JP2000058255A - 有機elモジュール - Google Patents

有機elモジュール

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JP2000058255A
JP2000058255A JP10241072A JP24107298A JP2000058255A JP 2000058255 A JP2000058255 A JP 2000058255A JP 10241072 A JP10241072 A JP 10241072A JP 24107298 A JP24107298 A JP 24107298A JP 2000058255 A JP2000058255 A JP 2000058255A
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organic
substrate
circuit
sealing plate
layer
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JP10241072A
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Takashi Tanaka
俊 田中
Hisashi Nakada
久士 中田
Hiroshi Yamamoto
洋 山本
Hiroshi Someya
拓 染谷
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Original Assignee
TDK Corp
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/84Passivation; Containers; Encapsulations
    • H10K50/841Self-supporting sealing arrangements

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  • Optics & Photonics (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL構造体への配線が最小となるような
回路構成が可能で、有機EL構造体や回路構成素子への
熱的ストレスが少なく、さらなる小型、薄型化が可能
で、高信頼性で、低コスト化を図れ、しかも製造が容易
で強度的にも優れた有機ELモジュールを提供する。 【解決手段】 基板1と、この基板1上に形成された有
機EL構造体と、この有機EL構造体を封止する封止板
2とを有し、前記基板1上の封止板2が配置されている
領域以外の部分には、有機EL構造体を駆動ないし制御
するための回路3,4の少なくとも一部を有し、この回
路を構成する回路構成素子3はチップオングラス実装さ
れている有機ELモジュールとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機EL素子に関
し、詳しくは、有機EL素子を用いてマトリクス表示を
行う有機ELモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機EL素子が盛んに研究されて
いる。これは、ホール注入電極上にトリフェニルジアミ
ン(TPD)などのホール輸送材料を蒸着により薄膜と
し、さらにアルミキノリノール錯体(Alq3 )などの
蛍光物質を発光層として積層し、さらにMgなどの仕事
関数の小さな金属電極(電子注入電極)を形成した基本
構成を有する素子で、10V前後の電圧で数100から
数10000cd/m2 ときわめて高い輝度が得られること
で注目されている。
【0003】ところで、従来よりLCD等のディスプレ
イを製造する場合、ディスプレイ本体部分と、これを駆
動する回路部分とを別々に組み立て、これを後からフレ
キシブルコネクター、エラスティックコネクター等によ
り接続し、一体としてディスプレイとしていた。
【0004】しかし、ディスプレイ本体と、駆動回路と
を別個に設けることとすると、その分余分にスペースを
必要とし、小型薄型に適した有機ELディスプレイの利
点を十分に発揮することができない。また、特にディス
プレイが大型化、高精細化した場合、駆動する走査線や
データ線等の電極本数が多くなり、それに応じて上記コ
ネクター類も大型化してしまう。このため、製造が困難
になると共に、接続するコネクタのライン数が増えるに
従い、接触不良や断線等の故障の発生率が多くなり信頼
性が低下してしまう。また、ケーブル等は、保護・絶縁
部材を外装しているために嵩張り、これを取り回すため
の余分なスペースがさらに必要になる。
【0005】このような問題を解決する手段として、ド
ライブ回路をフレキシブル基板上に実装したTCP(テ
ープキャリアパッケージ)を用いることが検討されてい
る。しかしながら、TCPそれ自体が高価であり、しか
もTCPを形成するフレキシブル基板と回路基板間の接
続時に、異方性導電フィルム、ペースト等の副材料を用
いて接続しなければならず、安定性を得るため余分なス
ペースを必要とし、取り個数の減少と、副材料のために
コスト高を招くといった問題を有していた。また、スペ
ースを有効に活用できないばかりか、依然としてTCP
を形成するためのスペースも必要であった。さらに、接
続のため、パネルに構造的な段差部分を生じてしまい、
モジュール体として組み立てる際の強度を確保するため
の設計が必要となり、薄型化を図る上での障害となって
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、有
機EL構造体への配線が最小となるような回路構成が可
能で、有機EL構造体や回路構成素子への熱的ストレス
が少なく、さらなる小型、薄型化が可能で、高信頼性
で、低コスト化を図れ、しかも製造が容易で強度的にも
優れた有機ELモジュールを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】ディスプレイ本体と、駆
動回路等とを一体とすれば余分なスペースが減少し、小
型薄型に適した有機ELディスプレイの利点を十分に発
揮することでき、信頼性も向上する。
【0008】ところで、有機ELディスプレイは、発光
素子としての有機EL構造体を保護するため、通常、発
光面とは反対側となる部分にガラス等の封止板を有す
る。この封止板は有機EL構造体成膜後に装着され、通
常、取り出し電極等の理由で、基板と封止板とでは面積
が異なり、基板上には封止板が配置されていない無駄な
領域が存在する。この、封止板の配置されていない領域
に、有機EL構造体を制御・駆動するための回路を形成
することにより、容易にディスプレイ本体と、駆動回路
等とを一体とすることができる。これにより、デッドス
ペースを有効に活用でき、より小型、薄型にすることが
できる。
【0009】また、この基板上に形成される制御・駆動
回路は、直接有機EL構造体の端子電極(走査電極、デ
ータ電極)を駆動するため、画面を構成する画素数に相
当する膨大な量の配線を、局所的に短距離で効率よく接
続することができる。このことは、電流駆動される有機
EL構造体を駆動する上で大きなメリットとなる。つま
り、電流(電力)を制御する回路部分を、負荷の近傍に
配置することができ、比較的大きな電流が流れ、しかも
膨大な量の配線をコンパクトかつ局所的に集約して構成
することができ、熱設計や、ノイズ対策等の面で大きな
メリットとなる。
【0010】また、最も多くの配線パターンを必要とす
る端子電極−駆動回路(IC)出力間の接続作業を、一
の配線について一回で済むこととなり、接触抵抗、実装
アライメントに要する時間等の面で有利である。
【0011】さらに、このような回路の形成される部分
を、保護部材で覆うことにより、外装材の剛性を多少低
下させてもパネルの剛性増加により、必要な強度を保つ
ことができる。
【0012】すなわち、上記目的は、以下の(1)〜
(5)の構成により実現される。 (1) 基板と、この基板上に形成された有機EL構造
体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを有し、
前記基板上の封止板が配置されている領域以外の部分に
は、有機EL構造体を駆動ないし制御するための回路の
少なくとも一部を有し、この回路を構成する回路構成素
子は、前記基板上に実装されている有機ELモジュー
ル。 (2) 前記回路構成素子は、少なくとも封止板端部か
ら0.1mm以上、基板端部から20mm以下の間隔をあけ
た領域に配置されている上記(1)または(2)の有機
ELモジュール。 (3) 基板と、この基板上に形成された有機EL構造
体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを有し、
前記基板上の封止板が配置されている領域以外の部分に
は、有機EL構造体を駆動ないし制御するための回路の
少なくとも一部を有し、この領域上に保護部材を有する
有機ELモジュール。 (4) 前記有機EL構造体を駆動ないし制御するため
の回路を構成する回路構成素子は、前記基板上に実装さ
れている上記(3)の有機ELモジュール。 (5) 前記回路構成素子は、少なくとも封止板端部か
ら0.3〜3mm、基板端部から0.3〜10mmの間隔を
あけた領域に配置されている上記(3)または(4)の
有機ELモジュール。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の有機ELディスプレイ
は、基板と、この基板上に形成された有機EL構造体
と、この有機EL構造体を封止する封止板とを有し、前
記基板上の封止板が配置されている領域以外の部分に
は、有機EL構造体を駆動ないし制御するための回路の
少なくとも一部を有し、この回路を構成する回路構成素
子は、前記基板上に実装されている。
【0014】また、本発明の有機ELモジュールは、基
板と、この基板上に形成された有機EL構造体と、この
有機EL構造体を封止する封止板とを有し、前記基板上
の封止板が配置されている領域以外の部分には、有機E
L構造体を駆動ないし制御するための回路の少なくとも
一部を有し、この領域上に保護部材を有していてもよ
い。
【0015】このように、基板上であって封止板の配置
されていない位置に有機EL構造体を制御ないし駆動す
るための回路を形成することにより、デッドスペースを
有効に活用することができ、有機EL構造体への配線を
必要最小限に、局所的に集約してコンパクトに形成で
き、その結果、熱やノイズに強く、しかもコンパクトで
薄いディスプレイとすることができる。
【0016】前記有機EL構造体を制御ないし駆動する
ための回路は、通常、回路パターン(配線)と、回路を
構成する回路構成素子とにより構成されている。回路構
成素子としては、通常の電子回路を構成する回路素子で
あれば特に限定されるものではないが、ここでは特に、
回路構成素子は、有機EL構造体の制御・駆動IC、ま
たはLSIを代表的なものとして例示する。これらのI
C(LSI)を実装する方法としては、ガラス基板であ
ればチップオングラス(COG)を好ましく挙げること
ができる。また、COGを用いる場合、通常、フェイス
ダウン法により、ガラス基板面上に実装される。COG
実装のための手法は、公知の手法、例えば異方性導電接
着剤、超音波バンプボンド、UV樹脂硬化収縮圧着等を
用いることができる。
【0017】また、前記回路上、つまり基板上であって
封止板の配置されていない位置に、保護部材を配置する
ことにより、回路構成素子を保護することができ、運搬
等が容易になると共に、有機EL表示モジュールの剛性
を高めることができ、外観上の美観も向上する。また、
この保護部材を放熱に利用することもできる。
【0018】また、前記回路上、つまり基板上であって
封止板の配置されていない位置に、放熱部材を配置する
ことにより、回路構成素子からの発熱を有効に放出、拡
散することができ、回路構成素子や、有機EL構造体を
熱的ストレスから保護することができる。有機EL構造
体のように電流駆動される素子を制御する回路構成素子
は、比較的大きな電流が流れるため、発熱量が多い。特
に、フェイスダウン法でCOG実装された回路構成素子
は、放熱効率が悪化する傾向にあり、自己の発熱により
素子自体が破壊されたり、有機EL構造体へ熱的ストレ
スを与える傾向が強い。従って、このような場合に特に
上記構造が有効となる。
【0019】次に、図を参照しつつ本発明の有機ELモ
ジュールについてより詳細に説明する。図1は、本発明
の有機ELモジュールの第1の構成例を示す外観斜視図
である。図において、本発明の有機ELモジュールは、
基板1と、この基板1上に形成されている有機EL構造
体(図示せず)と、この有機EL構造体上に所定間隔を
おいて配置され、封止用接着剤等で固定され、有機EL
構造体を密封する封止板2と、前記有機EL構造体を駆
動するための回路の少なくとも一部3、4を有する。有
機EL構造体を駆動するための回路は、通常、回路パタ
ーンないし端子4,および回路構成素子3により構成さ
れている。
【0020】また、必要によりコネクタ、端子等の外部
接続手段5を介して、フラットケーブル、フレキシブル
基板その他の信号伝達媒体6により、外部回路、例え
ば、ホストコンピュータ、主制御装置、コントロール
(スイッチ)パネル、バスライン等と接続されるように
なっている。
【0021】回路構成素子は、封止板端部からの距離を
aとし、基板端部からの距離をbとしたとき、少なくと
もaは0.1mm以上、特に0.3〜3mm、bは20mm以
下、特に0.3〜10mmの間隔をあけた領域に配置され
ていることが好ましい。回路構成素子から封止板までの
距離が近いと、有機EL構造体が回路構成素子の発熱に
よる影響を受けやすくなる。また、基板端部から回路構
成素子が離れすぎると基板上の領域を有効に活用し難く
なる。
【0022】さらに、好ましくは、前記有機EL構造体
を駆動するための回路、特に回路構成素子3は、樹脂保
護部材により、オーバーコートおよび/またはアンダー
フィル(素子の電極部分を含む側部から下部にかけてコ
ートする)され、保護される。このような樹脂保護部材
としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、フッ素樹脂等を挙げる
ことができる。
【0023】図2は、本発明の第2の構成例を示す概略
部分断面図である。図において、本発明の有機ELモジ
ュールは、基板1と、この基板1上に形成されている回
路パターン、および電極4と、有機EL構造体7と、こ
の有機EL構造体7上に所定間隔をおいて配置され、封
止用接着剤8等で固定・密封される封止板2と、回路パ
ターン4と端子3aを介して接続される回路素子3を有
する。また、好ましくは前記回路素子3を固定保護する
樹脂保護部材11と、前記回路素子3および樹脂保護部
材11を覆うように配置されている保護部材12とを有
する。この保護部材12は、好ましくは、基板1上の封
止板2が配置されていない領域を覆うように形成・配置
される。また、その高さは封止板2と略同じ位置となる
ことが好ましい。保護部材12は、複数のカシメ部12
aにより、基板表側(封止板の配置されていない側)に
て固定されている。
【0024】なお、保護部材12は、図示例のようにカ
シメ止めされる他、ネジ止めしたり、弾性部材(金属ピ
ン)等を用いて固定したり、接着したりしてもよい。
【0025】保護部材12の構成材料としては、樹脂保
護部材11より剛性があり、形状保持性を備えているも
のであれば特に規制されるものではないが、FRP、塩
化ビニル、アクリル、ポリカーボネート、ABS、ポリ
スチレン等の樹脂材料や、アルミニウム、銅、鉄、SU
S、黄銅等の金属材料、アルミナ、カーボン繊維等の無
機材料により形成することができる。保護部材12の放
熱効率を考慮した場合、上記金属材料を用いることが好
ましい。
【0026】保護部材12を有することにより、さらに
回路構成素子3や、パターン4を有効に保護することが
できると共に、モジュールの剛性を高め、新たな補強部
材を用いたり、剛性を確保するために基板や封止板を厚
くする必要がなくなる。
【0027】図3は、本発明の第3の構成例を示す概略
部分断面図である。この例では、第2の構成例に加え
て、基板1上の封止板2が配置されていない領域に、さ
らに多層基板13を配置している。多層基板13を配置
することにより、さらに基板1上の配線を簡単、かつシ
ンプルにすることができる。回路構成素子3の配線、特
にバスライン等のように、多数の回路を並列に接続する
ような配線をコンパクトかつ効率よく形成することがで
き、さらに回路の集約度を向上させることができ、より
高い実装密度を確保することができる。
【0028】多層基板は、基板面と水平方向の回路要素
を複数有し、かつ基板面と水平でない方向、通常、垂直
な方向に導通する回路要素を有するものである。また好
ましくは、剛性を有する樹脂多層基板である。また、特
にファインピッチを要求される場合にはビルドアップ基
板が好ましい。基板面と垂直方向に形成された回路要素
を有することにより、複数の水平方向の回路要素同士を
3次元的に接続し、複雑な回路を形成したり、回路の集
積度を向上させることができる。
【0029】多層基板は、通常のプリント基板材料であ
るエポキシや、ガラスエポキシ等を用いたものの他、種
々の樹脂材料を用いたものが検討されており、その他セ
ラミックスを用いたものについても実用化されている。
これらのなかでも樹脂製の基板が好ましい。樹脂製の基
板を用いることでディスプレイの機械強度が向上し、保
護部材としても機能し、製造時の取り扱いが容易にな
る。多層配線構造体とすることで、回路を空間内に有効
に形成することができる。特に、ディスプレイの場合、
マトリクス状に形成された多数の配線を接続したり、各
ICを接続するためのバスラインのように、並列に接続
される複数の配線を有する場合が多く、そのような回路
の形成に有効である。
【0030】このような多層基板は、基板の外周部を取
り囲むように配置・形成することが好ましい。基板の外
周部に多層基板を配置することにより、基板を衝撃など
から保護し、製造時や、搬送時の取り扱いが容易とな
り、故障が減少する。この場合に用いる多層基板として
は、ある程度の剛性と弾性を有する樹脂製の多層基板が
適している。
【0031】このような多層基板として最も好ましいも
のの一つとしてビルドアップ基板が挙げられる。樹脂多
層基板は、例えば、図3に示すように、アラミド不繊布
等のような樹脂基材13a中に、多層に形成されたA
g,Cu等のような導電層13bを有し、各層の導電層
13b間をビアホール13cと称する導電体の柱により
接続したものである。このビアホール13cは、通常、
スルーホールよりも小さく、しかも内部まで導電物質と
することができ、必要によりビアホール上にも部品(チ
ップ部品)を搭載することができる。なお、多層基板上
に実装される電子部品は、通常、表面実装部品(SM
D、SMT)であり、特にファインピッチの場合、サー
フェスマウントが好ましい。なお、この例では、多層基
板13上には、フレキシブル基板15が接続され、保護
部材12の切欠部12aより外部に導出されて、外部の
回路と接続されるようになっている。
【0032】基板上に多層基板を実装する接続手段とし
ては、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂材料中に、導電性
フィラーを分散させた異方性導電フィルムを用いて熱圧
着する方法や、バンプ構造により接続する方法、カシメ
による方法等が挙げられるが、基板にガラス透明基板を
用いている場合には、基板の裏側から光ビームを照射し
てハンダ付する方法等でもよい。
【0033】図4、図5は、本発明の第4の構成例を示
す一部外観斜視図、および概略部分断面図である。この
例では、回路素子3の端子3bをパッド型の端子とし、
この端子3bを、パターン4に接続されている端子受け
4aに挿入・嵌合させて両者の接続を図っている。この
とき、回路素子3上には弾性部材18が配置され、保護
部材12をカシメ部12bにより固定すると(図中破線
12’で示す状態となる)、弾性部材18は変形し、回
路素子3を押圧して、端子3bを端子受け4aに絶えず
押圧・付勢するようになっている。このように、ハンダ
等を用いることなく回路素子3を実装できるので、有機
EL構造体に与える熱的ストレスを少なくすることがで
き、素子の劣化を抑制でき、しかも素子の実装作業が容
易になると共に、メンテナンス性にも優れた構造とな
る。
【0034】このように、基板上の空いたスペースに有
機EL構造体を駆動するための回路の少なくとも一部を
形成することで、従来無駄になっていたスペースを有効
に活用することができ、有機EL構造体を理想的な素子
は位置で駆動することができると共に、その一部を立体
的に形成したりしてさらに実装密度を高めたりすること
ができる。
【0035】基板としては特に限定されるものではな
く、有機EL素子が積層可能なものであればよいが、通
常、発光した光を取り出す表示面としての機能も有する
ことから、ガラスや石英、樹脂等の透明ないし半透明材
料を用いることが好ましい。また、基板に色フィルター
膜や蛍光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜
を用いて発光色をコントロールしてもよい。また、発光
した光を取り出す側ではない場合には、基板は透明でも
不透明であってもよく、不透明である場合にはセラミッ
クス等を使用してもよい。
【0036】基板の大きさも特に限定されるものではな
いが、好ましくは最大長、特に対角長が10〜350m
m、特に30〜300mmの範囲が好ましい。最大長は1
0mm未満、350mmを超えるものであっても問題ない
が、収納スペースが制限されたり、製造が困難になって
くる。
【0037】封止板の材料としては、好ましくは平板
状、または断面コ字状で内部に有機EL構造体を収容し
うる空間を有するガラスやアルミナ、石英等の硬質部材
や、樹脂等の材料が挙げられる。ガラス材として、例え
ば、ソーダ石灰ガラス、鉛アルカリガラス、ホウケイ酸
ガラス、アルミノケイ酸ガラス、シリカガラス等のガラ
ス組成のものが好ましい。また、樹脂材としてはエポキ
シ材、テフロン、シリコン等が好ましい。これらの封止
板材料の線膨張係数は、基板の線膨張係数の0.01〜
100倍、特に0.1〜10倍程度が好ましい。また、
ガラス等の平板を用いる場合には、封止用接着剤と、必
要によりスペーサとを使用するとよい。また、封止材料
としては金属であってもかまわないが、表面に絶縁コー
ティング、絶縁塗装、表面処理等を施して、絶縁処理を
行う必要がある。封止板に断面コ字状となる凹部を形成
する手段としては、エッチングやサンドブラスト等によ
り、封止板の表面を削ればよい。
【0038】封止板は、スペーサーを用いて高さを調整
し、所望の高さに保持してもよい。スペーサーの材料と
しては、樹脂ビーズ、シリカビーズ、ガラスビーズ、ガ
ラスファイバー等が挙げられ、特にガラスビーズ等が好
ましい。スペーサーは、通常、粒径の揃った粒状物であ
るが、その形状は特に限定されるものではなく、スペー
サーとしての機能に支障のないものであれば種々の形状
であってもよい。その大きさとしては、円換算の直径が
1〜20μm 、より好ましくは1〜10μm 、特に2〜
8μm が好ましい。このような直径のものは、粒長10
0μm 以下程度であることが好ましく、その下限は特に
規制されるものではないが、通常1μm程度である。
【0039】なお、封止板に凹部を形成した場合には、
スペーサーは使用しても、使用しなくてもよい。使用す
る場合の好ましい大きさとしては、前記範囲でよいが、
特に2〜8μm の範囲が好ましい。
【0040】スペーサーは、予め封止用接着剤中に混入
されていても、接着時に混入してもよい。封止用接着剤
中におけるスペーサーの含有量は、好ましくは0.01
〜30wt%、より好ましくは0.1〜5wt%である。
【0041】接着剤としては、安定した接着強度が保
て、気密性が良好なものであれば特に限定されるもので
はないが、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ
樹脂接着剤を用いることが好ましい。
【0042】基板上に回路を構成する方法としては、蒸
着法等により回路パターンをマスク蒸着したり、Cu等
の導体層形成後にこれをエッチングして所望のパターン
を得る方法などの薄膜プロセスによるものや、所定のパ
ターンの導体層を厚膜プロセスにて得る方法などがあ
る。そして、形成された回路パターン上に必要な回路素
子をハンダ付したり、導電性ペーストを用いた接着等に
より装着すればよい。
【0043】回路パターンは、Au、Al、Cuのうち
の少なくとも1種を有することが好ましい。これらの金
属は低抵抗であり、薄膜、厚膜プロセスのいずれによっ
ても容易に所望のパターンに形成することができる。こ
れらの中でもAlが、コストや、安定性の点で好まし
い。
【0044】封止板や配線構造体に形成される回路とし
ては、有機EL構造体、つまり有機ELディスプレイ本
体を駆動するための回路の少なくとも一部である。
【0045】有機ELディスプレイ本体を駆動するため
の回路は、例えば図6に示すように、ディスプレイに表
示するデータや、表示に関するデータを与える主制御手
段111を有し、この主制御手段111から与えられる
表示データに応じて有機ELディスプレイの走査電極、
データ電極を駆動する信号である走査電極駆動信号、デ
ータ電極駆動信号を送出するディスプレイ制御手段11
2を有する。さらにこのディスプレイ制御手段112と
接続され、主制御手段111等から与えられる表示デー
タをマトリクスデータ、ビットマップデータ等に展開す
るためのデータや、あらかじめ決められた表示内容のデ
ータ等を格納する表示データ記憶手段113と、ディス
プレイ制御手段112からの走査電極駆動信号、データ
電極駆動信号により、有機EL構造体(有機ELディス
プレイ本体)116の走査電極、データ電極を駆動する
走査電極駆動手段114と、データ電極駆動手段115
とを有する。
【0046】主制御手段111は、有機EL構造体11
6に表示させる表示データを与えたり、表示データ記憶
手段113に記憶されている表示データを指定したり、
表示に必要なタイミングや制御データを与えたりする。
この制御手段111は、通常、汎用のマイクロプロセッ
サ(MPU)と、このMPUと接続されている記憶媒体
(ROM、RAM等)上の制御アルゴリズム等により構
成することができる。
【0047】主制御手段111には、CISC、RIS
C、DSP等プロセッサの態様を問わず使用可能であ
り、その他ASIC等論理回路の組み合わせなどにより
構成してもよい。また、この例では主制御手段111は
独立に設けているが、ディスプレイ制御手段112や、
ディスプレイが備え付けられる装置の制御手段等と一体
としてもよい。
【0048】ディスプレイ制御手段112は、主制御手
段111等から与えられる表示データ等を解析し、必要
により表示データ記憶手段113に格納されているデー
タを検索して、その表示データを有機ELディスプレイ
上の所定の位置に表示させるためのマトリクスデータに
変換する。すなわち、表示する画像(イメージまたはキ
ャラクタ)データが、各マトリクスの交点で与えられる
有機EL素子の画素単位のドットデータとした場合、そ
のドット座標を与える走査電極とデータ電極を駆動する
ような信号を発生する。また、上記のような各フレーム
単位での駆動や、走査電極とデータ電極の駆動比(デュ
ーティ)制御等も行う。
【0049】ディスプレイ制御手段112は、例えば、
所定の演算機能を有するプロセッサや複合論理回路、前
記プロセッサ等が外部の主制御手段等とのデータの授受
を行うためのバッファ、制御回路へのタイミング信号、
表示タイミング信号や外部記憶手段等への読み出し、書
き込みタイミング信号等を与えるタイミング信号発生回
路(発振回路)、外部の記憶手段から表示データ等の授
受を行う記憶素子制御回路、外部の記憶素子から読み出
したり、外部から与えられ、あるいはこれを加工するこ
とにより得られた表示データを駆動信号として送出する
駆動信号送出回路、外部から与えられる表示機能や表示
させるディスプレイ等に関するデータ、制御コマンド等
を格納する各種レジスタ等により構成することができ
る。
【0050】表示データ記憶手段113は、外部から与
えられた画像データを、ディスプレイ上にマトリクスデ
ータとして展開するためのデータ(変換テーブル)や、
所定のキャラクタデータやイメージデータをそのままマ
トリクスデータに展開したデータ等が格納され、それぞ
れ必要に応じて格納位置(アドレス)を指定することに
より読み出し(書き込み)が可能なようになっている。
このような、表示データ記憶手段としてはRAM(VR
AM)、ROM等の半導体記憶素子を好ましく挙げるこ
とができるが、これに限定されるものではなく、光や磁
気を応用した記憶媒体を用いてもよい。
【0051】走査電極駆動手段114およびデータ電極
駆動手段115はディスプレイ制御手段2から与えられ
た走査電極駆動信号、データ電極駆動信号に応じて走査
電極、データ電極を駆動する。有機ELディスプレイを
構成する有機EL素子は電流駆動により発光する発光素
子である。このため、通常電圧信号として与えられる走
査電極駆動信号、データ電極駆動信号を所定の電流値の
信号に変換し、これを所定の走査電極、データ電極に与
えることにより駆動する。
【0052】より具体的には、必要な電流容量を有する
電圧−電流変換素子、あるいは増幅素子(電力増幅)等
を用いて、所定位置の走査電極、データ電極を駆動す
る。このような駆動回路として、オープンドレイン、オ
ープンコレクタ回路、トーテムポール接続、プッシュプ
ル接続等が挙げられる。電圧−電流変換素子、あるいは
増幅素子としては、リレー等の有接点デバイスを用いる
ことも考えられるが、動作の高速性、信頼性等を考慮す
ると、トランジスタ、FETおよびこれらと同等の機能
を有する半導体素子が好ましい。これら半導体素子は、
電源側または接地側のいずれかに走査電極、データ電極
を接続する。ここで、電源側、接地側とは直接電源や接
地ラインに接続する場合の他、電流制限抵抗、保護用デ
バイス、レギュレータ等の素子を介して接続する場合も
含まれる。
【0053】本発明では上記回路構成要素のうち、特に
ディスプレイ制御手段112、表示データ記憶手段11
3、走査電極駆動手段114およびデータ電極駆動手段
115等を、特に走査電極駆動手段114およびデータ
電極駆動手段115等を基板上に形成することが好まし
い。また、その他の回路との接続には、図1に示したよ
うな外部回路接続手段5を用いて接続される。この場
合、信号線としては、通常、プロセッサ等の制御手段の
処理に必要なデータが転送可能な本数でよく、コネクタ
やケーブルが小型で済み、線径が太いケーブルを使用す
る必要もなく、信頼性も良好なものとなる。なお、他の
回路は通常基板上等に形成される。
【0054】上記回路は有機EL構造体(有機ELディ
スプレイ本体)を駆動するための回路構成の一例にすぎ
ず、同等な機能を有するものであれば他の回路構成をと
ることも可能である。また、ディスプレイ制御手段、走
査電極駆動手段およびデータ電極駆動手段等と明確に分
割せずにこれらが渾然一体となった構成であってもよ
い。なお、これらの回路装置は、通常、1種または2種
以上のICおよびその周辺部品として構成されている。
【0055】本発明の有機EL構造体は、例えば、基板
上に1組以上のマトリクス配置された走査電極(電子注
入電極)およびデータ電極(ホール注入電極)を有し、
これらの電極の間に有機層であるホール注入・輸送層、
発光および電子注入輸送層、必要により保護層が積層さ
れ、さらにこの上にガラス等の封止板を配置した構成を
有する。
【0056】封止板上に形成された回路は、基板上の回
路と多層基板あるいはフレキシブル基板等の接続手段に
より電気的に接続され、基板上の回路の一部(出力)
は、それぞれ走査電極(電子注入電極)およびデータ電
極(ホール注入電極)と接続される。
【0057】有機EL構造体は、次のようなものであ
る。発光層は、ホール(正孔)および電子の注入機能、
それらの輸送機能、ホールと電子の再結合により励起子
を生成させる機能を有する。発光層には、比較的電子的
にニュートラルな化合物を用いることが好ましい。
【0058】ホール注入輸送層は、ホール注入電極から
のホールの注入を容易にする機能、ホールを安定に輸送
する機能および電子を妨げる機能を有するものであり、
電子注入輸送層は、電子注入電極からの電子の注入を容
易にする機能、電子を安定に輸送する機能およびホール
を妨げる機能を有するものである。これらの層は、発光
層に注入されるホールや電子を増大・閉じこめさせ、再
結合領域を最適化させ、発光効率を改善する。
【0059】発光層の厚さ、ホール注入輸送層の厚さお
よび電子注入輸送層の厚さは、特に制限されるものでは
なく、形成方法によっても異なるが、通常5〜500nm
程度、特に10〜300nmとすることが好ましい。
【0060】ホール注入輸送層の厚さおよび電子注入輸
送層の厚さは、再結合・発光領域の設計によるが、発光
層の厚さと同程度または1/10〜10倍程度とすれば
よい。ホールまたは電子の各々の注入層と輸送層とを分
ける場合は、注入層は1nm以上、輸送層は1nm以上とす
るのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上
限は、通常、注入層で500nm程度、輸送層で500nm
程度である。このような膜厚については、注入輸送層を
2層設けるときも同じである。
【0061】有機EL素子の発光層には、発光機能を有
する化合物である蛍光性物質を含有させる。このような
蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−26469
2号公報に開示されているような化合物、例えばキナク
リドン、ルブレン、スチリル系色素等の化合物から選択
される少なくとも1種が挙げられる。また、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム等の8−キノリノールま
たはその誘導体を配位子とする金属錯体色素などのキノ
リン誘導体、テトラフェニルブタジエン、アントラセ
ン、ペリレン、コロネン、12−フタロペリノン誘導体
等が挙げられる。さらには、特開平8−12600号公
報(特願平6−110569号)に記載のフェニルアン
トラセン誘導体、特開平8−12969号公報(特願平
6−114456号)のテトラアリールエテン誘導体等
を用いることができる。
【0062】また、それ自体で発光が可能なホスト物質
と組み合わせて使用することが好ましく、ドーパントと
しての使用が好ましい。このような場合の発光層におけ
る化合物の含有量は0.01〜20wt% 、さらには0.
1〜15wt% であることが好ましい。ホスト物質と組み
合わせて使用することによって、ホスト物質の発光波長
特性を変化させることができ、長波長に移行した発光が
可能になるとともに、素子の発光効率や安定性が向上す
る。
【0063】ホスト物質としては、キノリノラト錯体が
好ましく、さらには8−キノリノールまたはその誘導体
を配位子とするアルミニウム錯体が好ましい。このよう
なアルミニウム錯体としては、特開昭63−26469
2号、特開平3−255190号、特開平5−7073
3号、特開平5−258859号、特開平6−2158
74号等に開示されているものを挙げることができる。
【0064】具体的には、まず、トリス(8−キノリノ
ラト)アルミニウム、ビス(8−キノリノラト)マグネ
シウム、ビス(ベンゾ{f}−8−キノリノラト)亜
鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ムオキシド、トリス(8−キノリノラト)インジウム、
トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウ
ム、8−キノリノラトリチウム、トリス(5−クロロ−
8−キノリノラト)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−
キノリノラト)カルシウム、5,7−ジクロル−8−キ
ノリノラトアルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−
8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム、ポリ[亜
鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリニル)メ
タン]等がある。
【0065】このほかのホスト物質としては、特開平8
−12600号公報(特願平6−110569号)に記
載のフェニルアントラセン誘導体や特開平8−1296
9号公報(特願平6−114456号)に記載のテトラ
アリールエテン誘導体なども好ましい。
【0066】発光層は電子注入輸送層を兼ねたものであ
ってもよく、このような場合はトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム等を使用することが好ましい。これら
の蛍光性物質を蒸着すればよい。
【0067】また、発光層は、必要に応じて、少なくと
も1種のホール注入輸送性化合物と少なくとも1種の電
子注入輸送性化合物との混合層とすることも好ましく、
さらにはこの混合層中にドーパントを含有させることが
好ましい。このような混合層における化合物の含有量
は、0.01〜20wt% 、さらには0.1〜15wt% と
することが好ましい。
【0068】混合層では、キャリアのホッピング伝導パ
スができるため、各キャリアは極性的に有利な物質中を
移動し、逆の極性のキャリア注入は起こりにくくなるた
め、有機化合物がダメージを受けにくくなり、素子寿命
がのびるという利点がある。また、前述のドーパントを
このような混合層に含有させることにより、混合層自体
のもつ発光波長特性を変化させることができ、発光波長
を長波長に移行させることができるとともに、発光強度
を高め、素子の安定性を向上させることもできる。
【0069】混合層に用いられるホール注入輸送性化合
物および電子注入輸送性化合物は、各々、後述のホール
注入輸送層用の化合物および電子注入輸送層用の化合物
の中から選択すればよい。なかでも、ホール注入輸送層
用の化合物としては、強い蛍光を持ったアミン誘導体、
例えばホール輸送材料であるトリフェニルジアミン誘導
体、さらにはスチリルアミン誘導体、芳香族縮合環を持
つアミン誘導体を用いるのが好ましい。
【0070】電子注入輸送性の化合物としては、キノリ
ン誘導体、さらには8−キノリノールないしその誘導体
を配位子とする金属錯体、特にトリス(8−キノリノラ
ト)アルミニウム(Alq3 )を用いることが好まし
い。また、上記のフェニルアントラセン誘導体、テトラ
アリールエテン誘導体を用いるのも好ましい。
【0071】ホール注入輸送層用の化合物としては、強
い蛍光を持ったアミン誘導体、例えば上記のホール輸送
材料であるトリフェニルジアミン誘導体、さらにはスチ
リルアミン誘導体、芳香族縮合環を持つアミン誘導体を
用いるのが好ましい。
【0072】この場合の混合比は、それぞれのキャリア
移動度とキャリア濃度によるが、一般的には、ホール注
入輸送性化合物の化合物/電子注入輸送機能を有する化
合物の重量比が、1/99〜99/1、さらに好ましく
は10/90〜90/10、特に好ましくは20/80
〜80/20程度となるようにすることが好ましい。
【0073】また、混合層の厚さは、分子層一層に相当
する厚み以上で、有機化合物層の膜厚未満とすることが
好ましい。具体的には1〜85nmとすることが好まし
く、さらには5〜60nm、特には5〜50nmとすること
が好ましい。
【0074】また、混合層の形成方法としては、異なる
蒸着源より蒸発させる共蒸着が好ましいが、蒸気圧(蒸
発温度)が同程度あるいは非常に近い場合には、予め同
じ蒸着ボード内で混合させておき、蒸着することもでき
る。混合層は化合物同士が均一に混合している方が好ま
しいが、場合によっては、化合物が島状に存在するもの
であってもよい。発光層は、一般的には、有機蛍光物質
を蒸着するか、あるいは、樹脂バインダー中に分散させ
てコーティングすることにより、発光層を所定の厚さに
形成する。
【0075】ホール注入輸送層には、例えば、特開昭6
3−295695号公報、特開平2−191694号公
報、特開平3−792号公報、特開平5−234681
号公報、特開平5−239455号公報、特開平5−2
99174号公報、特開平7−126225号公報、特
開平7−126226号公報、特開平8−100172
号公報、EP0650955A1等に記載されている各
種有機化合物を用いることができる。例えば、テトラア
リールベンジシン化合物(トリアリールジアミンないし
トリフェニルジアミン:TPD)、芳香族三級アミン、
ヒドラゾン誘導体、カルバゾール誘導体、トリアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、アミノ基を有するオキサ
ジアゾール誘導体、ポリチオフェン等である。これらの
化合物は、1種のみを用いても、2種以上を併用しても
よい。2種以上を併用するときは、別層にして積層した
り、混合したりすればよい。
【0076】ホール注入輸送層をホール注入層とホール
輸送層とに分けて積層する場合は、ホール注入輸送層用
の化合物のなかから好ましい組合せを選択して用いるこ
とができる。このとき、ホール注入電極(ITO等)側
からイオン化ポテンシャルの小さい化合物の順に積層す
ることが好ましい。また、ホール注入電極表面には薄膜
性の良好な化合物を用いることが好ましい。このような
積層順については、ホール注入輸送層を2層以上設ける
ときも同様である。このような積層順とすることによっ
て、駆動電圧が低下し、電流リークの発生やダークスポ
ットの発生・成長を防ぐことができる。また、素子化す
る場合、蒸着を用いているので1〜10nm程度の薄い膜
も均一かつピンホールフリーとすることができるため、
ホール注入層にイオン化ポテンシャルが小さく、可視部
に吸収をもつような化合物を用いても、発光色の色調変
化や再吸収による効率の低下を防ぐことができる。ホー
ル注入輸送層は、発光層等と同様に上記の化合物を蒸着
することにより形成することができる。
【0077】電子注入輸送層には、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウム(Alq3 )等の8−キノリノー
ルまたはその誘導体を配位子とする有機金属錯体などの
キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘
導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリ
ン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオ
レン誘導体等を用いることができる。電子注入輸送層は
発光層を兼ねたものであってもよく、このような場合は
トリス(8−キノリノラト)アルミニウム等を使用する
ことが好ましい。電子注入輸送層の形成は、発光層と同
様に、蒸着等によればよい。
【0078】電子注入輸送層を電子注入層と電子輸送層
とに分けて積層する場合には、電子注入輸送層用の化合
物の中から好ましい組み合わせを選択して用いることが
できる。このとき、電子注入電極側から電子親和力の値
の大きい化合物の順に積層することが好ましい。このよ
うな積層順については、電子注入輸送層を2層以上設け
るときも同様である。
【0079】ホール注入輸送層、発光層および電子注入
輸送層の形成には、均質な薄膜が形成できることから、
真空蒸着法を用いることが好ましい。真空蒸着法を用い
た場合、アモルファス状態または結晶粒径が0.2μm
以下の均質な薄膜が得られる。結晶粒径が0.2μm を
超えていると、不均一な発光となり、素子の駆動電圧を
高くしなければならなくなり、電荷の注入効率も著しく
低下する。
【0080】真空蒸着の条件は特に限定されないが、1
-4Pa以下の真空度とし、蒸着速度は0.01〜1nm/
sec 程度とすることが好ましい。また、真空中で連続し
て各層を形成することが好ましい。真空中で連続して形
成すれば、各層の界面に不純物が吸着することを防げる
ため、高特性が得られる。また、素子の駆動電圧を低く
したり、ダークスポットの発生・成長を抑制したりする
ことができる。
【0081】これら各層の形成に真空蒸着法を用いる場
合において、1層に複数の化合物を含有させる場合、化
合物を入れた各ボートを個別に温度制御して共蒸着する
ことが好ましい。
【0082】また、有機EL構造体は上記有機層の他
に、基板および基板上に有機層を挟み込むように形成さ
れた、ホール注入電極、電子注入電極等の機能性薄膜を
有する。
【0083】電子注入電極としては、低仕事関数の物質
が好ましく、例えば、K、Li、Na、Mg、La、C
e、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、Sn、Z
n、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させる
ためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用いるこ
とが好ましい。合金系としては、例えばAg・Mg(A
g:0.1〜50at%)、Al・Li(Li:0.01
〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、
Al・Ca(Ca:0.01〜20at%)等が挙げられ
る。なお、電子注入電極は蒸着法やスパッタ法でも形成
することが可能である。
【0084】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.5nm以上、
好ましくは1nm以上、より好ましくは3nm以上とすれば
よい。また、その上限値には特に制限はないが、通常膜
厚は3〜500nm程度とすればよい。電子注入電極の上
には、さらに補助電極ないし保護電極を設けてもよい。
【0085】蒸着時の圧力は好ましくは1×10-8〜1
×10-5Torrで、蒸発源の加熱温度は、金属材料であれ
ば100〜1400℃、有機材料であれば100〜50
0℃程度が好ましい。
【0086】ホール注入電極は、発光した光を取り出す
ため、透明ないし半透明な電極が好ましい。透明電極と
しては、ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO
(亜鉛ドープ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、I
23 等が挙げられるが、好ましくはITO(錫ドー
プ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ酸化インジウ
ム)が好ましい。ITOは、通常In2 3 とSnOと
を化学量論組成で含有するが、O量は多少これから偏倚
していてもよい。ホール注入電極は、透明性が必要でな
いときは、不透明の公知の金属材質であってもよい。
【0087】ホール注入電極の厚さは、ホール注入を十
分行える一定以上の厚さを有すれば良く、好ましくは5
0〜500nm、さらには50〜300nmの範囲が好まし
い。また、その上限は特に制限はないが、あまり厚いと
剥離などの心配が生じる。厚さが薄すぎると、製造時の
膜強度やホール輸送能力、抵抗値の点で問題がある。
【0088】このホール注入電極層は蒸着法等によって
も形成できるが、好ましくはスパッタ法、DCスパッタ
法により形成することが好ましい。
【0089】有機EL構造体各層を成膜した後に、Si
X 等の無機材料、テフロン、塩素を含むフッ化炭素重
合体等の有機材料等を用いた保護膜を形成してもよい。
保護膜は透明でも不透明であってもよく、保護膜の厚さ
は50〜1200nm程度とする。保護膜は、前記の反応
性スパッタ法の他に、一般的なスパッタ法、蒸着法、P
ECVD法等により形成すればよい。
【0090】基板に色フィルター膜や蛍光性物質を含む
色変換膜、あるいは誘電体反射膜を用いて発光色をコン
トロールしてもよい。
【0091】有機EL構造体は、直流駆動やパルス駆動
等され、交流駆動することもできる。印加電圧は、通
常、2〜30V 程度である。
【0092】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、有機EL
構造体への配線が最小となるような回路構成が可能で、
有機EL構造体や回路構成素子への熱的ストレスが少な
く、さらなる小型、薄型化が可能で、高信頼性で、低コ
スト化を図れ、しかも製造が容易で強度的にも優れた有
機ELモジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機ELモジュールの第1の構成例を
示す分解斜視図である。
【図2】本発明の有機ELモジュールの第2の構成例を
示す概略部分断面図である。
【図3】本発明の有機ELモジュールの第3の構成例を
示す概略部分断面図である。
【図4】本発明の有機ELモジュールの第4の構成例を
示す概略部分断面図である。
【図5】図4のリードおよび端子受けの拡大平面図であ
る。
【図6】有機ELディスプレイ本体を駆動するための回
路構成の一例を示したブロック図である。
【符号の説明】
1 基板 2 封止板 3 回路素子 3a 端子(バンプ) 4 パターン 5 接続手段 6 信号伝達媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 洋 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 染谷 拓 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB00 AB18 BA06 BB00 BB01 BB06 BB07 CA01 CA02 CA05 CC05 DA00 DB03 EB00 FA01 GA00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、この基板上に形成された有機E
    L構造体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを
    有し、 前記基板上の封止板が配置されている領域以外の部分に
    は、有機EL構造体を駆動ないし制御するための回路の
    少なくとも一部を有し、 この回路を構成する回路構成素子は、前記基板上に実装
    されている有機ELモジュール。
  2. 【請求項2】 前記回路構成素子は、少なくとも封止板
    端部から0.1mm以上、基板端部から20mm以下の間隔
    をあけた領域に配置されている請求項1または2の有機
    ELモジュール。
  3. 【請求項3】 基板と、この基板上に形成された有機E
    L構造体と、この有機EL構造体を封止する封止板とを
    有し、 前記基板上の封止板が配置されている領域以外の部分に
    は、有機EL構造体を駆動ないし制御するための回路の
    少なくとも一部を有し、 この領域上に保護部材を有する有機ELモジュール。
  4. 【請求項4】 前記有機EL構造体を駆動ないし制御す
    るための回路を構成する回路構成素子は、前記基板上に
    実装されている請求項3の有機ELモジュール。
  5. 【請求項5】 前記回路構成素子は、少なくとも封止板
    端部から0.3〜3mm、基板端部から0.3〜10mmの
    間隔をあけた領域に配置されている請求項3または4の
    有機ELモジュール。
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