JP2000053998A

JP2000053998A - 錠剤型洗浄剤

Info

Publication number: JP2000053998A
Application number: JP10233611A
Authority: JP
Inventors: Kenji Sakamoto; 健二坂本; Sentaro Midorikawa; 宣太郎翠川
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-08-05
Filing date: 1998-08-05
Publication date: 2000-02-22

Abstract

(57)【要約】【課題】この発明は、３種類の異なった機能の層を有
する錠剤を水中で順次に溶解させて、洗浄およびリンス
を行うことができる錠剤型洗浄剤に関する。【解決手段】第１洗浄剤層には酵素を含み、高温で活
性化させて酵素による分解性能を高めさせ、第２洗浄剤
層で、漂白剤や界面活性剤の量を増やして清浄能力を高
め、第３リンス剤層で保護膜を形成するようにしたの
で、１つの錠剤を用いるだけで最適な洗浄を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は三種類の洗浄剤か
らなる錠剤型洗浄剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、錠剤とした洗浄組成物としては、
イオン性界面活性剤を主に用いたものが主流であるが、
非イオン性界面活性剤を主に用いた構成として例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビット脂肪酸
エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキリエーテ
ル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グ
リセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミ
ド、アルキルグリコシド、アルキルアミンオキサイドな
どが知られており錠剤中に１０〜４０重量％配合されて
いる。また、炭酸塩、重炭酸塩等のアルカリ剤と有機酸
とを含む配合剤を打錠又は造粒によって成型し、発泡性
組成物として、洗浄剤、浴剤、風呂水清浄剤等として用
い、水に投入すると、その成分が反応して炭酸ガスを発
生しつつ溶解する構成も知られている。また、特開昭６
２−１２９３９６号の洗剤コンパクトの発明では、冷水
可溶性メルトまたは錠剤と、冷水にあまり影響されず高
温の水に溶解しうる錠剤またはメルトを組み合わせた構
造も知られている。しかし、上記構成では２層構造から
なるので、二種類の洗浄しか行うことができず、また１
層が冷水で溶けるために、酵素を用いる場合に有効に使
用することができない等の欠点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この発明は上記事情に
鑑みて創案されたものであって、その主たる課題は、３
種類の異なった機能の層を有する錠剤を水中で順次に溶
解させて、洗浄およびリンスを行うことができる錠剤型
洗浄剤を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するために、請求項１の発明では、三種類の洗浄剤
からなる錠剤型洗浄剤において、酵素を含み、高温で溶
けて第１期洗浄を行う第１洗浄剤層と、第１洗浄剤層が
溶けた後に溶けて仕上げ洗浄を行う第２洗浄剤層と、第
２洗浄剤層が溶けた後に溶けて、被洗浄物に保護膜を形
成する第３リンス剤層とを三層に形成してなる、という
技術的手段を講じている。

【０００５】また請求項２の発明では、酵素を含み、高
温で溶けて第１期洗浄を行う第１洗浄剤層と、第１洗浄
剤層が溶けた後に溶けて仕上げ洗浄を行う第２洗浄剤層
とを重ねて二層に形成し、該二層の中央に、第２洗浄剤
層が溶けた後に溶けて被洗浄物に保護膜を形成する第３
リンス剤層の層を貫通するように一体形成してなる、と
いう技術的手段を講じている。

【０００６】また、請求項３の発明では、第１洗浄剤層
に、酵素と、洗浄成分とを含有し、第２洗浄剤層には洗
浄成分のみを含有して、第１洗浄剤層の洗浄力を強化し
てなる、という技術的手段を講じている。

【０００７】更に、請求項４の発明では、水洗い時の所
定温度では溶けず、それより高温の第１温度まで水温が
上がると溶けるように設定された第１洗浄剤層と、第１
温度より低温でも溶けるように設定された第２洗浄剤層
と、第１温度より高温の第３温度まで水温が上がると溶
けるように設定された第３洗浄剤とからなる、という技
術的手段を講じている。

【０００８】請求項５の発明では、第１洗浄剤層が、有
機酸塩と、重炭酸ソーダと、炭酸塩と、酵素と、漂白剤
と、界面活性剤とからなっており、第２洗浄剤層が、有
機酸塩と、重炭酸ソーダと、炭酸塩と、漂白剤と、界面
活性剤とからなっており、第３洗浄剤が、ポリエチレン
グリコールと、高級アルコールと、界面活性剤とからな
っている、という技術的手段を講じている。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下にこの発明の錠剤型洗浄剤を
食器洗浄機用に適用した場合の好適実施例について、図
面を参照しながら説明する。図１に示す錠剤型洗浄剤１
は、円盤状の錠剤からなっており、所定の高温で溶けて
主に酵素による分解洗浄を行う第１洗浄剤層２と、第１
洗浄剤層２が溶けた後に溶けて仕上げ洗浄を行う第２洗
浄剤層３と、第２洗浄剤層３が溶けた後に溶けて第３期
にリンスを行う第３リンス剤層４とを三層に一体形成し
た構成からなっている。

【００１０】ここで、第１洗浄剤層２は、酵素と、洗浄
成分と、錠剤易崩壊成分とを含有しており、第２洗浄剤
層３には洗浄成分と錠剤易崩壊成分を含有している。従
って、第１洗浄剤層２が溶解して酵素および洗浄成分に
よる分解および洗浄作用を発揮した後に、第２洗浄剤層
３が溶解して第１洗浄剤層２の洗浄力を更に強化するよ
うになっている。

【００１１】即ち、本実施例では、第１洗浄剤層２が、
有機酸塩と、重炭酸ソーダと、炭酸塩と、酵素（例えば
殿粉及び蛋白分解酵素）と、漂白剤と、界面活性剤とか
らなっている。また、第２洗浄剤層３は、第１洗浄剤層
２の組成中から酵素を除いた構成、即ち、有機酸塩と、
重炭酸ソーダと、炭酸塩と、漂白剤と、界面活性剤とか
らなっている。前記界面活性剤には非イオン界面活性剤
を用いた。また、炭酸塩には、一例として炭酸ナトリウ
ムを用いた。しかし、この発明では公知の成分を適宜選
択して用いることができる。

【００１２】図５は、食器洗浄乾燥機の洗浄過程及び温
度変化を示すもので、最初に食器洗浄乾燥機内に注水さ
れた水は４５℃に加熱され、水洗い工程が約１０分行わ
れる。排水後、注水が行われ、徐々に加温されて７０℃
前後で一定になり、約２０分第１洗浄工程が行われる。
錠剤型洗浄剤１は水洗い工程の当初から食器洗浄乾燥機
内に投入しておいても良いが、第１洗浄工程の際に投入
するようにしてもよい。前者の場合は、水洗いの温度で
は溶解しないように錠剤の各層を構成しておく必要があ
る。後者の場合は、第１洗浄剤層２や第２洗浄剤層３の
溶解温度は水洗い温度で溶解しうるものでもよい。

【００１３】ここで、前述の第１洗浄剤層２が、有機酸
塩、重炭酸ソーダ（重曹）、炭酸塩の作用によって、炭
酸ガスを発生しつつ崩壊して水中に溶解し、７０℃の高
温によって殿粉及び蛋白分解酵素が活性化して、食器に
付着した殿粉や蛋白を分解する。また、同時に含有され
ている漂白剤や界面活性剤の作用で洗浄が行われる。

【００１４】そして、第１洗浄工程が終了すると、再
度、排水および注水が行われ第２洗浄工程が開始する。
第２洗浄工程では、水温は一旦７０℃前後まで上がり、
以後は加熱を止めて１０分前後洗浄が行なわれ、常温ま
で水温が降下する。ここで、第２洗浄剤層３も、前記第
１洗浄剤層２と同様に炭酸ガスを発生しつつ崩壊し水中
に溶解する。そして、図示例の場合に、第１洗浄剤層２
と第２洗浄剤層３とは同一の形状からなっているので、
酵素を含まない分だけ、漂白剤や界面活性剤を第１洗浄
剤層２よりも多量に含有することができ、この漂白剤や
界面活性剤の作用で洗浄力が強化されて強力な洗浄が行
われる。

【００１５】第２洗浄工程が終了すると、再度、排水お
よび注水が行われ第３リンシング工程が開始する。ここ
では、水温が８０℃を超える。第３リンス剤層４は、ポ
リエチレングリコールと、高級アルコールと、界面活性
剤とからなっており、該第３リンス剤層４は一例として
８０℃近傍の高温で溶解する構成となっているので、前
記第３リンシング工程の高温の水に溶けて食器に保護皮
膜を形成してリンシングを行う。

【００１６】上記実施例では、この発明の錠剤型洗浄剤
を食器洗浄乾燥機に用いる場合を例示したが、この発明
では上記用途に限定するものではなく、洗濯機用洗剤
や、入歯洗浄用洗剤、その他の各種の洗浄剤として用い
ることができる。

【００１７】図２から図４は錠剤型洗浄剤１の異なる形
状を示す実施例である。図２の錠剤型洗浄剤１は、平面
矩形状の三層構造からなる錠剤からなっている。その他
の構成は前記実施例と同様であるので、その説明を省略
する。また、図３の錠剤型洗浄剤１は、上下に円盤状の
第１洗浄剤層２と第２洗浄剤層３を二層に積層し、二層
の中央に円柱状の第３リンス剤層４を貫通して一体に形
成した構造からなっており、第１および第２洗浄剤層
２、３が第２リンス剤層４の周りを覆って保護する形状
・構成となっている。図４の錠剤型洗浄剤１は、上下に
平面矩形状の第１洗浄剤層２と第２洗浄剤層３を二層に
積層し、二層の中央に円柱状の第３リンス剤層４を貫通
して一体に形成した構造からなっている。これらの積層
構造は図示例に限定されることなく、適宜形状に形成す
ることができる。また、その他、要するにこの発明の
要旨を変更しない範囲で種々設計変更しうること勿論で
ある。

【００１８】

【発明の効果】この発明は、上記のように、第１洗浄剤
層には酵素を含み、高温で活性化させて酵素による分解
性能を高めさせ、第２洗浄剤層で、漂白剤や界面活性剤
の量を増やして清浄能力を高め、第３リンス剤層で保護
膜を形成するようにしたので、１つの錠剤を用いるだけ
で酵素による分解、洗浄成分による洗浄、およびリンス
を行うことができ、極めて有益である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の錠剤型洗浄剤の一例を示す斜視図で
ある。

【図２】異なる形状の実施例を示す斜視図である。

【図３】別の形状の実施例を示す斜視図である。

【図４】更に別の実施例を示す斜視図である。

【図５】食器洗浄乾燥機の洗浄過程及び温度変化を示す
グラフである。

【符号の説明】

１錠剤型洗浄剤２第１洗浄剤層３第２洗浄剤層４第３リンス剤層

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】三種類の洗浄剤からなる錠剤型洗浄剤に
おいて、酵素を含み、高温で溶けて第１期洗浄を行う第１洗浄剤
層と、第１洗浄剤層が溶けた後に溶けて仕上げ洗浄を行う第２
洗浄剤層と、第２洗浄剤層が溶けた後に溶けて、被洗浄物に保護膜を
形成する第３リンス剤層とを三層に形成してなることを
特徴とする錠剤型洗浄剤。
【請求項２】成分の異なる三種類の洗浄剤からなる錠
剤型洗浄剤において、酵素を含み、高温で溶けて第１期洗浄を行う第１洗浄剤
層と、第１洗浄剤層が溶けた後に溶けて仕上げ洗浄を行
う第２洗浄剤層とを重ねて二層に形成し、該二層の中央に、第２洗浄剤層が溶けた後に溶けて被洗
浄物に保護膜を形成する第３リンス剤層の層を貫通する
ように一体形成してなることを特徴とする錠剤型洗浄
剤。
【請求項３】第１洗浄剤層が酵素と、洗浄成分とを含
有し、第２洗浄剤層が洗浄成分のみを含有してなり、第
１洗浄剤層の洗浄力を強化してなることを特徴とする請
求項１または２に記載の錠剤型洗浄剤。
【請求項４】水洗い時の所定温度では溶けず、それよ
り高温の第１温度まで水温が上がると溶けるように設定
された第１洗浄剤層と、第１温度より低温でも溶けるよ
うに設定された第２洗浄剤層と、第１温度より高温の第
３温度まで水温が上がると溶けるように設定された第３
洗浄剤とからなることを特徴とする請求項１または２に
記載の錠剤型洗浄剤。
【請求項５】第１洗浄剤層が、有機酸塩と、重炭酸ソ
ーダと、炭酸塩と、酵素と、漂白剤と、界面活性剤とか
らなっており、第２洗浄剤層が、有機酸塩と、重炭酸ソ
ーダと、炭酸塩と、漂白剤と、界面活性剤とからなって
おり、第３洗浄剤が、ポリエチレングリコールと、高級
アルコールと、界面活性剤とからなっていることを特徴
とする請求項１または２に記載の錠剤型洗浄剤。