JP2000054907A - 内燃機関の燃焼音検出装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼音検出装置

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JP2000054907A
JP2000054907A JP10223012A JP22301298A JP2000054907A JP 2000054907 A JP2000054907 A JP 2000054907A JP 10223012 A JP10223012 A JP 10223012A JP 22301298 A JP22301298 A JP 22301298A JP 2000054907 A JP2000054907 A JP 2000054907A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の燃焼音を正確に検出する。 【解決手段】 ディーゼル機関1に燃焼音を検出する燃
焼音センサ15を設け、センサ15出力をフィルタ回路
17、ゲート回路18、ピークホールド回路19を介し
て電子制御ユニット(ECU)20に入力する。ECU
は、各気筒への燃料噴射時期AINJと気筒内の着火遅
れ時間aTBDとを機関運転状態に基づいて算出し、セ
ンサ15の検出遅れ時間aTSD、フィルタ回路の遅れ
時間aTED及びゲート回路の作動遅れ時間aTGDを
用いて、ゲート回路へのゲートオープン信号の出力時期
AGOP(上死点前クランク角)を、AGOP=AIN
J−(aTBD+aTSD+aTED−aTGD)とし
て算出する。これにより、正確に気筒内での燃焼開始時
における燃焼音を検出することが可能となり、ノイズの
影響を排除した燃焼音検出を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の各気筒
内の燃焼音を検出する内燃機関の燃焼音検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、例えばディーゼル機関におい
ては、燃焼時の着火遅れによる燃焼圧力の急上昇等によ
り燃焼音が増大するディーゼルノックが生じる。また、
ガソリン機関等では混合気の過早着火や燃焼の不安定等
により同様な燃焼音の増大が生じる。このような内燃機
関の燃焼音の増大を防止するために、機関の実際の燃焼
音を検出する燃焼音検出装置を備え、燃焼音が増大傾向
にある時に燃焼音を低下させる処置を行う燃焼音抑制制
御装置が知られている。
【0003】この種の制御装置としては、例えば特開昭
62−291452号公報に記載されたものがある。同
公報の装置はディーゼルエンジンのエンジンブロックに
ノックセンサを配置し、ゲート回路とピークホールド回
路とを介してセンサからの信号を演算装置に入力してい
る。すなわち、同公報の装置はノックセンサから連続的
に出力される燃焼音(振動)信号をゲート回路により各
気筒で燃焼が生じる期間に同期して演算装置に入力し、
ピークホールド回路により各気筒毎の燃焼音ピーク値を
検出するようにしている。同公報の装置は、上記により
検出した各気筒の燃焼音ピーク値が最小になるように各
気筒のパイロット燃料噴射量を増減するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】燃焼音抑制のための制
御を行う場合には、各気筒の燃焼により生じる騒音や振
動を正確に検出することが必要となる。すなわち、内燃
機関は運転中には種々の振動音を発生しているため、正
確な燃焼音抑制制御を行うためにはこれらのノイズを排
除して各気筒の燃焼期間に発生する振動音のみを正確に
抽出することが必要となる。上記特開昭62−2914
52号公報の装置では各気筒の上死点からノック出力領
域に対応した期間だけゲート回路のゲートを開き、入力
した信号をピークホールド回路で処理して燃焼音ピーク
値を求めている。
【0005】ところが、上記公報の装置では各気筒の燃
焼により生じる騒音や振動を正確に検出することができ
ない問題がある。例えば、パイロット燃料噴射を行うデ
ィーゼルエンジンでは、パイロット噴射燃料の燃焼とメ
イン噴射燃料の燃焼とで各気筒で2段階の燃焼が行われ
るが、燃焼音抑制のためにはパイロット噴射燃料の燃焼
音は排除してメイン噴射燃料の燃焼音のみを検出する必
要がある。また、メイン噴射燃料の燃焼タイミングは種
々の条件に応じて変化する。さらに、燃焼期間の前後に
はバルブの開閉等の機械的振動音が発生する。
【0006】前述の公報の装置ではゲート回路のゲート
を開いている期間、すなわちピークホールド回路への信
号の入力操作開始時期と入力操作終了時期とは一定のク
ランク角度(例えば各気筒の上死点からノックの発生す
る可能性がある期間)に固定されているが、上述のよう
にメイン噴射燃料の燃焼期間は燃料噴射時期、着火遅れ
時間などにより変化するため、上記公報の装置では必ず
しもメイン燃料噴射タイミングとゲート回路のゲートが
開いている期間とが正確に一致しない。このため、上記
公報の装置では本来検出すべき燃焼音を検出できなかっ
たり、或いは検出すべき燃焼音以外の振動音を検出して
しまう場合が生じ正確な燃焼音の検出ができない問題が
生じる。
【0007】本発明は上記問題に鑑み、正確な燃焼音の
検出を可能とする内燃機関の燃焼音検出装置を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関の発生する燃焼音を連続的に検出する
センサと、内燃機関の各気筒における燃焼期間中に前記
センサからの信号を入力し予め定められた演算を行う演
算手段とを備えた内燃機関の燃焼音検出装置において、
前記演算手段は前記センサからの信号の入力開始時期
を、各気筒への燃料噴射時期と、燃料の着火遅れ時間
と、前記センサの燃焼音検出遅れ時間と、信号の演算手
段への入力操作遅れ時間と、演算手段の入力信号の検出
遅れ時間と、に基づいて設定する内燃機関の燃焼音検出
装置が提供される。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、前記演算
手段は前記センサからの信号の入力開始時期を、入力開
始時期=噴射時期−(着火遅れ時間+センサ燃焼音検出
遅れ時間+演算手段の入力信号検出遅れ時間−信号の演
算手段への入力操作遅れ時間)として算出する請求項1
に記載の内燃機関の燃焼音検出装置が提供される。すな
わち、請求項1と2の発明では、センサからの信号の入
力開始時期は各気筒への燃料噴射時期を基準として決定
される。本来、燃焼音の検出を開始する時期は気筒内で
実際に燃焼が生じるタイミングと一致させるべきであ
る。しかし、実際の機関では燃焼が生じるタイミングは
燃料噴射時期や噴射された燃料の着火遅れ時間に応じて
変化する。また、実際に燃焼により発生した燃焼音がセ
ンサ出力信号に変換され演算手段で演算可能な形に処理
されるまでにはある遅れ時間が生じる。請求項1と2の
発明では、実際の各気筒毎の燃焼開始時期を燃料噴射時
期と着火遅れ時間に基づいて設定し、更に実際に生じる
信号の遅れ時間を加味して演算手段へのセンサ信号入力
開始時期を設定するようにしているため、演算手段では
各気筒の燃焼開始時点に正確に対応したセンサ信号から
演算処理を開始することが可能となる。このため、ノイ
ズを誤検出することがなくなり正確な燃焼音検出が行わ
れる。
【0010】請求項3に記載の発明によれば、前記演算
手段は前記センサからの入力終了時期を、前記入力開始
時期から予め定められた入力期間が経過した時期として
設定する請求項1または請求項2に記載の内燃機関の燃
焼音検出装置が提供される。すなわち、請求項3の発明
ではセンサからの入力操作終了時期は請求項1または2
により定められた入力操作開始時期から所定の入力期間
が経過した時期とされる。内燃機関では燃焼音以外の機
械的振動音が発生しており、各気筒の吸排気弁の開閉に
よる振動などは比較的各気筒の燃焼期間に近接した時期
に生じる。一方、実際にセンサで検出したい燃焼音は燃
焼開始直後の燃焼圧力がピークとなる時期付近の燃焼音
である。このため、ノイズの影響を受けずに正確に燃焼
音を検出するためには、上記燃焼圧力ピーク付近でのセ
ンサ出力を入力し、しかも入力期間をできるだけ短くす
ることが好ましい。請求項3では、請求項1または2に
より各気筒の燃焼開始時のセンサ信号入力時期が正確に
設定されるため、センサ信号入力期間を上記燃焼圧力が
ピークとなる期間に正確に対応させ、しかも入力期間を
短く設定することが可能となる。このため、ノイズを誤
検出することがなくなり更に正確な燃焼音検出が行われ
る。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、前記演算
手段は、センサからの信号の入力を断続するゲート回路
と、入力した信号に演算実行前に予め定められた処理を
加える処理回路とを備え、前記センサ燃焼音検出遅れ時
間は、各気筒で燃焼音が発生してからセンサが該燃焼音
に対応した信号を出力するまでの時間であり、前記演算
手段の入力信号検出遅れ時間は、前記処理回路の信号処
理遅れ時間であり、前記演算手段への入力操作遅れ時間
は、前記ゲート回路の作動遅れ時間である請求項3に記
載の内燃機関の燃焼音検出装置が提供される。
【0012】すなわち、請求項4の発明では、センサ信
号の入力操作開始時期は、燃料噴射時期を基準として、
着火遅れ時間と、燃焼音発生からセンサが信号を出力す
るまでの時間と、演算手段の信号処理遅れ時間とゲート
回路の作動遅れ時間とを考慮して決定される。これによ
り、ゲート回路と信号の前処理回路とを演算手段に備え
る燃焼音検出装置においても正確に燃焼音の検出が行わ
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明を自動車用
ディーゼル機関に適用した場合の実施形態の概略構成を
示す図である。図1において、1は内燃機関(本実施形
態では#1から#4の4つの気筒を備えた4気筒4サイ
クルディーゼル機関)、10aから10d は機関1の#
1から#4の各気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射
弁、3は各燃料噴射弁10aから10d が接続される共
通の蓄圧室(コモンレール)を示す。コモンレール3
は、高圧燃料噴射ポンプ5から供給される加圧燃料を貯
留し、貯留した高圧燃料を各燃料噴射弁10aから10
d に分配する機能を有する。
【0014】本実施形態では、高圧燃料噴射ポンプ5
は、例えば吐出量調節機構を有するプランジャ形式のポ
ンプとされ、図示しない燃料タンクから供給される燃料
を所定の圧力に昇圧しコモンレール3に供給する。ポン
プ5からコモンレール3への燃料圧送量は、コモンレー
ル3圧力が目標圧力になるようにECU20によりフィ
ードバック制御される。
【0015】図1に20で示すのは、機関の制御を行う
電子制御ユニット(ECU)である。ECU20は、リ
ードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ
(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入出力ポ
ートを双方向バスで接続した公知の構成のディジタルコ
ンピュータとして構成されている。ECU20は、燃料
噴射弁10aから10dの開弁時期、時間等の開弁動作
を制御してメイン燃料噴射の噴射時期及び噴射量を制御
する燃料噴射制御等の機関の基本制御を行う。
【0016】これらの制御を行なうために、本実施形態
ではコモンレール3にはコモンレール内燃料圧力を検出
する燃料圧センサ31が設けられている他、機関1のア
クセルペダル(図示せず)近傍にはアクセル開度(運転
者のアクセルペダル踏み込み量)を検出するアクセル開
度センサ21が設けられている。また、機関冷却水ジャ
ケットには冷却水温度を検出する冷却水温度センサ23
が設けられている。更に、図1に25で示すのはクラン
ク軸の回転位相を検出するクランク角センサである。本
実施形態では、クランク角センサは、機関1のカム軸近
傍に配置されクランク回転角度に換算して720度毎に
基準パルスを出力する基準パルスセンサ(図示せず)
と、機関1 のクランク軸近傍に配置され所定クランク回
転角毎(例えば15度毎)にクランク角パルスを発生す
るクランク回転角センサとの2つのセンサからなってい
る。
【0017】また、本実施形態では機関1の燃焼音を検
出する燃焼音センサ15が設けられている。燃焼音セン
サとしては、本実施形態では機関1のシリンダブロック
の振動のうちディーゼルノック特有の周波数(例えば1
から3kHz)の振動成分の振幅を検出するように調整
したノックセンサ(振動センサ)が使用される。燃焼音
センサとしては、上記ノックセンサ以外にも、ディーゼ
ルノック特有の周波数の音圧を検出するように調整した
音響センサ等をエンジンルームに配置してエンジン騒音
を検出するようにしたものも使用可能である。
【0018】燃料圧センサ31、アクセル開度センサ2
1、冷却水温度センサ23からのアナログ出力信号は図
示しないAD変換器を介してECU20の入力ポートに
供給される。クランク角センサ25からのパルス信号は
直接ECU20の入力ポートに入力される。ECU20
は、クランク角センサ25から入力するクランク角パル
ス間隔に基づいてクランク軸回転速度を算出するととも
に、基準パルス入力後のクランク角パルスの数からクラ
ンク軸の位相を算出する。燃焼音センサ15の出力は、
フィルタ回路17、ゲート回路18及びピークホールド
回路19と、図示しないAD変換器とを介してECU2
0の入力ポートに供給される。ECU20は、後述する
方法で各気筒の燃料噴射時期から算出した時期から所定
の期間ゲート回路18にゲートオープン信号を出力す
る。ゲートオープン信号がゲート回路18に入力してい
る間、フィルタ回路17によりノック特有の周波数成分
(例えば1から3kHz)が抽出されたセンサ15の信
号は、ゲート回路18からピークホールド回路19に供
給される。ピークホールド回路19は、センサ15から
の信号入力期間中のセンサ信号ピーク値を記憶し、図示
しないAD変換器を経由してECU20の入力ポートに
このピーク値の信号を供給する。なお、フィルタ回路1
7、ゲート回路18、ピークホールド回路19は公知の
構成のものが使用可能であり、ここではこれらの詳細な
説明は省略する。
【0019】一方、ECU20の出力ポートは、それぞ
れ図示しない駆動回路を介して高圧燃料噴射ポンプ5と
各気筒の燃料噴射弁10aから10d に接続されている
他、ゲート回路18に接続され、ゲート回路18にゲー
トオープン信号を供給している。本実施形態では、EC
U20は各気筒にメイン燃料噴射を行なう前にパイロッ
ト燃料噴射を行う。パイロット噴射された燃料はメイン
噴射に先立って燃焼するため、メイン噴射時には気筒内
の温度と圧力が上昇しており燃焼に適した状況になる。
このためメイン噴射により噴射された燃料の着火遅れが
低減され、パイロット噴射実行により燃焼音が抑制され
る。ところで、燃焼音はパイロット燃料噴射量により変
化する。そこで、本実施形態では各気筒の燃焼音をセン
サ15により検出し、燃焼音が最小になるようにパイロ
ット燃料噴射量を増減するフィードバック制御を行う
が、このような燃焼音抑制制御を行うためには正確に各
気筒の燃焼音を検出することが必要となる。
【0020】以下、本実施形態の燃焼音検出について説
明する。図2は本実施形態のセンサ15による燃焼音検
出タイミングを説明する図である。図2においてカーブ
(A) は各気筒の燃料噴射弁のバルブリフト、カーブ(B)
は気筒内の燃焼圧力、カーブ(C) はセンサ15出力波形
をそれぞれ示す。また、カーブ(D) は、フィルタ回路1
7の出力を示している。フィルタ回路17でのフィルタ
処理時には時間遅れが生じるため、フィルタ回路17出
力信号はセンサ15出力信号に対して時間TEDだけ遅
れを生じている。この時間TEDはECU20の入力信
号検出遅れ時間として作用する。
【0021】前述のように、本実施形態ではECU20
は燃料噴射弁からパイロット燃料噴射とメイン燃料噴射
との2回の燃料噴射を行う。図2(A) において、バルブ
リフトPはパイロット噴射動作を、Mはメイン噴射動作
を示している。本実施形態では、パイロット噴射開始時
の各気筒の上死点(図2にTDCで示す)からのクラン
ク角AINJを燃料噴射時期として定義している。な
お、AINJは上死点前クランク角(BTDC)で表す
ため、燃料噴射時期は進角するほどAINJは正の大き
な値をとる。
【0022】また、図2(B) に示すようにパイロット燃
料噴射終了後メイン燃料噴射が開始されるとメイン噴射
により噴射された燃料が燃焼を開始して気筒内燃焼圧力
は上昇を始める。本実施形態では、パイロット噴射開始
時期からメイン噴射燃料が着火(燃焼開始)するまでの
時間TBD(ms)を燃料の着火遅れ時間と定義する。
【0023】従って、気筒内で燃焼が開始して検出すべ
き燃焼音が発生し始めるクランク角(BTDC)はAI
NJ−aTBDとなる。ここで、aは着火遅れ時間(m
s)をクランク回転角に換算するための係数であり、機
関回転数NE(rpm)を用いて、a=(NE×36
0)/(60×1000)と表される。また、気筒で発
生した燃焼音は例えばシリンダブロックを伝播してセン
サ15に到達する。また、エンジンルーム内に配置した
音響センサを燃焼音センサとして使用する場合には、セ
ンサに到達するまでに更にシリンダブロックからセンサ
まで空気中を伝播する時間が必要となる。このため、気
筒で燃焼音が発生してからセンサ15がこの燃焼音に対
応する信号を出力するまでにはある程度の時間遅れが生
じる。図2にTSDで示す時間(ms)は、気筒で燃焼
音が発生してからセンサがこの燃焼音に対応する信号を
出力するまでの時間、すなわちセンサ15の燃焼音検出
遅れ時間である。
【0024】このため、センサ15が気筒内の燃焼開始
時点の燃焼音に対応する信号を出力するクランク角(B
TDC)は、AINJ−(aTBD+aTSD)とな
る。更に、センサ出力はフィルタ回路17を介してゲー
ト回路18からピークホールド回路19に入力するた
め、ピークホールド回路19に入力するセンサ信号は前
述のECU20の入力信号遅れ時間TED(フィルタ回
路17の遅れ時間)だけ遅れることになる。このため、
実際にピークホールド回路19に燃焼開始時点の燃焼音
に対応する信号が入力するクランク角(BTDC)は、
AINJ−(aTBD+aTSD+aTED)になる。
【0025】従って、本来各気筒でクランク角(BTD
C)がAINJ−(aTBD+aTSD+aTED)に
なったときにECU20からゲート回路18にゲートオ
ープン信号を出力すれば各気筒の燃焼開始時の燃焼音を
検出することが可能となるはずである。しかし、実際に
はゲート回路18はゲートオープン信号入力から実際に
ゲートが開くまでに作動遅れ時間TGD(ms)が存在
する。この時間TGDは、ECU20への信号入力操作
の遅れ時間に相当する。このため、燃焼開始時の燃焼音
を正確に検出するためには、実際には各気筒でクランク
角がAINJ−(aTBD+aTSD+aTED)にな
るより時間TGDだけ前にゲートオープン信号を出力す
る必要がある。
【0026】すなわち、正確に各気筒の燃焼開始時の燃
焼音を検出するためには、信号入力操作を開始すべき
(ゲートオープン信号を出力すべき)クランク角ACO
Pは、ACOP=AINJ−(aTBD+aTSD+a
TED−aTGD)となる。また、前述したように本来
検出すべき燃焼音は各気筒で燃焼開始直後の燃焼圧力が
ピークとなる時期付近の燃焼音である。そこで、本実施
形態では上記入力操作開始から一定クランク角AGTR
だけクランク軸が回転した時点でゲートオープン信号を
停止して信号入力操作を終了するようにしている。AG
TRは信号の入力期間に相当する。
【0027】従来、図1と同様な構成で燃焼音を検出す
る場合には入力操作を開始するクランク角と終了するク
ランク角とは固定するのが通常であった。しかし、特に
ディーゼルエンジンの場合には、気筒内で燃焼が開始さ
れる時期はパイロット燃料噴射量、燃料噴射タイミング
等により大きく変化するため、入力操作の開始と終了時
期を固定するためには、多少燃焼開始時期が変動しても
燃焼音を検出できるように、入力期間を長く設定する必
要がある。入力期間を長く設定すると、本来検出すべき
各気筒で燃焼開始直後の燃焼圧力がピークとなる時期で
の燃焼音以外の振動音まで検出される結果となり、検出
した燃焼音の信頼性が低下する問題が生じる。本実施形
態では、上述のように正確に各気筒における燃焼開始時
期に対応して入力操作が開始されるため、入力期間AG
TRを短く設定しても燃焼開始直後の燃焼圧力ピーク時
の燃焼音を検出可能となる。このため、検出した信号の
信頼性が大幅に向上するようになる。
【0028】次に、具体的な入力操作の開始、終了時期
の設定について説明する。上述のように、本実施形態で
は入力操作開始時期(ゲートオープン信号出力時期)A
GOPと入力操作終了時期(ゲートオープン信号停止時
期)AGCPは、 AGOP=AINJ−(aTBD+aTSD+aTED
−aTGD)及び、AGCP=AGOP−AGTR として表される。以下、上記の式のそれぞれの項の設定
について説明する。
【0029】 パイロット噴射時期AINJの設定 本実施形態では、パイロット噴射時期AINJは以下の
式により決定される。 パイロット噴射時期=〔メイン噴射時期〕+〔基本イン
ターバル〕+〔水温補正量〕 上記の式において、メイン噴射時期は、機関回転数NE
とメイン燃料噴射量とに基づいて、予め実験により設定
された基本メイン噴射時期マップから決定される。ま
た、メイン燃料噴射量は、アクセル開度と機関回転数N
Eとに基づいて、予め実験により設定されたメイン燃料
噴射量マップから設定される。
【0030】また、基本インターバル(パイロット噴射
開始時期とメイン噴射開始時期との間隔)は、機関回転
数と上記により算出されたメイン燃料噴射量とに基づい
て、予め準備された基本インターバルマップから設定さ
れる。また、水温補正量は、機関冷却水温度に基づい
て、予め設定された補正量マップから設定される。
【0031】すなわち、ECU20は、クランク角セン
サ25出力に基づいて算出した機関回転数と、アクセル
開度センサ21から入力したアクセル開度、及び冷却水
温度センサ23から入力した機関冷却水温度とを用い
て、予めECU20のROMに格納したメイン噴射量マ
ップ、基本メイン噴射時期マップ、基本インターバルマ
ップ及び水温補正量マップとを用いて、メイン噴射時
期、基本インターバル、水温補正量を設定し、これらか
らパイロット噴射時期AINJを算出する。
【0032】 着火遅れ時間TBD 着火遅れ時間TBDは、メイン燃料噴射量と同様に機関
回転数とアクセル開度とを用いた、実験に基づくマップ
から決定される。 センサ検出遅れ時間TSD TSDは、センサの配置により定まるため実際の機関を
用いた実験から決定される。TSDは機関型式とセンサ
配置とが同一であればほぼ一定値となる。
【0033】 ECU入力検出遅れ時間TEDと入力
操作遅れ時間TGD TEDとTGDとは使用するフィルタ回路とゲート回路
との特性値となるため、実際のフィルタ回路とゲート回
路とが定まれば一定値になる。 入力期間AGTR 前述のように、入力期間AGTRは短く設定するほどノ
イズの影響を排除して正確な燃焼音検出が可能となる。
実際にはAGTRは燃焼圧力ピーク時の燃焼音を検出可
能な範囲でできるだけ短い時間として実験により設定す
ることが好ましい。
【0034】本実施形態では、ECU20は燃料噴射量
の演算タイミング毎にパイロット噴射時期AINJと着
火遅れ時間TBDを算出し、同時にクランク角センサ2
5出力から算出した機関回転数NEに基づいて時間/ク
ランク角換算係数aを算出する。そして、予め別途求め
ておいたセンサ検出遅れ時間TSD、入力信号検出遅れ
時間TED及び入力操作遅れ時間TGDに基づいて、a
TSD、aTED、aTGDを算出し、これらから入力
操作開始時期AGOPを求め、更にAGOPと予め設定
した入力期間AGTRとから入力操作終了時期AGCP
を算出する。
【0035】そして、ECU20は各気筒でクランク角
がAGOPに一致したときにゲート回路18にゲートオ
ープン信号を出力し、クランク角がAGCPに一致した
ときにゲートオープン信号を停止する。これにより、ピ
ークホールド回路19には正確な燃焼音のピーク値が記
憶されるようになる。
【0036】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、ノイズ
の影響を排除して正確な燃焼音を検出することが可能と
なるため、検出した燃焼音に基づく燃焼音抑制制御の精
度が向上するという共通の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用ディーゼル機関に適用した場
合の実施形態の概略構成を説明する図である。
【図2】図1の実施形態の燃焼音検出タイミングを説明
する図である。
【符号の説明】
1…ディーゼル機関 3…コモンレール 10a〜10d…燃料噴射弁 15…燃焼音センサ 30…ECU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G087 AA01 AA13 CC15 FF04 FF06 3G084 AA01 DA04 DA20 EA01 EA05 EA07 EA08 EB06 EC01 EC04 FA00 FA10 FA25 FA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の発生する燃焼音を連続的に検
    出するセンサと、 内燃機関の各気筒における燃焼期間中に前記センサから
    の信号を入力し予め定められた演算を行う演算手段とを
    備えた内燃機関の燃焼音検出装置において、 前記演算手段は前記センサからの信号の入力開始時期
    を、各気筒への燃料噴射時期と、燃料の着火遅れ時間
    と、前記センサの燃焼音検出遅れ時間と、信号の演算手
    段への入力操作遅れ時間と、演算手段の入力信号の検出
    遅れ時間と、に基づいて設定する内燃機関の燃焼音検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記演算手段は前記センサからの信号の
    入力開始時期を、 入力開始時期=噴射時期−(着火遅れ時間+センサ燃焼
    音検出遅れ時間+演算手段の入力信号検出遅れ時間−信
    号の演算手段への入力操作遅れ時間) として算出する請求項1に記載の内燃機関の燃焼音検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記演算手段は前記センサからの入力終
    了時期を、前記入力開始時期から予め定められた入力期
    間が経過した時期として設定する請求項1または請求項
    2に記載の内燃機関の燃焼音検出装置。
  4. 【請求項4】 前記演算手段は、センサからの信号の入
    力を断続するゲート回路と、入力した信号に演算実行前
    に予め定められた処理を加える処理回路とを備え、 前記センサ燃焼音検出遅れ時間は、各気筒で燃焼音が発
    生してからセンサが該燃焼音に対応した信号を出力する
    までの時間であり、 前記演算手段の入力信号検出遅れ時間は、前記処理回路
    の信号処理遅れ時間であり、 前記演算手段への入力操作遅れ時間は、前記ゲート回路
    の作動遅れ時間である請求項3に記載の内燃機関の燃焼
    音検出装置。
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