JP2000052111A - 切削工具のスローアウェイチップ保持機構 - Google Patents

切削工具のスローアウェイチップ保持機構

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JP2000052111A
JP2000052111A JP10219416A JP21941698A JP2000052111A JP 2000052111 A JP2000052111 A JP 2000052111A JP 10219416 A JP10219416 A JP 10219416A JP 21941698 A JP21941698 A JP 21941698A JP 2000052111 A JP2000052111 A JP 2000052111A
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tip
mounting seat
chip
throw
away
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JP10219416A
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Takeshi Hirose
武史 廣瀬
Tatsuo Arai
辰夫 新井
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チップ保持力が高く寿命が長い。 【解決手段】 スチール製の工具本体21にチップ取付
座23を設け、その底面23aに円板形の凹陥部25を
設ける。超硬合金製のチップ26の下面27に円板形の
凸部32を設ける。常温で、締め代として、凹陥部25
の内径を凸部32の外径より若干小さく設定する。また
凹陥部25から側壁23b,23cまでの距離をチップ
26の凸部32から側面29までの距離より小さく設定
する。焼き嵌めでチップ取付座23の凹陥部25にチッ
プ26の凸部32を嵌合すると共に凹陥部25と側壁2
3b,23cでチップ26の凸部32と側面29の間を
押圧して固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具の工具本
体に設けられたチップ取付座にスローアウェイチップを
取り外し可能に装着するスローアウェイチップ保持機構
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、スローアウェイ式切削工具におい
て、工具本体のチップ取付座にスローアウェイチップを
取り外し可能に装着するスローアウェイチップ保持機構
として、例えば図12及び図13に示すネジ止め機構が
ある。図12及び図13に示すスローアウェイ式ボール
エンドミル1は工具本体2の先端部に凹部形状のチップ
取付座3が設けられ、その底面3aにネジ穴4が形成さ
れている。そして、チップ取付座3に装着されたスロー
アウェイチップ5には底面3aに着座する着座面を下面
として対向する上面との間の中央部を貫通する貫通孔5
aが形成され、貫通孔5aに挿通された締結ネジ6をネ
ジ穴4に締め込むことで、チップ5は工具本体2に固定
されることになる。また別のスローアウェイチップ保持
機構として図14及び図15に示すクランプ機構があ
る。この機構では、スローアウェイ式エンドミル7の工
具本体8のチップ取付座9に装着されたスローアウェイ
チップ10の上面10aをクランプ部材11で押圧し、
クランプ部材11はネジ12によって工具本体8に固定
されている。そのため、ネジ12を締め込むことでクラ
ンプ部材11によってチップ上面10aを押圧固定でき
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ネジ止め機構では、チップ締結状態のネジが緩みやすい
という欠点があり、チップ5の固定のために締結ネジ6
を過剰に締め付けることがあったりチップ5の切刃にか
かる切削抵抗の応力のためにチップ5の貫通孔5a付近
に亀裂が入ったり欠けたりする等の欠点があり、また重
切削等の際にチップ5が発熱して締結ネジ6が焼き付き
を生じるとチップ交換を行おうとしても締結ネジ6がチ
ップ5から外れないという欠点もある。また後者のクラ
ンプ機構では、クランプ部材11を固定するネジ12が
緩みやすく、クランプ部材11に設けたネジ12の貫通
孔に切削抵抗などのために亀裂や欠け等が入りやすいと
いう欠点があり、更に機構が複雑で部品点数が増加する
等の欠点がある。
【0004】本発明は、このような課題に鑑みて、強固
な保持力を有していてスローアウェイチップの寿命が長
い切削工具のスローアウェイチップ保持機構を提供する
ことを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る切削工具の
スローアウェイチップ保持機構は、工具本体のチップ取
付座にスローアウェイチップが装着されてなる切削工具
において、スローアウェイチップがチップ取付座に締ま
り嵌めで固定されていることを特徴とする。チップを締
まり嵌めで工具本体のチップ取付座に固定することで、
ネジ穴やクランプ部材などを備える必要がなく、そのた
めに構造が簡単で亀裂や欠け等が入りにくくチップ及び
チップ保持機構の寿命が長い。
【0006】また、チップ取付座及びスローアウェイチ
ップの一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部と
のいずれかに締め代が設けられ、チップ取付座の凸部ま
たは凹部から側壁までの距離とスローアウェイチップの
凹部または凸部から前記側壁に当接する側面までの距離
とのいずれかに締め代が設けられていて、互いに焼き嵌
めで嵌合されていてもよい。焼き嵌め時には熱膨張によ
って締め代相当の寸法差を吸収して凹部及び凸部で嵌合
させると共にチップの側面をチップ取付座の側壁に嵌合
し、冷却後には収縮してチップ取付座の締め代分がスロ
ーアウェイチップを押圧する締め代圧となって確実且つ
強力にスローアウェイチップを保持できる。尚、チップ
取付座に凹部を設け、常温においてこの凹部の寸法と凹
部から側壁までの距離とを、チップに設けた凸部の寸法
と凸部から側面までの距離より小さく設定して締め代と
することで、その寸法差が締め代圧となってチップを強
力に保持できる。また、スローアウェイチップよりもチ
ップ取付座の方が熱膨張率が大きい材質であってもよ
い。加熱時にはチップ取付座の方がより膨張するために
締め代分の寸法差を吸収してチップの嵌合が可能であ
り、冷却時にはチップ取付座の収縮が大きいために嵌合
されたチップを締め代分の圧によってチップ取付座で強
固に挟持して保持できる。その際、チップ取付座のみを
加熱してスローアウェイチップと焼き嵌めするようにし
てもよい。一方のみを加熱することで効率的に焼き嵌め
ができる。
【0007】また、スローアウェイチップの着座面に凹
部が形成され、チップ取付座の底面に凹部と嵌合する凸
部が形成されていてもよい。スローアウェイチップに凹
部を形成することで、パンチなどによるチップの製造が
容易である上に保管、搬送にも便利である。また、チッ
プ取付座の底面に対して側壁は90°以下の角度をなす
ように形成されていてもよい。焼き嵌めの際、冷却時に
チップとチップ取付座とが相対的に収縮してチップ取付
座でチップを押圧保持するが、当初の予定よりもチップ
取付座の収縮量が大きくてもチップの側面がチップ取付
座の側壁に乗り上げることがなく、側壁の頂部でチップ
側面を確実に押圧して固定できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施の形態
によるスローアウェイ式エンドミルを図1乃至図6によ
り説明する。図1はスローアウェイ式エンドミルの平面
図、図2は図1に示すスローアウェイ式エンドミルのA
−A線拡大断面図、図3はスローアウェイ式エンドミル
の先端面図、図4は工具本体のチップ取付座の部分の拡
大平面図、図5はスローアウェイチップの側面図、図6
はスローアウェイチップの下面図である。図1乃至図3
に示すスローアウェイ式エンドミル20において、工具
本体21は例えばスチール製で略円柱棒状に形成され、
その先端部が一部カットされて切り欠け部22が形成さ
れている。切り欠け部22は基端側の傾斜部22aとそ
の先端側の平面部22bとされ、平面部22bは基端側
から先端側に向けて漸次厚みが増大するように側面視で
工具本体21の回転軸線Oに対して鋭角で交差して形成
されている(図2参照)。この平面部22bにはその先
端角部を図2乃至図4に示すように平面視で略四角形板
状に切り欠いて凹部形状のチップ取付座23が形成され
ている。チップ取付座23は図4に示すように平面状の
底面23aと互いに交差する二つの側壁23b,23c
とで形成されている。側壁23b,23cは図2乃至図
4に示すように底面23aに対して鈍角をなすように傾
斜して配置され、しかも側壁23b,23cの交差部に
はぬすみ部24が設けられている。そして、底面23a
の中央部には円板形の凹陥部25が形成され、平面視で
凹陥部25の中心から二つの側壁23b,23cまでの
距離dは等しく設定されている(図4参照)。
【0009】チップ取付座23に装着されるスローアウ
ェイチップ(以下、チップということがある)26は例
えばスチールより熱膨張率の小さい超硬合金製で略円板
形状とされている。チップ26の着座面をなす下面27
に対向して下面27と略平行な上面28が設けられ、上
下面28,27はそれぞれ平面視円形とされ、上下面2
8,27間の略リング状の側面29は下面27から上面
28に向けて外側に傾斜しており、上面28と側面29
との円形の交差稜線が切刃30とされたポジチップとさ
れている。側面29には、図5に示すように例えば略か
まぼこ形で位置決め用の複数の基準平面29a…が周方
向に連続して配列され、いずれか二つの基準平面29
a,29aがチップ取付座23の側壁23b、23cに
面で当接することによってチップ26を周方向の任意の
位置に固定できる。この基準平面29a…は図5では下
面27から上面方向途中まで延びて形成されているが、
側面29において上下面方向の任意の位置に形成するこ
とができる。更にチップ26の下面27にはその中央部
に下面27より小径の円板形状の凸部32が突出形成さ
れ、この凸部32がチップ取付座23の底面23aの凹
陥部25に焼き嵌めで嵌合されている。
【0010】常温において、チップ取付座23の凹陥部
25の内径はチップ26の凸部32の外径よりも若干小
さく設定し(例えば寸法差D1=30μm)、同時に凹
陥部25から二つの側壁23b,23cまでの距離d,
dはチップ26の凸部32から側面29の基準平面29
aまでの距離よりも若干小さく(例えば寸法差D2=3
0μm)設定しておく。寸法差D1,D2は締め代とな
る。この場合、焼き嵌め時にスチール製の工具本体21
の熱膨張率は超硬合金製のチップ26の熱膨張率よりも
大きいために、常温での凹陥部25の内径と凸部32の
外径の寸法差D1、そして凹陥部25から側壁23b,
23cまでの距離と凸部32から基準平面29aまでの
距離の寸法差D2を膨張率の差によって吸収して互いに
嵌合できる。その後に冷却されることで、常温でのこれ
らの寸法差D1,D2が締め代となってチップ26はチ
ップ取付座23に強固に固定されることになる。
【0011】本実施の形態は上述のように構成されてお
り、次に焼き嵌めによる工具本体21へのチップ26の
装着方法について説明する。スチール製の工具本体21
と超硬合金製のスローアウェイチップ26について嵌合
前に予め加熱し、加熱状態でチップ26の凸部32をチ
ップ取付座23の凹陥部25に嵌合させてチップ26の
下面27を着座面として底面23aに着座させると共に
チップ26の側面29の二つの基準平面29a,29a
を二つの側壁23b,23cにそれぞれ面で当接させ
て、チップ26をチップ取付座23に装着する。この
時、焼き嵌め時にスチール製の工具本体21の熱膨張率
は超硬合金製のチップ26の熱膨張率よりも大きいため
に、常温での凹陥部25の内径と凸部32の外径の寸法
差D1、そして凹陥部25から側壁23b,23cまで
の距離と凸部32から基準平面29aまでの距離の寸法
差D2が解消され互いに嵌合される。その後、冷却する
ことで、工具本体21の方がチップ26よりも収縮率が
大きいので、これらの寸法差D1,D2が締め代となる
ため、この締め代圧によってチップ26は凸部32が凹
陥部25で固定され、同時に二つの側壁23b,23c
にそれぞれ面接触する二つの基準平面部29a,29a
が側壁23b,23cで押圧されて、凸部32が嵌合す
る凹陥部25との間でチップ26はチップ取付座23に
強固に保持固定されることになる。尚、凸部32や凹陥
部25は円板形状に限定されることなく適宜の形状のも
のを採用できる。
【0012】上述のように本実施の形態によれば、焼き
嵌め嵌合によってスローアウェイチップ26を工具本体
21のチップ取付座23に強固に固定でき、チップ26
の保持力が高い。しかも従来のネジ止め機構やクランプ
機構と比較してチップ保持機構の構造が簡単で部品点数
が少なくて済み、低コストである。またチップ26に挿
通孔が穿孔されないから締結ネジの締め込み時や切削抵
抗などによって亀裂や欠け等が入るおそれもなく、重切
削時等にチップ26の切刃付近で熱が生じても上述の各
嵌合部に伝わる熱は焼き嵌め温度よりも低いのでチップ
26の嵌合保持状態が緩むおそれもない。しかも冷却時
の工具本体21の収縮によって凹陥部25と側壁23
b,23cとでチップ26の側面29を工具本体21の
二つの側壁23b,23cに押しつけることができ、切
刃30の正確な位置決めができる。
【0013】次に本発明の第二の実施の形態を図7乃至
図10により説明するが、上述の実施の形態と同一又は
同様の部分については同一の符号を用いて説明する。図
7はバイトの先端部分の平面図、図8はスローアウェイ
チップの下面図、図9はバイトのチップ取付座の平面
図、図10は図7のB−B線拡大断面図である。図7に
示すバイト33のバイト本体(工具本体)34は例えば
スチール製とされ、その先端角部に設けられた平面視略
四角形状(図ではひし形)をなす凹陥部形状のチップ取
付座35に、略四角形(図ではひし形)板状のスローア
ウェイチップ36が焼き嵌め嵌合によって装着されてい
る。チップ36は例えば超硬合金製とされている。チッ
プ取付座35は略平面状の底面35aと二つの側壁35
b,35cとを備え、側壁35b,35cの交差部にぬ
すみ部37が形成されている。底面35aは例えば略ひ
し形とされ、対向する鋭角のコーナー部35a−1,3
5a−2の一方はぬすみ部37に位置し、他方はバイト
34の先端角部に位置している。また対向する鈍角コー
ナー部35a−3,35a−4を結ぶ対角線方向に断面
略四角形のキー溝38が形成されている。ここで、キー
溝38は図9に示すようにチップ取付座35の互いに交
差する二つの側壁35b,35cの長手方向に延在する
角度範囲α内に延在して位置する任意の仮想線Lに対し
て直交する方向に配設されている。この条件を満たせば
キー溝38は必ずしも鈍角コーナー部35a−3,35
a−4を結ぶ対角線方向に設けられていなくてもよい。
【0014】チップ取付座35の側壁35b,35cは
底面35aに対して鋭角βをなすように傾斜して配設さ
れている(図10参照)。これに対して、チップ36は
底面35aに着座する着座面をなす下面40とこれに対
向する上面41とを備え、上下面41,40間の側面4
2は下面40から上面41に向けて外側に傾斜してお
り、上面41と側面42との交差稜線が切刃41aとさ
れ、このチップ36はポジチップとされている。下面4
0には、例えば図8に示すように、対向する鈍角のコー
ナー部40a,40bを結ぶ対角線方向に断面略四角形
のキー部材44が突出して形成され、キー部材44は焼
き嵌めによってチップ取付座35のキー溝38に嵌合さ
れるようになっている。そして、常温において、図8及
び図9に示すようにチップ取付座35のキー溝38の幅
寸法w1はチップ36のキー部材44の幅寸法w2より
も若干小さく設定し(例えば寸法差D3=30μm)、
同時にキー溝38から二つの側壁35b,35cまでの
距離はチップ36のキー部材44から対応する側面42
までの距離よりも若干小さく(例えば寸法差D4=30
μm)設定しておく。寸法差D3,D4は締め代とな
る。
【0015】本実施の形態は上述のように構成されてお
り、次にバイト本体34のチップ取付座35へのチップ
36の焼き嵌めによる装着方法について説明する。スチ
ール製のバイト本体34と超硬合金製のスローアウェイ
チップ36について嵌合前に予め加熱し、加熱状態でチ
ップ36のキー部材43をチップ取付座35のキー溝3
8に嵌合させてチップ36の下面40を底面35aに着
座させると共にチップ36の隣接する二つの側面42,
42を二つの側壁35b,35cにそれぞれ当接させ
て、チップ36をチップ取付座35に装着する。この
時、焼き嵌め時にスチール製のバイト本体34の熱膨張
率は超硬合金製のチップ36の熱膨張率よりも大きいた
めに、常温でのキー溝38とキー部材43の幅w1,w
2の寸法差D3、そしてキー溝38から側壁35b,3
5cまでの距離とキー部材43から側面42,42まで
の距離の寸法差D4が解消され互いに嵌合される。その
後、冷却することで、バイト本体34の方がチップ36
よりも収縮率が大きいので、これらの寸法差D3,D4
が締め代となってチップ36はチップ取付座35に強固
に保持固定されることになる。この時、キー溝38と側
壁35b,35cとの間の距離が比較的大きく収縮する
ことで、キー部材43を介してチップ36の側面42,
42が二つの側壁35b,35cに押しつけられ、チッ
プ36の切刃41aが正確に位置決めされることにな
る。
【0016】ところで、第一の実施の形態では、工具本
体21の冷却による収縮時に、図2に示すように、チッ
プ取付座23の側壁23b,23cが底面23aに対し
て鈍角をなすために側壁23b,23cと側面29(の
基準平面29a)とが同一方向に傾斜して面接触するこ
とになる。そのため、バイト本体34の収縮量が予定よ
り大きい場合にはチップ取付座23の収縮応力のために
ポジのチップ26の側面29が側壁23bに乗り上げて
位置ずれを起こすおそれがあった。これに対して本実施
の形態では、チップ取付座35の二つの側壁35b,3
5cを底面35aに対して鋭角βに傾斜させて構成した
から、例えば図10に示すようにポジのチップ36の側
面42に側壁35b(35c)の頂部が線接触すること
になる。そのため、冷却時におけるバイト本体34の収
縮量が予定より大きくてもチップ36の側面42が側壁
35b(35c)に乗り上げて位置ずれを起こすことは
なく、締め代圧がより大きくなり、一層強固に焼き嵌め
固定できるという利点がある。尚、チップ取付座35の
底面35aに対する側壁35b,35cの傾斜角は鋭角
βに限定されることなく、90°でもよい。また、図1
0ではチップ36の側面42の方がチップ取付座35の
側壁35b,35cより高さを大きく設定したが、逆に
側壁35b,35cの方を側面42より高くしてもよ
い。
【0017】このように本実施の形態によれば、熱膨張
率の大きいバイト本体34のキー溝38とキー部材43
によってチップ36を確実にチップ取付座35の二つの
側壁35b,35cに押圧固定できる。また、本実施の
形態によれば、互いに焼き嵌め嵌合するキー部材43と
キー溝38とが、互いに交差する二つの側壁35b,3
5cの角度範囲α内の仮想線Lに対して直交する方向に
配設されているから、バイト本体34の冷却による収縮
によってチップ36をチップ取付座35の側壁35b,
35cに押しつける方向に締め代圧が働くから、チップ
36を正確に位置決め固定できる。しかもバイト本体3
4の収縮量が予定よりも大きくても、側壁35b,35
cによって確実にチップ36の側面42を側壁35b,
35cに押圧固定でき、チップ36が側壁35b,35
cに乗り上げることはない。
【0018】尚、上述の各実施の形態では、チップ2
6,36の下面27,40に凸部32やキー部材43を
設け、チップ取付座23,35の底面23a,35aに
凹陥部25やキー溝38を設けたが、これとは逆にチッ
プ26,36の下面27,40に凹陥部25やキー溝3
8を設け、チップ取付座23,35の底面23a,35
aに凸部32やキー部材43を設けるようにしてもよ
い。例えば、図11に示す変形例では、超硬合金製のチ
ップ46の着座面をなす下面47に凹陥部48が形成さ
れ、スチール製の工具本体49のチップ取付座50の底
面50aに凸部51が形成されている。この構成を採用
することによって、チップ46に凸部が形成されないこ
とで、パンチなどによるチップ46の製造、保管、移送
などが容易になる。
【0019】スローアウェイチップチップ26,36,
46はポジチップに限定されることなくネガチップでも
よく、この場合、チップ取付座23,35,50の底面
に対する側壁の傾斜角を90°以下とする。傾斜角が9
0°であれば焼き嵌め時にチップの側面と面接触する
が、この場合であってもチップに過大な締め代圧がかか
ってもチップが側壁に乗り上げることはない。尚、上述
の実施の形態ではチップ26,36,46とチップ取付
座23,35,50を有する工具本体の両方を加熱して
焼き嵌めすることとしたが、これに限定されることな
く、熱膨張率のより高い工具本体だけを加熱して焼き嵌
めするようにしてもよい。或いは凸部32,51やキー
部材43等を冷却して収縮させることで凹陥部25,4
8やキー溝38等と締まり嵌めさせてもよい。またチッ
プ26,36,46とチップ取付座23,35,50の
材質は超硬合金とスチールに限定されることはなく、チ
ップ取付座23,35,50を有する工具本体の材質が
スローアウェイチップよりも熱膨張率が高ければ、適宜
の材質を採用できる。また本発明はエンドミルやバイト
等に限定されることなく各種転削工具や旋削工具等の任
意のスローアウェイ式切削工具に採用できる。尚、凸部
32,51やキー部材43は凸部を構成し、凹陥部2
5,48やキー溝38は凹部を構成する。
【0020】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る切削工具の
スローアウェイチップ保持機構は、スローアウェイチッ
プがチップ取付座に締まり嵌めで固定されているから、
チップの固定手段としてネジ穴やクランプ部材などを備
える必要がなく、そのために構造が簡単で亀裂や欠け等
が入りにくくチップ及びその保持機構の寿命が長い。
【0021】また、チップ取付座及びスローアウェイチ
ップの一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部と
のいずれかに締め代が設けられ、チップ取付座の凸部ま
たは凹部から側壁までの距離とスローアウェイチップの
凹部または凸部から側壁に当接する側面までの距離との
いずれかに締め代が設けられていて、互いに焼き嵌めで
嵌合されてなるから、チップを凸部または凹部とチップ
取付座の側壁との間に締め代圧で固定できて確実且つ強
力にチップを保持できる。また、スローアウェイチップ
よりもチップ取付座の方が熱膨張率が大きい材質である
から、加熱時にはチップ取付座の方がより膨張するため
に締め代の寸法差を吸収してチップの嵌合が容易であ
り、冷却時にはチップ取付座の収縮が大きいために、締
め代圧で、嵌合されたチップをチップ取付座で強固に挟
持して固定保持できる。その際、チップ取付座のみを加
熱してスローアウェイチップと焼き嵌めするようにした
から、効率的に焼き嵌めができる。
【0022】また、スローアウェイチップの着座面に凹
部が形成され、チップ取付座の底面に凹部と嵌合する凸
部が形成されているから、パンチなどによるチップの製
造が容易である上に保管、搬送にも便利である。また、
チップ取付座の底面に対して側壁は90°以下の角度を
なすように形成されているから、チップ取付座の収縮量
が大きくてもチップの側面がチップ取付座の側壁に乗り
上げることがなく、側壁の一部でチップ側面を確実に押
圧して固定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態によるスローアウェイ式
エンドミルの平面図である。
【図2】 図1に示すスローアウェイ式エンドミルのA
−A線拡大断面図である。
【図3】 スローアウェイ式エンドミルの先端面図であ
る。
【図4】 スローアウェイ式エンドミルのチップ取付座
を示す要部平面図である。
【図5】 図4に示すチップ取付座に装着するスローア
ウェイチップの側面図である。
【図6】 図5に示すスローアウェイチップの拡大下面
図である。
【図7】 第二の実施の形態によるスローアウェイ式バ
イトの要部平面図である。
【図8】 図7に示すスローアウェイチップの下面図で
ある。
【図9】 図7に示すバイトのチップ取付座を示す要部
平面図である。
【図10】 図7に示すスローアウェイ式バイトのB−
B線断面図である。
【図11】 実施の形態によるチップ保持機構の変形例
を示す要部分解縦断面図である。
【図12】 従来のスローアウェイ式ボールエンドミル
の要部平面図である。
【図13】 図12に示すエンドミルの先端面図であ
る。
【図14】 従来の他のスローアウェイ式ボールエンド
ミルの要部平面図である。
【図15】 図14に示すエンドミルの要部側面図であ
る。
【符号の説明】
20 エンドミル 21 工具本体 23,35,50 チップ取付座 25,48 凹陥部(凹部) 26,36,46 スローアウェイチップ 32,51 凸部 33 バイト 34 バイト本体(工具本体) 38 キー溝(凹部) 42 キー部材(凸部)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具本体のチップ取付座にスローアウェ
    イチップが装着されてなる切削工具において、前記スロ
    ーアウェイチップがチップ取付座に締まり嵌めで固定さ
    れていることを特徴とするスローアウェイチップ保持機
    構。
  2. 【請求項2】 前記チップ取付座及びスローアウェイチ
    ップの一方に設けられた凸部と他方に設けられた凹部と
    のいずれかに締め代が設けられ、前記チップ取付座の凸
    部または凹部から側壁までの距離とスローアウェイチッ
    プの凹部または凸部から前記側壁に当接する側面までの
    距離とのいずれかに締め代が設けられていて、互いに焼
    き嵌めで嵌合されてなることを特徴とする請求項1記載
    のスローアウェイチップ保持機構。
  3. 【請求項3】 前記スローアウェイチップよりもチップ
    取付座の方が熱膨張率が大きい材質であることを特徴と
    する請求項1または2記載のスローアウェイチップ保持
    機構。
  4. 【請求項4】 前記チップ取付座のみを加熱してスロー
    アウェイチップと焼き嵌めするようにしたことを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか記載のスローアウェイチ
    ップ保持機構。
  5. 【請求項5】 前記スローアウェイチップの着座面に凹
    部が形成され、チップ取付座の底面に前記凹部と嵌合す
    る凸部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれか記載のスローアウェイチップ保持機構。
  6. 【請求項6】 前記チップ取付座の底面に対して側壁は
    90°以下の角度をなすように形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のスローアウェ
    イチップ保持機構。
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