JP2000055544A - 塗料廃棄物の乾燥方法 - Google Patents

塗料廃棄物の乾燥方法

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JP2000055544A
JP2000055544A JP10219466A JP21946698A JP2000055544A JP 2000055544 A JP2000055544 A JP 2000055544A JP 10219466 A JP10219466 A JP 10219466A JP 21946698 A JP21946698 A JP 21946698A JP 2000055544 A JP2000055544 A JP 2000055544A
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storage chamber
drying
paint waste
waste
paint
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Takeichi Furuta
竹市 古田
Niichi Toyama
弐一 外山
Toyoaki Hayashi
豊明 林
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 グラフの下方に図示したように、20分
までは低速(2rpm)の正逆転を5分毎に繰り返し、
20分以降は高速(15rpm)の正逆転を5分毎に繰
り返した。初めに低速にしたのは、高速にすると遠心力
で粘性のある塗料廃棄物が飛び散り、貯溜室の壁に付着
するからである。貯溜室の壁に塗料廃棄物が貼り付く
と、貯溜室の壁の熱伝導率が小さくなり、加熱室から貯
溜室への伝熱が不十分となるからである。そこで、ある
程度水分が抜け、粘性が下がるまでは低速回転とした。 【効果】 攪拌羽根を1定時間毎に正転と逆転とを繰り
返すことにより、短い距離だけ塗料廃棄物を軸方向に移
動することができ、このときに貯溜室のエンドプレート
に塗料廃棄物を押付けて圧壊することができ、圧壊によ
り砂粒状に細粒にすることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗料廃棄物、特に車
両の塗装ラインで発生する塗料滓の乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の塗装ラインでは、車体などの塗装
対象に付着しなかった塗料が塗料滓の形で発生する。こ
の塗料滓は前処理において50%前後の水分を含んでい
るため、水分除去を目的とした乾燥が不可欠となる。こ
のための乾燥装置は、例えば、特公平7−10235
9号公報「廃物塗料スラッジを処理する方法及び装置」
や、特開平7−60748号公報「塗料粕の粉末化方
法」が提案されている。
【0003】上記は、同公報の第3図に示されるとお
りに、回転スクリュー内蔵の熱交換器30に塗料スラッ
ジ及び骨材を投入し、回転スクリューで混合し、軸方向
へ移動し、この移動の間に熱を与えて水分を蒸発させ、
末端から「骨材の交じった乾いた粉粒物」を取出すとい
うものである。上記は、同公報の図1に示されるとお
り、推進羽根25bで塗料粕1を送りながら乾燥させる
ものであり、推進羽根25bに逆推進羽根25cを混在
させ、この逆推進羽根25cで塗料粕1を破断、圧壊す
る機能を合わせ持つことを特徴とした処理装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記,ともに回転
スクリューや推進羽根を備えた軸を、一方向に低速で連
続的に回転させ、入口から投入した被乾燥物を低速で送
り、出口から排出するものであり、被加熱物を連続的に
投入できることから、大量処理に好適である。しかし、
回転スクリューや推進羽根を備えた軸が長大となり、設
備が大きくなり、塗料廃棄物の発生量が小さな小規模な
製造者にとっては、大型設備は費用的に負担が大きい。
【0005】さらには、上記では回転スクリューは送
り機能のみを有するので、乾燥物の粒度を制御させるこ
とはできない。上記は逆推進羽根を備えているのであ
る程度の粒度制御は可能である。しかし、上記で粒度
を制御すべく軸の回転数を変更すると、送り速度が変化
する。すなわち、生産量が確保できなくなる。
【0006】そこで、本発明の目的はコンパクトな乾燥
設備を提供し、且つ生産量を犠牲にすること無く、粒度
の制御が行える乾燥技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、貯溜した塗料廃棄物を、攪拌羽根で攪拌
しながら加熱室の熱で乾燥する塗料廃棄物の乾燥方法に
おいて、攪拌羽根を、1定時間毎に正転と逆転とを繰り
返し、且つ乾燥開始から所定時間までは低速で回転し、
所定時間経過後は高速で回転することを特徴とする。
【0008】塗料廃棄物を連続的に移動するのではな
く、貯溜しつつ乾燥させるようにしたので、貯溜室の長
さを短縮することができ、設備のコンパクト化を図るこ
とができる。攪拌羽根を1定時間毎に正転と逆転とを繰
り返すことにより、短い距離だけ塗料廃棄物を軸方向に
移動することができ、このときに貯溜室のエンドプレー
トに塗料廃棄物を押付けて圧壊することができ、圧壊に
より砂粒状に細粒にすることもできる。
【0009】乾燥開始から所定時間までは低速で回転さ
せることで、塗料廃棄物に付与する遠心力を抑える。こ
れは、遠心力が過大であると粘着性の高い塗料廃棄物が
貯溜室の壁に貼り付き、熱伝導を低下させ、乾燥性が低
下するからである。乾燥が進み、粘性が小さくなれば、
回転数を上げて攪拌を盛んにすることにより、乾燥を促
すことができる。この様に、回転方向を切換えること及
び回転数を変化させることで、粒度の制御及び乾燥性能
の向上との双方を達成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。本発明の方法は図11,13,14で詳し
く説明するが、この方法を実施するに好適な装置及び作
用を先に図1〜10及び図12で説明する。図1は本発
明に係る塗料廃棄物の乾燥装置の原理図であり、Bを○
で囲ったシンボルはブロアである。塗料廃棄物の乾燥装
置10は、水分を含む塗料廃棄物を貯溜する貯溜室11
並びにこの貯溜室11内の塗料廃棄物を間接的に加熱す
るために貯溜室11に並設した加熱室12とからなる炉
体13と、貯溜室11内の塗料廃棄物を攪拌する攪拌手
段20と、貯溜室11から廃ガスを導出する廃ガス路5
1と、この廃ガス路51に介設した塵埃回収手段30
と、塵埃を除いた廃ガスを廃ガス路51から受取り、こ
の廃ガスを燃焼して無臭化処理する燃焼無臭化手段40
と、処理後の無臭高温ガスの一部を主供給路52を介し
て貯溜室11へ送る第1高温ガス供給路53と、残りの
無臭高温ガスの一部を主供給路52を介して前記加熱室
12へ送る第2高温ガス供給路54と、無臭高温ガスの
残りを屋外へ導く第1排出路55と、加熱室12から用
済みの高温ガスを取出して屋外へ導く第2排出路56
と、からなる。
【0011】図中、14,15は炉体13の前後を塞ぐ
エンドプレートである。攪拌手段20は、攪拌羽根21
と、この攪拌羽根21を正逆転させる駆動手段22とか
らなり、更にこの駆動手段22は、例えばスプロケット
23とチェーン25と減速機付き電動機26とからな
る。電動機26は回転速度可変のサーボモータが好適で
ある。塵埃回収手段30は、サイクロンセパレータ、バ
グフィルタ、電気集塵機のいづれでもよいが、構造が簡
単であるサイクロンセパレータが好適である。燃焼無臭
化手段40は、燃焼室41とバーナ42とからなり、バ
ーナ42に燃料ガスと空気を供給することで火炎を発生
し、この火炎で燃焼室41へ導き入れた廃ガスを完全燃
焼させ、無害化及び無臭化する機器である。
【0012】以下、各構成要素を詳細に説明する。図2
は本発明に係る炉体の断面図であり、炉体13はU断面
の外殻61、U断面の内殻62、上蓋63及び保温材6
4,65とからなり、外殻61と内殻62に所定幅の空
間を形成し、この空間を加熱室12としたものである。
66,67は脚であり、好ましくは途中に硬質断熱材6
8を介在させるとよい。脚66,67を伝わって熱が床
へ逃げ、この伝熱量が大きいと加熱室12の温度制御が
難かしくなったり、温度むらが発生する。そこで、断熱
材68の存在により、伝熱量を大幅に下げて、加熱室1
2の温度を一定に保つ。
【0013】内殻62に攪拌羽根21を収納し、この攪
拌羽根21と内殻62との隙間を一定に保つため下半部
分を円弧にしたが、上半部分はガスの流れを促すために
矩形断面とし、全体的にU断面空間としたものであり、
この空間が塗料廃棄物の貯溜室11となる。
【0014】図3は図2の要部拡大図であり、例えば外
殻61の端部にアングル状フランジ69を取付け、内殻
62の端部を曲げ加工にてフランジ71とし、耐熱パッ
キン72,73を介してフランジ69,71及び上蓋6
3をボルト74,ナット75でとも締めすれば、組立
て、分解がともに容易となる。76は補強リブである。
【0015】図4は本発明に係る入口シャッタの説明図
であり、入口シャッタ80は、上蓋63の一端に矩形の
投入口81を開け、この投入口81を締切板82で閉じ
ることができるようにしたものであり、締切板82をガ
イドレール83,83に沿わせつつ、シリンダユニット
84でスライドさせるようにすれば、遠隔操作乃至は自
動運転が可能となる。しかし、締切板82を人手で押し
引きすることは差支えない。
【0016】30〜90分に1回程度投入口81を開い
て塗料廃棄物を貯溜室に投入し、次に投入口81を閉じ
て、塗料廃棄物から発生する有害な蒸気の漏洩を防止す
る。これが入口シャッタ80を設けた理由である。
【0017】図5は本発明に係る出口シャッタの説明図
であり、出口シャッタ85は、貯溜室11の出口シュー
ト86に締切板87を出し入れするようにしたものであ
り、締切板87をガイドローラ88,88やガイドレー
ル89,89に沿わせつつ、シリンダユニット91でス
ライドさせるようにすれば、遠隔操作乃至は自動運転が
可能となる。しかし、締切板87を人手で押し引きする
ことは差支えない。
【0018】30〜90分に1回程度排出口92を開い
て処理済み廃棄物を貯溜室11から排出する。それ以外
は閉じて、貯溜室11から塗料廃棄物がこぼれることを
防止する。これが出口シャッタ85を設けた理由であ
る。
【0019】図6は本発明に係る攪拌羽根の側面図であ
り、攪拌羽根21は軸94に波板95,95を取付けた
ものである。図7は本発明に係る攪拌羽根の断面図であ
り、軸94に波板95,95を相対角度180°で取付
け、且つ波板95,95及び軸94に樹脂膜96をコー
ティングしたことを特徴とする。この樹脂膜96は粘性
に富む塗料廃棄物が波板95,95に付着することを防
止するものであり、ポリ四ふっ化エチレンが最適であ
る。
【0020】図8は本発明に係る攪拌羽根の平面図であ
り、波板95は軸94に対する取付角度の小さい緩斜面
板97と、同角度の大きな急斜面板98とを交互に繋い
だものである。
【0021】図9は本発明に係る波板の作用図であり、
例えば緩斜面板97の軸94に対する角度を20°、同
じく急斜面板98の角度を80°とし、実線を想像線の
位置まで矢印の通りに移動(回転)させたとする。緩
斜面板97の任意の点P1は、矢印の移動に伴なって
点P2まで軸94に沿って移動することになる。このと
きの移動量をL1とする。また、急斜面板98の任意の
点P3は、矢印の移動に伴なって点P4まで軸94に
沿って移動することになる。このときの移動量をL2と
する。L2はL1とは逆向きであるが、L1はL2より
大きいため、相対差(L1−L2)で白抜き矢印の如く
塗料廃棄物を移動することができる。ただし、この移動
速度は角度差に基づくものであるからかなり小さい。回
転を逆にすると、白抜き矢印と逆の向きに塗料廃棄物を
移動することになることは図から明らかであり、正転/
逆転により、塗料廃棄物を往復移動させることができ
る。
【0022】以上に述べた塗料廃棄物の乾燥装置の総合
的作用を次に説明する。なお、時間、温度は参考例を示
すにすぎない。図10は本発明の塗料廃棄物の乾燥装置
の作用説明図であり、プロセスを順に説明する。 ・初期設定; Bを○で囲ったブロアを全て起動する。燃焼無臭化手段
40にて、燃料ガスと空気を混合して800℃程度の燃
焼ガスを発生させ、主供給路52へ送り、この主供給路
52の下流位置に配置したミキサー101で外気を混入
し、高温ガスの温度を260℃程度に下げ、これを第2
高温ガス供給路54を介して加熱室12に吹込み、加熱
室12を240℃に保つ。また、第1高温ガス供給路5
3において260℃の高温ガスを熱交換器103で19
0℃まで冷却する。熱交換器103では冷媒を約25℃
の大気とし、これで冷却する。冷媒の流量を調整するこ
とで高温ガスの温度を調整することができる。190℃
の高温ガスを貯溜室11へ吹込む。なお、水バルブ10
4は閉のままとする。
【0023】・塗料廃棄物の投入; 攪拌羽根21を低速(2rpm)で回転し、一定時間
(5分)毎に正逆を切換える。塗料廃棄物は、シュレッ
ダにて15mm以下に切断し、且つ30〜60%の水を
含む塗料滓であり、トルエン、ケトン、アセテート、キ
シレンなどの溶剤を含んでいる。この様な塗料廃棄物
を、計量し、1チャージ分を貯溜室11へ速かに投入す
る。
【0024】・攪拌/乾燥; 図11は本発明の乾燥装置の温度曲線及び塗料廃棄物の
含水率を調べたグラフであり、横軸は時間(分)、縦軸
は上から貯溜室温度、塗料廃棄物の含水率、攪拌羽根回
転数と方向を示す。先ず、貯溜室温度は初期設定190
℃であったが、塗料廃棄物を投入したことにより数十℃
下る。しかし、加熱され水分が抜けていくとともに上
る。15分過ぎから蒸発させるべき水分が僅かとなった
ため急に上り、設定の190℃を超えるオーバシュート
現象が起こり、温度制御が追い付いた25分ごろ設定の
190℃に落ち着いた。
【0025】含水率は、初め60%であったが、若干の
緩急はあるが時間とともに含水率は小さくなり、50分
では含水率5%以下になった。
【0026】ただし、乾燥作業において、20分までは
低速(2rpm)の正逆転を5分毎に繰り返し、20分
以降は高速(15rpm)の正逆転を5分毎に繰り返し
た。初めに低速にしたのは、高速にすると遠心力で粘性
のある塗料廃棄物が飛び散り、貯溜室の壁に付着するか
らである。貯溜室の壁に塗料廃棄物が貼り付くと、貯溜
室の壁の熱伝導率が小さくなり、加熱室から貯溜室への
伝熱が不十分となるからである。そこで、ある程度水分
が抜け、粘性が下がるまでは低速回転とした。
【0027】・廃ガスの無害・無臭化処理; 図10に戻って、前記攪拌と加熱により塗料廃棄物から
有害成分及び微粉体を含む蒸気が盛んに発生する。この
蒸気はブロアの吸引作用により、廃ガス路51に入り、
途中の塵埃回収手段30に至る。塵埃回収手段30は、
例えばサイクロンセパレータであって、接線方向に吹込
むことにより旋回流が発生し、遠心力で重い粒子や微粉
体は壁に向い、壁に衝突した後に落下する。一方、軽い
気体成分は遠心作用を受けずに上昇する。従って、微粉
体を除いた気体成分のみが廃ガス路51を進むことにな
る。ただし、この気体成分には揮発可燃物や有害成分を
多量に含んでいる。
【0028】そこで、燃焼無臭化手段40にて、気体成
分を燃料ガス、空気とともに燃焼し無害・無臭化する。
なお、燃焼無臭化手段40では、850℃程度で約1秒
燃焼することにより、無臭化可能である。得られた無害
の高温ガスを主供給路52、ミキサー101、第1・第
2高温ガス供給路53,54を介して貯溜室11及び加
熱室12へ戻す。ここで重要なことは、有害成分などを
燃焼して得た高温ガスを加熱室12及び貯溜室11へ吹
込むことで、乾燥のための熱エネルギーに充当したこと
であり、特に揮発可燃物の発熱を有効に利用することに
より、燃料ガスの消費量を抑えることができる。
【0029】大気排出; ただし、加熱室12へ吹込んだ高温ガスと同量の使用済
みガスを排出する必要がある。そこで、加熱室12から
使用済みガスを第2排出路56を通じて屋外へ放出す
る。また、燃焼無臭化手段40で発生した高温ガスのう
ち余ったものは、第1排出路55を通じて屋外へ放出す
る。屋外へ放出するのは無害・無臭化処理済みのガスで
あるから、放出は何ら問題無い。
【0030】・乾燥物の取出し; 所定時間(50分)の乾燥が完了したら、出口シャッタ
を開け、攪拌羽根を高速で正転させて、貯溜室11から
取出す。空になったら、次の塗料廃棄物を投入すればよ
い。乾燥物は乾燥と攪拌とにより、顆粒粉末となってい
るため、建材の副原料などに再利用することができる。
【0031】図12(a),(b)は本発明に係る攪拌
羽根の別実施例を示す図である。(a)は羽根の斜視図
であり、中心角170°程度の扇板112の一辺に軸1
13((b)参照)に対する傾斜角θが+20°である
押し板114を折り曲げ若しくは溶接止めしたものを所
定枚数準備する。そして、先頭の扇板112に対して時
計回りに約170°廻した位置に次の扇板112を置
き、同様に約170°廻した位置に次々に扇板112,
112を並べる。
【0032】次に、先頭の扇板112のエッジAに次の
押し板114のエッジBを接合し、次の扇板112のエ
ッジCに背後の押し板114のエッジDを接合し、同様
にエッジEにエッジFを接合する。(b)は攪拌羽根1
11の組立図であり、扇板112の端辺に押し板114
の一端を接合したものである。軸113を反時計方向へ
廻せば、押し板114・・・(・・・は複数個を示す。以下同
様。)の図奥の面で、矢印のごとく塗料廃棄物を移動
させることができる。軸113を時計方向へ廻せば、押
し板114・・・の図手前の面で、矢印とは逆方向へ塗
料廃棄物を移動させることができる。この攪拌羽根11
1は、スクリューに類似しているので「セミスクリュー
型」攪拌羽根と呼ぶことにする。
【0033】図13は本発明において攪拌羽根を替えた
ときの含水率の変化の差を示すグラフであり、横軸は乾
燥時間、縦軸は含水率である。グラフの上方に図示した
とおりに20分までは低速(2rpm)の正逆転を5分
毎に繰り返し、20分以降は高速(15rpm)の正逆
転を5分毎に繰り返した。実験1は、波板型攪拌羽根を
使用し、図11で説明した曲線と同じものである。実験
2は、セミスクリュー型攪拌羽根を使用したもので、2
5分までは水分の抜けが穏やかで、25分を過ぎると急
激に水分が抜けたことを示す。
【0034】両曲線の差を検討する。実験1の前半部分
(0〜20分)は、波板型攪拌羽根を使用したことによ
り、羽根は塗料廃棄物に比較的大きな遠心力を与え、こ
の遠心力で分離し飛ばされた水分が貯溜室の壁に直接的
に接触して蒸発したものと考える。しかし、実験1の後
半部分(20〜50分)は、波板型攪拌羽根にクラッシ
ュ力がないため、塗料廃棄物は中程度の塊のままとな
り、塊であるから中心まで乾燥熱が伝わりにくくなり、
蒸発性が小さくなったと考える。
【0035】実験2の前半部分(0〜20分)は、セミ
スクリュー型攪拌羽根を使用したことにより、羽根は比
較的大きな軸方向の力を与え、その分、遠心力が弱まっ
たと考えられる。従って、水分が遠心力で分離し、且つ
貯溜室の壁に衝突して直接的に蒸発することはそれほど
期待できない。従って、乾燥が緩慢となる。しかし、実
験2の後半部分(20〜40分)では、セミスクリュー
型攪拌羽根はクラッシュ力が大きいため、塗料廃棄物が
乾燥の進行とともに細粒化し、細粒であれば、熱が粒の
中心に速かに伝わるため、蒸発が盛んになる。そのため
に、実質的に40分で目標の5%含水率に到達させるこ
とができた。
【0036】図14は本発明において攪拌羽根を替えた
ときの乾燥物の形状を調べた表であり、上述したとおり
に、波板(図6参照)型攪拌羽根では、軸方向の作用力
が小さくてクラッシュ性が乏しいため、乾燥物は顆粒、
すなわち中塊となる。一方、セミスクリュー(図12参
照)型攪拌羽根は、軸方向の作用力が大きく、貯溜室の
左右のエンドプレートとで、塗料廃棄物を圧壊するた
め、砂粒になる。従って、後工程で必要となる大きさ、
形状に応じて顆粒もしくは砂粒の乾燥物を、攪拌羽根を
交換するだけで、自由に造り出すことができる。
【0037】尚、請求項1における低速は、0.5〜5
rpmの範囲から選んだ回転数とする。車両の塗装ライ
ンで発生する塗料滓を対象に本発明者らが実験したとこ
ろでは、乾燥初期において、0.5rpmを下回ると攪
拌作用が弱くなり、乾燥時間が延び、又5rpmを超え
ると遠心力が強過ぎて粘性のある塗料滓が貯溜室の壁に
多く付着することが分かった。そこで、低速は、0.5
〜5rpmの範囲から選択することとした。
【0038】一方、高速は、10〜20rpmの範囲か
ら選んだ回転数とする。乾燥の後半において、10rp
mを下回ると攪拌作用が弱くなり、乾燥時間が延び、又
20rpmを超えてもそれほど乾燥時間の短縮が期待で
きず、且つ駆動手段に与える電気エネルギーが増加する
ため不経済となる。そこで、高速は、10〜20rpm
の範囲から選択することとした。
【0039】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1の乾燥方法は、塗料廃棄物を連続的に移
動するのではなく、貯溜しつつ乾燥させるようにしたの
で、貯溜室の長さを短縮することができ、設備のコンパ
クト化を図ることができる。攪拌羽根を1定時間毎に正
転と逆転とを繰り返すことにより、短い距離だけ塗料廃
棄物を軸方向に移動することができ、このときに貯溜室
のエンドプレートに塗料廃棄物を押付けて圧壊すること
ができ、圧壊により砂粒状に細粒にすることもできる。
【0040】乾燥開始から所定時間までは低速で回転さ
せることで、塗料廃棄物に付与する遠心力を抑える。こ
れは、遠心力が過大であると粘着性の高い塗料廃棄物が
貯溜室の壁に貼り付き、熱伝導を低下させ、乾燥性が低
下するからである。乾燥が進み、粘性が小さくなれば、
回転数を上げて攪拌を盛んにすることにより、乾燥を促
すことができる。この様に、回転方向を切換えること及
び回転数を変化させることで、粒度の制御及び乾燥性能
の向上との双方を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗料廃棄物の乾燥装置の原理図
【図2】本発明に係る炉体の断面図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】本発明に係る入口シャッタの説明図
【図5】本発明に係る出口シャッタの説明図
【図6】本発明に係る攪拌羽根の側面図
【図7】本発明に係る攪拌羽根の断面図
【図8】本発明に係る攪拌羽根の平面図
【図9】本発明に係る波板の作用図
【図10】本発明の塗料廃棄物の乾燥装置の作用説明図
【図11】本発明の乾燥装置の温度曲線及び塗料廃棄物
の含水率を調べたグラフ
【図12】本発明に係る攪拌羽根の別実施例を示す図
【図13】本発明において攪拌羽根を替えたときの含水
率の変化の差を示すグラフ
【図14】本発明において攪拌羽根を替えたときの乾燥
物の形状を調べた表
【符号の説明】
10…塗料廃棄物の乾燥装置、11…貯溜室、12…加
熱室、20…攪拌手段、21,111…攪拌羽根、22
…駆動手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 21/10 F26B 21/10 A (72)発明者 林 豊明 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 3L113 AA07 AB03 AB05 AC04 AC21 AC42 AC45 AC46 AC48 AC49 AC51 AC52 AC53 AC54 AC57 AC58 AC59 AC60 AC63 AC67 AC75 AC78 AC79 AC87 BA32 BA36 CA02 CA08 CA15 CB03 CB24 CB28 CB29 CB34 CB35 DA04 DA05 DA06 DA14 DA15 DA19 DA20 DA24

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯溜した塗料廃棄物を、攪拌羽根で攪拌
    しながら加熱室の熱で乾燥する塗料廃棄物の乾燥方法に
    おいて、 前記攪拌羽根を、1定時間毎に正転と逆転とを繰り返
    し、且つ乾燥開始から所定時間までは低速で回転し、所
    定時間経過後は高速で回転することを特徴とした塗料廃
    棄物の乾燥方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101722575B (zh) * 2008-10-31 2012-04-25 柴标 一种隔墙条板输送线及其烘干方法

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