JP2000056101A - フライアイレンズおよびその作製方法 - Google Patents

フライアイレンズおよびその作製方法

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JP2000056101A
JP2000056101A JP10221532A JP22153298A JP2000056101A JP 2000056101 A JP2000056101 A JP 2000056101A JP 10221532 A JP10221532 A JP 10221532A JP 22153298 A JP22153298 A JP 22153298A JP 2000056101 A JP2000056101 A JP 2000056101A
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eye lens
tunnel
mold
glass
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Tomio Suzuki
富雄 鈴木
Yoshinobu Watanabe
義信 渡辺
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NGK Insulators Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ディスプレイや液晶プロジェクタ等の集
光部品等として好適に用いることができる、耐久性が良
好で安価に作製することができるフライアイレンズを提
供する。 【解決手段】 ガラスもしくは透光性樹脂から一体的に
なるフライアイレンズ1である。複数のトンネル状突起
2が表面に並列に形成され、かつ、トンネル状突起2と
長さ方向が直交し、トンネル状突起2と同一もしくは異
なるピッチを有する複数のトンネル状突起3を裏面に並
列に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、液晶ディスプレ
イや液晶プロジェクタ等の集光部品等として好適に用い
ることができる、耐久性が良好で安価に作製することが
できるフライアイレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】 フライアイレンズは、球面状の凸部を
有する複数の小レンズ(マイクロレンズ)を、シートの
一表面に縦横に並列に配した構造を有しており、たとえ
ば、TFT−LCDでは、画素の1つ1つにマイクロレ
ンズを対応させ、照明光を画素領域に集光して、実効的
に開口率を向上を図っている。また、フライアイレンズ
は、液晶プロジェクタにおいて、光源からの照明光を集
光する目的に使用され、さらには集光して結像されたそ
れぞれの光を、再び拡散する目的にも使用されている。
【0003】 このようなフライアイレンズとしては、
ポリカーボネートやアクリル、ポリメチルメタクリレー
ト等の透光性の良好な非晶性高分子からなるものが用い
られており、一般的に、フォトリソグラフィ、鋳型重
合、光硬化、ロール成形、射出成形等により作製されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
した種々の非晶性高分子からなるフライアイレンズにあ
っては、耐熱性、耐光性が必ずしも良いとは言えないた
め、継続的な使用による組織の変化、劣化による画像の
質の低下が問題となる。特に、液晶プロジェクタにおい
ては、光源としてハロゲンランプやメタルハライドラン
プといったランプ温度の高い放電型高輝度ランプが用い
られるために、フライアイレンズを光源に近づけること
が困難となり、製品の小型化が妨げられている。また、
作製方法についても、設備コスト、生産性を考慮する
と、必ずしも安価であるとは言い難い。
【0005】 また、非晶性高分子性は、成形時の樹脂
粘性が高いために型形状の転写性が劣るという問題があ
る。一方、結晶性高分子を用いて、射出成形により良好
な光学素子を得ることができるとの報告もあるが、射出
成形装置および金型は高価であり、必ずしも安価な作製
方法とは言い難い。しかも有機系高分子を用いる限り、
上述した耐熱性、耐光性といった問題が残る。
【0006】 さらに、近年、薄型ディスプレイとして
急激に需要が増大しているLCD(液晶ディスプレイ)
においては、高輝度化、薄型化のために光源近傍で使用
できるフライアイレンズが切望されているが、このため
には、耐熱性、耐光性のみならず、熱膨張係数がフライ
アイレンズと液晶パネルとでマッチングする必要があ
る。ここで、液晶パネルの熱膨張係数が約5×10-6
あるのに対し、ポリカーボネートでは70×10-6と約
10倍も大きいため、その適用には限界がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明は、上述した従
来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、以下に示
すように、良好な形状精度を有し、用途が同じで光学特
性も同等である2種類のフライアイレンズが提供され
る。すなわち、本発明によれば、第1に、ガラスもしく
は透光性樹脂から一体的になるフライアイレンズであっ
て、複数のトンネル状突起が表面に並列に形成され、か
つ、当該表面のトンネル状突起と長さ方向が直交し、当
該表面のトンネル状突起と同一もしくは異なるピッチを
有する複数のトンネル状突起が裏面に並列に形成されて
いることを特徴とするフライアイレンズ、が提供され
る。
【0008】 また本発明によれば、第2に、ガラスも
しくは透光性樹脂から一体的になるフライアイレンズで
あって、互いに直交する同一もしくは異なるピッチを有
するトンネル状突起の重複体積部分に相応する略四角錐
形状を有する複数の凸型曲面レンズが、一表面において
縦横に並列に形成されていることを特徴とするフライア
イレンズ、が提供される。
【0009】 上述した異なる形状を有する2種類のフ
ライアイレンズにおいて、ピッチは好適には20μm〜
400μmに設定される。また、フライアイレンズ自体
は、好適には、1インチ以上20インチ以下の対角長さ
を有する大きさとされる。
【0010】 フライアイレンズを構成する材料として
は、透光性、成形性、耐熱性、耐光性といった種々の特
性から、ガラスが最も好ましく、酸化ホウ素およびアル
カリ酸化物を内重量比で15〜28%含有するもの、お
よび/または二酸化珪素およびアルカリ酸化物を内重量
比で72〜94%含有した組成を有するものが好適に用
いられる。ここで、ガラスの軟化点は400℃〜700
℃の範囲にあることが好ましく、ガラスの熱膨張係数
は、1ppm以上8ppm以下であることが好ましい。
【0011】 一方、透光性樹脂を用いる場合の材料と
しては、ポリカーボネートやアクリル、ポリメチルメタ
クリレート等が挙げられるが、耐熱性、耐光性の点でガ
ラスに劣ることは否定できない。しかし、球面レンズを
一面に縦横に配した従来形状のフライアイレンズと比較
すると、本発明のフライアイレンズは、このような透光
性樹脂を用いた場合であっても、その新規な形状に基づ
き、成形性が良好で寸法精度に優れる点で、生産歩留ま
りの向上、ひいては生産コストの低下に効果がある。
【0012】 さらに本発明によれば、上述した一方の
フライアイレンズ、すなわち、平行な複数のトンネル状
突起が表裏各面に形成されたガラスもしくは透光性樹脂
からなるフライアイレンズの作製方法であって、プレス
面に、当該表裏各面のトンネル状突起に相補するトンネ
ル溝を形成した金型をそれぞれ上型および下型として同
時に用い、かつ、当該上型におけるトンネル溝の長さ方
向と当該下型におけるトンネル溝の長さ方向とを互いに
直交せしめて、平板ガラス基板もしくは透光性樹脂基板
をプレス成形することを特徴とするフライアイレンズの
作製方法、が提供される。
【0013】 また本発明によれば、他方のフライアイ
レンズ、すなわち、略四角錐形状を有する複数の凸型曲
面レンズが表面に縦横に形成されたガラスもしくは透光
性樹脂からなるフライアイレンズの作製方法であって、
プレス面にトンネル溝を複数ほど並列に形成した第一金
型と、当該第一金型におけるトンネル溝と長さ方向を直
交せしめたトンネル溝をプレス面に複数ほど並列に形成
した第二金型と、プレス面が平板状に形成された第三金
型とを用い、平板ガラス基板もしくは透光性樹脂基板を
当該第一金型および第三金型を用いてプレス成形した
後、当該第一金型に代えて当該第二金型を用いて再プレ
スすることを特徴とするフライアイレンズの作製方法、
が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】 上述した本発明に係るフライア
イレンズは、ガラスからなるものについては、耐熱性、
耐光性に優れ、寿命が長いのみならず、成形性、生産性
にも優れ、また、液晶パネルといったガラス部品と同等
の熱膨張係数を有するので、液晶プロジェクタの小型
化、液晶パネルの薄型化を図ることが可能となる。一
方、透光性樹脂からなるものは、成形性がよく良好な寸
法精度が得られることから、従来のフライアイレンズに
代替して用いることが可能である。以下、本発明の実施
の形態について、まず、ガラスからなるフライアイレン
ズについて説明する。
【0015】 図1は、本発明のフライアイレンズの一
実施形態を示す斜視図である。フライアイレンズ1はガ
ラスから一体的に形成されており、複数のトンネル状突
起2が並列に表面に形成され、かつ、複数のトンネル状
突起3が並列に、表面のトンネル状突起2の長さ方向と
直交するように、裏面に形成されている。つまり、トン
ネル状突起2の長さ方向はY軸方向に、トンネル状突起
3の長さ方向はX軸方向に、それぞれ一致するように形
成されており、トンネル状突起2・3がレンズの役割を
担う。なお、ここでの「表面」および「裏面」は、「一
方の面」および「他方の面」程度の意味である。
【0016】 ここで、トンネル状突起について定義す
る。トンネル状突起とは、下辺が直線状であって上辺が
弧状である断面形状が、一軸方向に連接してなる突起を
いい、上辺と下辺とは側辺によってその両端が接続され
ていても良い。この上辺を形成する弧の代表的なものと
しては、円や楕円の弧が挙げられるが、これらの近似曲
線や関数曲線の一部等の形状としてもよく、後述するよ
うに、光学的に焦点を結び、あるいは光の集光・分散を
行える形状であれば、特に制限されるものではない。
【0017】 さて、フライアイレンズ1において、裏
面のトンネル状突起3は、表面のトンネル状突起2と同
一もしくは異なるピッチを有する。つまり、表面におけ
るトンネル状突起2のピッチAと、裏面におけるトンネ
ル状突起3のピッチBとは、同じ幅であっても良く、ま
た、異なる幅に設定されてもよい。なお、ピッチAは隣
接するトンネル状突起2の頂上部の稜線の間隔を示して
おり、ピッチBについても同様に定義される。なお、こ
の稜線の間隔はトンネル状突起自体の幅、すなわち、隣
接するトンネル状突起間に形成される溝の間隔でもあ
る。
【0018】 続いて、フライアイレンズ1の集光のメ
カニズムを図2を参照しながら説明する。図2におい
て、左側はZ−X平面における断面を示し、右側はY−
Z平面における断面を示している。左側図において、X
−Y平面に入射する光4は、トンネル状突起2なるレン
ズにより集光されて、紙面に垂直なY軸方向に延びる線
状光5として集光される。この線状光5は右側図におい
てはY軸に平行な直線6で示され、線状光5は裏面のト
ンネル状突起3なるレンズによりさらに一点に集光さ
れ、点7において焦点を結ぶ。
【0019】 次に、図3は、本発明のフライアイレン
ズの別の実施形態を示す斜視図であり、フライアイレン
ズ11もまたガラスから一体的に形成される。そして、
同一もしくは異なるピッチを有するトンネル状突起が互
いに一平面上において直交している場合を想定すると、
各トンネル状突起が重複する体積部分は略四角錐形状を
有することとなるが、フライアイレンズ11において
は、この略四角錐形状を有する複数の凸型曲面レンズ1
2が一表面において縦横に並列に形成されている。
【0020】 なお、凸型曲面レンズ12の縦ピッチ
C、すなわち隣接する凸型曲面レンズ12のY軸方向に
おける頂点間もしくは溝間の間隔と、横ピッチD、すな
わち隣接する凸型曲面レンズ3のX軸方向における頂点
間もしくは溝間の間隔は、それぞれ同じ幅であっても、
また異なる幅であってもよい。縦ピッチCと横ピッチD
は、後述するフライアイレンズ11の作製方法に示され
るように、また上述したように、互いに一平面上におい
て直交しているトンネル状突起を想定した場合の各トン
ネル状突起のピッチによって定まる値でもある。
【0021】 次に、フライアイレンズ11の集光のメ
カニズムを図4、図5を参照しながら説明する。図4に
おいて、左側図は一つの凸型曲面レンズ12をZ軸方向
から見た平面図であり、右側図は凸型曲面レンズ12の
頂点の位置をP、頂点Pを通りY−Z平面における断面
を断面M、Z−X平面のおける断面を断面Nとしたとき
の各断面M・Nにおける集光の様子を示している。
【0022】 フライアイレンズ11の裏面、すなわち
平板面からの入射光13は、凸型曲面レンズ12により
断面Mにおいては断面N上に、一方、断面Nにおいては
断面M上にそれぞれ集光される。なお、図4中の点
1、X2、Y1、Y2はそれぞれ凸型曲面レンズ12の底
面外周と各断面M・Nとの交点の位置を示している。
【0023】 このときの集光面における光の強度分布
を示したものが図5である。X軸方向およびY軸方向の
集光の強さはいずれも三角形状の分布を有し、集光面
内、凸型曲面レンズ12の頂点位置P上空において集光
強度が大きくなるため、結果的に集光面内、頂点位置P
上空において最も集光し、焦点を結ぶこととなる。
【0024】 さて、上述した2種類のフライアイレン
ズ1・11において、ピッチA〜Dは好適にはそれぞれ
20μm〜400μmの範囲に設定される。また、フラ
イアイレンズ1・11自体の好適な厚みは0.2〜2m
mであり、さらに、好ましくは1インチ以上20インチ
以下の対角長さを有する大きさとされる。このような形
状を有するフライアイレンズ1・11は、液晶ディスプ
レイや液晶プロジェクタ用光学部品として特に好適に使
用することができる。また、立体画像表示ディスプレイ
における指向性スクリーンとして用いることも可能であ
る。但し、ピッチの間隔や対角長さは、使用目的によっ
て変化することを考慮すれば、このような範囲に限定さ
れるものではないことはいうまでもない。
【0025】 フライアイレンズ1・11に用いられる
ガラスとしては、酸化ホウ素(B23)およびアルカリ
酸化物を内重量比で15〜28%含有するもの、および
/または二酸化珪素(SiO2)およびアルカリ酸化物
を内重量比で72〜94%含有した組成を有するものが
好適に用いられる。ここで、アルカリ酸化物とは、酸化
リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸
化カリウム(K2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)とい
ったアルカリ金属の酸化物を指す。
【0026】 そして、ガラスの軟化点は、後述するプ
レス成形における成形性、離型性、寸法精度の確保等の
点から、400℃〜700℃の範囲にあることが好まし
い。また、ガラスの熱膨張係数は、1ppm〜8ppm
の範囲にあることが好ましい。一般的に、B23を多く
含む場合には熱膨張係数が大きくなり、一方、SiO2
を多く含む場合には熱膨張係数が小さくなるので、使用
用途に合わせて、たとえば、液晶パネルの熱膨張係数に
合わせて、適宜好適な組成を有するように設計すること
ができる。
【0027】 上述した組成や特性を満足しているガラ
スを用いることで、後述するプレス成形が容易に行える
ようになる。つまり、プレス成形を行い易い材料では、
プレス成形時の応力歪みが小さく抑えられるために、表
面のマイクロクラックの発生が抑制され、これにより、
レンズとしての特性の向上を図ることができる。
【0028】 なお、具体的なガラス組成としては、P
P−4(SiO2:79.0%、B23:(無し)、ア
ルカリ酸化物:15.0%、その他微量成分)、BK−
7(SiO2:68.9%、B23:10.0%、アル
カリ酸化物:17.2%、その他微量成分)、パイレッ
クス(SiO2:80.9%、B23:12.7%、ア
ルカリ酸化物:4.0%、その他微量成分)、PC−4
(SiO2:62.9%、B23:7.7%、アルカリ
酸化物:9.3%、その他微量成分)等を挙げることが
できる。
【0029】 次に、フライアイレンズ1の作製方法に
ついて説明する。フライアイレンズ1は、平板ガラス基
板のリヒートプレスにより成形することが好ましい。リ
ヒートプレスとは、固体ガラスを昇温して軟化させた状
態において、プレス成形して変形させることにより、金
型のプレス面の形状を固体ガラスに転写すると同時に、
厚みの調整等の形状の調整を行うものである。
【0030】 リヒートプレスを行うにあたっては、平
板ガラス基板を準備しなればならないが、当然に、この
平板ガラス基板として市販のものを用いることができ
る。また、目的に応じた組成を有する溶融ガラスを作製
し、公知の種々の方法により所望する形状のガラス基板
を作製してもよい。
【0031】 図6は、直方体形状を有する平板ガラス
基板20を用いた場合のフライアイレンズ1の作製工程
の一実施形態を示す説明図であり、図6(a)はY軸方
向から見た場合(Y軸方向視野)、図6(b)はX軸方
向から見た場合(X軸方向視野)をそれぞれ示してい
る。平板ガラス基板20を、予熱されたリヒートプレス
用の下型21上に載置して、平板ガラス基板20をその
軟化点以上の温度とした後に、上型22を所定条件にて
圧し当てることで、フライアイレンズ1が作製される。
【0032】 ここで、上型22としてはプレス面に、
フライアイレンズ1の表面のトンネル状突起2に相補す
るトンネル溝25を形成した金型を用い、一方、下型2
1としてはプレス面にフライアイレンズ1の裏面のトン
ネル状突起3に相補するトンネル溝26を形成した金型
を用いて、プレス時には上型22におけるトンネル溝2
5の長さ方向と下型21におけるトンネル溝26の長さ
方向とを互いに直交せしめる。つまり、上型22におけ
るトンネル溝25の長さ方向と、下型21におけるトン
ネル溝26の長さ方向は、互いに直交する方向に形成さ
れている。なお、こうして作製されたフライアイレンズ
1において、その外周部に平板ガラス基板20の変形に
伴う余剰部27が形成された場合には、徐冷後に外周形
状を整える切削加工等を施し、製品とする。
【0033】 続いて、フライアイレンズ11の作製方
法について、図7を参照しながら説明する。ここで、図
7(a)は第一プレス工程におけるY軸方向視野を示
し、図7(b)は第二プレス工程におけるX軸方向視野
を示している。まず、平板ガラス基板30と、プレス面
にトンネル溝35をY軸方向に複数ほど並列に形成した
第一金型31、第一金型31におけるトンネル溝35と
長さ方向を直交せしめて、つまりX軸方向が長さ方向と
なるようにプレス面にトンネル溝36を複数ほど並列に
形成した第二金型32、およびプレス面が平板状に形成
された第三金型33とを準備する。
【0034】 そして、第一プレス工程においては、予
熱された第三金型33上に平板ガラス基板30を載置
し、平板ガラス基板30をその軟化点以上の温度とした
後に、第一金型31を上型として用いてプレス成形す
る。これにより、上面にのみ複数のトンネル状突起37
が形成された一次成形体38が得られる。
【0035】 続いて、一次成形体38を第三金型33
上に載置したまま、あるいは一次成形体38を一旦冷却
したものを再び第三金型33上に載置して、一次成形体
38を軟化点以上の温度とした後に、第一金型31に代
えて、第二金型32を上型として用いて再プレス成形す
る。これが第二プレス工程であり、第二金型32のトン
ネル溝36と第一金型31のトンネル溝35とは、互い
に直交する方向に形成されているので、一次成形体38
の表面には、互いに直交するトンネル溝35・36の重
複体積部分に相当する略四角錐形状の凸型曲面レンズ1
2が形成され、フライアイレンズ11が得られる。
【0036】 さて、本発明のフライアイレンズを得る
ために、平板ガラス基板にトンネル状突起を形成するた
めのリヒートプレス用の金型のプレス面は、フライアイ
レンズが所定の光学特性を有するように、表面粗さや寸
法精度、トンネル状凸部の曲率半径やトンネル状凸部間
の溝の形状等、種々の形状精度が確保されるように、加
工がなされる必要がある。
【0037】 このような金型におけるプレス面の加工
方法としては、まず、エッチング等の化学反応加工やサ
ンドブラスト等の吹き付け加工が考えられるが、これら
の方法では、深さ方向や曲率半径の寸法精度をだすこと
が困難であるといった欠点がある。そこで、本発明にお
いて使用される金型は、主に砥石研削によりプレス面の
加工が行われる。上述したように、各金型には、一方向
にトンネル溝が形成されるが、砥石研削では、一方向の
研削によって深さ方向や曲率半径の寸法出しができる利
点がある。
【0038】 なお、金型の材質としては、耐久性、耐
熱性および離型性といった点から、超硬合金からなる型
やセラミックからなる型を用いることが好ましいが、こ
れらは高硬度なために加工し難い。したがって、耐久性
には劣るが、加工が容易である合金工具鋼やステンレス
鋼を用いてもよい。
【0039】 また、本発明者らは、特願平10−87
743号において、大型の板状ガラス基板成形体をリヒ
ートプレスするための金型およびガラス基板のプレス方
法を開示している。本発明に用いられるリヒートプレス
においても、このような金型およびガラス基板のプレス
方法を好適に用いることができることはいうまでもな
い。
【0040】 以上、ガラスからなる本発明のフライア
イレンズおよびその作製方法について説明してきたが、
本発明による新規な形状を有するフライアイレンズを、
ポリカーボネートやアクリル、ポリメチルメタクリレー
ト等の透光性樹脂を用いて、同様にプレス成形により、
作製することが可能である。このような透光性樹脂から
なる本発明の新規な形状を有するフライアイレンズは、
球面レンズを一面に縦横に配した従来形状のフライアイ
レンズと比較した場合、材料面での優位性は当然にない
ものの、その新規な形状に基づき、金型の作製容易性や
金型の寸法精度の良好性、さらにこのような金型を用い
ることによって透光性樹脂の成形性が改善され、寸法精
度が高められるという点から、生産歩留まりの向上、ひ
いては生産コストの低下に寄与するという顕著な効果を
奏する。
【0041】 さて、本発明のフライアイレンズを、そ
の他の光学材料、たとえば、サファイアや単結晶ジルコ
ニア等の無機単結晶材料で作製することも可能である。
しかし、このような一般に硬質で高融点材料を用いる場
合には、上述したプレス成型による作製は不可能である
ため、研削、研磨、吹き付け等の種々の加工方法を用い
なければならない。したがって、材料が高価である点、
さらに加工が困難である点で、フライアイレンズ自体が
相当に高価なものとなる。このようなフライアイレンズ
は、汎用品としてではなく、軍事分野や航空宇宙開発分
野等の特殊な環境での使用が想定される。
【0042】 ところで、本発明のフライアイレンズに
類似した構造を有するレンズアレイとして、特開平8−
262206号公報には、トンネル状突起を三角柱状プ
リズムとしたプリズムアレイが開示されており、また、
略四角錐形状の凸型曲面レンズを四角錐プリズムとした
プリズムアレイも知られている。これらのプリズムアレ
イは、主に液晶パネルにおいて、バックライトの光源光
を液晶パネルの法線方向に平行な平行光に変換して、バ
ックライトの輝度を等価的に高めることを目的としてい
る。したがって、従来公知のプリズムアレイと本発明の
フライアイレンズとでは、その目的や集光、分光方法、
奏する効果のいずれにおいて異なることはいうまでもな
い。また、従来公知のプリズムアレイには、ポリカーボ
ネート等の透光性が良好で屈折率の高いポリマーが好適
に使用されているが、本発明で特に好適に用いられるガ
ラスを用いたものは開示されていない。
【0043】
【発明の効果】 上述の通り、本発明のフライアイレン
ズは、ガラスからなるものについては、耐熱性、耐光性
に優れ、長寿命であるのみならず、液晶パネル等といっ
たガラス部品と同等の熱膨張係数を有する。これによ
り、液晶プロジェクタの小型化や液晶パネルの薄型化、
光源光の高出力化、TFT−LCDの画素領域における
開口率の向上等の優れた効果を奏する。また、作製方法
がガラス基板のリヒートプレスといった簡便な方法であ
るため、射出成形装置等の効果な設備を必要とせず、ま
た、生産性も良好であるため、作製コストが安価に抑え
られるという優れた効果を奏する。一方、透光性樹脂か
らなる本発明のフライアイレンズは、本発明の新規な形
状に基づき、金型を寸法精度良く安価に作製でき、これ
により、良好な成形性が得られることから、生産歩留ま
りの向上、ひいては生産コストの低下に効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフライアイレンズの一実施形態を示
す斜視図である。
【図2】 本発明の図1記載のフライアイレンズの集光
メカニズムを示す説明図である。
【図3】 本発明のフライアイレンズの別の実施形態を
示す斜視図である。
【図4】 本発明の図3記載のフライアイレンズの集光
メカニズムを示す説明図である。
【図5】 図4中の集光面における光の強度分布を示し
た説明図である。
【図6】 本発明のフライアイレンズの作製工程の一実
施形態を示す説明図であり、(a)はY軸方向視野を示
し、(b)はX軸方向視野を示す。
【図7】 本発明のフライアイレンズの作製方法の別の
実施形態を示す説明図であり、(a)は第一プレス工程
におけるY軸方向視野を示し、(b)は第二プレス工程
におけるX軸方向視野を示す。
【符号の説明】
1…フライアイレンズ、2…トンネル状突起、3…トン
ネル状突起、5…線状光、6…直線、7…点(焦点)、
11…フライアイレンズ、12…凸型曲面レンズ、13
…入射光、20…平板ガラス基板、21…下型、22…
上型、25…トンネル溝、26…トンネル溝、27…余
剰部、30…平板ガラス基板、31…第一金型、32…
第二金型、33…第三金型、35…トンネル溝、36…
トンネル溝、37…トンネル状突起、38…一次成形
体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H091 FA28X FA28Y FA28Z FA29X FA29Y FA29Z FB02 FB07 FB13 FC19 FD04 LA04 LA12 MA07 4F213 AB15 AB17 AD04 AH75 WA04 WB01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスもしくは透光性樹脂から一体的に
    なるフライアイレンズであって、 複数のトンネル状突起が表面に並列に形成され、かつ、
    当該表面のトンネル状突起と長さ方向が直交し、当該表
    面のトンネル状突起と同一もしくは異なるピッチを有す
    る複数のトンネル状突起が裏面に並列に形成されている
    ことを特徴とするフライアイレンズ。
  2. 【請求項2】 ガラスもしくは透光性樹脂から一体的に
    なるフライアイレンズであって、 互いに直交する同一もしくは異なるピッチを有するトン
    ネル状突起の重複体積部分に相応する略四角錐形状を有
    する複数の凸型曲面レンズが、一表面において縦横に並
    列に形成されていることを特徴とするフライアイレン
    ズ。
  3. 【請求項3】 当該ピッチが20μm〜400μmであ
    ることを特徴とする請求項1または2記載のフライアイ
    レンズ。
  4. 【請求項4】 1インチ以上20インチ以下の対角長さ
    を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    に記載のフライアイレンズ。
  5. 【請求項5】 当該ガラスが、酸化ホウ素およびアルカ
    リ酸化物を内重量比で15〜28%含有し、および/ま
    たは二酸化珪素およびアルカリ酸化物を内重量比で72
    〜94%含有した組成を有することを特徴とする請求項
    1〜4のいずれか一項に記載のフライアイレンズ。
  6. 【請求項6】 当該ガラスの軟化点が400℃〜700
    ℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載のフライアイレンズ。
  7. 【請求項7】 当該ガラスの熱膨張係数が1ppm以上
    8ppm以下であることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれか一項に記載のフライアイレンズ。
  8. 【請求項8】 平行な複数のトンネル状突起が表裏各面
    に形成されたガラスもしくは透光性樹脂からなるフライ
    アイレンズの作製方法であって、 プレス面に、当該表裏各面のトンネル状突起に相補する
    トンネル溝を形成した金型をそれぞれ上型および下型と
    して同時に用い、かつ、当該上型におけるトンネル溝の
    長さ方向と当該下型におけるトンネル溝の長さ方向とを
    互いに直交せしめて、平板ガラス基板もしくは透光性樹
    脂基板をプレス成形することを特徴とするフライアイレ
    ンズの作製方法。
  9. 【請求項9】 略四角錐形状を有する複数の凸型曲面レ
    ンズが表面に縦横に形成されたガラスもしくは透光性樹
    脂からなるフライアイレンズの作製方法であって、 プレス面にトンネル溝を複数ほど並列に形成した第一金
    型と、当該第一金型におけるトンネル溝と長さ方向を直
    交せしめたトンネル溝をプレス面に複数ほど並列に形成
    した第二金型と、プレス面が平板状に形成された第三金
    型とを用い、 平板ガラス基板もしくは透光性樹脂基板を当該第一金型
    および第三金型を用いてプレス成形した後、当該第一金
    型に代えて当該第二金型を用いて再プレスすることを特
    徴とするフライアイレンズの作製方法。
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