JP2000052676A - 発色機構及び該機構を具備する被記録材 - Google Patents

発色機構及び該機構を具備する被記録材

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JP2000052676A
JP2000052676A JP37012898A JP37012898A JP2000052676A JP 2000052676 A JP2000052676 A JP 2000052676A JP 37012898 A JP37012898 A JP 37012898A JP 37012898 A JP37012898 A JP 37012898A JP 2000052676 A JP2000052676 A JP 2000052676A
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JP37012898A
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Kazuo Sato
和男 佐藤
Takeshi Kanezaki
武志 金崎
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Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はコイン等の金属で表面を擦過するこ
とにより、隠蔽されていた文字(数字を含む),図形,
記号又は画像等が現れる発色機構及びこの発色機構を具
備する被記録材を提供すること。 【解決手段】 基材の少なくとも片面の一部又は全面を
記録面とし、該記録面に、モース硬度が2以上の無機顔
料を含有したインク等により文字等を前記記録面と同色
乃至は同系色になるように表示して成り、前記文字等を
含む記録面を金属で擦過することにより該文字等を読み
取り可能に発色させる被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイン等の金属で
表面を擦過することにより、隠蔽されていた文字(数字
を含む),図形,記号又は画像等(以下、「文字等」と
いう)が現れる発色機構及びこの発色機構を具備する被
記録材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コイン等で表面を擦過することにより、
隠蔽されていた文字等が表れるスクラッチカードは、偽
造される恐れのある磁気カードに代わって、国際電話,
インターネット,携帯電話等のプリペードカードや、そ
の場ですぐに当り外れが分かる便利さからスピードくじ
等に広く用いられている。
【0003】このようなスクラッチカードは、その表面
の一部又は全面にUV硬化インク,染料インク,顔料イ
ンク等で印刷された文字等を銀色や金色等の不透明度の
高いマスク材で隠蔽し、コイン等で表面を擦過すること
により、上記の銀色や金色等のマスク材が削られて、そ
の下に隠蔽されていた文字等が現れるようになってい
る。
【0004】しかし乍ら、従来のスクラッチカードは、
銀色や金色等のマスク材をコイン等で擦過したときにそ
のマスク材の削りかすが出て、手や衣服等が汚れるとい
う問題点があった。
【0005】また、運送中にスクラッチカードの表面に
誤って硬いものが当たり、それが銀色や金色等のマスク
材を擦って、隠蔽されていた文字等が現れてしまうとい
った問題点があった。
【0006】更に、従来のスクラッチカードは、コイン
等の硬いもので擦過したとき、印刷された文字等がマス
ク材と一緒に削り取られてしまうことがあったため、文
字等が印刷された面に更に透明なニス(ワニス)を上塗
りしているものもあるが、これでは手間や製造コストが
かかり過ぎるといった問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
スクラッチカードにおける問題点に鑑み、全く別の観点
からコイン等の金属で擦過することにより文字等が読み
取り可能になる新たな機構と、その機構を具備する被記
録材、例えば、スクラッチカードのみならず各種のカー
ド類、ノート,コピー,プリンター等に用いられる用
紙、装飾用等のシートやワッペン,カレンダー、各種伝
票用紙やマニュアル,契約書等の用紙に隠し文字等を表
示しておきたいときや、各種のOA機器,家電製品,事
務機器,事務用品等の裏面側等にそれらの製造番号や製
造年月日、コンピュータプログラムのシリアル番号等を
隠蔽した形で付しておきたいとき等に好適に使用するこ
とができる新たな発色機構を具備した被記録材を提供す
ることを、その課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
を目的としてなされた本発明発色機構の一の構成は、モ
ース硬度が2以上の無機顔料を含有したインク等により
記録面に文字等を該記録面と同色乃至は同系色になるよ
うに表示し、前記文字等を含む記録面を金属で擦過する
ことにより該文字等を読み取り可能に発色させるように
したことを特徴とするものである。また、本発明発色機
構の別の構成は、モース硬度が2以上の無機顔料を含有
したインク等により表示する文字等と、該文字等と同色
乃至は同系色の表示物とを、前記文字等が何を表示して
いるか分からなくなるように記録面に表示し、前記文字
等及び表示物を含む記録面を金属で擦過することにより
該文字等を読み取り可能に発色させるようにしたことを
特徴とするものである。
【0009】上記発明の一の発色機構を具備する本発明
被記録材の一の構成は、基材の少なくとも片面の一部又
は全面を記録面とし、該記録面に、モース硬度が2以上
の無機顔料を含有したインク等により文字等を前記記録
面と同色乃至は同系色になるように表示して成り、前記
文字等を含む記録面を金属で擦過することにより該文字
等を読み取り可能に発色させることを特徴とするもので
ある。また、上記本発明の別の発色機構を具備する本発
明被記録材の別の構成は、基材の少なくとも片面の一部
又は全面を記録面とし、モース硬度が2以上の無機顔料
を含有したインク等により表示する文字等と、該文字等
と同色乃至は同系色の表示物とを、前記文字等が何を表
示しているか分からなくなるように前記記録面に表示し
て成り、前記文字等及び表示物を含む記録面を金属で擦
過することにより該文字等を読み取り可能になるように
発色させることを特徴とするものである。
【0010】なお、被記録材に関しては、基材の片面の
みならず両面の一部又は全面を記録面としてもよく、ま
た、基材上に設けた記録層の表面の一部又は全面を記録
面としてもよい。
【0011】即ち、本発明の発明者らは、従来のスクラ
ッチカードのようなコイン等でその表面のマスク材を削
り取りその下に隠蔽されていた文字等を読み取り可能に
する方式(機構)は、上述したような理由で既に限界に
達しているとの観点から、読み取りできないように記録
面に表示された文字等が、コイン等の金属で擦過するこ
とにより、削りかすがでないで読み取り可能になる新た
な機構を開発することを目的として鋭意研究した結果、
インク等に含有されているモース硬度が2以上の無機顔
料が表示された文字等に接触する金属の表面を削りその
跡が記録面に残ることを知得し、本発明の一つを完成す
るに至った。
【0012】また、記録面に該面と異なる色で文字等を
表示してもこの文字等の色と同色又は同系色の表示物を
組合せて記録面に表示すれば、文字等が何を表示してい
るか分からなくなり、また、この記録面に表示する文字
等のインク等又は表示物のインク等にモース硬度が2以
上の無機顔料を含有させればコイン等の金属で擦過した
とき、文字等が読み取り可能になるように文字等又は表
示物が発色することを知得し、本発明の他の一つを完成
するに至った。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発色機構の構成例
を詳細に説明した後、この機構を具備した被記録材の構
成例について説明する。
【0014】本発明の発色機構は、コイン等のような金
属で記録面を擦過することにより、その記録面に読み取
りできないように表示してある文字等が発色して読み取
り可能になるようにした機構であって、金属で擦過する
ことが必要で、金属以外のもの、例えばプラスチックの
ようなもので擦過しても読み取り可能にはならない。
【0015】本発明の一の発色機構においては、記録面
に読み取りできないように文字等を表示するが、そのた
めに記録面に表示した文字等の色がこの記録面の色と同
じか同系色にする。また、本発明の別の発色機構におい
ては、記録面に同色又は同系色の文字等と表示物を組合
せて表示することにより、文字等が何を表示しているの
か分からなくなるようにする。
【0016】文字等の色を記録面の色と同じか同系色に
するためには、文字等を表示するためのインク等に含有
させる顔料や染料の種類とその含有量、2種以上の顔料
や染料を使用する場合はそれらの混合割合の調整が重要
となる。記録面が白色であるときは、白色顔料をそのま
ま使用することができるが、記録面が例えば淡い黄色や
青色に着色しているときは、それに合わせて顔料や染料
を選択する必要がある。
【0017】顔料には有機顔料と無機顔料があるが、本
発明機構では、コイン等の金属で擦過したとき発色する
文字等を表示するためのインク等には少なくとも無機顔
料を含有させることが必要である。
【0018】無機顔料には、無色のものから白色顔料
(チタン白,亜鉛華,鉛白,リトポン等)や黒色顔料
(カーボンブラック,鉄黒等)の他、黄色(黄鉛,カド
ミウムイエロー,コバルトイエロー等),橙色(モリブ
デン赤),赤色(カドミウムレッド,べんがら,鉛丹
等),青色(群青,紺青等),緑色(コバルトグリー
ン,クロムグリーン等)等の有色顔料があるが、記録面
の色との関係で表示した文字等の色が記録面と同色乃至
は同系色になるようなものを選択する必要がある。ま
た、表示された文字等が記録面と同色乃至は同系色にな
るようにするために、無機顔料と有機顔料とを適宜割合
で併用してもよく、更に染料を加えて色の調整をするこ
とができる。
【0019】記録面に表示した文字等の色がこの記録面
と同色乃至は同系色であれば、そこに表示した文字等は
通常肉眼では識別できないが、明度や彩度が著しく相違
する場合は、識別されてしまうこともあり得る。本発明
の一の発色機構において識別されるおそれがほとんどな
いとして確認できた範囲は、表示された文字等のJIS-P-
8123に基づく白色度が、記録面の白色度Pに対し好まし
くはP±5%、更に好ましくはP±3%の範囲である
が、色の種類や濃度等との関係でこれより広い範囲でも
識別されない場合も勿論あり得る。なお、この白色度の
範囲は、白色の記録面に対し白色顔料を含有したインク
等により白色の文字等を表示したものに対してだけでな
く、例えば、淡い黄色やピンク色の記録面に対し淡い黄
色やピンク色の文字等を表示したものに対しても適用さ
れる。
【0020】本発明の別の発色機構においては、記録面
に同色又は同系色の文字等と表示物を組合せて表示する
ことにより、文字等が何を表示しているのか分からなく
なるようにするが、この場合、文字等のJIS-P-8123に基
づく白色度が、表示物の白色度Qに対して好ましくはQ
±5%、更に好ましくはQ±3%の範囲である。色の種
類や濃度等との関係でQ±5%より広い範囲でも識別さ
れない場合も勿論あり得る。
【0021】本発明の上記両発色機構において、文字等
や表示物を記録面に表示するためには、通常の印刷手段
による印刷の他、手書きや文字等を枠抜きした薄板によ
る枠内の塗り潰し,転写等の種々の態様が可能である。
【0022】次に、本発明機構では、上記の通り、文字
等を表示するためのインク等に無機顔料が必ず含有され
ているが、それは表示された文字等を含む記録面を金属
で擦過したとき、表示された文字等に含まれる無機顔料
が接触する金属面を削り、その削られた極めて細かい金
属粉が文字等の部分に付着し該部を金属色乃至はそれに
近い色に発色させるためである。なお、インク等とした
のは、インク以外に無機顔料を含有する塗料や絵具,ク
レヨン等も使用可能だからである。
【0023】無機顔料により金属の表面が削られ文字等
の部分が金属色乃至はそれに近い色に発色するために
は、無機顔料のモース硬度が2以上である必要がある。
これは無機顔料の硬度がこれに接触する金属の硬度と同
程度かそれより高いのが好ましいのは当然だからである
が、本発明の発明者らは更に鋭意研究した結果、無機顔
料の硬度より金属の硬度が高い場合でも発色することを
発見し、これに基づき、汎用的な金属のモース硬度が1.
5〜4.5であることに鑑み、文字等をモース硬度が2以上
の無機顔料を含有したインク等で表示すれば、上記の本
発明の発色機構を構成し得ることを確認している。
【0024】次に、本発明の請求項3の発色機構又は請
求項8の被記録材において、表示物は、記録面に文字等
と表示物がコイン等の金属で擦過する前は何を表示して
いるか分からないようにできるものであり、上記表示物
のインク等には、顔料,染料又は樹脂のいずれかを単独
で或いはこれらを適宜組み合わせて含有させたものを使
用することが好ましい。顔料及び染料は記録面に表示し
た文字等の色との調整をし易くするためであり、樹脂は
紫外線や雨等に対する耐候性が良いためである。上記の
染料としてはアゾ染料、アントラキノン染料、インジゴ
イド染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キ
ノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、ニトロ染
料、ニトロソ染料、ナフタルイミド染料、ペリノン染
料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料等が挙げられ
る。また、上記樹脂としてはポリエステル、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、アルキッド樹脂、アクリル樹脂等が挙げら
れる。
【0025】また、上記の表示物は、コイン等の金属で
記録面を擦過したときに、文字等の発色が表示物と区別
でき読み取り可能となるものである。上記インク等には
上記文字等のインク等に含有させた無機顔料よりも硬度
の低い顔料、或いは染料や樹脂等を用いる。上記硬度の
低い顔料とは具体的には、有機顔料、或いは上記文字等
に含有させた無機顔料よりもモース硬度の低い無機顔料
である。上記有機顔料としてはポリスチレン、ポリメタ
クリレート、スチレン−アクリル共重合体、尿素/ホル
マリン樹脂等が挙げられる。また、文字等の発色が表示
物と区別でき読み取り可能であれば、文字等のインク等
に含有させた無機顔料より硬度の高い顔料が多少混ざっ
ていても良い。発色したとき文字等と表示物の区別がで
き読み取り可能になるには、発色した文字等と表示物の
白色度がQ±5%の範囲を越えることが好ましい。ま
た、上記構成例の説明においては、コイン等の金属で記
録面を擦過したとき発色するのを文字等にしたが、本発
明の請求項4の発色機構又は請求項9の被記録材では、
コイン等の金属で擦過したとき文字等が発色するのでは
なく表示物の方が発色、例えば、文字等の周囲の表示物
が発色して文字等が読み取り可能になる。その場合は、
上記構成例で説明した文字等と表示物のインク等がそれ
ぞれ逆になる。なお、後の実施例は文字等が発色する場
合についてのものであるが、それらの実施例において文
字等のインク等と表示物のインク等を入れ替えることに
より表示物の方が発色して文字等が読み取り可能とな
る。
【0026】本発明機構の適用対象は、極めて多岐にわ
たるが、例えば、各種の家電製品やOA機器,事務用
品,電話機器等の底面や裏面等の一部に記録面を印刷又
は塗布等により形成し、その記録面に対し、その製品の
製造番号や認識番号等を隠蔽された形で表示しておき、
必要なときに金属で擦過して読み取り可能にしたり、ま
た、次に説明する被記録材と重複する面はあるが、スク
ラッチカードのみならず、契約書における契約内容やサ
イン,学習用の問題集の解答などを隠蔽した形で表示し
ておき、金属で擦過して読み取り可能にすることもでき
る。なお、本発明機構において、記録面を金属以外の例
えばプラスチックで擦過しても発色しないのは、プラス
チックの表面が緻密であるので、プラスチックは無機顔
料により削られることはないためであると推測される。
【0027】次に、上記本発明機構を具備する本発明の
被記録材の構成例について詳述する。即ち、本発明被記
録材は、シート状乃至はボード状の基材の少なくとも片
面の一部又は全面に記録面を形成したもの、或は、基材
上に印刷等に適するように記録層を設け、この記録層上
に記録面を形成し、そこに上記本発明機構を適用した構
成のもの等がある。
【0028】本発明被記録材に使用される基材として
は、印刷等により表示することが可能な基材であれば何
でもよく特に限定されないが、具体的には、上質紙,ケ
ント紙,コート紙等の一般の紙、ポリプロピレン,ポリ
エチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニル,ポリスチレ
ン又はこれらの発泡体若しくはこれらの炭酸カルシウム
等の無機フィラー混入体等のプラスチックフィルム等が
挙げられる。また、基材はフィルム乃至はシート状のも
のだけでなく、ボード状のものであってもよい。更に、
基材として用いられるフィルム等には、生分解性プラス
チックを用いることもできる。以下、これらの基材につ
いて、詳述する。
【0029】本発明に用いられる基材には、主にプラス
チックフィルムと紙が挙げられるが用途に応じて好適に
使い分けられる。例えば、国際電話、インターネット等
のプリペードカードの様に一定期間使用されることが多
いものについては耐久性が要求されるので、紙よりも耐
折性,耐水性に優れるプラスチックフィルムが好まし
い。好適に用いられるプラスチックフィルムとしては、
表面が平滑であれば特に限定されないが、ポリプロピレ
ン,ポリエチレンテレフタレート,ポリ塩化ビニル,ポ
リスチレン等のフィルムが挙げられる。特に好ましいの
は、これらのフィルムに微細な空洞を含有させたプラス
チックフィルムである。この空洞含有プラスチックフィ
ルムには、当然、発泡プラスチックフィルムも含まれ
る。なお、ここにいう空洞とは、気泡のみならず、内部
に形成された空隙,空孔を含む概念のものである。
【0030】空洞含有プラスチックフィルムが基材とし
て特に優れている点としては、プラスチックフィルム中
に微細空洞を含有させることにより柔軟性が向上して折
り曲げに強くなり、また、コイン等で強く擦過した際に
剛直な基材であるとコインの圧力を吸収できずに記録層
が削られる恐れがあるが、十分な柔軟性を有した微細な
空洞を含有させた空洞含有プラスチックフィルムを基材
に用いるとコインの圧力を吸収するために記録層が削ら
れることがない。
【0031】このような空洞含有プラスチックフィルム
は、空洞含有率が10〜60体積%であることが好ましい。
その理由は、フィルムの空洞含有率が10体積%以上であ
ると、コインで擦過した際に記録層の削れを防止できる
柔軟性を付与することができるので好ましいからであ
る。一方、フィルムの空洞含有率が60体積%以下である
と、機械的強度があり、各種カード類に使用するのに十
分な腰のあるフィルムを得ることができるので好ましい
からである。
【0032】上記の空洞含有率V(体積%)は、次の式
により計算して得られる。
【0033】
【数1】
【0034】上記式において、ρnは基材となるプラス
チックフィルム製造時に使用する各原料の真密度(g/cm
3)、ρ1は同じくプラスチックフィルムの見掛け密度
(g/cm3)である。ここでプラスチックフィルムの見掛
け密度ρ1(g/cm3)は、プラスチックフィルムの任意の
部分から10cm×10cmの正方形の5枚を切り出し、それぞ
れのサンプルについて、マイクロメータにより任意の9
ヶ所の厚みを測定し、それぞれの平均厚みから体積を求
めた後、各切り出しサンプルの重量を測定することによ
り、1cm3当たりの重量を計算し、5枚のサンプルの平
均値を求めて得られた値である。なお、配合比率は、プ
ラスチックフィルム製造時に使用する各原料の体積の総
和を1としたときの体積比率である。
【0035】また、プリペードカードは、一定期間使用
した後無効になる性質を有するために廃棄方法も考慮す
る必要がある。このような観点で基材を選定した場合に
好ましいのは、プリペードカードとしての十分な耐久性
を有し、燃焼エネルギーが低い為に焼却されても焼却炉
を痛めにくく、自然環境中に棄却された場合には微生物
により分解される生分解性プラスチックフィルムであ
る。このような生分解性プラスチックフィルムとして
は、デンプン+変性PVA混合体,ポリブチレンサクシ
ネート/アジペート共重合体,ポリカプロラクトン,ポ
リヒドロキシブチレート/バリレート共重合体,ポリ乳
酸等が挙げられる。
【0036】一方、例えばスピードくじのような比較的
短期間の使用ではそれ程耐久性も要求されないので、こ
のような用途に適した基材は、廃棄に特に気をつかう必
要がなく、比較的安価な紙を用いることが好ましい。こ
のような紙としては、上質紙,カード紙,板紙,コート
紙等が挙げられるが、表面が粗い紙は、印刷をした際に
インクと記録面との接触が十分でない部分にインクの転
写不良を起こし易いので、基材として用いるのに特に好
ましいのは、表面に樹脂を塗工し平滑性を向上させたコ
ート紙である。
【0037】その理由は、印刷部分が記録面と同色乃至
は同系色になるように表示をするか、若しくは記録面上
に同色乃至は同系色の2種類以上のインクで印刷部分が
表示されているために、一般の印刷物と比較してインク
の転写不良を見分けるのが困難であるという性質を有す
る本発明の被記録紙の基材に、表面が粗い紙を用いると
品質管理が行き届かずに、金属で擦過して印刷部分を発
色させても隠蔽されていた文字等がインクの転写不良の
ために読み取りできなかった、という様な不良製品を市
場に出荷してしまう恐れがあるが、表面に樹脂を塗工し
平滑性を向上させたコート紙を基材に用いるのであれ
ば、印刷をした際のインクと記録面との接触が十分であ
るために転写不良が起りにくいので、不良製品を市場に
出荷してしまう危惧も少なくなるからである。
【0038】このようなコート紙としては、JIS-P-8119
に基づくベック平滑度が100秒以上であるものが好適に
用いられ、樹脂を塗工した後に更に平滑性を向上させる
ためにキャレンダーを掛けたものが特に好ましい。ま
た、コート紙の表面に塗工されている樹脂としては、ス
チレン/ブタジエン共重合体,アクリル樹脂,ウレタン
樹脂等が挙げられ、このような樹脂は紙のセルロース繊
維よりもインクに用いられる疎水性の樹脂との相性が良
いので印刷した際にインクが転写し易く、インクの転写
不良の防止に特に効果があり、更に耐水性の向上という
効果もある。
【0039】本発明被記録材の記録面は、基材の少なく
とも片面の一部又は全面に形成されるが、基材上に記録
面を直接設けるのは勿論、基材上に設けた記録層の表面
の一部又は全面に形成してもよい。この記録層は適宜の
バインダー樹脂又はバインダー樹脂とフィラーを含有さ
せた塗布液を基材面に塗工して設けたり、或は、薄いシ
ート状のフィルムを基材面に貼着等して設けることがで
きる。また、記録面はこれら基材や記録層の表面上に白
色又は適宜色に着色された塗液により塗布形成すること
もできる。
【0040】次に、本発明被記録材において記録面に文
字等を表示するために使用されるインク等、及び、記録
面に同色乃至は同系色の文字等と表示物をこの文字等が
何を表示しているのか分からないようにこれらを組合せ
て表示するときに用いられる文字等と表示物を表示する
ためのインク等について説明する。
【0041】まず、前者の記録面に隠蔽された形で表示
される文字等を印刷等するためのインク等としては、こ
のインク等によって表示された文字等が記録面の色と同
じか乃至は同系色になるもので、この点は上述した本発
明機構において説明した通りである。即ち、インク等に
含有させる無機顔料としては白色のものだけでなく、表
示された文字等が着色された記録面と同色乃至は同系色
となるような無機顔料を選択することができ、また、適
宜有機顔料や染料を混合することにより色の調整をする
こともできる。
【0042】このインク等にはモース硬度が2以上、好
ましくは3以上の無機顔料を含有しており、且つ印刷さ
れた文字等のJIS-P-8123に基づく白色度が、この文字等
と隣接する記録層の表面の白色度P%に対して好ましく
はP±5%、更に好ましくはP±3%の範囲になるイン
ク等を用いる。
【0043】次に、後者の記録面に同色乃至は同系色の
文字等と表示物を組合せて表示するときに用いられる文
字等と表示物をそれぞれ表示するためのインク等につい
て説明する。この後者の場合も文字等を表示するための
インク等にはモース硬度が2以上、好ましくは3以上の
無機顔料を含有している。一方、表示物を表示するため
のインク等には、前記無機顔料より硬度が低い顔料、染
料及び樹脂の群から選ばれる少なくとも一つを含有させ
るのが好ましい。その理由は、発色した文字等と表示物
の区別が明確になり、文字等がより読み取り易くなるた
めである。なお、表示物を表示するためのインク等には
無機顔料を全く含有しない場合もある。文字等と表示物
の色は記録面の色と異なる色であってもよいが、文字等
のJIS-P-8123に基づく白色度は、表示物の白色度Qに対
して好ましくはQ±5%、更に好ましくはQ±3%の範
囲である。
【0044】また、上記記録面に同色乃至は同系色の文
字等と表示物を組み合わせて表示する場合において、コ
イン等の金属で発色するのが文字等ではなく、表示物の
方が発色し、文字等が読み取り可能となるようにするこ
ともできる。この場合も、表示物を表示するためのイン
ク等にはモース硬度が2以上、好ましくは3以上の無機
顔料を含有している。一方、文字等を表示するためのイ
ンク等には、前記無機顔料より硬度が低い顔料、染料及
び樹脂の群から選ばれる少なくとも一つを含有させるの
が好ましい。その理由は、発色した表示物と文字等の区
別が明確になり、文字等がより読み取り易くなるためで
ある。なお、文字等を表示するためのインク等には無機
顔料を全く含有しない場合もある。文字等と表示物の色
は記録面の色と異なる色であってもよいが、文字等のJI
S-P-8123に基づく白色度は、表示物の白色度Qに対して
好ましくはQ±5%、更に好ましくはQ±3%の範囲で
ある。
【0045】上記において、モース硬度とは、互いに引
っかき合うか或は押し込み合ってどちらが傷つくかで決
められており、数字の大きい方が硬いことを示してい
る。表1にモース高度の基準となる物質を示す。
【0046】
【表1】
【0047】モース硬度が2以上の無機顔料を含有する
ことにより、このインク等で印刷等して表示された文字
等を金属で擦過すると、金属の表面が削られてこのイン
ク等で印刷等して表示された文字等の部分に付着するこ
とにより金属色に発色する。しかし乍ら、無機顔料の硬
度と金属の硬度との関係については上述した通りである
が、必ずしも金属の硬度が無機顔料の硬度より低くなけ
ればならないという訳ではなく、本発明では、金属の硬
度の方が無機顔料の硬度より高い場合も含む。
【0048】モース硬度が2以上の無機顔料としては、
カオリン(モース硬度2〜2.5)、焼成カオリン(モー
ス硬度2〜3)、炭酸カルシウム(モース硬度3)、水
酸化アルミニウム(モース硬度3)、硫酸バリウム(モ
ース硬度3〜3.5)、パーライト(モース硬度5)、ア
ナターゼ型酸化チタン(モース硬度5〜6)、ルチル型
酸化チタン(モース硬度6〜7)、焼成処理を施したケ
イソウ土(モース硬度6〜7)、γ−アルミナ(モース
硬度5〜6)、α−アルミナ(モース硬度9)等が挙げ
られる。
【0049】本発明被記録材に対し使用される代表的な
金属のモース硬度を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】また、印刷等されて記録面に表示された文
字等の白色度がこの文字等と隣接する記録面の白色度P
%に対してP±5%の範囲外では、記録面と表示された
文字等の色との明度乃至は彩度が違いすぎるため、表示
されている文字等が肉眼で見て読み取り可能になるおそ
れがある。
【0052】なお、文字等は、UV硬化インク,染料イ
ンク,顔料インク等の一般的なインクを併用して記録面
に印刷等して表示してもよく、また、表示手段としては
印刷以外に、手書きや文字等の型抜き,転写等の方法で
もよい。更に、インク以外の塗料や絵具,クレヨン等に
より表示することもできる。
【0053】
【発明の効果】本発明の発色機構及び被記録材は以上の
通りであって、本発明によれば、隠蔽されている文字等
が金属で擦過されると発色して読み取り可能となるた
め、従来のように文字等を隠蔽するためのマスク材が不
要であり、従って、マスク材の削りかすが発生せず衣服
等が汚れることがない。また、コイン等の金属で擦過し
ないと発色しないため、スクラッチカード等を運送中に
誤ってその表面を傷つけてしまったとしても隠蔽されて
いる文字等が現われることがないという格別の効果が得
られる。
【0054】また、本発明は、スクラッチカードの他、
各種のカード類、ノート,コピー,プリンター等に用い
られる用紙、装飾用等のシートやワッペン,カレンダ
ー、各種伝票用紙やマニュアル,契約書等の用紙に隠し
文字等を表示しておきたいときや、各種のOA機器,家
電製品,事務機器,事務用品等の裏面側等にそれらの製
造番号や製造年月日、プログラムのシリアル番号等を隠
蔽した形で付しておきたいとき等に好適に使用すること
ができる。
【0055】更に、本発明は、隠蔽する文字等をインク
等により記録面と同色乃至は同系色で表示するだけでよ
く、従来のスクラッチカード等のように基材面に印刷等
した文字等を隠蔽するためにマスク材を設けたり、コイ
ン等によりマスク材と一緒に文字等が削れてしまわない
ように文字等を表示した面にニス等を上塗りして保護す
る必要もないので、きわめて安価に提供できるという効
果が得られる。
【0056】更には、本発明は、記録面上に同色乃至は
同系色の文字等と表示物を組合せて表示することによ
り、文字等が何を表示しているのか分からないように表
示し、これらを金属で擦過することにより文字等が発色
して読み取り可能になるので、問題の解答や、隠し絵な
どのようなものとしてその応用範囲が広いという独自の
効果がある。
【0057】次に、本発明発色機構を具備する被記録材
の実施例について説明する。なお、本実施例は、主に白
色の記録面に白色顔料を含有させたインクにより白色の
文字等を印刷等の手段で表示したものであるが、記録面
及び文字等の色は白色に限定されるものでない。また、
記録面上に表示する同色又は同系色の文字等と表示物も
白色に限られず、他の色であってもよく、またこれらは
記録面の色と異なる色であってもよい。
【0058】(実施例1)基材として空洞含有ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーE62
188μm、白色度P=89%、空洞含有率28%)を用い
た。メチルエチルケトン:トルエン:酢酸エチル=1:
1:1の混合溶媒100重量部にウレタン樹脂15重量部を
溶解した溶液に、白色顔料として焼成カオリン(Georgi
a Kaolin社製、アルトホワイトTE、モース硬度2)20
重量部を混合し、攪拌して白色インクを得た。この白色
インクをA、B、Cと彫ったグラビア版を使用したグラ
ビアコーターで上記基材上にグラビア印刷し、本発明の
被記録材を得た。このときの文字の白色度は93%であっ
た。このものは、印刷された文字を識別するのは困難で
あったが、この被記録材を鉛の棒で擦過したところ文字
が鉛色に変わり文字の識別が可能となった。
【0059】(実施例2)基材として生分解性プラスチ
ック(三井化学社製、レイシア 190μm、白色度P=92
%)を用い、白色顔料を炭酸カルシウム(丸尾カルシウ
ム社製、軽質炭酸カルシウム、モース硬度3)とした他
は、実施例1と同様にして本発明の被記録材を得た。こ
のときの文字の白色度は91%であった。このものは、印
刷された文字を識別するのは困難であったが、この被記
録材の文字部分を銅の棒で擦過したところ文字が赤銅色
に変わり文字の識別が可能となった。
【0060】(実施例3)基材をコート紙(王子製紙社
製 OK特アート 104.7g/m2、白色度P=86%、ベッ
ク平滑度400秒)を用い、白色顔料を焼成処理を施した
ケイソウ土(昭和化学工業社製、ラヂオライト F、モ
ース硬度7)とした他は、実施例1と同様にして本発明
の被記録材を得た。このときの文字の白色度は85%であ
った。このものは、印刷された文字を識別するのは困難
であったが、この被記録材の文字部分を鉛の棒で擦過し
たところ文字が鉛色に変わり文字の識別が可能になっ
た。また、文字部分にインクの欠落も認められなかっ
た。
【0061】(実施例4)基材として空洞含有ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(東洋紡績社製、クリスパ
ーG2323 188μm、空洞含有率21%)を用い、この基材
上に黄色インクをグラビア印刷して記録面とした。メチ
ルエチルケトン:トルエン:酢酸エチル=1:1:1の
混合溶媒100重量部にウレタン樹脂15重量部を溶解した
溶液に、無機顔料として焼成カオリン(Georgia Kaolin
社製、アルトホワイトTE、モース硬度2)20重量部を
混合し、攪拌して文字等用のインクを得た。このインク
を縦横の線で、1,2,3の数字となるように記録面に
グラビア印刷した。このときの数字の白色度は93%であ
った。次にメチルエチルケトン:トルエン:酢酸エチル
=1:1:1の混合溶媒100重量部にウレタン樹脂15重
量部を溶解した溶液に、色材として有機フィラー(日本
化成社製、有機フィラー)20重量部を混合し攪拌して得
た表示物用のインクを上述の1,2,3の数字が8の字
になるように縦横の線を記録面にグラビア印刷し、本発
明の被記録材を得た。このときの縦横の線の白色度Qは
90%であった。このものは、印刷された部分が全て8
の字に見えて1,2,3の数字を認識するのは困難であ
ったが、この被記録材の文字部分を銅の棒で擦過したと
ころ1,2,3の数字の部分が赤銅色に変わり、図1に
示すように数字の識別が可能となった。図1において、
Kは被記録材の記録面、Hは8の字の縦横の線のうち発
色した部分、Mは同じく発色しない部分を示す。
【0062】(実施例5)基材を生分解性プラスチック
(三井化学社製、レイシア 190μm)とし、無機顔料を
焼成処理を施したケイソウ土(昭和化学工業社製、ラヂ
オライト F、モース硬度7)とした他は、実施例4と
同様にして本発明の被記録材を得た。このときの1,
2,3の数字の白色度は85%であり、縦横の線の白色度
Qは90%であった。このものは、印刷された部分が全て
8の字に見えて1,2,3の数字を認識するのは困難で
あったが、この被記録材の文字部分を銅の棒で擦過した
ところ1,2,3の数字の部分が赤銅色に変わり、図1
に示すように数字の識別が可能となった。
【0063】(比較例1)基材に白色ポリエチレンテレ
フタレートフィルム(デュポン社製、メリネックス33
9、188μm、白色度P=94%)を用い、白色顔料をタル
ク(竹原化学社製、ハイミクロンHE−5、モース硬度
1)とした他は、実施例1と同様にして被記録材を得
た。このときの文字の白色度は90%であった。このもの
は、印刷された文字を識別するのは困難であり、この被
記録材の文字部分を鉛の棒で擦過したが、文字の色は変
わらず、文字の識別が困難であった。
【0064】(比較例2)基材に上質紙(王子製紙社製
OKH 127.9g/m2、白色度P=80%、ベック平滑
度20秒)を用い、白色顔料を焼成処理を施したケイソウ
土(昭和化学工業社製、ラヂオライト F、モース硬度
7)とした他は、実施例1と同様にして本発明の被記録
材を得た。このときの文字の白色度は85%であった。こ
のものは、印刷された文字を識別するのは困難であり、
この被記録材の文字部分を鉛の棒で擦過したところ文字
が鉛色に変わったが、文字のインクの転写不良による欠
落が認められた。
【0065】(比較例3)基材に無機顔料含有ポリエチ
レンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーE 2
2 188μm)を用い、無機顔料をタルク(竹原化学社製、
ハイミクロンHE−5、モース硬度1)とした他は、実
施例4と同様にして被記録材を得た。このときの1,
2,3の数字の白色度は90%であり、縦横の線の白色度
Qは90%であった。このものは、印刷された部分が全て
8の字に見えて1,2,3の数字を認識するのは困難で
あり、この被記録材の文字部分を銅の棒で擦過したが文
字部分の色が変わらず、図2に示すように1,2,3の
数字の識別が困難であった。図2において、Kは記録
面、Mは発色しない部分である。
【0066】(比較例4)無機顔料を炭酸カルシウム
(丸尾カルシウム社製、軽質炭酸カルシウム、モース硬
度3)とし、色材を焼成カオリン(Georgia Kaolin社
製、アルトホワイトTE、モース硬度2)とした他は、
実施例4と同様にして被記録材を得た。このときの1,
2,3の数字の白色度は91%であり、縦横の線の白色度
Qは93%であった。このものは、印刷された部分が全て
8の字に見えて1,2,3の数字を認識するのは困難で
あり、この被記録材の文字部分を銅の棒で擦過したが8
の字の部分がすべて赤銅色に変わり、図3に示すように
1,2,3の数字の識別が困難であった。図3におい
て、Kは記録面、Hは発色した部分である。
【0067】上述した実施例1〜5、及び、比較例1〜
4について、それぞれ文字等の認識結果と耐擦過性、及
び、分解性を、表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】ここで文字等の認識は、記録面を金属で擦
過した後文字等が発色して認識が十分可能になったもの
を○、文字等は発色したがインクの欠落等により認識が
不十分であるものを△、記録面を金属で擦過した後も文
字等の認識が困難であったものを×とした。また、耐擦
過性は、銅の棒で50回擦過したときに表層が削られない
ものを○、表層が削れたものを×とした。また、分解性
は、畑土壌中に埋設し5ヶ月経過後に元の形状を留めて
いないものを○、元の形状を留めているものを×とし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明被記録材の記録面上の表示部分を金属に
より擦過した後の状態の一例を示す平面図。
【図2】比較例3の被記録材の記録面上の表示部分を金
属により擦過した後の状態を示す平面図。
【図3】比較例4の被記録材の記録面上の表示部分を金
属により擦過した後の状態を示す平面図。
【符号の説明】
K 被記録材の記録面 H 発色した部分 M 発色しない部分

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モース硬度が2以上の無機顔料を含有し
    たインク等により記録面に文字等を該記録面と同色乃至
    は同系色になるように表示し、前記文字等を含む記録面
    を金属で擦過することにより該文字等を読み取り可能に
    発色させるようにしたことを特徴とする発色機構。
  2. 【請求項2】 表示された文字等のJIS-P-8123に基づく
    白色度が、記録面の白色度Pに対しP±5%の範囲にあ
    る請求項1の発色機構。
  3. 【請求項3】 モース硬度が2以上の無機顔料を含有し
    たインク等により表示する文字等と、該文字等と同色乃
    至は同系色の表示物とを、前記文字等が何を表示してい
    るか分からなくなるように記録面に表示し、前記文字等
    及び表示物を含む記録面を金属で擦過することにより該
    文字等を読み取り可能に発色させるようにしたことを特
    徴とする発色機構。
  4. 【請求項4】 記録面に表示する文字等と、モース硬度
    が2以上の無機顔料を含有したインク等により表示する
    前記文字等と同色乃至は同系色の表示物とを、前記文字
    等が何を表示しているか分からなくなるように前記記録
    面に表示し、前記文字等及び表示物を含む記録面を金属
    で擦過することにより該文字等が読み取り可能になるよ
    うに前記表示物を発色させるようにしたことを特徴とす
    る発色機構。
  5. 【請求項5】 表示された文字等のJIS-P-8123に基づく
    白色度が、表示物の白色度Qに対してQ±5%の範囲に
    ある請求項3又は4の発色機構。
  6. 【請求項6】 基材の少なくとも片面の一部又は全面を
    記録面とし、該記録面に、モース硬度が2以上の無機顔
    料を含有したインク等により文字等を前記記録面と同色
    乃至は同系色になるように表示して成り、前記文字等を
    含む記録面を金属で擦過することにより該文字等を読み
    取り可能に発色させることを特徴とする被記録材。
  7. 【請求項7】 表示された文字等のJIS-P-8123に基づく
    白色度が、記録面の白色度Pに対しP±5%の範囲にあ
    る請求項6の被記録材。
  8. 【請求項8】 基材の少なくとも片面の一部又は全面を
    記録面とし、モース硬度が2以上の無機顔料を含有した
    インク等により表示する文字等と、該文字等と同色乃至
    は同系色の表示物とを、前記文字等が何を表示している
    か分からなくなるように前記記録面に表示して成り、前
    記文字等及び表示物を含む記録面を金属で擦過すること
    により該文字等を読み取り可能になるように発色させる
    ことを特徴とする被記録材。
  9. 【請求項9】 基材の少なくとも片面の一部又は全面を
    記録面とし、該記録面に表示する文字等と、モース硬度
    が2以上の無機顔料を含有したインク等により表示する
    前記文字等と同色乃至は同系色の表示物とを、前記文字
    等が何を表示しているか分からなくなるように前記記録
    面に表示して成り、前記文字等及び表示物を含む記録面
    を金属で擦過することにより該文字等が読み取り可能に
    なるように前記表示物を発色させるようにしたことを特
    徴とする被記録材。
  10. 【請求項10】 表示された文字等のJIS-P-8123に基づく
    白色度が、表示物の白色度Qに対してQ±5%の範囲に
    ある請求項8又は9の被記録材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002275286A (ja) * 2001-03-21 2002-09-25 Nisshinbo Ind Inc カード用被記録材及びそれを用いたカード
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WO2009110580A1 (ja) * 2008-03-05 2009-09-11 三菱製紙株式会社 不可視情報印刷シート

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