JP2000053936A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JP2000053936A
JP2000053936A JP10209796A JP20979698A JP2000053936A JP 2000053936 A JP2000053936 A JP 2000053936A JP 10209796 A JP10209796 A JP 10209796A JP 20979698 A JP20979698 A JP 20979698A JP 2000053936 A JP2000053936 A JP 2000053936A
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Yoshinori Shimizu
義憲 清水
Nekichi Ishida
根吉 石田
Naoyuki Chokai
尚之 鳥海
Hiroshi Ayukawa
洋 鮎川
Masanao Kano
昌尚 鹿野
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱接着性接着剤および溶剤活性接着剤として
利用するのに特に適している接着剤組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 シリコーン−ポリ尿素系ポリマーと、必
要に応じてシリコーン系粘着付与樹脂とを含んでなり、
溶剤または熱の適用により液化または軟化し、乾燥また
は/および冷却操作により固化して接着力を発現する接
着剤組成物において、シリコーン−ポリ尿素系ポリマー
が、数平均分子量が500〜150,000の範囲のシ
リコーンジアミンと、ジイソシアネートとを含有する出
発原料を重合して形成した、シリコーン−ポリ尿素系ポ
リマーであり、かつシリコーン系粘着付与樹脂の含有量
は、シリコーン−ポリ尿素系ポリマー100重量部に対
して100重量部以下であるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリコーン−ポリ
尿素系ポリマーを含んでなり、溶剤または熱の適用によ
り液化または軟化し、乾燥、冷却、または乾燥と冷却と
の両方の操作により、固化して接着力を発現する接着剤
組成物に関する。本発明の接着剤組成物は、熱接着性接
着剤(ホットメルト接着剤、熱活性接着剤、等)、およ
び溶剤活性接着剤の両方を包含する。
【0002】
【従来の技術】ポリジメチルシロキサン等のシロキサン
ポリマー(「シリコーンポリマー」または「シリコー
ン」とも呼ばれる)は、主としてシロキサン結合(−S
iO−)の物理的および化学的特質に由来する、独特の
性質を有する。たとえば、低ガラス転移温度、耐熱性、
酸化安定性、耐UV性、疎水性、絶縁性にすぐれ、ま
た、低表面エネルギー、多くの気体に対する高い透過
性、非常に良好な生物適合性を有する。シリコーンポリ
マーの工業的用途の一例として、接着剤を挙げることが
できる。
【0003】シリコーン接着剤として最も一般的もの
は、室温硬化型シリコーン接着剤、いわゆる、「RTV
シリコーン」である。これは、シリコーン特有の上記の
ようなすぐれた特性のため広く用いられるようになった
が、硬化速度が遅いという問題点も有している。RTV
シリコーンは、大気中の水分を吸収して架橋反応が進行
するので、反応速度はかなり遅く、通常、硬化完了に数
日を要する。すなわち、有効な接着強度を発現するまで
の時間(「初期接着強度発現時間」または「セット時
間」とも呼ばれる。)が非常に長く、実用範囲をせばめ
ていた。なお、このようなRTVシリコーンを紹介した
文献として、「シリコーンハンドブック、日刊工業新聞
社刊、349頁、1990年」を挙げることができる。
【0004】一方、シロキサンポリマーをエラストマー
として有効に利用するために、その機械的強度を効果的
に増大させる方法が提案されている。たとえば、「軟質
の(soft)」ポリシロキサンブロックと、任意の他
の「硬質の(hard)」ブロック(たとえば、ポリウ
レタンやポリ尿素)とを繰り返し単位として含む、ブロ
ックコポリマーを製造する方法である。このような方法
は、たとえば、1985年6月5日公告の英国特許公報
第2140444B号、米国特許第4,518,758
号、同第3,562,352号および同第4,528,
343号等に開示されている。また、シリコーンジアミ
ンとジイソシアネートとから製造された、約4,000
未満のシリコーンセグメント分子量を有するセグメント
ポリジメチルシロキサン−ポリ尿素エラストマーが、
「Polymer、25巻、1800〜1816頁、1
984年12月」に記載されている。
【0005】また、特開昭58−174480号公報に
は、(A)ポリオルガノシロキサンジアミン(シリコー
ンジアミンとも呼ばれる)と、(B)2またはそれ以上
のイソシアネート基を分子内に有する多官能性化合物と
を硬化させて、接着力を発現させる二成分系接着剤組成
物が開示されている。この組成物は、上記(A)成分と
(B)成分とを接着操作前に混合し、その混合物を第1
被着体に塗布し、接着層を形成し、その接着層の上に第
2被着体を密着させた後、接着層を硬化させて接着を完
了させる。(A)成分および(B)成分は比較的低分子
量であるので、硬化前の混合物は室温で液体である。す
なわち、この組成物は無溶剤型の接着剤として利用でき
る。上記(A)成分の分子中に含まれる、−SiO−単
位の繰り返し数(平均)は、通常1〜200であり、数
平均分子量としては約130〜約30,000程度に相
当する。しかしながら、有効な接着強度を発現するため
には硬化反応が必要であるので、初期接着強度発現時間
(セット時間)を短縮することは困難である。なお、こ
の公報には、上記硬化物そのものを、接着剤として利用
することは示唆されていない。
【0006】特開平5−222147号公報には、
(a)ポリエーテルポリアミン及び/又はポリエステル
ポリアミンと、(b)アミノ基含有オルガノポリシロキ
サン(シリコーンジアミンとも呼ばれる)と、(c)ポ
リイソシアネートとを、イソシアネート基:全アミノ基
の当量比が0.8〜1.2となるように反応させて得ら
れるポリ尿素エラストマーが開示されている。上記ポリ
尿素エラストマーは、弾性に富み、かつ耐熱性にすぐれ
た成形体(製紙、鉄鋼、事務機器等の分野におけるロー
ル等)を形成することができる。また、上記(b)化合
物の数平均分子量は、通常300〜2,000である。
しかしながら、この公報には、上記ポリ尿素エラストマ
ーを、接着剤として利用することは、示唆されていな
い。
【0007】さらに、米国特許第5,214,119
号、同第5,290,615号、同第5,461,13
4号および同第5,512,650号ならびに国際特許
公開公報第WO96/34029号および同第WO96
/35458号には、(a)少なくとも約5,000の
数平均分子量を有するシリコーンジアミンと、ジイソシ
アネートとを含む出発原料を重合して形成した、ポリシ
ロキサン−ポリ尿素ブロックコポリマーと、(b)シリ
コーン系粘着付与樹脂とを含有する接着剤が開示されて
いる。これらに開示の接着剤は、比較的多量の粘着付与
樹脂を含有し、たとえば、感圧接着剤としての利用に適
している。シリコーンジアミンの数平均分子量は、少な
くとも約750のものが開示されているが、たとえば、
感圧接着剤として用いる場合、少なくとも約5,000
が好適である。また、上記(a)と(b)との混合重量
比率(a:b)は、好適には20:80〜80:20、
特に好適には25:75〜75:25の範囲であること
も開示されている。さらに、シリコーン系粘着付与樹脂
は、水酸基等の官能基を含有するものでも、このような
官能基を含まないものでもどちらでも使用できる。
【0008】これらの公報等には、シリコーンジアミン
の分子量、およびポリ尿素ブロックの含有量を変化させ
ることにより、粘着性、接着力、および剪断保持力を最
適にバランスさせることができ、接着剤として、後硬化
反応を必要とせずに使用できることが開示されている。
もちろん、このような接着剤は、低ガラス転移温度、高
耐熱性等のポリシロキサンに由来するすぐれた性質をも
併せ持つ。なお、上記米国特許に対応する日本国特許公
報として、特開昭63−30329号公報、特開平8−
231726号公報、特表平9−501704号公報、
および特開平10−60386号公報を参照されたい。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、RTV
シリコーン接着剤および二成分系接着剤は、硬化反応に
由来する高凝集力と、ポリシロキサン構造に由来するす
ぐれた性質とも併せ持つものの、セット時間が非常に長
いという問題点があった。一方、感圧接着剤は、セット
時間の短縮が容易であるものの、高凝集力を要求される
用途には比較的不向きである。
【0010】ところで、セット時間を短縮可能な接着剤
として、(i)ホットメルト接着剤、熱活性(感熱)接
着剤等の熱接着性接着剤や、(ii)溶剤活性接着剤があ
る。また、上記(ii)溶剤活性接着剤には、ポリマー
を溶剤中に溶解または分散させて得たポリマー溶液を、
第1被着体に塗布して接着層を形成し、接着層が完全に
乾燥する前に接着層と第2被着体とを接触させ、接着層
の乾燥により固化して接着を完了させる、いわゆる「溶
液型接着剤」や、フィルム等の固体状の接着剤の表面
に溶剤を塗布し、活性化(粘着性を向上)させた後、被
着体と接触させて接着する、いわゆる「溶剤再活性化接
着剤」が含まれる。しかしながら、これまで、シリコー
ン系の熱接着性接着剤および溶剤活性接着剤は知られて
いなかった。
【0011】また、通常のシリコーンポリマーを、熱接
着性接着剤および溶剤活性接着剤として利用することは
できない。これは以下の理由による。上記のような接着
剤となり得るには、接着完了後、常温で強い凝集力を有
する固体状である必要がある。ところが、通常の直鎖状
シリコーンポリマー(ポリシロキサン)は、どんなに高
分子量のものでも、液体或いはペーストにしかならな
い。したがって、このままでは凝集力がほとんどなく接
着剤としては機能しない。また、架橋されたシリコーン
は常温で固体状になるが、溶剤に溶解せず、高温でも溶
融せず、また、粘着可能な程度の軟化もしなくなり、上
記のような接着剤としては機能しない。
【0012】また、前述のシリコーン−ポリ尿素系ポリ
マーを含む接着剤を開示した公報(たとえば、国際特許
公開公報第WO96/35458号)は、上記(a)と
(b)とを含有する組成物を、ホットメルト接着剤とし
て用いることも開示しているが、ホットメルト接着剤等
の熱接着性接着剤や、溶剤活性接着剤として利用するの
に特に適した組成物の詳細(シリコーンジアミンの分子
量、シリコーン系粘着付与樹脂の含有量、組成物の貯蔵
弾性率など)について、具体的には開示していない。
【0013】したがって、本発明の目的は、熱接着性接
着剤および溶剤活性接着剤として利用するのに特に適し
ており、硬化反応によることのない高凝集力と、ポリシ
ロキサン構造に由来するすぐれた性質とを併せ持ち、か
つ、セット時間を短縮できる接着剤組成物を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、シリコーン成分として、(a)シリコー
ン−ポリ尿素系ポリマーと、(b)必要に応じてシリコ
ーン系粘着付与樹脂とを含んでなり、溶剤または熱の適
用により液化または軟化し、乾燥または/および冷却操
作により固化して接着力を発現する接着剤組成物におい
て、上記シリコーン−ポリ尿素系ポリマーが、数平均分
子量が500〜150,000の範囲のシリコーンジア
ミンと、ジイソシアネートとを含有する出発原料を重合
して形成した、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーであ
り、上記シリコーン系粘着付与樹脂の含有量は、シリコ
ーン−ポリ尿素系ポリマー100重量部に対して100
重量部以下であることを特徴とする、接着剤組成物を提
供する。
【0015】
【発明の実施の形態】引き続いて、本発明をその実施の
形態について詳細に説明する。本発明による接着剤組成
物は、上記したように、(1)シリコーン成分として、
数平均分子量が所定の範囲のシリコーンジアミンと、ジ
イソシアネートとを含有する出発原料を重合して形成し
た、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーを含んでなるこ
と、および、(2)上記シリコーン成分が、シリコーン
系粘着付与樹脂を実質的に含まないか、シリコーン系粘
着付与樹脂を含む場合は、その含有量が、シリコーン−
ポリ尿素系ポリマー100重量部に対して100重量部
以下であること、を特徴とする。したがって、本発明の
接着剤組成物は、溶剤または熱の適用により液化または
軟化し、乾燥または/および冷却操作により固化して接
着力を発現する接着剤として(すなわち、熱接着性接着
剤および溶剤活性接着剤として)、いろいろな被着体に
対して効果的に使用でき、硬化反応によることのない高
凝集力と、ポリシロキサン構造に由来するすぐれた性質
とを併せ持ち、かつ、セット時間を短縮できる。ここ
で、シリコーンジアミンの数平均分子量が低すぎると、
熱接着性接着剤および溶剤活性接着剤として使用した場
合に接着剤組成物の強度が低下し、反対に数平均分子量
が大きすぎると、シリコーン−ポリ尿素系ポリマー間の
凝集力が低下し、熱接着性接着剤および溶剤活性接着剤
として利用することが困難になる。このような観点か
ら、シリコーンジアミンの数平均分子量は、好適には8
00〜10,000、特に好適には1,000〜4,5
00の範囲である。
【0016】上記のようなシリコーン−ポリ尿素系ポリ
マーでは、尿素結合(または尿素結合を含む単位)が物
理架橋点として働き、ポリマー間の凝集力が、分子間の
尿素結合どうしの物理的引力により発生するので、硬化
反応によることなく高凝集力を発揮することが可能にな
る。シリコーン系粘着付与樹脂の量は、組成物の弾性率
が極低温から融点付近までの間で大きく変化しないよう
にし、従来のホットメルト接着剤よりも広い可使温度範
囲を有するように選択するのが好適である。たとえば、
接着剤組成物の貯蔵弾性率を、−120℃〜120℃の
範囲で連続して測定した時、120℃における弾性率
(E1)に対する−120℃の弾性率(E2)の比率
(E2/E1)が1,000未満であるように、シリコ
ーン系粘着付与樹脂の量を決定するのが好適である。こ
のためには、シリコーン−ポリ尿素系ポリマー100重
量部に対して50重量部以下の割合で含有するのが好適
であり、シリコーン系粘着付与樹脂を実質的に含まない
組成物が特に好適である。
【0017】また、接着剤の可使温度範囲をいっそう広
くするには、上記弾性率の比率(E2/E1)は、好適
には500以下、特に好適には0(変化なし)〜100
である。接着剤組成物の25℃における貯蔵弾性率は、
通常1×106 〜1×1010dyn/cm2 、好適には
2×106 〜5×109 dyn/cm2 、特に好適には
5×106 〜1×109 dyn/cm2 の範囲である。
貯蔵弾性率が小さすぎると剪断接着強度が低下するおそ
れがあり、反対に大きすぎると剥離接着強度が低下する
おそれがあり、どちらの場合も、特に熱接着性接着剤と
して使用する場合に不十分な性能を示すおそれがある。
なお、本願明細書における「貯蔵弾性率」は、粘弾性ス
ペクトロメータを用い、引っ張り動的粘弾性挙動を測定
して求めた値である。
【0018】続いて、本発明の接着剤組成物をそれ自体
およびその構成成分、その製造および使用、その用途な
どを参照しながらさらに具体的に説明する。 〔接着剤組成物〕本発明の接着剤組成物の好適な形態
は、(1)上記シリコーン−ポリ尿素系ポリマーからな
るシリコーン成分(すなわち、シリコーン系粘着付与樹
脂を含まない)を含有する組成物、または、(2)上記
シリコーン−ポリ尿素系ポリマーと、シリコーン系粘着
付与樹脂とを含んでなるシリコーン成分を含有する組成
物、である。ここで、「シリコーン成分」とは、オルガ
ノシロキサン骨格を有する化合物からなり、接着成分と
して機能する樹脂成分である。
【0019】粘着付与樹脂の含有量は、シリコーン−ポ
リ尿素系ポリマー100重量部に対して、通常100重
量部以下、好適には50重量部以下、特に好適には50
重量部未満である。粘着付与樹脂の量が多すぎると、熱
接着性接着剤等として使用することが困難になるおそれ
がある。なお、上記シリコーン系粘着付与樹脂の具体例
としては、たとえば、GEシリコーン(株)社製のMQ
レジン「(品番)SR−1000」等を挙げることがで
きる。
【0020】また、本発明の接着剤組成物には、本発明
で意図している効果を損なわない限り、難燃剤(五酸化
アンチモン等)、フィラー(カーボンブラック、ファイ
バー、ガラス粉、ガラスバブル、ガラスビーズ、熱伝導
性の粒子/ファイバー、導電性の粒子/ファイバー、プ
ラスチック粉、金属酸化物、タルク、クレイ等)、着色
剤、酸化防止剤、熱老化防止剤、紫外線吸収剤、カップ
リング剤、架橋性ポリマー、架橋剤等を添加することも
できる。特に、カップリング剤は、接着剤組成物の接着
力を高めるのに効果的に用いることができる。このよう
なカップリング剤としては、シランカップリング剤、チ
タネートカップリング剤等が使用できる。シランカップ
リング剤としては、たとえば、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の、ア
ミノシラン系カップリング剤を好適に使用できる。
【0021】カップリング剤は、たとえば、シリコーン
−ポリ尿素系ポリマーを含有する溶液に、その所定量を
添加して用いる。これにより、上記溶液を乾燥して形成
した接着剤組成物の接着力を効果的に高めることがてき
る。カップリング剤の含有量は、シリコーン−ポリ尿素
系ポリマー100重量部に対して、通常0.05〜10
重量部、好適には0.05〜5重量部である。カップリ
ング剤の含有量が少なすぎると、接着力の向上効果が期
待できないおそれがあり、反対に多すぎると、熱圧着時
に発泡が生じやすく、また、溶融粘度も上昇し、熱接着
性接着剤としての利用が困難になり、接着力が高められ
ないおそれがある。
【0022】なお、カップリング剤は、粘着付与樹脂を
実質的に含まない場合でも、所定量の粘着付与樹脂を含
む場合でも、ともに上記効果を奏することができる。本
発明の好適な1形態は、上記接着剤組成物からなり、熱
の適用により液化または軟化し、冷却操作によって固化
して接着力を発現する、熱接着性接着剤を提供する。こ
こで、「熱接着性」とは、シリコーン−ポリ尿素系ポリ
マーを含有する組成物が、常温(約25℃)で固体状の
ポリマー組成物であるが、加熱により軟化または溶融し
た時に粘着性が向上し、または流動してぬれ性が向上
し、被着体どうしを貼り合わせた後で冷却すると凝集力
が向上し、接着剤として機能する性質を意味する。この
ような熱接着性接着剤には、ホットメルト接着剤(加熱
により流動し、塗布可能であり、粘着性が向上するも
の)、熱活性接着剤(加熱しても塗布可能な程度の流動
性は持たないが、加熱により粘着性が向上するもの)、
これらの接着剤をフィルム化した熱接着フィルム等が包
含される。本発明による熱接着性接着剤では、セット時
間を通常1時間未満、好適には30分未満、特に好適に
は5〜20秒の範囲にすることができる。ここで、「セ
ット時間」とは、初期強度、すなわち、「接着剤が固化
し、貼り合わせた被着体が比較的小さな外力を加わって
も剥がれない状態を保てるレベルの接着強度」が発現す
るまでの時間である。なお、熱接着性接着剤として利用
する場合、接着剤組成物の融点は、通常100〜220
℃、特に好適には120〜200℃の範囲である。
【0023】また、接着剤組成物の、180℃における
溶融粘度(以下、「溶融粘度」と呼ぶこともある)が5
0〜50万cps(センチポアズ)の範囲である場合、
熱接着性接着剤として好適に利用できる。たとえば、溶
融粘度が上記範囲である場合、接着剤組成物を熱接着フ
ィルムとして使用できる。熱接着フィルムは、2つの被
着体の間に配置し、加熱しながら加圧した後、冷却され
た段階で良好な接着力を発揮する接着剤である。溶融粘
度が大きすぎると、被着体を圧着が困難になるおそれが
あり、反対に小さすぎると、2つの被着体の間から接着
剤がはみ出てしまい、接着後の外観を損なうおそれがあ
る。このような観点から、溶融粘度は、好適には100
〜10万cps、特に好適には500〜5万cpsであ
る。なお、接着剤組成物を熱接着フィルムとして用いる
場合、その厚さは、通常10〜1,000μm、好適に
は20〜500μmである。フィルムの厚さが薄すぎる
と、接着力が低下するおそれがあり、反対に厚すぎる
と、接着剤のはみ出しにより、接着後の外観を損なうお
それがある。
【0024】一方、溶融粘度が50〜10万cpsの範
囲である場合、ホットメルトコーティングガンやバルク
ホットメルト装置で使用されるような、スティック状ま
たはペレット状のホットメルト接着剤として好適に使用
できる。溶融粘度が大きすぎると、ホットメルトコーテ
ィングの際に手早くコーティングすることが困難になる
おそれがあり、反対に小さすぎると、十分な接着力を発
揮する塗布厚(たとえば、10μm以上)でコーティン
グできないおそれがある。このような観点から、接着剤
組成物の溶融粘度は、好適には100〜5万cps、特
に好適には500〜2万cpsである。
【0025】なお、溶融粘度は、回転粘度計または粘弾
性スペクトロメータを用いて測定する。また、溶融粘度
は、たとえば、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーの原料
となるシリコーンジアミンの分子量、ジイソシアネート
の種類、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーの固有粘度等
を適宜選択して制御することができる。さらに、本発明
の熱接着性接着剤は、シリコーン−ポリ尿素系ポリマー
固有の性質、すなわち、低温から融点付近までゴム状で
弾性率の変化が小さいという性質を有するので、従来の
ホットメルト接着剤(エチレン−酢酸ビニル等をベース
ポリマーとして含有するタイプ)に比べて、改良された
耐熱性や耐寒性を有する。 〔シリコーン−ポリ尿素系ポリマー〕「シリコーン−ポ
リ尿素系ポリマー」は、それを本願明細書で使用した場
合、複数のオルガノシロキサン単位と、互いに隣接する
オルガノシロキサン単位どうしを結合する尿素結合とを
分子内に含むポリマー(コポリマーを含む)を意味す
る。また、耐熱性や接着力を高めるため、その他の繰り
返し単位や化学結合(たとえば、ポリウレタン構造等)
を含むこともできる。
【0026】シリコーン−ポリ尿素系ポリマーは、通
常、所定の数平均分子量を有するシリコーンジアミン
と、ジイソシアネートとを含有する出発原料を重合して
形成した、いわゆるブロックコポリマーである。シリコ
ーンジアミンは、通常、オルガノシロキサン構造を有す
る主鎖と、その両末端にアミノ基を有する化合物であ
る。また、ジイソシアネートは、通常、フェニレン、ア
ルキレン、シクロアルキレンまたはアラルキレンから選
ばれる二価の官能基の両末端にイソシアネート基(−N
CO)を有する化合物である。
【0027】オルガノシロキサン構造中のオルガノシロ
キサン単位の数(繰り返し数)は、シリコーンジアミン
の分子量が上記範囲になるように決定されるが、通常2
以上である。オルガノシロキサン単位の化学構造は特に
限定されないが、通常シロキサン単位中の珪素原子(S
i)に結合した2つのアルキル基を有し、そのアルキル
基の炭素数が通常1〜12であるものである。複数のオ
ルガノシロキサン単位は、通常ジメチルシロキサン(シ
ロキサン単位中のSiに結合した2つのアルキル基がと
もにメチル基)からなる。また、ジメチルシロキサン以
外のオルガノシロキサン(アルキル基の一方または両方
がメチル基以外のもの)を含んでもよいが、その場合、
全アルキル基の少なくとも50%はメチル基であるのが
好適である。これらにより、シリコーン−ポリ尿素系ポ
リマー分子間の尿素結合どうしの物理的引力により発生
する凝集力を効果的に高め、接着力や弾性率を容易に高
めることができる。
【0028】アミノ基は、第1級アミン残基(2個の活
性水素を含有)または第2級アミン残基(1個の活性水
素を含有)であり、通常、オルガノシロキサン単位の最
末端に位置するSi原子に、炭素数1〜10のアルキレ
ン基を介して結合される。なお、本発明の効果を損なわ
ない限り、複数のシリコーンジアミンからなる混合物を
用いることもできる。なお、本発明で好適に用い得るシ
リコーンジアミンは、前述の米国特許第5,214,1
19号等に開示された方法により製造できる。
【0029】本発明で使用されるジイソシアネートに
は、通常、脂肪族ジイソシアネート(たとえば、アルキ
レンジイソシアネートで、アルキレン基の炭素数は、好
適には3〜10、特に好適には4〜8であり、通常は直
鎖アルキレン基を含む)、または、芳香族ジイソシアネ
ート(縮合環構造を含む)である。このようなジイソシ
アネートの具体例としては、トルエンジイソシアネート
(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、4,4′−メチレンビス−フェニルイソシアネー
ト(MDI)、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシ
ル)ジイソシアネート(H−MDI)、イソホロンジイ
ソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート(TMXDI)、ノルボルナンジイソシ
アネート(NBDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート(H12MDI)およびそれらのジイソシア
ネートの誘導体からなる群から選ばれた1種単独または
2種以上の混合物がある。好適には、TMXDIまたは
その誘導体である。このようなジイソシアネートを使用
すれば、シリコーン−ポリ尿素系ポリマー分子間の凝集
力を効果的に高め、本発明の接着剤組成物に、熱接着性
接着剤および溶剤活性接着剤として用いるのに適したレ
ベルの、接着力や弾性率を付与することができる。
【0030】上記出発原料は、上記成分に加えて、 シリコーンジアミン以外の有機ジアミン、または/
および、 ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール等の
有機ジオール のような追加成分を含むのが好適である。このような追
加成分は、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーに、熱接着
性接着剤および溶剤活性接着剤として用いるのに適した
レベルまで、接着力、弾性率、耐熱性(加熱による分解
や着色が生じにくい性質)等を高めることができる。
【0031】有機ジアミンとしては、ヘキサメチレンジ
アミン、キシレンジアミン、1,3−ジ(4−ピペリジ
ル)プロパン、ジ(2−アミノエチル)プロピルメチル
ジメトキシシラン(DAS)、ピペラジン、1,12−
ドデカンジアミン、1,5−ジアミノヘキサン、1,3
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,
3′,5,5′−テトラメチルジフェニルメタン、ビス
(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2
−アミノメチルピペリジン、ポリプロピレンオキサイド
ジアミンやポリテトラメチレンオキサイドジアミン等の
ポリマージアミン、その他が使用できる。また、分子量
5,000〜25,000のポリテトラメチレンオキサ
イドジアミンのようなポリマージアミンであって、2.
0に近い官能価を有するものも使用できる。
【0032】一方、有機ジオールとしては、ポリテトラ
メチレンオキサイドグリコール、ポリエチレンオキサイ
ドグリコール、ポリプロピレンオキサイドグリコール、
ポリカプロラクトングリコール等が使用できる。 〔接着剤組成物の製造およびその使用〕本発明による接
着剤組成物は、たとえば、次のようにして製造すること
ができる。
【0033】まず、反応容器中に、シリコーンジアミン
と、溶剤(イソプロパノール、トルエン等)とを加え、
1分間〜1時間にわたってよく攪拌し、シリコーンジア
ミン溶液を調製する。攪拌は通常は室温で行なうが、加
熱下に攪拌してもよい。溶剤は、通常の有機溶剤、たと
えば、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、イソ
プロパノール、トルエン等が使用できる。また、有機ジ
アミンを使用する場合、シリコーンジアミン溶液に添加
し、溶解させておくのが好適である。
【0034】次に、このシリコーンジアミン溶液にジイ
ソシアネートを添加し、室温または加熱しながら攪拌し
て反応させる。ジイソシアネートは、一度に添加しても
よいし、比較的ゆっくりに反応を進行させるためには、
少しずつ添加してもよい。反応は、イソシアネート添加
後、通常10分間〜10時間程度で完了し、これによ
り、所定の出発原料から重合して形成したシリコーン−
ポリ尿素系ポリマーを含有する生成物溶液からなる、本
発明の接着剤組成物を得ることができる。なお、粘着付
与剤を添加する場合、通常、生成物溶液に粘着付与剤を
添加し、よく攪拌して均一な溶液として用いる。また、
有機ジオールを反応成分として使用する場合、有機ジオ
ールとジイソシアネートとを反応させてプレポリマーを
形成し、このプレポリマーとジアミン類とを反応させる
のが好適である。これにより、シリコーン−ポリ尿素ブ
ロックと、ポリウレタンブロックとが交互に配置された
ブロックコポリマーが容易に製造でき、ポリウレタンブ
ロックのもつ特性を付与することができる。たとえば、
貯蔵弾性率が効果的に高められ、熱接着性接着剤として
適した接着剤組成物を形成できる。
【0035】得られた生成物溶液を、剥離フィルム等の
基材上にコーティングし、乾燥させてフィルム状の接着
剤組成物を形成することができる。このようなフィルム
状組成物は、熱接着性接着剤(ホットメルト接着剤、熱
活性接着剤等)や、溶剤再活性化接着剤として用いるこ
とができる。また、上記生成物溶液を、そのまま溶液型
接着剤として用いることもできる。
【0036】一方、次のようにして、無溶剤法で接着剤
組成物を製造することもできる。複数のゾーンを有する
反応型2軸イクストルーダーの各ゾーンを所定の温度に
保ち、混練軸を回転させながら、出発原料を構成する各
成分を所定のゾーンから投入する。投入された各成分は
イクストルーダー内で混合、反応し、イクストルーダー
出口から溶融したシリコーン−ポリ尿素系ポリマーを含
んでなる接着剤組成物を得ることができる。なお、ゾー
ンの加熱温度は、各成分が十分な流動性が得られるよう
に設定されるが、通常は室温(約25℃)〜200℃の
範囲である。また、粘着付与樹脂を添加する場合、たと
えば、シリコーンジアミンと粘着付与樹脂との混合溶融
物を形成した後、これにジイソシアネートを添加し、重
合させるのがよい。これにより、均一な接着組成物を容
易に形成し、熱接着性接着剤等としての性能(コーティ
ングの良好性や接着力等)を効果的に高めることができ
る。
【0037】上記のようにして得られる溶融した接着剤
組成物を、そのままT−ダイ等のコーティング装置に案
内し、剥離フィルム等の基材上にコーティングし、冷却
してフィルム状の接着剤組成物を形成することができ
る。このようなフィルム状組成物は、熱接着性接着剤
や、溶剤再活性化接着剤として用いることができる。ま
た、コーティング装置や押し出し成形装置を用い、水等
の冷却媒中に射出し、所定の寸法と形に成形した後で冷
却し、ペレット状やスティック状の接着剤を形成するこ
ともできる。このような成形体からなる接着剤組成物
は、ホットメルト接着剤として好適に使用できる。
【0038】上記出発原料において、全ジイソシアネー
ト当量(D)と全ジミアン当量(A)との比率(D/
A)は、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーの固有粘度が
0.5以上になるように適宜決定され、通常0.95〜
1.10の範囲である。アミンが多すぎると、組成物が
黄変しやすくなり、反対にジイソシアネートが多すぎる
と、貯蔵安定性に問題が出てくる場合がある。また、有
機ジオールを含む場合、全ジミアン当量(A)の代わり
に、全ジミアン当量と全ジオール当量との合計当量
(B)を用い、比率D/Bが上記範囲であるようにする
のが好適である。また、シリコーンジアミンと、有機ジ
アミンまたは/および有機ジオールとを併用する場合、
上記合計当量(B)全体に占めるシリコーンジアミンの
割合は、通常80%以上である。
【0039】また、接着剤組成物の製造に際し、重合反
応速度を早めるために、オクタン酸第一錫、ジブチル錫
ジラウレート等の触媒をあわせて使用してもよい。本発
明の熱接着性接着剤は、「常温(約25℃)で固体状の
組成物であり、加熱することにより溶融または、粘着可
能な程度まで軟化し、被着体と接触(塗布または圧着)
させた後、冷却により固化して接着を完了させる接着
剤」である。本発明の熱接着性接着剤をホットメルト接
着剤として用いる場合、スティック状、ペレット状また
はフィルム状に成形するのが好適である。なお、スティ
ック状のホットメルト接着剤として使用する場合、ステ
ィックの長さや直径は、ホットメルト用コーティングガ
ン等の手持ち式の塗布機でコーティング可能なように決
定される。 〔接着剤としての用途〕本発明の接着剤組成物(または
熱接着性接着剤)は、銅等の金属被着体に限らず、いろ
いろな被着体に対して使用できる。金属以外の被着体と
しては、たとえば、ガラス、ガラスエポキシ、フェノー
ル樹脂、ポリイミド等を挙げることができる。
【0040】本発明の接着剤組成物(または熱接着性接
着剤)は、たとえば、電子部品の基板に対する接着に使
用できる。たとえば、電子デバイスの用途において、振
動などによる半田クラック防止のために、基板と部品
(たとえば、コンデンサー)とを接着剤で、絶縁性を保
った状態で固定(接着)することができる。基板が自動
車等の車両に搭載される場合、100℃程度の耐熱性が
求められる。また、同時に耐寒性(−40℃程度)も要
求される。さらに、温度変化による接着剤の硬さ(弾性
率)の変化が小さいことも求めらる。このような広範囲
にわたる温度特性に対する要求は、通常のホットメルト
接着剤では満たされないので、作業性が悪くても前述の
RTVシリコーンが用いられている。これとは対照的
に、本発明の接着剤組成物は、高い電気絶縁性と、上記
のような広範囲にわたる温度特性に対する要求を満た
し、かつ、セット時間を短縮し、作業性を改善すること
ができる。さらに、本発明の接着剤組成物は、透明性が
高い(光透過率が通常80%以上)ので、光学部品を接
着するのに適している。
【0041】さらに、本発明の接着剤組成物は、制振材
としても使用できる。これらは、たとえば、上記組成物
の層の単体からなる制振材や、固定層と組み合わせた固
定層制振材である。
【0042】
【実施例】引き続いて、本発明をその実施例について説
明する。なお、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではないことを理解されたい。材料と略号の説明 下記の実施例では、本発明の接着剤組成物の調製のため
にいろいろな出発材料を使用し、また、それらの簡潔な
説明のために略号を使用している。ここで、下記の各実
施例で用いた材料および略号について説明する。 (1)SDA(シリコーンジアミン):α, ω- ビス(アミノプロピル)ポリジ メチルシロキサン X22-161AS (品番):信越化学(株)社製、数平均分子量=862 X22-161A(品番) :信越化学(株)社製、数平均分子量=1,630 X22-161B(品番) :信越化学(株)社製、数平均分子量=3,040 KF-8012 (品番 :信越化学(株)社製、数平均分子量=4,400 SDA-1 :前述の米国特許第5,214,119号に記載の方法で 調製、数平均分子量=22,300 SDA-2 :前述の米国特許第5,214,119号に記載の方法で 調製、数平均分子量=105,000 (2)ジイソシアネート TMXDI:テトラメチルキシリレンジイソシアネート…武田
薬品工業(株)社の「(品名)TMXDI」 MDI :4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート…日本ポ
リウレタン(株)社の「(品名)ミリオネートMT−
F」 HDI :ヘキサメチレンジイソシアネート…住友バイエル
ウレタン(株)社の「(品名)デスモジュールH」 IPDI :イソホロンジイソシアネート…ヒュルス(Hul
s)社の「(品名)VESTANAT IPDI」 NBDI :ノルボルナンジイソシアネート…三井化学(株)
社の「(品名)NBDI」 H12MDI: ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート…住
友バイエルウレタン(株)社の「(品名)デスモジュー
ルW」 (3)シリコーン系粘着付与剤 MQレジン(前記した):GEシリコーン(株)社製(品
番)SR−1000 (4)比較用の従来の接着剤 ポリプロピレン(PP)系接着剤:(品番)Jet−M
elt(商標)EC−3748、米国3M(株)社製 RTVシリコーン接着剤:(品番)SE9188、トー
レ・ダウ(株)社製接着試験 下記の実施例では、本発明の接着剤組成物を調製すると
ともに、それから作製した熱接着フィルムを用いて接着
試験を行なった。以下、接着試験の方法について説明す
る。 (1)剪断強度:まず、各例の接着剤組成物から、長さ
25mm、幅25mmおよび厚さ約0.5mmの熱接着
フィルムを作製した。また、これとは別に、長さ100
mm、幅25mmおよび所定の厚さ(厚さは試験片によ
り異なる) を有する試験片を各例につき2枚ずつ用意
し、それらを180℃のオーブン中で5分間にわたって
予備加熱した。オーブンから取り出した試験片のうちの
一方の一端近傍に、各例の熱接着フィルムを載置し、そ
の熱接着フィルムの上にスペーサー(0.38mm径の
金属ワイヤ)を配置した後、オーブン(180℃)中で
約5分間加熱して熱接着フィルムを液化させた。熱接着
フィルムが液化したら、ただちに試験片を取り出し、も
う一方の試験片を熱接着フィルムの上に重ね、2枚の試
験片を貼り合わせた後、軽く手で圧着した。圧着後の試
験片−熱接着フィルム積層体を、室温(約25℃)で1
日放置した後、50mm/分の速度で2枚の試験片を剪
断方向に沿って引っ張り、引っ張り剪断強度を測定し
た。なお、測定環境温度は、特に断らない限り室温(約
25℃)である。 (2)剥離強度:スペーサーを0.38mm径の金属ワ
イヤから0.1mm径の金属ワイヤに変更し、試験片の
予備加熱は行わず、2枚の試験片の間に熱接着フィルム
を挟み、180℃、10kg/cm2 および20秒の条件で
圧着して試験片と熱接着フィルムとを接着し、試験片を
剥離方向(T剥離または180°剥離)に引っ張った以
外は、上記剪断強度の場合と同様にして剥離強度を測定
した。実施例1 溶液重合によるSPU(シリコーン−ポリ尿素ブロック
コポリマー)の調製(その1):5Kg(1.136モ
ル)のSDA( KF8012:数平均分子量=4,40
0) 、3.08KgのIPA(イソプロピルアルコー
ル)、および8.75Kgのトルエンを35リットル
(L)の反応容器に投入し、5分間攪拌して均一な溶液
を得た。この溶液に283g(1.159モル)のTM
XDIを0.5Kgのトルエンとともに流し込んだ。TM
XDI添加後の溶液をさらに室温で攪拌し続けると、緩
やかに発熱し、液温が上昇した。TMXDI添加後15
分間を経過した後、TMXDIが完全に反応したことを
IR(赤外吸収)スペクトルで確認し、さらに30分間
攪拌し、重合反応を終了した。これにより、SPUを含
有する本例の接着剤組成物の溶液を得ることができた。
【0043】上記接着剤組成物を、ナイフコータを用
い、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上
にコーティングし、乾燥、固化し、本例の接着剤組成物
からなる熱接着フィルムを形成した。 室温剪断強度:本例の熱接着フィルムを用い、上記試験
方法にしたがって剪断強度を測定した。ここでは、試験
片として、厚さ2mmのガラスエポキシ、日本テストパ
ネル(株)社製、を用いた。なお、剪断強度は、室温
(約25℃)で1日放置した後の最終強度と合わせて、
貼り合わせ30分後の測定値(初期強度の目安)も測定
した。その結果、貼り合わせ30分後の値が21.9k
gf/cm2 、最終強度が34.1kgf/cm2 であ
った。また、比較として、上記RTVシリコーン接着剤
から作製した熱接着フィルムにおいて、実施例1と同様
にして剪断強度を測定した。得られた測定値(貼り合わ
せ30分後=0.03kgf/cm2 、最終強度=2
7.7kgf/cm2 )を上記の測定値と比較すると、
本例の測定値のほうがすぐれていることが分かる。特
に、本例では、貼り合わせ後すぐに高い接着強度を示す
点に注目すべきである。また、RTVシリコーン接着剤
では、上記のような最終強度を得るのに、硬化反応(貼
り合わせ後50℃で3日間硬化)が必要であるのに対し
て、本例ではそれが不要であることも注目すべきであ
る。すなわち、本発明の接着剤組成物では、硬化反応に
よることのない高凝集力の発揮と、セット時間の短縮が
非常に容易であることが確認された。 熱間強度:下記の第1表に記載の−10℃から100℃
までの各温度(測定環境温度)における剪断強度(試験
片=上述のガラスエポキシ)を測定し、上記PP系接着
剤と比較した結果を下記の第1表に示す。
【0044】 第1表 接着フィルムの種類 剪断接着強度[kgf/cm2 −10℃ 25℃ 60℃ 100℃ PP系接着剤 14.9 26.6 3.9 0.6 実施例1 48.6 34.1 20.7 12.4 上記第1表に記載の結果から、本実施例の接着剤組成物
は、すべての温度範囲で、PP系ホットメルト接着剤よ
りも高い接着強度を示すことが分かる。実施例2 反応型2軸イクストルーダーによるSPU(MQレジン
入り)の調製:全体で9ゾーンを有する反応型2軸イク
ストルーダーの第1から第3ゾーンまでを30℃、第4
から第6ゾーンまでを150℃、第7から第9ゾーンま
でを180℃に保ち、軸回転数を400rpmに設定
し、次のようにして、各原料を投入した。まず、第1ゾ
ーンの投入口からMQレジン(SR−1000)の粉末
をパウダーフィーダー(流速=5Kg/h)で、第4ゾー
ンからSDA(KF8012)をギアポンプ(流速=
4.74Kg/h) で、第7ゾーンからTMXDIをギア
ポンプ(流速=0.263Kg/h)でそれぞれ投入し、
連続的に反応させた。イクストルーダーの出口から、溶
融したシリコーン−ポリ尿素ブロックコポリマー(MQ
レジン入り)、すなわち、本例の接着剤組成物(溶剤を
含まない)が得られた。SPU(シリコーン−ポリ尿素
ブロックコポリマー)とMQレジン(シリコーン系粘着
付与樹脂)との含有割合は、重量比で約1:1であっ
た。
【0045】この接着剤組成物(溶融ブロックコポリマ
ー)を、165℃に設定したT−ダイコーターを用い、
表面がフッ素処理されたPETフィルム(米国3M
(株)社製、品番:SF3) 上にコーティングし、冷
却、固化し、本例の接着剤組成物からなる熱接着フィル
ムを形成した。なお、上記溶融した接着剤組成物を、水
中に射出した後切断してペレット状に成形できる。ま
た、所定の口径の射出口を有するダイヘッドを通して水
中に連続的に射出し、スティック状に成形することもで
きる。 種々の被着体に対する接着強度(従来の接着剤との比
較):本例の熱接着フィルムを用い、下記の第2表に記
載する被着体(試験片)に対する接着強度を測定した。
得られた測定結果を上記RTVシリコーンおよびPP系
接着剤のそれと比較した結果を下記の第2表(その1お
よびその2)に示す。なお、本例で使用した試験片は、
それぞれ、下記の厚さを有し、また、下記の製造元から
入手したものである。
【0046】 試験片 厚さ 製造元 ガラスエポキシ 2mm 日本テストパネル(株) フェノール樹脂板 2mm 日本テストパネル(株) ガラス板 5mm 日本テストパネル(株) 銅板 2mm 日本テストパネル(株) ポリイミドフィルム 75μm 宇部興産(株)、 ユーピレックスTM75S 第2表(その1) 試験片 剪断接着強度[Kgf/cm2 実施例2 RTVシリコーン PP系 ガラスエポキシ 35.5 25.2 24.3 フェノール樹脂板 27.8 21.0 19.4 ガラス板 34.7 21.7 24.7 銅板 25.0 8.0 25.6 第2表(その2) 試験片 T剥離接着強度[Kgf/25mm] 実施例2 RTVシリコーン PP系 ポリイミドフィルム 4.6 1.8 0.4 上記第2表に記載の結果から、本例の接着剤組成物は、
すべての被着体に対して高い接着強度を示すことが分か
る。実施例3 溶液重合によるSPUの調製(その2):容積140ミ
リリットル(mL)のガラス瓶に、20.0g(0.0
09当量)のSDA(KF8012)および0.058
g(0.001当量)の2−メチル- 1,5−ジアミノ
ペンタンを秤取し、トルエンとIPAの混合溶媒で希釈
し、マグネチックスターラーで攪拌して均一なアミン溶
液とした。次に、容積20mLのガラス瓶に1.22g
(0.010当量)のジイソシアネート(TMXDI)
を秤取し、トルエンで希釈したものを、先に調製した攪
拌中のアミン溶液にスポイトで少量ずつ添加した。この
時、トルエン/IPAの重量比が、最終的に3/1にな
るようにした。
【0047】最後に、TMXDIを、アミン当量に対し
てほぼ同じ当量になるように添加した後、蓋をして容積
140mLのガラス瓶を密閉し、振盪台で2時間攪拌し
た。これにより、SPUを含有する本例の接着剤組成物
の溶液を得ることができた。この接着剤組成物を用い、
実施例1と同様にして熱接着フィルムを形成した。実施例4 溶液重合によるSPUの調製(その3):容積140m
Lのガラス瓶に20.5g(0.1当量) のポリプロピ
レングリコール( 数平均分子量=400) を秤取し、こ
れに24.4g(0.2当量)のTMXDIを添加し、
窒素還流下にて50℃で8時間攪拌した。(これを原料
Aと呼ぶ。) 別の140mLのガラス瓶に22.0g(0.010当
量)のSDA(KF8012)を秤取し、トルエンとI
PAの混合溶媒で希釈し、マグネチックスターラーで攪
拌して均一なアミン溶液を得た。一方、容積50mLの
ガラス瓶に、1.1g(0.009当量)のTMXDI
および0.45g(0.001当量) の上記原料Aをそ
れぞれ秤取し、トルエンで希釈したものを用意し、それ
を上記アミン溶液にスポイトで少量ずつ添加した。この
時、トルエン/IPAの重量比が最終的に3/1になる
ようにした。
【0048】次いで、容積140mLのガラス瓶を蓋を
して密閉し、振盪台で2時間攪拌した。これにより、S
PUを含有する本例の接着剤組成物の溶液を得ることが
できた。この接着剤組成物を用い、実施例1と同様にし
て熱接着フィルムを形成した。 有機ジアミンあるいは有機ジオールによる物性のコント
ロール:本例ならびに上記実施例1および3において形
成した熱接着フィルムの弾性率および接着力を測定した
ところ、下記の第3表に示すような結果が得られた。な
お、本例の測定において使用した試験片は、日本テスト
パネル(株)社製の厚さ2mmのガラスエポキシであっ
た。また、弾性率は、熱接着フィルムを測定試料とし、
昇温速度5℃/分にて−120℃から+200℃まで試
料温度を上昇させて、引っ張り動的粘弾性挙動を測定し
た時の、25℃における値である。この弾性率は、動的
粘弾性測定装置、レオメトリックス( 株) 社製の「品
番:RSAII」を使用して測定周波数1Hzで測定した値
である。
【0049】 第3表 実施例 25℃の弾性率[x107dyn/cm2 剪断強度[kgf/cm2 実施例1 10 34 実施例3 13 40 実施例4 12 38 上記第3表に記載の結果から理解されるように、SDA
の一部を有機ジアミンもしくは有機ジオールに置換する
ことにより、弾性率(貯蔵弾性率)、接着力(剪断強
度)をコントロールできる。実施例5〜9 SDA分子量によるSPU弾性率のコントロール 本発明では、用いるSDAの分子量を適宜選択すること
により、いろいろな貯蔵弾性率を有する接着剤組成物を
調製することができる。
【0050】下記の第4表に記載するように前述の数平
均分子量の異なるSDAを用いた以外は、実施例1と同
様にして、SPUを含有する本例の接着剤組成物を得、
さらにそれぞれの接着剤組成物を用いて、実施例1と同
様にして、各例の熱接着フィルムを形成した。各例およ
び上記実施例1において形成した熱接着フィルムの弾性
率および接着力を測定したところ、下記の第4表に示す
ような結果が得られた。なお、本例の測定において使用
した試験片は、25℃の弾性率および25℃の剪断強度
については日本テストパネル(株)社製の厚さ2mmの
ガラスエポキシ、25℃のT剥離強度については厚さ7
5μmのポリイミドフィルム、宇部興産(株)製のユー
ピレックスTM75Sであった。また、弾性率は、前述の
方法にしたがって測定したものである。
【0051】 第4表 実施例 SDA 分子量 25℃の弾性率 25℃の 25℃のT [x107dyn/cm2 ] 剪断強度 剥離強度 [Kgf/cm2] [Kgf/25mm] 実施例5 X22-161AS 862 190 30 0.05 実施例6 X22-161A 1630 86 42 0.6 実施例7 X22-161B 3040 31 27 1.7 実施例1 KF-8012 4440 10 34 1.1 実施例8 SDA-1 22300 1.5 6.2 0.4 実施例9 SDA-2 105000 0.3 1.5 0.6 上記第4表に記載の結果から、SDAの数平均分子量を
適宜選択することによって、所望の弾性率または/およ
び接着強度を有する接着剤組成物を容易に調製すること
ができることが分かった。
【0052】また、上記の結果から、次のことも分かっ
た。SDAの数平均分子量が800〜10,000の範
囲である場合、剪断強度を高くするのが容易である点で
好適であり、さらに、分子量が1,000〜4,500
の範囲である場合、剥離強度と剪断強度とをバランス良
く高めることができる点で特に好適である。また、剥離
強度と剪断強度とをバランス良く高めるには、接着剤組
成物の25℃における貯蔵弾性率の制御も効果的であ
り、この観点から、好適には2×106 〜5×109
yn/cm2 、特に好適には5×106 〜1×109
yn/cm2 の範囲に貯蔵弾性率を制御するのがよい。実施例10および11 下記の第5表に記載するように、MQレジン(SR−1
000)をSPU100重量部に対して50重量部(実
施例10)および100重量部(実施例11)添加した
以外は、実施例1と同様にして各例の接着フィルムを作
製した。なお、これらの例では、重合生成物を含む溶液
に、所定量の粉末状MQレジンを加え、5〜20分間攪
拌して均一な溶液とし、接着剤組成物の溶液を得た。
【0053】試験片として、T剥離試験では2枚とも厚
さ75μmのポリイミドフィルム、宇部興産(株)社製
のユーピレックスTM75Sを使用し、また、180°剥
離試験では、厚さ35μmの銅箔、日本製箔(株)社製
の圧延銅箔、と厚さ25μmのポリイミドフィルム、ト
ーレ・デュポン(株)社製のカプトンTM100Vとの組
み合わせを使用した。実施例1と同様にして剥離試験を
行なったところ、下記の第5表に記載するような結果が
得られた。
【0054】 第5表 実施例 SPU/MQ 剥離強度[kgf/25mm ] (wt/wt) T剥離 180°剥離 実施例1 100/0 5.3 0.53 実施例10 100/50 3.8 1.08 実施例11 100/100 2.6 1.83 次いで、実施例1と実施例10の接着剤組成物におけ
る、−120〜120℃の範囲で連続して測定した時
の、120℃における貯蔵弾性率(E1)に対する−1
20℃の貯蔵弾性率(E2)の比率(E2/E1)を粘
弾性スペクトロメータを用いて測定した。比率(E2/
E1)は、実施例1では約10であったのに対して、実
施例10では約300であった。この結果から、シリコ
ーン系粘着付与樹脂を用いない方が、組成物の貯蔵弾性
率の温度変化を小さくするのがいっそう容易であること
が分かった。すなわち、シリコーン系粘着付与樹脂を含
まない本発明の接着剤組成物は、特に広い可使温度範囲
を有することができる。実施例12〜16 ジイソシアネートの種類による融点および弾性率のコン
トロール:ジイソシアネートを下記の第6表に記載のも
の(詳細は前述)に換えた以外は、実施例1と同様にし
て各例の接着剤組成物を調製した。上記の例と同様にし
て弾性率および剥離強度(試験片は、ユーピレックスTM
と銅箔との組み合わせ)を測定したところ、下記の第6
表に記載のような結果が得られた。なお、下記の第6表
に記載の融点の測定に当たっては、前述の引っ張り動的
粘弾性挙動の測定と同様にして貯蔵弾性率の変化(低
下)を測定し、貯蔵弾性率が103 dyn/ cm2を示した時
の温度をもって融点とした。
【0055】 第6表 実施例 ジイソシアネート 融点 25℃弾性率 剥離強度 〔℃〕 〔x107dyn/ cm2 [Kgf/25mm] 実施例1 TMXDI 160 10 1.06 実施例12 MDI 160 5.7 1.12 実施例13 HDI 150 1.2 0.29 実施例14 IPDI 150 2.4 1.53 実施例15 NBDI 100 0.65 0.53実施例16 H12MDI 150 1.2 0.90 上記第6表に記載の結果から、SPUの調製に用いるジ
イソシアネートの種類を適宜選択することにより、接着
剤組成物の融点および弾性率をコントロールすることが
できることが分かった。実施例17〜実施例20 シランカップリング剤を、シリコーン−ポリ尿素系ポリ
マーを含有する溶液に添加した以外は、実施例1と同様
にして、各例の接着剤組成物からなる熱接着フィルムを
形成した。本例で使用したシランカップリング剤は、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、日本ユニカー
(株)社製の「(品番)A−1110」であり、その添
加量(シリコーン−ポリ尿素系ポリマー100重量部に
対する重量部)は下記の第6表に記載の通りであった。
【0056】本例および実施例1(シランカップリング
剤を添加せず)で形成した熱接着フィルムを2つの試験
片、厚さ35μmの圧延銅箔と厚さ25μmのポリイミ
ドフィルム、カプトンTM100Vとの組み合わせ(前記
した)の間に挟んで前述の条件にて熱圧着し、T剥離強
度を測定した。得られた測定結果を下記の第7表に記載
する。
【0057】 第7表 実施例 カップリング剤 剥離強度〔kgf/25mm〕 実施例1 なし 0.5 実施例17 0.5重量部 4.39 実施例18 1.0重量部 3.92 実施例19 2.0重量部 1.24 実施例20 3.0重量部 0.77 上記第7表に記載の測定結果から、カップリング剤の添
加により、接着力が効果的に高められたことが分かっ
た。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に従うと、熱接着性接着剤および溶剤活性接着剤とし
て利用するのに特に適しており、硬化反応によることの
ない高凝集力と、ポリシロキサン構造に由来するすぐれ
た性質とも併せ持ち、かつ、セット時間を短縮できる接
着剤組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥海 尚之 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 鮎川 洋 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 (72)発明者 鹿野 昌尚 神奈川県相模原市南橋本3−8−8 住友 スリーエム株式会社内 Fターム(参考) 4J040 EK032 EK111 JA02 JB01 KA23 KA26 LA01 LA06 LA08 LA10 MA02 MA05 MA10 NA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン成分として、(a)シリコー
    ン−ポリ尿素系ポリマーと、(b)必要に応じてシリコ
    ーン系粘着付与樹脂とを含んでなり、 溶剤または熱の適用により液化または軟化し、乾燥また
    は/および冷却操作により固化して接着力を発現する接
    着剤組成物において、 上記シリコーン−ポリ尿素系ポリマーが、数平均分子量
    が500〜150,000の範囲のシリコーンジアミン
    と、ジイソシアネートとを含有する出発原料を重合して
    形成した、シリコーン−ポリ尿素系ポリマーであり、 上記シリコーン系粘着付与樹脂の含有量は、シリコーン
    −ポリ尿素系ポリマー100重量部に対して100重量
    部以下であることを特徴とする、接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記シリコーン成分が実質的に前記シリ
    コーン−ポリ尿素系ポリマーからなる、請求項1に記載
    の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 −120℃〜120℃の範囲で連続して
    貯蔵弾性率を測定した時の、120℃における貯蔵弾性
    率(E1)に対する−120℃の貯蔵弾性率(E2)の
    比率(E2/E1)が1,000未満である、請求項1
    に記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 25℃における貯蔵弾性率が、1×10
    6 〜1×1010dyn/cm2 の範囲である、請求項1
    に記載の接着剤組成物。
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