JP2000050612A - 互い違い積層型リニアモ―タ用固定子コア - Google Patents

互い違い積層型リニアモ―タ用固定子コア

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    • H02K41/03—Synchronous motors; Motors moving step by step; Reluctance motors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定子コアの絶縁及び組立を容易にし、固定
子コアの開口部間隔を自由に可変して、マグネットの長
さを最適化し、その結果マグネットの使用量を減らして
原価を低減することを目的とする。 【解決手段】 固定子コイル３００と、薄板状の垂直部
１１０と、垂直部１１０の一方端から屈曲延長形成され
た水平部１２０と、水平部１２０の先方端に行くほど漸
次拡張された梯形状の極部１３０とからなるコア片１０
０とを備え、各コア片１００の極部１３０が固定子コイ
ル３００の内部の上下両面に位置するように、各コア片
１００が互い違いに固定子コイル３００の外周面に放射
状に積層され、コア片１００の極部１３０の先方端が外
方側固定子コア２００の内周面を形成し、垂直部１１０
の外側端が外方側固定子コア２００の外周面を形成する
ように互い違い積層型リニアモータ用固定子コアを構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアモータ用固
定子のコアに係るもので、詳しくは、固定子のコアの絶
縁及び組立を容易にし、固定子のコアの開口部の間隔を
可変できるようにして、コアの磁束密度を減らし、モー
タの磁束漏洩を低減するようにした互い違い積層型リニ
アモータ用固定子コアに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、リニアモータは、モータの磁場
が平面状に展開されるように立体的に構成され、平面状
の可動部が平面状の固定部上に形成される磁場の変化に
従い、平面上で直線運動を行うようになっている。この
ような従来のリニアモータにおいては、図５及び図６に
示したように、内方側に所定大きさの開口部１ａを有し
て複数個のコア片１により中空円筒状に積層形成された
外方側固定子コア１０と、該外方側固定子コア１０の内
周面に巻回された固定子コイル２０と、所定形状のコア
片３により積層形成され、前記外方側固定子コア１０の
内周面から所定間隔離れて挿合された内方側固定子コア
３０と、前記各内外方側固定子３０と１０間に挿合さ
れ、マグネット４０が付着されたマグネットパドル５０
と、を備え、前記内方側固定子コア３０と、固定子コイ
ル２０の巻回された外方側固定子コア１０とは、リニア
モータの固定子にて構成され、前記マグネット４０の付
着されたマグネットパドル５０は、リニアモータの可動
子として構成されていた。
【０００３】さらに、外方側固定子１０のコア片１は、
断面Ｕ字状の薄板部１ｂと、該薄板部１ｂの両方の先端
からそれぞれ延長形成された梯形状の極部１ｃとから形
成され、コア片１の極部１ｃの先方端が内周面を形成
し、薄板部１ｂの外側先方端が、外周面を形成するよう
に複数のコア片１がそれぞれ中空円筒状に揃えられ、放
射状に積層されて前記外方側固定子コア１０が構成さ
れ、該外方側固定子コア１０の開口部１ａにコイルが巻
回されて、固定子コイル２０を形成した後、該固定子コ
イル２０に絶縁処理を施していた。
【０００４】又、このように構成された従来のリニアモ
ータの動作では、固定子コイル２０に電流が印加される
と、電流が内方側固定子コア３０及び外方側固定子コア
１０のコア片３と１にそれぞれ流れて磁束が形成され、
該磁束とマグネット４０間の相互作用力によりマグネッ
ト４０の付着されたマグネットパドル５０が軸方向の直
線往復運動を行うようになっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のリニアモータでは、外方側固定子コア10を形成す
るとき、各コア片１を放射状に積層した後、コア片１の
開口部に固定子コイルを巻回しているため、作業が煩雑
であり、巻回されたコイルに開口部を通して絶縁処理を
施すことが難しいという不都合な点があった。
【０００６】さらに、各コア片は、コイルの巻回作業の
ために、開口部を有して形成されるため、最適の磁気回
路を構成しようとするときには、開口部の間隔を変更す
ることになり極めて不便であった。又、モータの効率に
関わる磁束密度は、磁束量に比例し、磁束の通過するコ
アの断面積に反比例するが、従来のコイル片１から形成
された外方側固定子コア１０は、外周面を形成する各コ
ア片間に、それぞれ所定間隔ｇが形成されて、それら間
隔ｇにより磁束の漏洩現象が発生し、間隔ｇだけのコア
断面積が減少して、磁束密度が高くなり、鉄損が増大
し、モータの大きさに影響を与えるというという不都合
な点があった。
【０００７】そこで、本発明の目的は、固定子コアの絶
縁及び組立を容易にし、固定子コアの開口部間隔を自由
に可変させて、マグネットの長さを最適化し、その結果
高価なマグネットの使用量を減らして原価を低減し得る
ようにした互い違い積層型リニアモータ用固定子コアを
提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、磁
束の漏洩現象を低減し得るようにした互い違い積層型リ
ニアモータ用固定子コアを提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るため、本発明に係る互い違い積層型リニアモータ用固
定子コアでは、絶縁処理が施された中空円筒状の固定子
コイルと、所定の幅及び長さを有する薄板状の垂直部
と、該垂直部の一方端から直角に屈曲延長形成された水
平部と、該水平部の先方端に行くほど、上下両方向に漸
次拡張された梯形状の極部とから形成されたコア片と、
を備え、前記コア片の極部が互い違いにそれぞれ前記固
定子コイルの内部上下両方側に位置するように、前記コ
ア片が互い違いに前記固定子コイルの外周面に放射状に
積層され、前記コア片の極部の先方端が相互に当接して
外方側固定子コアの内周面を形成し、前記コア片の垂直
部１１０の外側端が外方側固定子コアの外周面を形成す
るように構成されている。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。本発明に係る互い違い積層型
リニアモータ用固定子コアでは、図１及び図２に示した
ように、絶縁処理が施された中空円筒状の固定子コイル
３００と、所定の幅及び長さを有する薄板状の垂直部１
１０と、該垂直部１１０の一方端から直角に屈曲延長形
成された水平部１２０と、該水平部１２０の先方端に行
くほど、上下両方向に漸次拡張された梯形状の極部１３
０とから形成されたコア片１００と、を備え、前記コア
片１００の極部１３０が互い違いにそれぞれ前記固定子
コイル３００の内部上下両方側に位置するように、前記
コア片１００が互い違いに前記固定子コイル３００の外
周面に放射状に積層されて、前記コア片１００の極部１
３０の先方端が相互に当接して外方側固定子コア２００
の内周面を形成し、前記コア片１００の垂直部１１０の
外側端が外方側固定子コア２００の外周面を形成するよ
うに構成されている。
【００１０】即ち、前記コア片１００の水平部１２０
を、前記固定子コイル３００の上下両面に互い違いに放
射状に積層して、中空円筒状に揃えることにより、前記
コア片１００の極部１３０の先方端は、相互に当接され
て外方側固定子コア２００の内周面を形成し、前記コア
片１００の垂直部１１０の外側端は、それぞれ揃って外
方側固定子コア２００の外周面を形成するようになって
いる。
【００１１】図４は、本発明に係るリニアモータの一部
を示した拡大平面図で、従来と同様な構成要素には同一
符号を付した。図４に示したように、上下一対のコア１
００が、互い違いに積層された外方側固定子コア２００
の内周面の各コア１００の厚さにより形成される内側弧
はｔで、外側弧は２ｔである。
【００１２】従って、前記コア片１００を円周方向に放
射状に積層して形成された外方側固定子コア２００は、
コア片１００の外方側垂直部１１０間の間隔が最小に形
成される。このように構成された外方側固定子コア２０
０の内周側には、内周面から所定間隔を置いて、中空円
筒状の内方側固定子コア３０が挿入されており、該内方
側固定子コア３０と前記外方側固定子コア２００間に
は、マグネット４０の付着された可動子５０が挿合され
てある。
【００１３】即ち、コイルが円筒状に巻回され、絶縁処
理の施された固定子コイル３００の外周面に複数のコア
片１００を揃えて積層する際、各コア片１００の極部１
３０間の上下方向の間隔を調節することが可能であるた
め、マグネットパドル５０である可動子の行程距離と極
部１３０間の間隔とにより決定されるマグネット４０の
長さを最適化して、最適の磁気回路を構成することがで
きる。
【００１４】さらに、前記外方側固定子コア２００は、
コア片１００の数を増やしコアの断面積を増大して、磁
束密度を低下させ、モータの鉄損を減らすことができ
る。又、コイルを円筒状に巻回して、固定子コイル３０
０を形成した後、該外周面に絶縁膜を形成して、コア片
１００を揃えて積層形成するため、固定子コイル３００
の巻回作業が容易となり、該巻回された固定子コイル３
００の絶縁作業も容易となる。
【００１５】以下、このように構成された互い違い積層
型リニアモータ用固定子コアを備えたリニアモータの動
作について説明する。先ず、固定子コイル３００に電流
が印加されると、電流が内方側固定子コア３０及び外方
側固定子コア２００のコア片３、１００にそれぞれ流れ
て、磁束が形成され、該磁束とマグネット４０間の相互
作用力によりマグネット４０の付着されたマグネットパ
ドル５０が軸方向の直線往復運動を行う。
【００１６】この場合、前記外方側固定子コア２００を
構成するコア片１００はリング状に積層形成されている
ため、該外方側固定子コア２００の内周面は、コア片１
００の極部１３０により単一面に形成され、外周面は、
コア片１００の垂直部１１０間の間隔が最小になって、
空隙による磁束の漏洩現象を低減することができる。こ
のような本発明に係る互い違い積層型固定子コアを備え
たリニアモータは、リニア圧縮機に適用され、直線運動
エネルギーをピストンの直線運動エネルギーに変換して
気体の圧縮を行うことができる。
【００１７】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る互い
違い積層型リニアモータ用固定子コアでは、絶縁膜の形
成された固定子コイルにコア片を互い違いに積層して構
成されるため、固定子コイルの巻回作業が容易になり、
固定子コイルの絶縁作業が容易になって、組立生産性を
向上し得るという効果がある。さらに、モータを構成す
るときに固定子コアの磁束密度が低下してモータの鉄損
を低減し、モータの小型化を可能にし、高価なマグネッ
トの使用量を減らして原価を節減し得るという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る互い違い積層型リニアモータ用固
定子コア片を示した斜視図である。
【図２】本発明に係る互い違い積層型リニアモータ用外
方側固定子コアを示した斜視図である。
【図３】本発明に係る互い違い積層型リニアモータ用外
方側固定子コアを固定子コイルに積層する方法を示した
説明図である。
【図４】本発明に係る互い違い積層型リニアモータ用固
定子コアの一部を示した拡大平面図である。
【図５】一般のリニアモータの構成を示した概略縦断面
図である。
【図６】一般のリニアモータの構成を概略平面図であ
る。
【符号の説明】
３、１００…コア片 ２０、３００…固定子コイル ３０…内方側固定子コア ４０…マグネット ５０…マグネットパドル １００…コア片 １１０…垂直部 １２０…水平部 １３０…極部 １０、２００…外方側固定子コア

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 絶縁処理が施された中空円筒状の固定子
    コイルと、 所定の幅及び長さを有する薄板状の垂直部と、 該垂直部の一方の端から直角に屈曲延長された水平部
    と、 該水平部の先方端に行くほど、上下両方向に漸次拡張さ
    れた梯形状の極部とから形成されたコア片と、を備え、 前記コア片の極部が互い違いにそれぞれ前記固定子コイ
    ルの内部の上下両方側に位置するように、前記コア片が
    互い違いに前記固定子コイルの外周面に放射状に積層さ
    れ、前記コア片の極部の先方端が相互に当接されて外方
    側の固定子コアの内周面を形成し、前記コア片の垂直部
    の外側端が外方側の固定子コアの外周面を形成するよう
    に構成されることを特徴とする互い違い積層型リニアモ
    ータ用固定子コア。
  2. 【請求項２】 前記固定子コイルにコア片が積層される
    際、前記コア片の内側の先方端が前記固定子コイルの上
    下両面から所定の間隔だけ離れるように、積層形成され
    ることを特徴とする請求項１記載の互い違い積層型リニ
    アモータ用固定子コア。
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