JP2000045680A - 複合注入無拡幅鋼管先受工法 - Google Patents

複合注入無拡幅鋼管先受工法

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JP2000045680A
JP2000045680A JP10211270A JP21127098A JP2000045680A JP 2000045680 A JP2000045680 A JP 2000045680A JP 10211270 A JP10211270 A JP 10211270A JP 21127098 A JP21127098 A JP 21127098A JP 2000045680 A JP2000045680 A JP 2000045680A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネルを掘削するに先立って、トンネルの
掘削切羽前方の地山の補強を行う際に、該地山から鋼管
を通じてトンネル側に流れ出る地下水の漏出を抑制する
効果を保つと共に、地山に対する硬化強度を高めること
が可能な複合注入無拡幅鋼管先受工法の提供を課題とす
る。 【解決手段】 鋼管1の後端部に樹脂管2を接続すると
共に、該鋼管1をその後端部が切羽8前方の掘削領域外
9に位置するまで引き込み、次に、切羽8の手前側に露
出する樹脂管2の後端部から硬化剤注入ユニット10を
挿入して、シリカレジン系硬化剤21を切羽8側の地山
6の所定範囲aに注入した後、セメント系硬化剤23を
該地山6の上記所定範囲aより奥側の所定範囲bに注入
して地山6を補強する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル(石油備
蓄用等の地下空洞等を含む)を掘削するに先立って、ト
ンネルの掘削切羽前方の地山の補強を行う無拡幅鋼管先
受工法に関し、トンネルの掘削技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】トンネルを掘削する場合、掘削されたト
ンネル壁面を形成する土砂または岩石、岩盤等の弛み防
止、及び施工の安全性を確保するために、掘削に先だっ
て、トンネルの掘削切羽前方の地山の補強を行ない、ト
ンネルを掘削する拡幅鋼管先受式掘削方法が用いられて
いる。
【0003】この方法は、図11に示すように、鋼管打
込装置Aによって鋼管Bの後端部を叩くことにより、ト
ンネルCの掘削切羽Dの周辺部から地山E内に該トンネ
ルCの軸方向やや外方に向けて鋼管Bを打ち込み、その
後、該鋼管Bの後端部からウレタン系の硬化剤をトンネ
ルCの掘削切羽D前方の地山Eに注入することによる該
地山Eの改良と、該鋼管Bの剛性とによって上記掘削切
羽D前方の地山Eの補強を行ない、トンネルCを掘削す
るものである。
【0004】ところで、上記のように、鋼管打込装置A
によって鋼管Bを地山Eに打ち込む場合、この鋼管打込
装置Aの構造上、該鋼管Bの後端部がトンネルC側に突
出するので、これを回避しようとすると、予め、その鋼
管Bの後端部をトンネルCとなる空間Fより大きく掘削
する余掘りが必要となる。つまり、トンネルC側に突出
した鋼管Bの後端部と余掘り部分Gとを覆うためにコン
クリートをトンネルCとなる空間Fを確保する位置まで
打設する作業が別途必要となり、材料費や施工費が上昇
する問題が生じるのである。
【0005】そこで、本出願人は、材料費や施工費の上
昇を抑えることが可能なトンネル掘削方法として、鋼管
の後端部に樹脂管を接続し、該鋼管をその後端部が切羽
前方の掘削領域外に位置するまで地山内に貫入させ、該
鋼管を通じて地山に硬化剤を注入した後、上記掘削領域
内に残る樹脂管と共に上記切羽を掘削することにより、
余掘りを必要としないでトンネルを掘削する無拡幅鋼管
先受式掘削方法を提案した(特願平9−365460
号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記無拡幅
鋼管先受式掘削方法を用いてトンネルを掘削する場合
も、拡幅鋼管先受式掘削方法と同様に鋼管を介して地山
に注入する硬化剤として、その地山によってウレタン系
やシリカレジン系のものの使用が考えられる。その理由
として、速硬性という特徴があり、特に、地山を硬化さ
せるだけでなく、その地山に配設された鋼管を通じて切
羽側に流れ出ようとする地下水の漏出を抑制する効果を
併せもつからである。
【0007】しかし、上記のようなウレタン系等の硬化
剤は、地山に対する硬化強度が低いので、地山の現場に
よってはその地山を充分に補強できないことがあり、例
えば図12に示すように、鋼管AをトンネルCの周囲に
多数段に配設して地山Eを補強する必要があった。しか
も、ウレタン系等の硬化剤は高価ということもあり、上
記無拡幅鋼管先受式掘削方法であっても解決できない材
料費や施工費が上昇するという問題がある。
【0008】そこで、本発明は、トンネルを掘削するに
先立って、トンネルの掘削切羽前方の地山の補強を行う
際に、該地山から鋼管を通じてトンネル側に流れ出る地
下水の漏出を抑制する効果を保つと共に、地山に対する
硬化強度を高めることが可能な複合注入無拡幅鋼管先受
工法の提供を課題とする。なお、本発明に係る複合注入
無拡幅鋼管先受工法においては、トンネルとして石油備
蓄用等の地下空洞等を含む。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では次のような手段を用いる。
【0010】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、トンネルを掘削するに先だって、
後端部に樹脂管を接続した鋼管をトンネルの掘削切羽の
周辺部から地山内に該トンネルの軸方向やや斜め外方に
向けて配設すると共に、上記樹脂管の後端部から鋼管内
を介して地山に硬化剤を注入し、その後、上記樹脂管を
除去する複合注入無拡幅鋼管先受工法に関するものであ
って、上記切羽の手前側に露出する樹脂管後端部から鋼
管内に硬化剤注入管を挿入して、速硬性の硬化剤を該鋼
管を介して地山の切羽側の所定範囲に注入した後、高強
度の硬化剤を該地山の上記所定範囲より奥側に注入する
ことを特徴とする。
【0011】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、上記第1発明の複合注入無拡幅鋼管先受
工法に関するものであって、硬化剤注入管として、少な
くとも2つ以上の独立した通路を有するものを用い、速
硬性の硬化剤と高強度の硬化剤とを異なる通路から供給
することを特徴とするまた、請求項3に係る発明(以
下、第3発明という)は、上記第1発明又は第2発明の
複合注入無拡幅鋼管先受工法に関するものであって、速
硬性の硬化剤としてシリカレジン系のものを用い、高強
度の硬化剤としてセメント系のものを用いることを特徴
とする。
【0012】上記のように構成することにより、本願各
発明によればそれぞれ次の作用が得られる。
【0013】まず、第1発明によれば、後端部に樹脂管
を接続した鋼管をトンネルの掘削切羽の周辺部から地山
内に該トンネルの軸方向やや斜め外方に向けて配設し、
上記切羽の手前側に露出した樹脂管後端部から硬化剤注
入管を挿入した後、該注入管から鋼管を介して地山に硬
化剤が注入されることになるが、この場合、先に速硬性
の硬化剤が切羽側の地山の所定範囲に注入され、この速
硬性の硬化剤が鋼管内及びその鋼管周辺の地山内で硬化
することになるので、切羽側に流れ出ようとする地下水
の漏出が抑制されることになる。
【0014】次に、高強度の硬化剤が地山の上記所定範
囲より奥側に注入されることになるが、切羽側の地山の
所定範囲に速硬性の硬化剤が硬化しているので、高強度
の硬化剤が比較的時間をかけて硬化するものであっても
地下水によって切羽側に流れ出ることがない。しかも、
高強度の硬化剤が上記鋼管内及び地山内に留まって硬化
することになり、これにより、地山に対する硬化強度を
高めることができる。
【0015】そして、上記掘削領域内に残っている樹脂
管と共に上記切羽を掘削すれば、余掘を必要としないで
トンネルを掘削することができる。
【0016】また、第2発明によれば、硬化剤注入管と
して、少なくとも2つ以上の独立した通路を有するもの
を用い、速硬性の硬化剤と高強度の硬化剤とを異なる通
路から供給するので、速硬性の硬化剤と高強度の硬化剤
とが混合することがなく、それぞれの硬化剤の特性を充
分に発揮することができる。
【0017】また、第3発明によれば、速硬性の硬化剤
としてシリカレジン系のものを用い、高強度の硬化剤と
してセメント系のもの用いるので、上記第1発明と同様
の作用を得ることができる。しかも、セメント系硬化剤
は安価なので、材料費の上昇を抑制することが可能とな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
複合注入無拡幅鋼管先受工法について説明する。
【0019】まず、この工法に用いる鋼管の一例をあげ
ると、図1に示すように、この鋼管1は、先端部1aの
外周面円周方向に溝部1bと、その先端部1aから長手
方向に所定の間隔をおいて複数の注入孔1c…1cと、
後端部1dの内周面にネジ部1eを有する形状とされて
いる。
【0020】そして、上記鋼管1に、円筒状で先端部2
aの外周面にネジ部2bとその先端部2aから長手方向
に所定の間隔をおいて複数の注入孔2c…2cとを有す
る樹脂管2が、両ネジ部1e,2bとの螺合によって接
続されている。
【0021】また、上記鋼管1の溝部1bに、ドリル3
に設けられた取り付け部材3a…3aを係合させて該ド
リル3が回転可能に取り付けられると共に、上記樹脂管
2の後端部2dから鋼管1の内部に挿入したロッド4
が、上記ドリル3の後端部3bに装着されている。な
お、このロッド4は、上記ドリル3から脱着可能となっ
ている。
【0022】つぎに、本発明の複合注入無拡幅鋼管先受
工法を用いたトンネルの掘削について説明する。
【0023】まず、図2から図4に示すように、上記鋼
管1にドリル3が取り付けられた状態で、該ドリル3が
上記ロッド4を介して鋼管打込装置5に連結されること
により、該鋼管1が該鋼管打込装置5にセットされる。
なお、このドリル3は、ロッド4を介して鋼管打込装置
5から回転力が与えられて、地山6を削孔するようにな
っている。
【0024】つまり、上記鋼管1の先端部1aに取り付
けられたドリル3をトンネル7の掘削切羽8の周辺部に
押し付けると共に、上記鋼管打込装置5から与えられた
回転力により上記ドリル3は地山6を削孔しながら、前
方の地6内に突入していく。この時、該ドリル3の推進
力によって、上記鋼管1が地山6内に引き込まれる。
【0025】そして、上記鋼管1の後端部1dが掘削切
羽8前方の掘削領域9外に位置するまで引き込まれた時
点でドリル3の回転を停止させて、該ドリル3に装着さ
れたロッド4が取り外される。なお、上記ドリル3は、
鋼管1に取り付けられた状態で地山6内に残される。
【0026】このようにして、鋼管1が地山6内に引き
込まれた後に、硬化剤が注入されることになるが、本実
施の形態においては、例えば図5から図7に示すよう
に、硬化剤注入ユニット10を用いて硬化剤の注入が行
われる。
【0027】この硬化剤注入ユニット10は、注入本管
11と第1シリカレジン系硬化剤注入チューブ12と第
2シリカレジン系硬化剤注入チューブ13と第3シリカ
レジン系硬化剤注入チューブ14とエアー抜きチューブ
15とセメント系硬化剤注入パイプ16とを有する。
【0028】上記注入本管11は、合成樹脂製で軸方向
に直交する断面において蓮根のような形状とされてお
り、該注入本管11には円周方向に90度の間隔をおい
て軸方向に延びる4つのチューブ保持溝11a…11a
と、軸方向に直交する断面において中央に軸方向に延び
る貫通穴11bと、断面部分の肉厚が均等になるように
軸方向に延びる4つの肉ぬすみ部11c…11cとが設
けられている。
【0029】そして、上記チューブ保持溝11a…11
aの形状は、注入本管11の軸方向に直交する断面にお
いてΩ字形状であり、かつ、該本管2の外周面への開口
幅がチューブ保持溝11a…11aの内側より狭くされ
ており、その開口幅は第1〜第3シリカレジン系硬化剤
注入チューブ12〜14と、エアー抜きチューブ15と
の外径より小さくされている。そして、これらの4つの
チューブ12〜15は、弾性のある合成樹脂製とされて
おり、変形させて該チューブ保持溝11a…11aに装
着すると共に、装着後には変形前の形状にもどってこれ
ら4つのパイプ12〜15はチューブ保持溝11a…1
1aから脱落しないようになっている。
【0030】また、上記貫通穴11bは、セメント系硬
化剤注入パイプ16を嵌合保持する形状とされている。
【0031】さらに、上記注入本管11の外周面両端寄
りには、一般にパッカーと称される被覆部材である筒状
の第1、第2パッカー17a,17bがその両端部分が
絞られた状態でベルト18…18によってそれぞれ取り
付けられている。なお、両パッカー17a,17bは、
シリカレジン系硬化剤が透過可能な材質とされている。
【0032】そして、上記注入本管11の後端側(図5
側面視の右側)に位置する第1パッカー17aの中央に
は第1シリカレジン系硬化剤注入チューブ12の先端部
12aが、注入本管11の先端側(図5側面視の左側)
に位置する第2パッカー17bの中央には第2シリカレ
ジン系硬化剤注入チューブ13の先端部13aが、上記
第1、第2パッカー17a,17b間の中央には第3シ
リカレジン系硬化剤注入チューブ14の先端部14aが
それぞれに設けられると共に、上記鋼管1の先端部1a
近傍にはエアー抜きチューブ15の先端部15a(図8
参照)が設けられている。
【0033】また、上記セメント系硬化剤注入パイプ1
6の先端部16aが、第2パッカー17bよりも先端側
に所定量離れた位置に設けられている。このセメント系
硬化剤注入パイプ16は合成樹脂製とされている。
【0034】なお、上記4つの肉ぬすみ部11c…11
cの先端側の端部は、詰め部材19…19により塞がれ
ている。また、上記第1、第2パッカー17a,17b
内を閉鎖された空間となるようにチューブ保持溝11a
…11aの所定箇所に溝詰め部材20…20が取り付け
られている。
【0035】つぎに、この硬化剤注入ユニット10を用
いた硬化剤注入工程について説明すると、図8に示すよ
うに、上記樹脂管2の後端部2cから硬化剤注入ユニッ
ト10がエアー抜きチューブ15の先端部15a側を先
頭に挿入され、地山6の切羽8側に上記第1パッカー1
7aが位置するように上記硬化剤注入ユニット10が該
鋼管1内の所定位置にセットされる。また、上記硬化剤
注入ユニット10の第1〜第3シリカレジン系硬化剤注
入チューブ12〜14の後端部は、シリカレジン系硬化
剤21を供給するシリカレジン系硬化剤注入装置22
(図5参照)に接続されると共に、該硬化剤注入ユニッ
ト10のセメント系硬化剤注入パイプ16の後端部は、
セメント系硬化剤23を供給するセメント系硬化剤注入
装置24(図5参照)に接続される。
【0036】そして、先に、シリカレジン系硬化剤注入
装置22から供給されるウレタン系硬化剤21が第1〜
第3シリカレジン系硬化剤注入チューブ12〜14の先
端部12a〜14aから樹脂管2に設けられた複数の注
入孔2c…2cを通じて地山6に注入されると共に、該
シリカレジン系硬化剤21が硬化した後に、セメント系
硬化剤注入装置24から供給されるセメント系硬化剤2
3がセメント系硬化剤注入パイプ16の先端部16aか
ら鋼管1に設けられた複数の注入孔1c…1cを通じて
地山6に注入される。
【0037】つぎに、上記注入されたセメント系硬化剤
23が硬化した後、シリカレジン系硬化剤注入装置22
から第1〜第3シリカレジン系硬化剤注入チューブ12
〜14が取り外されると共に、セメント系硬化剤注入装
置24からセメント系硬化剤注入パイプ16が取り外さ
れる。そして、図9に示すように、掘削切羽8前方の掘
削領域9内に残る樹脂管2と硬化剤注入ユニット10と
共に、掘削機(図示せず)によってトンネル7の掘削切
羽8が掘削される。
【0038】以上のように、この複合注入無拡幅鋼管先
受工法によれば、鋼管1の後端部1dに樹脂管2を接続
すると共に、この鋼管1の先端部1aにドリル3を回転
可能に取り付け、該ドリル3の推進力により、地山6を
削孔しながら該鋼管1と樹脂管2とを鋼管1の後端部1
dが掘削切羽8前方の掘削領域9外に位置するまで引き
込まれる。したがって、該樹脂管2の後端部2cを叩く
ことによって鋼管1を地山6に打ち込まないので、樹脂
管2は破壊されないで掘削領域9内に残り、その後端部
2cが切羽8の手前側に露出することになる。その結
果、上記樹脂管2の後端部2cから硬化剤注入ユニット
10が挿入された後、該硬化剤注入ユニット10から鋼
管1を介して地山6内に硬化剤が注入されることにな
る。
【0039】この場合、先に、上記硬化剤注入ユニット
10の第1シリカレジン系硬化剤注入用パイプ12の先
端部12aと第2シリカレジン系硬化剤注入用パイプ1
3の先端部13aとからシリカレジン系硬化剤21が第
1、第2パッカー17a,17b内に供給されて、両パ
ッカー17a,17bを介してシリカレジン系硬化剤2
1が樹脂管2に設けられた注入孔2c…2cを通じて地
山6に注入されると共に、第3シリカレジン系硬化剤注
入チューブ14の先端部14aからシリカレジン系硬化
剤21が樹脂管2に設けられた注入孔2c…2cを通じ
て地山6に注入される。そして、この硬化剤21が硬化
した後に、セメント系硬化剤注入用パイプ16の先端部
16aからセメント系硬化剤23が鋼管1に設けられた
複数の注入孔1c…1cを通じて地山6に注入される。
【0040】したがって、先に速硬性のシリカレジン系
硬化剤21が切羽8側の地山6の所定範囲aに注入され
て、該硬化剤21が樹脂管2内及びその樹脂管2周辺の
地山6内で短時間で硬化するので、切羽8側に流れ出よ
うとする地下水の漏出を抑制することができる。次に、
高強度のセメント系硬化剤材23を地山6の上記所定範
囲a以外の奥側の所定範囲bに注入されるが、切羽8側
の地山6の所定範囲でシリカレジン系硬化剤21が硬化
しているので、該セメント系硬化剤材23が比較的時間
をかけて硬化するものであっても、その硬化剤21によ
って切羽側8に地下水が漏出することがない。しかも、
高強度のセメント系硬化剤材23が上記鋼管1内及び地
山6内に留まって硬化することになり、これにより、地
山6に対する硬化強度を高めることができる。
【0041】そして、セメント系硬化剤材23が硬化し
た後、切羽8を掘削領域9内に残っている樹脂管2と共
に掘削すれば、地山6内の樹脂管2及びシリカレジン系
硬化剤21の大部分が除去されることになり、環境に対
する悪影響が少なくなる。
【0042】このことにより、余掘りを必要としないで
トンネル7の掘削ができ、その上、安価で高強度のセメ
ント系硬化剤23を併用し、かつ、図10に示すよう
に、鋼管1…1を千鳥状に配設しているので、該鋼管1
から地山6に注入されるセメント系硬化剤23は重なり
合うことになり、鋼管1を上記トンネル6の周囲に内外
2段に重なるようにするだけでも地山6に対する硬化強
度を得ることが可能となる。これにより、材料費や施工
費の上昇を大幅に抑制することができる。
【0043】また、第1、第2パッカー17a,17b
によって、シリカレジン系硬化剤21を拡散させること
なく地山6の所定範囲aに効率良く注入することができ
る。
【0044】さらに、セメント系硬化剤注入パイプ16
の先端部16aは、第2第2パッカー17bよりも先端
側の所定量離れた位置に設けられているので、シリカレ
ジン系硬化剤21によって該先端部16aが塞がれるこ
とがなく、確実にセメント系硬化剤23を地山6に注入
することができる。
【0045】また、エアー抜きチューブ15の先端部1
5aがセメント系硬化剤注入パイプ16の先端部16a
より突出して設けられているので、シリカレジン系硬化
剤21が先に硬化して、鋼管1内の後端側が塞がった状
態になったとしても、鋼管1内に残ったエアーが上記エ
アー抜きチューブ15を通じて鋼管1外に排出される。
これにより、鋼管1内に残ったエアーが抵抗になること
なく、セメント系硬化剤23をセメント系硬化剤注入パ
イプ16から該鋼管1内にスムーズに供給することがで
きる。しかも、上記エアー抜きチューブ15を通じて鋼
管1外に該硬化剤23が流れ出ると、鋼管1及びその鋼
管1周辺の地山6にセメント系硬化剤23が充填された
ことも確認できる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、まず、第1発明によれ
ば、後端部に樹脂管を接続した鋼管をトンネルの掘削切
羽の周辺部から地山内に該トンネルの軸方向やや斜め外
方に向けて配設し、上記切羽の手前側に露出した樹脂管
後端部から硬化剤注入管を挿入した後、該注入管から鋼
管を介して地山に硬化剤が注入されることになるが、こ
の場合、先に速硬性の硬化剤が切羽側の地山の所定範囲
に注入され、この速硬性の硬化剤が鋼管内及びその鋼管
周辺の地山内で硬化することになるので、切羽側に流れ
出ようとする地下水の漏出が抑制されることになる。
【0047】次に、高強度の硬化剤が地山の上記所定範
囲より奥側に注入されることになるが、切羽側の地山の
所定範囲に速硬性の硬化剤が硬化しているので、高強度
の硬化剤が比較的時間をかけて硬化するものであっても
地下水によって切羽側に流れ出ることがない。しかも、
高強度の硬化剤が上記鋼管内及び地山内に留まって硬化
することになり、これにより、地山に対する硬化強度を
高めることができる。
【0048】そして、上記掘削領域内に残っている樹脂
管と共に上記切羽を掘削すれば、余掘を必要としないで
トンネルを掘削することができる。
【0049】また、第2発明によれば、硬化剤注入管と
して、少なくとも2つ以上の独立した通路を有するもの
を用い、速硬性の硬化剤と高強度の硬化剤とを異なる通
路から供給するので、、速硬性の硬化剤と高強度の硬化
剤とが混合することがなく、それぞれの硬化剤の特性を
充分に発揮することができる。
【0050】また、第3発明によれば、速硬性の硬化剤
としてシリカレジン系のものを用い、高強度の硬化剤と
してセメント系のもの用いるので、上記第1発明と同様
の効果を得ることができる。しかも、セメント系硬化剤
は安価なので、材料費の上昇を抑制することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る複合注入無拡幅鋼
管先受工法に用いる鋼管等の一例を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る複合注入無拡幅鋼
管先受工法を用いたトンネルの掘削を説明する概略断面
図である。
【図3】 図2の要部拡大断面図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係る複合注入無拡幅鋼
管先受工法を用いたトンネルのを説明する他の要部拡大
断面図である。
【図5】 本発明の実施の形態に係る複合注入無拡幅鋼
管先受工法に用いる硬化剤注入ユニットを示す一部切欠
きのある正面図である。
【図6】 図5のイ−イ線から見た拡大断面図である。
【図7】 図5のウ部を図6のエ−エ線と同じ方向から
見た断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係る複合注入無拡幅鋼
管先受工法を用いたトンネルの掘削を説明する他の要部
拡大断面図である。
【図9】 同じくトンネルの掘削を説明する他の要部拡
大断面図である。
【図10】 図2のア−ア線から見た拡大断面図であ
る。
【図11】 従来の拡幅鋼管先受式掘削方法によるトン
ネルの掘削を説明する断面図である。
【図12】 図10のオ−オ線から見た拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼管 2 樹脂管 6 地山 7 トンネル 8 掘削切羽 10 硬化剤注入ユニット(硬化剤注入管) 19 シリカレジン系硬化剤(速硬性の硬化
剤) 20 セメント系硬化剤(高強度の硬化剤)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネルを掘削するに先だって、後端部
    に樹脂管を接続した鋼管をトンネルの掘削切羽の周辺部
    から地山内に該トンネルの軸方向やや斜め外方に向けて
    配設すると共に、上記樹脂管の後端部から鋼管内を介し
    て地山に硬化剤を注入し、その後、上記樹脂管を除去す
    る複合注入無拡幅鋼管先受工法であって、上記切羽の手
    前側に露出する樹脂管後端部から鋼管内に硬化剤注入管
    を挿入して、速硬性の硬化剤を該鋼管を介して地山の切
    羽側の所定範囲に注入した後、高強度の硬化剤を該地山
    の上記所定範囲より奥側に注入することを特徴とする複
    合注入無拡幅鋼管先受工法。
  2. 【請求項2】 硬化剤注入管として、少なくとも2つ以
    上の独立した通路を有するものを用い、速硬性の硬化剤
    と高強度の硬化剤とを異なる通路から供給することを特
    徴とする請求項1に記載の複合注入無拡幅鋼管先受工
    法。
  3. 【請求項3】 速硬性の硬化剤としてシリカレジン系の
    ものを用い、高強度の硬化剤としてセメント系のものを
    用いることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    複合注入無拡幅鋼管先受工法。
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JP2009263882A (ja) * 2008-04-22 2009-11-12 Kajima Corp 地山補強工法
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