JP2000044990A - 硬質表面用液体洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた洗浄力を示し、且つプラスチック製品
の洗浄に用いた場合でも損傷の少ない硬質表面用洗浄剤
組成物を提供する。 【解決手段】 （Ａ）揮発性或いは液状アミン化合物、
（Ｂ）特定のアルキルグリコシド及び（Ｃ）特定の水溶
性溶剤の１種又は２種以上を特定量含有してなる硬質表
面用洗浄剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、洗浄力に優れ、且
つプラスチックなどの洗浄表面に対する損傷性の少ない
硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその課題】換気扇や台所周辺の壁、ガ
ラス、冷蔵庫等に付着した汚れ物質は、長時間放置され
た場合には酸化されてベタベタした変質油に変化する。

【０００３】かかる油性汚れを除去するための洗浄剤と
して、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の無機系の
強アルカリ剤を主体とする洗浄剤、あるいは有機アミン
類、低級アルコールやグリコールエーテル系の水溶性有
機溶剤を主体とした洗浄剤が知られている。

【０００４】しかし近年、家電製品、自動車の内装など
にＡＢＳ樹脂などのスチレン系のプラスチックが多用さ
れており、特公平４−７３４７８号に記載されるような
グリコールエーテル系の溶剤を含有する洗浄剤組成物を
これらプラスチック製の硬質表面の洗浄に用いると表面
にヒビや亀裂（クラック）が生じる場合がある。

【０００５】本発明は、変性した油汚れに対して優れた
洗浄力を示すと共にプラスチック製品の洗浄に用いた場
合でも表面の損傷の少ない洗浄剤組成物を得ることを目
的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、（Ａ）界面活
性剤０．０１〜２０重量％、（Ｂ）ＲＯＣ₃Ｈ₆ＯＨ
〔Ｒ：炭素数２〜６のアルキル基又はアルケニル基〕で
表される溶剤０．０１〜２０重量％及び（Ｃ）アミン化
合物３〜２０重量％を含有し、ｐＨが６〜１３である硬
質表面用液体洗浄剤組成物を提供するものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の（Ａ）成分である界面活
性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面
活性剤、両性界面活性剤が好ましいが、必要に応じて、
陽イオン性界面活性剤も使用可能である。

【０００８】陰イオン界面活性剤としては、特願平９−
３５９７１５号明細書又は特開平９−３１００９１号公
報第８頁第１３欄４４行〜第９頁第１５欄１４行に記載
のものを挙げることができるが、これらの中でも下記の
（１）〜（５）が好ましく、特に（２）が好ましい。

【０００９】（１）炭素数が８〜２２の直鎖アルキル基
を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩。 （２）炭素数が８〜２２の直鎖又は分岐鎖のアルキル基
又はアルケニル基と、平均付加モル数が１〜２０のポリ
オキシエチレン、ポリオキシプロピレンの少なくとも１
種のポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキ
レンアルキルエーテル硫酸、ポリオキシアルキレンアル
ケニルエーテル硫酸、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル酢酸、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル
酢酸、ポリオキシアルキレンアルキルアミドエーテルカ
ルボン酸、ポリオキシアルキレンアルケニルアミドエー
テルカルボン酸又はそれらの塩。 （３）炭素数が８〜２２のアルキル又はアルケニル硫酸
エステル又はその塩。 （４）炭素数が８〜２２の飽和又は不飽和脂肪酸又はそ
の塩。 （５）一般式（Ｉ）で表されるジフェニルエーテルジス
ルホン酸型陰イオン界面活性剤。

【００１０】

【化１】

【００１１】〔式中、Ｒ¹ 、Ｒ² は、炭素数６〜２２の
直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基
又は水素原子を示し（ただし、Ｒ¹ 、Ｒ² は両方が水素
原子となることはない）、Ｍ及びＭ’は、水素原子、ア
ルカリ金属、アンモニウム基又はアルカノール置換アン
モニウム基を示す〕。

【００１２】非イオン性界面活性剤としては、特願平９
−３５９７１５号明細書又は特開平９−３１００９１号
公報第６頁第１０欄４９行〜第８頁第１３欄４０行に記
載のものを挙げることができるが、これらの中でも下記
の（６）〜（９）が好ましく、特に（７）〜（９）が好
ましい。

【００１３】（６）炭素数が８〜２２のアルキル基又は
アルケニル基を有し、エチレンオキサイド付加モル数が
平均で１〜３０モルのポリオキシエチレンアルキル又は
アルケニルエーテル。 （７）下記の一般式（II）で表される高級脂肪酸アルカ
ノールアミド類又はそのアルキレンオキサイド付加物。

【００１４】

【化２】

【００１５】〔式中、Ｒ⁴ は炭素数１０〜２０のアルキ
ル基又はアルケニル基を示し、Ｒ⁵ 、Ｒ⁶ は同一又は異
なる水素原子又はＣＨ₃ を示し、ｐは１〜３の数、ｑは
０〜３の数を示す〕。

【００１６】（８）炭素数１〜２４の直鎖又は分岐鎖ア
ルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケ
ニルアミンオキサイド。特に下記の一般式(III) で表さ
れるアルキルアミンオキサイドが好ましい。

【００１７】

【化３】

【００１８】〔式中、Ｒ⁷ は炭素数８〜２４のアルキル
基又はアルケニル基を示し、Ｒ⁸ 及びＲ⁹ は同一又は異
なる炭素数１〜３のアルキル基を示し、Ｄは−ＮＨＣ
（＝Ｏ）−基又は−Ｃ（＝Ｏ）ＮＨ−基を示し、Ｅは炭
素数１〜５のアルキレン基を示し、ａ及びｂはａ＝０か
つｂ＝０又はａ＝１かつｂ＝１を示す。〕上記一般式(I
II) において、Ｒ⁷ は炭素数８〜２４のアルキル基又は
アルケニル基であるが、特に炭素数１２〜１８のアルキ
ル基が好ましい。Ｒ⁸ 、Ｒ⁹ は炭素数１〜３のアルキル
基であるが、特に炭素数１のメチル基が好ましい。

【００１９】（９）アルキル多糖類。特に下記の一般式
（IV）で表されるアルキル多糖類が好ましい。 Ｒ'(ＯＲ'')_xＧ_y （IV） 〔式中、Ｒ' は、直鎖又は分岐鎖の炭素数８〜１８のア
ルキル基、アルケニル基又はアルキルフェニル基を示
し、Ｒ''は炭素数２〜４のアルキレン基を示し、Ｇは炭
素数５〜６を有する還元糖に由来する残基を示し、ｘ
（平均値）は０〜５を示し、プロトンＮＭＲ法によるｙ
（平均値）が１〜５を示す〕 一般式（IV）において、Ｒ' は溶解性、起泡性及び洗浄
性の点から、直鎖が好ましく、炭素数は１０〜１４が好
ましい。Ｒ''は溶解性の点から、炭素数は２〜３が好ま
しい。ｘは平均値で０〜２が好ましい。ｙは平均値で１
〜１．５が好ましい。ｙの値（糖縮合度）は、特開平８
−５３６９６号公報の６頁１０欄２６行目〜７頁１１欄
１５行目の記載に基づいてＮＭＲにより測定できる。Ｇ
はグルコース由来の残基が好ましい。

【００２０】また、次の一般式（Ｖ）で表されるアルキ
ルメチルグルカミドも好ましい。

【００２１】

【化４】

【００２２】さらにアルキル多糖類としては、ペンタエ
リスリトール・イソステアリルグリシジルエーテルの１
モル付加体、ソルビトール・イソステアリルグリシジル
エーテルの１モル付加体、マンニトール・２−オクチル
ドデシルグリシジルエーテルの１モル付加体、メチルグ
ルコシド・イソステアリルグリシジルエーテルの１モル
付加体、ジグリセリン・イソステアリルグリシジルエー
テルの１モル付加体、フィタントリオール等の１分子中
に少なくとも１個の長鎖分岐アルキル基又はアルケニル
基及び少なくとも３個の水酸基を有する非イオン性界面
活性剤を挙げることができる。

【００２３】本発明では、（Ａ）成分の界面活性剤のう
ち５０〜１００重量％、特に８０〜１００重量％を非イ
オン性界面活性剤が占めることが好ましい。

【００２４】（Ａ）成分の含有量は、充分な洗浄力を付
与し、経済性を考慮すると、液体洗浄剤組成物中におい
て、好ましくは０．０１〜１０重量％であり、より好ま
しくは０．１〜１０重量％である。

【００２５】（Ｂ）成分の溶剤は、モノプロピレングリ
コールモノブチルエーテル、モノプロピレングリコール
モノプロピルエーテル、モノプロピレングリコールモノ
エチルエーテルが好ましく、（Ｂ）成分は、液体洗浄剤
組成物中に、好ましくは０．０５〜１５重量％、より好
ましくは０．１〜１０重量％含有される。

【００２６】（Ｃ）成分であるアミン化合物としては、
下記の一般式（VI）、(VII) 、(VIII)及び（IX）で表さ
れるアミン化合物から選ばれる１種以上が好ましい。

【００２７】

【化５】

【００２８】〔式中、Ｒ¹⁸、Ｒ²¹、Ｒ²³、Ｒ²⁵、Ｒ²⁷、
Ｒ²⁹、Ｒ³⁰は、それぞれ水素原子又は炭素数１〜４のア
ルキル基を示し、Ｒ¹⁹、Ｒ²⁰、Ｒ²²、Ｒ²⁴、Ｒ²⁶、Ｒ²⁸
は、それぞれ水素原子、炭素数１〜４のアルキル基又は
炭素数２〜４のヒドロキシアルキル基を示す〕。

【００２９】これらの一般式で表されるアミン化合物の
中でもアンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノエタ
ノール、モルホリン、２−アミノ−２−メチル−１−プ
ロパノールからなる群から選ばれる１種以上が好まし
い。

【００３０】（Ｃ）成分のアミン化合物の含有量は、洗
浄力の点から、好ましくは３〜１０重量％であり、より
好ましくは３〜７重量％である。

【００３１】本発明の組成物は、更に、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、セスキ炭酸ナトリウム
等の炭酸塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケ
イ酸塩などのアルカリ剤を含有することもできる。アル
カリ剤の含有量は、洗浄力の点から、０．０１〜１０重
量％であり、好ましくは０．１〜８重量％であり、より
好ましくは０．５〜５重量％である。

【００３２】本発明の液体洗浄剤組成物には、上記成分
以外にも、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分を
配合することができる。特に、エタノール等の低級アル
コール、エチレングリコール、ベンゼンスルホン酸塩及
びトルエンスルホン酸塩等の低級アルキルベンゼンスル
ホン酸塩等の低温安定化剤、３，５−ジ−tert−ブチル
−４−ヒドロキシトルエン、２，５−ジ−tert−ブチル
ヒドロキノン及びDL−α−トコフェロール等の酸化防止
剤、香料、色素並びに防腐剤を挙げることができる。ま
た、その他にも、匂いの安定性を損なわない範囲におい
て、３−メチル−１，３−ブタンジオール、３−メチル
−１，５−ペンタンジオール、２，２，４−トリメチル
−１，３−ペンタンジオール、２−エチル−１，３−ヘ
キサンジオール、１，９−ノナンジオール、１，８−オ
クタンジオール等のジオール類等を配合することができ
る。

【００３３】本発明の液体洗浄剤組成物においては、上
記各成分とともに水を配合する。水の配合量は、合計で
１００重量％となるように調整する量である。また、本
発明の液体洗浄剤組成物は、ｐＨが１０〜１３が好まし
い。

【００３４】本発明の液体洗浄剤組成物は、硬質体用の
洗浄剤組成物として使用され、特にプラスチック汚れに
対して効果的である。また、本発明の液体洗浄剤組成物
は、浴室用洗浄剤、台所まわり用洗浄剤、床用洗浄剤、
家電用の洗浄剤、食器用洗浄剤、全自動洗濯機洗濯槽の
洗浄剤、排水パイプの洗浄剤、台所や洗面所の小物の洗
浄剤等として適用することができる。

【００３５】

【実施例】実施例１〜１２、比較例１〜８ 表１〜表２に示す各成分を、表に示す割合で混合し、攪
拌しながら、ＮａＯＨ水溶液又はＨＣｌ水溶液にてｐＨ
を調製し、表に示す各組成物を調製した。各組成物を用
い、下記の方法により、油汚れ洗浄性及びプラスチック
損傷性（ＡＢＳ樹脂損傷性）の各試験を行った。結果を
表１〜表２に示す。なお、配合成分の詳細を以下に示
す。

【００３６】・アルキルグリコシド：一般式（IV）中の
Ｒ’が炭素数１２の直鎖アルキル基、Ｇがグルコース残
基、ｘ＝０、ｙ＝１．４のもの。 ・アルキルアミンオキサイド：炭素数１２の直鎖アルキ
ル基を有するモノアルキルジメチルアミンオキサイド。 ・アルキル硫酸エステルナトリウム：炭素数１２の直鎖
アルキル基を有するもの。 ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウ
ム：炭素数１２の直鎖アルキル基を有し、エチレンオキ
サイド平均付加モル数が４．０のもの。 ・アルキルカルボベタイン：炭素数１２の直鎖アルキル
基を有するアルキルアミドプロピルカルボベタイン。 ・アルキルトリメチルアンモニウムクロリド：炭素数１
２の直鎖アルキル基を有するもの。 ・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム：炭素数１２
の直鎖アルキル基を有するもの。

【００３７】＜洗浄力評価法＞表１〜表２に示す液体洗
浄剤組成物を用いて一般家庭の台所のガスレンジの上の
油汚れを洗浄し、その洗浄力について評価を行った。
尚、各評価は、ガスレンジ上の油汚れ洗浄力について
は、洗浄液をガスレンジ上の汚れに３ｃｃ市販のスプレ
ーヤーでスプレーし、乾いた雑巾で拭き取った後、更
に、水で固く絞った雑巾で１回清め拭きを行い、下記の
評価基準にて官能評価を行った。 〔評価基準〕 洗浄力 ５：完全な汚れ落ち ４：８０％程度の汚れ落ち ３：６０％程度の汚れ落ち ２：４０％程度の汚れ落ち １：２０％程度の汚れ落ち ０：まったく汚れが落ちない 尚、表中の数値は、同様の処理を計２０回行った場合の
平均値である。

【００３８】＜ＡＢＳ樹脂への損傷性評価方法＞２３０
ｍｍ×３５ｍｍ×２ｍｍのＡＢＳ樹脂（三菱モンサント
製）テストピースを作成する。このテストピースを直径
２６７ｍｍの塩ビパイプ表面に図１のように固定し、図
２に示す如く、０．７４％の歪みを生じさせる。歪みは
以下の式によって求められる。

【００３９】

【数１】

【００４０】このように歪み、すなわち応力をかけたＡ
ＢＳ樹脂を洗浄剤水溶液１．７ｇを含浸した市販のティ
ッシュペーパー（乾燥時の重量で１ｇ）で１０回（１往
復が１回）拭払いし、２０℃、６５％ＲＨで２４時間放
置後、ＡＢＳ樹脂への損傷性を目視にて評価した。この
時の評価基準は以下の通りである。 ○：異常なし ×：ヒビ割れ有り

【００４１】

【表１】

【００４２】

【表２】

【図面の簡単な説明】

【図１】基材損傷性試験の方法を説明するための斜視図
である。

【図２】基材損傷性試験の方法を説明するためのＡＢＳ
樹脂テストピースの断面図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （Ａ）界面活性剤０．０１〜２０重量
   ％、（Ｂ）ＲＯＣ₃Ｈ₆ＯＨ〔Ｒ：炭素数２〜６のアルキ
   ル基又はアルケニル基〕で表される溶剤０．０１〜２０
   重量％及び（Ｃ）アミン化合物３〜２０重量％を含有
   し、ｐＨが６〜１３である硬質表面用液体洗浄剤組成
   物。