JP2000052377A - 2材質からなる成形品の成形方法および成形用金型 - Google Patents

2材質からなる成形品の成形方法および成形用金型

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JP2000052377A JP23797498A JP23797498A JP2000052377A JP 2000052377 A JP2000052377 A JP 2000052377A JP 23797498 A JP23797498 A JP 23797498A JP 23797498 A JP23797498 A JP 23797498A JP 2000052377 A JP2000052377 A JP 2000052377A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質でしかも品質が一定した、シール付き
の蓋体を安価に成形することができる成形品の成形方法
を提供する。 【解決手段】 比較的少量の軟質材のシール部と、比較
的多量の硬質材のキャップ部が一体化された蓋体を、1
次成形と2次成形とにより成形する。1次成形では軟質
材を射出し、2次成形では軟質材に積層する形で硬質材
を射出する。多量の硬質材で先に成形されて固化してい
る軟質材の接着面を溶融、融着してシール部とキャップ
部を一体化する。このとき、1次成形を型締装置の中心
位置から偏位した位置で、そして2次成形は中心位置で
実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2材質からなる成
形品、例えば軟質材と硬質材とが積層された形で一体化
された成形品の成形方法およびこの成形方法の実施に使
用される成形用金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】容器の開口部を閉鎖するキャップ、流体
輸送用の配管接続用のフランジ等の蓋体を合成樹脂から
成形するときは、周知のように硬質材から成形されてい
る。このような蓋体には内部の流体の漏洩を防止するた
めに、シール、パッキン等のシール体が使用されるが、
このようなシール体の成形には、周知のように軟質材が
使用されている。このように、蓋体とシール体は、性質
の異なる材料から成形されているので、一般には、前も
って蓋体とシール体とを別々に成形し、成形後に蓋体に
シール体を手作業により接着して一体化されている。あ
るいは接着することなく単に装着することも行われてい
る。また、本出願人により例えば特開平9−27730
5号公報により提案しているように、複合成形品の成形
方法が提案されているので、この方法を応用して最初に
硬質材の蓋体を成形する1次成形と、この蓋体を金型に
残した状態でシール体を成形するためのキャビティを、
蓋体の内側と金型との間に確保し、そしてこの確保した
キャビティに軟質材を射出する2次成形とによっても成
形されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の手作業によりシ
ール体を蓋体に接着あるいは装着するように実施する
と、金型等は安価になり、また成形工程も簡単にはな
る。しかしながら、生産性が低下し、また成形品の品質
も一定しない恐れがある。このように、品質が一定しな
いので、全成形品のシールの検査が必要となり、人件費
が嵩み全体としてコストアップになってしまう欠点があ
る。
【0004】これに対し、複合成形品の成形方法を応用
すると、生産性は向上するし、成形品の品質も一定す
る。しかしながら、問題点もある。例えば2部品を一体
化して1個の部品を成形するときは「大きいものに、小
さいものを付ける」という技術的習慣から、樹脂量の多
い蓋体を先に1次成形し、そして樹脂量の少ないシール
体を2次成形するように実施されている。このように実
施しても、成形品の形状が単純なときは問題は少ない
が、一般にシール体は蓋体の裏側にあるので、2次成形
でシール体を成形するためのキャビティを蓋体の内側と
金型との間に確保する必要があり、このため金型が複雑
になり、金型のコストアップになることがある。また、
1次成形された蓋体と、2次成形されるシール体は、2
次成形時に射出される樹脂の熱により、蓋体の一部が溶
融され、そして融着されるが、シール体の樹脂量あるい
は射出量は少ないので、熱容量も小さく、したがって蓋
体の溶融が不十分で接着性が落ちることもある。本発明
は、上記したような問題点を改良すべく提案されたもの
であって、具体的には、高品質でしかも品質が一定し
た、2材質からなる成形品を安価に成形することができ
る2材質からなる成形品の成形方法およびこの方法の実
施に使用される成形用金型を提供することを目的として
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、1次成形では容積あるいは容量の小さい
樹脂を射出し、2次成形では容量の大きい樹脂を射出す
るように構成することにより達成される。すなわち、本
発明は、上記目的を達成するために、比較的少量の第1
樹脂と、比較的多量の第2樹脂とが積層された形で一体
化された成形品を、1次成形と2次成形とにより成形す
る成形方法であって、1次成形では第1樹脂を射出し、
2次成形では1次成形で成形された第1樹脂に積層する
形で第2樹脂を射出し、2次成形で射出された第2樹脂
により1次成形で成形された第1樹脂の一部を溶融、融
着して、第1樹脂と第2樹脂とが一体化された成形品を
得るように構成される。請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載の第1樹脂が軟質材で、第2樹脂が硬質材
で、成形品が蓋、キャップ、フランジ等の蓋体と、シー
ル、パッキン等のシール体とからなる成形品であるよう
に構成され、請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の1次成形を、型締装置の中心位置から偏位し
た位置で、そして2次成形は中心位置で実施するように
構成される。請求項4に記載の発明は、そのパーティン
グライン側に第1、2のコアと凹部とが設けられている
固定金型と、同様にそのパーティングライン側に第1、
2の凹部が設けられていると共に、前記固定金型に対し
て第1、2の位置を採るようにスライド可能に設けられ
ているスライド金型とからなり、前記スライド金型が第
1の位置にあるときに前記固定金型に対して型締めする
と、前記スライド金型の第1の凹部と前記固定金型の第
1のコアとにより比較的容積の小さいキャビティが形成
されると共に、前記スライド金型の第2の凹部と前記固
定金型の凹部とにより、比較的容積の小さいキャビティ
と合わされた比較的容積の大きいキャビティが形成さ
れ、前記スライド金型が第2の位置にあるときに前記固
定金型に対して型締めすると、前記スライド金型の第2
の凹部と前記固定金型の第2のコアとにより比較的容積
の小さいキャビティが形成されると共に、前記スライド
金型の第1の凹部と前記固定金型の凹部とにより、比較
的容積の小さいキャビティと合わされた比較的容積の大
きいキャビティが形成されるように構成される。請求項
5に記載の発明は、請求項4に記載の固定金型の凹部
が、型締装置に対して略中心部に設けられ、第1のコア
と第2のコアは、中心部から等距離の位置に設けられる
ように構成される。
【0006】
【実施の形態】始めに、図1により金型の実施の形態を
説明する。図1に示されているように、本実施の形態に
係わる金型は、概略的には固定金型1と、この固定金型
1と対をなすスライド金型20とから構成されている。
そして、固定金型1は固定盤10に取付プレート11を
介して固定的に取り付けられ、スライド金型20は、可
動盤30に対して図1において上下方向にスライド的に
駆動自在に設けられている。
【0007】固定金型1のパーティングライン側には、
上下方向に所定の間隔をおいて第1、2のコア4、7が
形成され、これらのコア4、7の間に1個の凹部9が形
成されている。この凹部9は、図1には示されていない
が、型締装置の略中心部、例えば4本のタイバーを備え
たトグル式型締装置のときは4本のタイバーの略中心部
に位置するように設けられている。したがって、2次成
形で比較的多量の溶融樹脂を射出するときの樹指圧は、
型締装置に略均等に反作用として作用することになる。
また、第1、2のコア4、7は、中心部から等距離の位
置に設けられている。
【0008】第1、2のコア4、7は、詳しくは後述す
るスライド金型20と共働して容積の小さい軟質材が射
出されるキャビティを形成し、凹部9は容積の大きい硬
質材が射出されるキャビティを形成する。固定金型1
の、取付プレート11側には凹溝すなわち第1のスプル
ー2が中心部から図1において上方へ形成され、この第
1のスプルー2は、第1のコア4の略中心部に開口して
いる第1のランナ3に連なっている。また、固定金型1
の、取付プレート11側には、同様に中心部から下方へ
延びた第2のスプルー5が形成され、この第2のスプル
ー5も同様に第2のコア7の略中心部に開口している第
2のランナ6に連なっている。なお、図1には示されて
いないが、取付プレート11には、切替バルブが設けら
れ、軟質材が第1のスプルー2あるいは第2のスプルー
5の方へ流れるように、例えばスライド金型20の上下
方向のスライドと連動して切り替えられるようになって
いる。また、固定金型1の略中心部には1個のスプルー
・ランナ8が形成され、このスプルー・ランナ8は凹部
9にゲートを介して開口している。
【0009】固定盤10の略中心位置には2個のノズル
タッチ部が設けられ、一方のノズルタッチ部に軟質材射
出用の従来周知の形態をした第1の射出装置12が、そ
して他方のノズルタッチ部には、同様に周知の構造をし
た硬質材射出用の第2の射出装置13が、それぞれ配置
されている。
【0010】スライド金型20の、パーティングライン
側には、比較的大径の第1、2の大径凹部21、23が
形成されている。そして、これらの大径凹部21、23
の底部にさらに比較的小径の第1、2の小径凹部22、
24が形成されている。これらの第1、2の大径凹部2
1、23は、前述したように、固定金型1の第1、2の
コア4、7および凹部9とそれぞれ共働する。したがっ
て、スライド金型20の第1、2の大径凹部21、23
の間隔は、固定金型1の第1のコア4と凹部9との間
隔、あるいは凹部9と第2のコア7との間隔に等しくな
っている。また、スライド金型20の第1、2の大径凹
部21、23に、固定金型1の第1、2のコア4、7が
型締め時には密に入る。これにより、スライド金型20
の小径凹部22、24と、固定金型1の第1、2のコア
4、7の先端部との間に軟質材成形用の、容積の小さい
キャビティkが形成される。また、スライド金型20の
第1、2の大径凹部21、23と、固定金型1の凹部9
とにより硬質材成形用の、容積の大きいキャビティKが
形成される。なお、上記の説明からも明らかなように、
大きいキャビティKは、容積の小さいキャビティkと合
わさったものとなっている。
【0011】上記のように構成されているスライド金型
20は、可動盤30に取り付けられている支持プレート
31に、図1において上下方向にスライド可能に支持さ
れている。さらに詳しく説明すると、支持プレート31
は上下にフランジ部32、33を有する。そして、これ
らのフランジ部32、33の間にスライド金型20が上
下方向にスライド可能に設けられている。支持プレート
31の下方のフランジ部33には、ピストン・シリンダ
ユニット35が取り付けられ、そのロッド36がスライ
ド金型20の下端部に固定されている。したがって、ピ
ストン・シリンダユニット35のロッド36を伸縮する
と、スライド金型20は、その上端部が支持プレート3
1の上方のフランジ部32に当接する第1の位置と、下
方のフランジ部33に当接する第2の位置とに駆動され
る。これらの位置は、後述するように1、2次成形する
位置である。なお、図1には型締装置、成形品突出装置
等は、示されていない。
【0012】次に、上記金型を使用した軟質材のシール
部Sと、硬質材のキャップ部Cとからなる成形品Pの成
形例について、図2〜5も参照しながら説明する。図1
に示されているように、スライド金型20が上方の第1
の位置にあるときに可動盤30を固定盤10に対して型
締めする。そうすると、固定金型1の第1のコア4とス
ライド金型20の第1の小径凹部22とによりシールS
を成形するためのキャビティkが形成される。別途計量
された軟質材の樹脂を第1の射出装置12から射出す
る。軟質材は、第1のスプルー2からランナ3を通って
ゲートから容積の小さいキャビティkに射出される。こ
のようにして、1次成形により軟質材が充填され、シー
ル部Sが成形された状態は、図2の(イ)に示されてい
る。
【0013】軟質材からなるシール部Sは容積が小さい
ので、比較的短時間で固化する。固化を待って可動盤3
0、したがってスライド金型20を開く。そうして、ピ
ストン・シリンダユニット35によりスライド金型20
を、下方の第2の位置へ駆動する。型を開いて第2の位
置へ駆動した状態は図2の(ロ)に示されている。
【0014】この第2の位置は、図3の(イ)に示され
ているように、スライド金型20で成形されたシール
S、すなわち第1の大径凹部21は、固定金型1の凹部
9と、また第2の大径凹部23は、固定金型1の第2の
コア7と整合する位置である。そこで型締めする。そう
すると、スライド金型20で成形されたシール部Sと、
スライド金型20の第1の大径凹部21と、固定金型1
の凹部9とによりキャップ部Cを成形するためのキャビ
ティKが形成される。同時に、スライド金型20の第2
の小径凹部24と、固定金型1の第1のコア7とにより
シールSを成形するためのキャビティkが形成される。
別途計量された硬質材の溶融樹脂を第2の射出装置13
から射出する。硬質材は、スプルー・ランナ8を通って
ゲートからキャビティKに射出される。この2次成形に
よりキャップ部Cが成形される。硬質材からなるキャッ
プ部Cは容積が大きく、熱容量も大きい。したがって、
この硬質材の熱により軟質材の一部が溶融し、軟質材と
硬質材とは一体化される。すなわちシール部Sとキャッ
プ部Cは一体化される。同様に、軟質材の樹脂を第1の
射出装置12から射出する。軟質材は、第2のスプルー
5からランナ6を通ってキャビティkにゲートを通って
射出される。このようにして、2次成形により成形品P
が成形され、また1次成形により軟質材が充填されてシ
ール部Sが成形された状態は、図3の(イ)に示されて
いる。
【0015】冷却固化を待って可動盤30を開く。開い
た状態は図3の(ロ)に示されている。可動盤30を開
くときエジェクタピンが突き出て成形品Pが突き出され
る。
【0016】成形品Pを取り出したら、ピストン・シリ
ンダユニット35によりスライド金型20を、上方の第
1の位置へ駆動する。型を開いて第1の位置へ駆動した
状態は図4の(イ)に示されている。この位置で可動盤
30を固定盤10に対して型締めする。そうすると、固
定金型1の第1のコア4とスライド金型20の第1の小
径凹部22とによりシールSを成形するためのキャビテ
ィkが形成される。同時に、スライド金型20で成形さ
れたシール部Sと、スライド金型20の第2の大径凹部
23と、固定金型1の凹部9とによりキャップ部Cを成
形するためのキャビティKが形成される。別途計量され
た軟質材の樹脂を第1の射出装置12から射出する。軟
質材は、第1のスプルー2からランナ3を通ってゲート
からキャビティkに射出される。硬質材を第2の射出装
置13から射出する。硬質材は、スプルー・ランナ8を
通ってゲートからキャビティKに射出される。これによ
り、前述したようにして軟質材のシール部Sと硬質材の
キャップ部Cとは一体化される。このようにして、1次
成形と2次成形とが同時に実施された状態は、図4の
(ロ)に示されている。
【0017】冷却固化を待って可動盤30を開く。開い
た状態は図5の(イ)に示されている。可動盤30を開
くとき、エジェクタピンが突き出て成形品Pが突き出さ
れる。成形品Pを取り出したら、ピストン・シリンダユ
ニット35によりスライド金型20を、下方の第2の位
置へ駆動する。成形品Pを取り出して第2の位置へ駆動
した状態は図5の(ロ)に示されている。この位置で可
動盤30を型締めする。そうすると、固定金型1の第2
のコア7とスライド金型20の第2の小径凹部24とに
よりシールSを成形するためのキャビティkが形成され
る。同時に、スライド金型20で成形されたシール部S
と、スライド金型20の第1の大径凹部21と、固定金
型1の凹部9とによりキャップ部Cを成形するためのキ
ャビティKが形成される。したがって、前述したように
して、第1、2の射出装置12、13から軟質材と硬質
材とをそれぞれ射出すると、シール部Sとキャップ部C
とからなる成形品Pと、シール部Sとがそれぞれ成形さ
れる。この状態は、図4の(ハ)に示されている。以下
同様にして成形品を成形する。
【0018】次に、固定盤10に対してスライド金型2
0’をスライドさせる実施の形態を、図6により説明す
る。なお、前述した実施の形態の構成要素と同じ要素に
は同じ参照数字を、そして同様な作用あるいは機能を奏
する要素には同じ参照数字にダッシュ「’」を付けて詳
しい説明はしないが、本実施の形態によると、スライド
金型20’は、固定盤10に対して、図6において上下
方向にスライドするようになっている。したがって、本
実施の形態では、スライド金型20’のパーティングラ
イン側に、比較的大径のコア303と、このコア303
と所定の間隔をおいて、このコア303と整合する大き
さの大径の凹部304が設けられている。なお、スライ
ド金型20’には、一方が第1の射出装置12に、そし
て他方がコア303の先端面に開口した第1のランナ
3’と、同様に一方が第2の射出装置13に、そして他
方が大径の凹部304に開口した第2のランナ6’とが
それぞれ設けられている。
【0019】可動盤30に取り付けられている可動金型
300には、パーティングライン側に開口した比較的大
径の凹部301が形成され、この凹部301の底部に比
較的小径の凹部302がさらに形成されている。この大
径の凹部301は、スライド金型20’の大径の凹部3
04と整合する大きさになっていると共に、スライド金
型20’のコア303が密に嵌まるようになっている。
そして、嵌ると小径の凹部302とスライド金型20’
のコア303の先端部とにより比較的小さいキャビティ
k’が形成される。
【0020】上記金型を使用した軟質材のシール部S’
と、硬質材のキャップ部とからなる成形品の成形例につ
いて説明する。スライド金型20’が下方にある位置で
型締めする。そうすると、図6の(イ)に示されている
ように、スライド金型20’のコア303が可動金型3
00の比較的大径の凹部301に密に嵌まり、小径の凹
部302とスライド金型20’のコア303の先端部と
により比較的小さいキャビティk’が形成される。そこ
で、別途計量された軟質材の樹脂を第1の射出装置12
から射出する。軟質材は、第1のスプルー2’から第1
のランナ3’を通ってゲートから容積の小さいキャビテ
ィk’に射出される。この1次射出により軟質材のシー
ル部S’が成形される
【0021】冷却固化を待って可動盤30を開き、スラ
イド金型20’を上方へスライドできる状態にする。シ
ール部S’が可動金型300に残った状態で、スライド
金型20’の大径の凹部304が可動金型300の大径
の凹部301と整合する位置まで、スライド金型20’
を上方へスライドさせる。そうして、型締めする。そう
すると、図6の(ロ)に示されているように、スライド
金型20’の大径の凹部304と可動金型300の大径
の凹部301とにより、硬質材のキャップ部を成形する
ための容積の大きいキャビティK’が形成される。キャ
ビティK’の底にはシール部S’が既に成形されている
ので、このキャビティK’に別途計量された硬質材の溶
融樹脂を第2の射出装置13から射出する。硬質材は、
スプルー・ランナ8’、第2のランナ6’を通ってゲー
トからキャビティK’に射出される。この2次成形によ
りキャップ部が、シール部S’と一体的に成形される。
冷却固化を待って可動盤30を開いて成形品を取り出
す。以下同様にして成形する。本実施の形態によると、
1個取りの成形に適し、また1、2次成形が金型の略中
心部で実施されるので、金型に偏荷重が作用することが
なく、大型の成形品の成形にも適している。
【0022】本発明は、上記実施の形態に限定されるこ
となく、色々な形で実施できることは明らかである。例
えば、固定金型の第1、2のコアを水平方向に配置し
て、スライド金型を水平方向にスライドするように実施
することもできる。また、装置のレイアウトによって
は、斜め方向に駆動するように実施できることも明らか
である。さらには、上記の実施の形態では、軟質材のシ
ール部と硬質材のキャップとから成形品を成形する例に
ついて説明したが、同様にして、フランジとパッキンと
からなる成形品も成形できる。また、上記の実施の形態
では、キャビティK、K’、k、k’の形状を円形のも
ので成形する例について説明したが、キャビティの形状
は円形に限らず実施できることは明らかであるし、軟質
材と硬質材とに限らず、容積あるいは容量の異なる2材
質からなる成形品も、同様にして1次成形で容積の小さ
い方を射出し、2次成形で大きい方を射出して成形品を
得ることもできる。
【0023】
【発明の効果】以上ように、本発明によると、比較的少
量の第1樹脂と、比較的多量の第2樹脂とが積層された
形で一体化された成形品を成形するとき、1次成形では
容積あるいは容量の小さい樹脂を射出し、2次成形では
容量の大きい樹脂を射出するように構成されているの
で、容量の大きい溶融樹脂の熱により、先に射出されて
固化している比較的少量の第1樹脂の一部を充分に溶融
して接着することができる。したがって、接着性の高い
高品質の2材質からなる成形品を得ることができる。ま
た、他の発明によると、1次成形を、型締装置の中心位
置から偏位した位置で、そして2次成形は中心位置で実
施するように構成されているので、2次成形時に作用す
る比較的大きな樹脂圧力が金型および型締装置に均等に
作用し、金型および型締装置の耐用年数が延びる効果が
得られる。さらに他の発明によると、スライド金型を固
定金型に対して型締めすると、比較的容積の小さいキャ
ビティが形成されると共に、比較的容積の小さいキャビ
ティと合わされた比較的容積の大きいキャビティが形成
されるので、比較的容積の小さいキャビティで例えば軟
質材のシール部を成形することができ、同時に比較的容
積の小さいキャビティにシール部を残して比較的容積の
大きいキャビティに硬質材を射出すると、軟質材と硬質
材とからなる例えばシール付きのキャップを得ることが
できる。しかも、本発明によると、型締めすると、比較
的容積の小さいキャビティと、比較的容積の小さいキャ
ビティと合わされた比較的容積の大きいキャビティとが
形成されるので、換言すると、2次成形用の空間を従来
のように格別に確保することなく、型締めするだけで得
られるので、金型の構造が簡単になり、安価に金型ある
いは成形品を提供できる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる金型を開いた状
態で一部を断面にして示す正面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係わる成形工程を示す
図で、その(イ)はスライド金型の第1の位置で1次成
形が終わった状態を一部断面にして示す正面図、その
(ロ)はその位置で型を開いた状態を一部断面にして示
す正面図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係わる成形工程を示す
図で、その(イ)はスライド金型の第2の位置で1、2
次成形が終わった状態を一部断面にして示す正面図、そ
の(ロ)はその位置で型を開いて成形品を取り出す状態
を一部断面にして示す正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係わる成形工程を示す
図で、その(イ)はスライド金型を第1の位置へスライ
ドさせて、型を開いた状態を一部断面にして示す正面
図、その(ロ)はその位置で1、2次成形が終わった状
態を一部断面にして示す正面図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係わる成形工程を示す
図で、その(イ)はスライド金型の第1の位置で型を開
いて成形品を取り出す状態を一部断面にして示す正面
図、その(ロ)はスライド金型を第2の位置へスライド
させて、型を開いた状態を一部断面にして示す正面図、
その(ハ)はその位置で1、2次成形が終わった状態を
一部断面にして示す正面図である。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す図で、その
(イ)は1次成形のために金型を閉じた状態で一部を断
面にして示す正面図、その(ロ)は2次成形のために金
型を閉じた状態で一部を断面にして示す正面図である。
【符号の説明】
1 固定金型 4 第1の
コア 7 第2のコア 9 凹部 20 スライド金型 21 第1の
大径凹部 22 第1の小径凹部 23 第2の
大径凹部 24 第2の小径凹部 k 比較的容積の小さいキャビティ K 比較的容積の大きいキャビティ S シール部 C キャップ部 P 成形品

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比較的少量の第1樹脂と、比較的多量の
    第2樹脂とが積層された形で一体化された成形品を、1
    次成形と2次成形とにより成形する成形方法であって、 1次成形では第1樹脂を射出し、2次成形では1次成形
    で成形された第1樹脂に積層する形で第2樹脂を射出
    し、2次成形で射出された第2樹脂により1次成形で成
    形された第1樹脂の一部を溶融、融着して、第1樹脂と
    第2樹脂とが一体化された成形品を得ることを特徴とす
    る2材質からなる成形品の成形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の第1樹脂が軟質材で、
    第2樹脂が硬質材で、成形品が蓋、キャップ、フランジ
    等の蓋体と、シール、パッキン等のシール体とからなる
    成形品である、2材質からなる成形品の成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の1次成形を、
    型締装置の中心位置から偏位した位置で、そして2次成
    形は中心位置で実施する、2材質からなる成形品の成形
    方法。
  4. 【請求項4】 そのパーティングライン側に第1、2の
    コア(4、7)と凹部(9)とが設けられている固定金
    型(1)と、同様にそのパーティングライン側に第1、
    2の凹部(21、22、23、24)が設けられている
    と共に、前記固定金型(1)に対して第1、2の位置を
    採るようにスライド可能に設けられているスライド金型
    (20)とからなり、 前記スライド金型(20)が第1の位置にあるときに前
    記固定金型(1)に対して型締めすると、前記スライド
    金型(20)の第1の凹部(22)と前記固定金型
    (1)の第1のコア(4)とにより比較的容積の小さい
    キャビティ(k)が形成されると共に、前記スライド金
    型(20)の第2の凹部(23)と前記固定金型(1)
    の凹部(9)とにより、比較的容積の小さいキャビティ
    (k)と合わされた比較的容積の大きいキャビティ
    (K)が形成され、 前記スライド金型(20)が第2の位置にあるときに前
    記固定金型(1)に対して型締めすると、前記スライド
    金型(20)の第2の凹部(24)と前記固定金型
    (1)の第2のコア(7)とにより比較的容積の小さい
    キャビティ(k)が形成されると共に、前記スライド金
    型(20)の第1の凹部(23)と前記固定金型(1)
    の凹部(9)とにより、比較的容積の小さいキャビティ
    (k)と合わされた比較的容積の大きいキャビティ
    (K)が形成されることを特徴とする、2材質からなる
    成形品の成形用金型。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の固定金型(1)の凹部
    (9)が、型締装置に対して略中心部に設けられ、第1
    のコア(4)と第2のコア(7)は、中心部から等距離
    の位置に設けられている、2材質からなる成形品の成形
    用金型。
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