JP2000056333A - 情報記録媒体および記録消去方法 - Google Patents

情報記録媒体および記録消去方法

Info

Publication number
JP2000056333A
JP2000056333A JP10234916A JP23491698A JP2000056333A JP 2000056333 A JP2000056333 A JP 2000056333A JP 10234916 A JP10234916 A JP 10234916A JP 23491698 A JP23491698 A JP 23491698A JP 2000056333 A JP2000056333 A JP 2000056333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
liquid crystal
recording
information
polymer composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10234916A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Oyama
淳史 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP10234916A priority Critical patent/JP2000056333A/ja
Publication of JP2000056333A publication Critical patent/JP2000056333A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報の記録、記録された情報の保持、消去を
効率的かつ安定的に実施することができる情報記録媒体
を提供する。 【解決手段】 少なくとも高分子化合物中に液晶が分散
されてなる液晶高分子複合層と透明電極とを有する記録
層と、該記録層とは独立に設けられた、導電性基板と感
光体層とを有する光導電層とを具備する情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体およ
び記録消去方法に関し、特に液晶高分子複合層を用いた
情報記録媒体および記録消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、偏光板が不要で、液晶と高分子の
屈折率の差を利用した高分子分散型液晶素子(Poly
mer Dispersed Liquid Crys
tal)に静電記録方式を応用した液晶表示素子が開発
されている。高分子分散型液晶は液晶と高分子前駆体
(例えば紫外線硬化型のモノマー、プレポリマー等)と
を所定割合にて混合、相溶させて所定間隔に保持した状
態の一対の透明基板間に上記溶液を封入し、この状態
で、該一対の基板の一方または両方から紫外線照射等で
高分子前駆体を重合硬化させる。その結果、高分子中に
液晶分子からなる平均直径約lμm程度の滴が分散配置
された高分子分散型液晶と呼ばれる液晶高分子複合層が
形成される。この高分子分散型液晶に光導電層を密着さ
せた記録層を形成し、光導電層に記録させた静電情報を
該液晶高分子複合層に可視情報として表示させる従来例
が知られている(特開平6−186546号公報)。
【0003】第5図はその高分子分散型液晶素子の従来
例を示す概略図である。同図において、下部透明基板5
0上に電界印加用の透明電極51、光導電層52が形成
され、上部透明基板55上には電界印加用の透明電極5
4が形成されている。そして、下部透明基板50上の電
界印加用の透明電極51と、上部透明基板55上の電界
印加用の透明電極54との間に、高分子分散型液晶から
なる表示素子層53が光導電層52と接して挟持されて
いる。また、図中、57は外部電圧源、56は光像で書
き込み光である。下部透明電極51と上部透明電極54
間に該外部電圧源57より電圧を印加しつつ、光導電層
52に光像56を照射すると、該光像56に対応した前
記液晶層の部分に電圧が加わる。この結果、該光像56
に対応した部分のみ高分子分散型液晶の配列が光透過方
向にそろって透明化し、静電情報が可視情報として記録
される。
【0004】また、第6図は他の高分子分散型液晶素子
の従来例を示す概略図である。同図において透明電極6
1付き透明基板60上に、樹脂中に液晶を分散させた記
録層62を塗布し、該記録層62の表面に電荷63によ
る静電情報を与え、前記透明電極61間との電界により
情報部分の液晶の配向を変化させて情報を表示させる従
来例が知られている(特開平05−27014号公
報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例の場合、記録された情報を保持する為には高
分子分散型液晶からなる表示素子層に電位を発生させ続
ける必要があり、従って上記の如く該高分子分散型液晶
層に光導電層を密着させて一体化した記録層が必要にな
る。ゆえに記録層全体の構成が厚膜化・複雑化すること
で実使用に対して不便である課題があった。
【0006】また、上記第2の従来例の場合、記録の消
去に際し素子全体を加熱する工程が必須である。従って
該工程に必要な治具・装置等を用意して該工程を実施す
る必要が生じるため、実際の使用において煩雑さやコス
トにおいて課題を残していた。
【0007】そこで本発明の目的は、上記課題を解決す
るため、高分子化合物中に液晶が分散されてなる液晶高
分子複合層を利用した情報記録媒体の構成に改善を施す
ことにより、情報の記録のみならず記録された情報の保
持もしくは消去をより効率的かつ安定的に実施すること
ができる情報記録媒体および情報の記録消去方法を提供
することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、少なく
とも高分子化合物中に液晶が分散されてなる液晶高分子
複合層と透明電極とを有する記録層と、該記録層とは独
立に設けられた、導電性基板と感光体層とを有する光導
電層とを具備することを特徴とする情報記録媒体であ
る。
【0009】また、本発明は、導電性基板と感光体層と
を有する光導電層に予め所望のパターンの光を照射して
感光体層の光照射部に情報の潜像を形成する工程、該光
導電層を、少なくとも高分子化合物中に液晶が分散され
てなる液晶高分子複合層と透明電極とを有する記録層と
接触させる工程、光導電層の潜像部に一定の周波数で電
圧を印加し、該潜像部に接触している記録層の液晶高分
子複合層の部分の光透過7状態を変化させて情報の記録
を行う工程を有することを特徴とする情報記録媒体の情
報の記録方法である。
【0010】さらに本発明は、導電性基板と感光体層と
を有する光導電層に予め所望のパターンの光を照射して
感光体層の光照射部に情報の潜像を形成する工程、該光
導電層を、少なくとも高分子化合物中に液晶が分散され
てなる液晶高分子複合層と透明電極とを有する記録層と
接触させる工程、光導電層の潜像部に一定の周波数で電
圧を印加し、該潜像部に接触している記録層の液晶高分
子複合層の部分の光透過状態を変化させて情報の記録を
行う工程、該情報が記録された液晶高分子複合層に、予
め均一帯電された光導電層を接触させながら、前記電圧
印加とは異なる周波数で電圧を印加して表示の消去を行
うことを特徴とする情報記録媒体の情報の記録消去方法
である。
【0011】前記液晶高分子複合層が異なる周波数の電
圧印加に対してそれぞれ異なる状態に応答するネマチッ
ク液晶を含むのが好ましい。前記感光体層が無機電荷輸
送性物質または有機電荷輸送性物質からなり、光の照射
により光照射部に潜像が形成されるのが好ましい。少な
くとも前記液晶高分子複合層を含む記録層あるいは前記
光導電層の少なくとも一方がフレキシブルシート基板上
に形成されているのが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の情報記録媒体の特徴は、
少なくとも高分子化合物中に液晶が分散されてなる液晶
高分子複合層および該液晶高分子複合層下部に具備した
透明電極からなる記録層と、該記録層と独立に具備され
た、導電性基板と感光体層とを有する光導電層とを有す
ることにある。
【0013】また、前記液晶高分子複合層が異なる周波
数の電圧印加に対してそれぞれ異なる状態に応答するネ
マチック液晶を含むことを特徴とする。
【0014】また、本発明の情報の記録方法は、光導電
層に予め所望のパターンの光が照射されて該光導電層の
光照射部に潜像が形成され、該光導電層を前記液晶高分
子複合層に接触させながら該潜像部に一定の周波数で電
圧を印加し、該潜像部に接触している液晶高分子複合層
部分の光透過状態が変化して表示を行うことを特徴とす
る。
【0015】また、本発明の記録された情報の消去方法
は、上記の表示がなされている液晶高分子複合層に、予
め均一帯電された光導電層を接触させながら、前記電圧
印加とは異なる周波数で電圧を印加することで該表示の
消去を行うことを特徴とする。
【0016】さらに、少なくとも前記液晶高分子複合層
を含む記録層あるいは前記光導電層のどちらか、もしく
は両方がフレキシブルシート基板上に形成されることを
特徴とする。
【0017】以下、本発明について更に詳細に説明する
が、以下の記載は本発明の範囲を何ら制限するものでは
ない。図1に本発明の情報記録媒体の記録層の実施態様
の一例の概略図を示す。図1(a)において、透明基板
10はガラス・石英等の硬質材料の他、PET、PE
S、PC等のようなフレキシブルな材質のものを用いる
ことも可能である。該透明基板10表面にはITOから
なる透明電極11が蒸着法・スパッタリング法等により
適宜の形状に形成されている。該透明電極11の表面を
所定の方向にラビング処理を施して使用してもよい。も
しくは、該透明電極11の表面にポリイミド、ポリビニ
ルアルコール等からなる薄膜(所謂配向膜、不図示)を
形成したのち前記ラビング処理を施してもよい。このよ
うに形成した透明電極11付き透明基板10上に絶縁性
フィルム・球状微粒子等からなるスペーサ12を散在さ
せる。
【0018】次に、以下で記述されるような高分子前駆
体と液晶の混和試料13を上記基板10上に塗布し、更
に別の透明基板14を重畳して固定する。該透明基板1
4はその表面も含め絶縁性であり、ガラス、石英等の硬
質材料の他、PET、PES、PC等のようなフレキシ
ブルな材質のものを用いることも可能である。こうして
1対の透明基板間に上記で調製した高分子前駆体と液晶
の混和試料13が封入され、前記基板間同志が所定間隔
(例えば1〜20μm程度)を以て対向保持される。
【0019】本実施態様における液晶高分子複合層は、
液晶材料および高分子前駆体としてのモノマー・プレポ
リマーを予め適宜混和した上で加熱或いは紫外線照射な
どで該前駆体を高分子化し、該高分子ネットワーク中に
液晶材料からなる滴を相分離させる、所謂高分子分散型
液晶の形態をとる。
【0020】この場合、高分子前駆体のモノマー・プレ
ポリマーには、例えば2−エチルヘキシル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ブ
タンジオールモノ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオ
ール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)
アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
レート等の単官能モノマー、ビスフェノール−AEO変
性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレ
ート、、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステ
アレート、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジ
オールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、トリメチロール
プロパントリエトキシアクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテ
トラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールカプロラクタム変性アクリ
レート等の2官能以上の多官能モノマー、アジピン酸−
プロピレンオキシドアクリレート、トリメリット酸−ジ
エチレングリコールアクリレートなどのポリエステルア
クリレート系プレポリマー、ビスフェノール−エピクロ
ルヒドリンアクリレートなどのエポキシアクリレート系
プレポリマー、ポリエステル−トリレンジイソシアネー
ト−ヒドロキシエチルアクリレートなどのウレタンアク
リレート系プレポリマー、アロニックス系(商品名、東
亜合成)・SAM系やPN系やMXM系(いずれもメル
ク社)等の単官能もしくは多官能オリゴマー・プレポリ
マーもしくはそれらの混合物や共重合オリゴマーを用い
ることも可能である。
【0021】本実施態様で用いる前記液晶材料は、使用
環境温度で異なる周波数の電圧印加で誘電異方性が逆転
するネマチック液晶(2周波駆動液晶)であり、例えば
チッソ社製のDF系等の液晶を用いることができる。
【0022】これら液晶材料を前記高分子前駆体に適量
混和する。その際、該液晶材料と高分子前駆体とを混合
する比率は、8:2から4:6が好ましい。
【0023】更に、必要に応じて光重合開始剤を前記高
分子前駆体と前記液晶の混和材料系に添加してもよい。
該光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン(チバ・ガイギー社製「イル
ガキュア184」)、ベンジルジメチルケタール(チバ
・ガイギー社製「イルガキュア651」)、2−メチル
−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリ
ノプロパノン−1(チバ・ガイギー社製「イルガキュア
907」)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン(メルク社製「ダロキュア117
3」)、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1116」)、2,4−ジエチルチオキサ
ントン(日本化薬社製「カヤキュアDETX」)、p−
ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキ
ュア−EPA」)、イソプロピルチオキサントン(ワー
ドプレキンソップ社製「カンタキュアITX」)、p−
ジメチルアミノ安息香酸エチル、アシルフォスフィンオ
キシド(BASF社製「ルシリンTPO」)等およびこ
れらの混合物を使用することができる。該光重合開始剤
の使用割合は、前記高分子前駆体と前記液晶の混和試料
の総重量に対して0.1〜5wt%の範囲にあることが
好ましい。
【0024】次に、前記混和試料13が封入された一対
の透明基板に紫外線を照射すると前記高分子前駆体は重
合反応を生じて硬化・高分子化する。同時に前記液晶は
該高分子から相分離し、液晶滴を形成する。なお該重合
反応は前記液晶が液晶状態から等方性液体に変わる相転
移温度よりも高温で行う。この操作により液晶滴が高分
子中に分散した状態の液晶高分子複合層15(図1
(b)の15)が形成される。
【0025】また、本実施態様では前記高分子前駆体と
前記液晶を混合し重合反応を終了した後に任意の温度で
任意の時間、該素子を維持するポストベーク工程を施す
ことが好ましい。この操作により、一層の均質形態と安
定な駆動特性を記録層(高分子分散型液晶素子)に与え
ることが可能となる。
【0026】本発明における液晶高分子複合層の他の実
施態様としては、図1(c)に示す様に、液晶材料と高
分子を適当な溶媒に溶解しておき、それを上記のスペー
サー12が散在する透明電極10付き透明基板11に塗
布し、溶媒を蒸発させたのち、絶縁性透明基板14を重
畳固定する。こうして一対の透明基板間に上記で調製し
た液晶高分子複合層16が封入され、前記基板間同志が
前記スペーサー12により所定間隔(例えば1〜20μ
m程度)を以て対向保持される。
【0027】次に、図2に本発明の情報記録媒体の光導
電層の実施態様の一例の概略図を示す。図2では、図1
とは全く別個の基板20上に感光体層21が被覆されて
成る光導電層22を形成する。該基板20は導電性を有
し、かつ光透過性であるものを用いる。例えばアルミニ
ウム、クロム、ニッケル、ステンレス、銅、亜鉛、イン
ジウム酸化物等の導電性物質から成る微粒子を適当なバ
インダー樹脂とともに塗布・成形してフィルム化して用
いることができる。また、例えばポリピロール、ポリフ
ェニレン、ポリチオフェンおよびそれらの誘導体等の導
電性高分子を電解重合等でフィルム状に形成して用いる
こともできる。
【0028】前記感光体層21は、例えばセレン、セレ
ン−テルル、アモルファスシリコンおよび硫化カドミウ
ムなどの無機電荷輸送性物質の他、有機電荷輸送物質で
あるところの2,4,7−トリニトロフルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、クロラニ
ルおよびテトラシアノキノジメタンなどの電子吸引性物
質やこれら電子吸引性物質を高分子化した化合物、ピレ
ンおよびアントラセンなどの多環芳香族化合物;カルバ
ゾール系、インドール系、イミダゾール系、オキサゾー
ル系、チアゾール系、オキサジアゾール系、ピラゾール
系、ピラゾリン系、チアジアゾール系およびトリアゾー
ル系化合物などの複素環化合物;p−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾンおよび
N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−
エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化合物;α−フ
ェニル−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンお
よび5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデ
ン]−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンなどの
スチリル系化合物;ベンジジン系化合物;トリアリール
メタン系化合物;トリフェニルアミン系化合物あるい
は、これらの化合物から誘導される基を主鎖または側鎖
に有する高分子化合物(例えばポリ−N−ビニルカルバ
ゾール、ポリビニルアントラセンなど)などの正孔輸送
性物質が挙げられる。
【0029】これらの感光体層21はの膜厚は0.lμ
m〜5μmが好ましい。また、電荷発生物質であるとこ
ろのアズレン染料・スクエアリウム染料・シアニン染料
・スーダンレッドやダイアンブルーなどのアゾ系顔料・
ピレンキノン等のキノン系顔料・ペリレン顔料・インジ
ゴ顔料・フタロシアニン顔料(膜厚5μm〜50μm)
を、層状に組み合せて、もしくは混合して、更に必要に
応じて樹脂バインダーをも混合しながら形成することが
できる。
【0030】前記感光体層21は透明もしくは半透明で
あることが望ましく、いずれも膜厚を制御することで透
明度を確保できる。また、上記感光体層21を外部から
の機械的および化学的悪影響から保護するために樹脂層
を、場合によっては導電性粒子や電荷輸送物質を含有さ
せて設けることができる(不図示)。
【0031】次に、図3に本発明による情報記録媒体お
よびその記録・消去方法の概略図を示す。同図におい
て、上記で形成した光導電層32を、通常の電子写真装
置に用いる感光体担持用ドラム30に担持させる。該ド
ラム30は軸313を中心として矢印方向に所定の周速
度で回転駆動される。該感光体層31は、その回転過程
で帯電手段33によりその周面に正または負の所定電位
の均一帯電を受け、次いで露光手段34により光像露光
(スリット露光、レーザービーム走査露光など)を受け
る。これにより感光体層31周面に露光像に対応した静
電潜像35が順次形成されていく。
【0032】次に、該感光体層31を含む光導電層32
を回転させながらをバネで押圧するなどして記録層31
2の液晶高分子複合層38に接触させる。その際、該感
光体層31と該液晶高分子複合層38を挟み込む透明電
極37との間に該液晶が有する2周波駆動特性のクロス
オーバー周波数より低周波で電圧を印加する。この時、
該感光体層31に予め形成されてなる静電潜像35に対
応した前記液晶高分子複合層38の部分311に電界が
かかって透明化し、結果として静電情報が可視情報31
1に変換・記録される。前記ドラム30が前記液晶高分
子複合層38上で回転するに従い、上記の記録工程が順
次進行する。
【0033】次に、情報が記録された液晶高分子複合層
38から記録を消去する。前記感光体層31を予め前記
帯電手段33により均一帯電処理した上で、再び上記の
方法で該感光体層31に接触させる。その際、該感光体
層31と該液晶高分子複合層38を挟み込む透明電極3
7との間に該液晶が有する2周波駆動特性のクロスオー
バー周波数より高周波で電圧を印加する。この操作によ
り、前記液晶高分子複合層の記録情報(透明化部分、3
11)は消去され、該液晶高分子複合層は全面に白濁化
する。
【0034】本発明の情報記録媒体およびその記録・消
去方法の実施態様の他の一例を図4に示す。本例では、
平面構成の光導電層411の感光体層47に予め静電潜
像48を形成しておき、該光導電層411を液晶高分子
複合層44を含む記録層410全面に密着させる。そし
て、該感光体層47と該液晶高分子複合層44に第1の
実施態様に記載の方法に準じて電圧を印加すると、前記
光導電層47に予め形成されてなる静電潜像48に対応
した液晶高分子複合層44の部分49が透明化し、結果
として静電情報が可視情報に変換・記録される。
【0035】本例における記録の消去は、まず前記光導
電層411を前記記録層410から離した上で該光導電
層411に対して均一帯電処理し、再び両者を密着させ
ながら感光体層47と該液晶高分子複合層44を挟み込
む透明電極42との間に2周波駆動のクロスオーバー周
波数より高周波で電圧を印加する。この操作により、前
記液晶高分子複合層44の記録可視情報(透明化部分4
9)は消去され、該液晶高分子複合層は全面に白濁化す
る。
【0036】
【実施例】以下に実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではな
い。なお、部は特に制限のないかぎり重量基準を示す。
【0037】実施例1 まず高分子前駆体混和試料として、2−ヒドロキシメチ
ルメタクリレート90部、ヘキサンジオールジアクリレ
ート10部を光透過性バイアルに合計で50μl程度以
上になるよう分取、混和した。次にネマチック液晶DF
05XX(チッソ社)を前記高分子前駆体混和試料に重
量比1:1でバイアル中で混和した。その際、光重合開
始剤としてイルガキュア184(チバ・ガイギー社)を
0.03部加えた。
【0038】次に、図1(a)に示すように、厚さ20
0μmのPESフィルム基板10の中央に10mm角に
ITOl1を引き出しパターン付きでスパッタ形成し
た。引き続き該基板上にスペーサビーズ12(直径7μ
m、積水ファインケミカル社)を散在させた。次に上記
で調製した試料を塗布し、更にその上から厚さ200μ
mのPESフィルム基板(ITOなし)を重畳しラミネ
ート封入した。
【0039】次に、該基板全体を120℃に保持したホ
ットプレート上に置き、紫外線を10mW/cm2 の強
度で10分間照射した。引き続き120℃にて30分、
紫外線照射せずに静置し、その後に室温まで徐冷した。
この段階で高分子分散型液晶が形成され、液晶高分子複
合層15を挟持した前記基板(以下、記録層と記す)は
光散乱のため白濁している(図1(b)参照)。
【0040】次に、光導電層を以下のように作製した。
ポリピロールフィルムを電解重合により厚さ50μmに
作製し、それを4枚重ねて厚さ200μmのフィルムと
した。次にテトラシアノキノジメタン(10重量%)と
2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール(40重量%)を、ポリイソ
ブチルメタクリレート(50重量%)と混合してエーテ
ルに溶解した溶液を、前記ポリピロールフィルム上に乾
燥後の膜厚が10μmとなるようバーコートした。
【0041】次に、図3に示す方法で情報記録媒体の記
録・消去を行なった。まず、上記で構成した光導電層3
2を通常の複写機で用いられるドラム30に担持させ
た。次に露光手段34を用いて該光導電層32に文字情
報35を潜像記録した。続いて記録層312を装置内に
搬入し、該光導電層32と前記記録層312中の液晶高
分子複合層38層下部の透明電極37に200V/25
Hzで電圧印加を行いながら該記録層312を搬送し
た。装置から搬出された記録層312中の液晶高分子複
合体38には上記で潜像記録した文字情報35に相当す
る部分311が透明化しており、該文字情報が可視情報
として記録された。更に、該透明化部分311は経時的
にその光透過率に変化をきたさなかった。
【0042】次に、該記録層312を再び装置内に搬入
した。その時、前記光導電層32はすでに露光手段34
により露光され全面が均一帯電している。そして該光導
電層32と前記液晶高分子複合層38下部の透明電極3
7に200V/10KHzで電圧印加を行いながら該記
録層312を搬送した。装置から搬出された記録層31
2においては前段で記録された文字情報311は完全に
消失しており、全面白濁の状態であった。
【0043】実施例2 図4に示す方法で情報記録媒体の記録・消去を行なっ
た。本実施例ではまず、実施例1に記載の処方にて高分
子分散型液晶からなる液晶高分子複合層44を含む記録
層410を形成した。次に光導電層411を形成する
が、本実施例では実施例1に記載の処方にて光導電層4
11を作製後、実施例1とは異なり、複写機感光ドラム
用円柱に固定することはせずに、平面上で記録すべき文
字情報のパターン露光を行い潜像記録48を行った。
【0044】次に前記記録層410と前記光導電層41
1を平面で密着させ、実施例1で使用した装置に搬入し
た。そして該光導電層411と前記液晶高分子複合層4
4下部の透明電極42に200V/25Hzで電圧印加
を行いながら該記録層410を搬送した。装置から搬出
された記録層410には上記で潜像記録した文字情報4
8に相当する部分が透明化49しており、該文字情報が
可視情報として記録された。
【0045】次に、前記光導電層411を露光手段によ
り露光し全面が均一帯電させた上で、前記液晶高分子複
合層410と平面で密着させ、前記装置の搬入口より装
置内に搬入した。そして前記光導電層411と前記液晶
高分子複合層44下部の透明電極42に200V/10
KHzで電圧印加を行いながら両者を搬送した。装置か
ら搬出され、前記光導電層411を分離した液晶高分子
複合層44においては前段で記録された文字情報は完全
に消失しており、全面白濁の状態であった。 実施例3 本実施例では、液晶高分子複合層を以下の処方で作製し
た。まずポリイソブチルメタクリレート(Polysc
ience社)50部とネマチック液晶DF05XX
(チッソ社)50部をクロロフォルムに溶解し、実施例
1で作製したスペーサービーズ散在済のITO付きPE
Sフィルム基板に塗布し、更に実施例1に記載の方法で
PESフィルム基板(ITOなし)を重畳しラミネート
封入した。以下、実施例1で用いた方法と装置により文
字情報を記録・消去の操作を行ったところ、実施例1で
得られた効果と同様の効果を得ることができた。
【0046】実施例4 本実施例では、実施例3に記載の処方で液晶高分子複合
層を作製した。以下、実施例2で用いた方法と装置によ
り文字情報を記録・消去の操作を行ったところ、実施例
1で得られた効果と同様の効果を得ることができた。
【0047】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の情報記録媒
体は、高分子分散型液晶を用いた情報の記録消去方法
で、記録層と光導電層を独立に用いるため、記録層自身
の構成が比較的簡単となった。従って例えば薄型軽量か
つ曲げなどの変形操作に対して耐性や復元力を有する記
録層を作製することが可能となった。
【0048】また、本発明の液晶高分子複合層を用いた
情報の記録においては、該液晶高分子複合層を含む記録
層に格段の構成を付与したり、格段の操作を加えたりす
ることなく情報の保存が可能となった。また、情報の消
去に際しては情報の記録に用いた装置をそのまま使用す
るため、操作工程が簡易となった。更に本発明で使用し
た装置は通常の電子写真方式による複写機を大幅な改造
をせずに使用するため、汎用性が高い効果が期待される
など、実用に際しての課題を解決しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の記録層の実施態様の一
例を示す概略図である。
【図2】本発明の情報記録媒体の光導電層の実施態様の
一例を示す概略図である。
【図3】本発明による情報記録媒体およびその記録・消
去方法を示す概略図である。
【図4】本発明の情報記録媒体およびその記録・消去方
法の実施態様の他の一例を示す概略図である。
【図5】高分子分散型液晶素子の従来例を示す概略図で
ある。
【図6】他の高分子分散型液晶素子の従来例を示す概略
図である。
【符号の説明】
10、14、36、41、45、46、310 透明基
板 11、37、42 透明電極 12、39、43 スペーサ 13 高分子前駆体と液晶の混和試料 15、16、38、44 液晶高分子複合層 20 基板 21、31、47 感光体層 22、32、411 光導電層 30 感光体担持用ドラム 33 帯電手段 34 露光手段 35、48 静電潜像 49、311 可視情報(記録部分、透明化) 312、410 記録層 50、60 下部透明基板 51、61 透明電極 52 光導電層 53 表示素子層 54 上部透明電極 55 上部透明基板 56 光像 57 外部電圧源 62 記録層 63 電荷

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも高分子化合物中に液晶が分散
    されてなる液晶高分子複合層と透明電極とを有する記録
    層と、該記録層とは独立に設けられた、導電性基板と感
    光体層とを有する光導電層とを具備することを特徴とす
    る情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記液晶高分子複合層が異なる周波数の
    電圧印加に対してそれぞれ異なる状態に応答するネマチ
    ック液晶を含む請求項1記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記感光体層が無機電荷輸送性物質また
    は有機電荷輸送性物質からなり、光の照射により光照射
    部に潜像が形成される請求項1記載の情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記液晶高分子複合層を含む
    記録層あるいは前記光導電層の少なくとも一方がフレキ
    シブルシート基板上に形成されている請求項1乃至3の
    いずれかの項に記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 導電性基板と感光体層とを有する光導電
    層に予め所望のパターンの光を照射して感光体層の光照
    射部に情報の潜像を形成する工程、該光導電層を、少な
    くとも高分子化合物中に液晶が分散されてなる液晶高分
    子複合層と透明電極とを有する記録層と接触させる工
    程、光導電層の潜像部に一定の周波数で電圧を印加し、
    該潜像部に接触している記録層の液晶高分子複合層の部
    分の光透過状態を変化させて情報の記録を行う工程を有
    することを特徴とする情報記録媒体の情報の記録方法。
  6. 【請求項6】 導電性基板と感光体層とを有する光導電
    層に予め所望のパターンの光を照射して感光体層の光照
    射部に情報の潜像を形成する工程、該光導電層を、少な
    くとも高分子化合物中に液晶が分散されてなる液晶高分
    子複合層と透明電極とを有する記録層と接触させる工
    程、光導電層の潜像部に一定の周波数で電圧を印加し、
    該潜像部に接触している記録層の液晶高分子複合層の部
    分の光透過状態を変化させて情報の記録を行う工程、該
    情報が記録された液晶高分子複合層に、予め均一帯電さ
    れた光導電層を接触させながら、前記電圧印加とは異な
    る周波数で電圧を印加して表示の消去を行うことを特徴
    とする情報記録媒体の情報の記録消去方法。
JP10234916A 1998-08-07 1998-08-07 情報記録媒体および記録消去方法 Pending JP2000056333A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10234916A JP2000056333A (ja) 1998-08-07 1998-08-07 情報記録媒体および記録消去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10234916A JP2000056333A (ja) 1998-08-07 1998-08-07 情報記録媒体および記録消去方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000056333A true JP2000056333A (ja) 2000-02-25

Family

ID=16978304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10234916A Pending JP2000056333A (ja) 1998-08-07 1998-08-07 情報記録媒体および記録消去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000056333A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523054A (ja) * 2000-12-08 2004-07-29 スウィンバーン ユニバーシティ オブ テクノロジー データ記憶

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004523054A (ja) * 2000-12-08 2004-07-29 スウィンバーン ユニバーシティ オブ テクノロジー データ記憶

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7952668B2 (en) Display medium, and manufacturing method and apparatus of the display medium
US5514504A (en) Information recording medium, and information recording a reproducing method
US5932301A (en) Information recording medium and information recording and reproducing method
JP2908098B2 (ja) 情報記録媒体及び情報記録再生方法
JP3280467B2 (ja) 情報記録媒体
JPWO2007055368A1 (ja) 液晶表示装置用基板の製造方法、液晶表示装置用基板及び液晶表示装置
JP2000056333A (ja) 情報記録媒体および記録消去方法
JP2002309103A (ja) 液晶性組成物、カラーフィルタ、及び液晶表示装置
JP2001075122A (ja) 表示記録媒体
JPH06242482A (ja) 記録再生方法および装置
JP2010002506A (ja) 光書込型表示装置、書込装置、及び光書き込み方法
JP3167814B2 (ja) 情報記録媒体及び情報記録再生方法
JP3204745B2 (ja) 情報記録媒体及び情報記録再生方法
JP3187575B2 (ja) 情報記録媒体の製造方法及び情報記録再生方法
JP3197965B2 (ja) 情報記録媒体
JP3122647B2 (ja) 情報記録媒体及び情報記録再生方法
JP3197964B2 (ja) 情報記録媒体
JP3153344B2 (ja) 情報記録媒体及び静電情報記録再生方法
JPH11160726A (ja) 液晶素子及びその製造方法
JP3528938B2 (ja) 情報記録媒体
JPH06235907A (ja) 情報記録媒体及び情報記録再生方法
JPH06309693A (ja) 光センサー、情報記録装置および情報記録再生方法
JPH05273577A (ja) 光書込み型空間光変調素子
JPH06186543A (ja) 情報記録媒体の製造方法及び情報記録再生方法
JPH0618917A (ja) 情報記録媒体および情報記録再生方法