JP2000050990A - 椅子のリクライニング装置 - Google Patents

椅子のリクライニング装置

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JP2000050990A
JP2000050990A JP10221794A JP22179498A JP2000050990A JP 2000050990 A JP2000050990 A JP 2000050990A JP 10221794 A JP10221794 A JP 10221794A JP 22179498 A JP22179498 A JP 22179498A JP 2000050990 A JP2000050990 A JP 2000050990A
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稔 藤沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子の背の傾き角の大小にかかわらず、段床
上に広い通路を確保するとともに、各椅子と、上段側の
段床との隙間を小さくして、観客の、そこへの嵌まり込
みを防止する。併せて、前席の着席者による、後席の着
席者の視界への影響を少なくする。 【解決手段】 座4および背5を具え、座4を進出変位
させつつ背5の傾き角を増加させる椅子のリクライニン
グ装置であり、背5の後方側への実質的な迫り出しなし
に、背5の傾き角を増加させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、椅子のリクライ
ニング装置、なかでも、映画館,劇場,プラネタリュー
ムその他の観覧席、観客席等に用いて好適な椅子のリク
ライニング装置に関するものであり、とくに、背の傾き
角を増加させるに当たっての、その背の上端部の、後方
側への迫り出し変位を有効に防止するものである。
【0002】
【従来の技術】映画館等の観覧席に適用される椅子のリ
クライニング装置としては、背の下端部を支点として、
その上端側を前後方向に揺動可能としたものがあり、多
くは、ばね部材とロック手段との組み合わせ機構、また
は、ロック付きガススプリングの作用の下で、着座者が
背にもたれながら、その背をばね力に抗して後方側へ倒
し込むことで背の傾き角を所要に応じて増加させること
ができ、このような機構、および作用等は、航空機用お
よび車両用の椅子や、事務用椅子、安楽椅子等に採用さ
れているところともまたほぼ同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のこの
ようなリクライニング装置は、平床や緩やかなスロープ
床、段差の小さい段床等に設置する椅子にそれを設ける
場合にはそれほどの問題は生じないものの、スタジアム
の貴ひん席や映画館等の階段席のように段床の段差が比
較的大きい場所や、背後に壁が迫っている場所等にリク
ライニング装置付きの椅子を設置する場合には、背の傾
き角の増加に伴って、その背の上端部が後方側へ迫り出
し変位することに起因する種々の問題があった。
【0004】つまり、段床の段差が大きく、併せて、段
床の背後に壁が迫っている、図8に略線側面図で例示す
るような映画館に、従来のリクライニング装置を具える
椅子を設置する場合には、最上段の段床FL1の椅子C
Hについては、背Bの後方側への最大迫り出し変位量を
考慮して、それを、後壁Wから比較的大きな距離D1を
隔てて位置決めして、背Bの上端の、後壁Wとの干渉を
防止することが必要になる。また、他のそれぞれの段床
FL2,FL3,FL4の椅子CHについては、設計上
奥行きを特定の一定値とされるそれぞれの段床のうち、
通常は段差量を最も大きく設定される最上段とその手前
段との段差を考慮して、手前段の段床FL2の椅子CH
の背Bが、それの後方側への最大迫り出し姿勢にあって
なお、最上段の段床FL1と干渉するおそれのない位置
に、すなわち、これもまた、その段床FL1から比較的
大きな距離D2を隔てた位置にその椅子CHを位置決め
配置することが必要になり、そして、その他の段床FL
3,FL4の椅子CHは、通常は、上述のようにして特
定されるそれぞれの椅子CHと配設ピッチPが等しくな
るように位置決め配置される。
【0005】従ってこれによれば、各段床FL1〜FL
4の椅子CHはいずれも、建物等の設計上奥行きを一定
値に特定される段床FL1〜FL4の比較的前方側部分
に設置されることになり、これがため、椅子CHの座S
の先端縁と、段床の前端縁との間に特定される通路AI
の幅寸法が比較的狭くなるという不都合があり、このこ
とは、前席の背Bの傾き角を大きくされて、その背Bの
上端部分が通路AI上へ突出した状態にある場合にとく
に重大であった。また、椅子CHの背Bを起こした状態
の下では、椅子CHと上段側の段床との間に比較的大き
な隙間Gが存在することになって、通路AIを通る観客
が足を踏み外すおそれが高いという問題があった。
【0006】しかも、このような従来のリクライニング
装置は、その機能上、背Bの傾き角を大きくすると、着
座者の眼の位置を後側下方へ比較的大きく変位させるこ
とになるので、前席の椅子への着座者の存在との関連に
おいて、背Bの傾き角を大きくした後席の着座者の視界
が、前席の、とくには背Bを起こした着座者の頭部によ
って大分遮られることになるという問題もあった。
【0007】この発明は、従来技術が抱えるこのような
問題点を解決することを課題とするものであり、それの
目的とするところは、下段側の椅子の背の傾き角を大き
くすると否とにかかわらず、各段床上に十分広幅の通路
を確保することができ、また、各椅子と、それの上段側
の段床との間の隙間を十分小ならしめることで、通路を
通る観客の、その隙間への嵌まり込みのおそれを有効に
除去することができ、さらには、前席の着座者による、
後席の着座者の視界への影響が少ない、椅子のリクライ
ニング装置を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の、椅子のリク
ライニング装置は、座および背を具え、座を進出変位さ
せつつ背の傾き角を増加させるものであり、背の後方側
への実質的な迫り出しなしに、背の傾き角を増加させる
ものである。
【0009】なおここで、「実質的な迫り出しなし」と
は、背のデザイン上その他の都合により、若干の迫り出
しは許容し得ることを意味する。
【0010】このようなリクライニング装置によれば、
背の傾き角の増加に伴う、それの後方側への迫り出しが
ないことから、段床上への椅子の設置位置につき、図8
に示す従来技術に比し、距離D1に相当する距離を十分
小さくできる他、距離D2に相当する距離を、背の上端
部分が上段側の段床にオーバハングする程度にまで小さ
くすることができるので、各段床の椅子を、段床の後端
に近づけて設置することが可能となる。
【0011】これがため、下段側段床の椅子の背が上段
側の段床にオーバハングする場合であってもなお、その
背の後端縁と、上段側の椅子の座の先端縁との間に特定
される通路の幅を十分広く確保することができ、このこ
とは、下段側の椅子の背の傾き角を大きくしても同様で
ある。そしてまた、下段側の椅子を、それの背が上段側
の段床にオーバハングするほどに下段側段床の後端に近
づけて設置することで、その背と上段側段床との間の隙
間を、従来技術に比してはるかに狭くすることができる
ので、通路を通る観客の、そこへの嵌まり込みのみそれ
を効果的に除去することができる。
【0012】加えて、このリクライニング装置は、その
機能上、背の傾き角を大きくしてなお、着座者の眼の位
置の後方への移動を有効に防止することができるので、
椅子が段床の後端近傍に位置することとも相俟って、上
段側の着座者の視界を、背の傾き角を大きくすると否と
にかかわらず、下段側の着座者にそれほど影響されるこ
となく、十分広く確保することができる。
【0013】その上この装置では、たとえば、椅子を平
床上に設置する場合において、後席用のテーブルを、前
席の椅子の背から後方側へ突出させることができる相対
位置関係をもって、前席の椅子の固定部材側に組付けて
設置したときに、その後席用のテーブルの使用中に前席
の椅子の背を倒されることがあっても、その背の上端部
分がテーブル上に伸し掛かる如くの変位をすることがな
く、従って、テーブル上への載置物等と背の上端部分と
の干渉が十分に防止されることになる。
【0014】ところで、このようなリクライニング装置
において、座の進出変位の前後において、椅子の設置面
に対する座の傾き角をコントロールすることもできる。
先に述べた装置にあっては、背の傾き角の増加を、座と
背との相対交角を一定に維持したまま行うこと、いいか
えれば、背の倒し込みに伴って座の先端部分をそれに対
応する角度だけ持ち上げることも可能であり、椅子の用
途によってはこれが必要になることもあるが、逆に、座
の先端部分の大きな角度変化が不都合となる用途もあ
る。そこで好ましくは、椅子の用途等の兼ね合いの下
で、背の傾き角の増加に伴う座の姿勢変化を所要に応じ
てコントロールすることで、その座の、常に適正な姿勢
の実現を可能ならしめる。
【0015】この発明のリクライニング装置は、より具
体的には、椅子の座および背のそれぞれを連結した傾動
リンクを、相互に並列の二本の連結リンクを介して、そ
れらより下方側もしくは上方側に位置する固定リンクに
連結し、背の傾き角の増加に当たり、傾動リンクの前方
側を上向きに、後方側を下向きに傾動変位させるもので
ある。
【0016】四節リンク機構からなるこの装置では、各
個のリンク長さおよび、各回り対隅の節位置等を、その
リンク機構に作用する重量その他との関連において、た
とえば、背が起きた状態で、リンクに加わる力がバラン
スして安定するように予め設定しておくことで、椅子の
着座者による、座への体重のかけ方および、背にもたれ
かかって倒そうとする行為によって相対的に生じる、座
を進出変位させる方向に作用する力によって、背の傾き
角を比較的小さな外力の作用下で簡易迅速に、所要に応
じて増加させることができる。
【0017】また、着座者が離席する際は、立ち上がる
ための前方への体重移動および、背にもたれかかること
をやめて体を起こそうとする一連の行為によって相対的
に生じる、座を後退変位させる方向に作用する力によっ
て背の傾きが起きて、人の動作に従うように椅子の姿勢
を離席しやすい状態に変化させることができる。
【0018】さらにここでは、倒した背を、たとえば小
さい反力をもったばね部材等の復帰手段をもってそれの
初期姿勢に確実に復帰させることもできる。
【0019】なお、背の特定位置への固定は、従来から
広く用いられている各種のロック手段をもって行い得る
ことはもちろん、それぞれの回動個所の摩擦力を、たと
えば機械的または電磁的に高めることによる摩擦保持に
よっても行なうことができる。
【0020】またここで、背とは独立して座の姿勢をコ
ントロールするためには、座の後端部を傾動リンクにヒ
ンジ連結するとともに、固定側部材に座の姿勢コントロ
ール手段を設けることが好ましく、この姿勢コントロー
ル手段は、所要の方向に延在して、たとえば、座の前後
方向の中間部に間接的に掛合するガイドレールにより構
成すること、または、固定側部材に一端をヒンジされ、
他端を、座の前後方向の中間部にヒンジした吊下げ揺動
アームにより構成することもできる。
【0021】これらによれば、座の進退変位をガイドレ
ールに沿わせて行わせること、または、吊下げ揺動アー
ムの、座への連結端の揺動軌跡に沿わせて行わせること
ができる。なおこのような椅子において、座および背の
他に、肘掛けを設け、その肘掛けを、座もしくは背のい
ずれかと一体に、または、いずれからも独立させて変位
させることも可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下にこの発明の実施の形態を図
面に示すところに基づいて説明する。図1はこの発明の
実施の形態を概念的に示す側面図である。特定の段床1
に支持脚2によって取り付けた椅子3は、座4および背
5を具えており、ここでは、これらの両者4,5を、肘
掛けを兼ねる傾動リンク6に連結する。
【0023】またここでは、かかる傾動リンク6を相互
に並列の二本の連結リンク7,8を介して、それらより
下方側に位置して、図では前後方向にほぼ水平に延びる
固定リンク9の両端部にヒンジ連結する。このヒンジ連
結は、たとえば、図1(a)に示す椅子3、ひいては、
背5の初期姿勢の下で、後方側の連結リンク8をほぼ垂
直姿勢として傾動リンク6および固定リンク9のそれぞ
れに連結するとともに、前方側の連結リンク7を、それ
の上端が下端に比して後方側連結リンク8に近づいた状
態でそれぞれのリンク6,9に連結して、両リンク7,
8の、傾動リンク6への連結位置高さをほぼ等しくする
ことによって行なうことができる。
【0024】このような構成の下で、座4および背5の
それぞれをともに傾動リンク6に一体的に連結した場合
についてみると、椅子3への着座者が、たとえば、背5
にそれを倒し込む方向の力および座4にそれを進出変位
させる方向の力のそれぞれを作用させたときには、上記
四節リンクの機構の傾動リンク6が、傾向的に前方へ押
出される向きの外力を直接的に受けることになる。
【0025】これにより、連結リンク7,8は、図1
(b)に示すように、ともに前側へ揺動して、前方側連
結リンク7の上端は斜め上方へ、一方、後方側連結リン
ク8の上端は斜め下方側へそれぞれ変位するため、傾動
リンク6は全体として、それの前方側部分の上向き変位
と、後方側部分の下向き変位とをともないつつ前進変位
されることになる。
【0026】従って、傾動リンク6に一体的に連結した
背5は、その傾動リンク6の変位方向と同方向へ、それ
の変位量と対応する量だけ変位されることになり、この
結果として、背5の、後方側への実質的な迫り出しのな
い、傾き角の増加が実現されることになる。
【0027】かくしてここでは、特定の段床1の後端が
壁である場合および、図示のように、その段床1に対す
る段差量の大きな上段側段床10である場合のいずれに
あっても、椅子3を、段床1の後端に十分近づけて、従
来技術で述べた距離D1,D2に比して相当小さな距離
設定の下で、設置することが可能となる。それ故に、図
2に示すところから明らかなように、椅子3の背5と、
上段側段床10の前端との間の隙間G1を十分小ならし
めて、上段側の通路を通る観客が足を踏み外すおそれを
効果的に除去できる他、椅子3の背5が上段側段床上に
張り出すオーバハング状態にあってなお、上段側段床1
0に設置した椅子3の座4の先端縁と、下段側段床上の
椅子3の背5との間の水平距離で特定される通路AI1
の幅を、従来技術のそれよりも広く確保することがで
き、このことは下段側の椅子3の背5の傾き角を大きく
しても同様である。
【0028】しかも、この装置では、背5の傾き角を大
きくしても、その背5は、図8に示す従来技術のように
後側下方へ大きく変位することはなく、これがため、椅
子3への着座者の頭部、眼等の位置もまた、背5の傾き
角の大小によってそれほど変化しないので、各段床の椅
子が、それの後端に十分近づけて設置できることとも関
連して、図2に示すように椅子3を設置した場合に、着
座者の視界が、下段側の椅子3への着座者の姿勢に大き
く影響されることはない。
【0029】ところで、先に述べたように、背5のみな
らず、座4をもまた傾動リンク6に一体的に連結した場
合には、その傾動リンク6の、図1(b)に示すような
変位に伴って、座4もまた、傾動リンク6と同方向へ、
それの変位量と対応する量だけ変位することになり、そ
の結果として、座4の先端部分が、図1(a)に示す初
期姿勢に比して大分上向きの姿勢となる。
【0030】なおここで、座4についてこのような姿勢
の変化が好ましくない事情がある場合には、たとえば図
3に示すように、背5を一体的に連結した傾動リンク6
に、背5の下端部位置で座4の後端部をヒンジ連結する
一方、たとえば、支持脚2に関連させて設けた固定側部
材11に、所要の方向、図では前方側斜め下方に延びる
ガイドレール12を設け、このガイドレール12に、座
4の前後方向の中間部に設けたピン13を掛合させて、
ピン13の、ガイドレール12に沿った変位を案内する
とともに、それらの両者12,13をもって、座4およ
びそこに負荷される荷重の支持を可能ならしめる。
【0031】座4のこのような姿勢コントロール手段で
は、椅子3の初期姿勢にては、図3(a)に示すよう
に、ガイドレール12の後端に位置するピン13を、背
5の傾き角の増加につれてそのガイドレール12の案内
下でそれの先端側へ変位させて、ついには、図3(b)
に示すように、ガイドレール12の先端に到達させるこ
とで、予め選択したそのガイドレール12の延在方向と
の関連の下で、背4の傾き角の大小にかかわらず、座4
の段床面に対する角度を、たとえばほぼ一定に保つこと
が可能となる。
【0032】図3(c)は、ピン13のこのような変位
の前後の態様を、先に述べたリンク機構の作動と組合わ
せて示す側面図であり、これによれば、図1(b)に示
すところに比し、背5の倒伏姿勢の下での、座4の先端
部分の高さを有効に低減し得ることが解る。
【0033】図4は、上述したところをより具体的に示
す分解斜視図であり、これはとくに、図3(a)で述べ
た固定側部材11を、椅子3の前後方向に水平に延びる
固定リンク9と兼用し、そしてその固定リンクそれ自体
にガイドレール12を形成することで部品点数の低減を
図り、併せて、ガイドレール12に掛合するピン13を
ローラピン13aとすることで、座4のより円滑な変位
を担保したものである。
【0034】このようなリクライニング装置では、椅子
3への着座者が、たとえば、背5に、それを倒し込む方
向の力を及ぼすことと併せて、座4に進出方向の力を及
ぼすことで、先にも述べたように、好ましくは、椅子の
重量バランスや、比較的小さなばね反力等によって軽度
にある状態に安定した四節リンク機構の作用下で、小さ
な力をもって、座4の進出変位を伴う、背5の所要に応
じた倒状変位をもたらすことができる。この場合の、座
4の、進出前から進出後に至るまでの姿勢は、ガイドレ
ール12によるローラピン13aの案内に基づき、所期
した通りにコントロールすることができる。ここにおい
て、背5および座4の所要位置への固定は、たとえば既
知のロック手段をもって行うことができる。
【0035】図5は、座の姿勢コントロール手段の他の
態様を概念的に示す側面図であり、これは、支持脚2に
関連づけて、またはそれとは無関係に設けた固定側部材
14に上端をヒンジ連結した吊下げ揺動アーム15の下
端を、後端部を傾動リンク6に枢支した座4の、前後方
向の中間部にヒンジ連結したものである。
【0036】これによれば、傾動リンク6の傾動変位に
伴う座4の進出変位に際し、吊下げ揺動アーム15が、
図5(a)に示すように、下端が固定側部材14の支柱
に重なって位置する初期位置から、その上端を支点とし
て、図5(b)に示すように時計回りに揺動変位するこ
とで、座4の姿勢を、吊下げ揺動アーム15の長さおよ
び、それの下端の、座4への連結位置に応じてコントロ
ールすることができる。
【0037】図5(c)は、吊下げ揺動アーム15のこ
のような作用を、リンク機構の作動と組合わせて示す側
面図であり、これによれば、座4の姿勢を、図3に示す
場合とほぼ同様にコントロールし得ることが明らかであ
る。
【0038】図6は、リンク機構の他の形態を概念的に
示す側面図である。これは、支持脚と関連させてまた
は、それとは独立に設けられて前後方向に延びる固定リ
ンク9の配設高さを、前述の場合に比して、およそ連結
リンク7,8の延在高さに相当するだけ高く設定すると
ともに、その固定リンク9の前後の端部に連結した前後
のそれぞれの連結リンク7,8の下端を、下方に向かう
につれて相互に拡開する姿勢で傾動リンク6に連結し
て、図6(a)に示す椅子3の初期姿勢で、前方側の連
結リンク7をほぼ垂直状態に、また、後方側の連結リン
ク8を、その下端が傾動リンク6の後端縁近傍に位置す
る後傾状態にそれぞれ延在させたものである。
【0039】このように構成したリンク機構では、たと
えば、背5に倒れ込み方向の、そして座4に進出方向の
外力をそれぞれ作用させた場合には、両連結リンク7,
8はともに、図6(b)に示すように時計回りに回動し
て、前方側の連結リンク7の下端がそのレベルを高める
一方で、後方側の連結リンク8の下端はレベルを低下さ
れ、これらの結果として、傾動リンク6は、幾分の前進
変位をともなって、それの前方側部分の上向き変位およ
び後方側部分の下向き変位を生じる。
【0040】従って、その傾動リンク6に一体的に連結
した背5の傾き角が大きくなり、この場合、座4をもま
たその傾動リンク6に一体的に連結したときには、座4
の先端部分が、それの初期姿勢に比して、傾動リンク6
の傾動量に対応する量だけ上向きとなる。
【0041】図7は、背5の傾き角の増加に伴う、座4
のこのような姿勢の変化を制限するコントロール手段を
設けた場合を示す側面図であり、図7(a)に示すコン
トロール手段は、座4の後端部を傾動リンク6にヒンジ
連結したところにおいて、図3で述べたと同様に、固定
側部材に設けたガイドレール12をもって、座4の前後
方向の中間部に設けたピン13の移動を案内すべく構成
したものである。従って、これによる座4の姿勢制御
は、図3について述べたところと同様にして行われるこ
とになる。
【0042】また、図7(b)に示すコントロール手段
は、図5で述べたと同様に、吊下げ揺動アーム15の下
端を、座4の前後方向の中間部にヒンジ連結したもので
あり、図5について前述したところと同様に機能するも
のである。
【0043】
【発明の効果】以上に述べたところから明らかなよう
に、この発明によれば、たとえば段差の比較的大きな段
床に椅子を適用した場合において、椅子の背の傾き角を
大きくしたときの、その背の後方側への迫り出しを除去
して、段床の後端近くへの椅子の設置を可能ならしめた
ことにより、前段側の椅子の背の、傾き角の大小にかか
わらず、段床上に十分広幅の通路を確保することができ
るとともに、段床の前端縁と、下段側の椅子の背との間
への観客の嵌まり込みのおそれを十分に除去することが
できる。
【0044】またここでは、背の傾き角を大きくしてな
お、着座者の頭部の位置変位を十分小さくできるので、
それぞれの段床の椅子の、背の傾き角のいかんにかかわ
らず、上段側の観客の視界に及ぼす影響を有効に低減さ
せることができる。その上、この発明は、前席の背に関
連させて後席用のテーブルを配設する用途にそれを適用
した場合に、前席の背の傾き角の増加に起因する、その
背と、テーブル上載置物との干渉のおそれを有効に除去
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を概念的に示す側面図で
ある。
【図2】図1に示す装置の段床への適用状態を例示する
側面図である。
【図3】座の姿勢コントロール手段の態様を概念的に示
す側面図である。
【図4】この発明の実施の形態をより具体的に示す分解
斜視図である。
【図5】座の姿勢コントロール手段の他の態様を概念的
に示す側面図である。
【図6】この発明の他の実施形態を概念的に示す側面図
である。
【図7】図6に示す装置への座の姿勢コントロール手段
の適用状態を概念的に示す側面図である。
【図8】従来装置の段床への適用状態を例示する側面図
である。
【符号の説明】
1,10 段床 2 支持脚 3 椅子 4 座 5 背 6 傾動リンク 7,8 連結リンク 9 固定リンク 11,14 固定側部材 12 ガイドレール 13 ピン 13a ローラピン 15 吊下げ揺動アーム AI1 通路 G1 隙間

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座および背を具え、座を進出変位させつ
    つ背の傾き角を増加させる椅子のリクライニング装置で
    あって、 前記背の後方側への実質的な迫り出しなしに、背の傾き
    角を増加させることを特徴とする椅子のリクライニング
    装置。
  2. 【請求項2】 座の進出変位の前後において、椅子の設
    置面に対する座の傾き角をコントロールすることを特徴
    とする請求項1に記載の椅子のリクライニング装置。
  3. 【請求項3】 椅子の座および背のそれぞれを連結した
    傾動リンクを、二本の連結リンクを介して、それらより
    下方側もしくは上方側に位置する固定リンクに連結し、
    背の傾き角の増加に当たり、傾動リンクの前方側を上向
    きに、後方側を下向きに傾動変位させることを特徴とす
    る請求項1に記載の椅子のリクライニング装置。
  4. 【請求項4】 座の後端部を傾動リンクにヒンジ連結す
    るとともに、固定側部材に座の姿勢コントロール手段を
    設けたことを特徴とする請求項2もしくは3に記載の椅
    子のリクライニング装置。
  5. 【請求項5】 座の姿勢コントロール手段を、所要の方
    向に延在するガイドレールにより構成したことを特徴と
    する請求項4に記載の椅子のリクライニング装置。
  6. 【請求項6】 座の姿勢コントロール手段を、吊下げ揺
    動アームにより構成したことを特徴とする請求項4に記
    載の椅子のリクライニング装置。
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