JP2000053710A - 接着剤組成物用ポリマー粒子、ポリマー粒子の製造方法、接着剤組成物及び接着フィルム - Google Patents
接着剤組成物用ポリマー粒子、ポリマー粒子の製造方法、接着剤組成物及び接着フィルムInfo
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Abstract
ルム用接着剤組成物の成分として特に適するポリマー粒
子を提供すること。 【解決手段】 微孔質膜乳化法により水中に分散させた
モノマー滴を懸濁重合して形成されたポリマー粒子にお
いて、−80〜20℃の範囲のガラス転移温度と、1〜
200μmの範囲の体積平均直径とを有し、接着剤組成
物の成分として用いることを特徴とする、ポリマー粒
子。
Description
として用いるポリマー粒子に関し、特に、接着フィルム
用接着剤組成物の成分として用いるポリマー粒子に関す
る。
材層の少なくとも一方の主要面に設けられた接着層とを
有する粘着フィルムは、例えば装飾用材料として幅広く
用いられている。粘着フィルムに一般に要求される特性
としては、まず貼る位置を調節し易いこと、及び貼り付
けた部位の外観が良好であること等がある。
は、主として粘着フィルムに用いる接着剤の特性に依存
する。通常、粘着フィルムを貼り付ける際には、予め何
回か軽く試し貼りをして位置決めを行う。その際に、接
着剤が再剥離性に優れたものであれば、粘着フィルムの
位置を簡便に精度良く決めることができる。
付ける際には被着体と粘着フィルムとの間に空気を閉じ
込めることがある。このように空気が閉じ込められた部
位は粘着フィルムが固定された後気泡状となり、貼り付
け部位の美感を損なう要因となる。かかる場合も、接着
剤が気泡抜け性に優れたものであれば、粘着フィルムを
貼り付ける際に空気を閉じ込めることが少なくなり、粘
着フィルム貼り付け部位の美感が向上する。
バインダー等とブレンドして接着剤組成物を形成し、支
持体上に塗布し、再剥離性や気泡抜け性が改良された接
着フィルムを形成することは従来から知られている。例
えば、実開昭61−168146号公報、実開平5−5
6938号公報、特開平4−306281公報、及び国
際公開WO92/13924号には、懸濁重合法により
合成した、比較的粒子径分布の広い粘着性粒子またはゴ
ム状(非粘着性かつ弾性の)粒子を用いた粘着フィルム
が開示されている。この様な低Tgポリマー粒子は、た
とえば、アクリル系ポリマーからなる。
泡抜け性が改良された接着フィルムでは、使用されるポ
リマー粒子の粒子径分布が広いので、比較的薄い支持体
(たとえば、厚さ1〜300μmの範囲)を用いた接着
フィルムでは、貼り付け後にフィルム表面が凹凸にな
り、近視外観を損なってしまうおそれがあった。それゆ
え、この様な接着フィルムは、近視外観が重要である用
途、たとえば、薄型支持体を有するマーキングフィルム
等に用いることは困難であった。
た分散体を形成する方法としては、微孔質膜乳化法を用
いた方法が知られている(例えば、特公平8−2416
号公報、特開平5−220382号公報、及び米国特許
第5,326,484号)。この様な粒子径がそろった
分散体は、それをそのまま懸濁重合させることにより、
粒子径のそろったポリマー粒子を形成することができ
る。
ロールプロパンテトラアクリレート共重合体(特開平5
−184895)、ポリスチレン、エチレングリコール
ジメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート
/スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(=40
/20/20/20;重量比)等の高Tgポリマーの粒
子を得ることができることが知られている(例えば、特
開平4−359901号公報)。
したポリマー粒子は比較的Tgが高く(通常、約25℃
以上)、貼り付け操作時に十分に弾性変形しないので、
粘着フィルム用接着剤の成分として含有させても再剥離
性や気泡抜け性の改善が不十分であった。
題を解決するものであり、その目的とするところは、気
泡抜け性および再剥離性に優れる接着フィルム用接着剤
組成物の成分として特に適するポリマー粒子を提供する
ことにある。
ば、ポリマー粒子を含有する接着剤組成物、および、そ
の様な接着剤組成物から形成された接着層を有する接着
フィルム(マーキングフィルム等)に、良好な気泡抜け
性または/および再剥離性とを付与し、さらに、貼り付
け後の接着フィルムの近視外観を改善することにある。
法により水中に分散させたモノマー滴を懸濁重合して形
成されたポリマー粒子において、−80〜20℃の範囲
のガラス転移温度と、1〜200μmの範囲の体積平均
直径とを有し、接着剤組成物の成分として用いることを
特徴とする、ポリマー粒子を提供するものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
は−70〜10℃、特に好適には−60〜5℃の範囲の
ガラス転移温度(Tg)を有する。これにより、良好な
気泡抜け性や再剥離性を接着剤組成物に付与し、かつ、
ポリマー粒子を接着層に含む接着フィルムの近視外観を
改善することができる。すなわち、前述の従来技術のポ
リマー粒子の様にTgが高すぎても上記効果が発揮され
ず、反対に低すぎるTgも、かえって接着剤組成物の気
泡抜け性や再剥離性を低下させる。
囲の体積平均直径を有する。近視外観の改善のために
は、ポリマー粒子の直径は可及的に小さい方が良い。し
かしながら、気泡抜け性や再剥離性を良好にするには、
反対にポリマー粒子の直径は大きな方が良い。ポリマー
粒子の平均体積直径が上記範囲にあれば、それらの両立
が可能である。この様な観点から、ポリマー粒子の平均
体積直径は、好適には5〜100μm、特に好適には1
0〜50μmの範囲である。
((体積平均直径の測定値の標準偏差/体積平均直径)
X100)は、支持体の硬さ(可撓性の程度)や厚さに
もよるが、通常30%以下、好適には20%以下、特に
好適には15%以下である。平均体積直径の変動係数が
30%を超えると、接着フィルムの近視外観を改善でき
ないおそれがある。
は「Tg」とは、粘弾性スペクトロメーターを用いて測
定した、貯蔵弾性率と損失弾性率との比(tanδ)で
ある損失正接曲線の極大点を示す温度をいう。また、
「体積平均直径」(および、後述する「体積粒度の変動
係数」)は、レーザー回折・散乱粒径測定装置を用いて
測定した値をいう。
(solid)でも良いが、得られる接着フィルムの高
い接着強度と気泡抜け性のバランスを保つためには、中
実粒子が好適である。また、中実粒子の体積平均直径の
変動係数が30%以下であれば、接着フィルムの近視外
観を改善しつつ接着強度と気泡抜け性のバランスを保つ
ことが特に容易になるため、特に好適である。
(i)水と水中に溶解させた乳化剤とを含んでなる水性
成分、および(ii)モノマーと、モノマー中に溶解さ
せた重合開始剤とを含んでなる油性成分を用意する工
程;(b)平均孔径が0.1〜15μmの微孔質膜に油
性成分を透過させて水性成分中に油性成分の粒子を分散
させ、モノマー滴を形成する工程;及び(c)形成され
たモノマー滴を懸濁重合する工程;を包含する。
そのモノマー中に溶解した油溶性重合開始剤とを含んで
なる成分をいう。モノマーには、油溶性モノマーと水溶
性モノマーとが含まれる。
可能なものである。油溶性モノマーは単独で、又は溶解
された油溶性重合開始剤を含んだ状態で以下に述べる分
散相の成分となり得る。油溶性モノマーの水分散体に、
油溶性モノマーにも可溶な水溶性モノマーを加えると、
この水溶性モノマーは水性連続相とモノマー滴分散相と
の間に各々の溶解度に応じた割合で分配されるが、重合
の進行と共に分散相中の水溶性モノマーが消費されるに
伴って水性連続相中の水溶性モノマーが分散相に供給さ
れ、最終的に油溶性モノマーと水溶性モノマーとの共重
合体ポリマー粒子が得られる。
実質的になり、微孔質膜乳化法により形成される相をい
う。「分散体」とは水性成分を含んでなる連続相と、そ
の連続相中に分散された分散相を有してなるものをい
う。「モノマー滴」とは油性成分の粒子、特に粒径が微
小なものをいう。
合に使用されるものと同じものを用いれば良い。好適に
は、(1)ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アン
モニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の
アニオン性界面活性剤、(2)ポリビニルアルコール、
ポリN−ビニルピロリドン等の高分子分散安定剤、
(3)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタンアルキルエーテル等の非イオン性
界面活性剤、および(4)ステアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウム
クロライド等のカチオン性界面活性剤からなる群から選
ばれた1種または2種以上からなる。
は、懸濁重合可能なものであれば特に限定されないが、
通常アクリル系モノマーを含む。アクリル系モノマー
は、通常、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ラウリルメタクリレート等、(メ
タ)アクリレート系の油溶性モノマーと、必要に応じ
て、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド等、酸性また
は塩基性官能基を有する水溶性モノマーとを用いること
ができる。
を含む場合、それらの配合比率は、ポリマー粒子のTg
が上記所定の範囲になる様に決定される。たとえば、イ
ソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、ラウリルメタクリレート等の、ホモポリマーのT
gが−80〜0℃の(メタ)アクリレートモノマーが、
アクリル系モノマー全重量に対して占める割合は、通常
70重量%以上、好適には80重量%以上、特に好適に
は90重量%以上である。これにより、ポリマー粒子の
Tgを上記所定の範囲に制御するのが容易である。ま
た、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート等の架橋剤をモノマー
に含有させ、ポリマー粒子を架橋させることもできる。
用されるものと同じものを用いるが、好適にはベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、およびアゾビス−2,4−ジメ
チルバレロニトリルからなる群から選ばれた1種または
2種以上からなる。
は、前記モノマー100重量部に対して40〜600重
量部の範囲である。また、乳化剤の量は、好適には、モ
ノマー100重量部に対して0.1〜50重量部の範囲
である。さらに、好適には、油溶性重合開始剤の量は、
モノマー100重量部に対して0.01〜1重量部の範
囲である。上記各成分の量がこの範囲であれば、所定の
範囲に制御された粒径(体積平均直径)を有する粒子を
容易に得ることができる。
る油性成分を所定の平均孔径を有する複数の貫通孔が形
成された微孔質膜を通して水性成分中に連続的に透過さ
せ、水性成分からなる連続相中にモノマー滴からなる分
散相を形成し、それらを含む分散体を形成する操作であ
る。
孔質膜を通して水性成分中に押出されて分散され、分散
相が形成される状態を模式的に示す断面図である。水性
成分101が内部に満たされた微孔質膜のチューブ10
2を準備し、微孔質膜のチューブ102の側壁から油性
成分103を内部に圧入する。すると、微孔質膜のチュ
ーブ102内部の水性成分101からなる連続相中にモ
ノマー滴104からなる分散相が形成される。
は、通常1〜200μmの範囲に制御する。また、モノ
マー滴の体積平均直径の変動係数((体積平均直径の測
定値の標準偏差/体積平均直径)X100)は、通常3
0%以下、好適には20%以下になる様に制御する。モ
ノマー滴の体積平均直径の変動係数が30%以上である
と、製造したポリマー粒子が上記の効果(近視外観の改
善等)を発揮できないおそれがある。
ク、およびプラスチック群から選ばれた1種または2種
以上からなる。
水性連続相中に分散した粒子径そろったモノマー滴を形
成するプロセスを連続的に行って、後で重合するのに所
望の濃度の分散体を製造する装置の一例を模式的に示す
図である。
まず、モノマーと、モノマー中に溶解させた重合開始剤
とを含んでなる油性成分をタンク201に入れ、微孔質
膜モジュール202に導入する。そして、微孔質膜モジ
ュール202に備えた微孔質膜を通して、この油性成分
を水性成分中に圧力により押し出す。
cro Porous Glass)膜を使用でき、孔
の平均径は、通常0.1〜15μmの範囲である。圧力
は、例えば、空気圧を用いることができ、通常0.01
〜2.0kg/cm2である。
滴を含む分散体が微孔質膜モジュール202の内部に形
成される。この分散体は、循環ポンプ203の圧力によ
りライン204を通って分散体循環槽205に入る。製
造開始当初では分散体の濃度は低いが、循環を繰り返す
につれて次第に濃度は高くなり、やがては所望の濃度に
到達する。また、この様な循環の繰返しにより、分散相
の体積平均直径の変動係数を、所定値(通常30%以
下)に容易に制御できる。
し、攪拌を続けながら所定の温度で加熱して懸濁重合さ
せることにより、体積粒度が所定の範囲に制御された、
粘着性粒子またはゴム状(非粘着性)粒子を形成する。
この時、通常、反応器内を窒素で置換する。懸濁重合時
の反応温度は、通常30〜80℃であり、反応時間は通
常1〜24時間である。
ーを油溶性の第1モノマーと組み合わせて用いる場合
は、重合用の反応器に移した油溶性の第1モノマーと重
合開始剤とを含む分散相を有する分散体にさらに水溶性
の第2モノマーを加え、分散相を破壊しない様にゆっく
りと攪拌し、その分散相内に第2モノマーの一部を溶解
させ、第1モノマーと第2モノマーの一部と重合開始剤
とを含有するモノマー滴を含む分散体を得る。
定の温度で加熱して懸濁重合させる。このような操作に
より、油溶性の第1モノマーと水溶性の第2モノマーか
ら重合されたポリマー粒子を容易に形成することができ
る。
とブレンドすることにより、接着剤ポリマーを含んでな
るマトリックスと、そのマトリックス中に分散されたポ
リマー粒子とを含んでなる、本発明の接着剤組成物を形
成することができる。ここで、「接着剤ポリマー」と
は、接着性を有し、組成物中で体積平均直径が測定でき
ない程度に小さいか、または1μm未満の体積平均直径
を有する材料である。
液重合、乳化重合または塊状重合により形成できる。接
着剤ポリマーは、粘着性ポリマーや、ホットメルト接着
剤として利用可能な熱可塑性ポリマー等である。また、
常温で粘着性を有する硬化性ポリマーも接着剤ポリマー
として使用できる。
ポリマーを含んでなるマトリックス(M)と、そのマト
リックス中に分散された上記ポリマー粒子(P)との重
量比率(M:P)は、通常3:97〜97:3、好適に
は5:95〜95:5、特に好適には10:90〜9
0:10の範囲である。ポリマー粒子が少なすぎると、
接着フィルム用接着剤の成分とした場合に、気泡抜け性
と再剥離性が低下するおそれがあり、反対にポリマー粒
子が多すぎると、接着フィルムの外観が悪くなるおそれ
がある。
マー粒子以外の成分を含んでも良い。たとえば、粘着付
与剤、可塑剤、充填剤、着色剤、導電性粒子等の添加剤
である。また、接着剤ポリマーを溶解または分散させる
溶剤を含有させて液体状組成物としてもよい。この場
合、ポリマー粒子は、その溶剤とマトリックス成分とを
含んでなるビヒクル中に均一に分散される。接着剤ポリ
マーの分散は、通常の攪拌または分散装置を用いて行う
ことができる。
いることができる。すなわち、可撓性フィルムの少なく
とも一方の主要面に、接着剤組成物からなる層を積層し
て接着層を形成し、本発明の接着フィルムを形成でき
る。
る塗布液を、上記主要面上に塗布した後、固化(乾燥、
冷却、硬化等)して接着層を形成することができる。例
えば、上述の液体状接着剤組成物を、バーコータ、ロー
ルコータ、ナイフコータ、ダイコータ等を用いて塗布す
ることが好ましい。接着層の厚さは、通常5〜100μ
mの範囲であり、また、それを乾燥塗布重量で表せば、
通常5〜100g/m2の範囲である。
物の層を形成した後、この層を上記可撓性フィルムの主
要面に転写してもよい。
は、通常ポリマー;たとえば、ポリ塩化ビニル、ポリエ
ステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、アクリル系ポ
リマー、シリコーン系ポリマー、フッ素系ポリマー(た
とえば、ポリフッ化ビニリデンと、アクリル系ポリマー
のブレンドや共重合体);から形成する。
μm、好適には5〜200μm、特に好適には10〜1
00μmの範囲である。フィルムが厚すぎると接着作業
等の時に取り扱いが困難になり、気泡抜き作業(接着作
業時に、被着体と接着層との間に巻き込まれた気泡を除
く作業)が困難になるおそれがある。また、反対にフィ
ルムが薄すぎると、近視外観の改善が困難になるおそれ
がある。
(マーキングフィルムも含む)として好適に用いること
ができる。装飾フィルムとは、(a)可撓性フィルムを
含んでなり、その表面から装飾外観が観察可能な装飾層
と、(b)その装飾層の背面に設けられた接着層とを備
える、接着フィルムである。
色されたもの、(2)フィルムの表面に着色層または印
刷層が形成されたもの、(3)フィルムの表面にエンボ
ス加工により、文字、図案、記号等のイメージが形成さ
れたもの、(4)フィルムの表面に反射ビーズを含んで
なる塗膜が形成されたもの、(5)フィルムの表面に金
属蒸着膜が形成されたもの等が使用できる。
ムとして用いる場合、車両用マーキングフィルムが特に
適している。車両用マーキングフィルムは、自動車、オ
ートバイ等の車両のボディーに装飾性を付与するもの
で、観察者がそれを近くで見る頻度が極めて高い。すな
わち、近視外観の改善が特に重要視される用途の1つで
ある。
して、気泡抜け性および再剥離性が良好な接着テープを
形成することもできる。
(内装または外装)、看板、標識、自動販売機等の装飾
に用いられる装飾フィルムや、車両用等のマーキングフ
ィルムとして用いることができる。本発明の好適な1形
態は、厚さ1〜300μmの範囲の可撓性フィルムを含
む装飾層を有するマーキングフィルムである。すなわ
ち、上記薄型の可撓性フィルムを含んでなり、その表面
から装飾外観が観察可能な装飾層と、その装飾層の背面
に設けられた接着層とを備えてなる、マーキングフィル
ムである。
たポリマー粒子を含有するので、この様な薄い可撓性フ
ィルムを用いた場合でも、貼り付け後の近視外観を損な
うことを効果的に防止でき、かつ、良好な再剥離性およ
び/または気泡抜け性を付与することができる。
は、被着体の表面(被着面)に接着して使用された時、
前述の様に、可撓性フィルムの表面における近視外観を
改善できる。したがって、本発明の別の形態は、(i)
被着体と、(ii)被着体の被着面に接着された本発明
の接着フィルムとを含んでなり、近視外観が改善された
接着構造体を提供する。この場合、可撓性フィルムの表
面(被着面とは反対側の面)の中心線平均粗さ(Ra)
を、0.001〜0.5μmの範囲にすることができ
る。
を超えると、近視外観が改善できないおそれがある。ま
た、反対に可撓性フィルムの表面のRaが0.001μ
m未満である場合、接着層の接着面の凹凸が小さすぎ、
接着フィルムの気泡抜け性や再剥離性が低下し、気泡や
貼りしわによる表面外観が損なわれるおそれがある。こ
の様な観点から、可撓性フィルムの表面の中心線平均粗
さ(Ra)は、好適には0.01〜0.4μmの範囲で
ある。
製した。まず、0.5gのクラレ(株)社製ポリビニル
アルコール「(品番)PVA−217」と、0.15g
のラウリル硫酸ナトリウムと、0.05gの亜硝酸ナト
リウムとを、450gの脱イオン水に溶かして水性成分
を形成し、分散体循環槽に入れた。一方、47.0gの
イソオクチルアクリレートと、0.013gの1,4−
ブタンジオールジアクリレートと、重合開始剤としての
0.5gのベンゾイルパーオキサイド(25%の水分を
含有する)を混合、溶解させて油性成分を形成し、タン
クに入れた。
ンプ)を用いて分散体循環槽から微孔質膜モジュールへ
と導入し、MPG膜チューブ(伊勢化学(株)社製、平
均細孔径7.0μm)の内側を通してもとの分散体循環
槽へ循環させる様にした。その一方で、油性成分には圧
力をかけてMPG膜チューブの外側からMPG膜を通し
てその内側を循環する水性成分の中へ押し出し、水性成
分からなる連続相中に分散されたモノマー滴を含む分散
体を形成した。
のアクリル酸を加えて、攪拌装置の回転速度を160r
pmにしてゆっくりと攪拌し、アクリル酸の一部をモノ
マー滴に溶解させた。ついで、反応器内を窒素で置換
し、65℃で3時間懸濁重合を行った。これにより、本
例の、中実粘着性ポリマー粒子が得られた。
の変動係数(C.V.値:(標準偏差/体積平均径)X
100)をコールター(株)社製レーザー回折・散乱粒
径測定装置LS−230を用いて測定した。それぞれ、
35.9μmおよび13%であった。また、ポリマー粒
子のTgは、−40℃であった。
製の粘弾性スペクトロメーター「(品番)RDAII」を
用い、次の様にして測定した。測定試料として、ポリマ
ー粒子の分散液を乾燥させ、直径7.8mm、高さ5m
mのシリンダー状の試料を成形し、それを平行プレート
治具に取り付け、1rad/secの周波数のせん断ひ
ずみを与えながら、−100〜200℃の温度変化を与
え、弾性率の温度依存性を測定した。
「(品名)エマールAD−25R(ラウリル硫酸アンモ
ニウム24重量%含有)」を用い、油性成分として、4
7.5gの2−エチルヘキシルアクリレートに0.37
5gのベンゾイルパーオキサイド(98%)を溶かした
ものを用い、さらに、MPG膜チューブの平均細孔径を
5.25μm(入手先は伊勢化学(株)社)に換えた以
外は、実施例1と同様にして膜乳化操作を行い、モノマ
ー滴を含む分散体を形成した。
え、反応時間を17時間に変えた以外は実施例1と同様
にして分散体の形成およびその重合を行い、本例の中空
粘着性ポリマー粒子を調製した。ポリマー粒子の体積平
均径および体積粒度の変動係数は、それぞれ、26.4
μmおよび13%であった。また、ポリマー粒子のTg
は−49℃であった。
レートと0.5gの1,6−ヘキサンジオールジアクリ
レートとを、重合開始剤として0.375gの2,2’
−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用い
た以外は実施例1と同様にして、モノマー滴を含有する
分散体を形成した。
始させた後、65℃で反応させた以外は、実施例1と同
様にして本例の中実ゴム状ポリマー粒子を調製した。ポ
リマー粒子の体積平均径および体積粒度の変動係数は、
それぞれ、35.8μmおよび12.8%であった。ま
た、ポリマー粒子のTgは−16℃であった。
シルアクリレートと、0.5gの1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレートとを用いた以外は、実施例1と同様
にして本例の中実ゴム状ポリマー粒子を調製した。ポリ
マー粒子の体積平均径および体積粒度の変動係数は、そ
れぞれ、41.2μmおよび10.1%であった。ま
た、ポリマー粒子のTgは−51℃であった。
クリレート、105gのアクリル酸および0.4375
gの1,4−ブタンジオールジアクリレートとの混合物
を、水性成分として70gの花王(株)社製ネオペレッ
クスF−25(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
25%)を溶かした脱イオン水3250gを用い、さら
に重合開始剤として5.25gの2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を用いた。
換した反応器(バッフル付きリアクター、攪拌翼の長さ
=123mm)中で、260rpmの速度で攪拌しなが
ら加熱し、45℃で重合を開始させた後、65℃の温度
を3時間保ち、重合を完了させ、本例のポリマー粒子を
得た。ポリマー粒子の体積平均径および体積粒度の変動
係数は、それぞれ、36.7μmおよび33.3%であ
った。すなわち、膜乳化操作を含まない製造方法では、
粒子径のそろったポリマー粒子を得るのは困難であっ
た。なお、ポリマー粒子のTgは−40℃であった。
マーを含んでなるマトリックス(M)としての綜研化学
(株)社製エマルション粘着剤「(品番)E−100
0」とを、固型分重量比(M:P)=80:20となる
様にブレンドし、本例の接着剤組成物を得た。次に、こ
の組成物を、ナイフコーターを用いて厚さ70μmのポ
リ塩化ビニルフィルムの一方の主要面にコーテイング
(乾燥塗布重さ16g/m2)して接着層を形成し、本
例の接着(粘着)フィルムを得た。なお、このポリ塩化
ビニルフィルムの他方の主要面には、装飾層が印刷され
ていた。
方形状に裁断し、この裁断片を平滑なアクリル板上に置
き、4辺を2kgのローラーで圧着し、中央部に空気を
集めて、粘着層とアクリル板との間に気泡を形成し、粘
着フィルムのこの気泡部分の上で2kgローラーを1往
復させたところ、気泡が完全に抜け、気泡抜け性は「良
好」と判定された。
25mmの長方形状に裁断し、この裁断片をメラミン焼
き付け塗装板上に自動貼り付け機を用い、2kgのロー
ラーで1往復させて圧着した。約25℃、5分間養生
後、引張試験機で90°剥離強度を、300mm/分の
剥離速度で測定したところ、0.70kgf/25mm
であり、再剥離も容易であった。
外観(約30cm離れたところから見た目視外観)は、
表面が平滑に見え、「良好」と判定された。なお、フィ
ルム表面の凹凸の度合いを、表面粗さ計(Kosaka
Laboratory Ltd.(株)社製「(品
名)サーフコーダAY−41」)で測定したところ、平
均表面粗さ(Ra)は、0.355μmであった。
様にして、本例の接着剤組成物および接着(粘着)フィ
ルムを得た。この粘着フィルムの気泡抜け性および再剥
離性は、実施例5と同様に良好であった。しかしなが
ら、フィルム表面の近視外観は、表面にポリマー粒子の
粒子径のばらつきに起因する凹凸が視認されたので、
「不良」と判定された。なお、フィルム表面の平均粗さ
は、0.548μmであった。
分を溶液重合で形成した粘着性ポリマー(イソオクチル
アクリレート/アクリル酸=90/10、固型分40
%、酢酸エチル溶液)に換え、ポリ塩化ビニルフィルム
の厚さを50μmに変えた以外は、実施例5と同様にし
て本例の接着剤組成物および接着(粘着)フィルムを得
た。なお、接着層の乾燥塗布重さは30g/m2であっ
た。
粘着フィルムの気泡抜け性は良好であった。また、上記
と同様にしてメラミン焼き付け塗装板上に自動貼り付け
機を用いて圧着し、約25℃、48時間養生した後の、
180°剥離強度(剥離速度=300mm/分)は1.
18kgf/25mmであった。さらに、近視外観も
「良好」と判定され、平均表面粗さは、0.336μm
であった。
フィルム用接着剤組成物の成分として特に適するポリマ
ー粒子が提供された。
して水性成分中に押出されて分散され、分散相が形成さ
れる状態を模式的に示す断面図である。
着してモノマー滴を連続的に製造する装置の一例を模式
的に示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 微孔質膜乳化法により水中に分散させた
モノマー滴を懸濁重合して形成されたポリマー粒子にお
いて、−80〜20℃の範囲のガラス転移温度と、1〜
200μmの範囲の体積平均直径とを有し、接着剤組成
物の成分として用いることを特徴とする、ポリマー粒
子。 - 【請求項2】 −80〜20℃の範囲のガラス転移温度
と、1〜200μmの範囲の体積平均直径とを有するポ
リマー粒子の製造方法において、 (a)(i)水と水中に溶解させた乳化剤とを含んでな
る水性成分、および(ii)モノマーと、モノマー中に
溶解させた重合開始剤とを含んでなる油性成分を用意す
る工程; (b)平均孔径が0.1〜15μmの微孔質膜に油性成
分を透過させて水性成分中に油性成分の粒子を分散さ
せ、モノマー滴を形成する工程;及び (c)形成されたモノマー滴を懸濁重合する工程;を包
含する製造方法。 - 【請求項3】 接着剤ポリマーを含んでなるマトリック
スと、そのマトリックス中に分散された請求項1記載の
ポリマー粒子とを含んでなる接着剤組成物。 - 【請求項4】 可撓性フィルムでなる基材層と、該基材
層の少なくとも一方の主要面に設けられた請求項3記載
の接着剤組成物でなる接着層とを有する接着フィルム。
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