JP2000048764A - 飛行時間型質量分析計 - Google Patents

飛行時間型質量分析計

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JP2000048764A
JP2000048764A JP10209679A JP20967998A JP2000048764A JP 2000048764 A JP2000048764 A JP 2000048764A JP 10209679 A JP10209679 A JP 10209679A JP 20967998 A JP20967998 A JP 20967998A JP 2000048764 A JP2000048764 A JP 2000048764A
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ion
ions
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Yoshihiro Nukina
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/0027Methods for using particle spectrometers
    • H01J49/0036Step by step routines describing the handling of the data generated during a measurement
    • HELECTRICITY
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    • H01J49/00Particle spectrometers or separator tubes
    • H01J49/26Mass spectrometers or separator tubes
    • H01J49/34Dynamic spectrometers
    • H01J49/40Time-of-flight spectrometers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高速検出系のダイナミックレンジをより一層拡
大する。 【解決手段】イオン検出器8のマイクロチャンネルプレ
ート8aで検出されたイオンがアノード8bからプリア
ンプに送出されるが、このとき、PNシーケンス発生器
15からの+1と−1の符号によるN個のPNシーケン
スに基づいて、各遅延回路131〜13Nは遅延スペクト
ルを作る。そして、ディコンボリューション演算器14
がディコンボリューション処理により遅延スペクトルS
(i)とPNシーケンスとの相互相関を取ることによ
り、復元スペクトルG(i)が得られる。これにより、
各ダイナミックレンジが100の従来のプリアンプ9お
よびADコンバータ10を用いても、N×100のダイ
ナミックレンジを得ることができる。すなわち、飛行時
間型質量分析器の高速検出系のダイナミックレンジをよ
り一層拡大することができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料からイオンを
発生させるとともに、このイオンを加速することによ
り、試料のイオンを質量の大きなイオンと質量の小さな
イオンとに分離してイオン検出器に導入し、試料の質量
分析を行う飛行時間型質量分析計の技術分野に属し、特
に、イオン溜内に外部イオン源からイオンを一旦滞留
し、このイオンをイオン溜から所定のデューティサイク
ルで押し出してイオン検出器に収束させるようになって
いる飛行時間型質量分析計の技術分野に属するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、質量分析計として、試料から発生
させたイオンを加速することにより、試料のイオンを質
量の大きなイオンと質量の小さなイオンとに分離して質
量分析器に導入し、試料の質量分析を行う飛行時間型質
量分析計(TOFMS)が提案されている。この飛行時間型
質量分析計は、イオンに同一運動エネルギを与えたと
き、イオンの質量電荷比(m/e、M:質量数、e:素
電荷)が小さいものほど、イオン検出器に早く到達する
ことを利用している。
【0003】このような飛行時間型質量分析計として、
従来、イオンを連続的に出射する連続イオン化法を用い
た垂直加速型飛行時間型質量分析計(Orthogonal Accel
eration TOFMS:OA/TOFMS)が提案されている。
【0004】図3は、このOA/TOFMSの一例を模式的に示
す図である。図中、1は外部イオン源、2はビーム規制
スリット、3は長さy0のイオン溜、4はイオン押出プ
レート、5はイオン溜3のイオン放出口に設けられたグ
リッド、7はTOFMS分光部、8はマイクロチャンネルプ
レート(以下、MCPとも表す)8aを有するイオン検
出器、9はDCアンプからなるプリアンプ、10はAD
コンバータ、11はアベレージャ、12はホストコンピ
ュータである。
【0005】分析試料は電圧V1が印加されている外部
イオン源1で連続的にイオン化され、このイオンは運動
エネルギ(eV1)で加速されて、イオン規制スリット
2を通ってイオン溜3に導入され、y軸方向にドリフト
しながらイオン溜3内をy軸(−)方向に飛行する。そ
して、このイオンが長さy0のイオン溜3を充満した状
態で、イオン押出プレート4に任意の適当な時間間隔で
イオン押出パルス用の高電圧パルス(振幅電圧=V2
を印加すると、グリッド5が接地電位または接地電位近
傍の電位に保持されているので、イオン溜3内のイオン
は、運動エネルギ(eV2)でイオン溜3内のイオンの
飛行方向(y軸方向)と垂直なTOFMSの光軸方向(z軸
方向)に加速され、イオン溜3のグリッド5から排出さ
れる。このとき、イオンはドリフト方向の長さy0(イ
オン溜3の長さ)のビーム長分が排出される。
【0006】イオン溜3から排出されたイオンはTOFMS
分光部7に進入し、TOFMS分光部7内を飛行した後、イ
オン検出器8に到達する。このとき、イオンはTOFMS分
光部7内の飛行中に、
【0007】
【数1】
【0008】にしたがって質量分離され、質量の小さい
イオンから順次イオン検出器8のMCP8aに検出され
る。その場合、それぞれのイオンのビームは、ほぼy0
と同じ長さでMCP8aに結像しており、長さy0内に
均等分布している。
【0009】更に、イオンは、イオン検出器8のMCP
8a等で2次電子増倍された後、プリアンプ9で電流電
圧変換され、次いでADコンバータ10でディタイズさ
れる。そして、所定回数のイオン押出パルスをアベレー
ジャ11に同期させて、ADコンバータ10からのディ
ジタル化されたデータがこのアベレージャ11で所定回
数積算されて、積算されたデータがホストコンピュータ
12に送られ、分析される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、イオン検出
器8のMCP8aで2次電子増倍されたマスピークをプ
ロファイル再現できるように検出するためには、500
MHz〜1GHzオーダの高速の応答速度を持つプリア
ンプ9とADコンバータ10により、マスピークをサン
プリングする必要がある。
【0011】しかしながら、2次電子増倍器として使用
されるMCP8aは3桁以上のダイナミックレンジを持
っているにもかかわらず、後続のプリアンプ9とADコ
ンバータ10は、それらのダイナミックレンジが100
程度に限定される。このため、従来は、イオン溜3から
の1回のイオン押し出し量を、最大ピークとなる質量イ
オンの強度が100(相対値として)以下になるように
規制するか、あるいはイオン検出器8のMCP8aかプ
リアンプ9のゲインを調整するかのいずれかの一方の手
法が採られれている。その場合、ADコンバータ10で
ディジタイズ後にアベレージャ11での積算回数でダイ
ナミックレンジの拡大をしている。
【0012】しかしながら、これらの方法では、イオン
溜3でのロスが伴うこと、および同質のS/N比を持つ
マススペクトルの測定に時間を有する等の問題があるた
め、1回の測定で得られるマススペクトルの最大イオン
強度と最小イオン強度のピーク比が100:1に限定さ
れ、イオン検出器8からアベレージャ11に至る高速検
出系におけるダイナミックレンジが制限されているとい
う問題がある。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、高速検出系のダイナミッ
クレンジをより一層拡大することのできる飛行時間型質
量分析計を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1も発明は、イオンを出射するイオン源
と、前記イオンが導入されるとともに、このイオンをパ
ルス電圧印加により放出するイオン溜と、このイオン溜
からのイオンを加速する分光部と、この分光部で加速さ
れたイオンを検出するイオン検出器と、一定サイクル
で、符号化された疑似ランダム雑音シーケンス(PNシ
ーケンス)における+1と−1の符号の疑似ランダムパ
ルス列を発生させるPNシーケンス発生器と、このPN
シーケンス発生器からのPNシーケンスに基づいて前記
イオン検出器からのスペクトルを遅延して出力する遅延
回路と、この遅延回路からの遅延したスペクトル電流を
電圧に変換するプリアンプと、このプリアンプの電圧を
ディジタル化するAD変換器と、このAD変換器からの
スペクトルデータとPNシーケンスの関数との相互相関
を高速演算してディコンボリューション処理されたマス
スペクトルデータを得るディコンボリューション用演算
器と、この演算器で得られたマススペクトルデータが供
給されるホストコンピュータとを少なくとも備えている
ことを特徴としている。
【0015】また、請求項2の発明は、前記イオン検出
器が、均等な長さあるいは均等な有効受光面積を有する
とともに、イオン検出器で検出されたイオンを2次電子
に増幅し、更にこの2次電子を所定数に分割する所定数
のアノードを有するマイクロチャンネルプレートまたは
マイクロスフェアプレートを備えており、前記遅延回路
はそれぞれのアノードに個別に接続されていることを特
徴としている。
【0016】更に、請求項3の発明は、更に、前記AD
変換器からのスペクトルデータを所定回数積算するアベ
レージャを備えており、前記ディコンボリューション用
演算器は、このアベレージャからの積算したスペクトル
データとPNシーケンスの関数との相互相関を高速演算
してディコンボリューション処理を行うことを特徴とし
ている。
【0017】更に、請求項4の発明は、前記遅延回路が
それぞれプリアンプまたはADコンバータに組み込まれ
ていることを特徴としている。更に、請求項5の発明
は、前記PNシーケンスが、その和が+1となるPNシ
ーケンスであることを特徴としている。
【0018】
【作用】このような構成をした本発明の飛行時間型質量
分析計においては、PNシーケンス発生器から一定サイ
クルでPNシーケンスにおける+1と−1の疑似ランダ
ムなパルス列が、各遅延回路とディコンボリューション
演算器に出力される。+1の符号のパルス列にしたがっ
て、各遅延回路が遅延時間だけ遅れて遅延スペクトルを
断続的にかつランダムに出力する。これにより、イオン
検出器の各アノードから出力される各スペクトルがそれ
ぞれ遅延回路によって遅延スペクトルとされてプリアン
プに送られる。更に、このイオンの遅延スペクトルはプ
リアンプで電流電圧変換された後、ADコンバータでデ
ィジタル化される。
【0019】ディコンボリューション演算器は、ADコ
ンバータからのデータとPNシーケンス発生器からのP
Nシーケンスの装置関数とのディコンボリューション処
理を行って、復元されたマススペクトルを得る。この復
元スペクトルにより、各ダイナミックレンジが100の
従来のプリアンプおよびADコンバータを用いても、所
定回数(N)×100のダイナミックレンジが得られ
る。すなわち、飛行時間型質量分析器の高速検出系のダ
イナミックレンジがより一層拡大するものとなる。 そ
して、このマススペクトルデータが逐次データバスを経
由してホストコンピュータに転送される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明にかかる飛行時間型
質量分析計の実施の形態の一例を部分的に示す図であ
る。
【0021】この例の飛行時間型質量分析計は、前述の
図3に示すOA/TOFMSと同様の、外部イオン源1、ビーム
規制スリット2、イオン溜3、イオン押出プレート4、
グリッド5、TOFMS分光部7、MCP8aを有するイオ
ン検出器8、プリアンプ9、ADコンバータ10、アベ
レージャ11、およびホストコンピュータ12を備えて
いる。更に、この例の飛行時間型質量分析計は、図1に
示すようにイオン検出器8のMCP8aがy方向に均一
の長さを有する複数(N)個に分割されて配設されたア
ノード8bと、各アノード8bとプリアンプ9との間の
接続回路にそれぞれ配設された遅延回路131〜13N
からなる遅延手段13と、アベレージャ11とホストコ
ンピュータ12との間に配設され、アベレージャ11か
らの所定回数積算されたデータと後述するPNシーケン
ス発生手段15からのPNシーケンスとのディコンボリ
ューション処理を行うディコンボリューション演算器1
4と、遅延手段13の各遅延回路131〜13Nとディコ
ンボリューション演算器14とに後述する+1と−1の
符号による疑似ランダムなパルス列のPNシーケンスを
送出するPNシーケンス発生手段15とを備えている。
【0022】アノード8bの個数N(=2n-1;nは正
の正数)の値は、イオン溜3の長さy0やMCP8aと
アノード8bの物理的長さで限定されるが、大きい整数
値ほどPNシーケンスの基づくアルゴリズム上、有利で
ある。また、各アノード8bの長さは、y0/Nより若
干短いか、位置的にずらして、できる限り最大のイオン
量を取れるように配置することが望ましい。
【0023】また、ディコンボリューション演算器14
は、相互相関計算を実行できる機能を有する専用のプロ
セッサユニットまたはソフトウェアによる処理ができる
機能を有するものであれば、どのようなものでもよい。
【0024】更に、この例の飛行時間型質量分析計で
は、PNシーケンス発生手段15から、符号化された疑
似ランダム雑音シーケンス(Pseudo-random noise sequ
ence ;PN sequence、PNシーケンス)を装置関数とし
たパルス列を繰り返し断続的に発生させる。このPNシ
ーケンスの一例として、2N−1=15個で一定時間間
隔txで+1と−1の符号からなるPNシーケンスを、
図2(a)に示す。また、このPNシーケンスによって
遅延したn{n=(2N−1)/2=8個からなるイオ
ンの遅延スペクトル{S(i)}を図2(b)に示す。
更に、PNシーケンス発生手段15からのPNシーケン
スと遅延スペクトルとの相互相関させた復元スペクトル
を図2(c)に示す。
【0025】そして、この例では、PNシーケンスに基
づいて発生するパルス列について、次のように定義して
いる。すなわち、一定時間間隔で+1か−1の値のいず
れかの値をランダムにとるN個のパルスからなるPNシ
ーケンスを{f(t)=F(i)}と表すと、この和
は、式
【0026】
【数2】
【0027】で示すように必ず+1か−1になる。図2
(a)で示す例では、f(t)=ΣF(i)=+1とな
る。また、このパルス列の自己相関関数をK(i)とす
ると、K(i)は、
【0028】
【数3】
【0029】で表される。したがって、N個のアノード
8bによって得られるスペクトル信号列をS(i)とし
て、PNシーケンスのΣF(i)=+1とこのS(i)
との相関を{G(i)}とすると、G+(i)は、
【0030】
【数4】
【0031】で表される。この数式4は、PNシーケン
スからなるN回のパルシングで得られたN回の重畳した
観測スペクトルをディコンボリューション(重畳をほど
く)すると、N回の積算したイオン強度で復元スペクト
ルが得られることを示している。
【0032】このように構成されたこの例の飛行時間型
質量分析計においては、数式1にしたがってイオンとし
て検出される可能性のある最大質量のイオPンの飛行時
間tMAXを算出し、この時間tMAX以上に時間間隔のサイ
クルでもって、繰り返し複数(m)回のイオン押出パル
スV2をイオン押出プレート4に印加する。これによ
り、従来と同様にイオン溜3からイオンが放出され、こ
のイオンはTOFMS分光部7で加速されてイオン検出器8
のMCP8aに入射されえこのMCP8aで検出され
る。そして、検出されたイオンはMCP8aで2次電子
に増幅された後、この2次電子電流がアノード8bで均
等にN個に分割される。
【0033】一方、PNシーケンス発生器15から、図
2(a)に示すように、一定サイクルtxでPNシーケ
ンスにおける+1と−1の疑似ランダムなパルス列が、
各遅延回路131〜13Nとディコンボリューション演算
器14に出力される。+1の符号のパルス列にしたがっ
て、各遅延回路131〜13Nが図2(b)に示すように
遅延時間tDだけ遅れて正の遅延スペクトルS(i)を
断続的にかつランダムに出力する。これにより、イオン
検出器8の各アノード8bから出力されるN個に分割さ
れた各スペクトルがそれぞれ遅延回路131〜13Nによ
って遅延されてプリアンプ9に送られる。更に、イオン
はプリアンプ9で電流電圧変換された後、ADコンバー
タ10でディジタル化されて、アベレージャ11に送ら
れる。
【0034】アベレージャ11は前述のイオン押出パル
スに同期されており、イオン押出パルスに対応して、A
Dコンバータ10からのディジタル化されたイオンスペ
クトルをm回積算し、積算したデータをアベレージャ1
1のメモリのデータエリアに一旦蓄えられる。このよう
に積算することは、TOFMSでの観測スペクトルのS/N
比を飛躍的に向上させる。なお、このアベレージャ11
は、本発明の検出システムの原理上、不可欠の構成要素
ではなく、省略することもできるが、観測スペクトルの
S/N比の向上のために、設けることが望ましい。
【0035】アベレージャ11でm回積算されたデータ
はディコンボリューション演算器14に送られ、このデ
ィコンボリューション演算器14は、このデータとPN
シーケンス発生器15からのPNシーケンスの装置関数
とのディコンボリューション処理を行い、m×Nの積算
された観測スペクトルから、図2(c)に示すように復
元されたマススペクトルG(i)が得られる。このマス
スペクトルデータが逐次データバスを経由してホストコ
ンピュータ12に転送される。
【0036】このように、この例の飛行時間型質量分析
計によれば、イオン検出器8のMCP8aで検出された
イオンがアノード8bからプリアンプ9に送出される
が、このとき、PNシーケンス発生器15からの+1と
−1の符号によるN個のPNシーケンスに基づいて、各
遅延回路131〜13Nによって遅延スペクトルS(i)
を作り、ディコンボリューション演算器14でディコン
ボリューション処理によりこの遅延スペクトルS(i)
とPNシーケンスとの相互相関を取ることにより、復元
スペクトルG(i)を得るようにしているので、各ダイ
ナミックレンジが100の従来のプリアンプ9およびA
Dコンバータ10を用いても、N×100のダイナミッ
クレンジを得ることができる。すなわち、従来のプリア
ンプ9およびADコンバータ10を用いても、飛行時間
型質量分析器の高速検出系のダイナミックレンジをより
一層拡大することができるよなお、遅延回路用のPNシ
ーケンスは図3に示すものに限定されるものではなく、
任意のN個の疑似ランダムパルス列で不規則性を有する
ものであればどのようなパルス列を用いることもでき
る。
【0037】また、遅延回路131〜13Nの機能をプリ
アンプ9に組み込むようにすることも可能であるが、こ
の場合には、高速プリアンプがN個必要になる。更に、
遅延回路131〜13Nの機能をADコンバータ10に組
み込むようにすることも可能であるが、この場合には、
高速プリアンプとADコンバータとのN個の組合せが必
要になる。
【0038】更に、本発明は、リニア型、レルレクタ
型、セクター型のいずれの飛行時間型質量分析計にも適
用することができる。更に、前述の例では、ディコンボ
リューション方法として相関法を用いて説明している
が、PNシーケンスを装置関数としたフーリエ変換法を
用いることもできる。
【0039】更に、均等な長さ(または有効受光面積)
のN個のアノード8bを有するMCP8aに代えて、こ
のMCPと同等のマイクロフェアプレート(MSP)を
用いることもできる。
【0040】更に、MCPやMSPからの2次電子を2
次イオン変換した後、N分割した電圧信号として取り出
すこともできる。更に、MCPやMSPからの2次電子
を光変換したフォトダイオードアレイのようなデバイス
でN分割した電圧信号として取り出すことも可能であ
る。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の飛行時間型質量分析計によれば、イオン検出器で検出
されたイオンを遅延回路によって+1と−1の符号によ
るN個のPNシーケンスに基づいて遅延スペクトルを作
り、ディコンボリューション演算器でこの遅延スペクト
ルとPNシーケンスとをディコンボリューション処理に
より相互相関を取り、復元スペクトルを得るようにして
いるので、従来のプリアンプおよびADコンバータを用
いても、飛行時間型質量分析器の高速検出系のダイナミ
ックレンジをより一層拡大することができるようにな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる飛行時間型質量分析計の実施
の形態の一例を模式的にかつ部分的に示す図である。
【図2】 PNシーケンス、遅延スペクトルおよび復元
スペクトルの相関を示す図である。
【図3】 本発明にも適用される、イオンを連続的に出
射する連続イオン化法を用いた従来の垂直加速型飛行時
間型質量分析計の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…外部イオン源、2…ビーム規制スリット、3…イオ
ン溜、4…イオン押出プレート、5…グリッド、7…TO
FMS分光部、8…イオン検出器、8a…マイクロチャン
ネルプレート(MCP)、8b…アノード、9…プリア
ンプ、10…ADコンバータ、11…アベレージャ、1
2…ホストコンピュータ、13…遅延回路、14…ディ
コンボリューション用演算器、15…PNシーケンス発
生器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンを出射するイオン源と、前記イオ
    ンが導入されるとともに、このイオンをパルス電圧印加
    により放出するイオン溜と、このイオン溜からのイオン
    を加速する分光部と、この分光部で加速されたイオンを
    検出するイオン検出器と、一定サイクルで、符号化され
    た疑似ランダム雑音シーケンス(PNシーケンス)にお
    ける+1と−1の符号の疑似ランダムパルス列を発生さ
    せるPNシーケンス発生器と、このPNシーケンス発生
    器からのPNシーケンスに基づいて前記イオン検出器か
    らのスペクトルを遅延して出力する遅延回路と、この遅
    延回路からの遅延したスペクトル電流を電圧に変換する
    プリアンプと、このプリアンプの電圧をディジタル化す
    るAD変換器と、このAD変換器からのスペクトルデー
    タとPNシーケンスの関数との相互相関を高速演算して
    ディコンボリューション処理されたマススペクトルデー
    タを得るディコンボリューション用演算器と、この演算
    器で得られたマススペクトルデータが供給されるホスト
    コンピュータとを少なくとも備えていることを特徴とす
    る飛行時間型質量分析計。
  2. 【請求項2】 前記イオン検出器は、均等な長さあるい
    は均等な有効受光面積を有するとともに、イオン検出器
    で検出されたイオンを2次電子に増幅し、更にこの2次
    電子を所定数に分割する所定数のアノードを有するマイ
    クロチャンネルプレートまたはマイクロスフェアプレー
    トを備えており、前記遅延回路はそれぞれのアノードに
    個別に接続されていることを特徴とする請求項1記載の
    飛行時間型質量分析計。
  3. 【請求項3】 更に、前記AD変換器からのスペクトル
    データを所定回数積算するアベレージャを備えており、
    前記ディコンボリューション用演算器は、このアベレー
    ジャからの積算したスペクトルデータとPNシーケンス
    の関数との相互相関を高速演算してディコンボリューシ
    ョン処理を行うことを特徴とする請求項1または2記載
    の飛行時間型質量分析計。
  4. 【請求項4】 前記遅延回路がそれぞれプリアンプまた
    はADコンバータに組み込まれていることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1記載の飛行時間型質量分
    析計。
  5. 【請求項5】 前記PNシーケンスは、その和が+1と
    なるPNシーケンスであることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれか1記載の飛行時間型質量分析計。
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