JP2000058464A - 排気ガス処理方法および処理装置 - Google Patents

排気ガス処理方法および処理装置

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JP2000058464A
JP2000058464A JP10236589A JP23658998A JP2000058464A JP 2000058464 A JP2000058464 A JP 2000058464A JP 10236589 A JP10236589 A JP 10236589A JP 23658998 A JP23658998 A JP 23658998A JP 2000058464 A JP2000058464 A JP 2000058464A
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exhaust gas
gas
absorption tower
discharged
outlet
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JP10236589A
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Toshiaki Kato
利明 加藤
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Kashiyama Industries Ltd
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Kashiyama Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランニングコストは安いが除害効率が低い湿
式の排気ガス処理装置を改良し、除害効率が高く、ラン
ニングコストも安く、しかも大量の希釈用空気の消費を
抑えて装置を小型化し、設備費の削減を可能とする排気
ガス処理方法と処理装置を提供する。 【解決手段】 プロセスより排出される排気ガス中に含
まれる有害ガスを吸収塔を用いて吸収および/または分
解する排気ガスの処理方法および処理装置において、該
吸収塔出口から排出される処理後の排気ガスの一部を吸
収塔の入口側に戻すことを特徴とする排気ガスの処理方
法および処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体デバ
イスや液晶ディスプレイデバイスの製造装置より排出さ
れる排気ガス中に含まれる有害ガスの処理技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体、電子関連産業の発展と共
に半導体デバイスや液晶ディスプレイデバイスの製造装
置が増加しつつあり、これらの製造装置内では多種類の
有害あるいは引火性、爆発性のある危険度の高いガスが
使用されている。そしてこれらの装置から排出される排
気ガスは、完全に反応あるいは分解されず、極端な場合
は殆どが分解されずに排出されているケースがあり、こ
れを無害化する処理装置が必要不可欠である。
【0003】従来、この種の排気ガス処理装置は、各製
造装置の排気管を集めて集合配管とし、屋外に設置した
大型の無害化装置で一括処理しているケースが多かった
が、この方式であると配管が長くなってしまうため、管
内に堆積物が生じたり、腐食で漏れが生じて火災が発生
する等の事故が起こる可能性が高かった。そこで、最近
ではこうした事故を未然に防止するために、排気ガス処
理装置を製造装置のなるべく近傍に設置して用いられる
ようになってきている。従って、屋内設置用の小型の処
理装置が使用されることが多い。
【0004】屋内設置用の装置としては、ガスの吸着現
象を利用した吸着固定式、、メタン、プロパン等を燃料
とする燃焼バーナを利用した燃焼式、電気ヒータを使っ
た熱分解式、化学反応を利用した反応分解方式、水や薬
液等を使用した湿式等多くの方式を利用した排気ガス処
理装置が用いられている。
【0005】これらの装置には、いずれも一長一短があ
るが、中でも水や吸収液を使う湿式が最も汎用性が高
く、安全で安価であるが、除害効率が低く、基本的には
大風量用に設計、製作されているため、例えば、半導体
プロセス等の屋内で使用すると、クリーンルーム内のク
リーンエアを大量に取り入れることになり、室内の気圧
にまで影響を及ぼすというような欠点があった。
【0006】近年、特に、地球環境問題に関わる関心の
高まりと共に半導体関連メーカーでは、有害ガスの処理
能力に対する要求が厳しくなってきており、自主基準と
して排気ガス処理装置の出口濃度がTLV−TWA値以
下と決められているケースが多い。
【0007】このような理由を背景に、屋内で使用する
排気ガス処理方法、処理装置としては、ランニングコス
トが高くても確実に除害する除害効率の高い吸着式や燃
焼式の普及が進んでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、こ
のような問題点に鑑みなされたもので、ランニングコス
トは安いが除害効率が低い湿式の排気ガス処理方法およ
び処理装置を改良し、除害効率が高く、ランニングコス
トも安く、しかも大量の希釈用空気の消費を抑えて装置
を小型化し、設備費の削減をも可能とする排気ガス処理
方法と処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載した発明は、プロセスより
排出される排気ガス中に含まれる有害ガスを吸収塔を用
いて吸収および/または分解する排気ガスの処理方法に
おいて、該吸収塔出口から排出される処理後の排気ガス
の一部を吸収塔の入口側に戻すことを特徴とする排気ガ
ス処理方法である。
【0010】このように、プロセスより排出される排気
ガス中に含まれる有害ガスを吸収塔を用いて吸収および
/または分解し、該吸収塔出口から排出される処理後の
排気ガスの一部を吸収塔の入口側に戻して循環すれば、
従来のようにワンパスの場合は吸収効率を高めるよりも
排出濃度を低く抑えるために大量の空気を導入して希釈
するといったことが不要となり、循環回数が増えるに従
って吸収効率が格段に上昇し、ある高い値に収束するよ
うになる。この場合、処理後の排ガス流量はほぼ排気ガ
ス導入流量と見合うまでに減少させることができるの
で、有害ガスの排出量を著しく低減することができると
共に排気ガス処理能力の向上を図ることができる。
【0011】この場合、請求項2に記載したように、前
記吸収塔出口から排出される処理後の排気ガスの内、大
気放出分中に残存する有害ガスを吸着剤で吸着処理する
ことが望ましい。このようにすれば、大気放出分中に残
存する有害ガスを殆ど吸着固定あるいは吸着分解できる
ので有害ガスの大気放出を殆ど完全に無くすことができ
る。
【0012】さらに本発明の請求項3に記載した発明
は、前記有害ガスが酸化分解され易いガスである場合、
前記吸収塔内の気液接触部分の手前で、排気ガスにオゾ
ンを導入することが好ましい。このようにすると、排気
ガス中の酸化分解され易い有害ガスはオゾンによって容
易に酸化分解され、無害化することができる。
【0013】そして、この場合、請求項4に記載したよ
うに、前記酸化分解され易い有害ガスの処理方法におい
て、前記吸収塔の出口から排出される処理後の排気ガス
の内、大気放出分中に残存するオゾンをオゾン分解剤で
分解することが望ましい。このようにすると、排気ガス
中の酸化分解され易い有害ガスだけでなく、有害ガスの
分解剤であるオゾンも容易に分解、無害化することがで
き、殆ど完壁な排気ガス処理方法を確立することができ
る。
【0014】次に、本発明の請求項5に記載した発明
は、プロセスより排出される排気ガス中に含まれる有害
ガスを吸収および/または分解する吸収塔を具備する排
気ガス処理装置において、該吸収塔出口から排出される
処理後の排気ガスの一部を吸収塔の入口側に戻す配管構
造を有することを特徴とする排気ガス処理装置である。
【0015】このような装置とすれば、従来のようにワ
ンパスの場合は吸収効率を高めるよりも排出濃度を低く
抑えるために大量に導入していた希釈用空気が不要とな
り、装置を小型化することができる。また、循環回数が
増えるに従って吸収効率が格段に上昇し、ある高い値に
収束するようになる。この場合、処理後の排ガス流量は
ほぼ排気ガス導入流量と見合うまでに減少させることが
できるので、有害ガスの排出量を著しく低減することが
できると共に排気ガス処理能力の増強を図ることができ
る装置となる。
【0016】この場合、請求項6に記載したように、前
記吸収塔出口から排出される処理後の排気ガスの内、大
気放出分を放出する排気管に、有害ガスを吸着する吸着
処理器を配置することが好ましい。このような装置にす
ると、前記処理後のガスを循環させる本発明の装置で
は、処理後のガスの内、大気放出分中の有害ガス濃度
は、従来のワンパスの場合よりも若干上回るようになる
が、本吸着処理器によって殆ど吸着固定できるので有害
ガスの大気放出を殆ど完全に無くすことができる装置と
なる。また、従来のワンパス方式の大風量に対しては吸
着処理器が大型化して設備費もランニングコストも高く
なるため採用がむづかしかったが、本発明の循環型では
処理後の排ガス量を減少させることが出来るので、吸着
処理器を小型化でき、その結果設備費もランニングコス
トも低減化し、排気ガス処理のコストダウンを図ること
もできる。
【0017】そして、請求項7に記載したように、前記
有害ガスが酸化分解され易いガスである場合、前記吸収
塔内の気液接触部分の手前で、排気ガスにオゾンを導入
するオゾン導入管を設けることが望ましい。このような
装置にすると、排気ガス中の酸化分解され易い有害ガス
はオゾンによって容易に酸化分解、無害化することがで
きるので、非常に効率の高い処理装置となる。
【0018】この場合、請求項8に記載したように、前
記酸化分解され易い有害ガスの処理装置であって、前記
吸収塔の出口から排出される処理後の排気ガスの内、大
気放出分を放出する排気管に、オゾンを分解するオゾン
分解処理器を配置することが好ましい。このような装置
にすると、処理後の排気ガス中に残存する、有害ガスの
分解剤であるオゾンも容易に分解、無害化することがで
き、殆ど大気汚染を起こすことのない完壁な排気ガス処
理装置とすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付した図面に基づいて具体的に説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。ここで、図1は本
発明の排気ガス処理装置の構成例を示す概要図である。
【0020】各種プロセスから発生する有害ガスを含む
排気ガスを吸収および/または分解処理するためには、
吸収塔5を用いる湿式法が一般的である。吸収塔5へ排
気ガスを送る方法としては、プロセスから排気ガスを排
気ガス処理装置1の排気ガス導入管3を通って排気ガス
ファン2を用いて吸収塔5へ押し込む方法、あるいは吸
収塔5の下流に排気ガスファン(不図示)を設置して吸
収する方法があるが、そのいずれでもよい。
【0021】本発明の最大の特徴は、吸収塔出口から排
出される処理後の排気ガスの一部を吸収塔の入口側に戻
すこと、すなわち処理後の排気ガスを循環させることに
ある。先ず、プロセスからの排気ガスの流れは、排気ガ
ス導入管3から排気ガスファン2により吸収塔5の塔底
に導入され、上昇して気液接触部10を通過し塔頂より
循環ファン6に引かれて塔底に戻されて循環し、これを
繰り返す。循環回数を重ねるに従って吸収率は向上し、
ある平衡値に到達し、高い吸収率を維持することができ
る。循環ファン6の吐出側では、処理された排気ガス
(処理排ガスということがある)の一部は、そのまま処
理排ガス管9を通して大気放出するか、あるいは吸着処
理器7またはオゾン分解処理器8を通して大気放出する
ことになる。そして大気放出量に見合う量の排気ガスが
排気ガス導入管3を通して排気ガスファン2により吸収
塔5に導入される。この場合、図1では吸着処理器7と
オゾン分解処理器8は、並列的に配置されているが、直
列的に配置してもよい。
【0022】吸収塔5は塔内に気液接触効率を高める気
液接触部10を設けて、該気液接触部10の上部から吸
収液を吸収液散水管12を通して散水する。この時、該
気液接触部10の下部からは有害ガスを含む排気ガスが
導入され、気液接触部を介して吸収液と排気ガスは交流
接触し、排気ガス中の有害ガスは吸収液に吸収されて塔
底に溜り、脱有害ガスは上記のように塔頂より循環系に
回る。塔底に溜った吸収液は、吸収液循環ポンプ11に
より吸収液散水管12を経て再びスプレーされる。この
ように吸収液は循環してある濃度に達するまで有害ガス
を吸収し、循環系の途中から少しづつ排出される。新吸
収液は、排水量に見合う量が吸収液供給管13を通して
供給される。
【0023】この気液接触部10において気液接触させ
る方法としては、スリット板、多孔板あるいは泡鐘板等
を用いて液中に排気ガスをバブリングするスクラバー方
式、スプレーノズルや分散板によって排気ガス中に吸収
液を散水する方法、充填物を積み重ねた充填層で気液を
交流させる方法等が挙げられるが、いずれの方法でもよ
い。
【0024】排気ガスと接触する吸収液は、塔外部から
吸収液供給管13を通して新しく供給する吸収液でも良
いが、吸収液循環ポンプ11を用いて、吸収、分解に用
いた液をそのまま循環使用してもよい。吸収液は処理す
る排気ガス中の有害ガスの種類、物性、反応性に応じて
使い分ける必要があり、例えば、有害ガスがモノシラン
ガスの場合は、水にはあまり溶けず、反応しないので稀
アルカリ水溶液で加水分解させるか、あるいはオゾンガ
スによって酸化させ、反応生成物の酸化シリコンを水で
捕集してもよい。
【0025】吸収塔5によって吸収または分解処理を終
えた排気ガスは、有害ガスの含有量が大気に放出しても
よいレベルにまで低減していれば、そのまま大気放出し
てもよいが、十分低減できない場合は、循環ファン6の
下流側に設けた吸着処理器7を通して吸着処理すること
によって大気放出可能なレベルにまで有害ガス濃度を下
げることが可能である。
【0026】また、例えばモノシランガスのように、有
害ガスが酸化され易いガスの場合、オゾンで酸化処理す
ることができる。この場合、排気ガスまたは循環ガスが
吸収塔5の気液接触部10を通過する前段に空気および
/またはオゾン導入管4を設けてオゾンを添加すること
でシランガスは容易に酸化され、反応生成物の酸化シリ
コンは、即座に吸収液(水)に補集される。ここで、未
反応のオゾンは放置すれば自然に分解するが、出口直後
で無害化し、大気放出可能なレベルにまでオゾン濃度を
下げることが必要であれば、塔出口の排気管にオゾンを
分解処理するオゾン分解処理器8を設けることができ
る。オゾンを分解するには、オゾン分解触媒を用いれば
よいが、このような触媒としては、通常酸化マンガン
系、白金系のものが使用される。
【0027】このいずれの場合も、本発明の排気ガス循
環方式によって、大気放出される処理排ガス量は大幅に
減少し、含有有害ガス量あるいはオゾン濃度も低下して
いるので、吸着処理器7もオゾン分解処理器8も、小型
化することができ、設備費やランニングコストを低減す
ることができる。
【0028】次に本発明の吸収塔を通過した排気ガスを
再度入口側に戻す循環方式による吸収率の向上について
説明する。先ず、従来のワンパス方式では、処理すべき
プロセスからの排気ガス流量をL0 [sL/min、s
L:standard litre]とし、希釈ガス流量L[sL/m
in]と混合し、合計流量(L0 +L)で吸収塔に導入
し、有害ガスを吸収処理して通過させ、排気ガス中有害
ガスの入口濃度C0 [%]の内、未処理のまま通過する
割合を通過率α[−]とした場合、出口では処理排ガス
濃度はC0 α、流量は[L0 −L00 (1−α)]+
Lとなるが、有害ガス濃度が低くて、通過率が高い(吸
収率が低い)場合は吸収処理量は無視出来るのでL0
Lとなる。
【0029】これに対して、本発明では、図2の物質収
支図に示したように、処理すべきプロセスからの排気ガ
ス流量をL0 、含まれる有害ガス濃度をC0 、吸収塔の
出口からの戻り循環ガス流量をLn 、濃度をCn 、吸収
塔通過率をα、循環回数をn、吸収塔出口直後の出口処
理ガス流量をL0 +Ln 、濃度をCn+1 とする時、この
系からの処理排ガスは流量L0 、濃度はCn+1 となる。
【0030】吸収塔の出入り口の収支から、循環ガス中
の有害ガス濃度Cn を求める。 (L00 +Lnn )α=(L0 +Ln )Cn+1n+1 =(L00 +Lnn )α/(L0 +Ln ) =(αLn /L0 +Ln )Cn +(αL00 /L0 +Ln ) =ACn +B Cn =ACn-1 +B =A(ACn-2 +B)+B=A2n-2 +AB+B =A2 (ACn-3 +B)+AB+B=A3n-3 +A2 B+AB+B =An0 +B(An-1n-2 + ‥‥‥‥1) =An0 +(1−An )/(1−A)B ここで、nを∞とおけば、 Cn =B/(1−A)となる。A、Bを元に戻すと、 Cn =(αL00 /L0 +Ln )/1−(αLn /L0 +Ln ) =αL00 /(L0 +Ln −αLn ) =αL00 /[L0 +Ln (1−α)]………(1)
【0031】例えば、仮にモノシラン(SiH4 )ガス
を処理するとして、吸収塔の通過率αを0.4、有害ガ
ス濃度C0 を1%、排気ガス流量L0 を50sL/mi
n、循環ガス流量Ln を2950sL/minとして、
数式(1)に代入して計算すると、Cn =110pp
m、処理排ガス流量L0 =50sL/min、排出シラ
ン流量Cn0 =0.0055sL/minとなる。
【0032】ちなみに、従来のワンパス処理方法では、
吸収塔の通過率αを0.4、有害ガス濃度C0 を1%、
排気ガス流量L0 を50sL/min、希釈空気流量L
を2950sL/minとすると、Cn =67ppm、
処理排ガス流量L0 +L=3000sL/min、処理
排出シラン流量がCn (L0 +L)=0.2sL/mi
nとなる。従って、本発明では排出シラン濃度は約1.
6倍と高くなるが、処理排ガス流量は大幅に減少する結
果、処理排出シラン流量は約1/36となる。また、有
害ガスの除去率でみると、従来60%であったものが9
8.9%まで向上する。
【0033】別の例として、吸収塔の通過率αを0.0
5(5%)、有害ガス濃度C0 を1%、排気ガス流量L
0 を50sL/min、循環ガス流量Lを2950sL
/minとして、数式(1)に代入して計算すると、C
n =8.8ppm、処理排ガス流量L0 =50sL/m
in、処理排出シラン流量がCn0 =0.00044
sL/minとなる。従って、有害ガスの除去率でみる
と、従来95%であったものが99.9%まで向上す
る。
【0034】また、モノシランガスのTLV−TWA値
(人体暴露許容限度)は5ppmであり、濃度の点では
上記の二例ではこの値に達しないため、一般的には処理
排ガスをさらに空気で希釈してこの値を満足させている
が、出口の排気管に吸着処理器を設置して解決すること
ができる。従来は、排ガス流量が多いため除害効率を高
めるために、出口側に吸着塔を設置しようとしても非常
に大型の装置が必要であった。しかしながら、本発明で
は、出口の処理排ガス流量が入口側の排気ガス流量とほ
ぼ等しくなるため、極めて小型の吸着器で吸着処理する
ことが可能となるため、設備費も、ランニングコストも
安くすることができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例を挙げて、
本発明を詳細に説明するが、これらは本発明を限定する
ものではない。 (実施例1)内容積4m3 のスリット棚段を有するバブ
リング式スクラバー型排気ガス処理装置を用い、半導体
プロセスから排出される排気ガス中のモノシラン(Si
4)を湿式処理した。この装置は、気液接触効率等の
点から処理風量が標準で4m3 /minと設計されてい
る。
【0036】半導体プロセスから排出されるシランガス
を0.5%含む窒素ガスを50sL/min導入し、処
理排ガスの大部分を循環ガスラインに回し、循環ガス流
量を3950sL/minとして吸収塔に送入し、0.
5%のシランガスを50sL/min導入しつつ、処理
排ガスを流量50sL/minで大気放出した。吸収液
は稀アルカリ水溶液を流量2L/minで循環した。こ
の状態で運転を200時間続けたところ、平衡時の、吸
収率は平均99.18%(通過率:0.0082)であ
り、処理排ガス濃度は41ppmであった。従って、排
出シランの絶対量は2.1mL/minとなる。さら
に、循環ガスファンの吐出側に活性炭を充填したシラン
ガス吸着処理器を取り付け、処理排ガスを50sL/m
inの流量で吸着処理したところ、シランガス濃度は検
知管による検出限度の1ppm以下であった。
【0037】(比較例1)実施例1の排気ガス処理装置
において、循環ガスラインを閉鎖し、塔出口から直接大
気放出するワンパス方式とし運転した。半導体プロセス
から排出されるシランガスを0.5%含む窒素ガスを5
0sL/min導入し、これに希釈用空気を3950s
L/min混合して吸収塔に送入し、吸収処理して全量
をそのまま排出するようにした。吸収液は稀アルカリ水
溶液を流量2L/minで循環した。この状態で運転を
200時間続けたところ、平衡時の、吸収率は平均60
%(通過率:0.4)であり、処理排ガス濃度は25p
pmであった。従って、排出シランの絶対量は100m
L/minとなる。
【0038】(実施例2)プロセスからの0.5%のシ
ランガスを含む排気ガスに、100g/m3 のオゾンを
含む酸素ガスを8sL/min混入し、吸収液を水と
し、シランガス吸着処理器7の入口を閉じた以外は、実
施例1と同じ条件と処理ガス循環装置でシランガスを酸
化分解した。この状態で運転を100時間続けたとこ
ろ、平衡時の、吸収率は平均99.98%(通過率:
0.0002)であり、処理排ガス中シラン濃度は1p
pmであり、オゾンが0.2g/m3 残留していた。そ
こで酸化マンガン系の触媒を充填したオゾン分解処理器
8を接続して分解処理して排出した。
【0039】尚、本発明は、上記実施形態に限定される
ものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の
特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0040】例えば、本発明の排気ガス処理方法および
処理装置は、前述の半導体プロセス等のみに適用される
ものではない。処理後の排ガスの一部を吸収塔の入口側
に戻すようにするものは、本発明の範囲である。また、
本発明で戻す排ガス量は、殆ど全部を戻すのが望ましい
が、そのような場合に限定されるものではない。目的に
応じて排ガスの一部を戻すようにするものは本発明の範
囲である。さらに、本発明でいう吸収塔は、この名称に
拘泥されるものではない。湿式で排気ガスを吸収、分解
するものであれば、本発明の範囲であり、名称が充填塔
等その他であっても、本発明と同一のものであることは
言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、プロセス
より排出される排気ガス中に含まれる有害ガスを吸収塔
を用いて吸収および/または分解する場合に、該吸収塔
出口から排出される処理後の排気ガスの一部を吸収塔の
入口側に戻すようにしたので、有害ガスの吸収率が大幅
に上昇し、除害効率は著しく向上した。また、系からの
処理排ガス流量はプロセスから導入する排気ガス流量と
ほぼ等しくすることができるので、従来の湿式処理方法
と比較して著しく処理排ガス流量を減少し、処理排ガス
の最終濃度調整用に補助的に使用する吸着処理器も小型
化することができ、さらにクリーンルームからクリーン
エアを大量に導入して希釈する必要もなくなり、設備費
とランニングコストトを大幅に低減することができる。
また、本発明によりオゾンによる酸化分解反応が適用可
能な有害ガスの場合は、有害ガスの除害効率が向上する
と共に、処理排ガス中の残存オゾンのオゾン分解処理器
を接続すれば、オゾンを排出することもなく、有害ガス
処理能力の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気ガス処理装置の構成例を示す概要
図である。
【図2】本発明に関わる排気ガスの処理装置における物
質収支を示す図である。
【符号の説明】
1…排気ガス処理装置、2…排気ガスファン、3…排気
ガス導入管、4…空気および/またはオゾン導入管、5
…吸収塔、6…循環ファン、7…吸着処理器、8…オゾ
ン分解処理器、9…処理排ガス排出管10…気液接触
部、11…吸収液循環ポンプ、12…吸収液散水管、1
3…吸収液供給管、14…吸収液排出管。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロセスより排出される排気ガス中に含
    まれる有害ガスを吸収塔を用いて吸収および/または分
    解する排気ガスの処理方法において、該吸収塔出口から
    排出される処理後の排気ガスの一部を吸収塔の入口側に
    戻すことを特徴とする排気ガス処理方法。
  2. 【請求項2】 前記吸収塔出口から排出される処理後の
    排気ガスの内、大気放出分中に残存する有害ガスを吸着
    剤で吸着処理することを特徴とする請求項1に記載の排
    気ガス処理方法。
  3. 【請求項3】 前記有害ガスが酸化分解され易いガスで
    ある場合、前記吸収塔内の気液接触部分の手前で、排気
    ガスにオゾンを導入することを特徴とする請求項1また
    は請求項2に記載の排気ガス処理方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化分解され易い有害ガスの処理方
    法において、前記吸収塔の出口から排出される処理後の
    排気ガスの内、大気放出分中に残存するオゾンをオゾン
    分解剤で分解することを特徴とする請求項3に記載した
    排気ガス処理方法。
  5. 【請求項5】 プロセスより排出される排気ガス中に含
    まれる有害ガスを吸収および/または分解する吸収塔を
    具備する排気ガス処理装置において、該吸収塔出口から
    排出される処理後の排気ガスの一部を吸収塔の入口側に
    戻す配管構造を有することを特徴とする排気ガス処理装
    置。
  6. 【請求項6】 前記吸収塔出口から排出される処理後の
    排気ガスの内、大気放出分を放出する排気管に、有害ガ
    スを吸着する吸着処理器を配置したことを特徴とする請
    求項5に記載の排気ガス処理装置。
  7. 【請求項7】 前記有害ガスが酸化分解され易いガスで
    ある場合、前記吸収塔内の気液接触部分の手前で、排気
    ガスにオゾンを導入するオゾン導入管を設けることを特
    徴とする請求項5または請求項6に記載の排気ガス処理
    装置。
  8. 【請求項8】 前記酸化分解され易い有害ガスの処理装
    置であって、前記吸収塔の出口から排出される処理後の
    排気ガスの内、大気放出分を放出する排気管に、オゾン
    を分解するオゾン分解処理器を配置したことを特徴とす
    る請求項7に記載した排気ガス処理装置。
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