 1〜3 の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換 ァミノ、 ジ(低級アルキル)置換ァミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる] 、 環 状アルキル、置換環状アルキル [該置換環状アルキルにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級 アルコキシ等が挙げられる] 、 ァリール、 置換ァリール [該置換ァリールにお ける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アル キル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられる] 、 ァラルキル、 置換ァラ ルキル [該置換ァラルキルにおける置換基としては、 同一または異なって例え ば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキ ル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換アミノ、 低級アルコキシ等が挙げられ る] 、 置換低級アルコキシ [該置換低級アルコキシにおける置換基としては、 同一または異なって例えば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ニトロ、 ァミノ、 モノ(低級アルキル)置換アミノ、 ジ(低級アルキル)置換ァミノ、 低級 アルコキシ等が挙げられる] 等であってもよい。 さらに置換メチルまたは置換 工チルの、メチルまたはェチルにおける同一炭素原子上に 2つの置換基を有し、
該 2つの置換基が該炭素原子と一緒になつて脂肪族環を形成していてもよい。 置換低級アルキル、 置換低級アルコキシ、 モノ(置換低級アルキル)置換アミ ノ、 ジ(置換低級アルキル)置換アミノ、 置換低級アルケニル及び置換環状アル キルにおける置換基の定義において、 ハロゲン、 環状アルキル、 ァリール及び ァラルキルはそれぞれ前記と同義であり、 低級アルキル、 モノ(低級アルキル) 置換ァミノ、ジ(低級アルキル)置換アミノ及び低級アルコキシにおける低級ァ ルキル部分は、 前記低級アルキルと同義であり、 脂肪族環の環状アルキル部分 は前記環状アルキルと同義である。
置換ァリール、 置換へテロアリール、 置換ァラルキル、 置換ァラルキルアミ ノ及び置換ァリールァミノにおける置換基としては、同一または異なって例え ば置換数 1〜3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 ァミノ、 低級アルキル等が挙げら れる。 '
置換ァリール、 置換へテロァリ一ル、 置換ァラルキル、 置換ァラルキルアミ ノ及び置換ァリールァミノにおける置換基の定義において、ハロゲン及び低級 アルキル'はそれぞれ前記と同義である。 .
置換脂環式複素環基及び置換含窒素複素環基における置換基としては、同一 または異なって例えば置換数!〜 3の、 ハロゲン、 ヒドロキシ、 低級アルキル 等が挙げられる。
置換脂環式複素環基及び置換含窒素複素環基における置換基の定義におい て、 ハロゲン及び低級アルキルはそれぞれ前記と同義である。
化合物 (I ) 、 化合物 (l a) 及び化合物 (lb) の薬理学的に許容される塩と しては、 薬理学的に許容される酸付加塩が挙げられ、 例えば塩酸塩、 臭化水素 酸塩、 ヨウ化水素酸塩、 硝酸塩、 硫酸塩、 リン酸塩等の無機酸塩、 ギ酸塩、 酢 酸塩、 安息香酸塩、 マレイン酸塩、 フマル酸塩、 コハク酸塩、 酒石酸塩、 クェ ン酸塩、 シユウ酸塩、 ダリオキシル酸塩、 ァスパラギン酸塩、 メタンスルホン 酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。 タキキニン抑制剤におけるタキキニン抑制とは、 夕キキニンの遊離抑制、 夕 キキニン受容体に結合することによるタキキニンの作用抑制等を意味する。 本発明で用いられる三環式化合物は、 前記刊行物に開示された方法、 または
それらに準じて製造することができ、 有機合成化学で常用される精製法、 例え ば中和、 濾過、 抽出、 洗浄、 乾燥、 濃縮、 再結晶、 各種クロマトグラフィー等 に付して単離 ·精製することができる。
本発明で用いられる三環式化合物の塩を取得したいとき、当該三環式化合物 が塩の形で得られる場合には、 そのまま精製すればよく、 また、 遊離塩基の形 で得られる場合には、 当該遊離塩基を適当な溶媒に溶解または懸濁し、 酸を加 えて塩を形成させれば良い。
なお、本発明で用いられる三環式化合物の中には光学異性体が存在し得るも のもあるが、 全ての可能な立体異性体及びそれらの混合物も、 本発明の気管支 喘息の予防及び/もしくは治療剤またはタキキニン抑制剤の有効成分として 用いることができる。
また、本発明で用いられる三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩 は、 水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、 これら付加物 も本発明の気管支喘息の予防及び/もしくは治療剤またはタキキニン抑制剤 の有効成分として用いることができる。
タキキニン抑制活性は、電気刺激により誘発されるモルモッ卜気管支標本の 平滑筋収縮を測定する系で評価できる [ジャーナル ·ォブ · ファーマシー ·ァ ンド :ファーマコロジー (Journal of Pharmacy and Pharmacology) 、 第 2 巻、 ρ· 131-134 (1990年) ]
次に、 化合物 (I) の代表的化合物の薬理作用を、 試験例により説明する。 試験化合物としては、 (S) - (+) -3, 3, 3-トリフルォロ- 2-ヒドロキシ- 2-メチル -Ν_(5,5,10-トリオキソ- 4, 10 -ジヒドロチェノ [3,2_c] [1]ベンゾチェピン- 9_ ィル)プロパンアミド [(S)-(+)-3, 3, 3-trifluoro-2-hydroxy-2-methyl-N- (5, 5, 10-tr ioxo-4, 10-dihydrothieno [3, 2-c] [lj benzothiepin - 9 - yl)propan - amide] を用いた。 以下、 上記化合物を本明細書において、 化合物 1 という。 なお、 化合物 1は、 W098/46587中の化合物 (1-25) と同一化合物である。 試験例 1:電気刺激誘発気管支筋収縮反応に対する抑制作用
試験にはモルモット(ハートレ一系、雄性、 日本エスエルシー社)を用いた。 電気刺激誘発気管支筋収縮反応は、 池村らの方法 [プリティッシュ ·ジャーナ
ル 'ォブ ' ファーマコロジー (British Journal of Pharmacology) 、 第 117 巻、 p.967- 973 (1996年) ] に準じて実施した。 すなわち、 モルモットより摘 出した左右の主気管支は、周囲に付着している結合組織や脂肪を取り除いた後、 軟骨にそって切断し長さ約 2讓のリング標本にした。 標本は、 混合ガス (95% 02, 5¾ C02) を通気した 37 °Cのインドメタシン (5 mol/L) を含む Krebs- Henseleit栄養液 [組成 (XI mmol/L) : NaCl 118.4 ; KC1 4.7 ; CaCl2 2.5 ; KH2P04 1.2 ; MgS04 1.2 ; NaHC03 25.0 ; glucose 11.1] を満たしたィ —ジーマグヌス装置 (いわしや、 京都) に懸垂した。 標本の収縮反応は FDピ ックアップ (TB-611T、 TB-612T, 日本光電、 東京) 、 プレアンプ (AP- 621G、 日本光電、東京)を介し等尺性(静止張力: 0.5g)に測定し、レコーダー(LR4220、 横河電気、 東京) 上に記録した。 標本は約 30分間安定化させた後、 実験を開 始した。 フィールド電気刺激による気管支筋収縮反応は、 電気刺激装置
(SEN- 3301、 日本光電、 東京) 、 棒状双極白金電極 (電極幅 7匪、 いわしや、 京都) を用い矩形波パルスによるフィールド電気刺激 (刺激条件:電圧 15ポ ルト、 頻度 8ヘルツ、 持続時間 0.5ミリ秒、 通電時間 15秒) により誘発させ た。 この条件での刺激により、 素早い立ち上がりのアセチルコリンの関与する 収縮反応 (コリナ一ジック収縮) とその後に緩やかな立ち上がりのタキキニン の関与する収縮反応 (タキキナージック収縮) からなる二相性の収縮反応が観 察された。 化合物 1 の評価には安定した収縮反応が 2回見られた標本を用い、 プレ収縮反応 (2回目をプレ収縮とする) を観察後、 化合物 1 を添加し 30分 間前処置を行った後、 収縮反応 (ポスト収縮反応) を観察した。 収縮反応は収 縮高を指標にし、 抑制率を以下の式から算出した。 化合物 1は、 3、 10及び 30 mmol/L の濃度でジメチルスルホキシド (DMS0) に溶解し、 最終濃度 3、 10及 び 30 mol/Lとした (DMS0濃度 0.1%) 。 なお別途溶媒処置群を設けた。 溶媒 処置群 は化合物 1投与群と同量の溶媒を加えた。 抑誦 = 10。ー(ポ ト収 高 。0
プレ収縮高 )
タキキナージック収縮及びコリナ一ジック収縮に対する化合物 1 の抑制率 を図 1に示す。 化合物 1はタキキナージック収縮に対して、 有意な抑制作用を
示し、 3、 10及び 30 ^mol/Lでの抑制率はそれぞれ、 32.1±10.7%、 55.2±11.4% 及び 87.1±3.6%であった。 溶媒のタキキナージック収縮に対する抑制作用は 7.9±8.0%であった。 また化合物 1.はコリナ一ジック収縮に対しては、 最高濃 度の 30 mol/Lでの抑制率が 33.0±5.7%であり、 タキキナ一ジック収縮に対 するよりも抑制作用が弱く、タキキナージック収縮に対する選択的な抑制作用 が認められた。
試験例 2: マウスの抗原誘発気道過敏性発現に及ぼす影響
雄性 BALB/cマウス (日本チヤ一ルスリバ一) に、 0.Ί mg/mL の卵白アルブ ミン (以下、 OA) 及び 10 mg/mLの水酸化アルミニウムを含む生理食塩液 0.2 mL を 7日間間隔で 2回腹腔内投与することにより感作した。最終感作の 1週間後 より 4 日間、 生理食塩液に溶解した 2 w/v¾ OA 溶液を超音波ネブライザ一 (NE-U17, オムロン) にて 20分間マウスに噴霧した (抗原噴霧) 。 陰性対照 群のマウスには同様の方法で生理食塩液を噴霧した。化合物 1投与群には、 抗 原噴霧をした 4 日間、 抗原噴霧の 1 時間前に 0.5 w/v%メチルセルロース水溶 液に懸濁した試験化合物を経口投与した。陰性対照群及び陽性対照群には、 0.5 w/v%メチルセルロース水溶液を経口投与した。 なお、 各群 7匹または 8匹のマ ウスを用いた。 最終抗原噴霧の約 24時間後、.メサコリンに対するマウスの気 道反応性を、 呼吸機能測定装置 (BioSystem XA、 Buxco) を用いて測定した。 始めに無処置状態における enhanced'pause(Penh)を 30秒毎に 3分間測定し、 その平均値を算出した(baseline)。その後、生理食塩液およびメサコリン(1.5、 3.1、 6.3および 12.5 mg/mL) .を順次、 超音波ネブライザ一 (NE_U12、 ォムロ ン) を用いてマウスに 3分間吸入させ、 それぞれの噴霧直後の Penhを 30秒毎 に 3分間測定し、 その平均値を算出した。
抗原噴霧により気道過敏性の発現が誘導された。 化合物 1 (30 mg/kg) は気 道過敏性の発現を有意に抑制した。
化合物 (I) 、 化合物 (la) 、 化合物 (lb) またはそれらの薬理学的に許容 される塩を含有する医薬製剤は、 活性成分としてこれら化合物単独で、 または 任意の他の治療のための有効成分との混合物として含有することができる。ま た、 それら医薬製剤は、 活性成分を薬理学的に許容される一種もしくはそれ以
上の担体と一緒に混合し、製剤学の技術分野においてよく知られている任意の 方法により製造される。
投与経路は、 治療に際し最も効果的なものを使用するのが望ましく、 経口ま たは、 例えば気管内、 静脈内等の非経口を挙げることができる。
投与形態としては、 錠剤、 カプセル剤、 注射剤等がある。
経口投与に適当な、 例えば錠剤、 カプセル剤等は、 乳糖、 ブドウ糖、 蔗糖、 マンニット等の賦形剤、 澱粉、 アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、 ステアリン酸マ グネシゥム、 タルク等の滑沢剤、 ポリビニルアルコール、 ヒドロキシプロピル セルロース、 ゼラチン等の結合剤、 脂肪酸エステル等の界面活性剤、 グリセリ ン等の可塑剤等を用いて製造できる。
注射剤に適当な製剤は、好ましくは受容者の血液と等張である活性化合物を 含む滅菌水性剤からなる。 例えば、 注射剤の場合は、 塩溶液、 ブドウ糖溶液ま たは塩水とブドウ糖溶液の混合物からなる担体等を用いて注射用の溶液を調 製する。
また、 これら非経口剤においても、 経口剤で例示した希釈剤、 防腐剤、 フレ ーバ一類、 賦形剤、 崩壊剤、 滑沢剤、 結合剤、 界面活性剤、 可塑剤等から選択 される 1種もしくはそれ以上の補助成分を添加することもできる。
化合物 (I) 、 化合物 (l a) 、 化合物 (lb) また それらの薬理学的に許容 される塩の投与量及び投与回数は、 投与形態、 患者の年齢、 体重、 治療すべき 症状の性質または重篤度により異なるが、通常経口の場合、成人一人当り 0. 01 mg〜l g、 好ましくは 0· 05〜50 mgを一日一回ないし数回投与する。 吸入ゃ静 脈内投与等の非経口投与の場合、成人一人当り 0. 001〜100 mg、好ましくは 0. 01 〜10 mgを一日一回ないし数回投与する。 しかしながら、 これら投与量及び投 与回数に関しては、 前述の種々の条件により変動する。
図面の簡単な説明
図 1はモルモット気管支のフィールド電気刺激誘発収縮反応に対する化合 物 1の作用を示す図であり、 縦軸は抑制率 (%) を、 横軸は化合物 1の濃度 ( / mo l/) を表す。 各 6標本を使用した。 値は平均値土標準誤差を意味する。
一〇一 : コリナ一ジック収縮
一翁一 : タキキナージック収縮
* : Pく 0.05 (溶媒投与群対比の Williams検定)
* * * : P<0.001 (溶媒投与群対比の Williams検定)
図 2はマウスの抗原誘発気道過敏性発現に対する化合物 1の作用を示す図で あり、 縦軸は enhanced pause (Penh) を、 横軸はメサコリンの濃度 (mg/mL) を表す。
一〇一 :陰性対照群
一書— :陽性対照群
一♦一 :化合物 1の 3 mg/kg投与群
一▲一 :化合物 1の 10 mg/kg投与群
一國ー :化合物 1の 30 mg/kg投与群
* : P<0.05 (陰性対照群対比の Student t検定または Aspin- Welch検定)
* : Pく 0.05 (陽性対照群対比の Steel検定)
* * : Pく 0.01 (陽性対照群対比の Steel検定) .
以下に、 本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、 本発明の範囲はこ れら実施例により限定されることはない。
発明を実施するための最良の形態
実施例 1:錠剤
常法により、 次の組成からなる錠剤を調製した。
250 gの化合物 1、 マンニトール 1598.5 g、 でん粉グリコール酸ナトリウム 100 g、 軽質無水ケィ酸 10 g、 ステアリン酸マグネシウム 40 g及び黄色三二 酸化鉄 1.5 gを常法により混合した。 この混合物を用い、 径 8 mmの杵を有す る打錠機 (菊水社製 Purepress Correct- 12型) で打錠を行って、 錠剤 (1 錠 あたり活性成分 25 mgを含有する) を得た。
化合物 1 25 mg
マンニトール 159. 85 mg
でん粉グリコール酸ナトリゥム 10 mg
軽質無水ケィ酸 1 mg
ステアリン酸マグネシウム , mg
黄色三二酸化鉄 0. 15 mg
200 mg 実施例 2:カプセル剤
常法により、 次の組成からなるカプセル剤を調製した。
500 gの化合物 1、 ラクトース 300 g、 軽質無水ケィ酸 100 g及びラウリル 硫酸ナトリウム 100 g を常法により混合した。 この混合物をカプセル充填機 (Zanasiネ: t製、 LZ- 64型) により、 ハードカプセル 1号(1カプセルあたり 100 mg容量) に充填し、 カプセル剤(1カプセルあたり活性成分 50 mgを含有する) を得た。
処方 化合物 1 50 . mg
ラクトース 30 mg
軽質無水ゲイ酸 10 mg
ラウリル硫酸ナトリウム 10 mg
100 mg 実施例 3:注射剤
常法により、 次の組成からなる注射剤を調製する。
1 gの化合物 1及び D-マンニトール 5 gを注射用蒸留水に添加して混合し、 さらに塩酸及び水酸化ナトリウム水溶液を添加して pHを 6に調整した後、 注 射用蒸留水で全量を 1000 mLとする。 られた混合液をガラスバイアルに 2 mL ずつ無菌的に充填して、 注射剤 (1バイアルあたり活性成分 2 mgを含有する) を得る。
処方 化合物 1 2 mg
D-マンニトール 1 0 mg
塩酸 ' 適量
水酸化ナトリウム水溶液 適量
注射用蒸留水 適量
2. 00 mL
産業上の利用可能性
本発明により、三環式化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分 として含有する気管支喘息の予防及び Zまたは治療剤等が提供される。