JP2000055545A - 塗料廃棄物の乾燥装置 - Google Patents

塗料廃棄物の乾燥装置

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JP2000055545A
JP2000055545A JP10219467A JP21946798A JP2000055545A JP 2000055545 A JP2000055545 A JP 2000055545A JP 10219467 A JP10219467 A JP 10219467A JP 21946798 A JP21946798 A JP 21946798A JP 2000055545 A JP2000055545 A JP 2000055545A
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Japan
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temperature
water
storage chamber
paint waste
paint
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JP10219467A
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English (en)
Inventor
Takeichi Furuta
竹市 古田
Niichi Toyama
弐一 外山
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾燥装置に好適な安全対策を提供する。 【解決手段】 温度センサ121で検知した温度が30
0℃に達したら、図(b)にて、制御部123はガス弁
124を閉じるとともに、水バルブ104を開く。水バ
ルブ104を開くと、水が水吹込み路122を介して貯
溜室11内の吹き出し、塗料廃棄物を直接的に冷却す
る。もし、塗料廃棄物が火災を起こしていれば水で消火
する。これで、貯溜室11の温度を下げることができ
る。 【効果】 燃焼の発生を防止する又は燃焼を消すことが
でき、この結果、乾燥装置を安価な材料で構成すること
ができ、設備コストを低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗料廃棄物、特に車
両の塗装ラインで発生する塗料滓の乾燥装置の安全対策
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の塗装ラインでは、車体などの塗装
対象に付着しなかった塗料が塗料滓の形で発生する。こ
の塗料滓は前処理において50%前後の水分を含んでい
るため、水分除去を目的とした乾燥が不可欠となる。こ
のための乾燥装置は、例えば、特公平7−102359
号公報「廃物塗料スラッジを処理する方法及び装置」が
提案されている。この装置は、同公報の第3図に示され
るとおりに、回転スクリュー内蔵の熱交換器30に塗料
スラッジ及び骨材を投入し、回転スクリューで混合し、
軸方向へ移動し、この移動の間に熱を与えて水分を蒸発
させ、末端から「骨材の交じった乾いた粉粒物」を取出
すというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】塗料スラッジの乾燥
は、塗料成分が発火しないように配慮した温度(例えば
200℃)で、慎重に加熱する。しかし、塗料スラッジ
には種々の揮発性可燃成分が混入しており、ときには低
着火点の成分が含まれていることがある。仮に、塗料ス
ラッジの一部に着火すると、局部的昇温により廻りの高
着火点成分も燃え始め、塗料スラッジが全体的に燃える
虞れがでてくる。
【0004】塗料スラッジの燃焼に耐えるように乾燥装
置の耐熱度を高めようとすると、耐熱材で内張りするな
ど装置を極めて高価なものにしなければならない。逆
に、燃焼がなければ装置は安価な鋼材のみで構成するこ
とができる。そこで、本発明の目的は、乾燥装置に好適
な安全対策を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、水分を含む塗料廃棄物を貯溜室に入れ、
貯溜室に付設した加熱室の熱で前記塗料廃棄物を間接加
熱し、この加熱により発生した塗料廃棄物からの蒸気を
燃焼無臭化手段に導き、そこで無臭化し、得られた高温
ガスを前記加熱室へ戻すようにした塗料廃棄物の乾燥装
置において、この乾燥装置は、貯溜室内の温度を監視す
る温度センサを備え、必要に応じて貯溜室内へ水を吹込
むことのできる水吹込み路を備え、第1監視温度に達す
る温度信号を温度センサから受けたときに加熱室へ向う
高温ガスを遮断し、第1監視温度より高い第2監視温度
に達する温度信号を温度センサから受けたときに更に水
吹込み路を開いて水を貯溜室へ吹込む制御を実施する制
御部を備えことを特徴とする。
【0006】乾燥装置を構成する要素の許容温度を第2
監視温度、これより低い温度で且つ常用温度より高い温
度を第1監視温度に定めるとよい。貯溜室内の温度が第
1監視温度に達したら、加熱室へ向う高温ガスの供給を
止める。これで、加熱室並びに貯溜室の温度が下がる。
もし、下がらず、逆になお温度が上がって第2監視温度
に達したら、貯溜室へ水を吹込んで、温度を下げ、燃焼
があればこれを消す。以上により、燃焼の発生を防止す
る又は燃焼を消すことができ、この結果、乾燥装置を安
価な材料で構成することができ、設備コストを低減する
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。本発明の装置は図15(a),(b)で詳
しく説明するが、これのベースとなる乾燥装置を図1〜
14で先に説明する。図1は本発明に係る塗料廃棄物の
乾燥装置の原理図であり、Bを○で囲ったシンボルはブ
ロアである。塗料廃棄物の乾燥装置10は、水分を含む
塗料廃棄物を貯溜する貯溜室11並びにこの貯溜室11
内の塗料廃棄物を間接的に加熱するために貯溜室11に
並設した加熱室12とからなる炉体13と、貯溜室11
内の塗料廃棄物を攪拌する攪拌手段20と、貯溜室11
から廃ガスを導出する廃ガス路51と、この廃ガス路5
1に介設した塵埃回収手段30と、塵埃を除いた廃ガス
を廃ガス路51から受取り、この廃ガスを燃焼して無臭
化処理する燃焼無臭化手段40と、処理後の無臭高温ガ
スの一部を主供給路52を介して貯溜室11へ送る第1
高温ガス供給路53と、残りの無臭高温ガスの一部を主
供給路52を介して前記加熱室12へ送る第2高温ガス
供給路54と、無臭高温ガスの残りを屋外へ導く第1排
出路55と、加熱室12から用済みの高温ガスを取出し
て屋外へ導く第2排出路56と、からなる。
【0008】図中、14,15は炉体13の前後を塞ぐ
エンドプレートである。攪拌手段20は、攪拌羽根21
と、この攪拌羽根21を正逆転させる駆動手段22とか
らなり、更にこの駆動手段22は、例えばスプロケット
23とチェーン25と減速機付き電動機26とからな
る。電動機26は回転速度可変のサーボモータが好適で
ある。塵埃回収手段30は、サイクロンセパレータ、バ
グフィルタ、電気集塵機のいづれでもよいが、構造が簡
単であるサイクロンセパレータが好適である。燃焼無臭
化手段40は、燃焼室41とバーナ42とからなり、バ
ーナ42に燃料ガスと空気を供給することで火炎を発生
し、この火炎で燃焼室41へ導き入れた廃ガスを完全燃
焼させ、無害化及び無臭化する機器である。
【0009】以下、各構成要素を詳細に説明する。図2
は本発明に係る炉体の断面図であり、炉体13はU断面
の外殻61、U断面の内殻62、上蓋63及び保温材6
4,65とからなり、外殻61と内殻62に所定幅の空
間を形成し、この空間を加熱室12としたものである。
66,67は脚であり、好ましくは途中に硬質断熱材6
8を介在させるとよい。脚66,67を伝わって熱が床
へ逃げ、この伝熱量が大きいと加熱室12の温度制御が
難かしくなったり、温度むらが発生する。そこで、断熱
材68の存在により、伝熱量を大幅に下げて、加熱室1
2の温度を一定に保つ。
【0010】内殻62に攪拌羽根21を収納し、この攪
拌羽根21と内殻62との隙間を一定に保つため下半部
分を円弧にしたが、上半部分はガスの流れを促すために
矩形断面とし、全体的にU断面空間としたものであり、
この空間が塗料廃棄物の貯溜室11となる。
【0011】図3は図2の要部拡大図であり、例えば外
殻61の端部にアングル状フランジ69を取付け、内殻
62の端部を曲げ加工にてフランジ71とし、耐熱パッ
キン72,73を介してフランジ69,71及び上蓋6
3をボルト74,ナット75でとも締めすれば、組立
て、分解がともに容易となる。76は補強リブである。
【0012】図4は本発明に係る入口シャッタの説明図
であり、入口シャッタ80は、上蓋63の一端に矩形の
投入口81を開け、この投入口81を締切板82で閉じ
ることができるようにしたものであり、締切板82をガ
イドレール83,83に沿わせつつ、シリンダユニット
84でスライドさせるようにすれば、遠隔操作乃至は自
動運転が可能となる。しかし、締切板82を人手で押し
引きすることは差支えない。
【0013】30〜90分に1回程度投入口81を開い
て塗料廃棄物を貯溜室に投入し、次に投入口81を閉じ
て、塗料廃棄物から発生する有害な蒸気の漏洩を防止す
る。これが入口シャッタ80を設けた理由である。
【0014】図5は本発明に係る出口シャッタの説明図
であり、出口シャッタ85は、貯溜室11の出口シュー
ト86に締切板87を出し入れするようにしたものであ
り、締切板87をガイドローラ88,88やガイドレー
ル89,89に沿わせつつ、シリンダユニット91でス
ライドさせるようにすれば、遠隔操作乃至は自動運転が
可能となる。しかし、締切板87を人手で押し引きする
ことは差支えない。
【0015】30〜90分に1回程度排出口92を開い
て処理済み廃棄物を貯溜室11から排出する。それ以外
は閉じて、貯溜室11から塗料廃棄物がこぼれることを
防止する。これが出口シャッタ85を設けた理由であ
る。
【0016】図6は本発明に係る攪拌羽根の側面図であ
り、攪拌羽根21は軸94に波板95,95を取付けた
ものである。図7は本発明に係る攪拌羽根の断面図であ
り、軸94に波板95,95を相対角度180°で取付
け、且つ波板95,95及び軸94に樹脂膜96をコー
ティングしたことを特徴とする。この樹脂膜96は粘性
に富む塗料廃棄物が波板95,95に付着することを防
止するものであり、ポリ四ふっ化エチレンが最適であ
る。
【0017】図8は本発明に係る攪拌羽根の平面図であ
り、波板95は軸94に対する取付角度の小さい緩斜面
板97と、同角度の大きな急斜面板98とを交互に繋い
だものである。
【0018】図9は本発明に係る波板の作用図であり、
例えば緩斜面板97の軸94に対する角度を20°、同
じく急斜面板98の角度を80°とし、実線を想像線の
位置まで矢印の通りに移動(回転)させたとする。緩
斜面板97の任意の点P1は、矢印の移動に伴なって
点P2まで軸94に沿って移動することになる。このと
きの移動量をL1とする。また、急斜面板98の任意の
点P3は、矢印の移動に伴なって点P4まで軸94に
沿って移動することになる。このときの移動量をL2と
する。L2はL1とは逆向きであるが、L1はL2より
大きいため、相対差(L1−L2)で白抜き矢印の如く
塗料廃棄物を移動することができる。ただし、この移動
速度は角度差に基づくものであるからかなり小さい。回
転を逆にすると、白抜き矢印と逆の向きに塗料廃棄物を
移動することになることは図から明らかであり、正転/
逆転により、塗料廃棄物を往復移動させることができ
る。
【0019】以上に述べた塗料廃棄物の乾燥装置の総合
的作用を次に説明する。なお、時間、温度は参考例を示
すにすぎない。図10は本発明の塗料廃棄物の乾燥装置
の作用説明図であり、プロセスを順に説明する。 ・初期設定; Bを○で囲ったブロアを全て起動する。燃焼無臭化手段
40にて、燃料ガスと空気を混合して800℃程度の燃
焼ガスを発生させ、主供給路52へ送り、この主供給路
52の下流位置に配置したミキサー101で外気を混入
し、高温ガスの温度を260℃程度に下げ、これを第2
高温ガス供給路54を介して加熱室12に吹込み、加熱
室12を240℃に保つ。また、第1高温ガス供給路5
3において260℃の高温ガスを熱交換器103で19
0℃まで冷却する。熱交換器103では冷媒を約25℃
の大気とし、これで冷却する。冷媒の流量を調整するこ
とで高温ガスの温度を調整することができる。190℃
の高温ガスを貯溜室11へ吹込む。なお、水バルブ10
4は閉のままとする。
【0020】・塗料廃棄物の投入; 攪拌羽根21を低速(2rpm)で回転し、一定時間
(5分)毎に正逆を切換える。塗料廃棄物は、シュレッ
ダにて15mm以下に切断し、且つ30〜60%の水を
含む塗料滓であり、トルエン、ケトン、アセテート、キ
シレンなどの溶剤を含んでいる。この様な塗料廃棄物
を、計量し、1チャージ分を貯溜室11へ速かに投入す
る。
【0021】・攪拌/乾燥; 図11は本発明の乾燥装置の温度曲線及び塗料廃棄物の
含水率を調べたグラフであり、横軸は時間(分)、縦軸
は上から貯溜室温度、塗料廃棄物の含水率、攪拌羽根回
転数と方向を示す。先ず、貯溜室温度は初期設定190
℃であったが、塗料廃棄物を投入したことにより数十℃
下る。しかし、加熱され水分が抜けていくとともに上
る。15分過ぎから蒸発させるべき水分が僅かとなった
ため急に上り、設定の190℃を超えるオーバシュート
現象が起こり、温度制御が追い付いた25分ごろ設定の
190℃に落ち着いた。
【0022】含水率は、初め60%であったが、若干の
緩急はあるが時間とともに含水率は小さくなり、50分
では含水率5%以下になった。
【0023】ただし、乾燥作業において、20分までは
低速(2rpm)の正逆転を5分毎に繰り返し、20分
以降は高速(15rpm)の正逆転を5分毎に繰り返し
た。初めに低速にしたのは、高速にすると遠心力で粘性
のある塗料廃棄物が飛び散り、貯溜室の壁に付着するか
らである。貯溜室の壁に塗料廃棄物が貼り付くと、貯溜
室の壁の熱伝導率が小さくなり、加熱室から貯溜室への
伝熱が不十分となるからである。そこで、ある程度水分
が抜け、粘性が下がるまでは低速回転とした。
【0024】・廃ガスの無害・無臭化処理; 図10に戻って、前記攪拌と加熱により塗料廃棄物から
有害成分及び微粉体を含む蒸気が盛んに発生する。この
蒸気はブロアの吸引作用により、廃ガス路51に入り、
途中の塵埃回収手段30に至る。塵埃回収手段30は、
例えばサイクロンセパレータであって、接線方向に吹込
むことにより旋回流が発生し、遠心力で重い粒子や微粉
体は壁に向い、壁に衝突した後に落下する。一方、軽い
気体成分は遠心作用を受けずに上昇する。従って、微粉
体を除いた気体成分のみが廃ガス路51を進むことにな
る。ただし、この気体成分には揮発可燃物や有害成分を
多量に含んでいる。
【0025】そこで、燃焼無臭化手段40にて、気体成
分を燃料ガス、空気とともに燃焼し無害・無臭化する。
なお、燃焼無臭化手段40では、850℃程度で約1秒
燃焼することにより、無臭化可能である。得られた無害
の高温ガスを主供給路52、ミキサー101、第1・第
2高温ガス供給路53,54を介して貯溜室11及び加
熱室12へ戻す。ここで重要なことは、有害成分などを
燃焼して得た高温ガスを加熱室12及び貯溜室11へ吹
込むことで、乾燥のための熱エネルギーに充当したこと
であり、特に揮発可燃物の発熱を有効に利用することに
より、燃料ガスの消費量を抑えることができる。
【0026】大気排出; ただし、加熱室12へ吹込んだ高温ガスと同量の使用済
みガスを排出する必要がある。そこで、加熱室12から
使用済みガスを第2排出路56を通じて屋外へ放出す
る。また、燃焼無臭化手段40で発生した高温ガスのう
ち余ったものは、第1排出路55を通じて屋外へ放出す
る。屋外へ放出するのは無害・無臭化処理済みのガスで
あるから、放出は何ら問題無い。
【0027】・乾燥物の取出し; 所定時間(50分)の乾燥が完了したら、出口シャッタ
を開け、攪拌羽根を高速で正転させて、貯溜室11から
取出す。空になったら、次の塗料廃棄物を投入すればよ
い。乾燥物は乾燥と攪拌とにより、顆粒粉末となってい
るため、建材の副原料などに再利用することができる。
【0028】図12(a),(b)は本発明に係る攪拌
羽根の別実施例を示す図である。(a)は羽根の斜視図
であり、中心角170°程度の扇板112の一辺に軸1
13((b)参照)に対する傾斜角θが+20°である
押し板114を折り曲げ若しくは溶接止めしたものを所
定枚数準備する。そして、先頭の扇板112に対して時
計回りに約170°廻した位置に次の扇板112を置
き、同様に約170°廻した位置に次々に扇板112,
112を並べる。
【0029】次に、先頭の扇板112のエッジAに次の
押し板114のエッジBを接合し、次の扇板112のエ
ッジCに背後の押し板114のエッジDを接合し、同様
にエッジEにエッジFを接合する。(b)は攪拌羽根1
11の組立図であり、扇板112の端辺に押し板114
の一端を接合したものである。軸113を反時計方向へ
廻せば、押し板114・・・(・・・は複数個を示す。以下同
様。)の図奥の面で、矢印のごとく塗料廃棄物を移動
させることができる。軸113を時計方向へ廻せば、押
し板114・・・の図手前の面で、矢印とは逆方向へ塗
料廃棄物を移動させることができる。この攪拌羽根11
1は、スクリューに類似しているので「セミスクリュー
型」攪拌羽根と呼ぶことにする。
【0030】図13は本発明において攪拌羽根を替えた
ときの含水率の変化の差を示すグラフであり、横軸は乾
燥時間、縦軸は含水率である。グラフの上方に図示した
とおりに20分までは低速(2rpm)の正逆転を5分
毎に繰り返し、20分以降は高速(15rpm)の正逆
転を5分毎に繰り返した。実験1は、波板型攪拌羽根を
使用し、図11で説明した曲線と同じものである。実験
2は、セミスクリュー型攪拌羽根を使用したもので、2
5分までは水分の抜けが穏やかで、25分を過ぎると急
激に水分が抜けたことを示す。
【0031】両曲線の差を検討する。実験1の前半部分
(0〜20分)は、波板型攪拌羽根を使用したことによ
り、羽根は塗料廃棄物に比較的大きな遠心力を与え、こ
の遠心力で分離し飛ばされた水分が貯溜室の壁に直接的
に接触して蒸発したものと考える。しかし、実験1の後
半部分(20〜50分)は、波板型攪拌羽根にクラッシ
ュ力がないため、塗料廃棄物は中程度の塊のままとな
り、塊であるから中心まで乾燥熱が伝わりにくくなり、
蒸発性が小さくなったと考える。
【0032】実験2の前半部分(0〜20分)は、セミ
スクリュー型攪拌羽根を使用したことにより、羽根は比
較的大きな軸方向の力を与え、その分、遠心力が弱まっ
たと考えられる。従って、水分が遠心力で分離し、且つ
貯溜室の壁に衝突して直接的に蒸発することはそれほど
期待できない。従って、乾燥が緩慢となる。しかし、実
験2の後半部分(20〜40分)では、セミスクリュー
型攪拌羽根はクラッシュ力が大きいため、塗料廃棄物が
乾燥の進行とともに細粒化し、細粒であれば、熱が粒の
中心に速かに伝わるため、蒸発が盛んになる。そのため
に、実質的に40分で目標の5%含水率に到達させるこ
とができた。
【0033】図14は本発明において攪拌羽根を替えた
ときの乾燥物の形状を調べた表であり、上述したとおり
に、波板(図6参照)型攪拌羽根では、軸方向の作用力
が小さくてクラッシュ性が乏しいため、乾燥物は顆粒、
すなわち中塊となる。一方、セミスクリュー(図12参
照)型攪拌羽根は、軸方向の作用力が大きく、貯溜室の
左右のエンドプレートとで、塗料廃棄物を圧壊するた
め、砂粒になる。従って、後工程で必要となる大きさ、
形状に応じて顆粒もしくは砂粒の乾燥物を、攪拌羽根を
交換するだけで、自由に造り出すことができる。
【0034】図15(a),(b)は本発明の安全対策
の原理図兼作用図である。なお、図中、黒く塗り潰した
弁は、閉じている又は閉じたことを示す。(a)におい
て、乾燥装置10は、貯溜室11内の温度を監視する温
度センサ121を備え、必要に応じて貯溜室11内へ水
を吹込むことのできる水吹込み路122を備え、第1監
視温度に達する温度信号を温度センサ121から受けた
ときに加熱室12へ向う高温ガスを遮断し、第1監視温
度より高い第2監視温度に達する温度信号を温度センサ
121から受けたときに水バルブ104を開くことで水
吹込み路122を通じて水を貯溜室11へ吹込む制御を
実施する制御部123を備えていることを特徴とする。
【0035】次に安全対策の手順を説明する。温度セン
サ121は、常時貯溜室11の温度を検知し、その信号
を制御部123へ伝達する。制御部123は、第1監視
温度を250℃、第2監視温度を300℃として次の通
りの制御を実行する。なお、第2監視温度は、四ふっ化
エチレン(攪拌羽根にコーティングした樹脂)の耐熱温
度を考慮して決定した。
【0036】・平常操業 温度センサ121で検知した温度が250℃未満であれ
ば、図10で説明した通常の操業を続ける。・軽度のト
ラブル対策(図15(a)) 塗料廃棄物が発熱する等の理由により、温度センサ12
1で検知した温度が250℃に達したら、図15(a)
にて、制御部123はミキサー101の1次側の弁12
4を強制的に閉じる。これで、高温ガスは加熱室12や
貯溜室11へは行かず、第1排出路55を通って屋外に
至る。図中、太実線は高温ガスの流れを示す。高温ガス
の供給を遮断したため、加熱室12や貯溜室11の温度
が下がる。この対策が効を奏して貯溜室11の温度が低
下し、その温度が例えば200℃まで下がったら平常操
業に戻せばよい。
【0037】・重度のトラブル対策(図15(b)) 上記対策が効を奏さずに貯溜室11の温度がさらに上昇
し、温度センサ121で検知した温度が300℃に達し
たら、図(b)にて、制御部123はガス弁125を閉
じるとともに、水バルブ104を開く。水バルブ104
を開くと、水が水吹込み路122を介して貯溜室11内
へ吹込み、塗料廃棄物を直接的に冷却する。もし、塗料
廃棄物が火災を起こしていればそれを消すことができ
る。これで、貯溜室11の温度を下げることができる。
【0038】図15では水吹込み路122は1本の線で
示したが、水吹込み路122の先端を複数本に分岐し、
それらの先にスプレー金具を取付けることで、スプリン
クラー状の設備とすることは好ましいことである。
【0039】貯溜室11の過熱対策として、他に、炉体
を外から水冷却する方法、窒素ガスを貯溜室11に吹込
む方法が考えられる。炉体を水冷却する方法は、塗料廃
棄物を濡らさないという点で有利であるが、間接冷却で
あるため、まず炉体を冷却し、この炉体で塗料廃棄物を
冷却するごとくに、応答性が悪く、速やかな対策が打て
ないという問題がある。また、窒素ガスを吹込む方法
は、窒素ガスが不活性ガスであるため火災を沈めるには
有利であるが、ガスであるため液体に比べて熱容量が格
段に小さく、大量の窒素ガスを準備しなければならな
い。この点、本発明の如くと塗料廃棄物を直接水で冷却
すれば、少ない水で短時間のうちに温度を下げることが
できる。なお、貯溜室11は、水分を多量に含む塗料廃
棄物を貯溜することを前提とした容器であって、水を吹
込むことでダメージを受ける心配はない。
【0040】尚、第1・第2監視温度は取扱う塗料廃棄
物の特性、通常の乾燥温度、装置の耐熱温度を考慮して
決定すればよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1によれば、貯溜室内の温度が第1監視温
度に達したら、加熱室へ向う高温ガスの供給を止める。
これで、加熱室並びに貯溜室の温度が下がる。もし、下
がらず、逆になお温度が上がって第2監視温度に達した
ら、貯溜室へ水を吹込んで、温度を下げ、燃焼があれば
これを消す。以上により、燃焼の発生を防止する又は燃
焼を消すことができ、この結果、乾燥装置を安価な材料
で構成することができ、設備コストを低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗料廃棄物の乾燥装置の原理図
【図2】本発明に係る炉体の断面図
【図3】図2の要部拡大図
【図4】本発明に係る入口シャッタの説明図
【図5】本発明に係る出口シャッタの説明図
【図6】本発明に係る攪拌羽根の側面図
【図7】本発明に係る攪拌羽根の断面図
【図8】本発明に係る攪拌羽根の平面図
【図9】本発明に係る波板の作用図
【図10】本発明の塗料廃棄物の乾燥装置の作用説明図
【図11】本発明の乾燥装置の温度曲線及び塗料廃棄物
の含水率を調べたグラフ
【図12】本発明に係る攪拌羽根の別実施例を示す図
【図13】本発明において攪拌羽根を替えたときの含水
率の変化の差を示すグラフ
【図14】本発明において攪拌羽根を替えたときの乾燥
物の形状を調べた表
【図15】本発明の安全対策の原理図兼作用図
【符号の説明】
10…塗料廃棄物の乾燥装置、11…貯溜室、12…加
熱室、40…燃焼無臭化手段、104…水バルブ、12
1…温度センサ、122・・・水吹込み路、123・・・制御
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 21/10 F26B 21/10 A Fターム(参考) 3L113 AA07 AB03 AB05 AC04 AC45 AC46 AC51 AC52 AC53 AC54 AC57 AC58 AC60 AC63 AC67 AC75 AC78 AC79 AC87 BA32 BA36 CA02 CA08 CA15 CB03 CB24 CB28 CB29 CB34 CB35 DA06 DA14 DA19 DA21 DA26

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水分を含む塗料廃棄物を貯溜室に入れ、
    貯溜室に付設した加熱室の熱で前記塗料廃棄物を間接加
    熱し、この加熱により発生した塗料廃棄物からの蒸気を
    燃焼無臭化手段に導き、そこで無臭化し、得られた高温
    ガスを前記加熱室へ戻すようにした塗料廃棄物の乾燥装
    置において、 この乾燥装置は、貯溜室内の温度を監視する温度センサ
    を備え、必要に応じて貯溜室内へ水を吹込むことのでき
    る水吹込み路を備え、第1監視温度に達する温度信号を
    前記温度センサから受けたときに前記加熱室へ向う高温
    ガスを遮断し、前記第1監視温度より高い第2監視温度
    に達する温度信号を前記温度センサから受けたときに更
    に水吹込み路を開いて水を貯溜室へ吹込む制御を実施す
    る制御部を備えことを特徴とする塗料廃棄物の乾燥装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002192197A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Mitsui Mining Co Ltd 塗料粕の再生処理方法
CN110207477A (zh) * 2019-04-25 2019-09-06 黄飞云 一种用于批量烘干花粉的烘干箱

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JP2002192197A (ja) * 2000-12-27 2002-07-10 Mitsui Mining Co Ltd 塗料粕の再生処理方法
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