JP2000060106A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2000060106A
JP2000060106A JP10229842A JP22984298A JP2000060106A JP 2000060106 A JP2000060106 A JP 2000060106A JP 10229842 A JP10229842 A JP 10229842A JP 22984298 A JP22984298 A JP 22984298A JP 2000060106 A JP2000060106 A JP 2000060106A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部インダクタンスが小さく、かつ環境に優
しい冷却構造の電力変換装置を実現する。 【解決手段】 外気と通ずる開放部分7と外気から遮断
された密閉部分6とを有する装置本体5に対して、その
密閉部分内に複数の平形半導体素子1を収容し、当該平
形半導体素子1に対して、密閉部分内で排熱する冷却器
20と、放熱部4が開放部分6に配置された冷却器2とを
半導体素子1と共に積層圧接して半導体スタックを構成
する。これによって、冷却器2,20のすべてを半導体素
子と電気絶縁する必要をなくし、装置の大形化を避け
る。つまり、装置本体5の開放部分7に置かれる部品
は、その部品に電圧が印加されないように電気絶縁構造
とするが、装置本体5の密閉部分6内に排熱する冷却器
20は直接に平形半導体素子1に積層圧接し、冷却器20に
電圧がかかった状態での使用を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平形半導体素子と
冷却器とを積層した半導体スタックを有する電力変換装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気車の電力変換装置に用いられ
る半導体素子は、発生する熱を効率良く逃がすために何
らかの冷却手段を必要とするため、対向する両面が電極
面かつ放熱面となる平形半導体素子を採用し、その両面
に冷却器の受熱部が圧接するように半導体素子と冷却器
とを交互に積層した半導体スタック構造にして、装置本
体内に収容している。
【0003】冷却器の冷却方式は、主に半導体素子より
発生する損失により決まるが、ヒートパイプ式冷却器に
代表される冷媒の相変化を利用した冷却方式がとられる
ことが多い。
【0004】図11及び図12は、従来の電力変換装置
の断面構造を示している。平形半導体素子1より発生す
る熱を、冷媒の相変化を利用して冷却器2の受熱部3か
ら放熱部4へ輸送し、放熱部4より大気へ熱放散する
が、一般に半導体素子1及び冷却器受熱部3は積層圧接
された状態で装置本体5の密閉部分6内に置かれる。一
方、冷却器放熱部4は、装置本体5の外気と連通した開
放部分7内に置かれ、放熱性能を高めるのが一般的であ
る。さらに、高い放熱性能を要求する場合には、この開
放部分7を風洞にして送風機によって強制冷却すること
もある。
【0005】また鉄道車両駆動用の電力変換装置は、図
13及び図14に示す形態で車体9の床下に取り付けら
れる。この場合、装置本体5の開放部分7を装置の正面
側(車体9に取り付けた状態で車体側方側)に位置する
配置にして、自然対流で放熱冷却を行うようにする。こ
れは排熱が車体床下にこもるのを防ぎ、また車両走行風
を活用して冷却効果を高めるためである。
【0006】このように、冷却器放熱部4を外気と通ず
る装置本体5の開放部分7に配置した場合には、その環
境にもよるが、導電性の異物がこの開放部分7に入り込
むことによって放熱部4と接地電位部分との短絡(地
絡)の不具合の発生、あるいは装置正面側に開放部分7
が存在することによって保守点検作業時の作業員の触手
の発生を防止する必要がある。
【0007】そこで、従来は冷却器2の受熱部3と放熱
部4とを接続するヒートパイプ8の蒸発部(金属ブロッ
クに挿入され、受熱部3となる)と凝縮部(多数の放熱
フィンが設けられた放熱部4となる)との中間部分にセ
ラミックス製の絶縁管10を接続し、ヒートパイプ8の
内部に封入する冷媒には絶縁冷媒を使った電気絶縁形の
ヒートパイプ式冷却器を採用していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
オゾン層の破壊や地球温暖化の環境問題から、絶縁冷媒
として使用されてきたCFC,PFCといった冷媒の使
用を排除する必要があり、冷媒として自然界に存在する
水を使用する傾向となってきている。
【0009】ところが、水を冷媒として使用するヒート
パイプ式冷却器では、CFC,PFCのような電気絶縁
性がないために、従来と同様の使い方をする場合は冷却
器全体を半導体素子と電気絶縁する必要性がある。図1
5に、水冷媒ヒートパイプ式冷却器を冷却器として用
い、かつ、このような電気絶縁を考慮した構造の電力変
換装置を示している。
【0010】この従来の電力変換装置は、熱伝導性が良
く、電気絶縁体であるセラミックス板11を半導体素子
1と冷却器受熱部3との間に挟み込み、冷却器2の全体
を半導体素子1から電気的に絶縁し、積層圧接する構造
になっている。そして、平形半導体素子1はその圧接面
が電極となっているので、セラミックス板11と半導体
素子1との圧接面との間に電極取出し用の導電板12を
挟み込んでいる。
【0011】一方、半導体スイッチング回路では、電流
遮断時の半導体素子間にかかる電圧を素子定格電圧以下
に抑える必要があるため、半導体素子及びその周辺回路
の実装インダクタンスを低減することが重要である。特
に、最近の電圧駆動形の高周波スイッチング可能な平形
半導体素子では、このインダクタンス低減は特に重要で
あり、特願平10−21254号の特許出願に示したよ
うに、低インダクタンスに実装することによって従来の
スナバ回路を大幅に簡略化できる利点がある。
【0012】しかしながら、半導体スタックの構造が2
個の直列接続された平形半導体素子1の中間点は、電極
面同士を電気良導体である銅又はアルミニウム製の冷却
器ブロック3を間に挟んできわめて近づけた配置構造で
あるにもかかわらず、冷却器2を絶縁するセラミックス
板11が2個の半導体素子1の電極面間に介在してしま
うため、その分だけ低インダクタンス実装が損なわれる
問題点があった。
【0013】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたもので、水を冷媒とした冷却器を用いて、電
気的には低インダクタンス実装が可能な半導体スタック
構造の電力変換装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の電力変
換装置は、外気と通ずる開放部分と外気から遮断された
密閉部分とを有する装置本体に対して、その密閉部分内
に複数の平形半導体素子を収容し、当該平形半導体素子
に対して、前記密閉部分内で排熱する冷却器と、前記開
放部分に放熱部が配置された冷却器とを前記平形半導体
素子と共に積層圧接したものであり、これによって、冷
却器のすべてを半導体素子と電気絶縁する必要がなくな
り、装置の大形化を避けることができる。
【0015】つまり、装置本体の開放部分に置かれる部
品は、その部品に電圧が印加されないように電気絶縁を
とる必要があるが、装置本体の密閉部分内に排熱する冷
却器は直接に平形半導体素子に積層圧接し、冷却器に電
圧がかかった状態での使用が可能であり、その周辺部品
との絶縁距離は密閉部分の条件で定まるため、冷却器周
辺で装置が大形化することはない。
【0016】請求項2の発明の電力変換装置は、保守点
検時に触手の可能性のある位置で外気と通ずる第1の開
放部分と、前記保守点検時に触手の可能性のない位置で
外気と通ずる第2の開放部分と、それらの開放部分の間
にあって外気から遮断された密閉部分とを有する装置本
体に対して、その密閉部分内に複数の平形半導体素子を
収容し、当該平形半導体素子に対して、その放熱部が前
記第1の開放部分に配置された冷却器とその放熱部が前
記第2の開放部分に配置された冷却器とを前記平形半導
体素子と共に積層圧接したものであり、これによって、
冷却器のすべてを半導体素子と電気絶縁する必要がなく
なり、装置の大形化を避けることができる。
【0017】つまり、保守点検時に触手の可能性のある
位置で外気と通ずる装置本体の第1の開放部分に放熱部
が配置された冷却器では、その受熱部を平形半導体素子
と絶縁する必要があるが、保守点検時に触手の可能性の
ない位置で外気と通ずる装置本体の第2の開放部分に放
熱部が配置された冷却器では、その放熱部に保守点検時
の触手の可能性がなく、また周辺環境からの導電性異物
の混入の恐れもないので、通常使用時の絶縁距離の確保
を考慮すればよく、半導体素子から電気絶縁する必要が
なくなる。したがって、第2の開放部分に放熱部が配置
された冷却器は、直接に平形半導体素子に積層圧接し、
冷却器に電圧がかかった状態での使用が可能であり、冷
却器周辺で装置が大形化することはない。
【0018】請求項3の発明は、請求項1に記載の電力
変換装置において、前記開放部分に放熱部が配置された
冷却器が、前記平形半導体素子と共に積層される受熱ブ
ロック部と、放熱フィンの設けられた放熱部と、これら
の間を接続するヒートパイプにより構成され、水が作動
液として当該ヒートパイプ内に封入されたヒートパイプ
式冷却器であって、前記平形半導体素子と当該ヒートパ
イプ式冷却器の受熱ブロック部とを熱伝導性の良い絶縁
板を介して積層圧接され、前記密閉部分内で排熱する冷
却器が熱伝導性の良い金属により形成され、前記平形半
導体素子に直接圧接されたものである。
【0019】請求項3の発明の電力変換装置では、外気
と通ずる装置本体の開放部分に放熱部が配置される冷却
器には、水を作動液とするために電気絶縁をとるのが困
難なヒートパイプ式冷却器を採用しても、このような構
造の冷却器だけではなく、装置本体の密閉部分内に排熱
する冷却器も採用し、それらを平形半導体素子に積層圧
接した構造なので、装置の大形化を招かず、かつ環境へ
の影響が少ない冷却構造になる。
【0020】請求項4の発明は、請求項1又は3に記載
の電力変換装置において、前記密閉部分内で排熱する冷
却器として、熱伝導性の良い金属でできた空冷の冷却フ
ィン又は熱伝導性の良い金属製の中空のプレート状のコ
ンテナに作動液として水を封入した平板形ヒートパイプ
を用いて、電極取出し用の導体を兼用したものであり、
環境への影響がより少ない冷却構造である。
【0021】請求項5の発明は、請求項1に記載の電力
変換装置において、前記開放部分に放熱部が配置された
冷却器が、前記平形半導体素子と共に積層される受熱ブ
ロック部と、放熱フィンの設けられた放熱部と、これら
の間を接続するヒートパイプにより構成され、水が作動
液として当該ヒートパイプ内に封入されたヒートパイプ
式冷却器であって、前記平形半導体素子と当該ヒートパ
イプ式冷却器の受熱ブロック部とを熱伝導性の良い絶縁
板を介して積層圧接され、前記密閉部分内で排熱する冷
却器が、前記平形半導体素子と共に積層される受熱ブロ
ック部と、放熱フィンの設けられた放熱部と、これらの
間を接続するヒートパイプにより構成され、水が作動液
として当該ヒートパイプ内に封入されたヒートパイプ式
冷却器であって、前記平形半導体素子と当該ヒートパイ
プ式冷却器の受熱ブロック部とを直接に積層圧接したも
のである。
【0022】請求項5の発明の電力変換装置では、すべ
ての冷却器に水を作動液とするヒートパイプ式冷却器を
採用することによって環境に対する影響を少なくし、し
かもそれらの冷却器の一部は装置本体の密閉部分内に排
熱する構造とすることによって平形半導体素子と直接に
積層圧接できるようにし、絶縁板の使用枚数を削減し、
大形化を避けることができる。
【0023】請求項6の発明は、請求項5に記載の電力
変換装置において、前記開放部分に放熱部が配置された
冷却器と比べて、前記密閉部分内に排熱する冷却器の熱
抵抗を大きく設定したものであり、装置本体の密閉部分
内への排熱量を抑制し、装置内部の温度上昇を抑制す
る。
【0024】請求項7の発明は、請求項5又は6に記載
の電力変換装置において、前記開放部分に放熱部が配置
された冷却器に採用されている放熱フィンに対して、前
記密閉部分内に排熱する冷却器に採用されている放熱フ
ィンの間隔を大きくしたものであり、装置本体の密閉部
分内への排熱量を抑制し、装置内部の温度上昇を抑制す
る。
【0025】請求項8の発明は、請求項2に記載の電力
変換装置において、前記冷却器各々が、前記平形半導体
素子と共に積層される受熱ブロック部と、放熱フィンの
設けられた放熱部と、これらの間を接続するヒートパイ
プにより構成され、水が作動液として当該ヒートパイプ
内に封入されたヒートパイプ式冷却器であり、前記第1
の開放部分に放熱部が配置された冷却器がその受熱ブロ
ック部を前記平形半導体素子と熱伝導性の良い絶縁板を
介して積層圧接され、前記第2の開放部分に放熱部が配
置された冷却器がその受熱ブロック部を前記平形半導体
素子と直接に積層圧接されたものである。
【0026】請求項8の発明の電力変換装置では、同じ
構造の水を作動液としたヒートパイプ式冷却器を使用す
ることによって環境に対する影響を少なくし、しかも装
置本体の第2の開放部分に放熱部が配置される冷却器は
その受熱部を直接に平形半導体素子と積層圧接すること
ができて装置の大形化が避けられる。
【0027】請求項9の発明は、請求項8に記載の電力
変換装置において、前記第1の開放部分に放熱部が配置
された冷却器と比べて、前記第2の開放部分に放熱部が
配置された冷却器の熱抵抗を大きく設定したものであ
り、装置本体の第2の開放部分への排熱量を抑制して熱
のこもりを防ぎ、装置の温度上昇を抑制する。
【0028】請求項10の発明は、請求項8又は9に記
載の電力変換装置において、前記第1の開放部分に放熱
部が配置された冷却器に採用されている放熱フィンに対
して、前記第2の開放部分に放熱部が配置された冷却器
に採用されている放熱フィンの間隔を大きくしたもので
あり、装置本体の第2の開放部分への排熱量を抑制して
熱のこもりを防ぎ、装置の温度上昇を抑制する。
【0029】請求項11の発明は、請求項1〜10のい
ずれかに記載の電力変換装置において、当該電力変換装
置が電圧駆動形の高周波スイッチング可能な平形半導体
素子を2個直列接続した半導体スイッチング回路を構成
し、前記直列接続された半導体素子群の両端に熱伝導性
の良い絶縁板を介して前記開放部分に放熱部が配置され
た冷却器又は前記第1の開放部分に配置された冷却器を
積層圧接し、前記直列接続された半導体素子群の中間に
絶縁板を介さずに直接に、前記密閉部内で排熱する冷却
器又は前記第2の開放部分に配置された冷却器を挟み込
んで積層圧接したものであり、これにより、冷却器が電
気絶縁なしに直接に半導体素子間に積層される部分での
半導体素子間の実装上のインダクタンスが低減し、スナ
バ回路の簡素化が図れる。
【0030】請求項12の発明は、電圧駆動形の高周波
スイッチング可能な平形半導体素子を2個直列接続した
半導体スイッチング回路を構成する電力変換装置におい
て、前記直列接続された半導体素子のプラス側には、熱
伝導性の良い絶縁板を介して水冷媒を採用したヒートパ
イプ式冷却器をその放熱部が装置本体の外気に接触する
開放部分に位置するように積層し、前記直列接続された
半導体素子のマイナス側には、水冷媒を採用したヒート
パイプ式冷却器をその放熱部が前記装置本体の外気に接
触する開放部分に位置するように直接に積層し、前記直
列接続された半導体素子の中間には、直接に冷却器を挟
み込み、当該の冷却器の放熱部は前記装置本体の密閉部
分内に、又は前記装置本体の開放部分以外の保守作業時
に触手の可能性のない位置に位置させたものである。
【0031】請求項12の発明の電力変換装置では、半
導体素子群のマイナス側に積層される冷却器は絶縁板を
介在させることなく直接に半導体素子と積層することに
より、この部分での温度差が小さくなり、冷却器の小形
化が可能である。しかも、半導体素子のマイナス側の電
位は、入力が直流電源の場合、装置本体と共にアース電
位となるので電気絶縁をとらなくても安全性を保つこと
ができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて詳説する。図1は本発明の第1の実施の形態の
電力変換装置の構造を示し、図2はその回路を示してい
る。図1及び図2に示した回路は、2個の平形半導体素
子1が直列接続され、その両端が本装置の入力となる直
流電源へ接続され、2個の半導体素子1の中間接続点が
交流出力となる回路であり、電力変換装置としてのイン
バータ回路の1相分の回路である。ここで、半導体素子
1には電圧駆動形の高周波スイッチング可能な平形半導
体素子、例えば、GTOサイリスタ(Gate Turn-off サ
イリスタ)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Trans
istor)が用いられる。
【0033】半導体素子1はその発生熱損失を効率良く
外部へ取出し、半導体素子1の温度を定格値以下に抑え
るため、冷却器と交互に積層され、半導体スタックを構
成する。
【0034】2個直列に接続された半導体素子1のプラ
ス側(上アーム)のものの正極側には、熱伝導性が良
く、かつ電気絶縁性のセラミックス板21を挟んで、当
該半導体素子1の電極面(放熱面を兼用する)とヒート
パイプ式冷却器2の受熱部3が積層圧接されている。セ
ラミックス板21と半導体素子1との間には導体22が
挿入されていて、この導体22が半導体素子1の電極取
出しとして用いられる。
【0035】冷却器2は受熱部3と放熱部4とをヒート
パイプ8で接続したヒートパイプ式冷却器であり、ヒー
トパイプ8内には作動液として水が封入されている。こ
の冷却器2の放熱部4は装置本体5の開放部分7に置か
れる。
【0036】装置本体5は仕切り17によって密閉部分
6と開放部分7とが仕切られた構造である。そしてこの
装置本体5の密閉部分6の内部において、2個の直列接
続された半導体素子1のマイナス側(下アーム)のもの
の負極側にも、同様のセラミックス板21と導体22と
を挟んで、当該半導体素子1の電極面と冷却器2の受熱
部3が積層圧接されている。2個の直列接続された半導
体素子1の中間接続点には冷却器20が積層されている
が、この冷却器20は冷媒の相変化により受熱部から放
熱部へ熱輸送する方式のものではなく、銅あるいはアル
ミニウム製の熱伝導が良い金属で製作された自然空冷用
のヒートシンクであり、半導体素子1間に直接に挟み込
まれている。
【0037】この冷却器20は、半導体素子1に圧接す
る相対する平行な2面とフィン部を有していて、熱伝導
によって半導体素子1の発熱を中央部で受熱し、周囲の
フィン部から放散する。冷却器20はこの熱放散を行う
と共に、その一部に形成された電極取出し部20aから
半導体素子1間の交流電力を取出すようになっている。
【0038】そしてこれらの半導体素子1とヒートパイ
プ式冷却器2の受熱部3とヒートシンク冷却器20とを
積層圧接させて半導体スタックを構成するため、圧接力
を出すばね部24、偏荷重防止機構25、押え板26,
27が半導体素子1等と同一軸上に積層され、スタッド
ボルト28を締め付けることによって所定の圧力で押圧
されている。
【0039】次に、上記の構成の第1の実施の形態の電
力変換装置の動作を説明する。半導体素子1はスイッチ
ング回路として通電されることにより、発熱する。この
熱は半導体素子1の両側の放熱面よりヒートパイプ式冷
却器2の受熱部3とヒートシンク冷却器20の胴部に熱
伝導により伝わる。このとき、受熱部3には間に積層さ
れたセラミックス板21、導体22を介して半導体素子
1から熱伝導される。一方、ヒートシンク冷却器20側
では半導体素子1の放熱面より直接に熱伝導される。
【0040】ヒートパイプ式冷却器2の受熱部3に伝わ
った熱はヒートパイプ8により放熱部4へと熱輸送さ
れ、放熱部4は装置本体5の開放部分7に置かれている
ので、放熱部4から外気へこの熱が放散される。一方、
ヒートシンク冷却器20に伝わった熱は、その周囲のフ
ィン部から装置本体5の密閉部分6内の空間に放散され
る。
【0041】電気回路上、2個直列接続された半導体素
子1の両端は導体22により入力の直流電源に接続さ
れ、ヒートシンク冷却器20に設けられた電極取出し部
20aが中間接続点の交流出力の端子となる。
【0042】以上のように第1の実施の形態の電力変換
装置では、ヒートパイプ式冷却器2の放熱部3がセラミ
ックス板21によって電気回路から電気絶縁され、電圧
が印加されることはなく、したがって、ヒートパイプ式
冷却器2のヒートパイプ8を介して装置本体5の開放部
分7に置かれている放熱部4に電気が流れ、電圧が印加
されることはなく、保守点検作業時に作業員の触手があ
っても安全であり、また走行中に導電性異物が外気に開
放されているこの開放部分7内の放熱部4に付着しても
地絡が発生することがない。
【0043】また、半導体素子1間に直接に積層されて
いるヒートシンク冷却器20は半導体素子1間を最短で
電気接続していて、この部分でのインダクタンスは考え
得る最小の値に構成することができ、さらに、半導体素
子1の内部には複数のチップが配列されているが、それ
らに対しても、半導体スタックの同一軸上で積層接続さ
れる構造であるので、チップ間の電流バランスも均一に
なる。
【0044】また、直列接続される半導体素子1間は絶
縁板を介することなく直接に導電性のヒートシンク冷却
器20に圧接されているので、低インダクタンスで実装
でき、スナバ回路の簡略化が可能となり、大幅に部品点
数の減った回路構成が実現できる。
【0045】さらにまた、冷却器として水冷媒のヒート
パイプ式冷却器と冷媒を使わないヒートシンク冷却器を
併用しており、いずれも環境への影響がない。
【0046】次に、本発明の第2の実施の形態の電力変
換装置を図3に基づいて説明する。第1の実施の形態で
は直列接続された半導体素子1の中間接続点に挿入、積
層される冷却器20として自然冷却形の、冷媒を用いな
いヒートシンク冷却器を採用したが、この第2の実施の
形態の電力変換装置では、平板形ヒートパイプ冷却器3
0を使用した点に特徴がある。なお、その他の部分の構
成は、図1に示した第1の実施の形態と共通する。
【0047】この平板形ヒートパイプ冷却器30は、銅
あるいはアルミニウム製の中空の平板形ヒートパイプ
(そのプレートの内部に冷媒通路が形成されている)に
水を作動液として封入したものであり、この冷却器30
が装置本体5の密閉部分6内に配置され、半導体素子1
と積層圧接されている部分より入熱し、それ以外の部分
で密閉部分6内の空間へ放熱する働きをする。
【0048】この平板形ヒートパイプ冷却器30はその
形状に自由度があり、導体としての外部との電気的接続
もそのどの部分ででも行うことができ、その間のすべて
が放熱部として用いられることになる。
【0049】この第2の実施の形態で採用した平板形ヒ
ートパイプ冷却器30の場合、第1の実施の形態で採用
したヒートシンク冷却器20に比べて、熱輸送能力に優
れ、放熱部の配置の自由度があり、装置内部への熱放散
性能をヒートパイプ長さを変えることで(それがそのま
ま放熱面積を変えることとなるので)選択決定可能であ
る。また、直列接続された半導体素子1の中間接続点で
平板形ヒートパイプ冷却器30はその厚みを薄くするこ
とができるので、より低インダクタンスで半導体素子の
実装が可能である。
【0050】次に、本発明の第3の実施の形態の電力変
換装置を図4及び図5に基づいて説明する。第3の実施
の形態は、同じ形式の水冷媒のヒートパイプ式冷却器
2,2′を採用し、第1、第2の実施の形態と同様に上
アームの半導体素子1の正極側、下アームの半導体素子
1の負極側それぞれに積層する冷却器2については、熱
良導性、かつ電気絶縁性のセラミックス板21と導体2
2を介してその受熱部3を積層圧接し、一方、半導体素
子1間の中間接続点に積層する冷却器2′については、
その受熱部3′を半導体素子1に絶縁体を介さずに直接
に積層圧接し、ただし、この後者の冷却器2′について
は、その放熱部4′も装置本体5の密閉部分6内に配置
した構成を特徴としている。なお、その他の構成は第
1、第2の実施の形態と共通である。
【0051】この第3の実施の形態の電力変換装置は、
図4に示したように鉄道車両駆動用として車体9の床下
に設置して使用するが、その場合には、装置本体5の開
放部分7を正面側(車両側方側)にし、密閉部分6を背
面側(車両中央側)にして設置することにより、開放部
分7には車両の走行風が通流してヒートパイプ式冷却器
2の放熱部4から効果的に熱放散させることができる。
そして、この開放部分7に放熱部4が配置されている側
の冷却器2は、第1、第2の実施の形態と同様にその受
熱部3が半導体素子1とセラミックス板21によって絶
縁されているので、保守点検作業時に作業員が開放部分
7に手を入れて放熱部4に触手しても安全であり、また
走行中にこの放熱部4に導電性の異物が付着することが
あっても地絡が発生することもない。
【0052】そしてヒートパイプ式冷却器2′側はその
受熱部3′も放熱部4′も共に装置本体5の密閉部分6
に収容されているので、この冷却器2′を第1、第2の
実施の形態と同様に直接に半導体素子1の中間接続点に
積層圧接することができ、半導体素子1の直列接続を低
インダクタンスで実装することができる。
【0053】次に、本発明の第4の実施の形態を図6及
び図7に基づいて説明する。第4の実施の形態は、鉄道
車両駆動用の電力変換装置である。装置本体5は車体9
の床下において、外気に通ずる開放部分7a,7bを密
閉部分6の両側に有している。そして一方の開放部分7
aは正面側(車両側方側)に位置し、他方の開放部分7
bは背面側(車両中央側)に位置する設定である。
【0054】同じ水冷媒のヒートパイプ式冷却器が3台
使用され、そのうちの両外側の2台のヒートパイプ式冷
却器2それぞれは、第1〜第3の実施の形態それぞれと
同様に、半導体素子1に対して絶縁セラミック板21と
導体22とを介してその受熱部3を積層圧接され、その
放熱部4を装置本体5の正面側の開放部分7aに配置さ
れている。残りの中央の1台のヒートパイプ式冷却器2
aは、その受熱部3aが2個直列接続される半導体素子
1の中間接続点に絶縁板を介さずに直接に積層圧接さ
れ、その放熱部4aが装置本体5の背面側の開放部分7
bに配置されている。
【0055】この第4の実施の形態では、第3の実施の
形態の場合のように中央部のヒートパイプ式冷却器2a
が装置本体5の密閉部分6内に排熱せず、開放部分7b
において外気に熱放散する構造であるので、密閉部分6
の温度上昇を抑えることができる。しかも、この中央位
置の冷却器2aは半導体素子1に直接に積層圧接されて
いて電圧が放熱部4aにかかるが、この放熱部4aは車
両の中央側に位置する開放部分7bに位置しているの
で、保守点検作業時に作業員が触手する恐れが少なく、
安全性を保つことができ、また異物の侵入、付着の可能
性も少ないので地絡の発生の恐れも少ない。
【0056】次に、本発明の第5の実施の形態を図8及
び図9に基づいて説明する。この第5の実施の形態の電
力変換装置は、図4及び図5に示した第3の実施の形態
において採用した中央位置の冷却器2′に代えて、放熱
部4bにそのフィンピッチが両側の冷却器2の放熱部4
のフィンピッチよりも大きいもの、したがってフィン数
が少ないヒートパイプ式冷却器2bを採用したことを特
徴とする。
【0057】この第5の実施の形態の場合、装置本体5
の密閉部分6でのフィン間の空気流速が開放部分7での
空気流速よりも小さくなることを考慮して、空気流速が
遅くてもフィン間を効率良く空気が流れるようフィンピ
ッチを変えているのである。
【0058】また第5の実施の形態の場合、密閉部分6
内に配置されるヒートパイプ式冷却器2bの放熱部4b
のフィンを開放部分7に放熱部4が配置されるヒートパ
イプ式冷却器2のフィンよりも面積が大きいものを採用
している。これは、フィンピッチを大きくしたことでフ
ィン枚数が減ることを補う目的である。
【0059】なお、図6及び図7に示した第4の実施の
形態においても、装置本体5の中央側の開放部分7bに
配置される冷却器2aに代えて、第5の実施の形態にお
ける冷却器2bを採用することもできる。
【0060】次に、本発明の第6の実施の形態の電力変
換装置を図10に基づいて説明する。インバータ回路で
のマイナス側(下アーム)の半導体素子1の負極側の電
位は、入力が直流電源である場合には接地電位となるの
で、通電時に高電圧が印加される恐れはない。そこで、
第6の実施の形態では、そのマイナス側(下アーム)の
半導体素子1の負極側に積層するヒートパイプ式冷却器
2は、その受熱部3を絶縁セラミックス板を介在させる
ことなく直接に半導体素子1に積層圧接させた構造にし
ている。なお、その他の構成は図1及び図2に示した第
1の実施の形態と共通する。
【0061】この第6の実施の形態の場合、マイナス側
の半導体素子1の負極側とそれに積層圧接するヒートパ
イプ式冷却器2との間に絶縁セラミックス板21と導体
22を介在させる必要がないので部品点数の削減が図
れ、また熱除去の性能も高まる。
【0062】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
外気と通ずる開放部分と外気から遮断された密閉部分と
を有する装置本体に対して、その密閉部分内に複数の平
形半導体素子を収容し、当該平形半導体素子に対して、
密閉部分内で排熱する冷却器と、放熱部が開放部分に配
置された冷却器とを平形半導体素子と共に積層圧接した
ので、冷却器のすべてを半導体素子と電気絶縁する必要
がなく、装置の大形化を避けることができる。
【0063】請求項2の発明によれば、保守点検時に触
手の可能性のある位置で外気と通ずる第1の開放部分
と、保守点検時に触手の可能性のない位置で外気と通ず
る第2の開放部分と、それらの開放部分の間にあって外
気から遮断された密閉部分とを有する装置本体に対し
て、その密閉部分内に複数の平形半導体素子を収容し、
当該平形半導体素子に対して、その放熱部が第1の開放
部分に配置された冷却器とその放熱部が第2の開放部分
に配置された冷却器とを平形半導体素子と共に積層圧接
したので、冷却器のすべてを半導体素子と電気絶縁する
必要がなくなり、装置の大形化を避けることができる。
【0064】請求項3の発明によれば、外気と通ずる装
置本体の開放部分に放熱部が配置される冷却器として、
水を作動液とするために電気絶縁をとるのが困難なヒー
トパイプ式冷却器を採用しても、このような構造の冷却
器だけではなく、装置本体の密閉部分内に排熱する冷却
器も採用し、それらを平形半導体素子に積層圧接した構
造なので、装置の大形化を招かず、かつ環境への影響が
少ない冷却構造にすることができる。
【0065】請求項4の発明によれば、請求項1又は3
の電力変換装置において、密閉部分内で排熱する冷却器
として、熱伝導性の良い金属製の中空のプレート状のコ
ンテナに作動液として水を封入した平板形ヒートパイプ
を用いたので、環境への影響がより少ない冷却構造にす
ることができる。
【0066】請求項5の発明によれば、すべての冷却器
に水を作動液とするヒートパイプ式冷却器を採用するこ
とによって環境に対する影響を少なくし、しかもそれら
の冷却器の一部を装置本体の密閉部分内に排熱する構造
とすることによって平形半導体素子と直接に積層圧接で
きるようにしたので、絶縁板の使用枚数を削減し、大形
化を避けることができる。
【0067】請求項6の発明によれば、請求項5の電力
変換装置において、開放部分に放熱部が配置された冷却
器と比べて、密閉部分内に排熱する冷却器の熱抵抗を大
きく設定したので、請求項5の効果に加えて、装置本体
の密閉部分内への排熱量を抑制し、装置内部の温度上昇
を抑制することができる。
【0068】請求項7の発明によれば、請求項5又は6
の電力変換装置において、開放部分に放熱部が配置され
た冷却器に採用されている放熱フィンに対して、密閉部
分内に排熱する冷却器に採用されている放熱フィンの間
隔を大きくし、かつ採用枚数を少なくしたので、請求項
5又は6の効果に加えて、装置本体の密閉部分内への排
熱量を抑制し、装置内部の温度上昇を抑制することがで
きる。
【0069】請求項8の発明によれば、同じ構造の水を
作動液としたヒートパイプ式冷却器を使用することによ
って環境に対する影響を少なくし、しかも装置本体の第
2の開放部分に放熱部が配置される冷却器はその受熱部
を直接に平形半導体素子と積層圧接することができて、
装置の大形化が避けられる。
【0070】請求項9の発明によれば、請求項8の電力
変換装置において、第1の開放部分に放熱部が配置され
た冷却器と比べて、第2の開放部分に放熱部が配置され
た冷却器の熱抵抗を大きく設定したので、請求項8の効
果に加えて、装置本体の第2の開放部分への排熱量を抑
制して熱のこもりを防ぎ、装置の温度上昇を抑制するこ
とができる。
【0071】請求項10の発明によれば、請求項8又は
9の電力変換装置において、第1の開放部分に放熱部が
配置された冷却器に採用されている放熱フィンに対し
て、第2の開放部分に放熱部が配置された冷却器に採用
されている放熱フィンの間隔を大きくし、かつ採用枚数
を少なくしたので、請求項8又は9の効果に加えて、装
置本体の第2の開放部分への排熱量を抑制して熱のこも
りを防ぎ、装置の温度上昇を抑制することができる。
【0072】請求項11の発明によれば、請求項1〜1
0のいずれかの電力変換装置において、当該電力変換装
置が電圧駆動形の高周波スイッチング可能な平形半導体
素子を2個直列接続した半導体スイッチング回路を構成
し、直列接続された半導体素子群の両端に熱伝導性の良
い絶縁板を介して冷却器を積層圧接し、直列接続された
半導体素子群の中間に絶縁板を介さずに直接に、冷却器
を挟み込んで積層圧接したので、冷却器が電気絶縁なし
に直接に半導体素子間に積層される部分での半導体素子
間の実装上のインダクタンスが低減し、スナバ回路の簡
素化が図れる。
【0073】請求項12の発明によれば、半導体素子群
のマイナス側に積層される冷却器は絶縁板を介在させる
ことなく直接に半導体素子と積層することにより、この
部分での温度差が小さくなり、冷却器の小形化が可能で
ある。しかも、半導体素子のマイナス側の電位は、入力
が直流電源の場合、装置本体と共にアース電位となるの
で電気絶縁をとらなくても安全性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構造を示す断面
図。
【図2】上記の実施の形態の回路図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の構造を示す断面
図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の構造を示す断面
図。
【図5】図4におけるX1−X1線矢視図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の構造を示す断面
図。
【図7】図6におけるX2−X2線矢視図。
【図8】本発明の第5の実施の形態の構造を示す断面
図。
【図9】図8におけるX3−X3線矢視図。
【図10】本発明の第6の実施の形態の構造を示す断面
図。
【図11】従来例の構造を示す断面図。
【図12】図11におけるX4−X4線矢視図。
【図13】他の従来例の構造を示す断面図。
【図14】図13におけるX5−X5線矢視図。
【図15】さらに他の実施の形態の構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 半導体素子 2,2′,2a,2b 冷却器 3,3′,3a,3b 受熱部 4,4′,4a,4b 放熱部 5 装置本体 6 密閉部分 7,7a,7b 開放部分 8 ヒートパイプ 9 車体 20 冷却器 21 セラミックス板 22 導体 30 冷却器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気と通ずる開放部分と外気から遮断さ
    れた密閉部分とを有する装置本体に対して、その密閉部
    分内に複数の平形半導体素子を収容し、当該平形半導体
    素子に対して、前記密閉部分内で排熱する冷却器と、前
    記開放部分に放熱部が配置された冷却器とを前記平形半
    導体素子と共に積層圧接して成る電力変換装置。
  2. 【請求項2】 保守点検時に触手の可能性のある位置で
    外気と通ずる第1の開放部分と、前記保守点検時に触手
    の可能性のない位置で外気と通ずる第2の開放部分と、
    それらの開放部分の間にあって外気から遮断された密閉
    部分とを有する装置本体に対して、その密閉部分内に複
    数の平形半導体素子を収容し、当該平形半導体素子に対
    して、その放熱部が前記第1の開放部分に配置された冷
    却器とその放熱部が前記第2の開放部分に配置された冷
    却器とを前記平形半導体素子と共に積層圧接して成る電
    力変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の電力変換装置におい
    て、 前記開放部分に放熱部が配置された冷却器は、前記平形
    半導体素子と共に積層される受熱ブロック部と、放熱フ
    ィンの設けられた放熱部と、これらの間を接続するヒー
    トパイプにより構成され、水が作動液として当該ヒート
    パイプ内に封入されたヒートパイプ式冷却器であって、
    前記平形半導体素子と当該ヒートパイプ式冷却器の受熱
    ブロック部とを熱伝導性の良い絶縁板を介して積層圧接
    し、 前記密閉部分内で排熱する冷却器は、熱伝導性の良い金
    属により形成したもので、前記平形半導体素子に直接圧
    接したことを特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は3に記載の電力変換装置に
    おいて、前記密閉部分内で排熱する冷却器として、熱伝
    導性の良い金属でできた空冷の冷却フィン又は熱伝導性
    の良い金属製の中空のプレート状のコンテナに作動液と
    して水を封入した平板形ヒートパイプを用いて、電極取
    出し用の導体を兼用したことを特徴とする電力変換装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の電力変換装置におい
    て、 前記開放部分に放熱部が配置された冷却器は、前記平形
    半導体素子と共に積層される受熱ブロック部と、放熱フ
    ィンの設けられた放熱部と、これらの間を接続するヒー
    トパイプにより構成され、水が作動液として当該ヒート
    パイプ内に封入されたヒートパイプ式冷却器であって、
    前記平形半導体素子と当該ヒートパイプ式冷却器の受熱
    ブロック部とを熱伝導性の良い絶縁板を介して積層圧接
    し、 前記密閉部分内で排熱する冷却器は、前記平形半導体素
    子と共に積層される受熱ブロック部と、放熱フィンの設
    けられた放熱部と、これらの間を接続するヒートパイプ
    により構成され、水が作動液として当該ヒートパイプ内
    に封入されたヒートパイプ式冷却器であって、前記平形
    半導体素子と当該ヒートパイプ式冷却器の受熱ブロック
    部とを直接に積層圧接したことを特徴とする電力変換装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の電力変換装置におい
    て、前記開放部分に放熱部が配置された冷却器と比べ
    て、前記密閉部分内に排熱する冷却器の熱抵抗を大きく
    設定したことを特徴とする電力変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の電力変換装置に
    おいて、前記開放部分に放熱部が配置された冷却器に採
    用されている放熱フィンに対して、前記密閉部分内に排
    熱する冷却器に採用されている放熱フィンの間隔を大き
    くしたことを特徴とする電力変換装置。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の電力変換装置におい
    て、 前記冷却器各々は、前記平形半導体素子と共に積層され
    る受熱ブロック部と、放熱フィンの設けられた放熱部
    と、これらの間を接続するヒートパイプにより構成さ
    れ、水が作動液として当該ヒートパイプ内に封入された
    ヒートパイプ式冷却器であり、 前記第1の開放部分に放熱部が配置された冷却器は、そ
    の受熱ブロック部を前記平形半導体素子と熱伝導性の良
    い絶縁板を介して積層圧接し、 前記第2の開放部分に放熱部が配置された冷却器は、そ
    の受熱ブロック部を前記平形半導体素子と直接に積層圧
    接したことを特徴とする電力変換装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の電力変換装置におい
    て、前記第1の開放部分に放熱部が配置された冷却器と
    比べて、前記第2の開放部分に放熱部が配置された冷却
    器の熱抵抗を大きく設定したことを特徴とする電力変換
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の電力変換装置
    において、前記第1の開放部分に放熱部が配置された冷
    却器に採用されている放熱フィンに対して、前記第2の
    開放部分に放熱部が配置された冷却器に採用されている
    放熱フィンの間隔を大きくしたことを特徴とする電力変
    換装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の電
    力変換装置において、当該電力変換装置は、電圧駆動形
    の高周波スイッチング可能な平形半導体素子を2個直列
    接続した半導体スイッチング回路を構成し、 前記直列接続された半導体素子群の両端に熱伝導性の良
    い絶縁板を介して前記開放部分に放熱部が配置された冷
    却器又は前記第1の開放部分に配置された冷却器を積層
    圧接し、前記直列接続された半導体素子群の中間に絶縁
    板を介さずに直接に、前記密閉部内で排熱する冷却器又
    は前記第2の開放部分に配置された冷却器を挟み込んで
    積層圧接したことを特徴とする電力変換装置。
  12. 【請求項12】 電圧駆動形の高周波スイッチング可能
    な平形半導体素子を2個直列接続した半導体スイッチン
    グ回路を構成する電力変換装置において、 前記直列接続された半導体素子のプラス側には、熱伝導
    性の良い絶縁板を介して水冷媒を採用したヒートパイプ
    式冷却器をその放熱部が装置本体の外気に接触する開放
    部分に位置するように積層し、 前記直列接続された半導体素子のマイナス側には、水冷
    媒を採用したヒートパイプ式冷却器をその放熱部が前記
    装置本体の外気に接触する開放部分に位置するように積
    層し、 前記直列接続された半導体素子の中間には、直接に冷却
    器を挟み込み、当該冷却器の放熱部は前記装置本体の密
    閉部分内に、又は前記装置本体の開放部分以外の保守作
    業時に触手の可能性のない位置に位置させて成る電力変
    換装置。
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