JP2000046081A - ベンチレーテッドロータ - Google Patents

ベンチレーテッドロータ

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JP2000046081A
JP2000046081A JP10214401A JP21440198A JP2000046081A JP 2000046081 A JP2000046081 A JP 2000046081A JP 10214401 A JP10214401 A JP 10214401A JP 21440198 A JP21440198 A JP 21440198A JP 2000046081 A JP2000046081 A JP 2000046081A
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ventilated rotor
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braking
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制動熱によってアウタ側摺動板の外周部が応
力的に不利とならず小型、軽量化に供する。 【解決手段】 車軸方向に離間して並設されたリング状
のインナ側摺動板8及びアウタ側摺動板7と、このイン
ナ側摺動板8とアウタ側摺動板7の間に半径方向に配置
された複数のリブ9と、前記インナ側摺動板8とアウタ
側摺動板7の間で、且つ、前記隣接する各リブ9間に形
成された複数の通風孔10とを有するベンチレーテッド
ロータにおいて、前記インナ側摺動板8、前記アウタ側
摺動板7及び前記複数のリブ9から成る構成体に、この
構成体の半径方向の重量分布を摺動板半径方向外周端部
と摺動板半径方向内周端部の間のほぼ中間の摺動板平均
半径近傍で低減する凹部20を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク式ブレー
キ等の制動装置に用いられるベンチレーテッドロータに
関する。
【0002】
【従来の技術】この種のディスク式ブレーキの概略構成
図が図11に示されている。図11において、シリンダ
ボディ1は、図示しないトルクメンバにスライドピン等
を介して軸方向(図11の左右方向)に進退可能に取付
けられており、基部1aとこれの対向位置に配置された
爪部1bとこれらを連結する連結部1cとから構成され
ている。基部1aにはシリンダ孔2が形成され、このシ
リンダ孔2内にはピストン3が進退可能に配置されてい
る。このピストン3は図示しないマスタシリンダからシ
リンダ孔2に供給されるオイルの油圧によって進退す
る。
【0003】ピストン3と前記ツメ部1bとの対向位置
には摩擦パッド4、5がそれぞれ固定されており、この
一対の摩擦パッド4、5の互いの対向面には摩擦材とし
てのライニング部4a、5aが取付けられている。この
一対の摩擦パッド4、5間にディスクロータとしてのベ
ンチレーテッドロータ6が配置され、このベンチレーテ
ッドロータ6は、図示しない車輪と一体に回転するよう
構成されている。
【0004】図12(a)は従来例のベンチレーテッド
ロータ6の一部断面図、図12(b)はその右側面図で
ある。図12(a)、(b)において、ベンチレーテッ
ドロータ6は車軸方向に離間した並設されたリング状の
アウタ側摺動板7とインナ側摺動板8を有し、この両摺
動板7、8間は半径方向に放射状に配置されたリブ9に
て連結されている。両摺動板7、8間で、且つ、隣接す
る各リブ9間には通風孔10がそれぞれ構成されてい
る。又、アウタ側摺動板7の内周側には車輪取付部11
が設けられ、この車輪取付部11を介してベンチレーテ
ッドロータ6が図示しない車輪に固定される。
【0005】上記構成において、制動時には、シリンダ
孔2にオイルが供給され、この油圧によってピストン3
がベンチレーテッドロータ6側に移動し、一方の摩擦パ
ッド4のライニング部4aがベンチレーテッドロータ6
の一方の面に接触する。そして、ピストン3がさらにベ
ンチレーテッドロータ6側に移動しようとすると、この
反作用によってシリンダボディ1がピストン3の移動し
ようとする方向とは逆方向に移動して爪部1bがベンチ
レーテッドロータ6側に移動する。この移動により他方
の摩擦パッド5のライニング部5aがベンチレーテッド
ロータ6の他方の面に接触する。このような動作が極短
時間内に行われ、ブレーキペダルを踏み込むのとほとん
ど同時に一対の摩擦パッド4、5によってベンチレーテ
ッドロータ6が両側から挾み込まれることで制動が行わ
れるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の構成においては、制動熱によって次のような問題が
あった。つまり、図13(a)に示すように、制動前で
は一対の摩擦パッド4、5の各ライニング4a、5aは
平坦であるとする。そして、制動指令によって一対の摩
擦パッド4、5の各ライニング部4a、5aが両摺動板
7、8に摺動すると、この際の制動熱で両摺動板7、8
の温度が上昇する。ここで、インナ側摺動板8に比べて
アウタ側摺動板7は車輪取付部11を有すること等から
熱容量が大きいために、双方の温度上昇が同じとはなら
ない。インナ側摺動板8の方が高温で、アウタ側摺動板
7の方がインナ側摺動板8より低温となり、この温度差
による双方の熱膨張量の差によって、ベンチレーテッド
ロータ6が、図13(b)に示すように、アウタ側摺動
板7の外周側が一方の摩擦パッド4側に近付き、アウタ
側摺動板7の内周側が一方の摩擦パッド4より離れるよ
うな熱変形を生じる。
【0007】そして、この熱変形が摩擦パッド4、5の
軸方向の移動可能範囲以上であると、特にアウタ側摺動
板7側の摩擦パッド4のライニング部4aは内周側に比
べて外周側の摩耗が大きい偏摩耗を起こす。この状態で
次の制動がなされると、図13(c)に示すように、摩
擦パッド4のライニング部4aの偏摩耗によりアウタ側
摺動板7の内周部に制動熱が集中し、アウタ側摺動板7
の内周側と外周側との温度差が大きくなり、この温度差
による熱膨張の差によって熱応力が発生する。つまり、
図13(d)にてAで示すアウタ側摺動板8の半径方向
外周端部に引張り応力が集中して応力的に不利となるた
め、アウタ側摺動板8を厚肉に形成せざるを得ず、ベン
チレーテッドロータ6の大型化、重量化になるという問
題があった。
【0008】実際、図13(c)に示すように、アウタ
側摺動板7の内周側に熱が集中した時の熱応力を解析す
ると、図14に示すように鋳鉄の引張体力を越える引張
り応力がアウタ側摺動板7の外周端に発生していること
が分かる。参考に、上記解析に使用した有限要素モデル
は、ベンチレーテッドロータ6の外径Φ290mm、ア
ウタ側摺動板7の厚さ10mm、リブ9の高さ8mm、
インナ側摺動板8の厚さ10mmであり、制動条件は車
両重量1800kgf、前輪荷重85%、タイヤ動半径
0.3mの車両で、200km/h以上の高速からの緩
制動である。
【0009】そこで、本発明は、制動熱によってアウタ
側摺動板の外周部が応力的に不利とならず小型、軽量化
に供するベンチレーテッドロータの提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、車軸
方向に離間して並設されたリング状のインナ側摺動板及
びアウタ側摺動板と、このインナ側摺動板とアウタ側摺
動板の間に半径方向に配置された複数のリブと、前記イ
ンナ側摺動板とアウタ側摺動板の間で、且つ、前記隣接
する各リブ間に形成された複数の通風孔とを有するベン
チレーテッドロータにおいて、前記インナ側摺動板、前
記アウタ側摺動板及び前記複数のリブから成る構成体
に、この構成体の半径方向の重量分布を摺動板半径方向
外周端部と摺動板半径方向内周端部の間の位置で他の位
置より重量を低減する重量低減手段を設けたことを特徴
とする。
【0011】請求項2の発明は、請求項1記載のベンチ
レーテッドロータであって、前記重量低減手段は、半径
方向外周端部と半径方向内周端部のほぼ中間の摺動板平
均半径近傍の位置に設けたことを特徴とする。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
記載のベンチレーテッドロータであって、前記重量低減
手段は、前記インナ側摺動板と前記アウタ側摺動板の互
いの対向面に形成された凹部にて構成したことを特徴と
する。
【0013】請求項4の発明は、請求項1〜請求項3記
載のベンチレーテッドロータであって、前記重量低減手
段は、前記リブの側面に形成された凹部にて構成したこ
とを特徴とする。
【0014】請求項5の発明は、請求項3又は請求項4
記載のベンチレーテッドロータであって、前記凹部は、
その形状が滑らかな曲線で構成されたことを特徴とす
る。
【0015】請求項6の発明は、請求項1〜請求項5記
載のベンチレーテッドロータであって、前記重量低減手
段は、前記インナ側摺動板と前記アウタ側摺動板の車軸
方向にそれぞれ形成され、且つ、他の箇所よりも数量を
多くした複数の貫通孔にて構成したことを特徴とする。
【0016】請求項7の発明は、請求項1〜請求項5記
載のベンチレーテッドロータであって、前記重量低減手
段は、前記インナ側摺動板と前記アウタ側摺動板の車軸
方向にそれぞれ形成され、且つ、他の箇所よりも径を大
きくした貫通孔にて構成したことを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】請求項1の発明では、制動熱によって、
インナ側摺動板の方が高温で、アウタ側摺動板の方が低
温となり、この温度差による双方の熱膨張量の差によっ
て、ベンチレーテッドロータには、アウタ側摺動板の外
周側が外側に突出し、アウタ側摺動板の内周側が内側に
窪むような熱変形を生じさせる応力が発生するが、摺動
板半径方向外周端部と摺動板半径方向内周端部の間の位
置に重量低減手段を有し、この箇所では他の箇所より曲
げ剛性が弱くなることから、ベンチレーテッドロータは
この箇所でくの字状の変形を起こすため、摩擦パッドは
重量低減手段に対向する位置が突出する偏摩耗を起こ
し、次の制動時にはアウタ側摺動板の内周部に制動熱が
集中せずに、アウタ側摺動板の内周側と外周側との温度
差が大きくなることがなく、以上より制動熱によってア
ウタ側摺動板の外周部が応力的に不利とならず小型、軽
量化に供する。
【0018】請求項2の発明では、請求項1の発明の効
果に加え、重量低減手段は摺動板平均半径近傍の位置に
設けられているので、制動時の熱変形が、アウタ側摺動
板の外周端と内周端を結んだ線に対する垂直方向の窪み
寸法が最も大きくなるため、次の制動時におけるアウタ
側摺動板の内周部への熱集中を最も効果的に緩和でき
る。
【0019】請求項3の発明では、請求項1又は2の発
明の効果に加え、重量低減手段はアウタ側摺動板やイン
ナ側摺動板に形成された凹部にて構成されるため、この
凹部の箇所が熱変形での折曲点となり所望の熱変形を確
実に生じさせることができる。
【0020】請求項4の発明では、請求項1〜3の発明
の効果に加え、重量低減手段はリブに凹部を設けること
によって構成できる。
【0021】請求項5の発明では、請求項3又は4の発
明の効果に加え、凹部が滑らかな曲線で構成されエッジ
がないため、応力の分散を図ることができる。
【0022】請求項6の発明では、請求項1〜5の発明
の効果に加え、重量低減手段は各摺動板に形成される貫
通孔にて構成されるので、この貫通孔によって制動熱が
逃げ各摺動板の温度上昇が抑制される。
【0023】請求項7の発明では、請求項1〜5の発明
の効果に加え、重量低減手段は各摺動板に形成される貫
通孔にて構成されるので、この貫通孔によって制動熱が
逃げ各摺動板の温度上昇が抑制される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0025】(第1実施例)図1(a)は本発明の第1
実施例を示すベンチレーテッドロータの斜視図、図1
(b)はその要部断面図である。図1(a)、(b)に
おいて、この第1実施例にあって前記従来例と同一構成
部分については図面に同一符号を付してその説明を省略
し、異なる構成部分のみを説明する。
【0026】即ち、インナ側摺動板8とアウタ側摺動板
7との互いの対向面であって、摺動板半径方向外周端部
と摺動板半径方向内周端部の間のほぼ中間位置である摺
動板平均半径近傍には重量低減手段である凹部20が設
けられている。この凹部20は、インナ側摺動板8、ア
ウタ側摺動板7及び複数のリブ9から成る構成体につい
ての半径方向の重量分布を、摺動板平均半径近傍を他の
箇所より軽くするためのものである。この第1実施例で
は、凹部20は摺動板平均半径付近の全周に亘って設け
られている。
【0027】尚、図1(a)において、12は車輪に取
付けるための中央貫通孔であり、13はボルト孔であ
る。
【0028】上記構成において、図2(a)に示すよう
に、制動前では一対の摩擦パッド4、5の各ライニング
4a、5aは平坦であるとする。そして、制動指令によ
って一対の摩擦パッド4、5の各ライニング4a、5a
が両摺動板7、8に摺動すると、この際の制動熱で両摺
動板7、8の温度が上昇する。ここで、インナ側摺動板
8に比べてアウタ側摺動板7は車輪取付部11を有する
こと等から熱容量が大きいために、双方の温度上昇が同
じとはならない。インナ側摺動板8の方が高温で、アウ
タ側摺動板7の方がインナ側摺動板8より低温となり、
この温度差による双方の熱膨張量の差によって、ベンチ
レーテッドロータ6には、アウタ側摺動板7の外周側が
一方の摩擦パッド4側に近付き、アウタ側摺動板7の内
周側が一方の摩擦パッド4より離れるような熱変形を生
じさせる応力が発生する。
【0029】ここで、摺動板半径方向外周端部と摺動板
半径方向内周端部の間の摺動板平均半径近傍には凹部2
0が設けられ、この箇所では他の箇所より曲げ剛性が弱
くなることから、図2(b)に示すように、ベンチレー
テッドロータ6はこの箇所でくの字状の変形を起こすこ
とになる。
【0030】又、この第1実施例では、重量低減手段は
アウタ側摺動板7やインナ側摺動板8に形成された凹部
20にて構成され、この箇所が他の箇所に比べて肉薄で
あるため、この凹部20の箇所が熱変形での折曲点とな
り所望の熱変形を確実に生じさせることができる。つま
り、アウタ側摺動板7の外面は摺動板平均半径近傍が内
側に窪み、内周部及び外周部が外側に突出する熱変形を
起こし、アウタ側の摩擦パッド4のライニング部4aは
摺動板平均半径近傍が凸状に盛り上がった偏摩耗を起こ
すことになる。
【0031】ベンチレーテッドロータ6の熱変形はある
一定の時間で元に戻り、この状態で次の制動指令がある
と、図2(c)に示すように、偏摩耗したライニング部
4aがアウタ側摺動板7に摺動するため、アウタ側摺動
板7の摺動板平均半径近傍に制動熱が集中する。これに
より、アウタ摺動板7の外周部と摺動板平均半径近傍と
の間には温度差が発生するが、距離が近いため、熱伝導
により均一化が速く進み外周部に発生する引っ張り応力
は大きなものとはならない。又、図2(d)に示すよう
に、上記偏摩耗したライニング部4aの摩擦パッド4
は、以降の制動動作によって徐々に偏摩耗が是正され
る。
【0032】次に、図3(a)、(b)は実験によるア
ウタ側摺動板7の熱変形状態及びライニング部4aの偏
摩耗状態を示す。つまり、本発明者等の実施した実験に
よれば、ベンチレーテッドロータ6の外径Φ290m
m、アウタ側摺動板7の厚さ10mm、リブ9の高さ8
mm、インナ側摺動板8の厚さ10mm、凹部20の幅
20mm、凹部20の深さ2mmとした場合には、制動
時の熱変形は、図3(a)に示すように、アウタ側摺動
板7の外周端P1と内周端P2を結んだ線に対し、摺動
板平均半径位置P3は垂直に約15μm窪んだ熱変形を
起こしている様子が観察された。また、図3(b)に示
すように、その制動後のアウタ側の摩擦パッド4のライ
ニング部4aの径方向偏摩耗を計測すると、摺動板平均
半径位置P4が凸状に盛り上がり、ライニング部4aの
内周端P5に対して約5μm摩耗が少ないことが分かっ
た。
【0033】尚、上記実験はブレーキダイナモで実施
し、制動条件はイナーシャ11kgfm2、初速200
km/h以上の高速からの緩制動である。
【0034】図4は、第1実施例の構成における、図2
(c)のように熱が集中した時の熱応力を解析した場合
の応力特性線図である。図4にて実線で示すように、鋳
鉄の引張り体力よりはるかに低い引張り応力しか発生し
ないことが分かる。尚、図4の破線は従来例のものであ
る。
【0035】参考に、上記解析に使用した有限要素モデ
ルは、ベンチレーテッドロータ6の外径Φ290mm、
アウタ側摺動板7の厚さ10mm、リブ9の高さ8m
m、インナ側摺動板8の厚さ10mmであり、制動条件
は車両重量1800kgf、前輪荷重85%、タイヤ動
半径0.3mの車両で、200km/h以上の高速から
の緩制動である。
【0036】数値解析を用いて第1実施例のベンチレー
テッドロータ6における上記制動条件を計算すると、実
験で得られた熱変形形状にほぼ一致し、さらに第1実施
例の重量低減手段を含めた半径方向の重量分布を、リブ
に重量軽減手段を設けて構成した場合(第2実施例)や
貫通孔で重量軽減手段を構成した場合(第4実施例や第
5実施例)について、数値解析を用いて熱変形形状を計
算すると、やはり実験で得られた第1実施例の熱変形形
状とほぼ一致する。
【0037】尚、前記第1実施例では、重量低減手段
は、インナ側摺動板8とアウタ側摺動板7とにそれぞれ
1つの大きな凹部20を設けて構成したが、各摺動板
7、8にそれぞれ2以上の凹部20を設けて構成しても
良く、又、いずれか一方にのみ凹部20を設けて構成し
ても良く、さらに、凹部20の数量を異ならせて構成し
ても良い。
【0038】尚、前記第1実施例では、凹部20は摺動
板平均半径付近の全周に亘って設けられているが、全体
としてのバランスを取ることを条件として一定間隔ごと
に設けても良い。
【0039】(第2実施例)図5(a)は本発明の第2
実施例を示すベンチレーテッドロータの要部断面図、図
5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。図5
(a)、(b)において、この第2実施例にあって前記
第1実施例と比較して異なるのは、重量低減手段の構成
のみであり、他の構成は同一構成であるため図面に同一
符号を付してその説明を省略する。
【0040】即ち、この第2実施例の重量低減手段は、
リブ9の摺動板平均半径近傍の位置で、且つ、リブ9の
側面に設けられた凹部21にて構成されており、この凹
部21によってリブ9は摺動板平均半径近傍の位置で円
周方向の厚みが薄くなっている。つまり、この第2実施
例では、リブ9の凹部21によって、インナ側摺動板
8、アウタ側摺動板7及び複数のリブ9から成る構成体
についての径方向の重量分布が、摺動板平均半径近傍で
他の箇所より軽くなるよう設定されている。
【0041】この第2実施例でも、制動時の熱でベンチ
レーテッドロータ6の形状が前記第1実施例と同様にな
るため、前記と同理由でアウタ側摺動板7の摺動板平均
半径近傍に制動熱が集中する。これにより、アウタ摺動
板7の外周部に発生する引っ張り応力を低減できるもの
である。
【0042】尚、重量低減手段としてのリブ9の凹部2
1は、全てのリブ9に設けても良いが、一部のリブ9に
設けても良い。但し、全体としてのバランスを調整する
よう設けることが望ましい。又、リブ9の両側面にそれ
ぞれ1つの凹部21を設けて構成したが、2以上の凹部
21を設けて構成しても良く、又、リブ9のいずれか一
方の側面にのみ凹部21を設けても良く、さらに、各側
面で凹部21の数量を異ならせて構成しても良い。
【0043】(第3実施例)図6は第3実施例に係るベ
ンチレーテッドロータ6の要部断面図である。図6にお
いて、この第3実施例は前記第1実施例と略同様の構成
を有し、重量低減手段の凹部20はその形状が滑らかな
曲線で構成されている点のみが相違する。他の構成は前
記第1実施例と同一であるため、図面に同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0044】この第3実施例においても、前記第1実施
例と同様の作用・効果を有する。又、凹部20が滑らか
な曲線で構成されエッジがないため、応力集中が生じず
応力の分散を図ることができる。
【0045】(第4実施例)図7は第4実施例に係るベ
ンチレーテッドロータ6の要部断面図である。図7にお
いて、この第4実施例は前記第2実施例と略同様の構成
を有し、重量低減手段の凹部21はその形状が滑らかな
曲線で構成されている点のみが相違する。他の構成は前
記第2実施例と同一であるため、図面に同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0046】この第4実施例においても、前記第2実施
例と同様の作用・効果を有する。又、凹部21が滑らか
な曲線で構成されエッジがないため、第3実施例と同様
に応力の分散を図ることができる。
【0047】(第5実施例)図8(a)は本発明の第5
実施例を示すベンチレーテッドロータ6の要部断面図、
図8(b)は図8(a)のB−B線断面図である。尚、
図8(b)ではリブ9は省略してある。図8(a)、
(b)において、この第5実施例にあって前記第1実施
例と比較して異なるのは、重量低減手段の構成のみであ
り、他の構成は同一構成であるため図面に同一符号を付
してその説明を省略する。
【0048】即ち、この第5実施例の重量低減手段は、
インナ側摺動板8とアウタ側摺動板7の車軸方向にそれ
ぞれ形成され、且つ、摺動板平均半径近傍に形成された
他の箇所よりも数量を多くした複数の同一径の貫通孔2
2にて構成されている。
【0049】つまり、この第5実施例では、各摺動板
7、8の貫通孔22によって、インナ側摺動板8、アウ
タ側摺動板7及び複数のリブ9から成る構成体について
の径方向の重量分布が、摺動板平均半径近傍で他の箇所
より軽くなるよう設定されている。
【0050】この第5実施例でも、制動時の熱でベンチ
レーテッドロータ6の形状が前記第1実施例と同様にな
るため、前記と同理由でアウタ側摺動板7の摺動板平均
半径近傍に制動熱が集中する。これにより、アウタ摺動
板7の外周部に発生する引っ張り応力を低減できるもの
である。又、各摺動板7、8に貫通孔22が形成されて
いるため、この貫通孔22によって制動熱が逃げ各摺動
板7、8の温度上昇が抑制されるという利点もある。
【0051】(第6実施例)図9(a)は本発明の第6
実施例を示すベンチレーテッドロータ6の要部断面図、
図9(b)は図9(a)のC−C線断面図である。尚、
図9(b)ではリブ9は省略してある。図9(a)、
(b)において、この第6実施例は前記第5実施例と略
同様であり、重量低減手段が、インナ側摺動板8とアウ
タ側摺動板7の車軸方向にそれぞれ形成され、且つ、摺
動板平均半径近傍に形成された他の箇所の貫通孔22よ
りも大径の貫通孔23にて構成されている点である。
【0052】つまり、この第6実施例では、各摺動板
7、8の摺動板平均半径近傍の大径の貫通孔23によっ
て、インナ側摺動板8、アウタ側摺動板7及び複数のリ
ブ9から成る構成体についての径方向の重量分布が、摺
動板平均半径近傍で他の箇所より軽くなるよう設定され
ている。尚、他の構成は前記第5実施例の構成と同一構
成であるため図面に同一符号を付してその説明を省略す
る。
【0053】この第6実施例でも、制動時の熱でベンチ
レーテッドロータ6の形状が前記第1実施例と同様にな
るため、前記と同理由でアウタ側摺動板7の摺動板平均
半径近傍に制動熱が集中する。これにより、アウタ摺動
板7の外周部に発生する引っ張り応力を低減できるもの
である。又、第5実施例と同様に、各摺動板7、8に貫
通孔22、23が形成されているため、この貫通孔2
2、23によって制動熱が逃げ各摺動板7、8の温度上
昇が抑制されるという利点もある。
【0054】(第7実施例)図10(a)は本発明の第
7実施例を示すベンチレーテッドロータ6の要部断面
図、図10(b)は図10(a)のD−D線断面図であ
る。図10(a)、(b)において、この第7実施例に
あって前記第1実施例と比較して異なるのは、重量低減
手段の構成のみであり、他の構成は同一構成であるため
図面に同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】即ち、この第7実施例の重量低減手段は、
前記第1実施例の重量軽減手段の構成と前記第2実施例
の重量低減手段の構成と前記第6実施例の重量低減手段
の構成とを組み合わせたもので、インナ側摺動板8とア
ウタ側摺動板7との互いの対向面の摺動板平均半径近傍
に設けられた凹部20と、リブ9の摺動板平均半径近傍
の位置で、且つ、リブ9の側面に設けられた凹部21
と、インナ側摺動板8とアウタ側摺動板7の車軸方向に
それぞれ形成され、且つ、摺動板平均半径近傍に形成さ
れた他の箇所の貫通孔22よりも大径の貫通孔23とか
ら構成されている。
【0056】この第7実施例においても、前記第1実施
例又は第2実施例又は第6実施例と同様の作用・効果を
有する。重複になるが、各摺動板7、8に貫通孔22、
23が形成されているため、第6実施例と同様に貫通孔
22、23によって制動熱が逃げ各摺動板7、8の温度
上昇が抑制されるという利点もある。さらに、この第7
実施例では、重量低減手段を各摺動板7、8とリブ9と
に分散して設けているため、各部材の強度をある程度保
持しながら十分な重量低減を図ることができるという利
点もある。
【0057】また、第7実施例では、第1実施例と第2
実施例と第6実施例とを組み合わせて構成したが、第1
実施例と第2実施例と第5実施例とを組み合わせて構成
しても良く、又、これらの組み合わせにあって第1実施
例の代わりに第3実施例の構成を設けても、第2実施例
の代わりに第4実施例の構成を設けても良い。また、第
1実施例(又は第3実施例)と第2実施例(又は第4実
施例)と第5実施例(又は第6実施例)とのいずれか2
つを選択的に組み合わせて構成しても良い。
【0058】尚、前記各実施例の重量低減手段は、摺動
板半径方向外周端部と摺動板半径方向内周端部の間のほ
ぼ中間位置である摺動板平均半径近傍の位置に設けられ
ているが、摺動板半径方向外周端部と摺動板半径方向内
周端部の間の位置であれば良い。ただし、摺動板平均半
径近傍の位置に設ければ、制動時の熱変形が、図3
(a)に示すように、アウタ側摺動板7の外周端P1と
内周端P2を結んだ線に対する窪み寸法が最も大きくな
るため、次の制動時におけるアウタ側摺動板7の内周部
への熱集中を最も効果的に緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施例を示すベンチレー
テッドロータの斜視図、(b)はその要部断面図であ
る。
【図2】(a)〜(d)は本発明の第1実施例におけ
る、それぞれ制動過程を示す概略構成図である。
【図3】(a)は本発明の第1実施例に係るベンチレー
テッドロータの制動熱による変形状態を示す概略構成
図、(b)は摩擦パッドの偏摩耗した状態を示す概略構
成図である。
【図4】本発明の第1実施例に係るアウタ側摺動板の外
周部における引張り応力の特性線図である。
【図5】(a)は本発明の第2実施例を示すベンチレー
テッドロータの要部断面図、(b)は図5(a)のA−
A線断面図である。
【図6】本発明の第3実施例に係るベンチレーテッドロ
ータ6の要部断面図である。
【図7】本発明の第4実施例に係るベンチレーテッドロ
ータ6の要部断面図である。
【図8】(a)は本発明の第5実施例を示すベンチレー
テッドロータ6の要部断面図、(b)は図8(a)のB
−B線断面図である。
【図9】本発明の第6実施例を示すベンチレーテッドロ
ータ6の要部断面図、(b)は図9(a)のC−C線断
面図である。
【図10】(a)は本発明の第7実施例を示すベンチレ
ーテッドロータ6の要部断面図、(b)は図10(a)
のD−D線断面図である。
【図11】従来例のディスク式ブレーキの概略構成図で
ある。
【図12】(a)は従来例のベンチレーテッドロータ6
の一部断面図、(b)はその右側面図である。
【図13】(a)〜(d)は従来例における、それぞれ
制動過程を示す概略構成図である。
【図14】従来例におけるアウタ側摺動板の外周部にお
ける引張り応力の特性線図である。
【符号の説明】
6 ベンチレーテッドロータ 7 アウタ側摺動板 8 インナ側摺動板 9 リブ 10 通風孔 20 凹部(重量低減手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車軸方向に離間して並設されたリング状
    のインナ側摺動板及びアウタ側摺動板と、このインナ側
    摺動板とアウタ側摺動板の間に半径方向に配置された複
    数のリブと、前記インナ側摺動板とアウタ側摺動板の間
    で、且つ、前記隣接する各リブ間に形成された複数の通
    風孔とを有するベンチレーテッドロータにおいて、 前記インナ側摺動板、前記アウタ側摺動板及び前記複数
    のリブから成る構成体に、この構成体の半径方向の重量
    分布を摺動板半径方向外周端部と摺動板半径方向内周端
    部の間の位置で他の位置より重量を低減する重量低減手
    段を設けたことを特徴とするベンチレーテッドロータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のベンチレーテッドロータ
    であって、 前記重量低減手段は、半径方向外周端部と半径方向内周
    端部のほぼ中間の摺動板平均半径近傍の位置に設けたこ
    とを特徴とするベンチレーテッドロータ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のベンチレー
    テッドロータであって、 前記重量低減手段は、前記インナ側摺動板と前記アウタ
    側摺動板の互いの対向面に形成された凹部にて構成した
    ことを特徴とするベンチレーテッドロータ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載のベンチレーテ
    ッドロータであって、 前記重量低減手段は、前記リブの側面に形成された凹部
    にて構成したことを特徴とするベンチレーテッドロー
    タ。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4記載のベンチレー
    テッドロータであって、 前記凹部は、その形状が滑らかな曲線で構成されたこと
    を特徴とするベンチレーテッドロータ。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5記載のベンチレーテ
    ッドロータであって、 前記重量低減手段は、前記インナ側摺動板と前記アウタ
    側摺動板の車軸方向にそれぞれ形成され、且つ、他の箇
    所よりも数量を多くした複数の貫通孔にて構成したこと
    を特徴とするベンチレーテッドロータ。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項5記載のベンチレーテ
    ッドロータであって、 前記重量低減手段は、前記インナ側摺動板と前記アウタ
    側摺動板の車軸方向にそれぞれ形成され、且つ、他の箇
    所よりも径を大きくした貫通孔にて構成したことを特徴
    とするベンチレーテッドロータ。
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