JP2000053420A - 導電性酸化亜鉛の製造方法 - Google Patents

導電性酸化亜鉛の製造方法

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JP2000053420A
JP2000053420A JP22473898A JP22473898A JP2000053420A JP 2000053420 A JP2000053420 A JP 2000053420A JP 22473898 A JP22473898 A JP 22473898A JP 22473898 A JP22473898 A JP 22473898A JP 2000053420 A JP2000053420 A JP 2000053420A
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達雄 矢崎
Hideo Hibino
英夫 日比野
Akira Senju
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性酸化亜鉛の製造プロセス中に添加した
硫酸アルミニウムに由来する硫酸アニオンの残留量を可
及的に低減し、硫酸アニオンの混入による障害をなくす
こと。 【解決手段】導電性付与対象成分である非導電性酸化
亜鉛、 賦活化成分である硫酸アルミニウム、 侵食成分である炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、尿素よりなる群から選択される
1種以上の化合物 を必須的に原料として用いる導電性酸化亜鉛の製造方法
において、導電性酸化亜鉛の前駆体と硫酸根固定用カチ
オンを共存させ、前記硫酸アルミニウム由来の残留硫酸
根を、不溶性硫酸塩として固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非導電性酸化亜鉛
にアルミニウムイオンをドーピングして導電性酸化亜鉛
を製造するに当たり、 該導電性酸化亜鉛中に残留してく
る活性な硫酸根(硫酸アニオン) を不溶性硫酸塩に導い
てこれを固定する方法に関し、 詳細には上記方法で得ら
れた導電性酸化亜鉛粉末を使用する時に生じる不都合の
原因が、該導電性酸化亜鉛中に残留する活性な硫酸根に
起因するものであることを見出して、該不都合を解消す
る為に該活性な硫酸根を効率よく固定して不活性化する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】導電性酸化亜鉛は、静電記録紙、通電感
熱記録紙、放電破壊記録紙、電子写真紙等の如き様々の
情報産業記録紙、または塗料、接着剤、インキ、各種樹
脂等における導電性顔料や帯電防止成分、更には電子写
真用現像剤などの分野において広汎に利用されており、
殊にこの粉末は白色であって着色剤の配合により容易に
着色し得るという特徴も有しているところから、工業的
にも広く活用されている。
【0003】ところで導電性酸化亜鉛の製造に際して
は、 もっとも代表的な手法として、非導電性酸化亜鉛に
賦活化成分たる硫酸アルミニウム等を加え、硫酸アルミ
ニウムに由来するアルミニウムイオンを酸化亜鉛の結晶
格子中にドーピングしてこれを賦活化することにより得
られる。しかし従来方法において、非導電性酸化亜鉛に
単に酸化アルミニウムを混合して加熱処理( 還元焼成)
するだけでは十分な導電性を得ることが困難であった。
そこで本発明者らは種々研究を行い、アルミニウムイオ
ンを酸化亜鉛の結晶格子中に浸透させることを促進する
物質として、侵食成分(または崩壊剤と表現することも
できる)を混合すれば、効率的なドーピングが進行して
十分な導電性を与え得ることを見出し、先に特公昭62-4
1171として提案した。ここに併用される侵食成分は、炭
酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、尿素よりなる群から選択される1種以上の化合物で
あり、 非導電性酸化亜鉛は侵食成分の作用によって多孔
質化すると共に微細化されて、賦活化剤との混合も緻密
且つ均一に行なわれる。そして該侵食成分に由来するア
ンモニウムカチオンあるいはアミノ基が硫酸アルミニウ
ムにおける硫酸根と反応して硫酸アンモニウムを生成す
ると共に、遊離されたアルミニウムイオンが非導電性酸
化亜鉛の前記多孔質化すると共に微細化された結晶格子
内部に進入し、該結晶中にドーピングされて非導電性酸
化亜鉛が導電性酸化亜鉛に変換され、ここに良好な賦活
化作用が発揮されるものと考えれられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらその後の
研究によれば、 このようにして製造された導電性酸化亜
鉛は、導電性こそ優れたものとなったが、使用される用
途によっては、幾つかの不都合を生じることが分かっ
た。その様な不都合を生じる原因を全て解明し得た訳で
はないが、例えば、白金触媒を使用する反応系(具体例
としてはシリコーンゴムの加硫反応系) に上記導電性酸
化亜鉛を添加してシリコーンゴムに導電性を付与して例
えば帯電防止効果を発揮させようとする場合において
は、硬化時間の遅れや硬度不足などの悪影響を生じるこ
とが分かっており、その原因としては、上記導電性酸化
亜鉛中に残留する硫酸アニオンによって白金触媒が被毒
されることが考えられる。また塗料中に上記導電性酸化
亜鉛を添加して塗料に導電性を付与して同じ様に帯電防
止効果を発揮させようとする場合においては、塗装時の
混練に際して粘度の経時変化が顕著で作業の安定性が低
下することが経験されている。その原因としては、やは
り上記導電性酸化亜鉛中に残留する硫酸アニオンによっ
て塗料用樹脂が重合、ゲル化する為ではないかと考えら
れる。また他の例として、画像記録用のアルミニウムプ
レートに上記導電性酸化亜鉛を添加して塗料に導電性を
付与して同様の作用を期待するような場合においては、
乾燥と共にアルミニウムプレート表面に肌荒れが生じる
ことが経験されている。その原因としては、乾燥の進行
によって上記導電性酸化亜鉛中の残留硫酸アンモニウム
が分解されてアンモニアが揮散し、硫酸アニオンの濃度
が高まって肌を荒らすのではないかと考えられる。即ち
これらを総合すれば、 導電性酸化亜鉛の製造プロセス中
に添加した硫酸アルミニウムに由来する硫酸アニオンの
残留が種々の不都合をもたらす要因となっており、 これ
らの不都合を防止する為には、 上記硫酸アニオンの混入
を抑制することが重要であると考えられる。
【0005】本発明者らはこの様な状況の下で、夫々の
用途において上記の様な不都合を生じせしめないよう
な、 即ち硫酸アニオンの混入の少ない導電性酸化亜鉛の
製造方法を研究した結果、本発明の完成を見るに至った
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明は、導電性酸化亜鉛の製造に当たり、
(1)導電性付与対象成分である非導電性酸化亜鉛、
(2)賦活化成分である硫酸アルミニウム、(3)侵食
成分である炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、硝
酸アンモニウム、尿素よりなる群から選択される1種以
上の化合物を必須的に原料として用いると共に、 製造さ
れた導電性酸化亜鉛の前駆体と硫酸根固定用カチオンと
共存させ、前記硫酸アルミニウム由来の残留硫酸根を不
溶性硫酸塩として固定することを要旨とするものであ
る。 硫酸根固定用カチオンは特に限定を受けるものでな
いが、 要は硫酸アニオンと反応してこれを不溶性の塩に
誘導し得るものが利用され、 代表的なものとしては、バ
リウムイオン、カルシウムイオンまたはストロンチウム
イオンが賞用される。これらのカチオンを用いることに
よって、硫酸根は硫酸バリウム、硫酸カルシウムまたは
硫酸ストロンチウムといった不溶性硫酸塩に変換され
る。そこで、一般的にはこれらを系外に除去するが、こ
れらは不溶性塩であるから系内にあっても硫酸アニオン
を発生しないので、 系外に除去せずそのまま系内に留置
させたままであっても、 導電性酸化亜鉛製品としては、
その中に遊離の硫酸根が実質上存在しないと言える。従
ってこの様な導電性酸化亜鉛製品を用いた場合は前記し
たような不都合を生じないこととなった。
【0007】本発明においては、 予め賦活化成分たる硫
酸アルミニウムと侵食成分( 以下の説明では炭酸アンモ
ニウムを代表例に取り上げて述べるが、 本発明はこれに
よって制限を受けるものではない) を水中で混合撹拌し
ておく。 そしてこれを主原料たる非導電性酸化亜鉛の水
スラリー、 具体的には酸化亜鉛スラリーに加えることに
よって、炭酸亜鉛及び水酸化亜鉛( 塩基性の炭酸亜鉛)、
並びに水酸化アルミニウムおよび炭酸アルミニウムを生
成させつつ、非導電性酸化亜鉛の結晶格子中にアルミニ
ウムがドーピングされて導電性酸化亜鉛前駆体( 水不溶
性) を形成する。この際共存するアンモニアや過剰の硫
酸アルミニウム或いは硫酸アンモニウムを除去する必要
があり、 これらが水に対して易溶であることを利用して
水洗、更に脱水を施す。 これによってアンモニアや過剰
の硫酸アルミニウム或いは硫酸アンモニウムは除去さ
れ、導電性酸化亜鉛前駆体がケーキ状で得られる。しか
し導電性酸化亜鉛前駆体のケーキ中に進入した硫酸アニ
オンは水洗・脱水では非常に除去し難い。化学分析によ
れば、このようにして水洗、脱水を行って得られる導電
性酸化亜鉛前駆体ケーキ中には、反応時に用いた硫酸ア
ルミニウム中の硫酸イオンの、およそ50%が残存す
る。これが製品導電性酸化亜鉛中に残存して前述のよう
な種々の不都合をもたらすのである。 そこで本発明にお
いては、 前記水洗( 特に遠心脱水法を組合せた水洗及び
脱水) を施して導電性酸化亜鉛前駆体ケーキを得た後、
硫酸根固定用カチオン、 例えばバリウムカチオン( 具体
例としては塩化バリウム等)、カルシウムカチオン( 具体
例としては塩化カルシウム等) またはストロンチウムイ
オン(具体例として塩化ストロンチウム等)の水溶液を
加えて撹拌することにより、ケーキの表面及び内部に付
着していた硫酸根はバリウムカチオン、カルシウムカチ
オンまたはストロンチウムカチオンと反応して硫酸バリ
ウム、硫酸カルシウムまたは硫酸ストロンチウムなどに
変換される。 そして硫酸バリウム、硫酸カルシウムまた
は硫酸ストロンチウムなどは水不溶性であるから、水溶
液中に不溶状態で分散または拡散してケーキから分離さ
れる。このケーキを分離して更に水洗すればケーキは硫
酸根を実質上含まない導電性酸化亜鉛製品として得るこ
とができるが、ケーキ中に内包された固体の硫酸バリウ
ムなどは導電性酸化亜鉛製品から分離できない。しかし
硫酸バリウムからは硫酸アニオンが遊離することがない
ので、実用上は全く問題ない。従って本発明において
は、ケーキの水洗を省略することも可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては導電性酸化亜鉛
の製造原料として、上記した様に非導電性酸化亜鉛、硫
酸アルミニウム、及び炭酸アンモニウムで代表される侵
食成分を使用する。これらの配合比率は本発明を制限す
るものではないが、非導電性酸化亜鉛:100重量部に
対して、 硫酸アルミニウム:0.1 〜10重量部、侵食成
分:5〜100重量部を用いるのが一般的であり、 通常
は上記三成分を水分散系で撹拌処理して反応せしめ、 脱
水後仮焼して炭酸ガスや水分が除去されて酸化亜鉛が形
成され、 更に非酸化性雰囲気下に600〜1000℃以
下の温度で加熱処理( 還元焼成) することによって導電
性酸化亜鉛を製造するものである。
【0009】硫酸アルミニウムは酸化亜鉛に導電性を付
与する為に添加されるのものであり、酸化亜鉛スラリー
内へ均一に混入し、その後の乾燥・焼成工程で酸化アル
ミニウムとなって酸化亜鉛中に進入し、 アルミニウムが
酸化亜鉛の結晶格子中へ万遍無く侵入置換して導電性を
与えるものと理解される。
【0010】侵食成分の添加量は、より好ましくは10
〜50重量部であり、少なすぎると結晶の崩壊が不十分
で微細化の目的が達成されず、またそれらの結晶崩壊作
用は100重量部で飽和するのでそれ以上の添加は全く
無駄である。尚上記侵食成分のうち炭酸アンモニウムや
重炭酸アンモニウムは、水分散系にアンモニアと炭酸ガ
スを吹込むことによってその場で生成させることもでき
る。
【0011】最終製品に満足のいく導電性を付与する為
には、上記三成分を、水分散系で常温〜100℃程度
(但し侵食成分として尿素を用いた場合は分解促進のた
め80〜100℃に加温)で30分〜90分程度撹拌処
理し、脱水、乾燥( 仮焼) 後、非酸化性雰囲気下に60
0〜1000℃程度で焼成を行なって導電性酸化亜鉛を
得るものであり、侵食成分を添加しているので、 従来の
導電性酸化亜鉛に比べると微細な粉末として得ることが
できる。
【0012】尚該加熱処理のもう一つの重要な役割り
は、賦活化成分による導電性発現効果を向上させるとこ
ろにあり、その為には加熱処理を非酸化性雰囲気(具体
的には水素、窒素、アンモニア等のガス雰囲気)で行な
われなければならず、酸化性雰囲気で加熱処理を行なっ
たのでは、たとえ適量の賦活化成分を添加したとしても
導電性を与えることはできない。
【0013】本発明のポイントである硫酸根固定剤は、
硫酸アニオンと反応してこれを不溶化させる物質が用い
られ、 カチオン成分としてバリウム、カルシウムが代表
的であるが、 これらに限定されるものではなく、 ストロ
ンチウムなどの2価アルカリ土類金属を用いることもで
きる。尚これらは、前記三成分の混合撹拌によってアル
ミニウムのドーピングを行った後で添加するのが本発明
の代表的実施態様であるが、前記三成分の混合撹拌系に
直接添加してアルミニウムのドーピングを行いつつバリ
ウムイオンなどの添加を行っても良い。この場合は、生
成した硫酸バリウムなどが水不溶性であるため導電性酸
化亜鉛前駆体ケーキとの分離はできないが、硫酸バリウ
ムから硫酸アニオンが遊離してくることはないので、全
く問題はない。
【0014】尚硫酸根固定用カチオンの添加量は、 非導
電性酸化亜鉛の使用量:100kg に対して、2価の陽イオ
ンとして0.5〜50モルであり、 添加量が不充分であ
れば、 硫酸根の固定効果が不充分であり、 過剰の添加は
不経済となる。下限については好ましくは5モル以上、
更に好ましくは10モル以上とする。 上限については好
ましくは40モル以下、 更に好ましくは35モル以下と
する。
【0015】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はもとより下記の実施例によって制限を
受けるものではない。
【0016】
【実施例】実施例1 侵食成分としての重炭酸アンモニウム:35g を500
ccの水に溶解し、別に賦活化剤としての硫酸アルミニウ
ム:0.1gから10gまで5水準用意し、これらを水
50ccに溶解した溶液を準備し、これを上記重炭酸アン
モニウム含有水溶液に加えて混合した。この混合液を別
途調製したフランス法酸化亜鉛(平均比表面積径:0.3
μm)100gの水200cc分散液に投入し、60℃に
昇温して1時間撹拌した。撹拌終了後濾過・水洗し、遠
心分離法で脱水してケーキを得た後、このケーキを水中
に加え、硫酸根を固定する目的で、塩化カルシウム:硫
酸アルミニウムの量に応じて0.1gから4.4gまで
水に溶解した水溶液を添加し、60℃で1時間撹拌し
た。ケーキを分離し、400℃で3時間加熱して仮焼し
た。次いでこれを水素、窒素またはアンモニアガス雰囲
気中600〜900℃で30分〜2時間焼成し、導電性
酸化亜鉛微粉末(本発明例)を得た(本発明実施例1、
実験1〜5)。
【0017】実施例2 実施例2として、実施例1における塩化カルシウムの代
わりに、塩化バリウムを、硫酸アルミニウムの添加量に
応じて0.1gから6.7gまで水に溶解した水溶液を
用いた点を除いて、実施例1と同じ実験を行った(実験
6〜10)。
【0018】なお比較のため、前記実施例において塩化
バリウムまたは塩化カルシウムによる処理を施さなかっ
たケーキ(従ってケーキ中には遊離しうる形の硫酸根が
残留している)についても、前記と同様400℃で3時
間加熱して仮焼した。次いでこれを水素、窒素またはア
ンモニアガス雰囲気中600〜900℃で30分〜2時
間焼成し、導電性酸化亜鉛微粉末を得た(比較例、実験
11〜15)。
【0019】
【表1】
【0020】実施例ケーキ及び比較例ケーキを対象とし
て、該ケーキ中の残留硫酸根を分析した。分析法として
は、まず試料を塩酸水溶液に溶解し、不溶物を濾別す
る。濾液に塩化バリウム水溶液を加えて硫酸バリウムを
沈殿させ、濾過する。沈殿を濾紙とともに灰化して残量
を測り、その重量から、試料中の硫酸根の量を求めた。
比較例ケーキ中の残留硫酸アニオン濃度は0.10%で
あったが、実施例ケーキ中の残留硫酸アニオン濃度は
0.04〜0.06%であった。尚比較例ケーキ及び実
施例ケーキを塩化バリウム水溶液に溶解した時のpHは、
前者で9.9、後者で10.9〜11.8であった。
【0021】実施例ケーキ及び比較例ケーキから得られ
た導電性酸化亜鉛粉末を用いてシリコーンゴムの架橋
(硬化)実験を行った。シリコーンゴムに導電性酸化亜
鉛粉末を1:1(重量比)の比率で配合し、架橋剤とし
て白金触媒を用いて混練した。実施例の実験2で得た試
料と、比較例の実験12で得た試料について、ゴム混練
時のトルク変化をレオメーターで測定した結果を図1に
示す。図1に示す通り、実施例品(実線)では混練の初
期から急速にトルクが上昇し、それ以降トルクの変化が
なく混練作業は所定の時間内で終了したが、比較例品
(破線)では混練の進行と共に徐々にトルクが上昇し続
け、混練作業は長時間を要するとともに、得られたゴム
には若干の粘着感が残った。
【0022】実施例3 実施例1および2で得られた導電性酸化亜鉛(実験4お
よび8)、並びに比較例として得られた導電性酸化亜鉛
(実験13)を混合した塗料を画像記録用のアルミニウ
ムプレートに塗布した。これを乾燥して得られたアルミ
ニウムプレートを調べたところ、実験4および8の導電
性酸化亜鉛を用いたアルミニウムプレートには何の異常
も見られなかったが、実験13で得られた導電性酸化亜
鉛を用いたアルミニウムプレートでは、その表面にわず
かな腐食が見られた。
【0023】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、導
電性酸化亜鉛製品中の残留硫酸アニオンが少なくなって
おり、硫酸アニオンの存在に起因する不都合が実質上解
消されることとなった。
【0024】従って本発明で得られる導電性酸化亜鉛
は、白金触媒を使用する反応系に添加してシリコーンゴ
ムに導電性を付与する場合、また塗料中に上記導電性酸
化亜鉛を添加して塗料に導電性を付与して同じ様に帯電
防止効果を発揮させようとする場合、或いは画像記録用
のアルミナプレートに上記導電性酸化亜鉛を添加して塗
料に導電性を付与して同様の作用を期待するような場合
において、残留硫酸アルミニウムに基づく種々の不都合
が回避されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例で得た導電性酸化
亜鉛粉末をゴムと混練したときのトルクの経時変化を示
すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 19/38 D21H 19/38 5G301 Fターム(参考) 4G047 AA04 AB02 AC03 AD03 4J038 EA011 HA216 KA15 NA20 4J039 BA13 BA16 BA17 BA18 BA30 BA31 BA32 BE33 EA48 4J040 HA136 HA206 HA226 HA256 HC19 JB10 KA32 4L055 AG20 AH01 AH27 FA23 GA08 GA10 GA11 GA12 5G301 CA02 CA12 CA27 CA30 CD04 CE02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性付与対象成分である非導電性酸化
    亜鉛、 賦活化成分である硫酸アルミニウム、 侵食成分である炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
    ム、硝酸アンモニウム、尿素よりなる群から選択される
    1種以上の化合物 を必須的に原料として用いる導電性酸化亜鉛の製造方法
    において、 導電性酸化亜鉛の前駆体と硫酸根固定用カチオンを共存
    させ、前記硫酸アルミニウム由来の残留硫酸根を不溶性
    硫酸塩として固定することを特徴とする導電性酸化亜鉛
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 硫酸根固定用カチオンがバリウムイオ
    ン、カルシウムイオンまたはストロンチウムイオンであ
    る請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 不溶性硫酸塩として硫酸バリウム、硫酸
    カルシウムまたは硫酸ストロンチウムを生成せしめ、系
    内に不溶性塩として留置させる請求項2に記載の製造方
    法。
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