JP2000045050A - 精密鋳造用Fe−Co系磁性合金 - Google Patents
精密鋳造用Fe−Co系磁性合金Info
- Publication number
- JP2000045050A JP2000045050A JP10228701A JP22870198A JP2000045050A JP 2000045050 A JP2000045050 A JP 2000045050A JP 10228701 A JP10228701 A JP 10228701A JP 22870198 A JP22870198 A JP 22870198A JP 2000045050 A JP2000045050 A JP 2000045050A
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- precision casting
- casting
- ppm
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロストワックス精密鋳造法に用いるFe−C
o系磁性合金であって、鋳造時の割れ発生が少ない合金
を提供する。 【解決手段】 重量比でCo45〜55%、V1.7〜
3.0%を含有し、さらにB15〜50ppm、N10
0ppm以下を含有し、残部実質的にFeおよび不可避
的元素からなることを特徴とする精密鋳造用Fe−Co
系合金である。
o系磁性合金であって、鋳造時の割れ発生が少ない合金
を提供する。 【解決手段】 重量比でCo45〜55%、V1.7〜
3.0%を含有し、さらにB15〜50ppm、N10
0ppm以下を含有し、残部実質的にFeおよび不可避
的元素からなることを特徴とする精密鋳造用Fe−Co
系合金である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は精密鋳造用Fe−C
o系合金に関し、特に鋳造応力に抗するため靱性を改善
した鋳造用Fe−Co系合金に関する。
o系合金に関し、特に鋳造応力に抗するため靱性を改善
した鋳造用Fe−Co系合金に関する。
【0002】
【従来の技術】Fe50重量%、Co50重量%を基本
組成とする合金はパーメンジュールあるいはパーメンダ
ーと呼ばれ、実用合金のなかでも高飽和磁束密度(B
s)得られる合金として知られている。しかしながら、
前記Fe−Co系合金は規則格子を形成するため非常に
脆く、加工し難いため、第3の元素として、V,Cr,
NiあるいはNb等を添加し靱性を改良して実用化され
ている。代表的な材料としてVを2%添加した49Co
−2V−Fe合金が知られている。
組成とする合金はパーメンジュールあるいはパーメンダ
ーと呼ばれ、実用合金のなかでも高飽和磁束密度(B
s)得られる合金として知られている。しかしながら、
前記Fe−Co系合金は規則格子を形成するため非常に
脆く、加工し難いため、第3の元素として、V,Cr,
NiあるいはNb等を添加し靱性を改良して実用化され
ている。代表的な材料としてVを2%添加した49Co
−2V−Fe合金が知られている。
【0003】また、圧延、打抜き、プレス等の冷間加工
を行う場合、700〜730℃にある規則格子変態点以
上の温度に加熱した後、例えば水冷などによって、急冷
することによって規則格子の生成を妨げ、靱性を改善で
きることも知られている。
を行う場合、700〜730℃にある規則格子変態点以
上の温度に加熱した後、例えば水冷などによって、急冷
することによって規則格子の生成を妨げ、靱性を改善で
きることも知られている。
【0004】さらに、本合金を鋳造用、特に精密鋳造に
供する合金として使用する場合としては、ドットプリン
ター用のヨーク材が代表的な用途である。
供する合金として使用する場合としては、ドットプリン
ター用のヨーク材が代表的な用途である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来のFe−Co系合金において、V等を添加して靱性
を改善した材料であっても、特にプリンター用部品等の
精密な部品を精密鋳造で作製する場合、鋳造後の凝固冷
却する過程で鋳型と材料との熱膨張係数の差により応力
が発生し、材料の靱性不足から割れ(熱間割れと称す
る)が発生する場合があった。
従来のFe−Co系合金において、V等を添加して靱性
を改善した材料であっても、特にプリンター用部品等の
精密な部品を精密鋳造で作製する場合、鋳造後の凝固冷
却する過程で鋳型と材料との熱膨張係数の差により応力
が発生し、材料の靱性不足から割れ(熱間割れと称す
る)が発生する場合があった。
【0006】上述したような割れに対する防止策とし
て、特開平04−261518号には鋳造後に特定の温
度から急冷する方法および装置が開示されている。ま
た、易崩壊性鋳型を利用する方法も多々開示されてい
る。しかしながら、これらの方法では製品の薄肉軽量化
が進む状況においては、割れが発生する製品が多々あ
る。
て、特開平04−261518号には鋳造後に特定の温
度から急冷する方法および装置が開示されている。ま
た、易崩壊性鋳型を利用する方法も多々開示されてい
る。しかしながら、これらの方法では製品の薄肉軽量化
が進む状況においては、割れが発生する製品が多々あ
る。
【0007】本発明は上記問題に鑑み、Fe−Co系合
金の合金組成の面から靱性を改善し、割れの発生率の低
い精密鋳造用Fe−Co系合金を提供することである。
金の合金組成の面から靱性を改善し、割れの発生率の低
い精密鋳造用Fe−Co系合金を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は重量比でCo4
5〜55%、V1.7〜3.0%、さらにB15〜50
ppm、N100ppm以下を含有し、残部実質的にF
eおよび不可避的元素からなることを特徴とする鋳造時
点での割れの発生率の低い精密鋳造用Fe−Co系合金
である。
5〜55%、V1.7〜3.0%、さらにB15〜50
ppm、N100ppm以下を含有し、残部実質的にF
eおよび不可避的元素からなることを特徴とする鋳造時
点での割れの発生率の低い精密鋳造用Fe−Co系合金
である。
【0009】本発明の最も特徴とするところは、靱性を
向上するために従来より知られている合金にBを15〜
50ppm添加し、Nを100ppmに限定したことで
ある。この成分範囲でのFe−Co合金は磁気特性が低
下しない範囲で、結晶が微細化されるため、割れの発生
を防止することができる。
向上するために従来より知られている合金にBを15〜
50ppm添加し、Nを100ppmに限定したことで
ある。この成分範囲でのFe−Co合金は磁気特性が低
下しない範囲で、結晶が微細化されるため、割れの発生
を防止することができる。
【0010】以下に本発明の各構成元素の限定理由およ
び通常製造上もしくは不可避的に存在する元素について
述べる。 Co45〜55%:Fe−Co系合金の主要元素で、こ
の範囲で高い磁束密度が得られるからである。 V1.7〜3.0%:Vの添加はFe−Co系合金の靱
性を改善する元素である。また、保持力も増加させる。
しかし、この範囲以外での添加は飽和磁束密度を低下さ
せるため、1.7〜3.0%に限定する。 B15〜50ppm:Bは結晶粒を微細化させ著しく靱
性を向上させる。15ppm以下であると実質的に効果
がなく、50ppmを超えると、結晶粒界に析出物が多
くなり逆に靱性が低下するので、上記範囲に限定する。 N100ppm以下:通常不可避的存在する元素である
が過剰に存在すると結晶にBN(ボロン窒化物)が析出
し、靱性が低下するので上限を100ppmとする。 Si0.01〜1.00%:Siは鋳造性の改善に効果
がある元素である。また、保持力も増加させる。Siが
0.01%以下では実質的に効果がなく、1.00%を
超えると飽和磁束密度が低下するため、上記範囲に限定
する。 Mn0.01〜1.00%: Mnは鋳造性を改善する
元素である。Mnが0.01%以下では実質的に効果が
なく、1.00%を超えると飽和磁束密度が低下するた
め、上記範囲に限定する。 C0.1%以下:Cが0.1%よりも高いと飽和磁束密
度が低下するため0.1%以下とする。
び通常製造上もしくは不可避的に存在する元素について
述べる。 Co45〜55%:Fe−Co系合金の主要元素で、こ
の範囲で高い磁束密度が得られるからである。 V1.7〜3.0%:Vの添加はFe−Co系合金の靱
性を改善する元素である。また、保持力も増加させる。
しかし、この範囲以外での添加は飽和磁束密度を低下さ
せるため、1.7〜3.0%に限定する。 B15〜50ppm:Bは結晶粒を微細化させ著しく靱
性を向上させる。15ppm以下であると実質的に効果
がなく、50ppmを超えると、結晶粒界に析出物が多
くなり逆に靱性が低下するので、上記範囲に限定する。 N100ppm以下:通常不可避的存在する元素である
が過剰に存在すると結晶にBN(ボロン窒化物)が析出
し、靱性が低下するので上限を100ppmとする。 Si0.01〜1.00%:Siは鋳造性の改善に効果
がある元素である。また、保持力も増加させる。Siが
0.01%以下では実質的に効果がなく、1.00%を
超えると飽和磁束密度が低下するため、上記範囲に限定
する。 Mn0.01〜1.00%: Mnは鋳造性を改善する
元素である。Mnが0.01%以下では実質的に効果が
なく、1.00%を超えると飽和磁束密度が低下するた
め、上記範囲に限定する。 C0.1%以下:Cが0.1%よりも高いと飽和磁束密
度が低下するため0.1%以下とする。
【0011】
【実施例】高周波誘導溶解炉を用いて得られた表1に示
す組成の合金溶湯を、ロストワックス精密鋳造法によっ
て得られた鋳型に鋳造し、試験片鋳造体を得た。この試
験片鋳造体は、磁気特性を調べるために、φ33 X
φ45(mm)のリング状試験片とした。また、割れを
調べるために、φ45 X 10h(ピン数:24)の
製品を使用した。磁気特性の試験片は、磁性焼鈍を実施
した後、試験に供した。また、製品は鋳造後に目視にて
割れを調査した。結果を表2に示す。
す組成の合金溶湯を、ロストワックス精密鋳造法によっ
て得られた鋳型に鋳造し、試験片鋳造体を得た。この試
験片鋳造体は、磁気特性を調べるために、φ33 X
φ45(mm)のリング状試験片とした。また、割れを
調べるために、φ45 X 10h(ピン数:24)の
製品を使用した。磁気特性の試験片は、磁性焼鈍を実施
した後、試験に供した。また、製品は鋳造後に目視にて
割れを調査した。結果を表2に示す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】No.1ないし No.5はN
の含有量が100ppm以下の場合にBの含有量を0〜
105ppmまで変化させた時の例を示したものであ
る。Bの変化につれて割れの発生率が変化することがわ
かる。Bの含有量が15〜50ppm程度の時、割れ発
生率が低いことがわかる。
の含有量が100ppm以下の場合にBの含有量を0〜
105ppmまで変化させた時の例を示したものであ
る。Bの変化につれて割れの発生率が変化することがわ
かる。Bの含有量が15〜50ppm程度の時、割れ発
生率が低いことがわかる。
【0015】No.6およびNo.7はNの含有量が1
00ppmを超えた場合にBの含有量を16〜47pp
mまで変化させた時の例を示したものである。Bの含有
量が15〜50ppmであっても、Nの含有量が100
ppmを超えると高い割れ発生率を示すことがわかる。
00ppmを超えた場合にBの含有量を16〜47pp
mまで変化させた時の例を示したものである。Bの含有
量が15〜50ppmであっても、Nの含有量が100
ppmを超えると高い割れ発生率を示すことがわかる。
【0016】実施例の構成元素範囲においては、磁気特
性に変化は少ないことがわかる。
性に変化は少ないことがわかる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、靱性が高く、しかも飽
和磁束密度が高く、保持力も低く、磁気特性のよい材料
が得られるため、ドットプリンターのヘッド用のコア材
等の微細な形状を有する精密鋳造品に有効な材料であ
る。
和磁束密度が高く、保持力も低く、磁気特性のよい材料
が得られるため、ドットプリンターのヘッド用のコア材
等の微細な形状を有する精密鋳造品に有効な材料であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量比でCo45〜55%、V1.7〜
3.0%を含有し、さらにB15〜50ppm、N10
0ppm以下を含有し、残部実質的にFeおよび不可避
的元素からなることを特徴とする精密鋳造用Fe−Co
系合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228701A JP2000045050A (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 精密鋳造用Fe−Co系磁性合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10228701A JP2000045050A (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 精密鋳造用Fe−Co系磁性合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000045050A true JP2000045050A (ja) | 2000-02-15 |
Family
ID=16880457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10228701A Pending JP2000045050A (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 精密鋳造用Fe−Co系磁性合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000045050A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008248392A (ja) * | 2008-05-13 | 2008-10-16 | Sanyo Special Steel Co Ltd | Fe−Co−V系合金材料の製造方法 |
JP2008255492A (ja) * | 2008-05-13 | 2008-10-23 | Sanyo Special Steel Co Ltd | Fe−Co−V系合金材料の製造方法 |
-
1998
- 1998-07-28 JP JP10228701A patent/JP2000045050A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008248392A (ja) * | 2008-05-13 | 2008-10-16 | Sanyo Special Steel Co Ltd | Fe−Co−V系合金材料の製造方法 |
JP2008255492A (ja) * | 2008-05-13 | 2008-10-23 | Sanyo Special Steel Co Ltd | Fe−Co−V系合金材料の製造方法 |
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