JP2000049077A - 露光装置、露光方法、半導体装置製造方法、および、マスク - Google Patents

露光装置、露光方法、半導体装置製造方法、および、マスク

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JP2000049077A
JP2000049077A JP21547198A JP21547198A JP2000049077A JP 2000049077 A JP2000049077 A JP 2000049077A JP 21547198 A JP21547198 A JP 21547198A JP 21547198 A JP21547198 A JP 21547198A JP 2000049077 A JP2000049077 A JP 2000049077A
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Ichiro Kagami
一郎 鏡
Masaaki Koyama
雅章 小山
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Sony Corp
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Sony Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位パターンの位置のずれに起因して発生す
る線路パターンの幅の誤差を減少させる。 【解決手段】 マスク上に形成される単位パターン20
の透過部20aは、入射された電子線ビームを透過す
る。遮断部20bは、入射された電子線ビームを遮断す
る。透過部20aの両端に形成された幅Wの半透過部2
0cは、入射された電子線ビームを1/2の透過率で透
過させる。このような単位パターンを用いて露光を行
い、線路パターンを形成する場合には、半透過部20c
が相互に重なるように露光を行う。その結果、線路パタ
ーンの接続部分は、半透過部20cを透過した通常の強
度の1/2の電子線ビームによって2重露光されること
から、単位パターンの位置のずれに起因して発生する線
路パターンの幅の誤差を減少させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は露光装置、露光方
法、半導体装置製造方法、および、マスクに関し、特
に、転写しようとするパターンを複数の単位パターンま
たは複数の領域に分割して露光する露光装置と露光方
法、および、そのような方法により半導体装置を製造す
る半導体装置製造方法、ならびに、そのような露光装置
または露光方法において用いられるマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の高密度化の進展に伴
い、リソグラフィ技術の更なる高解像度化が要求されて
いる。
【0003】従来においては、マスクに形成された回路
パターンに対して可視光線や紫外線などの光を照射し、
回路パターンを透過した光を、レジストが塗布された半
導体基板(以下、ウエハと適宜呼ぶ)上の所定の領域に
集光することによりパターンの転写を行っていた。
【0004】最近では、光の代わりに、例えば、電子線
ビーム(EB:Electron Beam )を用いることで、転写
パターンの解像度を向上させるこころみがなされてい
る。ところで、このような電子線ビームを用いたリソグ
ラフィでは、電子線ビームの偏向角度に限度があること
から、1度に描画可能なパターンのサイズも限られたも
のになる。
【0005】例えば、図29に示すように、ウエハ上の
2cm×2cmの領域を描画しようとする場合には、1
度に描画可能な領域(以下、フィールドと適宜呼ぶ)で
ある5mm×5mmのフィールド単位で描画を行ってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような電子線ビー
ムを用いた露光装置では、あるフィールドを描画した
後、他のフィールドに移行する場合には、ウエハが載置
されたステージを適宜移動していた。
【0007】しかしながら、ステージの移動精度はそれ
ほど高くないことから、各フィールドの配置位置にずれ
が生じ、その結果、フィールドを跨いで形成されるパタ
ーンが切断されたり、あるいは、パターンの幅が広くな
るなどの不都合を生ずるという問題点があった。
【0008】このような問題を解決する方法としては
「多重露光法」が知られている。この多重露光法では、
フィールドの境界に跨るパターンを描画する際に、通常
よりも少ない露光量で複数回パターンを露光することに
より前述のような不都合を低減している。
【0009】しかしながら、多重露光法では他のフィー
ルドに跨っているパターンに関しては複数回露光する必
要があるので、スループットが低下するという問題点が
あった。
【0010】一方、「特開平8−330216号公報」
に記載されている「パターン描画方法」には、フィール
ドを跨ぐパターンに対して補助パターンを付加して描画
することにより、例えば、半導体装置の配線層における
断線等を防止する方法が開示されている。
【0011】このような方法では、補助パターンに対す
る露光が1回増加するだけであるので、前述の多重露光
方法に比較するとスループットの低下は僅少である。し
かしながら、露光の回数が増加することには変わりがな
い。また、補助パターンが新たに付加されることから、
その描画精度も考慮する必要が生じ、結果として露光プ
ロセスが煩雑となるという問題点もあった。
【0012】ところで、以上の説明では、フィールドを
跨ぐパターンのつなぎ精度について説明したが、これ以
外にもパターンのつなぎ精度の問題が存在する。即ち、
同一のパターンが繰り返される半導体装置(メモリ等)
では、図30に示すように、各フィールドを1ショット
(1回の電子線ビームの照射)で描画可能な領域(例え
ば、5μm×5μm)に分割し、各領域単位で描画(一
括露光)が行われる場合がある。
【0013】図31は、このような一括露光方式の概要
を説明する図である。この図に示すように、一括露光方
式では、アパーチャマスク1とアパーチャマスク2とが
平行に配置され、これら2つのアパーチャマスクを透過
した電子線ビームがウエハ3上の所定の領域に照射され
る。
【0014】アパーチャマスク1は、矩形の開口部を有
しており、入射された電子線ビームを矩形に成形して出
射する。アパーチャマスク2は、図32に示すように、
複数のパターン2a〜2iを有している。なお、これら
のパターンは、図30に示す5μm×5μmの領域に含
まれているパターンから重複を除いて抽出したものであ
り、それぞれのパターンを単位パターンと呼ぶことにす
る。
【0015】露光を行う場合には、アパーチャマスク2
を移動させて所望の単位パターンを選択した後、アパー
チャマスク1を介して電子線ビームを照射する。その結
果、電子線ビームは、アパーチャマスク1の開口部1a
によって成形され、アパーチャマスク2の単位パターン
に応じて透過され、ウエハ3の所定の領域に照射され
る。
【0016】このような処理が繰り返されることにより
所望のパターンを、ウエハ3上に転写することが可能と
なる。ところで、このような一括露光方式において、例
えば、図32に示す単位パターン2bを並置する場合、
位置ずれに起因してこれら2つの単位パターンが接近し
過ぎた場合には、図33(A)に示すように、形成され
るパターン(この例では線路パターン)の幅が通常より
も広くなる。また、逆にこれらの2つのパターンが離れ
過ぎた場合には、図33(B)に示すように、形成され
るパターンの幅が通常よりも狭くなる。
【0017】従って、以上に述べた一括露光方式におい
ても、単位パターンの位置ずれに起因した線路パターン
等のつなぎ精度が低下するという問題点があった。本発
明はこのような点に鑑みてなされたものであり、フィー
ルドや単位パターンの位置の誤差に起因する線路パター
ンの断線や短絡を防止することを可能とする露光装置を
提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、フィールドや単位パター
ンの位置の誤差に起因する線路パターンの幅の誤差を低
減することを可能とする露光方法を提供することを目的
とする。
【0019】更に、本発明は、フィールドや単位パター
ンの位置の誤差に起因する線路パターンの断線や短絡を
防止することを可能とする半導体製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0020】更にまた、本発明は、単位パターンの位置
の誤差に起因する線路パターンの幅の誤差を低減するこ
とを可能とするマスクを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、転写しようとするパターンを複数の単位
パターンに分割し、得られた単位パターン群から所定の
単位パターンを選択して被加工物上に転写する動作を繰
り返すことにより被加工物を所望のパターンに露光する
露光装置において、前記単位パターン群が形成されたマ
スクと、前記マスクの所定の単位パターンに対して光を
照射する光源部と、前記マスクを透過した光を前記被加
工物上の所定の領域に収束させる光学系と、を有し、前
記マスクの各単位パターンの周縁部分に形成された透過
部の透過率はその他の領域のそれよりも低くなるように
設定し、前記単位パターンの前記周縁部分が相互に重な
るように露光することを特徴とする露光装置が提供され
る。
【0022】ここで、マスクには単位パターンが形成さ
れている。また、マスクの各単位パターンの周縁部分に
形成されたパターンは、光の透過率がその他の領域に形
成されたパターンよりも低くなるように設定されてい
る。光源部は、マスクの所定の単位パターンに対して光
を照射する。光学系は、マスクを透過した光を被加工物
上の所定の領域に収束させる。このとき、光学系は、単
位パターンの周縁部が相互に重なるように露光する。
【0023】また、転写しようとするパターンを複数の
単位パターンに分割し、得られた単位パターン群から所
定の単位パターンを選択して半導体基板上に転写する動
作を繰り返すことにより所望のパターンを有する半導体
装置を形成する半導体装置製造方法において、前記単位
パターンの周縁部分を透過した光の強度がその他の領域
のそれよりも低くなるように設定し、前記単位パターン
の周縁部分が相互に重なるように露光を行うことを特徴
とする半導体装置製造方法が提供される。
【0024】更に、転写しようとするパターンを複数の
単位パターンに分割し、得られた単位パターン群から所
定の単位パターンを選択して被加工物上に転写する動作
を繰り返すことにより被加工物を所望のパターンに露光
する露光装置において使用されるマスクであって、前記
各単位パターンの周縁部分に形成された透過部の透過率
はその他の領域のそれよりも低くなるように設定されて
いることを特徴とするマスクが提供される。
【0025】更にまた、転写しようとするパターンを一
度に転写可能な複数の領域に分割し、各領域毎に露光す
ることにより所望のパターンに露光する露光装置におい
て、他の前記領域との境界部分の露光パターンの幅を、
実際に形成しようとするパターンの幅よりも狭くなるよ
うに設定するとともに、その露光量を他の部分の露光量
よりも多くなるように設定することによって所望の幅の
パターンを形成することを特徴とする露光装置が提供さ
れる。
【0026】また、転写しようとするパターンを一度に
転写可能な複数の領域に分割し、各領域単位で露光する
ことにより所望のパターンを有する半導体装置を形成す
る半導体装置製造方法において、他の前記領域との境界
部分の露光パターンの幅を、実際に形成しようとするパ
ターンの幅よりも狭くなるように設定するとともに、そ
の露光量を他の部分の露光量よりも多くなるように設定
することによって所望の幅のパターンを形成することを
特徴とする半導体装置製造方法が提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の動作原理を説明
する原理図である。この図において、光源10は、例え
ば、電子線ビームなどを発生する。
【0028】アパーチャマスク11は、矩形の開口部1
1aを有しており、光源10から照射された電子線ビー
ムを成形する。アパーチャマスク12には、複数の単位
パターンが形成されており、その中から所望のパターン
が選択され、アパーチャマスク11からの電子ビームの
経路中に挿入される。
【0029】図2は、このアパーチャマスク12に形成
されている単位パターンの詳細な構成例を示す図であ
る。なお、この単位パターンは、図32に示す単位パタ
ーン2bに対応しており、横方向に伸びた線路を形成す
るためのパターンである。
【0030】この図に示すように、単位パターン20
は、透過部20a、遮断部20b、および、半透過部2
0cによって構成されており、半透過部20cが設けら
れている点が、図32に示す従来の場合と異なってい
る。
【0031】半透過部20cは、線路パターンの先端部
(他のパターンと接続される部分)の長さWの範囲に設
けられており、入射された電子線ビームの透過率が1/
2になるように設定されている。
【0032】図1に戻って、光学系13は、アパーチャ
マスク12の単位パターンを透過した電子線ビームを偏
向させ、ウエハ14の所定の領域に収束させる。ウエハ
14は、例えば、シリコンなどの半導体基板である。
【0033】ステージ15は、ウエハ14を適宜移動さ
せ、光学系13とウエハ14との相対的な位置関係を決
定する。次に、以上の原理図の動作について説明する。
【0034】いま、ステージ15上にウエハ14が載置
されると、ステージ15が適宜移動されて光学系13と
ウエハ14との相対的な位置関係が調節される。位置関
係の調節が終了すると、アパーチャマスク12が適宜移
動されて、単位パターンが選択される。
【0035】いま、例えば、図2に示す線路パターンが
選択されたとすると、光源10から電子線ビームの照射
が開始される。光源10から照射された電子線ビーム
は、アパーチャマスク11の開口部11aを透過するこ
とにより、例えば、5μm×5μmの矩形の断面形状を
有するビームに成形され、アパーチャマスク12に対し
て出射される。
【0036】アパーチャマスク11から出射された電子
線ビームは、図2に示す単位パターンに入射される。ア
パーチャマスク12に入射された電子線ビームのうち、
透過部20aに入射された電子線ビームはほぼ100%
透過する。また、遮断部20bに入射された電子線ビー
ムはほぼ100%遮断される。更に、半透過部20cに
入射された電子線ビームは、50%の透過率で透過され
る。従って、この半透過部20cを透過した電子線ビー
ムの強度は、透過部20aを透過した電子線ビームの強
度の1/2となる。
【0037】このようにして、アパーチャマスク12の
単位パターンを透過した電子線ビームは、光学系13に
よって適宜偏向され、ウエハ14上の所定の領域に収束
される。その結果、ウエハ14に塗布されたフォトレジ
ストが、単位パターンに対応して感光する。
【0038】続いて、アパーチャマスク12が適宜移動
されることにより単位パターンが再度選択され、前述の
場合と同様の動作によって、露光が行われれる。いま、
図2に示す単位パターンが再度選択されたとすると、光
源10から照射された電子線ビームは、アパーチャマス
ク11およびアパーチャマスク12を透過し、光学系1
3に入射する。
【0039】光学系13は、前回の露光において半透過
部20cを透過した電子線ビームによって露光された領
域と、今回の露光において半透過部20cを透過した電
子線ビームによって露光された領域が相互に重なるよう
に電子線ビームを偏向する。
【0040】その結果、図3に示すように、ウエハ14
には、前回露光された単位パターン30と今回露光され
た単位パターン31とが、半透過部20cに対応する領
域32を重複させて露光されることになる。
【0041】なお、この図において、領域30a,30
cは、前回の露光における透過部20aおよび半透過部
20cによってそれぞれ形成された領域である。また、
領域31a,31cは、今回の露光における透過部20
aおよび半透過部20cによってそれぞれ形成された領
域である。更に、領域32は、前回と今回の露光におい
て、半透過部20cによって形成された領域であり、こ
の部分は、2重露光されている。
【0042】以上のような露光処理は、光学系13の偏
向可能範囲に応じて決定されるフィールド(例えば、5
mm×5mmの範囲)内に単位パターンが埋め尽くされ
るまで繰り返される。そして、処理が完了すると、ウエ
ハ14上の所定の領域(フィールド)には、所定の単位
パターンが適宜配置されることになる。
【0043】あるフィールドの露光が終了すると、ステ
ージ15が適宜移動され、他のフィールドに対する露光
処理が開始される。以上のような処理が繰り返され、全
てのフィールドの露光処理が終了すると、露光処理を完
了する。
【0044】次に、以上の露光処理によって形成された
線路パターンの特徴を以下に説明する。図4は、従来の
露光装置によって形成された線路パターンの接合部分の
詳細を示す図である。この図では、線路パターン40,
41が破線で示す境界部分において接合されている。
【0045】ところで、線路パターン40,41を露光
する際に何らかの誤差が生じて、図5(A)に示すよう
に、境界部分から距離dだけ双方のパターンが離れて露
光されたとする。その場合、線路パターン40,41の
内部の露光量を“1”とすると、線路パターン40,4
1の間の領域は、“0”となる。
【0046】その結果、エッチングによって形成される
パターン42は、図5(B)に示すように、中央部分に
凹部を生ずることになる。このように凹部が生ずると、
その部分の電気抵抗が上昇するので、回路の誤動作を招
いたり、最悪の場合には線路が断線することになる。
【0047】逆に、線路パターン40,41が相互に距
離dだけ近づく方向に誤差を生じた場合には、図6
(A)に示すように中央部分(線路パターンが重なって
いる部分)の露光量が“2”となる。
【0048】その結果、エッチングによって形成される
パターン43は、図6(B)に示すように、中央部分に
凸部を生ずることになる。このように凸部が生ずると、
他の線路パターンと接近するために線路間の容量が増加
し、その結果、回路の誤動作を招いたり、最悪の場合で
は他の線路と短絡することになる。
【0049】図7に示すように、本実施の形態では、線
路パターン50,51の先端にある幅Wの領域が相互に
重畳されて露光される。前述のように、中央にある重畳
された部分では、1回の露光における露光量は“1/
2”であるが、2重露光が行われるので“1”=(1/
2+1/2)となる。その結果、誤差なくこれらのパタ
ーンが露光された場合には、従来と同様のパターンを形
成することができる。
【0050】ところで、図8(A)に示すように、露光
時に、線路パターン50,51が相互に距離dだけ離れ
る方向に誤差を生じた場合には、2つの線路パターンの
先端部が重なっている領域のうち、中央の領域の露光量
は“1”となり、また、その両脇に存在する領域は、
“1/2”となる。
【0051】このようにして露光されたパターンがエッ
チングされると、図8(B)に示すような線路52が形
成される。即ち、露光量が“1”の領域は通常通りの幅
の線路が形成され、また、露光量が“1/2”の領域
は、通常よりも幅の狭い線路が形成される。
【0052】また、図9(A)に示すように、線路パタ
ーン50,51が相互にdだけ接近する方向に誤差を生
じた場合には、中央部に露光量“1”の領域が形成さ
れ、その両脇に露光量“3/2”の領域が形成される。
【0053】このようにして露光されたパターンがエッ
チングされると、図9(B)に示すような線路52が形
成される。即ち、露光量が“1”の領域は通常通りの幅
の線路が形成され、また、露光量が“3/2”の領域
は、通常よりも幅の広い線路が形成される。
【0054】従って、本実施の形態によって形成される
線路も、従来の場合と同様に、誤差が生じた場合には凹
部または凸部を生ずることになるが、その幅の誤差は従
来に比べて充分に小さいので、例えば、線路の断線や短
絡などを防止することができる。
【0055】次に、図10〜12を参照して、図1に示
すアパーチャマスク12の製造工程について説明する。
なお、以下では、従来の製造工程について説明した後、
本発明に関する図2に示す単位パターンを形成する場合
について説明する。
【0056】図10および図11は従来におけるアパー
チャマスクの製造工程を説明する図である。図10
(A)に示すように、アパーチャマスクの材料として
は、珪素(Si)層60、二酸化珪素(SiO2 )層6
1、および、珪素(Si)層62からなる3層基板が用
いられる。
【0057】なお、珪素層60は電子線ビームを遮断す
るマスクとなるので、この層の厚さは電子線ビームの加
速電圧に応じて決定される必要がある。例えば、加速電
圧が50kVである場合には、必要な厚さは約20μm
である。しかしながら、完全に遮断しないまでも、充分
なコントラストが確保できればよいことから、通常では
約10μm〜20μmの範囲に設定される。
【0058】図10(B)に示す工程では、リソグラフ
ィ処理によって珪素層60の上面にレジスト63をパタ
ーニングする。図10(C)に示す工程では、ドライエ
ッチング処理によりレジスト63が塗布されていない部
分を腐食させた後、レジスト63を除去する。
【0059】図11(D)に示す工程では、珪素層60
の保護と、珪素層62の選択的エッチングの目的で、珪
素層60の全てと、珪素層62の一部に窒化珪素(Si
3 4 )を塗布する。
【0060】図11(E)に示す工程では、珪素層62
をエッチング処理し、窒化珪素が塗布されていない部分
を除去する。図11(F)に示す工程では、フッ酸など
に浸すか、または、フッ素系のドライエッチングによっ
て、表面の窒化珪素および露出している二酸化珪素を除
去する。そして、導電性を持たせるために、白金やイリ
ジウムにより薄膜コーティングする。
【0061】以上の工程により、図1に示すアパーチャ
マスク12を得る。次に、図12を参照して、本発明に
おけるアパーチャマスク12の製造工程について説明す
る。なお、以下に示す工程では、前述の場合と異なる部
分のみを抜粋して示してある。
【0062】図12は、図2に示す単位パターンを作成
する工程を示す図である。なお、この図では、図2に示
す単位パターンをA−A’で切断した場合の断面を示し
ている。
【0063】図12(A)に示すように、アパーチャマ
スクの材料としては、図10の場合と同様に、珪素(S
i)層60、二酸化珪素(SiO2 )層61、および、
珪素(Si)層62からなる3層基板が用いられる。
【0064】図12(B)に示す工程では、珪素層60
に対してレジストを塗布し、パターニングを行う。この
とき、図2に示す透過部20aと半透過部20cを同時
にパターニングする。そして、エッチング処理を施し、
珪素層60を1μm程度残して除去する。なお、エッチ
ングの深さを調節するために、SiO2 やSi3 4
どのエッチングストッパーを用いてもよい。また、露光
は光または電子線ビームのいずれを用いてもよい。
【0065】図12(C)に示す工程では、図2に示す
透過部20a以外の領域(半透過部を含む)に対して、
レジストを塗布する。図12(D)に示す工程では、透
過部20aに対応する領域の珪素層60を除去する。
【0066】なお、その他の製造工程は図10および図
11に示す場合と同様である。以上の製造工程によれ
ば、薄膜の半透過部60aを有するアパーチャマスクを
形成することができる。
【0067】ところで、以上の実施の形態では、フィー
ルドを複数の領域(単位パターンに対応する領域)に分
割し、各領域単位で露光するようにしたが、例えば、近
年提案されているSCALPELと呼ばれる転写方法に
対して本発明を適用することも可能である。
【0068】このSCALPELは、光を用いた露光の
場合と同様に、アパーチャマスクを一括してスキャン露
光し、パターンをウエハ上に転写する方法である。しか
しながら、チップ全体を一括露光することは困難である
ので、複数回に分けて露光する必要が生ずる。
【0069】図13は、SCALPELにおいて用いら
れるアパーチャマスクに本発明を適用した場合の一例を
示す図である。図13(A)に示すように、この実施の
形態では、電子線ビームを透過する薄膜としてのメンブ
レン(Membrane)70a上に、電子散乱体である重金属
(例えば金)が所定の厚さとなるように蒸着され、遮断
部70bおよび半透過部70dが形成されている。ま
た、重金属が蒸着されていない部分は、透過部70cと
なる。
【0070】また、図13(B)は、図13(A)をA
−A’で切断した場合の断面図である。この図に示すよ
うに、遮断部70bと半透過部70dの膜厚は異なって
おり、半透過部70dの電子線ビームの透過率は1/2
に設定されている。
【0071】なお、このように遮断部70bと半透過部
70dとで膜厚を変える方法としては、例えば、金属を
蒸着する時間を制御することで行う。即ち、金などの金
属をメンブレン70a上に蒸着する場合には、先ず、遮
断部70bと半透過部70dに対して同時に金属を蒸着
し、半透過部70dに必要な厚さの膜が形成された場合
には、蒸着を停止する。続いて、半透過部70dをマス
クして蒸着を再開することにより、遮断部70bに必要
な膜厚を得ることができる。
【0072】このようなアパーチャマスクを用いて露光
を行う場合には、各パターンの接続部分に形成されてい
る半透過部(図13の例では半透過部70d)が相互に
重なるようにして露光を行う。
【0073】その結果、前述の場合と同様に、各パター
ンの転写位置の誤差によって、例えば、線路などに凹部
や凸部が形成されることを防止することができる。な
お、以上の実施の形態においては、半透過部20cの透
過率を50%に設定したが、本発明はこのような場合の
みに限定されるものではない。
【0074】また、以上の実施の形態では、光源部10
は電子線ビームを照射するようにしたが、例えば、紫外
線やレーザ光線などを照射するようにしてもよい。次
に、図14を参照して本発明の他の実施の形態の構成例
について説明する。この図において、図1の場合と対応
する部分には同一の符号を付してあるのでその説明は省
略する。
【0075】なお、この実施の形態は、主に、フィール
ド間に跨る線路パターンなどの幅が設計値から乖離しな
いようにするものである。図14においては、図1の場
合と比較して、アパーチャマスク12がアパーチャマス
ク80に置換されている。その他の構成は、図1の場合
と同様である。
【0076】なお、アパーチャマスク80に形成されて
いる線路パターンには、2種類のパターンがある。1つ
は通常のパターンであり、もう1つはフィールドの境界
領域に使用されるパターンである。
【0077】図15は、このような2つのパターンの一
例を示す図である。図15(A)は、通常のパターンで
あり、その開口部(線路パターン)の幅は、d1とされ
ている。また、図15(B)は、フィールドの境界領域
に使用されるパターンであり、その開口部の幅はd2
(<d1)とされている。
【0078】なお、これら2つのパターンによってウエ
ハ14上に形成される線路の幅は、同一である。即ち、
露光時には、これらの異なるパターンによって形成され
る線路の幅が同一となるように、露光量の制御が行われ
る。
【0079】次に、以上の実施の形態の動作原理につい
て図16〜図18を参照して説明する。図16は、基準
となる評価パターンである。この評価パターンでは、A
−A’を中心とする20μm×20μmの略四角形の領
域内に0.150μmの線幅のパターン90〜95が
0.150μmの間隔をおいて配置されている。
【0080】このような評価パターンによって得られる
線幅を基準として、図17に示すように、線路パターン
が最大で0.05μm離れたり重なったりするように露
光された場合の線幅の誤差をシミュレーションによって
求めた。この図の例では、線路パターン96,97が
0.05μm離れた状態を示しており、線路パターン9
8,99が0.05μm重なった状態を示している。
【0081】なお、このとき、電子線ビームの加速電圧
は50kVに設定してあり、また、EID(Energy Int
ensity Distribution )条件は、前方散乱半径0.07
0μm、後方散乱半径9.5μm、後方散乱係数0.8
にそれぞれ設定してある。
【0082】以上のような条件におけるシミューレショ
ン結果を図18に示す。図18の横軸は、線路パターン
の重なり量(μm)を示しており、中央部の“0”から
右方向に進むにつれてパターンの重なる部分が増加し、
また、左方向に進むにつれてパターンが離れていく。
【0083】また、縦軸は、設計値に対する線幅誤差
((形成された線幅−設計線幅)/設計線幅×100)
を示しており、上方向に進むにつれて線路パターンが設
計値よりも太くなり、また、下方向に進むにつれて線路
パターンが設計値よりも細くなる。
【0084】なお、0%を中心とした±10%の範囲
(図中直線によって示されている範囲)は、許容誤差範
囲である。このシミューレション結果から分かるよう
に、線幅誤差は、パターンが重なる方向の方がパターン
が離れる方向よりも誤差が小さい。即ち、パターンの重
なり量が増えるにつれて(グラフの右方向に進むつれ
て)増加する誤差の方が、パターンの重なり量が減るに
つれて(グラフの左方向に進むにつれて)増加する誤差
よりも小さい。
【0085】例えば、形成される線路パターンが許容誤
差である±10%の範囲に収まる最大のパターンの重な
り量は、パターンの重なり量が増加する方向では0.0
16μmであるのに対して、重なり量が減少する方向で
は0.013μmである。
【0086】このようなシミュレーション結果に基づ
き、本発明者は、フィールド境界ではあらかじめパター
ンを重ねておくような処理をすることにより、パターン
の位置ずれが発生した場合でも多くの位置ずれマージン
を確保できないかということを考えた。
【0087】しかし、フィールド境界においてパターン
を常に重ねるようにした場合、パターンの位置ずれが発
生しないときには、フィールド境界部分の線幅が設計値
よりも広くなるため、リソグラフィ技術としては望まし
くない。
【0088】そこで、本発明ではフィールド境界に位置
するパターンについては、描画前にあらかじめ細い線幅
に加工し、形成される線路パターンの幅が所望の値とな
るように露光量を多くする方法を考えた。
【0089】これにより、フィールド境界では所望の線
幅を得ながらも、フィールド境界のパターンの接合部で
は通常の露光に比較して露光エネルギーを高くするよう
な効果(フィールド境界でパターンを予め重ねておくよ
うな効果)を創出することができる。
【0090】次に、図14に示す実施の形態の動作につ
いて説明する。なお、以下の説明では、説明を簡略化す
るために、図15(A),(B)に示す単位パターンを
露光する場合についてのみ説明する。
【0091】いま、ステージ15上にウエハ14が載置
されると、ステージ15が適宜移動されて光学系13と
ウエハ14との相対的な位置関係が調節される。位置関
係の調節が終了すると、アパーチャマスク80が適宜移
動されて、単位パターンが選択される。
【0092】このとき、現在露光しようとしている領域
がフィールドの境界である場合には、図15(B)に示
す単位パターンが選択され、また、それ以外の領域であ
る場合には図15(A)に示すパターンが選択される。
【0093】そして、単位パターンの選択が終了する
と、光源10から電子線ビームの照射が開始される。光
源10から照射された電子線ビームは、アパーチャマス
ク11の開口部11aを透過することにより、例えば、
5μm×5μmの矩形の断面形状を有するビームに成形
され、アパーチャマスク80に対して出射される。
【0094】アパーチャマスク11から出射された電子
線ビームは、現在露光が行われている領域に応じて、図
15(A),(B)に示す何れかの単位パターンに入射
される。
【0095】アパーチャマスク80の単位パターンを透
過した電子線ビームは、光学系13によって適宜偏向さ
れ、ウエハ14上の所定の領域に収束される。その結
果、ウエハ14に塗布されたフォトレジストが、単位パ
ターンに対応して感光する。
【0096】続いて、アパーチャマスク80が適宜移動
されることにより単位パターンが再度選択され、前述の
場合と同様の動作によって、露光が行われれる。いま、
露光の対象とされている領域がフィールド境界ではない
場合には、図15(A)に示す単位パターンが選択され
るとともに、通常の露光量となるように制御がなされ
る。
【0097】また、露光の対象とされている領域がフィ
ールド境界である場合には、図15(B)に示す単位パ
ターンが選択されるとともに、通常よりも多い露光量と
なるように制御がなされる。その結果、マスク80に形
成されている単位パターンの線路の幅は異なるものの、
ウエハ14上に形成される線路の幅は図15(A)に示
す単位パターンの場合と同様になる。なお、この露光量
を調節する方法としては、例えば、露光時間を制御する
ことによって達成できる。
【0098】以上のような露光処理は、光学系13の偏
向可能範囲に応じて決定されるフィールド(例えば、5
mm×5mmの範囲)が完了するまで繰り返される。そ
の結果、ウエハ14上の所定の領域(フィールド)に
は、所定の単位パターンが適宜配置されることになる。
【0099】そして、あるフィールドの露光が終了する
と、ステージ15が適宜移動され、他のフィールドに対
する露光処理が開始される。以上のような処理が繰り返
され、全てのフィールドの露光処理が終了すると、露光
処理を完了する。
【0100】次に、図19〜図24を参照して、以上の
実施の形態によって作成される線路パターンの誤差につ
いて検証する。図19は、図16に示すパターンを通常
の領域(フィールド境界以外の領域)で使用される単位
パターンとした場合に、フィールド境界において使用さ
れる単位パターンの一例を示している。
【0101】この単位パターンでは、線路パターンの線
幅が0.150μmから0.130μmに狭められてお
り、また、線路パターンの間隔が0.150μmから
0.170μmに広げられている。その結果、図16の
場合と比較して、線路パターンが配置されるピッチは一
定のままで、線路パターンの線幅だけが狭められてい
る。
【0102】このように通常よりも狭い線幅(=0.1
30μm)を有する線路パターンを用いて、所望の線幅
(=0.150μm)を得るためには、シミュレーショ
ン結果によると露光量を通常の約1.32倍に設定する
必要がある。
【0103】そのような条件下において、図20に示す
ように、線路パターンが最大で0.05μm離れたり重
なったりするように露光された場合の線幅の誤差をシミ
ュレーションによって求めた。この図の例では、線路パ
ターン106,107が0.05μm離れた状態を示し
ており、線路パターン108,109が0.05μm重
なった状態を示している。
【0104】以上のような条件におけるシミューレショ
ン結果を図21に示す。このグラフにおいて、破線は補
正がなされていない場合の結果を示しており、これは図
18の場合と同様である。また、実線は線幅を狭め、か
つ、露光量を増やした場合(図19に示すパターンを使
用した場合)の結果を示している。
【0105】これら2つの曲線を比較することから分か
るように、「補正なし」の場合では描画パターンが離れ
たり重なるように位置ずれを起こした場合、フィールド
境界上での線幅誤差が設計線幅に対して±10%以内と
なる位置ずれ量のマージンは、離れる方向が0.013
μm、重なる方向が0.016μm、合わせて0.02
9μmであるのに対し、本発明を用いた場合は離れる方
向が0.015μm、重なる方向が0.019μm、合
わせて0.034μmと、0.005μmのマージンを
拡大できたことが分かる。
【0106】次に、図22を参照して、線幅を0.10
0μmに設定した場合について説明する。この単位パタ
ーンでは、線路パターンの線幅が0.150μmから
0.100μmに狭められており、また、線路パターン
の間隔が0.150μmから0.200μmに広げられ
ている。その結果、図16の場合と比較して、線路パタ
ーンが配置されるピッチは一定のままで、線路パターン
の線幅だけが狭められている。
【0107】このように通常よりも狭い線幅(=0.1
00μm)を有する線路パターンを用いて、所望の線幅
(=0.150μm)を得るためには、露光量を通常の
約1.77倍に設定する必要がある。
【0108】そのような条件下において、図23に示す
ように、線路パターンが最大で0.05μm離れたり重
なったりするように露光された場合の線幅の誤差をシミ
ュレーションによって求めた。この図の例では、線路パ
ターン116,117が0.05μm離れた状態を示し
ており、線路パターン118,119が0.05μm重
なった状態を示している。
【0109】以上のような条件におけるシミューレショ
ン結果を図24に示す。このグラフにおいて、破線は補
正がなされていない場合の結果を示しており、これは図
18の場合と同様である。また、実線は線幅を狭め、か
つ、露光量を増やした場合(図22に示すパターンを使
用した場合)の結果を示している。
【0110】これら2つの曲線を比較することから分か
るように、「補正なし」の場合では描画パターンが離れ
たり重なるように位置ずれを起こした場合、フィールド
境界上での線幅誤差が設計線幅に対して±10%以内と
なる位置ずれ量のマージンは、離れる方向が0.013
μm、重なる方向が0.016μm、合わせて0.02
9μmであるのに対し、図22に示すパターンを用いた
場合は離れる方向が0.018μm、重なる方向が0.
022μm、合わせて0.040μmと、0.011μ
mのマージンを拡大できたことが分かる。
【0111】以上に示したように、本実施の形態によれ
ば、フィールド境界に配置される線路パターンの線幅を
通常よりも狭く設定し、また、その露光量を多くするこ
とにより、線路パターンの位置ずれに起因する線路の幅
の誤差の発生を抑制することが可能となる。
【0112】なお、以上の実施の形態においては、アパ
ーチャマスク80を用いた一括露光を行う場合について
説明したが、例えば、電子線ビームやレーザ光線によっ
て、パターンをウエハ14上に直接描画する可変整形型
描画装置に対しても本発明を適用することが可能であ
る。
【0113】図25は、可変整形型描画装置に本発明を
適用した場合の実施の形態の構成例を示す図である。こ
の図において、図1に対応する部分には同一の符号を付
してあるのでその説明は省略する。
【0114】この実施の形態では、図1の場合と比較し
て、一括露光用アパーチャマスク12が可変整形用アパ
ーチャマスク12に置換されている。また、アパーチャ
マスク11を出射したビームの一部をアパーチャマスク
12に入射するための光学系16、データ処理部13
0、および、制御部131が新たに追加されている。
【0115】データ処理部130は、入力された設計デ
ータ(例えば、回路図)を描画データに変換する。制御
部131は、データ処理部130によって得られた描画
データに対応して光学系16および光源10を制御し、
ウエハ14上にパターンを直接描画させる。
【0116】なお、その他の構成は、図1の場合と同様
である。次に、図26を参照して、以上の実施の形態に
おいて実行される処理の一例について説明する。
【0117】このフローチャートは、例えば、ウエハ1
4に対して所定のパターンを描画する場合に実行される
処理である。このフローチャートが開始されると、以下
の処理が実行されることになる。[S1]データ処理部
130は、設計データを入力する。[S2]データ処理
部130は、入力した設計データを描画データに変換す
る。[S3]データ処理部130は、描画データからフ
ィールド境界に位置するデータを抽出する。
【0118】即ち、図27に示すように、フィールドf
aおよびフィールドfbの境界に跨るようなパターン1
40を、描画データから抽出する。[S4]データ処理
部130は、抽出された描画データのパターン幅を狭め
る。
【0119】即ち、図28(A)に示すように、抽出し
たパターン140を境界で2分し、図28(B)に示す
ようにそれぞれのパターンの幅を、αからβ(α>β)
に狭める。[S5]データ処理部130は、処理の終了
した描画データを制御部131に供給し、描画処理を開
始させる。[S6]制御部131は、現在の描画領域が
フィールド境界であるか否かを判定し、フィールド境界
である場合にはステップS7に進み、それ以外の場合に
はステップS8に進む。[S7]制御部131は、光学
系16を制御して図28(B)のパターンが得られるよ
うにアパーチャマスク11を出射したビームの一部がア
パーチャマスク12に入射するようにすると同時に、光
源10を制御して露光量を増加させて描画処理を行う。
[S8]制御部131は、光学系16を制御して図28
(A)のパターンが得られるようにアパーチャマスク1
1を出射したビームの一部がアパーチャマスク12に入
射するようにし、通常の露光量で描画処理を実行させ
る。[S9]制御部131は、全ての描画データの描画
が終了したか否かを判定し、終了した場合には処理を終
了し(エンド)、それ以外の場合にはステップS6に戻
って同様の処理を繰り返す。
【0120】以上の処理によれば、フィールド境界に跨
っているパターンを描画する際には、線幅を狭くすると
ともに露光量を増加させるようにしたので、フィールド
の位置ずれに起因するパターン幅の誤差を減少させるこ
とが可能となる。
【0121】なお、以上の実施の形態においては、フィ
ールド境界に跨っている線路パターンの幅を、0.13
0μmまたは0.100μmに設定したが、本発明はこ
のような場合のみに限定されるものではない。
【0122】また、以上の実施の形態では、光源部10
は電子線ビームを照射するようにしたが、例えば、紫外
線やレーザ光線などを照射するようにしてもよい。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように本発明の露光装置で
は、マスクに形成された単位パターンの周縁部分に存在
するパターンの透過率を他の部分より低く設定するとと
もに、この周縁部分が相互に重なるように露光するよう
にしたので、各単位パターンの露光時の位置のずれに起
因する線路パターンの幅の誤差の発生を抑制することが
できる。
【0124】また、本発明の露光方法では、マスクに形
成された単位パターンの周縁部分に存在するパターンの
透過率を他の部分より低く設定するとともに、この周縁
部分が相互に重なるように露光するようにしたので、単
位パターンが接合される部分に形成される線路パターン
が断線したり短絡することを防止することができる。
【0125】更に、本発明の半導体装置製造方法では、
マスクに形成された単位パターンの周縁部分に存在する
パターンの透過率を他の部分より低く設定するととも
に、この周縁部分が相互に重なるように露光するように
したので、製造される半導体装置の歩留まりの低下を防
止することができる。
【0126】更にまた、本発明のマスクでは、単位パタ
ーンの周縁部分に存在するパターンの透過率を他の部分
より低く設定するようにしたので、線幅の誤差の少ない
パターンを形成することが可能となる。
【0127】また、本発明の露光装置では、転写しよう
とするパターンを複数の領域に分割し、他の領域との境
界部分の露光パターンの幅を、実際に形成しようとする
パターンの幅よりも狭くなるように設定するとともに、
その露光量を他の部分の露光量よりも多くなるように設
定するようにしたので、各領域の露光時の位置ずれに起
因して発生する線路パターンの幅の誤差を減少させるこ
とができる。
【0128】更に、本発明の露光方法では、転写しよう
とするパターンを複数の領域に分割し、他の領域との境
界部分の露光パターンの幅を、実際に形成しようとする
パターンの幅よりも狭くなるように設定するとともに、
その露光量を他の部分の露光量よりも多くなるように設
定するようにしたので、領域が接合される部分に形成さ
れる線路パターンが断線したり短絡することを防止する
ことができる。
【0129】更に、本発明の半導体装置製造方法では、
転写しようとするパターンを複数の領域に分割し、他の
領域との境界部分の露光パターンの幅を、実際に形成し
ようとするパターンの幅よりも狭くなるように設定する
とともに、その露光量を他の部分の露光量よりも多くな
るように設定するようにしたので、製造される半導体装
置の歩留まりの低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動作原理を説明する原理図である。
【図2】図1に示すアパーチャマスクに形成されている
単位パターンの詳細な構成例を示す図である。
【図3】図2に示す単位パターンが露光された場合に、
ウエハ上に形成されるパターンの一例を示す図である。
【図4】従来における露光装置によって露光された線路
パターンの接合部分を示す図である。
【図5】従来における露光装置によって線路パターンが
離れて露光された場合の露光パターン(A)とその結果
形成されるパターン(B)との関係を示す図である。
【図6】従来における露光装置によって線路パターンが
重なって露光された場合の露光パターン(A)とその結
果形成されるパターン(B)との関係を示す図である。
【図7】図1に示す露光装置によって露光された線路パ
ターンの接合部分を示す図である。
【図8】図1に示す露光装置によって線路パターンが離
れて露光された場合の露光パターン(A)とその結果形
成されるパターン(B)との関係を示す図である。
【図9】図1に示す露光装置によって線路パターンが重
なって露光された場合の露光パターン(A)とその結果
形成されるパターン(B)との関係を示す図である。
【図10】従来におけるアパーチャマスクの製造工程を
示す図である。
【図11】従来におけるアパーチャマスクの製造工程を
示す図である。
【図12】図2に示すアパーチャマスクの製造工程の一
例を示す図である。
【図13】SCALPELにおいて使用されるアパーチ
ャマスクに本発明を適用した場合の構成の一例を示す図
であり、(A)は平面図、(B)は(A)をA−A’で
切断した場合の断面図である。
【図14】本発明の他の実施の形態の構成例を示す図で
ある。
【図15】図14に示すアパーチャマスクに形成された
単位パターンの一例を示す図であり、(A)は通常のパ
ターンを示す図であり、(B)はフィールドの境界領域
に使用されるパターンを示す図である。
【図16】基準となる線路パターンの一例を示す図であ
る。
【図17】図16に示す線路パターンが相互に0.05
μmだけ離れて露光された場合(A)と、0.05μm
だけ重なって露光された場合(B)の一例を示す図であ
る。
【図18】図16に示す線路パターンの重なり量と、設
計値からの誤差との関係を示す図である。
【図19】図14に示す実施の形態において、フィール
ド境界に跨る場合に使用される線路パターンの一例を示
す図である。
【図20】図19に示す線路パターンが相互に0.05
μmだけ離れて露光された場合と、0.05μmだけ重
なって露光された場合の一例を示す図である。
【図21】図19に示す線路パターンの重なり量と、設
計値からの誤差との関係を示す図である。
【図22】図14に示す実施の形態において、フィール
ド境界に跨る場合に使用される線路パターンの他の一例
を示す図である。
【図23】図22に示す線路パターンが相互に0.05
μmだけ離れて露光された場合と、0.05μmだけ重
なって露光された場合の一例を示す図である。
【図24】図22に示す線路パターンの重なり量と、設
計値からの誤差との関係を示す図である。
【図25】本発明を可変整形描画装置に適用した場合の
実施の形態の構成例を示す図である。
【図26】図25に示す実施の形態において実行される
処理の一例を説明するフローチャートである。
【図27】フィールド境界に跨るパターンの一例を示す
図である。
【図28】図26のステップS4において実行される処
理の詳細を説明する図である。
【図29】フィールドの分割の一形態を示す図である。
【図30】図29に示すフィールドを構成する単位パタ
ーンの一例を示す図である。
【図31】従来における一括露光法式の構成の概要を説
明する図である。
【図32】図31に示すアパーチャマスクに形成された
単位パターンの一例を示す図である。
【図33】図32に示す単位パターン2bが近接して2
回露光された場合であって、単位パターン同士が重なっ
て露光された場合(A)と、単位パターン同士が離れて
露光された場合(B)に形成される線路パターンの一例
を示す図である。
【符号の説明】
10……光源,11……アパーチャマスク,11a……
開口部,12……アパーチャマスク,13……光学系,
14……ウエハ,15……ステージ,80……アパーチ
ャマスク,130……データ処理部,131……制御部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写しようとするパターンを複数の単位
    パターンに分割し、得られた単位パターン群から所定の
    単位パターンを選択して被加工物上に転写する動作を繰
    り返すことにより被加工物を所望のパターンに露光する
    露光装置において、前記単位パターン群が形成されたマ
    スクと、前記マスクの所定の単位パターンに対して光を
    照射する光源部と、前記マスクを透過した光を前記被加
    工物上の所定の領域に収束させる光学系と、を有し、前
    記マスクの各単位パターンの周縁部分に形成された透過
    部の透過率はその他の領域のそれよりも低くなるように
    設定し、前記単位パターンの前記周縁部分が相互に重な
    るように露光することを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 前記光源部は、電子線ビームを照射する
    ことを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 【請求項3】 転写しようとするパターンを複数の単位
    パターンに分割し、得られた単位パターン群から所定の
    単位パターンを選択して被加工物上に転写する動作を繰
    り返すことにより被加工物を所望のパターンに露光する
    露光方法において、前記単位パターンの周縁部分を透過
    した光の強度がその他の領域のそれよりも低くなるよう
    に設定し、前記単位パターンの周縁部分が相互に重なる
    ように露光することを特徴とする露光方法。
  4. 【請求項4】 転写しようとするパターンを複数の単位
    パターンに分割し、得られた単位パターン群から所定の
    単位パターンを選択して半導体基板上に転写する動作を
    繰り返すことにより所望のパターンを有する半導体装置
    を形成する半導体装置製造方法において、前記単位パタ
    ーンの周縁部分を透過した光の強度がその他の領域のそ
    れよりも低くなるように設定し、前記単位パターンの周
    縁部分が相互に重なるように露光を行うことを特徴とす
    る半導体装置製造方法。
  5. 【請求項5】 転写しようとするパターンを複数の単位
    パターンに分割し、得られた単位パターン群から所定の
    単位パターンを選択して被加工物上に転写する動作を繰
    り返すことにより被加工物を所望のパターンに露光する
    露光装置において使用されるマスクであって、前記各単
    位パターンの周縁部分に形成された透過部の透過率はそ
    の他の領域のそれよりも低くなるように設定されている
    ことを特徴とするマスク。
  6. 【請求項6】 転写しようとするパターンを一度に転写
    可能な複数の領域に分割し、各領域毎に露光することに
    より被加工物を所望のパターンに露光する露光装置にお
    いて、他の前記領域との境界部分の露光パターンの幅
    を、実際に形成しようとするパターンの幅よりも狭くな
    るように設定するとともに、その露光量を他の部分の露
    光量よりも多くなるように設定することによって所望の
    幅のパターンを形成することを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 転写しようとするパターンを一度に転写
    可能な複数の領域に分割し、各領域毎に露光することに
    より被加工物を所望のパターンに露光する露光方法にお
    いて、他の前記領域との境界部分の露光パターンの幅
    を、実際に形成しようとするパターンの幅よりも狭くな
    るように設定するとともに、その露光量を他の部分の露
    光量よりも多くなるように設定することによって所望の
    幅のパターンを形成することを特徴とする露光方法。
  8. 【請求項8】 転写しようとするパターンを一度に転写
    可能な複数の領域に分割し、各領域毎に露光することに
    より所望のパターンを有する半導体装置を形成する半導
    体装置製造方法において、他の前記領域との境界部分の
    露光パターンの幅を、実際に形成しようとするパターン
    の幅よりも狭くなるように設定するとともに、その露光
    量を他の部分の露光量よりも多くなるように設定するこ
    とによって所望の幅のパターンを形成することを特徴と
    する半導体装置製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007005341A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Advantest Corp 電子ビーム露光装置
JP2013055144A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Nuflare Technology Inc マルチ荷電粒子ビーム描画装置及びマルチ荷電粒子ビーム描画方法

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