JP2000052478A - 耐食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板およびその製造方法 - Google Patents
耐食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板およびその製造方法Info
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- JP2000052478A JP2000052478A JP11153712A JP15371299A JP2000052478A JP 2000052478 A JP2000052478 A JP 2000052478A JP 11153712 A JP11153712 A JP 11153712A JP 15371299 A JP15371299 A JP 15371299A JP 2000052478 A JP2000052478 A JP 2000052478A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐食性を向上させ、またコピー用紙の出し入
れ時におけるコピー用紙の擦過等による表面処理皮膜の
擦り疵および摩耗を軽減させるとともに、滑り性を向上
させ、かつ手指が接触した際の汗による変色や錆の発生
を著しく軽減させた耐食性、耐疵付き性、耐汗性および
潤滑性に優れた表面処理金属板、およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属板の表面に、有機樹脂からなる下層
と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂からなる上層と
からなる複層の有機樹脂層を設けた表面処理金属板。
れ時におけるコピー用紙の擦過等による表面処理皮膜の
擦り疵および摩耗を軽減させるとともに、滑り性を向上
させ、かつ手指が接触した際の汗による変色や錆の発生
を著しく軽減させた耐食性、耐疵付き性、耐汗性および
潤滑性に優れた表面処理金属板、およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 金属板の表面に、有機樹脂からなる下層
と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂からなる上層と
からなる複層の有機樹脂層を設けた表面処理金属板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐食性、耐疵付き
性、耐汗性、および潤滑性に優れた表面処理金属板、お
よびその製造方法に関する。より詳細には、家電製品の
シャーシや複写機等に使用される表面処理金属板および
その製造方法に関する。
性、耐汗性、および潤滑性に優れた表面処理金属板、お
よびその製造方法に関する。より詳細には、家電製品の
シャーシや複写機等に使用される表面処理金属板および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機等に使用される表面処理金属板と
して、金属板に亜鉛めっき層、亜鉛合金めっき層、亜鉛
複合めっきあるいは着色亜鉛めっき層を形成させ、その
上層にクロム酸化物、水和酸化物、およびシリカからな
る表面処理層を設けた表面処理金属板、またはこの表面
処理層のさらに上層にシリカを添加した表面処理層を設
けた表面処理金属板(特開平8−277498号公報)が
開示されており、この表面処理鋼板は、コピー用紙が表
面処理層を擦過する際の耐庇付き性や耐摩耗性に優れて
いることが記載されている。しかし、家電製品のシャー
シや複写機などの用途においては、家電製品を取り扱う
際や複写機などのコピー作業等の際に手指が頻繁に表面
に接触するため、手指が触れた部分が変色したり、汗の
塩分によって金属板に錆が発生することがあり、上記の
耐疵付き性や耐摩耗性に優れた表面処理金属板を用いて
も、変色や錆の発生を防止することは困難であった。こ
の理由として、汗が表面処理層に含まれるシリカと樹脂
の界面を浸透して金属基板に達し、金属基板を腐食する
ことが考えられる。また、表面処理鋼板上における紙の
滑り性が必ずしも十分ではなく、複写作業時の紙詰まり
などのトラブルを完全に回避することが困難であった。
して、金属板に亜鉛めっき層、亜鉛合金めっき層、亜鉛
複合めっきあるいは着色亜鉛めっき層を形成させ、その
上層にクロム酸化物、水和酸化物、およびシリカからな
る表面処理層を設けた表面処理金属板、またはこの表面
処理層のさらに上層にシリカを添加した表面処理層を設
けた表面処理金属板(特開平8−277498号公報)が
開示されており、この表面処理鋼板は、コピー用紙が表
面処理層を擦過する際の耐庇付き性や耐摩耗性に優れて
いることが記載されている。しかし、家電製品のシャー
シや複写機などの用途においては、家電製品を取り扱う
際や複写機などのコピー作業等の際に手指が頻繁に表面
に接触するため、手指が触れた部分が変色したり、汗の
塩分によって金属板に錆が発生することがあり、上記の
耐疵付き性や耐摩耗性に優れた表面処理金属板を用いて
も、変色や錆の発生を防止することは困難であった。こ
の理由として、汗が表面処理層に含まれるシリカと樹脂
の界面を浸透して金属基板に達し、金属基板を腐食する
ことが考えられる。また、表面処理鋼板上における紙の
滑り性が必ずしも十分ではなく、複写作業時の紙詰まり
などのトラブルを完全に回避することが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐食性を向
上させ、またコピー用紙の出し入れ時におけるコピー用
紙の擦過等による表面処理皮膜の擦り疵および摩耗を軽
減させるとともに、滑り性を向上させ、かつ手指が接触
した際の汗による変色や錆の発生を著しく軽減させた耐
食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処
理金属板、およびその製造方法を提供することを課題と
する。
上させ、またコピー用紙の出し入れ時におけるコピー用
紙の擦過等による表面処理皮膜の擦り疵および摩耗を軽
減させるとともに、滑り性を向上させ、かつ手指が接触
した際の汗による変色や錆の発生を著しく軽減させた耐
食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処
理金属板、およびその製造方法を提供することを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の表面処理金属板
は、金属板の少なくとも片面に、ウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より
選ばれた有機樹脂からなる下層と、シリカおよび潤滑剤
を含むウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、およびポリエ
ステル系樹脂からなる群より選ばれた有機樹脂からなる
上層により構成される、複層の有機樹脂層を設けてなる
ことを特徴とする。この上層および下層を構成する有機
樹脂の少なくとも一方あるいは両方に、クロム酸あるい
はクロム酸塩類を 0.1〜2重量%含むことが望まし
く、シランカップリング剤を 0.05重量%以上1重量
%未満含むことをが望ましい。また、潤滑剤が、ポリテ
トラフルオロエチレンおよびポリエチレンワックスの少
なくとも一方、あるいは両方であることが望ましい。金
属板が、表面に亜鉛、コバルト、モリブデン、錫、ニッ
ケルのいずれか1種以上からなるめっきを施した金属
板、あるいはさらにその上層にクロム水和酸化物皮膜を
形成させることが望ましい。本発明の表面処理金属板の
製造方法は、金属板を有機樹脂を含む溶液中に浸漬し、
次いで乾燥して金属板表面に下層となる有機樹脂層を形
成させた後、コロイダルシリカおよび潤滑剤粉末を分散
させた有機樹脂を含む溶液中に浸漬し、次いで乾燥して
シリカおよび潤滑剤を含む上層となる有機樹脂層を形成
させることを特徴とする。
は、金属板の少なくとも片面に、ウレタン系樹脂、アク
リル系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群より
選ばれた有機樹脂からなる下層と、シリカおよび潤滑剤
を含むウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、およびポリエ
ステル系樹脂からなる群より選ばれた有機樹脂からなる
上層により構成される、複層の有機樹脂層を設けてなる
ことを特徴とする。この上層および下層を構成する有機
樹脂の少なくとも一方あるいは両方に、クロム酸あるい
はクロム酸塩類を 0.1〜2重量%含むことが望まし
く、シランカップリング剤を 0.05重量%以上1重量
%未満含むことをが望ましい。また、潤滑剤が、ポリテ
トラフルオロエチレンおよびポリエチレンワックスの少
なくとも一方、あるいは両方であることが望ましい。金
属板が、表面に亜鉛、コバルト、モリブデン、錫、ニッ
ケルのいずれか1種以上からなるめっきを施した金属
板、あるいはさらにその上層にクロム水和酸化物皮膜を
形成させることが望ましい。本発明の表面処理金属板の
製造方法は、金属板を有機樹脂を含む溶液中に浸漬し、
次いで乾燥して金属板表面に下層となる有機樹脂層を形
成させた後、コロイダルシリカおよび潤滑剤粉末を分散
させた有機樹脂を含む溶液中に浸漬し、次いで乾燥して
シリカおよび潤滑剤を含む上層となる有機樹脂層を形成
させることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明においては、金属板の少な
くとも片面に、有機樹脂からなる下層と、シリカおよび
潤滑剤を含む有機樹脂からなる上層とからなる複層の有
機樹脂層を設けることにより、耐食性が向上し、複写機
等においてコピー用紙の出し入れ時におけるコピー用紙
の擦過による表面処理皮膜の擦り疵および摩耗が軽減す
るとともに、滑り性を向上させ、かつ手指が接触した際
の汗による変色や錆の発生が著しく軽減した、耐食性、
耐疵付き性、耐汗性、および潤滑性に優れた表面処理金
属板が得られた。以下、本発明を詳細に説明する。
くとも片面に、有機樹脂からなる下層と、シリカおよび
潤滑剤を含む有機樹脂からなる上層とからなる複層の有
機樹脂層を設けることにより、耐食性が向上し、複写機
等においてコピー用紙の出し入れ時におけるコピー用紙
の擦過による表面処理皮膜の擦り疵および摩耗が軽減す
るとともに、滑り性を向上させ、かつ手指が接触した際
の汗による変色や錆の発生が著しく軽減した、耐食性、
耐疵付き性、耐汗性、および潤滑性に優れた表面処理金
属板が得られた。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】まず、本発明の表面処理金属板に用いられ
る基体金属板としては、銅板、銅合金板、アルミニウム
板、アルミニウム合金板、ステンレス鋼板などの他に、
スケールを除去した熱延鋼板、または冷延鋼板に、亜
鉛、コバルト、モリブデン、錫、ニッケル、クロム、マ
ンガンのいずれか1種の単層めっき、または2種以上から
なる亜鉛−コバルト、亜鉛−ニッケル、亜鉛−ニッケル
−コバルト、亜鉛−コバルト−モリブデン、亜鉛−ニッ
ケル−コバルト−モリブデン、ニッケル−錫などの複層
めっき、合金めっきあるいは複合めっきを施した鋼板、
またはさらにその上層にクロム水和酸化物皮膜を形成さ
せた鋼板が適用可能である。また、陽極処理、陰極処
理、または酸化剤を主成分とする浴中への浸漬処理等に
より、めっき層を着色した着色めっき鋼板も同様に適用
可能である。
る基体金属板としては、銅板、銅合金板、アルミニウム
板、アルミニウム合金板、ステンレス鋼板などの他に、
スケールを除去した熱延鋼板、または冷延鋼板に、亜
鉛、コバルト、モリブデン、錫、ニッケル、クロム、マ
ンガンのいずれか1種の単層めっき、または2種以上から
なる亜鉛−コバルト、亜鉛−ニッケル、亜鉛−ニッケル
−コバルト、亜鉛−コバルト−モリブデン、亜鉛−ニッ
ケル−コバルト−モリブデン、ニッケル−錫などの複層
めっき、合金めっきあるいは複合めっきを施した鋼板、
またはさらにその上層にクロム水和酸化物皮膜を形成さ
せた鋼板が適用可能である。また、陽極処理、陰極処
理、または酸化剤を主成分とする浴中への浸漬処理等に
より、めっき層を着色した着色めっき鋼板も同様に適用
可能である。
【0007】次に、上記の基体金属板上に複層の有機樹
脂層の下層として、薄い有機樹脂層を設けることが、本
発明の目的とする優れた耐食性、および耐汗性、特に耐
汗跡錆性を有する表面処理金属板を得るうえで極めて重
要である。後述するシリカや潤滑剤を含有する上層の樹
脂層を、水分や塩分を含有する汗が浸透したとしても、
この下層となる薄い有機樹脂層が基体金属板との直接接
触を防止する。そのため、優れた耐食性、および耐汗性
を確保することが可能となる。下層の有機樹脂層を構成
する樹脂としては特に限定するものではないが、環境保
全の観点からは有機溶媒系樹脂よりも水に溶解または分
散可能な水性樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、またはポリエステル系樹脂が特に好ましい。
ウレタン系樹脂としては、ウレタン樹脂以外にアクリ
ル、オレフィン、ポリエステルあるいはフッ素等で変性
したウレタン樹脂が適当である。アクリル系樹脂として
は、アクリル樹脂以外にウレタン、オレフィン、ポリエ
ステルあるいはフッ素等で変性したアクリル樹脂が適当
である。ポリエステル系樹脂としては、ポリエステル樹
脂以外にウレタン、オレフィン、アクリルあるいはフッ
素等で変性したポリエステル樹脂が適当である。なお、
耐食性向上を目的として無水クロム酸や重クロム酸ナト
リウムやクロム酸アンモニウム等のクロム酸塩類を、下
層の有機樹脂層中に効果が認められる 0.1重量%以上
添加してもかまわないが、添加量が多い場合には処理液
がゲル化し、皮膜形成が困難になる場合もあるので、2
重量%以下が好ましい。また、上記の基体金属板と下層
の有機樹脂層の密着性向上、および耐食性向上を目的と
して、シランカップリング剤を下層の有機樹脂層中に効
果が認められる 0.05重量%以上添加してもかまわな
いが、添加量が多い場合には処理液がゲル化し、皮膜形
成が困難になる場合もあるので、1重量%未満が好まし
い。
脂層の下層として、薄い有機樹脂層を設けることが、本
発明の目的とする優れた耐食性、および耐汗性、特に耐
汗跡錆性を有する表面処理金属板を得るうえで極めて重
要である。後述するシリカや潤滑剤を含有する上層の樹
脂層を、水分や塩分を含有する汗が浸透したとしても、
この下層となる薄い有機樹脂層が基体金属板との直接接
触を防止する。そのため、優れた耐食性、および耐汗性
を確保することが可能となる。下層の有機樹脂層を構成
する樹脂としては特に限定するものではないが、環境保
全の観点からは有機溶媒系樹脂よりも水に溶解または分
散可能な水性樹脂が好ましく、ウレタン系樹脂、アクリ
ル系樹脂、またはポリエステル系樹脂が特に好ましい。
ウレタン系樹脂としては、ウレタン樹脂以外にアクリ
ル、オレフィン、ポリエステルあるいはフッ素等で変性
したウレタン樹脂が適当である。アクリル系樹脂として
は、アクリル樹脂以外にウレタン、オレフィン、ポリエ
ステルあるいはフッ素等で変性したアクリル樹脂が適当
である。ポリエステル系樹脂としては、ポリエステル樹
脂以外にウレタン、オレフィン、アクリルあるいはフッ
素等で変性したポリエステル樹脂が適当である。なお、
耐食性向上を目的として無水クロム酸や重クロム酸ナト
リウムやクロム酸アンモニウム等のクロム酸塩類を、下
層の有機樹脂層中に効果が認められる 0.1重量%以上
添加してもかまわないが、添加量が多い場合には処理液
がゲル化し、皮膜形成が困難になる場合もあるので、2
重量%以下が好ましい。また、上記の基体金属板と下層
の有機樹脂層の密着性向上、および耐食性向上を目的と
して、シランカップリング剤を下層の有機樹脂層中に効
果が認められる 0.05重量%以上添加してもかまわな
いが、添加量が多い場合には処理液がゲル化し、皮膜形
成が困難になる場合もあるので、1重量%未満が好まし
い。
【0008】下層の有機樹脂層を基体金属板上に形成さ
せる方法としては、フィルムラミネート、押出しラミネ
ートなどのラミネート法、粉体塗装法、ロールコート
法、スプレー法、静電塗装法等、公知の塗装方法が適用
可能であるが、有機樹脂層の厚さは比較的薄くてよいこ
と、塗装作業の簡便さ、および経済性の観点から、樹脂
を溶解した溶液中に基体金属板を浸漬し、絞りロール等
を用いて余分の樹脂溶液を除去した後、乾燥させる方法
を採用することが好ましい。乾燥方法は熱風乾燥、ガス
オーブン、電気オーブン、誘導加熱炉等、いずれの手段
を用いてもよく、処理量と経済性の観点から最も有利な
方法を採用すればよい。また、塗装皮膜が生成した後、
UV照射や電子線照射を併用してもよい。
せる方法としては、フィルムラミネート、押出しラミネ
ートなどのラミネート法、粉体塗装法、ロールコート
法、スプレー法、静電塗装法等、公知の塗装方法が適用
可能であるが、有機樹脂層の厚さは比較的薄くてよいこ
と、塗装作業の簡便さ、および経済性の観点から、樹脂
を溶解した溶液中に基体金属板を浸漬し、絞りロール等
を用いて余分の樹脂溶液を除去した後、乾燥させる方法
を採用することが好ましい。乾燥方法は熱風乾燥、ガス
オーブン、電気オーブン、誘導加熱炉等、いずれの手段
を用いてもよく、処理量と経済性の観点から最も有利な
方法を採用すればよい。また、塗装皮膜が生成した後、
UV照射や電子線照射を併用してもよい。
【0009】下層の有機樹脂層の厚さは、0.05〜2
μm である。乾燥重量に換算した場合、ウレタン系、
アクリル系またはポリエステル系樹脂からなる群より選
ばれた有機樹脂の種類により比重が異なるため、およそ
0.05〜2g/m2である。なお、0.05μm 未満
では十分な耐食性および耐汗性が得られない。2μmを
越えると効果が飽和し、経済的でなくなる。なお、通電
性が合わせて要求される場合には、下層の有機樹脂層の
厚さは薄い方が好ましく、1μm以下が適当である。
μm である。乾燥重量に換算した場合、ウレタン系、
アクリル系またはポリエステル系樹脂からなる群より選
ばれた有機樹脂の種類により比重が異なるため、およそ
0.05〜2g/m2である。なお、0.05μm 未満
では十分な耐食性および耐汗性が得られない。2μmを
越えると効果が飽和し、経済的でなくなる。なお、通電
性が合わせて要求される場合には、下層の有機樹脂層の
厚さは薄い方が好ましく、1μm以下が適当である。
【0010】次に、上記の複層の有機樹脂層の上層とし
て、シリカおよび潤滑剤を含有する有機樹脂層を設ける
ことが、本発明の今一つの目的とする優れた耐疵付き性
を有し、さらに紙等との滑り性が向上した表面処理金属
板を得るうえで極めて重要である。有機樹脂層中に硬質
のシリカを含有させることにより、層全体の硬度が高ま
り、耐疵付き性、および耐摩耗性が向上する。また有機
樹脂層中に滑り性に富む潤滑剤粉末を含有させることに
より、層表面の摩擦係数が減少し、紙等との滑り性が向
上し、また耐摩耗性もさらに向上する。さらに、上記の
複層の有機樹脂層の上層として、シリカおよび潤滑剤に
加えてクロム酸あるいはクロム酸塩類を含有する有機樹
脂層を設けることが、耐食性を向上させる。また、シラ
ンカップリング剤を含有する有機樹脂層を設けること
が、より耐食性および塗膜密着性を向上させる。
て、シリカおよび潤滑剤を含有する有機樹脂層を設ける
ことが、本発明の今一つの目的とする優れた耐疵付き性
を有し、さらに紙等との滑り性が向上した表面処理金属
板を得るうえで極めて重要である。有機樹脂層中に硬質
のシリカを含有させることにより、層全体の硬度が高ま
り、耐疵付き性、および耐摩耗性が向上する。また有機
樹脂層中に滑り性に富む潤滑剤粉末を含有させることに
より、層表面の摩擦係数が減少し、紙等との滑り性が向
上し、また耐摩耗性もさらに向上する。さらに、上記の
複層の有機樹脂層の上層として、シリカおよび潤滑剤に
加えてクロム酸あるいはクロム酸塩類を含有する有機樹
脂層を設けることが、耐食性を向上させる。また、シラ
ンカップリング剤を含有する有機樹脂層を設けること
が、より耐食性および塗膜密着性を向上させる。
【0011】上層の有機樹脂層を構成する樹脂としては
特に限定するものではないが、シリカおよび潤滑剤粉末
を分散しやすいこと、および環境保全の観点から有機溶
媒系樹脂よりも水に溶解または分散可能な水性樹脂が好
ましく、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、およびポリ
エステル系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂としては、
ウレタン樹脂以外にアクリル、オレフィン、ポリエステ
ルあるいはフッ素等で変性したウレタン樹脂が適当であ
る。アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂以外にウレ
タン、オレフィン、ポリエステルあるいはフッ素等で変
性したアクリル樹脂が適当である。ポリエステル系樹脂
としては、ポリエステル樹脂以外にウレタン、オレフィ
ン、アクリルあるいはフッ素等で変性したポリエステル
樹脂が適当である。
特に限定するものではないが、シリカおよび潤滑剤粉末
を分散しやすいこと、および環境保全の観点から有機溶
媒系樹脂よりも水に溶解または分散可能な水性樹脂が好
ましく、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、およびポリ
エステル系樹脂が好ましい。ウレタン系樹脂としては、
ウレタン樹脂以外にアクリル、オレフィン、ポリエステ
ルあるいはフッ素等で変性したウレタン樹脂が適当であ
る。アクリル系樹脂としては、アクリル樹脂以外にウレ
タン、オレフィン、ポリエステルあるいはフッ素等で変
性したアクリル樹脂が適当である。ポリエステル系樹脂
としては、ポリエステル樹脂以外にウレタン、オレフィ
ン、アクリルあるいはフッ素等で変性したポリエステル
樹脂が適当である。
【0012】上述したように、上層の有機樹脂は水性で
あることが好ましく、水性樹脂を用いて有機樹脂層中に
シリカを含有させるためには、水性樹脂を溶解した水溶
液中に水性のコロイダルシリカを分散させたものを基体
金属板上に塗布し乾燥する等して適用することができ
る。有機樹脂層中に含有させる硬質粉末も特に限定する
ものではないが、上記のように水溶液に分散可能である
こと、安価であること、および透明な皮膜が得られ、下
層の有機樹脂層、または下層の有機樹脂層を透して基体
金属板の色を識別可能にし得るシリカは特に好ましいも
のである。
あることが好ましく、水性樹脂を用いて有機樹脂層中に
シリカを含有させるためには、水性樹脂を溶解した水溶
液中に水性のコロイダルシリカを分散させたものを基体
金属板上に塗布し乾燥する等して適用することができ
る。有機樹脂層中に含有させる硬質粉末も特に限定する
ものではないが、上記のように水溶液に分散可能である
こと、安価であること、および透明な皮膜が得られ、下
層の有機樹脂層、または下層の有機樹脂層を透して基体
金属板の色を識別可能にし得るシリカは特に好ましいも
のである。
【0013】上層の有機樹脂中に含有させる潤滑剤とし
ては、上記の水性樹脂を溶解した水溶液中に分散可能な
ものが好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン、
ポリエチレンワックス等が適用可能である。また、着色
した表面処理皮膜を形成させる場合、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、ボロンナイトライドなどの有色の無
機系潤滑剤の粉末も適用可能である。しかし、これらの
無機系潤滑剤粉末は水溶液中に分散し難いので、有機溶
媒系樹脂を用いる必要がある。
ては、上記の水性樹脂を溶解した水溶液中に分散可能な
ものが好ましく、例えばポリテトラフルオロエチレン、
ポリエチレンワックス等が適用可能である。また、着色
した表面処理皮膜を形成させる場合、二硫化モリブデ
ン、グラファイト、ボロンナイトライドなどの有色の無
機系潤滑剤の粉末も適用可能である。しかし、これらの
無機系潤滑剤粉末は水溶液中に分散し難いので、有機溶
媒系樹脂を用いる必要がある。
【0014】上層の有機樹脂層を基体金属板上に形成さ
せる方法としては、ロールコート法、スプレー法、静電
塗装法等、公知の塗装方法が適用可能であるが、下層の
有機樹脂層を形成させる場合と同様に、有機樹脂層の厚
さは比較的薄くてよいこと、塗装作業の簡便さ、および
経済性の観点から、樹脂を溶解した溶液中に基体金属板
を浸漬し、絞りロール等を用いて余分の樹脂溶液を除去
した後、乾燥させる方法を採用することが好ましい。乾
燥方法も下層の有機樹脂層を形成させる場合と同様に、
熱風乾燥、ガスオープン、電気オーブン、誘導加熱炉
等、いずれの手段を用いてもよく、処理量と経済性の観
点から最も有利な方法を採用すればよい。また、塗装皮
膜が生成した後、UV照射や電子線照射を併用してもよ
い。
せる方法としては、ロールコート法、スプレー法、静電
塗装法等、公知の塗装方法が適用可能であるが、下層の
有機樹脂層を形成させる場合と同様に、有機樹脂層の厚
さは比較的薄くてよいこと、塗装作業の簡便さ、および
経済性の観点から、樹脂を溶解した溶液中に基体金属板
を浸漬し、絞りロール等を用いて余分の樹脂溶液を除去
した後、乾燥させる方法を採用することが好ましい。乾
燥方法も下層の有機樹脂層を形成させる場合と同様に、
熱風乾燥、ガスオープン、電気オーブン、誘導加熱炉
等、いずれの手段を用いてもよく、処理量と経済性の観
点から最も有利な方法を採用すればよい。また、塗装皮
膜が生成した後、UV照射や電子線照射を併用してもよ
い。
【0015】上層の有機樹脂層の皮膜組成としては、シ
リカ:10〜75重量%、潤滑剤:3〜20重量%、残
部が有機樹脂からなる組成とすることが好ましい。シリ
カが10重量%未満および潤滑剤が3重量%未満では十
分な耐疵付き性、耐摩耗性、および良好な滑り性が得ら
れず、一方シリカが75重量%を越えると表面処理皮膜
の加工性が乏しくなり、得られた表面処理金属板に折り
曲げ加工等の加工を施すと、表面処理皮膜に亀裂を生ず
るようになる。また、潤滑剤を20重量%を越えて含有
しても、特性の向上効果が飽和してしまい、かつ経済的
でなくなる。なお、耐食性向上を目的として無水クロム
酸や重クロム酸ナトリウムやクロム酸アンモニウム等の
クロム酸塩類を、効果が認められる 0.1重量%以上添
加してもかまわないが、添加量が多い場合には処理液が
ゲル化し、皮膜形成が困難になる場合もあるので、2重
量%以下が好ましい。また、塗膜密着性および耐食性向
上を目的として、シランカップリング剤を上層の有機樹
脂層中に効果が認められる 0.05重量%以上添加して
もかまわないが、添加量が多い場合には処理液がゲル化
し、皮膜形成が困難になる場合もあるので、1重量%未
満が好ましい。
リカ:10〜75重量%、潤滑剤:3〜20重量%、残
部が有機樹脂からなる組成とすることが好ましい。シリ
カが10重量%未満および潤滑剤が3重量%未満では十
分な耐疵付き性、耐摩耗性、および良好な滑り性が得ら
れず、一方シリカが75重量%を越えると表面処理皮膜
の加工性が乏しくなり、得られた表面処理金属板に折り
曲げ加工等の加工を施すと、表面処理皮膜に亀裂を生ず
るようになる。また、潤滑剤を20重量%を越えて含有
しても、特性の向上効果が飽和してしまい、かつ経済的
でなくなる。なお、耐食性向上を目的として無水クロム
酸や重クロム酸ナトリウムやクロム酸アンモニウム等の
クロム酸塩類を、効果が認められる 0.1重量%以上添
加してもかまわないが、添加量が多い場合には処理液が
ゲル化し、皮膜形成が困難になる場合もあるので、2重
量%以下が好ましい。また、塗膜密着性および耐食性向
上を目的として、シランカップリング剤を上層の有機樹
脂層中に効果が認められる 0.05重量%以上添加して
もかまわないが、添加量が多い場合には処理液がゲル化
し、皮膜形成が困難になる場合もあるので、1重量%未
満が好ましい。
【0016】上層の有機樹脂層の厚さは 0.1〜5μm
である。乾燥重量に換算した場合、ウレタン系、アクリ
ル系またはポリエステル系樹脂からなる群より選ばれた
有機樹脂の種類、および含有させるシリカや潤滑剤の種
類と量により比重が異なるため、およそ0.1〜5g/
m2 である。0.1μm未満では十分な耐食性、耐疵付
き性、耐摩耗性、および良好な滑り性が得られない。5
μmを越えると効果が飽和し、経済的でなくなる。な
お、通電性が合わせて要求される場合には、上層の有機
樹脂層の厚さは薄い方が好ましく、1μm以下が適当で
ある。上記のようにして、金属板に有機樹脂からなる下
層と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂からなる上層
とからなる複層の有機樹脂層を設けてなる耐食性、耐疵
付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板が
得られる。
である。乾燥重量に換算した場合、ウレタン系、アクリ
ル系またはポリエステル系樹脂からなる群より選ばれた
有機樹脂の種類、および含有させるシリカや潤滑剤の種
類と量により比重が異なるため、およそ0.1〜5g/
m2 である。0.1μm未満では十分な耐食性、耐疵付
き性、耐摩耗性、および良好な滑り性が得られない。5
μmを越えると効果が飽和し、経済的でなくなる。な
お、通電性が合わせて要求される場合には、上層の有機
樹脂層の厚さは薄い方が好ましく、1μm以下が適当で
ある。上記のようにして、金属板に有機樹脂からなる下
層と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂からなる上層
とからなる複層の有機樹脂層を設けてなる耐食性、耐疵
付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板が
得られる。
【0017】
【実施例】以下、実施例にて本発明をさらに詳細に説明
する。焼鈍および調質圧延を施した冷延鋼板(厚さ:
0.50mm) をめっき原板とし、アルカリ溶液中で陰
極電解脱脂し、硫酸中で酸洗した後、表1に示す単一め
っき、合金めっき、あるいは複合めっきを施した。めっ
き付着量は20g/m2とした。次いでクロメート処理
し、めっき上に全クロム量として30mg/m 2 のク
ロム水和酸化物皮膜を形成させた。一部の試料について
はクロメート処理を行わなかった。
する。焼鈍および調質圧延を施した冷延鋼板(厚さ:
0.50mm) をめっき原板とし、アルカリ溶液中で陰
極電解脱脂し、硫酸中で酸洗した後、表1に示す単一め
っき、合金めっき、あるいは複合めっきを施した。めっ
き付着量は20g/m2とした。次いでクロメート処理
し、めっき上に全クロム量として30mg/m 2 のク
ロム水和酸化物皮膜を形成させた。一部の試料について
はクロメート処理を行わなかった。
【0018】次いで、表1に示す組成の水性樹脂溶液中
にこれらのめっき鋼板を浸漬し、絞りロールを用いて余
分の樹脂溶液を除去した後、熱風乾燥し、表1に示す厚
さの下層となる有機樹脂層を形成させた。一部の試料に
ついては、クロム酸およびシランカップリング剤を有機
樹脂中に添加した。
にこれらのめっき鋼板を浸漬し、絞りロールを用いて余
分の樹脂溶液を除去した後、熱風乾燥し、表1に示す厚
さの下層となる有機樹脂層を形成させた。一部の試料に
ついては、クロム酸およびシランカップリング剤を有機
樹脂中に添加した。
【0019】次いで、表1に示す組成のシリカと潤滑剤
を含有する水性のウレタンおよびオレフィン変性アクリ
ル樹脂等の溶液中に、上記のようにして下層となる有機
樹脂層を形成させためっき鋼板を浸漬し、絞りロールを
用いて余分の樹脂溶液を除去した後、熱風乾燥し、表1
に示す厚さの上層となる有機樹脂層を形成させた。な
お、一部の試料については、クロム酸およびシランカッ
プリング剤を有機樹脂中に添加した。
を含有する水性のウレタンおよびオレフィン変性アクリ
ル樹脂等の溶液中に、上記のようにして下層となる有機
樹脂層を形成させためっき鋼板を浸漬し、絞りロールを
用いて余分の樹脂溶液を除去した後、熱風乾燥し、表1
に示す厚さの上層となる有機樹脂層を形成させた。な
お、一部の試料については、クロム酸およびシランカッ
プリング剤を有機樹脂中に添加した。
【0020】
【表1】
【0021】このようにして得られた、有機樹脂からな
る下層と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂からなる
上層とからなる複層の有機樹脂層を設けてなる表面処理
鋼板を、以下に示す項目について特性を評価した。 1)耐汗跡性 JIS−K2246に基づいて人工汗を作成し、これを
試料の表面処理鋼板上に滴下し、3分間静置した後拭き
取り、滴下部分の変色の程度を目視評価した。 2)耐汗跡錆性 JIS−K2246に基づく人工汗を試料の表面処理鋼
板上に塗布し乾燥させ、次いで60℃、95%の恒温恒
湿雰囲気中に96時間放置した後、錆の発生程度を目視
評価した。 3)耐疵付き性 試料の表面処理鋼板上にコピー用紙(70g/m2)
を載せ、上から400gfの荷重を載荷した状態で20
00回のラビングを実施し、表面に発生した疵の程度を
目視評価した。 4)加工性 試料の表面処理面が外側にくるように半径1mmで18
0度折り曲げ、折り曲げ部に生じた亀裂の発生程度を目
視評価した。 5)耐食性 JIS−Z2371に基づいて72時間の塩水噴霧試験
を実施し、錆の発生程度を目視評価した。 6)密着性 日本ペイント製SP−F50エナメル塗料を、膜厚5μ
mになるようにバーコーターにて塗布した後、160℃
で20分間焼き付けを行った後、2mmの碁盤目テープ
剥離試験を行い、塗膜残存程度を目視評価した。各特性
の評価は1(劣)〜5(優)の5段階で評価した。評価
結果を表2に示す。
る下層と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂からなる
上層とからなる複層の有機樹脂層を設けてなる表面処理
鋼板を、以下に示す項目について特性を評価した。 1)耐汗跡性 JIS−K2246に基づいて人工汗を作成し、これを
試料の表面処理鋼板上に滴下し、3分間静置した後拭き
取り、滴下部分の変色の程度を目視評価した。 2)耐汗跡錆性 JIS−K2246に基づく人工汗を試料の表面処理鋼
板上に塗布し乾燥させ、次いで60℃、95%の恒温恒
湿雰囲気中に96時間放置した後、錆の発生程度を目視
評価した。 3)耐疵付き性 試料の表面処理鋼板上にコピー用紙(70g/m2)
を載せ、上から400gfの荷重を載荷した状態で20
00回のラビングを実施し、表面に発生した疵の程度を
目視評価した。 4)加工性 試料の表面処理面が外側にくるように半径1mmで18
0度折り曲げ、折り曲げ部に生じた亀裂の発生程度を目
視評価した。 5)耐食性 JIS−Z2371に基づいて72時間の塩水噴霧試験
を実施し、錆の発生程度を目視評価した。 6)密着性 日本ペイント製SP−F50エナメル塗料を、膜厚5μ
mになるようにバーコーターにて塗布した後、160℃
で20分間焼き付けを行った後、2mmの碁盤目テープ
剥離試験を行い、塗膜残存程度を目視評価した。各特性
の評価は1(劣)〜5(優)の5段階で評価した。評価
結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表2に示すように、比較例では評価点3以
下の特性が認められるのに対して、本発明の表面処理金
属板は、耐汗跡性、耐汗跡錆性、耐疵付き性、加工性、
耐食性のいずれにおいても優れている。
下の特性が認められるのに対して、本発明の表面処理金
属板は、耐汗跡性、耐汗跡錆性、耐疵付き性、加工性、
耐食性のいずれにおいても優れている。
【0024】
【発明の効果】本発明は、表面処理金属板上に有機樹脂
からなる下層と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂か
らなる上層とからなる複層の有機樹脂層を設けてなる耐
食性、耐疵付き性、耐汗性、および潤滑性に優れた表面
処理金属板、およびその製造方法であり、本発明の表面
処理金属板を複写機等に適用した場合、コピー用紙の出
し入れ時におけるコピー用紙の擦過による表面処理皮膜
の擦り疵および摩耗が軽減するとともに、滑り性が向上
し、かつ手指が接触した際の汗による変色や錆の発生が
著しく軽減する。
からなる下層と、シリカおよび潤滑剤を含む有機樹脂か
らなる上層とからなる複層の有機樹脂層を設けてなる耐
食性、耐疵付き性、耐汗性、および潤滑性に優れた表面
処理金属板、およびその製造方法であり、本発明の表面
処理金属板を複写機等に適用した場合、コピー用紙の出
し入れ時におけるコピー用紙の擦過による表面処理皮膜
の擦り疵および摩耗が軽減するとともに、滑り性が向上
し、かつ手指が接触した際の汗による変色や錆の発生が
著しく軽減する。
Claims (6)
- 【請求項1】 金属板の少なくとも片面に、ウレタン系
樹脂、アクリル系樹脂、およびポリエステル系樹脂から
なる群より選ばれた有機樹脂からなる下層と、シリカお
よび潤滑剤を含むウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、お
よびポリエステル系樹脂からなる群より選ばれた有機樹
脂からなる上層により構成される、複層の有機樹脂層を
設けてなる耐食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に
優れた表面処理金属板。 - 【請求項2】 前記上層および下層を構成する有機樹脂
の少なくとも一方あるいは両方に、クロム酸あるいはク
ロム酸塩類を 0.1〜2重量%含むことを特徴とする、
耐食性に優れた請求項1に記載の表面処理金属板。 - 【請求項3】 前記上層および下層を構成する有機樹脂
の少なくとも一方あるいは両方に、シランカップリング
剤を 0.05重量%以上1重量%未満含むことを特徴と
する、耐食性および塗膜密着性に優れた請求項1又は2
に記載の表面処理金属板。 - 【請求項4】 前記潤滑剤が、ポリテトラフルオロエチ
レンおよびポリエチレンワックスの少なくとも一方、あ
るいは両方であることを特徴とする、請求項1〜3のい
ずれかに記載の表面処理金属板。 - 【請求項5】 前記金属板が、表面に亜鉛、コバルト、
モリブデン、錫、ニッケルのいずれか1種以上からなる
めっきを施した金属板、あるいはさらにその上層にクロ
ム水和酸化物皮膜を形成させた金属板であることを特徴
とする、請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理金属
板。 - 【請求項6】 金属板を有機樹脂を含む溶液中に浸漬
し、次いで乾燥して金属板表面に下層となる有機樹脂層
を形成させた後、コロイダルシリカおよび潤滑剤粉末を
分散させた有機樹脂を含む溶液中に浸漬し、次いで乾燥
してシリカおよび潤滑剤を含む上層となる有機樹脂層を
形成させることを特徴とする耐食性、耐疵付き性、耐汗
性および潤滑性に優れた表面処理金属板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11153712A JP2000052478A (ja) | 1998-06-02 | 1999-06-01 | 耐食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-167790 | 1998-06-02 | ||
JP16779098 | 1998-06-02 | ||
JP11153712A JP2000052478A (ja) | 1998-06-02 | 1999-06-01 | 耐食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000052478A true JP2000052478A (ja) | 2000-02-22 |
Family
ID=26482252
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11153712A Pending JP2000052478A (ja) | 1998-06-02 | 1999-06-01 | 耐食性、耐疵付き性、耐汗性および潤滑性に優れた表面処理金属板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000052478A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413853B1 (ko) * | 2000-12-30 | 2004-01-07 | 주식회사 디피아이 | 금속 표면의 피복제 조성물 및 이를 사용한 피복 방법 |
KR100643353B1 (ko) | 2004-12-27 | 2006-11-10 | 주식회사 포스코 | 내식성, 내알카리성 및 내지문성이 우수한 금속표면처리제및 이를 이용하여 처리된 강판 |
KR100887094B1 (ko) | 2006-12-28 | 2009-03-04 | 주식회사 포스코 | 수지피복 강판용 저온소부형 크롬프리 전처리 용액 조성물,그 조성물을 이용한 전처리층 제조 방법, 그 제조방법에의한 전처리층 및 그 전처리층을 포함하는 강판 |
WO2010047465A1 (ko) * | 2008-10-20 | 2010-04-29 | (주)와이엔비 | 아연도 강판용 친환경 크롬프리 피막 조성물 |
-
1999
- 1999-06-01 JP JP11153712A patent/JP2000052478A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100413853B1 (ko) * | 2000-12-30 | 2004-01-07 | 주식회사 디피아이 | 금속 표면의 피복제 조성물 및 이를 사용한 피복 방법 |
KR100643353B1 (ko) | 2004-12-27 | 2006-11-10 | 주식회사 포스코 | 내식성, 내알카리성 및 내지문성이 우수한 금속표면처리제및 이를 이용하여 처리된 강판 |
KR100887094B1 (ko) | 2006-12-28 | 2009-03-04 | 주식회사 포스코 | 수지피복 강판용 저온소부형 크롬프리 전처리 용액 조성물,그 조성물을 이용한 전처리층 제조 방법, 그 제조방법에의한 전처리층 및 그 전처리층을 포함하는 강판 |
WO2010047465A1 (ko) * | 2008-10-20 | 2010-04-29 | (주)와이엔비 | 아연도 강판용 친환경 크롬프리 피막 조성물 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040624 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060502 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060906 |