JP2000057310A - 繊維潜り角測定方法及びそのシステム - Google Patents

繊維潜り角測定方法及びそのシステム

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JP2000057310A
JP2000057310A JP10220238A JP22023898A JP2000057310A JP 2000057310 A JP2000057310 A JP 2000057310A JP 10220238 A JP10220238 A JP 10220238A JP 22023898 A JP22023898 A JP 22023898A JP 2000057310 A JP2000057310 A JP 2000057310A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】天然木材から直接各位置における繊維潜り角を
測定する。 【解決手段】天然木材1に正対してカメラ3が配置され
る。光源2は天然木材1に対する照明角度が変更可能と
なされている。処理装置4は、光源2の照明角度を所定
の角度、例えば10°毎に変えながら撮影した天然木材1
の画像に基づいて、実際の撮影時の光源2の角度及び実
際に撮影して得られた輝度値により、光源2の角度を変
更する角度より小さい所定の角度、例えば 1°毎の輝度
値を補間して求め、それらの全ての輝度値の中で最大輝
度を与える光源2の角度を求め、その光源2の角度に基
づいて各画素位置における繊維潜り角を定める。これに
よって、カメラ3で撮影された画像の全ての画素位置に
ついて繊維潜り角ξを求めることができ、各画素位置に
対して繊維潜り角が登録された2次元のスカラ場を生成
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然木材の表面におけ
る繊維の潜り角を測定する方法及び繊維潜り角を測定す
るためのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】壁紙や床材等の建材の表面装飾や、家具
の表面装飾のために用いる化粧シートにおいては、照り
と称される光沢模様を表現するために、万線パターンを
直接化粧シートにエンボス加工したり、あるいは透明な
シートに万線パターンをエンボス加工してエンボスシー
トを作成し、そのエンボスシートを木目柄等の模様を印
刷した化粧シートに貼り付けて積層構造とすることが広
く行われている。
【0003】このように、万線パターンをエンボス加工
することによって照りが表現できる原理は概略次のよう
である。図6は、万線パターンをエンボス加工して万線
条溝Gが形成されたシートEの斜視図であり、この例で
は、幅W1の万線条溝GがW2の間隔で多数形成されて
いる。シートEの全体の厚みD1に対して、万線条溝G
は深さD2の溝を形成しており、多数の万線条溝Gがほ
ぼ平行に配置されている。このような万線条溝Gからな
るパターンは、幅W1をもった凹部と幅W2をもった凸
部との二段階の段差構造を有している。
【0004】このような万線条溝Gが形成されたシート
Eは、その表面から得られる反射光の強度が位置によっ
て異なることが知られている。つまり、異方性反射を行
うのである。そして、このようなシートEを見る視線を
連続的に変化させると、強く反射する箇所、即ち輝度が
高く、明るく光る箇所が変化していく。これが照りの移
動と称されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】さて、上述したような
照り、及び照りの移動を表現する万線パターンとして
は、エンボス加工を行った場合に、天然の木材が発現す
るような自然な照り、及び照りの移動を表現できるもの
が望ましいことは当然である。そこで、天然の木材が照
り、及び照りの移動を発現する原理を考えると、それ
は、木材表面における繊維潜り角に起因していることが
知られている。概略説明すると次のようである。
【0006】図7は、材木板表面の繊維質の配向性と鏡
面反射率との関係を説明する図である。いま、材木板1
00の表面(切断面J)に、図に繊維方向ベクトルF→
(電子出願の制約から、本来符号の上部に付記するベク
トル記号“→”を符号右側に付記することにする)とし
て示すような配向性をもって繊維Fが配置されているも
のとする。このとき、切断面Jと繊維Fとのなす角ξは
繊維潜り角と呼ばれている。
【0007】そして、材木板100の上方に仮想光源2
00(面光源)を仮定し、この仮想光源200から材木
板100の表面(切断面J)に対して垂直な光線が照射
され、この表面からの拡散反射光および鏡面反射光を観
察することを考える。この場合、観察される拡散反射光
の強度は、材木板100の表面の木目模様の色成分によ
って左右され、この拡散反射光による画像は、いわゆる
着色された模様として認識されることになる。一方、観
察される鏡面反射光の強度W(光沢度)は、繊維潜り角
ξによって左右され、通常、図8のグラフに示すような
関係となる。より正確には、各部における鏡面反射光強
度は、光の照射方向と繊維潜り角ξとの双方によって決
定される。即ち、図7に示すように、切断面J上の点P
において、光線方向ベクトルL→と繊維方向ベクトルF
→とを図のように定義すれば、両ベクトルの交錯角φに
よって点Pにおける鏡面反射光強度が決定されることに
なる。上述の例のように、光線方向ベクトルL→が切断
面Jに対して垂直であるモデルの場合、ベクトル交錯角
φ=90°−ξとなり、図8のグラフに示すように、φ=
90°のときに鏡面反射光強度が最高になり、φ= 0°の
ときに最低となる。
【0008】実際の天然木から切り出した材木板の表面
に照り模様が見られるのは、切断面上の各部分ごとに異
なる繊維潜り角ξが得られるからであり、この部分毎に
異なる繊維潜り角ξに基づいて照り模様が現れることに
なるのである。また、以上のことから、例えば図7にお
いて観察位置を変えずに仮想光源200を移動させた場
合、あるいは仮想光源200の位置を固定して観察位置
を変えた場合には、材木板100の照りが発現する位置
が変化することになることは明らかであろう。これが照
りの移動である。
【0009】そこで、近年では、適宜な手法を用いてコ
ンピュータにより繊維潜り角の2次元分布を求め、その
求めた繊維潜り角の2次元分布に基づいて万線パターン
を作成し、その万線パターンを用いてエンボス加工する
ことが行われているが、天然の木材の表面が発現するよ
うな照り、及び照りの移動を表現することができる繊維
潜り角の2次元分布を求めることは非常に難しいのが現
実である。
【0010】そこで、本発明は、天然の木材の表面が発
現するような照り、及び照りの移動を表現することがで
きる繊維潜り角の2次元分布を求めることができる繊維
潜り角測定方法及びそのシステムを提供することを目的
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の繊維潜り角測定方法は、天然木材
を光源の角度を所定の角度ずつ変えながら撮影し、その
撮影した画像の各画素位置について、実際の撮影時の光
源の角度及び実際に撮影して得られた輝度値に基づい
て、前記光源の角度を変更する所定の角度より小さい所
定の角度毎の輝度値を補間して求め、それらの全ての輝
度値の中で最大輝度を与える光源の角度を求め、その光
源の角度に基づいて各画素位置における繊維潜り角を定
めることを特徴とする。
【0012】請求項2記載の繊維潜り角測定システム
は、天然木材と、天然木材を照明する光源と、天然木材
を撮影するカメラと、前記光源の照明角度を所定の角度
ずつ変えながら撮影した天然木材の画像に基づいて、撮
影した画像の各画素位置について、実際の撮影時の光源
の角度及び実際に撮影して得られた輝度値に基づいて、
前記光源の角度を変更する所定の角度より小さい所定の
角度毎の輝度値を補間して求め、それらの全ての輝度値
の中で最大輝度を与える光源の角度を求め、その光源の
角度に基づいて各画素位置における繊維潜り角を定める
処理装置とを備えることを特徴とする。
【0013】請求項3記載の繊維潜り角測定方法は、天
然木材を光源の角度を変えながらカラー撮影し、そのカ
ラー撮影した画像の各画素位置において、実際の撮影に
よって得られた色度と光源の発光色との色度差を求め、
更に、実際の撮影時の光源の角度及び前記求めた色度差
に基づいて、前記光源の角度を変更する所定の角度より
小さい所定の角度毎の色度差を補間して求め、それらの
全ての色度差の中で最小色度差を与える光源の角度を求
め、その光源の角度に基づいて各画素位置における繊維
潜り角を定めることを特徴とする。
【0014】請求項4記載の繊維潜り角測定システム
は、天然木材と、天然木材を照明する光源と、天然木材
を撮影するカラーカメラと、前記光源の照明角度を変え
ながらカラー撮影した天然木材の画像に基づいて、その
カラー撮影した画像の各画素位置において、実際の撮影
によって得られた色度と光源の発光色との色度差を求
め、更に、実際の撮影時の光源の角度及び前記求めた色
度差に基づいて、前記光源の角度を変更する所定の角度
より小さい所定の角度毎の色度差を補間して求め、それ
らの全ての色度差の中で最小色度差を与える光源の角度
を求め、その光源の角度に基づいて各画素位置における
繊維潜り角を定める処理装置とを備えることを特徴とす
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ実施の形
態について説明する。図1は本発明に係る繊維潜り角測
定するためのシステムの第1の実施形態を示す図であ
り、図中、1は天然木材(以下、単に木材と称す)、2
は光源、3はカメラ、4は処理装置を示す。
【0016】木材1は繊維潜り角を測定する対象物とな
るものであり、天然の木材であればどのようなものであ
ってもよい。この木材1は固定して配置される。木材1
に正対してカメラ3が配置されている。このカメラ3も
固定して配置される。カメラ3は、製版カメラ、TVカ
メラ、デジタルスチルカメラ等の画像を撮影することが
できるものであればよい。ここでは理解を容易にするた
めにデジタルスチルカメラを用いるものとする。なお、
ここでは、図に示すようなxyzの直交座標系を定め
る。また、角度については図1のz軸を 0°として、反
時計回りを正とし、時計回りを負とする。
【0017】光源2は、できるだけ平行光線を放射する
ものが望ましい。光線の色は白色光でよい。そして、こ
の光源2は、図示しない適宜な手段によって、図のy−
z平面内において、当該座標系の原点からの距離を等し
く保ったまま移動可能となされており、どのような位置
においても当該座標系の原点に向けて光線を放射するよ
うになされている。つまり、光源2は木材1を照明する
角度が可変となされているのである。
【0018】以下、図1に示すシステムの動作につい
て、繊維潜り角測定方法と共に説明する。まず、光源2
をある角度θ1 の位置に置いて、カメラ3により木材1
を撮影する。このカメラ3で撮影された画像のデジタル
データは処理装置4に取り込まれる。なお、カメラ3と
して製版フィルムを用いる場合には、撮影したフィルム
を現像し、スキャナ入力してデジタル化して処理装置4
に渡すようにすればよく、またTVカメラを用いる場合
には、TVカメラからの画像信号をデジタル化して処理
装置4に渡せばよい。
【0019】また、この実施形態では、後述するところ
から明らかなように、処理装置4において繊維潜り角測
定のために用いられるのは輝度のデータのみであるか
ら、例えばカメラ3がR,G,Bの3色の画像データを
出力するものである場合には、処理装置4はGの画像デ
ータのみを取り込むようにしてもよく、あるいはR,
G,Bから輝度を表すデータを生成して、その輝度のデ
ータのみを用いるようにしてもよい。
【0020】そして、処理装置4は、当該画像データを
角度θ1 における画像データであることを登録する。こ
れによって、光源2が角度θ1 の位置に置かれた場合の
画像データが処理装置4に取り込まれることになるが、
次に、光源2の角度を△θだけ移動して、カメラ3によ
り木材1を撮影し、そのときの画像データを処理装置4
に渡す。以下、同様にして、光源2の角度を△θだけ移
動させて木材1を撮影して、そのときの画像データを処
理装置4に渡す動作を所定回数繰り返す。
【0021】ここで、光源2を図1のz軸を中心として
どのような角度範囲で移動させるか、また△θを何度に
するかは任意に定めることができ、しかも△θの値を小
さく取る程、カメラ3で撮影した木材1の画像の各画素
位置における繊維潜り角を精度良く求めることができる
のであるが、例えば、z軸を中心として±50°の範囲
を、△θ= 1°として、1 °刻みで撮影するものとする
と、光源2を所望の角度に移動してカメラ3で撮影する
操作を101 回繰り返さなければならず、作業者の負担が
大きく、作業時間も長くなる。
【0022】そこで、このシステムでは、まず作業者の
負担軽減のために、△θを比較的大きく取るようにす
る。例えば、△θは 5°〜10°の範囲に定めればよい。
これにより、光源2の移動の回数、及びカメラ3による
撮影の回数を大幅に減らすことができるので、作業者の
負担を軽減することができる。勿論、△θをより大きく
すれば作業者の負担をより軽減することができるが、カ
メラ3による撮影回数を減らすと、それだけ精度が落ち
るので、上記のように△θは 5°〜10°の範囲に定める
のがよい。
【0023】さて、いま、z軸を中心として±50°の範
囲を、△θ=10°として、10°刻みで撮影するものとす
る。この場合には、光源2の角度を変更してカメラ3で
撮影する操作を11回繰り返せばよいことになる。そし
て、これにより、θ=50°における画像、θ=40°にお
ける画像、θ=30°における画像、θ=20°における画
像、θ=10°における画像、θ=0 °における画像、θ
=−10°における画像、θ=−20°における画像、θ=
−30°における画像、θ=−40°における画像、θ=−
50°における画像の計11枚の画像が撮影されることにな
る。
【0024】処理装置4は、この11枚の画像の輝度デー
タを取り込み、それぞれの画像が撮影されたときの光源
2の角度と対応させて登録する。そして、処理装置4
は、撮影された木材1の画像のそれぞれの画素位置にお
ける繊維潜り角を求める処理を行うのであるが、その処
理は次のようである。
【0025】いま、ある画素位置に着目すると、当該画
素位置については11個の輝度値のデータがある。いま、
これらの11個の輝度値が図2(a)の黒点で示すようで
あったとする。次に、処理装置4は、これらの実際の照
明角度における輝度値の間を滑らかに補間する。補間の
手法としては、例えばスプライン関数を用いればよい。
スプライン関数によって図2(a)の黒点で示すような
離散的に分布する輝度値を補間すれば、図2(b)に示
すように、図中黒点で示す実際に撮影して得られた輝度
値を通る曲線で補間できるので望ましいものである。
【0026】そして、処理装置4は、上記の補間を行う
際に、所定の角度刻みで輝度値を求める。このときの刻
み角度は小さい方が望ましい。いま、1 °刻みで輝度値
を求めるものとすると、この場合には実際に撮影された
画像の11個の輝度値と、補間された1 °刻みの角度にお
ける90個の輝度値の計 101個の輝度値が得られる。そし
て、処理装置4は、これらの輝度値の中で最大輝度をと
る照明角度を求め、その照明角度の半分の角度を当該画
素位置における繊維潜り角ξとし、当該繊維潜り角ξを
当該画素位置に登録する。例えば、図2(b)において
は、最大輝度LMAX となる照明角度はθLMAXであるの
で、当該画素位置における繊維潜り角ξはθLMAX/2 と
なる。
【0027】繊維潜り角ξをこのように定めることの妥
当性は明らかである。即ち、例えば、いま、図3に示す
ように、木材1の繊維イの一部が図のAに示す位置で表
面に現れているとし、Aの位置における繊維イに対する
垂線がロで示すようであるとすると、繊維イの繊維潜り
角ξと、光源2からの照明の角度と、カメラ3で撮影さ
れる方向が図3に示す関係になるときにAで示す位置の
輝度は最大になり、このとき、Aの位置における繊維潜
り角ξを角度の符号も含めてθとするのである。
【0028】そして、このシステムにおいては、現在着
目している画素位置について、実際に撮影された照明角
度と輝度値との関係から、補間によって、例えば 1°刻
みの照明角度における輝度値を求め、最大輝度となる照
明角度の 1/2 を当該画素位置における繊維潜り角とす
るのである。つまり、例えば、図3のAの位置の画素に
着目した場合、図3に示すような位置関係で画像が撮影
されることは必ずしも無いが、実際に撮影された照明角
度と輝度値との関係から、補間によって図3に示すよう
な照明角度を求め、その照明角度を 1/2 して当該Aの
位置における繊維潜り角を求めるのである。
【0029】そして、処理装置4は、以上の処理を、撮
影した画像の全ての画素位置について行う。これによっ
て、カメラ3で撮影された画像の全ての画素位置につい
て繊維潜り角ξを求めることができ、各画素位置に対し
て繊維潜り角が登録された2次元のスカラ場を生成する
ことができる。
【0030】このようにして得られた、各画素位置に対
して繊維潜り角が登録された2次元スカラ場を用いて万
線パターンを作成し、その万線パターンを用いてエンボ
ス加工を行えば、天然の木材の表面が発現するような照
り、及び照りの移動を表現することができる。なお、各
画素位置に対して繊維潜り角が登録された2次元スカラ
場から万線パターンを作成する手法については周知であ
るので説明は省略する。
【0031】以上のように、上述した繊維潜り角測定方
法及びそのシステムによれば、天然の木材から直接に、
当該天然木材の各位置における繊維潜り角を測定するこ
とが可能となる。
【0032】次に、本発明に係る繊維潜り角測定するた
めのシステムの第2の実施形態について説明する。この
実施形態におけるシステム構成は図1に示すと同様であ
るが、この実施形態では、カメラ3としては、カラー製
版カメラ、カラーTVカメラ、カラーデジタルスチルカ
メラ等のカラー画像を撮影することができるものを用い
る。ここでは理解を容易にするためにカラーデジタルス
チルカメラを用いるものとする。光源2については上述
した第1の実施形態と同様であり、ここでも光源2は白
色光を発光するものとする。
【0033】以下、繊維潜り角測定方法と共に、動作に
ついて説明する。まず、光源2をある角度θ1 の位置に
置いて、カメラ3により木材1を撮影する。このカメラ
3で撮影された画像のデジタルデータは処理装置4に取
り込まれる。なお、カメラ3としてカラー製版フィルム
を用いる場合には、撮影したフィルムを現像し、カラー
スキャナで入力してデジタル化して処理装置4に渡すよ
うにすればよく、またカラーTVカメラを用いる場合に
は、カラーTVカメラからの画像信号をデジタル化して
処理装置4に渡せばよい。ここで、処理装置4が取り込
むデジタルカラー画像のデータはどのようなものであっ
てもよいが、ここでは、カメラ3は一つの画像について
R,G,Bの3色の画像データを処理装置4に出力する
ものとする。
【0034】そして、処理装置4は、当該画像データを
角度θ1 における画像データであることを登録する。こ
れによって、光源2が角度θ1 の位置に置かれた場合の
画像データが処理装置4に取り込まれることになるが、
次に、光源2の角度を△θだけ移動して、カメラ3によ
り木材1を撮影し、そのときの画像データを処理装置4
に渡す。以下、同様にして、光源2の角度を△θだけ移
動させて木材1を撮影して、そのときの画像データを処
理装置4に渡す動作を所定回数繰り返す。
【0035】ここで、光源2を図1のz軸を中心として
どのような角度範囲で移動させるか、また△θを何度に
するかは任意に定めることができ、しかも△θの値を小
さく取る程、カメラ3で撮影した木材1の画像の各画素
位置における繊維潜り角を精度良く求めることができる
のであるが、例えば、z軸を中心として±50°の範囲
を、△θ= 1°として、1 °刻みで撮影するものとする
と、光源2を所望の角度に移動してカメラ3で撮影する
操作を101 回繰り返さなければならず、作業者の負担が
大きく、作業時間も長くなる。
【0036】そこで、このシステムでは、まず作業者の
負担軽減のために、△θを比較的大きく取るようにす
る。例えば、△θは 5°〜10°の範囲に定めればよい。
これにより、光源2の移動の回数、及びカメラ3による
撮影の回数を大幅に減らすことができるので、作業者の
負担を軽減することができる。勿論、△θをより大きく
すれば作業者の負担をより軽減することができるが、カ
メラ3による撮影回数を減らすと、それだけ精度が落ち
るので、上記のように△θは 5°〜10°の範囲に定める
のがよい。
【0037】さて、いま、z軸を中心として±50°の範
囲を、△θ=10°として、10°刻みで撮影するものとす
る。この場合には、光源2の角度を変更してカメラ3で
撮影する操作を11回繰り返せばよいことになる。そし
て、これにより、θ=50°における画像、θ=40°にお
ける画像、θ=30°における画像、θ=20°における画
像、θ=10°における画像、θ=0 °における画像、θ
=−10°における画像、θ=−20°における画像、θ=
−30°における画像、θ=−40°における画像、θ=−
50°における画像の計11枚の画像が撮影されることにな
る。
【0038】処理装置4は、この11枚の画像のR,G,
B毎の輝度データを取り込み、それぞれの画像が撮影さ
れたときの光源2の角度と対応させて登録する。そし
て、処理装置4は、撮影された木材1の画像のそれぞれ
の画素位置における繊維潜り角を求める処理を行うので
あるが、その処理は次のようである。
【0039】処理装置4は、一つの画素位置に着目し
て、撮影した11枚の画像の当該画素位置における色度を
求め、それらの色度が、光源2の発光色である白にどれ
だけ近いか、即ち、画素の色度と光源2の発光色である
白との色度差を求める。
【0040】この色度差を求める手法としては適宜な手
法を採用することができる。例えば、RGB表色系を用
いて行う場合には次のような処理を行えばよい。まず、
画素の色がRGB表色系においてどのような位置にある
かを求める。ここでは図4のCで示す位置にあるものと
すると、白Wの位置からCの位置を通る直線を引き、こ
の直線が当該表色系の3角形の辺と交わる位置をPとす
る。そして、白Wの位置とPの位置との距離WPに対す
る、白Wの位置と当該画素の色Cの位置との距離WCの
比WC/WPを求める。そうすると、この比WC/WP
の値が小さいほど白Wに近いことになり、このWC/W
Pの値を色度差として用いればよい。
【0041】このような処理によって、処理装置4は、
当該着目画素位置について11個の色度差データを得る。
いま、この11個の色度差データが図5(a)の黒点で示
すようであったとする。次に、処理装置4は、これらの
11個の色度差値の間を滑らかに補間する。補間の手法と
しては、例えばスプライン関数を用いればよい。スプラ
イン関数によって図5(a)の黒点で示すような離散的
に分布する色度差値を補間すれば、図5(b)に示すよ
うに、図中黒点で示す色度差値を通る曲線で補間できる
ので望ましいものである。
【0042】そして、処理装置4は、上記の補間を行う
際に、所定の角度刻みで色度差値を求める。このときの
刻み角度は小さい方が望ましい。いま、1 °刻みで色度
差値を求めるものとすると、この場合には実際に撮影さ
れた画像の当該画素位置について求められた11個の色度
差値と、補間された1 °刻みの角度における90個の色度
差値の計 101個の色度差値が得られる。そして、処理装
置4は、これらの色度差値の中で最小の色度差値をとる
照明角度を求め、その照明角度の半分の角度を当該画素
位置における繊維潜り角ξとし、当該繊維潜り角ξを当
該画素位置に登録する。例えば、図5(b)において
は、最小輝度値CMIN となる角度はθCMINであるので、
当該画素位置における繊維潜り角ξはθCMIN/2 とな
る。
【0043】繊維潜り角ξをこのように定めることの妥
当性は明らかである。即ち、例えば、いま、図3に示す
ように、木材1の繊維イの一部が図のAに示す位置で表
面に現れているとし、Aの位置における繊維イに対する
垂線がロで示すようであるとすると、繊維イの繊維潜り
角ξと、光源2からの照明の角度と、カメラ3で撮影さ
れる方向が図3に示す関係になるときにAで示す位置か
らカメラ3の方向に対する鏡面反射光の強度が最大とな
り、鏡面反射光強度が最大であるときには、その鏡面反
射光に含まれる光源2の発光色である白の成分が最大と
なる。そして、このとき、Aの位置における繊維潜り角
ξを、角度の符号も含めてθとするのである。
【0044】そして、このシステムにおいては、現在着
目している画素位置について、実際に撮影された照明角
度と色度差値との関係から、補間によって、例えば 1°
刻みの照明角度における色度差値を求め、最小色度差値
をとる照明角度の 1/2 の角度を当該画素位置における
繊維潜り角とするのである。つまり、例えば、図3のA
の位置の画素に着目した場合、図3に示すような位置関
係で画像が撮影されることは必ずしも無いが、実際に撮
影された照明角度と色度差値との関係から、補間によっ
て図3に示すような照明角度を求め、その照明角度を 1
/2 して当該Aの位置における繊維潜り角を求めるので
ある。
【0045】そして、処理装置4は、以上の処理を、撮
影した画像の全ての画素位置について行う。これによっ
て、カメラ3で撮影された画像の全ての画素位置につい
て繊維潜り角ξを求めることができ、各画素位置に対し
て繊維潜り角が登録された2次元のスカラ場を生成する
ことができる。
【0046】このようにして得られた、各画素位置に対
して繊維潜り角が登録された2次元スカラ場を用いて万
線パターンを作成し、その万線パターンを用いてエンボ
ス加工を行えば、天然の木材の表面が発現するような照
り、及び照りの移動を表現することができる。
【0047】以上のように、上述した繊維潜り角測定方
法及びそのシステムによれば、天然の木材から直接に、
当該天然木材の各位置における繊維潜り角を測定するこ
とが可能となる。
【0048】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種
々の変形が可能である。例えば、上述した第2の実施形
態において、画素の色が白からどれだけずれているかを
判断する手法としては上述した手法に限らず、例えば、
RGB表色系からL***表色系に変換して当該画素
の色が白からどれだけずれているかを判断するようにし
てもよく、その他の表色系を用いてもよいものである。
また、上記の実施形態では、スプライン関数を用いて補
間を行うものとしたが、ベジエ関数を用いて補間を行っ
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る繊維潜り角測定システムの実施
形態を示す図である。
【図2】 第1の実施形態において繊維潜り角を求める
ための処理を説明するための図である。
【図3】 図2に示す手法により繊維潜り角ξを決定す
ることの妥当性、及び図5に示す手法により繊維潜り角
ξを決定することの妥当性を説明するための図である。
【図4】 ある色度の色度差を求める手法の例を説明す
るための図である。
【図5】 第2の実施形態において繊維潜り角を求める
ための処理を説明するための図である。
【図6】 万線パターンがエンドレス加工されたシート
の表面に形成された万線条溝Gの構造を示す斜視図であ
る。
【図7】 一般的な材木板における繊維方向ベクトルF
→と光線方向ベクトルL→との関係を示す側断面図であ
る。
【図8】 一般的な材木板におけるベクトル交錯角φ
(繊維潜り角ξ)と鏡面反射光強度Wとの関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1…天然木材、2…光源、3…カメラ、4…処理装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然木材を光源の角度を所定の角度ずつ変
    えながら撮影し、その撮影した画像の各画素位置につい
    て、実際の撮影時の光源の角度及び実際に撮影して得ら
    れた輝度値に基づいて、前記光源の角度を変更する所定
    の角度より小さい所定の角度毎の輝度値を補間して求
    め、それらの全ての輝度値の中で最大輝度を与える光源
    の角度を求め、その光源の角度に基づいて各画素位置に
    おける繊維潜り角を定めることを特徴とする繊維潜り角
    測定方法。
  2. 【請求項2】天然木材と、 天然木材を照明する光源と、 天然木材を撮影するカメラと、 前記光源の照明角度を所定の角度ずつ変えながら撮影し
    た天然木材の画像に基づいて、撮影した画像の各画素位
    置について、実際の撮影時の光源の角度及び実際に撮影
    して得られた輝度値に基づいて、前記光源の角度を変更
    する所定の角度より小さい所定の角度毎の輝度値を補間
    して求め、それらの全ての輝度値の中で最大輝度を与え
    る光源の角度を求め、その光源の角度に基づいて各画素
    位置における繊維潜り角を定める処理装置とを備えるこ
    とを特徴とする繊維潜り角測定システム。
  3. 【請求項3】天然木材を光源の角度を変えながらカラー
    撮影し、そのカラー撮影した画像の各画素位置におい
    て、実際の撮影によって得られた色度と光源の発光色と
    の色度差を求め、更に、実際の撮影時の光源の角度及び
    前記求めた色度差に基づいて、前記光源の角度を変更す
    る所定の角度より小さい所定の角度毎の色度差を補間し
    て求め、それらの全ての色度差の中で最小色度差を与え
    る光源の角度を求め、その光源の角度に基づいて各画素
    位置における繊維潜り角を定めることを特徴とする繊維
    潜り角測定方法。
  4. 【請求項4】天然木材と、 天然木材を照明する光源と、 天然木材を撮影するカラーカメラと、 前記光源の照明角度を変えながらカラー撮影した天然木
    材の画像に基づいて、そのカラー撮影した画像の各画素
    位置において、実際の撮影によって得られた色度と光源
    の発光色との色度差を求め、更に、実際の撮影時の光源
    の角度及び前記求めた色度差に基づいて、前記光源の角
    度を変更する所定の角度より小さい所定の角度毎の色度
    差を補間して求め、それらの全ての色度差の中で最小色
    度差を与える光源の角度を求め、その光源の角度に基づ
    いて各画素位置における繊維潜り角を定める処理装置と
    を備えることを特徴とする繊維潜り角測定システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108724384A (zh) * 2018-07-25 2018-11-02 东北林业大学 一种同时储存热能和光能的自发光木材的制备方法

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