JP2000058316A - 超電導磁石装置 - Google Patents

超電導磁石装置

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JP2000058316A
JP2000058316A JP10221803A JP22180398A JP2000058316A JP 2000058316 A JP2000058316 A JP 2000058316A JP 10221803 A JP10221803 A JP 10221803A JP 22180398 A JP22180398 A JP 22180398A JP 2000058316 A JP2000058316 A JP 2000058316A
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Japan
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superconducting coil
superconducting
current switch
magnet device
permanent current
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JP10221803A
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English (en)
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Ken Sasaki
謙 佐々木
Tomohisa Yamashita
知久 山下
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Toshiba Corp
Toshiba Transport Engineering Inc
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Transport Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】永久電流スイッチおよび永久電流スイッチと超
電導コイルの渡り線部の振動による発熱を極力小さく
し、さらに永久電流スイッチの各素子の負荷率に均一化
を図り、永久電流スイッチおよび永久電流スイッチと超
電導コイルの渡り線部の安定性を向上させること。 【解決手段】超電導導体を巻回してレーストラック状に
形成した超電導コイル6と、複数個の素子1a,1b からな
り超電導コイル6に流れる電流を永久電流モードにする
永久電流スイッチ1とを備えて構成される超電導磁石装
置において、永久電流スイッチ1を、超電導コイル6の
内周側で、かつ超電導コイル6の上部近傍に設置し、永
久電流スイッチ1を構成する複数個の素子1a,1b を、超
電導コイル6より発生する磁界環境がほぼ同等となる位
置に配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超電導コイルと、
複数個の素子からなる永久電流スイッチとを備えて構成
され、例えば超電導磁気浮上式鉄道等に利用される超電
導磁石装置に係り、特に永久電流スイッチおよび永久電
流スイッチと超電導コイルの渡り線部の振動による発熱
を極力小さくし、さらに永久電流スイッチの各素子の負
荷率を均一化して、永久電流スイッチおよび永久電流ス
イッチと超電導コイルの渡り線部の安定性を向上させる
ようにした超電導磁石装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、例えば超電導磁気浮上式鉄道等に
おいては、超電導磁石装置が多く利用されてきている。
以下、この種の従来の超電導磁石装置について、図8乃
至図10を用いて説明する。
【0003】図8は超電導磁石装置と浮上式鉄道の車体
との関係を示す概略図、図9は超電導磁石装置の全体構
成例を示す外観斜視図および磁石内部構成例を示す断面
図、図10は超電導コイル内槽および永久電流スイッチ
(以下、PCSと称する)の配置構成例を示す斜視図で
ある。
【0004】図8乃至図10において、磁気浮上式鉄道
の走行駆動システムは、車両21の台車29に搭載した
浮上・案内・推進用の超電導磁石装置27に対向して、
断面U字型のガイドウェイ28に設置した地上コイル2
2に車両21の走行に見合った周波数で交流通電を行な
い、車両21を走行させている。この時、超電導磁石装
置27は、浮上・推進力の他に、コイルのピッチと走行
速度によって決まる高周波の電磁変動による電磁気的な
外乱等により加振される。
【0005】超電導磁石装置27は、超電導コイル6を
収納している超電導コイル内槽容器5と、その超電導コ
イル6の中心部に永久電流モードの開閉動作を行なうP
CS1を収納しているPCS内槽容器9と、これら各内
槽容器5,9を覆って外部からの輻射による熱侵入を抑
える輻射熱シールド板26と、これらの各機器を収納
し、かつ断熱状態を保持するため内部真空状態にしてい
る外槽容器19、超電導コイル6およびPCS1を極低
温状態に保持するための冷凍機25、および冷却剤タン
ク23からなる冷却装置24とから構成されており、車
体下部の両側に、熱侵入が小さくかつ走行中に発生する
振動・衝撃に耐え得る十分な強度を持った荷重支持材4
により取付けられている。
【0006】超電導コイル6およびPCS1は、液体ヘ
リウム等の冷却剤12に浸されており、侵入熱や超電導
コイル6やPCS1の発熱によって蒸発し、ガス化した
冷却剤12は、ガス回収管11を通って冷凍機25に運
ばれ、再び液化されて冷却剤タンク23に戻される構成
となっている。
【0007】ところで、このような使用環境に耐え得る
PCS1の構成としては、信頼性の高いものが要求され
ることから、超電導線を内蔵ヒータの発熱によって強制
的にOFF(常電導化)状態にし、永久電流モードの電
流を減衰させる形で開閉動作を行なう熱式のものが主流
であり、例えば図11に示すような円盤形状の素子1a
を複数個積層して並列接続したタイプや、あるいは図1
2に示すような円筒形状の素子1bを複数個束ねて並列
接続したタイプ等の、素子多並列接続型のものが多く採
用されている。
【0008】そして、このタイプのPCS1は、通常使
用時の電流がIで、素子1a,1bの並列数がNの時、
臨界電流がI/(N−1)以上の超電導線を各素子1
a,1bに使用しており、何らかの擾乱によって各素子
1a,1bの一個がクエンチ(常電導に転移)しても、
残り(N−1)個の素子で電流Iを維持することができ
る構成になっている。
【0009】次に、超電導コイル6を永久電流モード
(永久磁石)にする方法について、図10を用いて簡単
に説明する。まず、PCS1をOFF状態にし、図示し
ない外部電源から、通電用電流リード7を通して、超電
導コイル6に所定の電流を通電する。
【0010】そして、この所定の電流に達した時点で、
PCS1をON(超電導化)状態にして、電源電流を0
にすると、超電導コイル6に流れている所定の電流は、
超電導コイル6、PCS1間を結ぶ渡り線部2a,2
b、および渡り線接続部3を通って、超電導コイル6、
PCS1間を循環し続ける。これを、永久電流モードと
称しており、超電導コイル6は、このようなプロセスを
経て直流の高磁界を半永久的に発生することができる。
なお、超電導コイル6間を結ぶ通電用電流リード7およ
び渡り線部2a,2bにも、通常、超電導線が用いられ
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、超電
導磁石装置27は、走行中に加振されるため、超電導コ
イル6は、ある周波数域で、曲げやねじり変形をする共
振状態になる。PCS1が、超電導コイル6や荷重支持
材4から離れている超電導コイル6の中心部に設置され
ていると、超電導コイル6とPCS1が相対振動し易
く、その結果、超電導コイル6よりも大きく振動する恐
れがある。特に、曲げ変形が大きくなる共振状態では、
PCS1が振幅の大きい腹の位置になることから、PC
S1が受ける振動が大きくなり易い。
【0012】また、超電導コイル6とPCS1間の渡り
線部2a,2bも長くなるため、振動の影響を受け易
い。そして、振動が大きくなると、それに伴なう機械的
あるいは電磁気的な発熱も大きくなるため、PCS1お
よび渡り線部2の温度が大幅に上昇する。その結果、超
電導線の安定性(温度マージン)が急激に低下すること
になるので、永久電流モードの安定性が損なわれる場合
がある。
【0013】超電導コイル6が共振しても、PCS1の
振動は、できるだけ小さくすることが必要である。しか
しながら、図10に示すような従来の超電導磁石装置で
は、超電導コイル6のレーストラック巻線中心10から
PCS1を構成する各素子1bの距離(X寸法)が異な
るため、各素子1bは、超電導コイル6より発生する磁
界環境が異なってくる。
【0014】超電導線の臨界電流値(通電できる限界
値)は、磁界環境によって異なってくるため、各素子1
bの負荷率(通電電流/臨界電流値)が異なり、負荷率
の高い素子ほどクエンチに至り易いというアンバランス
が生じている。
【0015】本発明の目的は、永久電流スイッチおよび
永久電流スイッチと超電導コイルの渡り線部の振動によ
る発熱を極力小さくし、さらに永久電流スイッチの各素
子の負荷率に均一化を図り、永久電流スイッチおよび永
久電流スイッチと超電導コイルの渡り線部の安定性を向
上させることが可能な超電導磁石装置を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明では、超電導導体を巻回してレー
ストラック状に形成した超電導コイルと、複数個の素子
からなり超電導コイルに流れる電流を永久電流モードに
する永久電流スイッチとを備えて構成される超電導磁石
装置において、永久電流スイッチを、超電導コイルの内
周側で、かつ当該超電導コイルの上部近傍に設置し、永
久電流スイッチを構成する複数個の素子を、超電導コイ
ルより発生する磁界環境がほぼ同等となる位置に配置し
ている。
【0017】ここで、特に上記永久電流スイッチを構成
する複数個の素子は、例えば請求項2に記載したよう
に、超電導コイルのレーストラック直線部の巻線中心に
対してほぼ同等の距離となる位置に配置することが好ま
しい。
【0018】従って、請求項1および請求項2の発明の
超電導磁石装置においては、永久電流スイッチを、超電
導コイルの内周側(巻線部で囲まれる範囲)で、かつ超
電導コイルの上部近傍に設置することにより、超電導コ
イルが、曲げやねじり変形が大きくなる共振状態で振動
した場合でも、永久電流スイッチおよび永久電流スイッ
チと超電導コイルの渡り線部は、振動の腹の位置にはな
いため、振動を小さくすることができる。
【0019】また、永久電流スイッチを構成する各素子
を、超電導コイルより発生する磁界環境がほぼ同等とな
る位置、すなわち例えば超電導コイルのレーストラック
直線部の巻線中心に対してほぼ同等の距離となる位置に
配置することにより、超電導コイルより発生する磁界環
境の差が小さくなるため、各素子の負荷率を同等にし
て、各素子の通電安定性を向上することができる。
【0020】一方、請求項3の発明では、上記請求項1
または請求項2の発明の超電導磁石装置において、永久
電流スイッチを収納している内槽容器を、当該永久電流
スイッチの開閉動作に伴なう発熱による冷却剤の蒸発ガ
スが超電導コイルに流入しないように、蒸発ガス回収用
のガス回収管に至るまで超電導コイルを収納している内
槽容器と分離する構成としている。
【0021】従って、請求項3の発明の超電導磁石装置
においては、永久電流スイッチを収納している内槽容器
を、蒸発ガス回収用のガス回収管に至るまで分離するこ
とにより、励磁、消磁時に伴なう永久電流スイッチ部の
発熱による冷却剤の蒸発ガスは、超電導コイルに触れて
超電導コイルを暖めることなく回収されるため、励磁、
消磁時の超電導コイルの通電安定性を向上させることが
できる。
【0022】また、請求項4の発明では、上記請求項1
または請求項2の発明の超電導磁石装置において、超電
導コイルと永久電流スイッチのリード線の接続部を、当
該接続部を流れる電流の方向が超電導コイルより発生す
る磁界の向きとほぼ平行となるように設置している。
【0023】従って、請求項4の発明の超電導磁石装置
においては、超電導コイルと永久電流スイッチのリード
線の接続部を流れる電流の方向が、超電導コイルより発
生する磁界の向きとほぼ平行となるようにすることによ
り、磁束と直交する場合に比べて磁気抵抗効果を低減で
きるため、接続部の抵抗値を低減することができ、超電
導コイルのインダクタンスと抵抗で決まる永久電流モー
ドの減衰率を小さく抑えることができる。
【0024】さらに、請求項5の発明では、上記請求項
1または請求項2の発明の超電導磁石装置において、超
電導コイルと永久電流スイッチの渡り線の接続部を、当
該接続部の磁界環境が永久電流スイッチ本体よりも小さ
くなる位置に設置している。
【0025】従って、請求項5の発明の超電導磁石装置
においては、超電導コイルと永久電流スイッチの渡り線
の接続部を、接続部の磁界環境が永久電流スイッチ本体
よりも小さくなる位置に設置することにより、接続部の
電流の向きに関係なく、接続部の抵抗値を低く抑えるこ
とができる。
【0026】また、請求項6の発明では、上記請求項1
または請求項2の発明の超電導磁石装置において、超電
導コイルと永久電流スイッチの渡り線の接続部の内部構
成としては、超電導コイル側の渡り線を中央に配置して
その両端に永久電流スイッチ側の渡り線と電流リードを
配置するか、または永久電流スイッチ側の渡り線を中央
に配置してその両端に超電導コイル側の渡り線と電流リ
ードを配置するようにしている。
【0027】従って、請求項6の発明の超電導磁石装置
においては、超電導コイル側の渡り線を中央に配置して
その両端に永久電流スイッチ側の渡り線と電流リードを
配置するか、または永久電流スイッチ側の渡り線を中央
に配置してその両端に超電導コイル側の渡り線と電流リ
ードを配置することにより、接続部の抵抗値をより一層
小さくすることができる。
【0028】さらに、請求項7の発明では、上記請求項
1または請求項2の発明の超電導磁石装置において、永
久電流スイッチの固定軸が、超電導コイルを固定する支
持材を兼ねる構成としている。
【0029】従って、請求項7の発明の超電導磁石装置
においては、永久電流スイッチの固定軸が、超電導コイ
ルを固定する支持材を兼ねることにより、永久電流スイ
ッチに加わる振動をより一層抑制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 (第1の実施の形態)図1は、本実施の形態による超電
導磁石装置の構成例を示す斜視図であり、図8乃至図1
2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0031】なお、図1では、外槽容器、およびシール
ド板については、その図示を省略している。図1におい
て、前記図12に示すような円筒形状の複数個の素子1
bからなるPCS1を、超電導コイル6の内周側(巻線
部で囲まれる範囲)で、かつ超電導コイル6の中心上部
近傍に設置し、さらにPCS1を構成する各素子1b
を、超電導コイル6より発生する磁界環境がほぼ同等と
なる位置、すなわち例えば超電導コイル6のレーストラ
ック直線部の巻線中心10aに対してほぼ同等の距離
(図中寸法X)となる位置に配置している。
【0032】また、PCS内槽容器9は、補強板14と
一体にしている。さらに、超電導コイル内槽容器5は、
支持フレーム8により、荷重支持材4に固定している。
【0033】次に、以上のように構成した本実施の形態
の超電導磁石装置においては、PCS1を、超電導コイ
ル6の内周側で、かつ超電導コイル6の上部近傍に設置
していることにより、振動は小さくなる。
【0034】また、PCS1を、超電導コイル6の上部
近傍に設置していることにより、超電導コイル6、PC
S1間を結ぶ渡り線2a,2bは、その長さが短くな
り、振動の影響を受け難い。
【0035】よって、超電導コイル6が、曲げやねじり
変形が大きくなる共振状態で振動した場合でも、PCS
1および超電導コイル6、PCS1間を結ぶ渡り線2
a,2b部において、振動による発熱が低減するため、
その安定性が向上する。
【0036】さらに、PCS1の各素子1bは、超電導
コイル6のレーストラック直線部の巻線中心10a付近
にあり、かつ巻線中心10aからほぼ同等の距離となる
位置に設置していることにより、超電導コイル6より発
生する磁界環境の差が小さくなるため、各素子1bの負
荷率を同等にして、各素子1bの通電安定性を向上させ
ることができる。
【0037】上述したように、本実施の形態の超電導磁
石装置では、PCS1および超電導コイル6とPCS1
の渡り線2a,2b部の振動による発熱を極力小さく
し、さらにPCS1を構成する各素子1bの負荷率の均
一化を図り、PCS1および超電導コイル6とPCS1
の渡り線2a,2b部の安定性を向上させることが可能
となる。
【0038】(第2の実施の形態)図2は、本実施の形
態による超電導磁石装置の構成例を示す斜視図であり、
図8乃至図12と同一部分には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0039】なお、図2では、外槽容器、およびシール
ド板については、その図示を省略している。図2におい
て、前記図11に示すような円盤形状の複数個の素子1
aを積層してなるPCS1を、超電導コイル6の内周側
(巻線部で囲まれる範囲)で、かつ超電導コイル6の中
心上部近傍に設置し、さらにPCS1を構成する各素子
1aを、超電導コイル6より発生する磁界環境がほぼ同
等となる位置、すなわち例えば超電導コイル6のレース
トラック直線部の巻線中心10aに対してほぼ同等の距
離(図中寸法X)となる位置に配置している。
【0040】また、PCS1を収納しているPCS内槽
容器9を、PCS1の開閉動作に伴なう発熱による冷却
剤12の蒸発ガスが超電導コイル6に流入しないよう
に、蒸発ガス回収用のガス回収管11に至るまで超電導
コイル6を収納している超電導コイル内槽容器5と分離
する構成としている。
【0041】さらに、PCS1の固定軸は、超電導コイ
ル6の前後方向を固定する支持材4aを兼ねた構成とし
ている。図3は、図2における断面図である。
【0042】図3に示すように、超電導コイル6とPC
S1の渡り線2の接続部3を、超電導コイル6側面で、
かつ超電導コイル6より発生する磁界と接続部3を流れ
る電流の向きとがほぼ平行(好ましくは、30°以下で
あればよい)となるように設置している。
【0043】図4および図5は、渡り線2a,2bおよ
び電流リード7の接続部の構成例を示す断面図である。
図4および図5に示すように、超電導コイル6側の渡り
線2aとPCS1側の渡り線2bは、内部で隣合わせに
なっている構成とすることが好ましい。
【0044】すなわち、図4に示すように、超電導コイ
ル6側の渡り線2aを中央に配置して、その両端にPC
S1側の渡り線2bと電流リード7を配置するか、また
は図5に示すように、PCS1側の渡り線2bを中央に
配置して、その両端に超電導コイル6側の渡り線2aと
電流リード7を配置するようにしている。
【0045】次に、以上のように構成した本実施の形態
の超電導磁石装置においては、PCS1を、超電導コイ
ル6の内周側で、かつ超電導コイル6の上部近傍に設置
していることにより、振動は小さくなる。
【0046】また、PCS1を、超電導コイル6の上部
近傍に設置していることにより、超電導コイル6、PC
S1間を結ぶ渡り線2a,2bは、その長さが短くな
り、振動の影響を受け難い。
【0047】よって、超電導コイル6が、曲げやねじり
変形が大きくなる共振状態で振動した場合でも、PCS
1および超電導コイル6、PCS1間を結ぶ渡り線2
a,2b部において、振動による発熱が低減するため、
その安定性が向上する。
【0048】さらに、PCS1の各素子1aは、超電導
コイル6のレーストラック直線部の巻線中心10a付近
にあり、かつ巻線中心10aからほぼ同等の距離となる
位置に設置していることにより、超電導コイル6より発
生する磁界環境の差が小さくなるため、各素子1aの負
荷率を同等にして、各素子1aの通電安定性を向上させ
ることができる。
【0049】一方、超電導コイル6の超電導導体は、内
部の超電導フィラメントと、それを包む銅等の安定化母
材とから構成されている。また、銅等の材料は、磁束と
直交すると抵抗値が高くなる性質がある(これを磁気抵
抗効果と称している)。そのため、超電導コイル6とP
CS1の渡り線2a,2bの接続部3では、銅等の母材
を介して電流が流れるため、磁界と直交すると接続部3
の抵抗値が高くなってしまう。
【0050】この点、本実施の形態では、超電導コイル
6とPCS1の渡り線2a,2bの接続部3を流れる電
流の向きが、超電導コイル6より発生する磁界とほぼ平
行(30°以下)となるようにしていることにより、磁
束と直交する場合に比べて磁気抵抗効果を低減できるた
め、接続部3の抵抗値を低減することができ、超電導コ
イル6のインダクタンスと抵抗で決まる永久電流モード
の減衰率を小さく抑えることができる。
【0051】また、超電導コイル6とPCS1の渡り線
2a,2bの接続部3の内部構成としては、超電導コイ
ル6側の渡り線2aを中央に配置し、その両端にPCS
1側の渡り線2bと電流リード7を配置するか、または
PCS1側の渡り線2bを中央に配置し、その両端に超
電導コイル6側の渡り線2aとリード線7を配置するよ
うにしていることにより、接続部3の抵抗値をより一層
小さくすることができる。
【0052】すなわち、例えば図6に示すように電流リ
ード7を配置した構成では、永久電流モードの時、超電
導コイル6とPCS1の電流循環の間に電流リード7を
介すことになるため、図4、図5に示すような構成に比
べて、接続部3の抵抗値が高くなり好ましくない。
【0053】なお、図4、図5に示すような構成では、
接続部3は、比抵抗の小さい銅等からなる母材31に覆
われているが、母材3のない構成でも十分効果が得られ
るものである。
【0054】一方、PCS1を収納しているPCS内槽
容器9を、蒸発ガス回収用のガス回収管11に至るまで
分離していることにより、励磁、消磁時に伴なうPCS
1部の発熱による冷却剤12の蒸発ガスは、超電導コイ
ル6に触れて超電導コイル6を暖めることなく回収され
るため、励磁、消磁時の超電導コイル6の通電安定性を
向上させることができる。
【0055】また、PCS1の固定軸30は、超電導コ
イル6を固定する支持材4aを兼ねていることにより、
PCS1に加わる振動をより一層抑制することができ
る。上述したように、本実施の形態の超電導磁石装置で
は、前記第1の実施の形態の効果に加えて、超電導コイ
ル6とPCS1の渡り線2a,2bの接続部3の抵抗値
を低減して、超電導コイル6のインダクタンスと抵抗で
決まる永久電流モードの減衰率を小さく抑えることが可
能となる。
【0056】また、励磁、消磁時の超電導コイル6の通
電安定性を向上させることが可能となる。さらに、PC
S1に加わる振動をより一層抑制することが可能とな
る。
【0057】(第3の実施の形態)図7は、本実施の形
態による超電導磁石装置の構成例を示す斜視図であり、
図8乃至図12と同一部分には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0058】なお、図7では、外槽容器、およびシール
ド板については、その図示を省略している。図7におい
て、前記図12に示すような円筒形状の複数個の素子1
bからなるPCS1を、超電導コイル6の内周側(巻線
部で囲まれる範囲)で、かつ超電導コイル6の中心上部
近傍に設置し、さらにPCS1を構成する各素子1b
を、超電導コイル6より発生する磁界環境がほぼ同等と
なる位置、すなわち例えば超電導コイル6のレーストラ
ック直線部の巻線中心10aに対してほぼ同等の距離
(図中寸法X)となる位置に配置している。
【0059】また、PCS1を収納しているPCS内槽
容器9を、PCS1の開閉動作に伴なう発熱による冷却
剤12の蒸発ガスが超電導コイル6に流入しないよう
に、蒸発ガス回収用のガス回収管11に至るまで超電導
コイル6を収納している超電導コイル内槽容器5と分離
する構成としている。
【0060】さらに、超電導コイル6とPCS1の渡り
線2a,2bの接続部3を、PCS1よりも、接続部3
の磁界環境がPCS1本体よりも小さくなる位置、すな
わち超電導コイル6より発生する磁界の低い位置に設置
する構成としている。
【0061】次に、以上のように構成した本実施の形態
の超電導磁石装置においては、PCS1を、超電導コイ
ル6の内周側で、かつ超電導コイル6の上部近傍に設置
していることにより、振動は小さくなる。
【0062】また、PCS1を、超電導コイル6の上部
近傍に設置していることにより、超電導コイル6、PC
S1間を結ぶ渡り線2a,2bは、その長さが短くな
り、振動の影響を受け難い。
【0063】よって、超電導コイル6が、曲げやねじり
変形が大きくなる共振状態で振動した場合でも、PCS
1および超電導コイル6、PCS1間を結ぶ渡り線2
a,2b部において、振動による発熱が低減するため、
その安定性が向上する。
【0064】また、PCS1の各素子1bは、超電導コ
イル6のレーストラック直線部の巻線中心10a付近に
あり、かつ巻線中心10aからほぼ同等の距離となる位
置に設置していることにより、超電導コイル6より発生
する磁界環境の差が小さくなるため、各素子1bの負荷
率を同等にして、各素子1bの通電安定性を向上させる
ことができる。
【0065】さらに、PCS1は、超電導導体で構成さ
れているため、磁界の影響による抵抗の上昇はないが、
接続部3は、前述したように磁界の影響を受け易いこと
から、超電導コイル6から受ける磁界の小さい所に設置
していることにより、接続部3の電流の向きに関係な
く、接続部3の抵抗値を低く抑えることができ、接続部
3の通電安定性を向上させることができる。
【0066】上述したように、本実施の形態の超電導磁
石装置では、前記第1の実施の形態の効果に加えて、P
CS1の各素子1bの負荷率を同等にして、各素子1b
の通電安定性を向上させることが可能となる。さらに、
接続部3の電流の向きに関係なく、接続部3の抵抗値を
低く抑えて、接続部3の通電安定性を向上させることが
可能となる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導磁
石装置によれば、永久電流スイッチおよび永久電流スイ
ッチと超電導コイルの渡り線部の振動による発熱を極力
小さくし、さらに永久電流スイッチの各素子の負荷率に
均一化を図り、永久電流スイッチおよび永久電流スイッ
チと超電導コイルの渡り線部の安定性を向上させること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導磁石装置の第1の実施の形
態を示す斜視図。
【図2】本発明による超電導磁石装置の第2の実施の形
態を示す斜視図。
【図3】本発明による超電導磁石装置の第2の実施の形
態を示す断面図。
【図4】同第2の実施の形態の超電導磁石装置における
渡り線およびリードの接続構成の一例を示す断面図。
【図5】同第2の実施の形態の超電導磁石装置における
渡り線およびリードの接続構成の他の例を示す断面図。
【図6】同第2の実施の形態の超電導磁石装置における
作用効果を説明するための断面図。
【図7】本発明による超電導磁石装置の第3の実施の形
態を示す斜視図。
【図8】超電導磁石装置と浮上式鉄道の車体との関係を
示す概略図。
【図9】超電導磁石装置の全体構成例を示す外観斜視
図。
【図10】従来の超電導磁石装置における超電導コイル
およびPCSの設置構成例を示す斜視図。
【図11】円盤形状のスイッチ要素を複数個積層し並列
接続したPCSの構成例を示す斜視図。
【図12】円筒形状のスイッチ要素を複数個束ねて並列
接続したPCSの構成例を示す斜視図。
【符号の説明】
1…PCS、 1a…円盤形状の素子、 1b…円筒形状の素子、 2a…超電導コイル6側の渡り線、 2b…PCS1側の渡り線、 3…接続部、 4…荷重支持材、 4a…支持材、 5…超電導コイル内槽容器、 6…超電導コイル、 7…電流リード、 8…支持フレーム、 9…PCS内槽容器、 10…レーストラックの巻線中心、 10a…レーストラック直線部の巻線中心、 12…冷却剤、 14…補強板、 19…外槽容器、 21…車両、 22…地上コイル、 23…冷却剤タンク、 24…冷却装置、 25…冷凍機、 26…輻射熱シールド板、 27…超電導磁石装置、 28…ガイドウェイ、 29…台車、 30…PCS1の固定軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 知久 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 4M114 AA02 AA14 AA22 AA30 BB01 CC03 CC16 DA12 DB24 DB53

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超電導導体を巻回してレーストラック状
    に形成した超電導コイルと、複数個の素子からなり前記
    超電導コイルに流れる電流を永久電流モードにする永久
    電流スイッチとを備えて構成される超電導磁石装置にお
    いて、 前記永久電流スイッチを、前記超電導コイルの内周側
    で、かつ当該超電導コイルの上部近傍に設置し、 前記永久電流スイッチを構成する複数個の素子を、前記
    超電導コイルより発生する磁界環境がほぼ同等となる位
    置に配置したことを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の超電導磁石装置に
    おいて、 前記永久電流スイッチを構成する複数個の素子を、前記
    超電導コイルのレーストラック直線部の巻線中心に対し
    てほぼ同等の距離となる位置に配置したことを特徴とす
    る超電導磁石装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または請求項2に記載の超
    電導磁石装置において、 前記永久電流スイッチを収納している内槽容器を、当該
    永久電流スイッチの開閉動作に伴なう発熱による冷却剤
    の蒸発ガスが前記超電導コイルに流入しないように、前
    記蒸発ガス回収用のガス回収管に至るまで前記超電導コ
    イルを収納している内槽容器と分離する構成としたこと
    を特徴とする超電導磁石装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1または請求項2に記載の超
    電導磁石装置において、 前記超電導コイルと永久電流スイッチのリード線の接続
    部を、当該接続部を流れる電流の方向が前記超電導コイ
    ルより発生する磁界の向きとほぼ平行となるように設置
    したことを特徴とする超電導磁石装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1または請求項2に記載の超
    電導磁石装置において、 前記超電導コイルと永久電流スイッチの渡り線の接続部
    を、当該接続部の磁界環境が永久電流スイッチ本体より
    も小さくなる位置に設置したことを特徴とする超電導磁
    石装置。
  6. 【請求項6】 前記請求項1または請求項2に記載の超
    電導磁石装置において、 前記超電導コイルと永久電流スイッチの渡り線の接続部
    の内部構成としては、前記超電導コイル側の渡り線を中
    央に配置してその両端に前記永久電流スイッチ側の渡り
    線と電流リードを配置するか、 または、前記永久電流スイッチ側の渡り線を中央に配置
    してその両端に前記超電導コイル側の渡り線と電流リー
    ドを配置するようにしたことを特徴とする超電導磁石装
    置。
  7. 【請求項7】 前記請求項1または請求項2に記載の超
    電導磁石装置において、 前記永久電流スイッチの固定軸が、前記超電導コイルを
    固定する支持材を兼ねる構成としたことを特徴とする超
    電導磁石装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017530328A (ja) * 2014-09-08 2017-10-12 シーメンス ヘルスケア リミテッドSiemens Healthcare Limited 極低温冷却用の装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017530328A (ja) * 2014-09-08 2017-10-12 シーメンス ヘルスケア リミテッドSiemens Healthcare Limited 極低温冷却用の装置
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