JP2000048389A - 光ピックアップ - Google Patents

光ピックアップ

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JP2000048389A
JP2000048389A JP10213602A JP21360298A JP2000048389A JP 2000048389 A JP2000048389 A JP 2000048389A JP 10213602 A JP10213602 A JP 10213602A JP 21360298 A JP21360298 A JP 21360298A JP 2000048389 A JP2000048389 A JP 2000048389A
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signal
signal light
optical
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Motomichi Shibano
元通 芝野
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は光源と光源からの出射光を光記録媒体
に集光するためのレンズ系と光源とレンズ系との間の光
路から光記録媒体からの信号光を分離するための手段と
分離した信号光を受光する素子とを備えた光ピックアッ
プに関し,光磁気信号の検出の信号品質を高くすると共
に低コストにすることを目的とする。 【解決手段】光記録媒体からの信号光を分離する手段か
らの信号光を集光する機能と分割する機能と,偏光分離
する機能を備えた一体化した複合素子を配置する。信号
光は分割機能により光記録媒体からの反射光が複合素子
に入射する投影面から見て,光記録媒体のトラック方向
に対して垂直な方向に分割され,偏光分離機能により複
合素子から出た信号光は複数の信号光に分離し,集光機
能により複数個配置した信号検出用受光素子面上に収束
するよう構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光磁気記録媒体上に
記録されている光磁気信号の書き込み,読み出しを行う
光ピックアップに関する。
【0002】近年,半導体レーザを応用した機器が,コ
ンピュータ周辺機器,光通信機器等に幅広く使用されて
おり,その一つに光ディスク装置がある。光ディスク媒
体への信号の書き込み,読み出しのためのレーザ光源と
しては半導体レーザが使用され,レーザ光を集光,分
離,検出するための光学素子と検出器,半導体レーザを
含めて光ピックアップと呼ばれる。
【0003】光ディスク装置をパーソナルコンピュータ
内に実装し,大容量の記憶媒体を取り扱える装置の開発
が進められており,ノート型パーソナルコンピュータへ
の実装を考慮すると光ディスク装置の小型化と小電力化
が要求されている。装置の小型化の上で隣接トラックの
信号が漏れ込むクロストークや隣接マークによるジッタ
等の点で信号品質の劣化を改善することが望まれてい
る。
【0004】
【従来の技術】図12は従来例の構成図であり,光学系
としてホログラムを使用した例である。図12におい
て,80は光源や受光素子(トラッキングエラー,フォ
ーカスエラー等の検出用)を搭載したベース部分,81
は光源となる半導体レーザ(LDで表す:Laser Diod
e),82は反射プリズム,83はトラック方向の制御の
ためのトラッキングエラー信号,焦点制御のためのフォ
ーカスエラー信号を検出するための受光素子,84はト
ラッキング信号とフォーカス信号を検出するための光の
分離を行うホログラム,85は放射状の光を平行光にす
るコリメートレンズ,86は偏光ビームスプリッター
(PBSで表示:Polalizing Beem Spliter)レンズ, 8
7は対物レンズ,88は光学的に記録・再生が行われる
記録媒体,89はウオラストンプリズム,91は読み出
した光信号を受信するための受光素子である。
【0005】図12の動作を概説すると,半導体レーザ
(LD)81から照射されたレーザ光は反射プリズム8
2で前方へ向けられ一定の広がり角を持って拡がりなが
らホログラム84を透過し,コリメートレンズ85によ
って平行光に修正される。ここから,更にPBS86を
透過して,対物レンズ87において記録媒体88の表面
に集光される。記録媒体表面から反射した信号光は,対
物レンズ87を通って偏光ビームスプリッター(PB
S)86によって一部が反射され,光磁気信号として上
部のウオラストンプリズム89,集光レンズ90を通っ
て受光素子91で検出される。一方,偏光ビームスプリ
ッター(PBS)86を通過した信号光は,コリメート
レンズ85を介してホログラム84に達する。ここで,
レーザ光の一部が回折されて4分割フォトディテクタ
(PD)で構成する受光素子83に集光され,トラッキ
ングエラー信号とフォーカスエラー信号が検出される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の光学系におい
て,記録密度の向上に伴って隣接するトラックからの光
磁気信号が漏れ込むクロストークや,同じトラックの隣
接マークのエッジシフトが原因となるジッタにより信号
を読み取ることができなくなり信号品質が劣化するとい
う問題があった。
【0007】本発明は光磁気信号の検出の信号品質を高
くすると共に低コストな光ピックアップを提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の基本構成
である。図中,1は記録媒体からの読み取り信号を含む
複合素子2から透過した光を受光するために複数に分割
した受光素子,2は本発明により設けられた偏光分離機
能,集光機能及びビーム分割機能を一体化構造として備
えた複合素子であり,80〜88はそれぞれ上記図13
に示す従来例の同じ番号の各素子と同じであり,80は
ベース部分,81は半導体レーザ(LD),82は反射
プリズム,83はトラッキングエラー信号とフォーカス
エラー信号を検出するための同一面上に配置された複数
の受光素子,84は信号を分離するためのホログラム,
85は放射状の光を平行光にするコリメートレンズ,8
6は偏光ビームスプリッター(PBS), 87は対物レ
ンズ,88は光学的に記録・再生が可能な記録媒体であ
る。
【0009】ベース部分80上に実装した半導体レーザ
81から出たレーザ光は,反射プリズム82を介してホ
ログラム84,コリメートレンズ85及び偏光ビームス
プリッター(PBS)86,対物レンズ87とを透過し
て記録媒体88に至る。記録媒体88から反射した光磁
気信号を含む戻り光は偏光ビームスプリッター(PB
S)86で反射して複合素子2に達する。信号光は複合
素子2の手前で投影される光磁気信号光の面内におい
て,記録媒体88のトラック方向に対し垂直の方向に2
分割され,複合素子2の集光機能により集光される。更
に,複合素子2の偏光分離機能により個々のビームは常
光と異常光とに分離され,合計4個の収束ビームに変換
され,収束ビームは4分割した受光素子に到達して電気
信号となる。また,光磁気信号は,分割した右側の常光
成分と,異常光成分とで差動検出が行われる。また,光
磁気信号を検出する時,分割した左側の差動検出出力と
右側の差動検出出力の差分信号をとると,クロストー
ク,エッジシフトによるジッタに対して有効な品質の良
い光磁気信号が得られる。
【0010】なお,偏光ビームスプリッター(PBS)
86を透過する戻り光は,レンズを透過した後収束され
てホログラム84で回折され,その回折光のうち1次光
成分をホログラムパターンでさらに分割し,フォーカス
エラー信号とサーボエラー信号を検出するため受光素子
83上に信号光を集光している。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に示す光ピックアップにおい
て,半導体レーザ81は中心発振波長685nmで,最
大20度程度の拡がり角を持つレーザ光を発し,受光素
子表面に窒化アルミニュウムのヒートシンクを介して固
定している。上記のレーザ光をレンズに導くために受光
素子平面に対して45度の角度をもつ反射プリズム82
を配置している。ベース部分80は銅のプレス成型で加
工され,半導体レーザの発熱を有効に放熱できる構造を
備えている。
【0012】反射プリズム82は,ガラス等の材料の研
削加工,Si(シリコン)結晶のエッチング加工等によ
る作製が可能であるが,この実施例ではガラスモールド
にて平面上に作製し,スライサー,ダイシングソー等で
切り出して作製できる。材料にはBK7等を用いる。
【0013】ホログラム84は,光を分離して集光する
ために用いられ,従来の技術によりトラッキングエラー
信号光とフォーカスエラー信号光を異なる位置に回折す
るため4分割されており,個々の領域では受光素子上に
集光するべくゆるやかな曲線にてパターニングされてい
る。往路では0次回折効率70%でもってホログラムを
透過し,コリメートレンズ85に至っている。復路では
1次回折効率15%で戻り光を回折して,信号光を受光
素子83に導いている。作製方法としてはガラス基板の
エッチング,金型を用いたインジェクションまたは2P
法等がある。基板にはBK7のガラス板を用い,その表
面に紫外線硬化樹脂にてホログラムを形成した構造とし
ている。
【0014】コリメートレンズ85,対物レンズ87は
軽量であることを考慮して,プラスチックによる射出成
型で作製するが,ガラスで作製することもできる。ホロ
グラム84,コリメートレンズ85,対物レンズ87の
表面には表面反射によるレーザ光量の損失を避けるため
に,レーザ波長における反射防止コートが表裏に施され
ている。特に,コリメートレンズ85,ホログラム84
の基板には斜めの入射光に対しての損失も考慮して,入
射角の依存性の少ないコーティングを行う。偏光ビーム
スプリッター(PBS)86はその偏光膜の特性が,半
導体レーザ光と同じ偏光のP偏光の透過率は85%程度
とし,光磁気信号と同じS偏光の反射率を97%以上と
している。
【0015】図1に示す複合素子の集光機能素子として
グレーティングレンズまたは屈折率分布レンズを使用す
ることで,複合素子を平面上に作製することができ大量
生産が容易で低コストの光ピックアップを構成すること
ができる。
【0016】図2は本発明の実施例1の構成であり,集
光機能素子としてグレーティングレンズを用いた実施例
である。10は4分割受光素子(図1の1に対応),2
0はグレーティングレンズ,21は偏光分離プリズムを
表し,20と21を合わせて図1の複合素子2に対応す
る。
【0017】グレーティングレンズ(回折格子型レンズ
またはフレネルレンズとも呼ばれる)20は,回折格子
により2つの焦点により入力する光を2つの焦点に集光
する機能とビームを2つに分割する機能とを備えてい
る。この場合,2つの焦点はレンズの中心に対して非対
称の配置とすることで,グレーティングレンズからの0
次光,+1次光,−1次光以外の,高次(2次,3次
等)の回折光が他の受光素子に入らないようにし,これ
らの高次回折光による迷光の影響を排除することができ
る。
【0018】2つの焦点により記録媒体88上のトラッ
ク方向(X軸方向とする)に対して垂直な方向(Y軸方
向)にビームが分割される(Y軸の右側と左側に分
割)。一方,偏光分離プリズム21は,この実施例では
くさび型のものを使用し,図2に示すようにX軸方向
(光記録媒体のトラック方向)とY軸方向(トラック方
向と垂直方向)に対して45°の結晶軸方向に光軸を備
えており,半導体レーザの光源の偏光方向はこの光軸方
向であるが,記録媒体88から得られた光磁気信号は記
録状態により僅かに角度が変化されて,この偏光分離プ
リズム21へ入力される。偏光分離プリズム21は,図
2の右下部の断面図に示すように一定の角度だけ偏光さ
れた常光と,常光と異なる角度だけ偏光される異常光と
に分離される。なお,この実施例では常光の方が偏光角
度が小さく,異常光の方が大きい例を示すが,常光と異
常光の角度は偏光分離プリズム21の材料により逆の角
度を示す場合もある。
【0019】グレーティングレンズ20で2つの焦点に
分割して集光される光磁気信号は,偏光分離プリズム2
1により偏光分離されて4分割受光素子10へ入力され
る。4分割受光素子10は,各受光素子10a,10
b,10c,10dにより構成され,各受光素子左・右
に分割して集光されると共にそれぞれ常光成分と異常光
成分を表す信号を検出するよう配置されている。
【0020】図3に図2の実施例1で使用するグレーテ
ィングレンズ(図2の20)の作製方法を示す。この実
施例では,基板のガラスにBK7を使用し,2P(ホト
ポリマー)法により作製する。最初に図3のA.に示す
ように,スタンパと呼ばれる回折格子の金型を加工によ
り作製する。次に図3のB.に示すようにスタンパの上
にホトポリマー(2P)である紫外線硬化樹脂(UV樹
脂)を滴下して脱泡を行い,次に図3のC.のように2
Pの上からガラス基板を接合してUV光(紫外光)を照
射する。この後,図3のD.のように光反応により硬化
した2P(UV樹脂)をガラス基板と共にスタンパから
剥離させると,平面基板上に大量のパターン化したグレ
ーティングレンズが出き上がる。次いで図3のE.に示
すように,表面に反射防止膜を蒸着させた後,ダイシン
グ(削って切る)加工をすることにより2つの焦点を持
つ集光素子であるグレーティングレンズが得られる。
【0021】図2の実施例1に示す偏光分離素子として
使用する偏光分離プリズム21は,一軸性複屈折プリズ
ムを使用している。一軸性複屈折結晶としては,水晶,
ルチル,方解石,KDP,ADP等があるが,常光と異
常光との屈折率が比較的大きいニオブ酸リチウムを用い
る。
【0022】図4は一軸性複屈折結晶の結晶軸方向と,
光磁気信号光の偏光方向との関係を示し,実施例1に使
用する偏光分離プリズム21の特性である。図に示すよ
うに結晶の光軸を,光源となる半導体レーザの偏光軸に
対してそれぞれ45度となるようにしている。光磁気信
号光は微弱であるため検出が困難であるが,この角度と
することにより,検出する信号強度をほぼ同程度とする
ことができ,差動検出によって同位相ノイズを削除する
ことができるため,C/N比の高い信号検出が可能とな
る。
【0023】このようにグレーティングレンズ20を透
過し一軸性複屈折結晶の偏光分離プリズム21に入射す
ると,信号光は結晶軸に平行方向に電場振幅を持つ成分
と,垂直方向に電場振幅を持つ成分(異常光成分)に分
離される。図中,+θk,−θkは光磁気信号を含む偏
光を表し,光磁気の記録内容に応じて出力された偏光信
号は+θkまたは−θkとなる。
【0024】図5は光磁気信号の検出系の構成を示す。
図中,10a,10bはビーム右側の受光素子,10
c,10dはビーム左側の受光素子,11,12,13
は差動増幅器である。上記図2に示すように偏光分離プ
リズム21により分離された各信号光は,4分割受光素
子10上にそれぞれ集光される。光記録媒体側からみた
光磁気信号光について,複合素子への入射投影面の右側
の成分は,常光,異常光の二つの偏光成分に分離されて
左側の受光素子(図2の10c,10d)に収束する。
左側の成分は,二つの偏向成分に分離されて右側の受光
素子(図2の10a,10b)に収束する。右側の2つ
の受光素子10a,10bの検出信号は差動増幅器11
で差動検出され,左側の2つの受光素子10c,10d
の検出信号は差動増幅器12で差動検出される。更に2
つの差動増幅器11,12の出力は差動増幅器13へ入
力されて差動検出されて出力として光磁気信号(MO信
号で表示:Magnet-Optical) が得られる。
【0025】図6は上記図5に示す本発明による信号検
出の動作波形を示す。図6のA.は光記録媒体上にグル
ーブに挟まれたランドとして形成されたトラック上の記
録状態を表し,情報に対応して溝状のマークが形成され
る。このランドに沿って,半導体レーザのビームスポッ
トが照射されてその反射信号が図2の戻りの光路を通っ
て上記図5の光磁気信号の4分割受光素子へ入力され
る。
【0026】図6のB.は受光素子は左と右に分割され
てない従来の検出出力であり,ゆるやかな波形は上下の
受光素子の信号の差動検出出力を示し,短い時間で変化
する信号はクロストークを含んだ一方の信号を表す。こ
のB.の場合,ノイズレベルが高い。これに対し,図6
のC.及びD.は本発明による右側の受光素子の差動検
出出力(図5の11の出力)と左側の受光素子の差動検
出出力(図5の12の出力)を表し,図6のE.はC.
及びD.の出力の差動検出出力(図5の13の出力)で
あり,これが光磁気信号の出力となる。
【0027】本発明による4分割受光素子の差動検出を
行うことで,次のような利点を行う。 (1) 左右の信号の更に差動信号を検出することで,得る
べき信号と同位相信号である。隣接するトラックから漏
れ込むクロストーク成分を削減することができる。
【0028】(2) 差動信号はそのまま,光磁気信号が書
き込まれたマークエッジを示す微分信号となる。よって
ピーク検出法による再生信号回路において,初期増幅
器,波形等価回路,低域通過フィルタ(LPF)回路を
省略することができるため,マークエッジ光磁気記録に
おいて信号処理が容易になる。
【0029】(3) 記録媒体の熱伝導の差により発生する
熱ひずみ,光源のノイズなどのためマークのエッジ部分
の境界が不良な場合も,符号間干渉によるノイズ成分を
削除でき,隣接マークによるジッタを低減することがで
きる。
【0030】これにより,クロストーク,ジッタの少な
い良好な光磁気信号を検出することができる。図7は本
発明の実施例2の構成を示し,図7のA.は複合素子と
4分割受光素子の斜視図,B.は複合素子の断面図であ
る。図7のA.及びB.において,10は4分割受光素
子,22はビーム分離プリズム,23は屈折率分布レン
ズ,24は偏光分離プリズムである。集光機能素子に一
つの焦点を持つ屈折率分布レンズ23を使用し,その表
面にビーム分割素子としてビーム分離プリズム22を作
製する。ビーム分離プリズム22は,ガラスモールドに
より複数個作製し,これを屈折率分布レンズ23を配置
したガラス基板上に接着し,ダイシング加工により個々
の複合素子を切り出す。ビーム分離プリズム22の作製
にはガラスモールドだけでなく,2P法により屈折率分
布レンズ基板表面に直接作製しても良い。偏光分離手段
として偏光分離プリズム24は,一軸性複屈折結晶であ
るニオブ酸リチウム結晶の偏光分離プリズム24を用い
ている。
【0031】図8は本発明の実施例3の構成を示す,図
8のA.は複合素子と4分割受光素子の斜視図,B.は
複合素子の断面図である。図8のA.及びB.におい
て,25は屈折率分布レンズ,26は偏光分離フーコー
プリズムである。偏光分離フーコープリズム26は,偏
光分離手段であると共にビームを分割する手段を兼ね備
えた,高機能の素子である。また,集光機能手段として
通常の球レンズを使用することが可能であり,素子選択
の範囲が広がる。更に,集光されたビームスポット位置
が近接するため,一つの集約した受光素子を採用するこ
とができることにより部品の低減,組立て調整が容易と
なる。
【0032】屈折率分布レンズ25は平面状に大量に作
製できるので低コストなレンズを得ることができる。ま
た,平面上に偏光分離フーコープリズム26を接着する
ので,接着加工が容易となる。偏光分離フーコープリズ
ム26の材料にはLN結晶を用いる。結晶軸方向は光源
の偏向方向に対して45度を成す方向としている。
【0033】図8の実施例3の複合素子の場合,偏光分
離フーコープリズム26により,図に示すように4分割
受光素子は図に示すように,左側と右側が交差する集光
位置に配置される。
【0034】図9は本発明の実施例4の構成を示す,図
中,20は上記実施例1(図2)と同様の構成を備える
グレーティングレンズ,27は偏光分離ウオラストンプ
リズムであり,10は4分割受光素子である。
【0035】偏光分離ウオラストンプリズム27の材料
には一軸性複屈折結晶のプリズムを使用し,この実施例
ではLN結晶を採用した。結晶軸方向は光源の偏光方向
に対して45度を成す方向である。これにより,偏光分
離ウオラストンプリズム27を透過した信号光はプリズ
ム斜面において,常光と異常光に分割されて受光素子1
0上に集光することになる。集光機能素子としては,ト
ラック方向に対して直交する方向に分割したパターンを
もつグレーティングレンズ20を使用し,偏光分離ウオ
ラストンプリズム27の分離方向をビーム分割方向と同
じ方向としている。これにより,4分割した光磁気信号
光は,一つの集約した受光素子上で検出することができ
るため構成が簡単となり,中心となる光軸より大きくず
れることがない配置が可能であるため調整が容易な光学
系となる。
【0036】図10は本発明の実施例5の構成を示す。
図中,28は平面状複合素子であり,28aは2分割グ
レーティングレンズ,28bは偏光分離ホログラム,1
1は6分割受光素子であり,右下部にその正面からみた
配置を示し,右側に11a,11c,11eの3個の受
光素子が配置され,左側に11b,11d,11fの3
個の受光素子が配置されている。
【0037】この実施例5は,偏光分離機能とビーム分
割機能及び集光機能を一体化した複合素子の例である。
材料にはLN結晶の平板を使用し,その表面に2分割グ
レーティングレンズ28aを作製している。2分割グレ
ーティングレンズ28aには,光磁気信号光の入射投影
断面においてトラック方向に対して直交する方向に分割
したパターンを持ち,左右の領域が2個の焦点位置を持
つように構成されている。
【0038】作製方法は,リアクティブイオンエッチン
グ(RIE)を用い,LN結晶を削り取り,多値に分割
された階段状の斜面をもつ2分割グレーティングレンズ
28aを作製している。これにより必要とする部材を最
小限にとどめ,製造コストの小さな複合素子を作製する
ことができる。
【0039】その裏面には偏光分離素子として偏光分離
回折格子を作製する。その作製方法は,グレーティング
レンズの分割方向に直交する向きに微細な回折格子パタ
ーンを設け,安息香酸によりプロトンイオン交換領域と
非プロトンイオン交換領域を交互に組合わさったパター
ンを作製する。これにより,透過光のうち,0次回折光
により常光成分,1次回折光には異常光成分が得られ,
これらの差動検出を行うことにより光磁気信号を得る。
1次回折光にはプラス側とマイナス側があるため,受光
素子11は6分割した構成としている。従って,上下に
配置した1次回折光受光素子は直列に接続して出力し,
0次回折光受光素子の出力との差動検出を行っている。
このような構成を持つ光学素子とすることにより,平面
上に大量に複合素子が作製でき,コスト的に有利な素子
を得ることができる。
【0040】なお,偏光分離回折格子(偏光分離ホログ
ラム)の作製には平板だけでなく,プリズム入射面や,
ウオラストンプリズムの表面にも作製可能である。ま
た,偏光分離回折格子は,構造複屈折を有する微細格子
パターンが加工できるものであれば通常の光学異方性の
ない基板上にも作製が可能である。従って,グレーティ
ングレンズ,一軸性複屈折結晶板,偏光分離回折格子付
き基板を接合した構成を持つ複合素子でも同様の効果を
奏する。
【0041】図11は本発明の実施例6の構成を示す。
図中,29は複合素子であり,29aはグレーティング
レンズ,29bは光磁気信号光を集光しないシェーディ
ングバンド,29cは偏光分離プリズム,10は4分割
受光素子であり,10a〜10dの各受光素子で構成さ
れる。
【0042】この実施例6の場合,集光機能素子として
グレーティングレンズ29aを用い,そのグレーティン
グパターン面にシェーディングバンド29bを形成して
いる。シェーディングバンド29bの部分には光磁気信
号を集光しないか,または焦点を他の領域とずらして配
置するグレーティングパターンが形成されている。作製
方法としては,2P法,モールド法,エッチング(RIE)
法等がある。材料は偏光分離機能を実現するLN結晶の
偏光分離プリズム29cを用い,全体として偏光分離素
子,集光機能素子及び分割機能を一体化した構造となっ
ている。
【0043】このシェーディングバンド29bを設ける
ことにより,この部分の光を逃がすことで検出した光磁
気信号はノイズが低減され,C/N比の高い良好な信号
を得ることができる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば,複合素子において光磁
気信号光を分割し,個々の領域にて差動検出することに
より,クロストーク,ジッタの少ない良好な光磁気信号
を得ることができる。また,偏光ビームスプリッター
(PBS)において分離された光磁気信号を含む信号光
を,ビーム分割素子,集光機能素子,偏光分離素子が一
体となった複合素子を用いることにより,光磁気信号光
の検出を容易にし,光学系の構成を簡素化することがで
きる。
【0045】これにより,信号品質が高く,光学系が簡
単且つ,低コストの光ピックアップを実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の構成を示す図である。
【図3】実施例1で使用するグレーティングレンズの作
製方法を示す図である。
【図4】一軸性複屈折結晶の結晶軸方向と,光磁気信号
光の偏光方向との関係を示す図である。
【図5】光磁気信号の検出系の構成を示す図である。
【図6】本発明による信号検出の動作波形を示す。
【図7】本発明の実施例2の構成を示し,
【図8】本発明の実施例3の構成を示す。
【図9】本発明の実施例4の構成を示す。
【図10】本発明の実施例5の構成を示す。
【図11】本発明の実施例6の構成を示す。
【図12】従来例の構成図である。
【符号の説明】
1 受光素子 2 複合素子 80 ベース部分 81 半導体レーザ(LD) 82 反射プリズム 83 トラッキングエラー・フォーカスエラー信号
用の受光素子 84 ホログラム 85 コリメートレンズ 86 偏光ビームスプリッター(PBS) 87 対物レンズ 88 記録媒体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と,前記光源からの出射光を光記録
    媒体に集光するためのレンズ系と,光源とレンズ系との
    間の光路から光記録媒体からの信号光を分離するための
    手段と,前記分離した信号光を受光する素子とを備えた
    光ピックアップにおいて,前記光記録媒体からの信号光
    を分離する手段からの信号光に対し集光する機能と,分
    割する機能と,偏光分離する機能とを備えた一体化した
    複合素子を配置し,前記信号光は,分割機能により光記
    録媒体からの反射光が複合素子に入射する投影面から見
    て,光記録媒体のトラック方向に対して垂直な方向に分
    割され,偏光分離機能により前記複合素子から出た信号
    光は複数の信号光に分離し,集光機能により複数個配置
    した信号検出用受光素子面上に収束させることを特徴と
    する光ピックアップ。
  2. 【請求項2】 請求項1において,前記集光機能をグレ
    ーティングレンズまたは屈折率分布レンズの何れかによ
    り構成することを特徴とする光ピックアップ。
  3. 【請求項3】 請求項1において,偏光分離する機能を
    一軸性複屈折結晶のプリズム,フーコープリズム,ウオ
    ラストンプリズムまたは偏光分離ホログラムの何れかに
    より構成することを特徴とする光ピックアップ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかにおいて,前記
    一軸性複屈折結晶の結晶軸方向を,信号光のうち光源と
    同じ偏光方向に対して45度異なった方向とするように
    配置することを特徴とする光ピックアップ。
  5. 【請求項5】 請求項2において,前記集光機能素子を
    グレーティングレンズにより構成した場合,前記グレー
    ティングレンズのパターンを分割し,複数の焦点を持つ
    よう構成することを特徴とする光ピックアップ。
  6. 【請求項6】 請求項5において,前記グレーティング
    レンズの焦点位置を,光軸を中心に対して非対称になる
    ようにそれぞれずらして作製することを特徴とする光ピ
    ックアップ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010095011A1 (en) 2009-02-18 2010-08-26 Council Of Scientific & Industrial Research Process to deposit diamond like carbon as protective coating on inner surface of a shaped object.

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