JP2000058907A - 電気化学的発光素子 - Google Patents

電気化学的発光素子

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JP2000058907A
JP2000058907A JP22126698A JP22126698A JP2000058907A JP 2000058907 A JP2000058907 A JP 2000058907A JP 22126698 A JP22126698 A JP 22126698A JP 22126698 A JP22126698 A JP 22126698A JP 2000058907 A JP2000058907 A JP 2000058907A
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Masahiro Kobashi
昌浩 小橋
Haruhiro Asami
晴洋 浅見
Hisao Takeuchi
久雄 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的発光物質として用いる可溶性1次
元π共役系高分子の側鎖置換基の極性の有無、或いは該
高分子の主鎖骨格を成すセグメントの極性の有無を選ぶ
ことなく電気化学的発光を得ることが出来る電気化学的
発光素子を提供する。 【解決手段】 金属又は金属酸化物アノード電極と金属
又は金属酸化物カソード電極との間に電気化学的発光層
を有し、該電気化学的発光層が発光物質として発光性可
溶性1次元π共役系高分子、固体電解質としてイオン導
電性高分子、及び前記発光性可溶性1次元π共役系高分
子に対して電気化学的ドーパントとして働くカチオン種
及びアニオン種を含有するものである電気化学的発光素
子であって、該アノード電極及び/又は該カソード電極
と電気化学的発光層との間の少なくとも一方に非発光性
可溶性1次元π共役系高分子からなる薄膜を有する電気
化学的発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可溶性1次元π共
役系高分子(いわゆる可溶性導電性高分子)を用いた電
気化学的発光素子に関する。詳しくは電気化学的発光層
を形成する発光性可溶性1次元π共役系高分子として該
高分子の側鎖置換基の極性の有無、或いは該高分子の主
鎖骨格を成すセグメントの極性の有無を選ぶことなく使
用することが出来る電気化学的発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】1987年に有機低分子色素系の蒸着多
層膜構造を有する電荷注入型有機発光素子が発見され、
1990年に1次元π共役系高分子を用いた単層構造の
電荷注入型有機発光素子が発見されて以来、これら有機
低分子・高分子を用いた発光素子の研究が活発に行われ
ている。中でも1次元π共役系高分子を発光層に用いた
発光素子は、有機物質層が単層であるので発光素子構造
が単純であり、可溶性1次元π共役系高分子をスピンコ
ート法、ディップ法等により薄膜形成することにより大
面積化が可能であるという特徴を有している。しかしな
がら一般に、1次元π共役系高分子を発光層に用いた発
光素子においては、電子注入が行われるカソード電極と
して仕事関数値が小さく極めて空気中で不安定な金属を
使用する必要があり、また高い輝度で発光させるために
比較的高い駆動電圧が必要であるという難点が存在す
る。一方近年、電気化学的にP型及びN型ドープ可能で
あるという1次元π共役系高分子の基本的な性質を用い
て、発光層として1次元π共役系高分子、イオン伝導性
高分子、1次元π共役系高分子に対する電気化学的ドー
パントであるカチオン種及びアニオン種を含む複合材料
を用いた電気化学的発光素子が作成された(USP5,
682,043号明細書、Q. Pei, et al., Science 26
9(1995)1086.等) 。
【0003】この素子においては、電荷注入後アノード
電極側で電気化学的P型ドープが、カソード電極側で電
気化学的N型ドープが開始され、その後発光層内の1次
元π共役系高分子内でP−N接合が形成され、この電気
的中性のP−N接合内でドープにあずからない注入電荷
の再結合が起こり発光するというメカニズムが提案され
ている(Q. Pei, et al., J. Am. Chem. Soc. 118(199
6)3922.等) 。そのためP−N接合形成後は、作動電圧
として内蔵電位に相当する1次元π共役系高分子のバン
ドギャップ相当の電圧でよく、さらにカソード電極とし
て仕事関数値の小さい金属を使用する必要がないといた
め素子の安定性が改善されてきている。またカソード電
極として仕事関数値の小さい金属を使用する必要がない
ためカソード電極とアノード電極を同種の金属で形成す
ることができ、これを用いて膜厚方向ではなく、膜面内
方向にバイアスを印加し平面内で発光させる素子も作成
されている(G. Yu, et al., Appl. Phys. Lett. 70(19
97)934. 等) 。しかしながら、前述したような電気化学
的発光層を有する複合材料においては、いずれも発光物
質である1次元π共役系高分子として、側鎖置換基が極
性を有する化合物か或いは該高分子の主鎖骨格を成すセ
グメントが極性を有する化合物を用いなければ電気化学
的発光を確認する事が出来なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したとおり、これ
まで電気化学的発光素子における発光物質として使用可
能な1次元π共役系高分子は、極性を有するものに限ら
れていた。本発明の目的は、電気化学的発光物質として
用いる可溶性1次元π共役系高分子の側鎖置換基の極性
の有無、或いは該高分子の主鎖骨格を成すセグメントの
極性の有無を選ぶことなく電気化学的発光を得ることが
出来る電気化学的発光素子を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、従来のアノード
電極とカソード電極の間に電気化学的発光層が挟み込ま
れた形状の電気化学的発光素子において、アノード電極
及び/又はカソード電極と電気化学的発光層との間の少
なくとも一方に、非発光性可溶性1次元π共役系高分子
のみの薄膜を形成することにより、電気化学的発光物質
として用いる可溶性1次元π共役系高分子の側鎖置換基
の極性の有無、或いは該高分子の主鎖骨格を成すセグメ
ントの極性の有無を選ぶことなく電気化学的発光が可能
となることに知見し、本発明に到達した。
【0006】即ち本発明の要旨は、金属又は金属酸化物
アノード電極と金属又は金属酸化物カソード電極との間
に電気化学的発光層を有し、該電気化学的発光層が発光
物質として発光性可溶性1次元π共役系高分子、固体電
解質としてイオン導電性高分子、及び前記発光性可溶性
1次元π共役系高分子に対して電気化学的ドーパントと
して働くカチオン種及びアニオン種を含有するものであ
る電気化学的発光素子であって、該アノード電極及び/
又は該カソード電極と電気化学的発光層との間の少なく
とも一方に非発光性可溶性1次元π共役系高分子からな
る薄膜を有することを特徴とする電気化学的発光素子、
に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳細に説
明する。本発明に係る電気化学的発光素子は、アノード
電極とカソード電極の間に発光物質として発光性可溶性
1次元π共役系高分子、固体電解質としてイオン導電性
高分子、及び前記発光性可溶性1次元π共役系高分子に
対して電気化学的ドーパントとして働くカチオン種及び
アニオン種を含有する電気化学的発光層が挟み込まれた
形状を有するものである。本発明において用いられるア
ノード電極材料としては、電気化学的発光物質である可
溶性1次元π共役系高分子にホール注入を行わせること
から、その仕事関数値が該可溶性1次元π共役系高分子
のイオン化ポテンシャルの値と同程度であるものが好ま
しく、さらに好ましくはイオン化ポテンシャルの値以上
であるものが適している。具体的には例えば、インジウ
ム錫酸化物(以下「ITO」という)、Au、Ag等が
挙げられる。これらアノード電極材料の仕事関数値は用
いられる可溶性1次元π共役系高分子の種類にもよる
が、通常4.4〜5.2eV、好ましくは4.6〜5.
2eV程度である。
【0008】カソード電極材料としては、電気化学的発
光物質である可溶性1次元π共役系高分子に電子注入を
行わせることから、その仕事関数値が電気化学的発光物
質である可溶性1次元π共役系高分子の電子親和力の絶
対値と同程度である物が好ましく、さらに好ましくは電
子親和力の絶対値以下であるものが適している。具体的
にはAl、In、Ca等が挙げられる。これらアノード
電極材料の仕事関数値は用いられる可溶性1次元π共役
系高分子の種類にもよるが、通常2.6〜5.2eV、
好ましくは2.9〜4.3eV程度である。これらアノ
ード電極及びカソード電極の膜厚は、通常500Å以
下、好ましくは250〜400Å程度である。この膜厚
があまりに大きすぎると光透過性が低下する傾向があ
る。
【0009】本発明において電気化学的発光層は、発光
物質として発光性可溶性1次元π共役系高分子、固体電
解質としてイオン導電性高分子、及び前記可溶性1次元
π共役系高分子に対して電気化学的ドーパントとして働
くカチオン種及びアニオン種を含有するものである。こ
の電気化学的発光層の膜厚は特に制限されないが、通常
500〜5000Å、好ましくは1000〜2000Å
程度である。ここで発光物質として用いられる発光性可
溶性1次元π共役系高分子としては、有機溶媒に可溶で
電気発光、電気化学的発光を示す物ならば特に制限はな
いが、例えば、アルコキシ基、エステル基等の極性を有
する側鎖置換基を有するもの、或いは主鎖骨格を成すセ
グメントが極性を有するもの、アルキル基等の極性のな
い側鎖置換基を有するもの、或いは主鎖骨格を成すセグ
メントが極性を示さないものが挙げられる。
【0010】固体電解質として用いられるイオン導電性
高分子としては、電気化学的発光物質である可溶性1次
元π共役系高分子に対して電気化学的ドーパントとして
働くカチオン種、アニオン種をイオン種として運ぶこと
が可能な物であれば特に制限はないが、例えばポリエチ
レンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレン
イミン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。中で
も酸素原子を含有するポリエチレンオキシドが好まし
い。発光性可溶性1次元π共役系高分子に対する電気化
学的ドーパントであるカチオン種及びアニオン種として
は、可溶性1次元π共役系高分子にアノード電極、カソ
ード電極からホール及び電子が注入されて形成される正
荷電ポーラロン及負荷電ポーラロンとイオン対(すなわ
ちドープ状態の形成)を形成するものであれば特に制限
はないが、カチオン種としては、通常、Li+ 、N
+ 、(CH73CH2 CH2 CH2 4 + 等が用い
られる。またアニオン種としては、通常、BF4 - 、P
6 - 、ClO4 - 等が用いられる。
【0011】上記のような電気化学的発光素子は、通
常、透明基板上に、前述したアノード電極材料あるいは
カソード電極材料のどちらか一方を、スパッタリング
法、真空蒸着法などにより膜形成させ、次いでその上に
電気化学的発光層をスピンコート法、ディップ法、キャ
スト法等によって形成する。そしてさらに、電気化学的
発光層の上に、透明基板上にアノード電極が膜形成され
ている場合にはカソード電極材料を、カソード電極材料
が膜形成されている場合にはアノード電極材料をスパッ
タリング法、真空蒸着法などにより膜形成させる。ここ
で用いられる透明基板は透明でればいかなるものでも使
用することができるが、ガラス、樹脂等の板或いはフィ
ルムが好ましい。
【0012】本発明の電気化学的発光素子は、上述した
電気化学的発光素子において、アノード電極及び/又は
カソード電極と電気化学的発光層との間の少なくとも一
方に非発光性可溶性1次元π共役系高分子のみからなる
薄膜を有するものであることを特徴とする。本発明にお
いて用いられる非発光性溶性1次元π共役系高分子とし
ては、電気化学的発光素子駆動時に電気的発光、電気化
学的発光、蛍光を示さない物ならば特に制限はないが、
具体的にはポリアニリンエメラルジン塩基、ポリアニリ
ンエメラルジン塩等が挙げられる。この非発光性可溶性
1次元π共役系高分子のみからなる薄膜の膜厚は、通常
500Å以下、好ましくは250〜400Å程度であ
る。このような膜の形成方法としては、スピンコート
法、ディップ法、キャスト法等が用いられる。
【0013】以下に、図面を参照して本発明に係る電気
化学的発光素子の製造方法の具体例を説明する。図1
は、本発明に係る電気化学的発光素子の一つであるアノ
ード電極又はカソード電極と電気化学的発光層との一方
の間に非発光性可溶性1次元π共役系高分子のみの薄膜
を有するものの製造方法を示した一例である。 工程(a):まず透明基板(1)上にアノード電極又は
カソード電極(2)を形成する。 工程(b):次いで、電気化学的発光層に用いられる非
発光性可溶性1次元π共役系高分子のみからなる薄膜層
(3)を電極(2)上に形成する。ここで用いられる溶
媒は、非発光性1次元π共役系高分子を溶解するもので
あれば特に制限されない。 工程(c):次いで、発光性可溶性1次元π共役系高分
子、イオン伝導性高分子、発光性可溶性1次元π共役系
高分子に対する電気化学的ドーパントであるカチオン種
及アニオン種を含む複合材料である電気化学的発光層
(4)を薄膜層(3)の上に形成する。この際に用いら
れる溶媒としては、発光性可溶性1次元π共役系高分
子、イオン伝導性高分子、及び発光性可溶性1次元π共
役系高分子に対する電気化学的ドーパントであるカチオ
ン種及アニオン種を全て溶解し、非発光性可溶性1次元
π共役系高分子層(3)に対し難溶性であるものが好ま
しく、さらに好ましくは発光性可溶性1次元π共役系高
分子、イオン伝導性高分子、及び発光性可溶性1次元π
共役系高分子に対する電気化学的ドーパントであるカチ
オン種及アニオン種を全て溶解するが、非発光性可溶性
1次元π共役系高分子層(3)を溶解しない溶媒が適し
ている。
【0014】このような溶媒を用いることにより、工程
(c)終了時においては非発光性可溶性1次元π共役系
高分子層(3)の上に電気化学的発光層(4)が積層し
た構造とすることができる。 工程(d):次いで、電気化学的発光層(4)上にアノ
ード電極又はカソード電極(5)を形成する。図2は本
発明に係る電気化学的発光素子の一つであるアノード電
極と電気化学的発光層、及びカソード電極と電気化学的
発光層の両方の間に非発光性可溶性1次元π共役系高分
子のみの薄膜を有するものの製造方法を示した一例であ
る。図中番号(1’)は透明基板、(2’)及び
(6’)はアノード電極又はカソード電極、(3’)及
び(5’)は電気化学的発光層に用いられる発光性可溶
性1次元π共役系高分子のみの薄膜層、(4’)は可溶
性1次元π共役系高分子、イオン伝導性高分子、可溶性
1次元π共役系高分子に対する電気化学的ドーパントで
あるカチオン種及アニオン種を含む複合材料である電気
化学的発光層を示す。
【0015】工程(a’)〜(e’)に示す様に、アノ
ード電極と電気化学的発光層及びカソード電極と電気化
学的発光層の両方の間に非発光性可溶性1次元π共役系
高分子のみの薄膜を形成する工程を有する。ここで、工
程(b’)における非発光性可溶性1次元π共役系高分
子のみからなる薄膜層(3’)の形成時の溶媒、及び工
程(c’)における電気化学的発光層(4’)の形成時
の溶媒は、それぞれ図1の説明に記述した内容に準ず
る。工程(d’)における非発光性可溶性1次元π共役
系高分子薄膜層(5’)の形成時の溶媒としては、電気
化学的発光層(4’)に対して難溶性を示すものが好ま
しく、さらに好ましくは電気化学的発光層(4’)を溶
解しない溶媒が適している。このような溶媒を用いるこ
とにより、工程(e’)終了時においての層構成として
は、非発光性可溶性1次元π共役系高分子層(3’)の
上に電気化学的発光層(4’)が形成され、さらにその
上に非発光性可溶性1次元π共役系高分子層(5’)が
形成される。
【0016】
【実施例】以下に実施例により本発明の具体的態様を更
に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、これらの実施例によって限定されるものではない。 実施例1 ITOコート石英ガラスのITO上に1wt%のポリア
ニリンエメラルジン塩基のN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)溶液を用い1000rpm、600sの条件
でスピンコートした。次に、ポリ(3−ヘキシルチオフ
ェン)60mg、ポリエチレンオキサイド 2.7m
g、LiCF3 SO3 1.1mgをピリジン1.1m
l、クロロホルム3.9mlの混合溶媒に溶解して調製
したものを2000rpm,300sの条件でスピンコ
ートし、薄膜を形成した。用いたポリ(3−ヘキシルチ
オフェン)の分子量は数平均分子量で約3×104 、重
量平均分子で約1×105 (ポリスチレン標準)であ
り、ポリエチレンオキサイドの分子量は約1×105
あった。
【0017】ITO上に形成された一連の有機薄膜の全
厚みは約1300Åであった。さらにこの上に、Alを
真空蒸着法にて蒸着しカソード電極を形成した。蒸着時
の真空度は約7×10-6Torr、蒸着速度は2〜3Å
/s、膜厚は約650Å、蒸着面積は25mm2 であっ
た。この素子に対し約5x10-5Torrの真空下で直
流電圧を印加させ電気化学的発光を測定した。発光は光
電子増管を用いて測定した。図3に示すように確かに発
光が観察された。さらに発光が観察される場合の一定電
圧印加下での電流値の変化を示す図4において電流値の
増加が数分にわたることから、この発光は通常の1次元
π共役系高分子を用いた単層の電気発光とは異なり、電
気化学的発光であることが判明する。
【0018】比較例1 ITOコート石英ガラスのITO上に、ポリ(3−ヘキ
シルチオフェン)60mg、ポリエチレンオキサイド
2.5mg、LiCF3 SO3 1.1mgをピリジン
1.1ml、クロロホルム3.9mlの混合溶媒に溶解
して調製したものを1000rpm、60sの条件でス
ピンコートし、薄膜を形成した。ITO上に形成された
一連の有機薄膜の厚みは約3500Åであった。さらに
この上に、Alを真空蒸着法にて蒸着しカソード電極を
形成した。蒸着時の真空度は約7×10-6Torr、蒸
着速度は2〜3Å/s、膜厚は約650Å、蒸着面積は
25mm2 であった。
【0019】この素子に対し約5×10-5Torrの真
空下で直流電圧を印加させ電気化学的発光を測定した。
発光は光電子倍増管を用いて測定した。この場合、上記
実施例とは異なり、発光は観測されず、高印加電圧下で
もほとんど電流が流れず絶縁性を示した。この素子を水
に浸しポリエチレンオキサイドを溶出させた後、SEM
観察をおこなったところ、図5に示すように、かなりの
領域で基板の露出がみられ、かつネットワーク状構造を
したポリ(3−ヘキシルチオフェン)の下側(基板側)
にポリエチレンオキサイドが多く存在し、絶縁層的にな
っていることがわかった。実施例1及び比較例1から明
らかなように、本発明の製造方法によれば、電気化学的
発光層の発光物質として疎水性を示す可溶性1次元π共
役系高分子を用いた場合においても得られる電気化学的
発光素子の電気化学的発光が可能となることがわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明の電気化学的発光素子によれば、
電気化学的発光物質として用いる可溶性1次元π共役系
高分子の側鎖置換基の極性の有無、或いは該高分子の主
鎖骨格を成すセグメントの極性の有無を選ぶことなく、
得られる電気化学的発光素子の電気化学的発光が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電気化学的発光素子の製造工程の一例を示す模
式図である。
【図2】電気化学的発光素子の製造工程の一例を示す模
式図である。
【図3】実施例1で得られた電気化学的発光素子の発光
を示すグラフである。
【図4】実施例1で得られた電気化学的発光素子の電流
値の変化を示すグラフである。
【図5】比較例1で得られた電気化学的発光を示さなか
った素子を水に浸しポリエチレンオキシドを溶出させた
後にSEM(scanning electron microscope)観察した
写真である。
【符号の説明】
(1)、(1’) 透明基板 (2)、(5)、(2’)、(6’) アノード電極又
はカソード電極 (3)、(3’)、(5’) 非発光性可溶性1次元π
共役系高分子層 (4)、(4’) 電気化学的発光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 久雄 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 5F041 AA31 CA45 CA49 CA57 CA88 CB13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属又は金属酸化物アノード電極と金属
    又は金属酸化物カソード電極との間に電気化学的発光層
    を有し、該電気化学的発光層が発光物質として発光性可
    溶性1次元π共役系高分子、固体電解質としてイオン導
    電性高分子、及び前記発光性可溶性1次元π共役系高分
    子に対して電気化学的ドーパントとして働くカチオン種
    及びアニオン種を含有するものである電気化学的発光素
    子であって、該アノード電極及び/又は該カソード電極
    と電気化学的発光層との間の少なくとも一方に非発光性
    可溶性1次元π共役系高分子からなる薄膜を有すること
    を特徴とする電気化学的発光素子。
  2. 【請求項2】 発光物質として用いる発光性可溶性1次
    元π共役系高分子が、側鎖に無極性置換基を有するもの
    或いは主鎖骨格を形成するセグメントが無極性のもので
    ある請求項1に記載の電気化学的発光素子。
  3. 【請求項3】 非発光性可溶性1次元π共役系高分子が
    ポリアニリンエメラルジン塩基又はポリアニリンエメラ
    ルジン塩である請求項1または2に記載の電気化学的発
    光素子。
  4. 【請求項4】 アノード電極がインジウム錫酸化物であ
    る請求項1〜3のいずれかに記載の電気化学的発光素
    子。
  5. 【請求項5】 イオン導電性高分子が酸素原子を含有す
    るものである請求項1〜4のいずれかに記載の電気化学
    的発光素子。
  6. 【請求項6】 発光性可溶性1次元π共役系高分子に対
    して電気化学的ドーパントとして働くカチオン種がリチ
    ウムカチオンである請求項1〜5のいずれかに記載の電
    気化学的発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4874996B2 (ja) * 2005-01-21 2012-02-15 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ポリマー発光ダイオードおよびその製造方法

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JP4874996B2 (ja) * 2005-01-21 2012-02-15 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ ポリマー発光ダイオードおよびその製造方法

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