JP2000058801A - Soi基板の製造方法およびsoi基板 - Google Patents

Soi基板の製造方法およびsoi基板

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JP2000058801A JP13832699A JP13832699A JP2000058801A JP 2000058801 A JP2000058801 A JP 2000058801A JP 13832699 A JP13832699 A JP 13832699A JP 13832699 A JP13832699 A JP 13832699A JP 2000058801 A JP2000058801 A JP 2000058801A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SOI層中の結晶欠陥サイズの小さいSOI
基板、特にはSOI層の厚さが1ミクロン以下の薄膜S
OI基板の製造方法およびSOI基板を低コスト、高生
産性で提供する。 【解決手段】 二枚のシリコンウエーハのうち、少なく
とも一方のシリコンウエーハの表面に酸化膜を形成し、
該酸化膜を介して他方のシリコンウエーハと密着させ、
これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作
製側ウエーハを所望厚さまで薄膜化するSOI基板の製
造方法において、前記デバイス作製側ウエーハとして、
チョクラルスキー法によって窒素をドープしたシリコン
単結晶棒を育成し、該単結晶棒をスライスしてシリコン
単結晶ウエーハに加工したものを用いることを特徴とす
るSOI基板の製造方法およびこの方法で製造されたS
OI基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チョクラルスキー
法(以下、CZ法という)によって作製されたシリコン
単結晶ウエーハを用いる貼り合わせSOI基板の製造方
法および貼り合わせSOI基板に関し、特に、SOI層
が1ミクロン以下の薄膜SOI基板において、SOI層
中のグローンイン(Grown−in)欠陥と呼ばれる
結晶欠陥のサイズを小さくすることにより、これらの欠
陥を熱処理により容易に消滅させることができる、薄膜
SOI基板の製造方法およびSOI基板に関する。
【0002】
【従来の技術】2枚のシリコン単結晶ウエーハをシリコ
ン酸化膜を介して貼り合わせる技術は、例えば特公平5
−46086号公報に示されるように、少なくとも一方
のウエーハに酸化膜を形成し、接合面に異物を介在させ
ることなく相互に密着させた後、およそ200〜120
0℃の温度で熱処理し結合強度を高める方法が、従来よ
り知られている。
【0003】熱処理を行うことにより結合強度が高めら
れた貼り合わせ基板は、その後の研削及び研磨等が可能
となるため、どちらか一方の基板を研削及び研磨等によ
り所望の厚さに薄膜化することにより、素子形成を行う
SOI層を形成することができる。
【0004】すなわち、作製されたSOI基板は、結晶
性の優れたシリコン単結晶ウエーハのバルク結晶がその
まま用いられているため、結晶性の優れたSOI層が得
られることになり、この点がSIMOX法(Separation
by Implanted Oxygen)や溶融再結晶化法などの他のS
OI作製手法に比べてすぐれている。
【0005】一方、貼り合わせ基板の原料となるシリコ
ン単結晶ウエーハとしては、主にチョクラルスキー法
(CZ法)によって育成された単結晶棒をスライスして
得られる、シリコン単結晶ウエーハが用いられている。
ところが、最近になって、CZ法により育成されたシリ
コン単結晶中には、上記グローンイン欠陥と呼ばれる、
結晶成長中に導入された結晶欠陥がさまざまな測定法で
見いだされることが報告されている。例えば、これらの
結晶欠陥は商業レベルで生産されている一般的な成長速
度(例えば、約1mm/min以上)で引き上げられた
単結晶では、Secco液(K2Cr27と弗酸と水の
混合液)で表面を選択的にエッチング(Seccoエッ
チング)することによりピットとして検出が可能である
(特開平4−192345号公報参照)。
【0006】このピットの主な発生原因は、単結晶製造
中に凝集する原子空孔のクラスタあるいは石英ルツボか
ら混入する酸素原子の凝集体である酸素析出物であると
考えられている。これらの結晶欠陥はデバイスが形成さ
れる領域に存在すると、デバイス特性を劣化させる有害
な欠陥となるので、このような結晶欠陥を低減するため
の種々の方法が検討されている。
【0007】例えば、上記原子空孔のクラスタの密度を
低減するためには、結晶成長速度を極端に低下(例え
ば、0.4mm/min以下)して結晶を育成させれば
よいことが知られている(特開平2−267195号公
報参照)。ところが、この方法であると、新たに過剰な
格子間シリコンが集まって形成する転位ループと考えら
れる結晶欠陥が発生し、デバイス特性を著しく劣化さ
せ、問題の解決とはならないことがわかってきた。しか
も、結晶成長速度を従来の約1.0mm/min以上か
ら、0.4mm/min以下に低下させるのであるか
ら、著しい単結晶の生産性の低下、コストの上昇をもた
らしてしまう。
【0008】従って、このような結晶欠陥の存在するC
Zウエーハを用いてSOI基板を作製した場合、作製さ
れたSOI層中にも当然結晶欠陥が存在し、SOI層の
酸化膜耐圧特性等の電気特性を劣化させることになる。
この場合特に、作製するSOI層の厚さが例えば1ミク
ロン以下といった薄膜SOI基板の場合には、結晶欠陥
がSOI層を貫通して存在し、ピンホールを形成する場
合もあり、著しく品質特性を劣化させてしまう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は上記
問題点に鑑みなされたもので、SOI層中の結晶欠陥サ
イズを小さくし、熱処理により容易に消滅させることが
できるSOI基板、特にはSOI層の厚さが1ミクロン
以下の薄膜SOI基板の製造方法およびSOI基板を低
コスト、高生産性で提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、二枚のシリコ
ンウエーハのうち、少なくとも一方のシリコンウエーハ
の表面に酸化膜を形成し、該酸化膜を介して他方のシリ
コンウエーハと密着させ、これに熱処理を加えて強固に
結合させた後、デバイス作製側ウエーハを所望厚さまで
薄膜化するSOI基板の製造方法において、前記デバイ
ス作製側ウエーハとして、チョクラルスキー法によって
窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成し、該単結晶
棒をスライスしてシリコン単結晶ウエーハに加工したも
のを用いることを特徴とするSOI基板の製造方法であ
る。
【0011】このように、CZ法によって単結晶棒を育
成する際に、窒素をドープすることによって、前記結晶
成長中に導入される結晶欠陥の成長を抑制することが出
来る。また、結晶欠陥の成長が抑制される結果、結晶成
長速度を高速化することが出来るので、結晶の生産性を
著しく改善することが出来る。
【0012】そして、このような窒素をドープしたシリ
コン単結晶から加工されたウエーハを、SOI基板のデ
バイス作製側ウエーハとして用いれば、きわめて結晶欠
陥サイズの小さいSOI層を有するSOI基板を得るこ
とができる。したがって、このSOI基板に熱処理を加
えれば、容易に結晶欠陥を消滅させることができ、SO
I層に作製されるデバイスの電気特性等の品質を著しく
改善することができる。この場合、SOI層となるデバ
イス作製側ウエーハ中の窒素は、熱処理中に外方拡散さ
れるため、作製されるデバイスに悪影響を及ぼすことも
ない。
【0013】また、本発明の請求項2に記載した発明
は、シリコンウエーハと絶縁基板とを密着させ、これに
熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作製側ウ
エーハであるシリコンウエーハを所望厚さまで薄膜化す
るSOI基板の製造方法において、前記デバイス作製側
ウエーハであるシリコンウエーハとして、チョクラルス
キー法によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育
成し、該単結晶棒をスライスしてシリコン単結晶ウエー
ハに加工したものを用いることを特徴とするSOI基板
の製造方法である。
【0014】このように、本発明は、シリコンウエーハ
と絶縁基板とを結合させてSOI基板を製造する場合に
おいて、デバイス作製側ウエーハを窒素をドープしたシ
リコン単結晶ウエーハにするようにしても良い。この場
合もSOI層の結晶欠陥サイズをきわめて小さくするこ
とができるとともに、シリコンウエーハの生産性を改善
することができる。
【0015】この場合、請求項3に記載したように、チ
ョクラルスキー法によって窒素をドープしたシリコン単
結晶棒を育成する際に、該単結晶棒にドープする窒素濃
度を、1×1010〜5×1015atoms/cm3にするのが好
ましい。これは、結晶欠陥の成長を充分に抑制し、SO
I層中のピンホールの発生を確実に低減するためには、
窒素濃度を1×1010atoms/cm3以上にするのが望まし
いことと、シリコン単結晶の単結晶化の妨げにならない
ようにするためには、5×1015atoms/cm3以下とする
のが好ましいからである。
【0016】また、請求項4に記載したように、チョク
ラルスキー法によって窒素をドープしたシリコン単結晶
棒を育成する際に、単結晶棒に含有される酸素濃度を、
1.2×1018atoms/cm3(ASTM ’79値)以下
にするのが好ましい。このように、低酸素とすれば、結
晶欠陥の形成を一層抑制することができるので、SOI
層中の結晶欠陥、ピンホールの発生を一層抑制できる。
【0017】次に、本発明の請求項5に記載した発明で
は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のS
OI基板の製造方法において、強固に結合させるための
熱処理を、900℃以上の温度で行なうようにした。こ
のような温度範囲で熱処理をすることによって、十分な
強度で二枚のウエーハを結合することができるととも
に、デバイス作製側ウエーハのSOI層となる領域から
窒素を確実に除去することができる。したがって、SO
I基板とした時に、窒素がデバイスの電気特性等に悪影
響を及ぼすようなことがなくなる。さらに、このような
温度範囲の熱処理によれば、デバイス作製側ウエーハの
SOI層となる領域では、酸素起因の欠陥がない領域が
形成されるため、SOI層の低欠陥化と酸素による電気
特性等の悪化の防止が達成される。
【0018】また、本発明の請求項6に記載した発明
は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のS
OI基板の製造方法において、デバイス作製側ウエーハ
の薄膜化を、1ミクロン以下まで行なうことを特徴とす
る。このように、1ミクロン以下といった極薄のSOI
層において、特に結晶欠陥が貫通し、ピンホールを形成
し易いので、本発明の窒素ドープしたシリコンウエーハ
を用いるのが有効である。
【0019】また、本発明の請求項7に記載した発明
は、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のS
OI基板の製造方法において、前記デバイス作製側ウエ
ーハの薄膜化後、900℃以上の温度で熱処理を施すこ
とを特徴とする。このように、ウエーハの薄膜化後、9
00℃以上の温度で熱処理を施せば、SOI層中のサイ
ズの小さい結晶欠陥を容易に消滅させることができる。
【0020】そして、本発明の製造方法で製造されたS
OI基板(請求項8)は、SOI層の結晶欠陥サイズが
きわめて小さいものとなり、熱処理により容易に消滅さ
せることができるので、結晶欠陥の少ないSOI基板と
なる。すなわち、本発明のSOI基板は、例えば請求項
9のように、二枚のシリコンウエーハのうち、少なくと
も一方のシリコンウエーハの表面に酸化膜を形成し、該
酸化膜を介して他方のシリコンウエーハと密着させ、こ
れに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作製
側ウエーハを所望厚さまで薄膜化したSOI基板であっ
て、前記デバイス作製側ウエーハが、チョクラルスキー
法によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成
し、該単結晶棒をスライスしてシリコン単結晶ウエーハ
に加工したものであるSOI基板である。
【0021】また、本発明のSOI基板は、請求項10
のように、シリコンウエーハと絶縁基板とを密着させ、
これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作
製側ウエーハであるシリコンウエーハを所望厚さまで薄
膜化したSOI基板であって、前記デバイス作製側ウエ
ーハであるシリコンウエーハが、チョクラルスキー法に
よって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成し、該
単結晶棒をスライスしてシリコン単結晶ウエーハに加工
したものであるSOI基板としてもよい。
【0022】そして、この場合、請求項11のように、
デバイス作製側ウエーハの窒素濃度を、1×1010〜5
×1015atoms/cm3とし、請求項12のように、デバイ
ス作製側ウエーハの酸素濃度を、1.2×1018atoms/
cm3以下とすることができる。
【0023】また、請求項13のように、本発明は、S
OI層の厚さが、1ミクロン以下である場合に特にピン
ホールの少ない良質のSOI層を有するSOI基板とす
ることができる。
【0024】以下、本発明についてさらに詳述するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。従来シリコ
ンウエーハ中の結晶欠陥を除去する技術としては、ウエ
ーハに水素等の還元性雰囲気下で高温熱処理を施す技術
が知られている。しかし、この技術をSOI基板に適用
すると、特にSOI層が薄い場合、前述のように結晶欠
陥がSOI層に貫通したピンホールを形成しているの
で、このピンホールを通って、還元性ガスが侵入し、埋
め込み酸化膜を還元してしまうと言う問題が生ずる。埋
め込み酸化膜が還元されたのでは、SOI構造が破壊さ
れデバイスの電気特性を著しく下落させてしまう。
【0025】そこで、本発明では、作製されたSOI層
中の結晶欠陥を除去するのではなく、原料ウエーハであ
るシリコンウエーハ中の結晶欠陥サイズを縮小させるこ
とにより、貫通したピンホールを減少させ、更には、熱
処理により消滅しやすくすることにした。
【0026】すなわち、本発明は、CZ法によってシリ
コン単結晶育成中に窒素をドープして結晶欠陥サイズを
小さくする技術により作製されたシリコン単結晶ウエー
ハを、貼り合わせSOI基板に用いることによって、S
OI層中の結晶欠陥サイズが小さい、したがって貫通す
るピンホールが少なく、かつ熱処理により消滅しやすい
欠陥を有するSOI層を有するSOI基板を、低コス
ト、高生産性で得ることが出来ることを見出し、諸条件
を精査して本発明を完成させたものである。
【0027】窒素をシリコン単結晶中にドープすると、
シリコン中の原子空孔の凝集が抑制されることが指摘さ
れている(T.Abe and H.Takeno,Mat.Res.Soc.Symp.Pro
c.Vol.262,3,1992 )。この効果は原子空孔の凝集過程
が、均一核形成から不均一核形成に移行するためである
と考えられる。したがって、CZ法によりシリコン単結
晶を育成する際に、窒素をドープすれば、結晶欠陥サイ
ズの小さいシリコン単結晶およびこれを加工してシリコ
ン単結晶ウエーハを得ることが出来る。しかも、この方
法によれば、前記従来法のように、結晶成長速度を必ず
しも低速化する必要がないため、高生産性で低欠陥のシ
リコン単結晶ウエーハを得ることが出来る可能性があ
る。
【0028】ところが、このシリコン単結晶中の窒素原
子は、酸素析出を助長させる効果があることが知られて
おり(例えば、F.Shimura and R.S.Hockett,Appl.Phys.
Lett.48,224,1986)、CZ法によるシリコン単結晶ウエ
ーハ中にドープすると、デバイス工程中の熱処理等で、
デバイス形成層中にOSF(酸化誘起積層欠陥)等の酸
素析出起因の欠陥を多発させる。したがって、従来窒素
をドープしたCZシリコン単結晶ウエーハは、デバイス
作製用のウエーハとしては用いられていなかった。
【0029】そこで、本発明では、窒素ドープ結晶では
結晶欠陥(グローンイン欠陥)が成長しにくいと言う利
点を最大限生かすべく、この窒素をドープしたウエーハ
を貼り合わせSOI基板の原料ウエーハとして用いるこ
とにした。貼り合わせSOI基板では、二枚のウエーハ
を密着後結合熱処理が行なわれるので、この熱処理で窒
素は外方拡散され、SOI層中には残存しない。しかし
ながら、SOI層は窒素ドープの基板を用いて作製され
るので、窒素が外方拡散してもグローンイン欠陥のサイ
ズは小さいままとなる。一方、酸素起因の欠陥は結合界
面付近では理由は不明だが形成されにくいことが確認さ
れているため、SOI層となる領域では酸素起因の欠陥
の密度も極めて低くなる。
【0030】しかも、CZ法において結晶引上げ速度を
低下させる必要がないため、原料であるシリコンウエー
ハを低コスト、高生産性で得ることが出来る結果、SO
I基板のコストを下げることが出来るという利点もあ
る。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のSOI基板の製造方法に
おいては、まず原料ウエーハであるシリコン単結晶ウエ
ーハを、CZ法によって窒素をドープしたシリコン単結
晶棒を育成し、この単結晶棒をスライスして加工するこ
とによって、窒素がドープされたシリコン単結晶ウエー
ハを作製する。この場合、CZ法によって窒素をドープ
したシリコン単結晶棒を育成するには、例えば特開昭6
0−251190号に記載されているような公知の方法
によれば良い。
【0032】すなわち、CZ法は、石英ルツボ中に収容
された多結晶シリコン原料の融液に種結晶を接触させ、
これを回転させながらゆっくりと引き上げて所望直径の
シリコン単結晶棒を育成する方法であるが、あらかじめ
石英ルツボ内に窒化物を入れておくか、シリコン融液中
に窒化物を投入するか、雰囲気ガスを窒素を含む雰囲気
等とすることによって、引き上げ結晶中に窒素をドープ
することができる。この際、窒化物の量あるいは窒素ガ
スの濃度あるいは導入時間等を調整することによって、
結晶中のドープ量を制御することが出来る。
【0033】このように、CZ法によって単結晶棒を育
成する際に、窒素をドープすることによって、結晶成長
中に導入される結晶欠陥の成長を抑制することが出来
る。また、従来法のように、結晶成長速度を例えば、
0.4mm/min以下といった低速化する必要がない
ので、結晶の生産性を著しく改善することができ、結果
としてSOI基板の原料であるシリコンウエーハの生産
性、コストを改善することが出来る。
【0034】窒素をシリコン単結晶中にドープすると、
シリコン中に導入される結晶欠陥サイズが縮小する理由
は、前述の通り原子空孔の凝集過程が、均一核形成から
不均一核形成に移行するためであると考えられる。従っ
て、ドープする窒素の濃度は、十分に不均一核形成を引
き起こす、1×1010atoms/cm3以上にするのが好まし
く、より好ましくは5×1013atoms/cm3以上とするの
がよい。これによって結晶欠陥の成長を充分に抑制する
ことができる。一方、窒素濃度が、シリコン単結晶中の
固溶限界である5×1015atoms/cm3を越えると、シリ
コン単結晶の単結晶化そのものが阻害されるので、この
濃度を越えないようにする。
【0035】また、本発明では、CZ法によって窒素を
ドープしたシリコン単結晶棒を育成する際に、単結晶棒
に含有される酸素濃度を、1.2×1018atoms/cm3
下にするのが好ましい。シリコン単結晶中の酸素濃度
を、このように低酸素とすれば、窒素が含有されている
こととも相まって、結晶欠陥の形成を一層抑制すること
ができるし、前記OSFの形成等も抑制出来るからであ
り、これによって一層SOI層の結晶欠陥を減少させる
ことができる。
【0036】CZ法によって、シリコン単結晶棒を育成
する際に、含有される酸素濃度を上記範囲に低下させる
方法は、従来から慣用されている方法によれば良い。例
えば、ルツボ回転数の減少、導入ガス流量の増加、雰囲
気圧力の低下、シリコン融液の温度分布および対流の調
整等の手段によって、簡単に上記酸素濃度範囲とするこ
とが出来る。
【0037】こうして、CZ法において所望濃度の窒素
がドープされ、所望濃度の酸素を含有する、シリコン単
結晶棒が得られる。これを通常の方法にしたがい、内周
刃スライサあるいはワイヤソー等の切断装置でスライス
した後、面取り、ラッピング、エッチング、研磨等の工
程を経てシリコン単結晶ウエーハに加工する。もちろ
ん、これらの工程は例示列挙したにとどまり、この他に
も洗浄等種々の工程があり得るし、工程順の変更、一部
省略等目的に応じ適宜工程は変更使用されている。
【0038】次に、得られたシリコン単結晶ウエーハを
少なくともデバイス作製側ウエーハとして用い、貼り合
わせSOI基板を作製する。以下に本発明のSOI基板
を製造する方法を、二枚のシリコンウエーハを貼り合わ
せる場合につき、図面を参照して説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。ここで、図1は本発
明にかかる貼り合わせSOI基板の作製工程の一例を示
す説明図である。
【0039】図1においてまず、貼り合わせによりSO
I基板を作製するための原料ウェーハであるボンドウェ
ーハ2(デバイス作製側ウエーハ)及びベースウェーハ
3を用意する(図1(a))。ここで、本発明では少な
くともデバイス作製側ウエーハであるボンドウェーハ2
を、上記CZ法により窒素をドープしたシリコン単結晶
ウエーハとする。もちろん、二枚のウエーハの両方とも
窒素をドープしたものとしても良い。
【0040】そして、用意されたシリコン単結晶基板の
うち、ボンドウェーハ2に熱処理を施し、ボンドウエー
ハ表面に酸化膜4を形成する(図1(b))。この熱処
理は、例えば1000℃以上の高温で行なわれ、この時
ドープされた窒素が外方拡散され、薄膜化後にSOI層
中には窒素が含まれていないようになり、作製されるデ
バイスに悪影響を及ぼすこともない。
【0041】この場合、酸化膜の形成は、ベースウェー
ハ3に行なっても良く、また両方のウエーハに酸化膜を
形成させてもよい。ベースウェーハ3にのみ酸化膜を形
成する場合には、ボンドウェーハ2中の窒素は、後の工
程である結合熱処理において外方拡散することになる。
【0042】次に、この酸化膜を形成したボンドウエー
ハ2とベースウエーハ3を清浄な雰囲気下で密着させる
(図1(c))。これに酸化性雰囲気下で熱処理を加え
て、ボンドウエーハ2とベースウエーハ3を強固に結合
させ、貼り合わせ基板1とする。この時、ボンドウエー
ハ2とベースウエーハ3が強固に結合されるとともに、
貼り合わせ基板1の外表面全体にも、後工程でエッチン
グ被膜となる酸化膜5が形成される(図1(d))。
【0043】この二枚のウエーハを強固に結合させるた
めの熱処理の熱処理条件としては、例えば、酸素または
水蒸気を含む雰囲気下、200℃〜1200℃の温度で
行えば良いが、より好ましくは900℃以上の温度で行
なうようにする。
【0044】このような高い温度範囲で熱処理をするこ
とによって、十分な強度で二枚のウエーハを結合するこ
とができるとともに、デバイス作製側ウエーハから窒素
を確実に外方拡散することができるからである。こうし
て、窒素ドープ基板のもつグローンイン欠陥サイズが小
さくなるという利点を有するとともに、窒素を外方拡散
することによって、窒素によるデバイス電気特性等への
悪影響を及ぼすことが全くなくなる。さらに、結合界面
付近での酸素起因の欠陥が形成されにくいことから、酸
素による悪影響もなくなる。
【0045】こうして結合された貼り合わせ基板1の外
周部約2mmには、ボンドウエーハ2とベースウエーハ
3の未結合部が存在している。このような未結合部は、
デバイスを作製するSOI層として用いることができな
い上に、後工程で剥れ落ちて、種々の問題を引き起こす
ため除去する必要がある。
【0046】未結合部を除去するには、図1(e)に示
すように、まず未結合部が存在するボンドウエーハ2の
外周部を所定厚tまで研削して除去する。研削によれ
ば、高速で除去することができるし、加工精度もよいか
らである。この場合、所定厚tとしてはできるだけ薄く
した方が、後工程であるエッチング工程での取りしろを
減少させることができるので好ましい。
【0047】次に、図1(f)のように、エッチングに
よりボンドウエーハ2外周部の未結合部を完全に除去す
る。これは、酸化膜にくらべてシリコン単結晶のエッチ
ング速度が格段に大きいエッチング液に、貼り合わせ基
板1を浸漬することによって、簡単に行うことができ
る。すなわち、ボンドウエーハ2の外周部は、研削によ
ってシリコンが露出しているために、エッチング液によ
ってエッチングされるが、貼り合わせ基板1の他の部分
は、酸化膜5で覆われているためにエッチングされな
い。このようなエッチングとしては、KOH,NaOH
等によるいわゆるアルカリエッチングを挙げることがで
きる。
【0048】そして、本実施形態では研削によりボンド
ウエーハ2の外周部の厚さは十分に薄くされているた
め、短時間のエッチングで貼り合わせ基板1の外周部に
存在する未結合部を完全に除去することができる。
【0049】最後に、図1(g)に示すように、ボンド
ウエーハ2の表面を通常の方法に従い研削・研磨等の手
段によって、所望厚さまで薄膜化すれば、SOI層6を
有する貼り合わせSOI基板を作製することができる。
特に、本発明はSOI層を、1ミクロン以下まで薄膜化
する場合に、結晶欠陥が貫通し、ピンホールを形成し易
いので、本発明方法を用いる価値が高い。
【0050】この場合、上記ではボンドウェーハを薄膜
化するのに、研削、研磨、あるいはエッチングによる場
合を示したが、本発明はこれには限定されず、ボンドウ
ェーハを薄膜化することができる方法であれば、どのよ
うな手法によっても良い。特に、近年SOI層を極薄に
薄膜化する技術として注目されている気相エッチングあ
るいはウエーハにイオン注入して結合し、その後に分離
する方法による場合にも本発明は有効であることは言う
までもない。
【0051】気相エッチングは、いわゆるドライエッチ
法の一つで、例えばSOI基板上のSOI層の厚さ分布
を測定した後、その分布に従って、SOI基板上を膜厚
分布に応じてプラズマを保持した空洞を走行させ、この
走行速度を制御することにより、SOI層表面がプラズ
マに暴露される時間が制御される。その結果、SOI層
表面のエッチング除去量が制御され、SOI基板上のS
OI層の厚さを均一化する方法である。
【0052】一方、最近SOI基板の製造方法として、
イオン注入したウエーハを結合及び分離してSOI基板
を製造する方法(スマートカット法と呼ばれる技術)が
新たに注目され始めている。この方法は、二枚のシリコ
ンウエーハのうち、少なくとも一方に酸化膜を形成する
と共に、一方のシリコンウエーハの上面から水素イオン
または希ガスイオンを注入し、該ウエーハ内部に微小気
泡層(封入層)を形成させた後、該イオンを注入した方
の面を酸化膜を介して他方のシリコンウエーハと密着さ
せ、その後熱処理を加えて微小気泡層を劈開面として一
方のウエーハを薄膜状に分離し、さらに熱処理を加えて
強固に結合してSOI基板とする技術(特開平5−21
1128号参照)である。そして、劈開面は良好な鏡面
であり、極薄のSOI層で膜厚の均一性も高いSOI基
板が比較的容易に得られる。
【0053】さらに、上記の工程により作製されたSO
I基板は結晶欠陥サイズが小さいので、900℃以上の
熱処理を加えることにより、結晶欠陥を低減することが
でき、結晶欠陥の極めて少ないSOI基板が得られる。
その際、熱処理温度が900℃以上であれば、熱処理雰
囲気としては、水素、アルゴン、窒素、酸素、あるいは
これらの混合ガス雰囲気など特に限定されないが、水素
を含む還元性雰囲気であれば、SOI層表面でのシリコ
ン原子のマイグレーションが起こりやすいので、原子空
孔のクラスタのようなボイド型の欠陥には特に有効であ
る。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げて
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 (実施例、比較例) (CZ法による窒素ドープシリコン単結晶棒の育成)C
Z法により、直径18インチの石英ルツボに、原料多結
晶シリコン40kgをチャージし、直径6インチ、P
型、方位<100>の結晶棒を、通常の引き上げ速度で
ある、0.8〜1.5mm/minの範囲の種々の速度
で10本引き上げた。そのうち5本の引き上げでは、原
料中にあらかじめ0.12gの窒化珪素膜を有するシリ
コンウエーハを投入しておいたが、残り5本の結晶の引
き上げでは窒素をドープしなかった。また、何れの結晶
とも、引き上げ中ルツボ回転を制御して、単結晶中の酸
素濃度が0.9〜1.0×1018atoms/cm3となるよう
にした。
【0055】窒素をドープした方の結晶棒の尾部の窒素
濃度をFT−IRにより測定したところ、平均で5.0
×1014atoms/cm3であった(窒素の偏析係数は非常に
小さいので、結晶棒の直胴部の濃度はこの値以下とな
る。)。また、すべての単結晶棒の酸素濃度をFT−I
Rにより測定したところ、どの結晶もおよそ0.9〜
1.0×1018atoms/cm3の酸素濃度となっていること
を確認した。
【0056】(シリコン単結晶ウエーハの作製)ここで
得られた単結晶棒から、ワイヤソーを用いてウエーハを
切り出し、面取り、ラッピング、エッチング、鏡面研磨
加工を施して、窒素のドープの有無以外の条件はほぼ同
一とした、2種類の直径6インチのシリコン単結晶鏡面
ウエーハを作製した。
【0057】得られたシリコン単結晶ウエーハにSec
coエッチングを施し、表面を顕微鏡観察してピット密
度を測定することによって、結晶欠陥(グローンイン欠
陥)の密度を測定した。測定結果を、図2に示した。黒
丸が窒素をドープしたウエーハであり、白丸が窒素をド
ープしていないウエーハである。
【0058】この結果を見ると、窒素をドープしたウエ
ーハでは、引き上げ速度を1.0mm/min以上とい
う、従来と同等以上の速度で引き上げているにもかかわ
らず、従来法より結晶欠陥密度が20分の1程度にまで
減少している。すなわち、窒素をドープすることによっ
て、結晶欠陥の成長が抑制され、検出できるサイズの結
晶欠陥が減少することがわかる。
【0059】(SOI基板の作製)次に、上記のウエー
ハを用いて、図1に示した工程にしたがいSOI基板を
作製した。実施例ではボンドウェーハ、ベースウェーハ
ともに窒素をドープしたものとし、比較例では両ウエー
ハともに窒素をドープしていないものとした。
【0060】ボンドウェーハに酸素を含む雰囲気下、1
050℃で熱処理をすることにより、ボンドウェーハの
表面に厚さ0.2μmの酸化膜を形成した後、ベースウ
エーハと密着させ、1100℃で2時間の結合熱処理を
加えることによって強固に結合させた。そして、ボンド
ウエーハを研削・研磨し、さらに気相エッチングを行な
い、厚さ約0.2μmのSOI層を持つSOI基板を作
製した。
【0061】こうして得られた薄いSOI層を有するS
OI基板を、HF50%水溶液に、10分間浸すと、S
OI層を貫通する欠陥があれば、これを通して埋め込み
酸化膜にHFが到達して酸化膜がエッチングされ、エッ
チピットが形成される。酸化膜に形成されるこのエッチ
ピットは、薄いSOI層を透して光学顕微鏡で観察でき
るので、ウエーハ表面の直径方向にスキャンして、合計
約10cm2の領域のピット数を顕微鏡観察した。
【0062】測定の結果、実施例では平均0.2ケ/c
2であり、比較例では平均0.8ケ/cm2であった。
従って、本発明によって、SOI層中の結晶欠陥による
ピンホールの形成を格段に改善出来ることがわかる。ま
た、上記したSOI基板(窒素ドープしたもの)と同一
条件で作製した厚さ0.2μmのSOI基板をランプ加
熱装置(シュティアック マイクロテックインターナシ
ョナル社製、SHS−2800)により、水素100%
雰囲気下、1200℃、10秒間の熱処理を行った。そ
の後、前記と同様のHF水溶液によるエッチピット評価
を行ったところ、欠陥密度は平均0.03ケ/cm2
あり、SOI層中の欠陥が更に改善されていることがわ
かった。
【0063】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0064】例えば、本発明においてチョクラルスキー
法によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成す
るに際しては、融液に磁場が印加されているか否かは問
われないものであり、本発明のチョクラルスキー法には
いわゆる磁場を印加するMCZ法も含まれる。
【0065】また、上記では、含有酸素濃度を低酸素濃
度とした場合に、より低結晶欠陥とすることができるこ
とを述べたが、本発明はこれには限定されず、例え酸素
濃度が1.2〜1.5×1018atoms/cm3、あるいはそ
れ以上の高酸素濃度の場合であっても、効果を有するも
のであることは言うまでもない。
【0066】また、上記実施形態では二枚のシリコンウ
エーハを貼り合わせて、SOI基板を作製する場合を中
心に説明したが、本発明はCZ法により作製されたシリ
コンウエーハと石英、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、
サファイヤ、その他のセラミックス材のような絶縁基板
とを貼り合わせて、貼り合わせSOI基板を作製する場
合にも、SOI層の結晶欠陥を低減するのに有効であ
り、適用可能であることは言うまでもない。
【0067】
【発明の効果】本発明では、窒素をドープしたシリコン
単結晶ウエーハを用いてSOI基板を作製することによ
って、SOI層中の結晶欠陥サイズが小さく、ピンホー
ルの少ないSOI基板を低コスト、高生産性で得ること
ができる。特に、本発明はSOI層中の結晶欠陥、ピン
ホールが特に問題となる、SOI層の厚さが1ミクロン
以下の薄膜SOI基板の製造方法として有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(g)は、本発明にかかる、貼り合わ
せSOI基板の作製工程の一例を示す説明図である。
【図2】実施例、比較例のシリコンウエーハにおいて、
Seccoエッチング後、表面を顕微鏡観察してピット
密度を測定した結果である(黒丸が窒素をドープしたウ
エーハであり、白丸が窒素をドープしていないウエーハ
である。)。
【符号の説明】
1…貼り合わせ基板(SOI基板)、 2…ボンドウエ
ーハ、3…ベースウエーハ、 4…酸化
膜(埋め込み酸化膜)、5…酸化膜(エッチング被
膜)、 6…SOI層。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二枚のシリコンウエーハのうち、少なく
    とも一方のシリコンウエーハの表面に酸化膜を形成し、
    該酸化膜を介して他方のシリコンウエーハと密着させ、
    これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作
    製側ウエーハを所望厚さまで薄膜化するSOI基板の製
    造方法において、 前記デバイス作製側ウエーハとして、チョクラルスキー
    法によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成
    し、該単結晶棒をスライスしてシリコン単結晶ウエーハ
    に加工したものを用いることを特徴とするSOI基板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 シリコンウエーハと絶縁基板とを密着さ
    せ、これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイ
    ス作製側ウエーハであるシリコンウエーハを所望厚さま
    で薄膜化するSOI基板の製造方法において、 前記デバイス作製側ウエーハであるシリコンウエーハと
    して、チョクラルスキー法によって窒素をドープしたシ
    リコン単結晶棒を育成し、該単結晶棒をスライスしてシ
    リコン単結晶ウエーハに加工したものを用いることを特
    徴とするSOI基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チョクラルスキー法によって窒素を
    ドープしたシリコン単結晶棒を育成する際に、該単結晶
    棒にドープする窒素濃度を、1×1010〜5×1015at
    oms/cm3にすることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載したSOI基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記チョクラルスキー法によって窒素を
    ドープしたシリコン単結晶棒を育成する際に、該単結晶
    棒に含有される酸素濃度を、1.2×1018atoms/cm3
    以下にすることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれか1項に記載したSOI基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記強固に結合させるための熱処理を、
    900℃以上の温度で行なうことを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれか1項に記載のSOI基板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記デバイス作製側ウエーハの薄膜化
    を、1ミクロン以下まで行なうことを特徴とする請求項
    1ないし請求項5のいずれか1項に記載のSOI基板の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記デバイス作製側ウエーハの薄膜化
    後、900℃以上の温度で熱処理を施すことを特徴とす
    る請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のSO
    I基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜請求項7に記載した方法によ
    って製造されたSOI基板。
  9. 【請求項9】 二枚のシリコンウエーハのうち、少なく
    とも一方のシリコンウエーハの表面に酸化膜を形成し、
    該酸化膜を介して他方のシリコンウエーハと密着させ、
    これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバイス作
    製側ウエーハを所望厚さまで薄膜化したSOI基板にお
    いて、 前記デバイス作製側ウエーハが、チョクラルスキー法に
    よって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成し、該
    単結晶棒をスライスしてシリコン単結晶ウエーハに加工
    したものであることを特徴とするSOI基板。
  10. 【請求項10】 シリコンウエーハと絶縁基板とを密着
    させ、これに熱処理を加えて強固に結合させた後、デバ
    イス作製側ウエーハであるシリコンウエーハを所望厚さ
    まで薄膜化したSOI基板において、 前記デバイス作製側ウエーハであるシリコンウエーハ
    が、チョクラルスキー法によって窒素をドープしたシリ
    コン単結晶棒を育成し、該単結晶棒をスライスしてシリ
    コン単結晶ウエーハに加工したものであることを特徴と
    するSOI基板。
  11. 【請求項11】 前記デバイス作製側ウエーハの窒素濃
    度が、1×1010〜5×1015atoms/cm3であることを
    特徴とする請求項9または請求項10に記載したSOI
    基板。
  12. 【請求項12】 前記デバイス作製側ウエーハの酸素濃
    度が、1.2×10 18atoms/cm3以下であることを特徴
    とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載
    したSOI基板。
  13. 【請求項13】 SOI層の厚さが、1ミクロン以下で
    あることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいず
    れか1項に記載のSOI基板。
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