JP2000044813A - 高減衰材料組成物 - Google Patents

高減衰材料組成物

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JP2000044813A JP10219998A JP21999898A JP2000044813A JP 2000044813 A JP2000044813 A JP 2000044813A JP 10219998 A JP10219998 A JP 10219998A JP 21999898 A JP21999898 A JP 21999898A JP 2000044813 A JP2000044813 A JP 2000044813A
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武史 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用温度範囲に合わせたtanδピーク温度
を有する高減衰材料組成物を提供すること。 【解決手段】 ベースポリマーであるアクリルゴムに、
減衰性付与剤としてヒンダードフェノール系化合物を配
合し、更にポリアミン基を有する化合物或いはポリアミ
ドアミン基を有する化合物、若しくはピーク温度を低温
側にシフトさせる減衰性付与剤を配合し、所定の加工成
形処理を施す。得られる高減衰材料組成物は、高いta
nδを安定して発現し、所定の使用環境に合わせたピー
ク温度を有するものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高減衰材料組成物
に関し、更に詳しくは、音響ルームの遮音壁、建築構造
体の遮音間仕切り、車両の防音壁等に適用される振動や
騒音を吸収する制振材・防音材としての高減衰材料組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の高減衰材料組成物としての高分
子系材料は、典型的な粘弾性挙動を呈するものであり、
その材料微小部が何等かの原因で振動すると、夫々の材
料微小部に、複素正弦歪(ε)が発生し、これにより
複素正弦応力(σ)が発生する。複素弾性係数
(E)は、次式に示したように、これらの比をとった
ものである。 複素弾性係数(E)=複素正弦応力(σ)/複素正
弦歪(ε
【0003】この複素弾性係数(E)の実数部は、材
料の弾性的な性質に係る貯蔵弾性係数(E’)と定義さ
れ、その虚数部は、材料の粘性的な性質に係る損失弾性
係数(E”)と定義される。損失正接(tanδ)は、
次式に示したように、これらの比をとったものである。 損失正接(tanδ)=損失弾性係数(E”)/貯蔵弾
性係数(E’)
【0004】この損失正接(以下、単に「tanδ」と
する。)は、防音・制振特性を決定する因子の一つであ
り、この値が高いほど力学的エネルギーを電気或いは熱
エネルギーとして吸収・放出して、優れた吸音性や制振
性等の機械特性を示すことが知られている。従来、高減
衰材料組成物のtanδとして求められる値は、0.5
以上である。
【0005】この従来の要求特性を満たした高減衰材料
組成物として、例えば、高分子系複合材料が知られてい
る。この高分子系複合材料はポリマーアロイ或いは高分
子網目構造(IPN技術)を有する高分子化合物をベー
スポリマーとしており、これに充填剤(マイカ等)や可
塑剤を添加し、所定の製造工程を経て得られたものであ
る。この場合に、ベースポリマーとしては各種ゴム、高
分子樹脂材料の他に、エラストマー樹脂材料等が用いら
れている。
【0006】しかし、このような高分子系複合材料のt
anδの値は、ベースポリマーとして各種ゴム材料を用
いた場合は、0.3〜1.0程度、ベースポリマーとし
て高分子樹脂材料(ポリスチレン、ポリイソブチレン、
ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリテトラフルオロエチレン等)を用いた場合は、
1.0〜2.0程度である。
【0007】また、他の高減衰材料としては、本出願人
により特願平9−362125号に開示されたもので、
極性側鎖を有するベースポリマーには、第2級アミン、
第3級アミン及び含窒素複素環より選ばれた塩基を1分
子中に2個以上含む塩基性物質を配合したものがある。
具体的には、ベースポリマーとして塩素化ポリエチレン
が、減衰性付与剤としては、N−シクロヘキシルベンゾ
チアジル−2−スルフェンアミド等が用いられ、tan
δピークが1.0を超えており、一応の成果が得られて
いる。
【0008】また、別のtanδを高める手段として、
特願平10−33761号に、極性側鎖を有するベース
ポリマーに、1分子中に2個以上のエステル結合を有す
る化合物を配合したものが開示されている。これらも上
述の材料と同様で、tanδピークが1.0を超えてお
り、これらも一応の成果が得られている。
【0009】そして更に、本出願人によって、上述の材
料をより高機能化したものとして、塩基性の極性側鎖を
有するベースポリマーに、ヒンダードフェノール系化合
物、亜リン酸エステル系化合物、リン酸エステル系化合
物或いは含窒素塩基性化合物より選ばれた化合物を1種
又は2種以上配合した材料が提唱されている。
【0010】これら高機能化された材料は、そのtan
δピークが、様々な使用環境において求められるtan
δピークの要求特性である2.5という値を超えている
ばかりでなく、材料を成形した直後のtanδと1ヶ月
経過した後のtanδがほとんど変化しておらず、大変
優れたものとなっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た種々の高減衰材料組成物は、要求特性(tanδ≧
2.5)にこたえ、更に経時変化によるtanδピーク
の低下が少ないものとなっているとはいえ、高減衰材料
組成物が発現するtanδは温度に依存していることか
ら、その使用環境によっては、必ずしも最適なtanδ
を発現しているとは限らない。
【0012】特に、最も使用頻度が高い温度は室温付近
(20℃前後)であると思われるが、上述した従来から
知られる減衰材料は、その室温よりも高めにピーク温度
を有していることから、室温環境において十分に機能を
発揮できていない。また、使用環境によっては、室温よ
りも低温下で用いる場合や高温下で用いる場合も考えら
れるが、従来から知られる材料は、それらの様々な温度
環境に対応できていないという問題がある。
【0013】そこで、その目的の環境下において、その
材料が有する最大のtanδが発現できるように、すな
わちその目的の使用温度範囲にピーク温度を有するよう
に、材料設計することが求められている。
【0014】この場合、単にピーク温度を目的の使用温
度範囲に合わせるだけでなく、従来から知られる減衰材
料が有していた高いtanδピーク値及び経時変化の抑
制効果を維持する必要がある。
【0015】上述した従来品において用いた減衰性付与
剤の中でも、ヒンダードフェノール系化合物の配合が、
高いtanδピーク値の発現及び経時変化の抑制に最も
効果を有しているが、これらの化合物は一般的に融点が
高く、ベースポリマーとの相互作用が大きいことから、
その配合量を増やすとピーク温度が高温側にシフトして
しまう。
【0016】本発明の解決しようとする課題は、高いt
anδピーク値の発現及び経時変化の抑制効果を損なわ
ず、使用環境に適合したtanδピーク温度を有する高
減衰材料組成物を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の高減衰材料組成物は、極性側鎖を有するベー
スポリマーが、ヒンダードフェノール系減衰性付与剤と
減衰特性ピーク温度の調整剤とを含有することを要旨と
するものである。
【0018】この場合に、「極性側鎖を有するベースポ
リマー」としては、アクリルゴム、エチレン−アクリル
ゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、塩素化ポ
リエチレン(CPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ア
クリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴ
ム、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重合
体、メタクリル系共重合体(PMMA、PMBA)より
選ばれた1種又は2種以上のものが好適なものとして挙
げられる。
【0019】この場合に、「ヒンダードフェノール系化
合物」としては、酸化防止剤である1,3,5−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)
トリオン、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、4,
4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビ
ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[1,1
−ジメチル−2−[(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ
−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウ
ンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリ
ス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ
ベンジル)−ベンゼン、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレン
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]、2,2’−メチレンビス
(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、
2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−
ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、p−クレゾール
とジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物、2,5
−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−
tert−アミルハイドロキノン、紫外線吸収剤である
1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノ
キシ)−ブタン、光安定剤である1−[2−{3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキフェニル)プ
ロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル
オキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等
が好適なものとして挙げられる。
【0020】「減衰特性ピーク温度の調整剤」として
は、ポリアミン基を有する化合物或いはポリアミドアミ
ン基を有する化合物が好適なものとして挙げられる。具
体的には、ポリアミン基を有する化合物としては、キシ
リレンジアミン・アルキル(H或いはC6〜8)グリシ
ジルエーテル付加物等が挙げられ、ポリアミドアミン基
を有する化合物としては、重合脂肪酸(C36)・ポリ
エチレンポリアミン・脂肪酸(C1〜18)重縮合物等
が挙げられる。
【0021】この場合に、「減衰特性ピーク温度の調整
剤」のアミン価は100から1000の範囲にあること
が望ましい。アミン価が100から1000の範囲にお
いては、ポリマーとの相溶性が最も良いからである。
【0022】また、本発明に係る別の高減衰材料組成物
は、極性側鎖を有するベースポリマーが、減衰特性ピー
ク温度を高温側にシフトさせる減衰性付与剤と、低温側
にシフトさせる減衰性付与剤とを含有することを要旨と
するものである。
【0023】この場合に、「ベースポリマー」として
は、酸性の極性側鎖を有するベースポリマーとして塩素
化ポリエチレン(CPE)或いはポリ塩化ビニル(PV
C)が好適なものとして挙げられ、塩基性の極性側鎖を
有するベースポリマーとしてアクリルゴム、エチレン−
アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム(EVA)、
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ブチル
ゴム、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)共重
合体、メタクリル系共重合体(PMMA、PMBA)等
より選ばれた1種又は2種以上のものが好適なものとし
て挙げられる。
【0024】また、「減衰特性ピーク温度を高温側にシ
フトさせる減衰性付与剤」としては、含窒素塩基性化合
物、1分子中にエステル結合を有する化合物、ヒンダー
ドフェノール系化合物或いは亜リン酸エステル系化合物
より選ばれた1種又は2種以上のものが好適なものとし
て挙げられる。
【0025】「減衰特性ピーク温度を低温側にシフトさ
せる減衰性付与剤」としては、シアノアクリレート、ア
クリル系モノマー、アクリル系オリゴマー或いはヒンダ
ードアミン系光安定剤が好適なものとして挙げられる。
【0026】更にまた、ベースポリマーには必要に応じ
て、以下に掲げる種々の材料を添加することができる。
その材料としては、まず、硬度、強度或いは加工性の向
上、若しくは重量化等を図る場合に添加する充填剤が挙
げられる。その充填剤としては、マイカ、タルク、クレ
ー或いは炭酸カルシウム等の無機微粉末、若しくはセル
ロース粉末等の有機微粉末等が好適なものとして挙げら
れる。
【0027】また、ベースポリマーに添加できる別の材
料としては、tanδピーク温度の広域化を図る場合に
添加する非結晶性樹脂が挙げられる。その非結晶性樹脂
としてはクマロン樹脂、フェノール樹脂、ケトン樹脂、
ジシクロペンタジエン樹脂、マレイン酸樹脂、エステル
化ロジン、エポキシ樹脂、尿素樹脂或いはメラミン樹脂
等が好適なものとして挙げられる。
【0028】更に、ベースポリマーに添加できる別の材
料としては、着色剤(顔料、染料)、光沢剤、老化防止
剤、粘着付与剤、難燃剤、発泡剤、発砲助剤、加工助
剤、オゾン劣化防止剤、ブロッキング防止剤、耐候剤、
耐熱剤、架橋剤、架橋助剤、加硫剤、分散剤、相溶化
剤、界面活性剤、帯電防止剤或いは滑剤等が好適なもの
として挙げられる。
【0029】上記構成を有する高減衰材料組成物とし
て、極性側鎖を有するベースポリマーが、ピーク温度を
高温側にシフトさせるヒンダードフェノール系化合物等
の減衰性付与剤を含有し、更に、減衰特性ピーク温度の
調整剤としてポリアミン或いはポリアミドアミン、若し
くはピーク温度を低温側にシフトさせるシアノアクリレ
ート、アクリル系モノマー、アクリル系オリゴマー或い
はヒンダードアミン系光安定剤を含有するようにしたこ
とから、ピーク温度を使用温度範囲に合わせた位置に発
現させ、しかも高いtanδを発現し、経時変化の少な
い高減衰材料組成物が提供できる。したがって、本発明
に係る高減衰材料組成物によれば、室温付近で長期間に
わたり、振動や騒音が大幅に吸収できるものとなる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を詳細に説
明する。まず、本発明の各実施例は種々の材料組成で作
製したので、これについて説明する。なお、以下の説明
において「phr」とは、「parts per hu
ndred resin」の略で、ベースポリマー10
0重量部に対する配合成分(減衰性付与剤)の重量部を
意味するものである。
【0031】初めに表1は、ベースポリマーとして、ア
クリルゴムを用い、これに減衰性付与剤としてヒンダー
ドフェノール系減衰性付与剤と、減衰特性ピーク温度の
調整剤としてポリアミン系化合物或いはポリアミドアミ
ン系化合物とを含有するように作製された本発明品(実
施例1〜3)の材料組成、アミン価及びtanδの測定
結果とを対比して示したものである。
【0032】
【表1】
【0033】本発明品(実施例1〜3)は、ベースポリ
マーとしてアクリルゴム(日本ゼオン(株)製:商品名
「ニポールAR51」)に、減衰性付与剤としてヒンダ
ードフェノール系減衰性付与剤を配合し、更に減衰特性
ピーク温度調整剤としてポリアミン系化合物及びポリア
ミドアミン系化合物を配合して、所定の工程により作製
されたものである。
【0034】本発明品(実施例1〜3)は、減衰性付与
剤として、ヒンダードフェノール系減衰性付与剤を配合
成分としている。具体的には、実施例1が、4,4’−
ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)(旭電化工業(株)製:商品名「アデカスタ
ブAO−40」:この構造式を化1に示す。)を、実施
例2が、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート](旭電化工業(株)製:商品名「アデカスタ
ブAO−60」:化2)を、実施例3が、3,9−ビス
[1,1−ジメチル−2−[(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]
エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5.5]ウンデカン(旭電化工業(株)製:商品名
「アデカスタブAO−80」:化3)をそれぞれ配合し
ている。
【0035】
【化1】
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】本発明品(実施例1〜3)は、減衰特性ピ
ーク温度の調整剤として、ポリアミン系化合物を配合成
分としている。具体的には、ポリアミン系化合物である
キシリレンジアミンアルキルグリシジルエーテル付加物
(旭電化工業(株)製:商品名「ハードナーEH−27
0B」:この構造式を化4に示す。)をそれぞれ10p
hrずつ配合している。
【0039】
【化4】
【0040】また、表1に記載したアミン価とは、試料
1g中に含まれる塩基性であるアミンを塩酸で滴定する
方法で測られたアミン濃度を表す数値である。アミン価
を求める式を以下の数1に示す。
【0041】
【数1】
【0042】配合したポリアミン系化合物及びポリアミ
ドアミン系化合物は全て、そのアミン価が100〜10
00の範囲にあり、ベースポリマーとの相溶性が良い範
囲にある。
【0043】次に、本発明品(実施例1〜3)の作製工
程について説明する。まず、上述したベースポリマー
(アクリルゴム)100phrに、各実施例の配合成分
を配合する。これを、室温で約15〜20分程度、2本
ロールで混練する。次に、この混練材料を、熱プレス機
により所定の型枠内で、減衰性付与剤の融点より20℃
高い温度で、10分程度溶融プレス成形する。そして更
に、0℃の温度条件下、これに130kgf/cm
面圧を掛けて冷却プレス成形し、これを2mmシートと
する。
【0044】次に、本発明品(実施例1〜3)及び比較
例1のtanδピーク値及びそのピーク温度を測定し
た。この測定には、株式会社レオロジ社製のスペクトロ
メータを用い、その測定条件を、歪が0.05%(一
定)、周波数が100Hz(一定)とした。
【0045】そして、上述の実施例1〜3を評価するた
めの比較品として、比較例1〜8を作製した。このう
ち、比較例1はアクリルゴム単独品であり、比較例2〜
4はヒンダードフェノール系化合物単独系であり、比較
例5〜8はポリアミン或いはポリアミドアミン系化合物
単独系である。以下に、その配合成分、作製方法及び測
定方法について述べる。
【0046】表2に示した通り、比較例1〜4は、ベー
スポリマーとして、アクリルゴム(日本ゼオン(株)
製:商品名「ニポールAR51」)を用いている。
【0047】
【表2】
【0048】そして、比較例1は、アクリルゴム単独品
とされており、比較例2は、アデカスタブAO−40を
50phr、比較例3は、アデカスタブAO−60を5
0phr、比較例4は、アデカスタブAO−80を50
phr、それぞれ配合している。
【0049】これらの作製工程は、実施例1〜3の場合
と同様である。また、tanδの測定方法についても同
様の方法を用いている。
【0050】次に表3は、ベースポリマーとしてアクリ
ルゴムを用い、減衰特性ピーク温度調整剤を含有するよ
うに作製された比較品(比較例5〜8)の材料組成及び
tanδの測定結果を示したものである。
【0051】
【表3】
【0052】比較例5〜8は、減衰特性ピーク温度調整
剤を配合成分としている。すなわち、比較例5は、ハー
ドナーEH−270Bを、比較例6は、キシリレンジア
ミンアルキルグリシジルエーテル(旭電化工業(株)
製:商品名「ハードナーEH227」:化5)を、比較
例7は、重合脂肪酸、ポリエチレンポリアミン及び脂肪
酸(C18)の重縮合物(旭電化工業(株)製:商
品名「ハードナーEH−335」:化6)を、比較例8
は、比較例7と重合比の異なる重縮合物(旭電化工業
(株)製:商品名「グランマイド645」:化7)をそ
れぞれ配合している。ここで、化5は化4とアルキル鎖
長が異なるもので、化6と化7は重合比が異なるもので
ある。
【0053】
【化5】
【0054】
【化6】
【0055】
【化7】
【0056】これらの作製工程及びtanδの測定方法
は、実施例1〜3の場合と同様としている。
【0057】実施例1〜3の評価の前に、比較例1〜8
の結果についてみてみる。上述の通り、比較例1はアク
リルゴム単独品であるが、そのtanδの値は低く、実
用性に欠けることが分かる。そして、比較例2〜4は、
ヒンダードフェノール系減衰性付与剤を配合したことに
より、そのtanδが高くなっているが、ピーク温度が
高温側にシフトし、室温から著しく離れてしまっている
ことから、これらも優れたものとはいえない。
【0058】また、比較例5〜8はポリアミン系化合物
或いはポリアミドアミン系化合物を配合したことによ
り、ピーク温度の低温シフト効果が認められるが、ta
nδの値が低いことから、これらも優れたものとはいえ
ない。
【0059】これらの結果を踏まえて、実施例1〜3を
比較例1〜8に対して評価する。まず実施例1は、ta
nδの値が要求特性(tanδ≧2.5)を超えてお
り、優れた結果を示している。更にそのピーク温度につ
いては、比較例4でアデカスタブAO−40のみを配合
した場合に40℃であったものが、高いtanδを維持
したまま低温側にシフトし、室温環境での使用に合った
ものとなっている。
【0060】また、実施例2及び3についても、そのt
anδの値が要求特性(tanδ≧2.5)を超えてお
り、優れた結果を示している。更にそのピーク温度につ
いては、高いtanδを維持したまま低温側にシフト
し、室温環境での使用に合ったものとなっている。
【0061】以上のことから、それぞれの実施例1〜3
について、極めて良好なものを(◎印)、良好なものを
(○印)、一応の成果を得られたものを(△印)、不良
なものを(×印)の4段階に分けて、比較例1に対して
評価したところ、実施例1〜3は全て、tanδの要求
特性(tanδ≧2.5)を遥かに超えた値を示しつ
つ、ピーク温度が室温付近(20℃前後)にあることか
ら、極めて良好(◎印)と評価された。
【0062】次に表4は、極性側鎖を有するベースポリ
マーが、減衰特性ピーク温度を高温側にシフトさせる減
衰性付与剤と、低温側にシフトさせる減衰性付与剤とを
含有するように作製された本発明品の材料組成及び測定
結果について示したものである。
【0063】
【表4】
【0064】まず、本発明品(実施例4及び5)は、ベ
ースポリマーとしてアクリルゴム(日本ゼオン(株)
製:商品名「ニポールAR51」)を用い、減衰性付与
剤として、ピーク温度を高温側にシフトさせる効果のあ
るヒンダードフェノール系減衰性付与剤、及びピーク温
度を低温側にシフトさせる効果のあるシアノアクリレー
トを配合して、所定の工程により作製されたものであ
る。
【0065】本発明品(実施例4及び5)は、ピーク温
度を高温側にシフトさせる効果のあるヒンダードフェノ
ール系減衰性付与剤として、実施例4がアデカスタブA
O−60を50phr、実施例5がアデカスタブAO−
80を50phr、それぞれ配合している。
【0066】また、本発明品(実施例4及び5)は、ピ
ーク温度を低温側にシフトさせる効果のあるヒンダード
フェノール系減衰性付与剤として、実施例4がエチル−
2−シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート(クラ
リアントジャパン(株)製:「Viosorb91
0」:化8)を30phr、実施例5がオクチル−2−
シアノ−3,3−ジ−フェニルアクリレート(クラリア
ントジャパン(株)製:「Viosorb930」:化
9)を30phr配合している。
【0067】
【化8】
【0068】
【化9】
【0069】なお、これらの作製工程は実施例1〜3の
場合と同様である。そして、tanδの測定方法につい
ても同様の方法を用いた。
【0070】次に、これら実施例4及び5の評価のため
の比較品として、アクリルゴムにヒンダードフェノール
系減衰性付与剤のみを含有する上述の比較例3及び4を
用い、更にアクリルゴムにシアノアクリレート系化合物
のみを含有する比較例9及び10を作製した。
【0071】比較例9及び10は、ベースポリマーとし
てアクリルゴムを用い、ピーク温度を低温側にシフトさ
せる効果を有する減衰性付与剤のみを含有するように作
製したものである。具体的には、比較例9がVioso
rb910を50phr、比較例10がViosorb
930を50phr配合している。
【0072】なお、これら比較例9及び10の作製方法
及びtanδ測定方法は、実施例1〜3と同様の方法を
用いている。
【0073】以下、実施例4及び5の結果を、比較例
3、4、9及び10に対して評価する。まず、比較例は
tanδについては、一応の成果が得られているもの
の、ピーク温度が室温から著しく離れたところにあり、
室温環境においての使用に適さないものとなっている。
それに対して、実施例4及び5は共に、tanδが要求
特性(tanδ≧2.5)を超えており、なおかつ、そ
のピーク温度は室温付近(20℃前後)にあり、室温環
境下での使用に適したものとなっており、大変優れたも
のといえる。
【0074】また更に、2種以上の減衰性付与剤を含有
していることから、実施例4及び5は多成分系となって
おり、含有している減衰性付与剤が、経時変化により結
晶化或いはブリード現象を起こしにくくなるので、経時
変化によるtanδの低下が少ないものとなる。実施例
4は1ヶ月後のtanδ保持率が95%、実施例5は1
ヶ月後のtanδ保持率が100%となっており、ほと
んどtanδが低下しないことが分かる。
【0075】この実施例4及び5を上述と同様にして、
4段階で評価すると、実施例4及び5は共に、極めて良
好(◎印)と評価された。
【0076】次に、本発明品(実施例4〜9)は、ベー
スポリマーとしてニポールAR51を用い、減衰性付与
剤として、ピーク温度を高温側にシフトさせる効果のあ
るヒンダードフェノール系減衰性付与剤であるアデカス
タブAO−80を40phr配合し、更にピーク温度を
低温側にシフトさせる効果のあるアクリル系モノマーを
配合し、所定の工程により作製されたものである。これ
らの配合成分を表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】また、本発明品(実施例6〜9)は、ピー
ク温度を低温側にシフトさせる効果のあるアクリル系モ
ノマーとして、実施例6がエチレンオキサイド変性ビス
フェノールAジアクリレート(東亜合成(株)製:「ア
ロニックスM−211B」)を10phr、実施例7が
エチレンオキサイド変性イソシアヌール酸トリアクリレ
ート(東亜合成(株)製:「アロニックスM−31
5」)を10phr、実施例8がジトリメチロールプロ
パンテトラアクリレート(東亜合成(株)製:「アロニ
ックスM−408」)を10phr、実施例9がペンタ
エリスリトールテトラアクリレート(東亜合成(株)
製:「アロニックスM−450」)を10phr配合し
ている。
【0079】実施例6〜9の測定結果について述べる。
これらの成形直後のtanδの値は要求特性(tanδ
≧2.5)を超えることは勿論のこと、3.0をも超え
る非常に高い値を示した。そして、これらの1ヶ月後の
値についてもほとんど変化がなく、その保持率は99〜
101%となっている。これに対し、比較例4は経時変
化がほとんどないものになってはいるものの、tanδ
の値が3.0を下回っており、優れたものとはいえな
い。また、これらのピーク温度については実施例6〜9
が20℃台であったのに対し、比較例4は30℃台とな
っており、室温から離れた値になっている。
【0080】これらのことから、実施例6〜9を比較例
4に対して評価すると、極めて良好(◎印)と評価する
ことができる。
【0081】次に、本発明品(実施例10〜12)は、
ベースポリマーとしてニポールAR51を用い、減衰性
付与剤として、ピーク温度を高温側にシフトさせる効果
のあるヒンダードフェノール系減衰性付与剤であるアデ
カスタブAO−80を40phr配合し、更にピーク温
度を低温側にシフトさせる効果のあるアクリル系オリゴ
マーを配合して、所定の工程により作製されたものであ
る。これらの配合成分を表6に示す。
【0082】
【表6】
【0083】また、本発明品(実施例10〜12)は、
ピーク温度を低温側にシフトさせる効果のあるアクリル
系オリゴマーとして、実施例10がフタル酸モノヒドロ
キシエチルアクリレート(東亜合成(株)製:「アロニ
ックスM−5400」)を10phr、実施例11がポ
リエステルアクリレート(東亜合成(株)製:「アロニ
ックスM−8030」)を10phr、実施例12がポ
リエステルアクリレート(東亜合成(株)製:「アロニ
ックスM−8060」)を10phr配合している。
【0084】なお、これらの作製工程は実施例1〜3の
場合と同様である。そして、tanδの測定方法につい
ても同様の方法を用いた。これらの比較品としては上述
の比較例4を用いた。
【0085】実施例10〜12の測定結果について述べ
る。これらの成形直後のtanδの値は要求特性(ta
nδ≧2.5)を超えることは勿論のこと、3.0をも
超える非常に高い値を示した。これらの値は、上述のア
クリル系モノマーの値をも上回る極めて優れた値である
といえる。そして、これらの1ヶ月後の値についてもほ
とんど変化がなく、その保持率は99〜100%となっ
ている。また、これらのピーク温度については実施例1
0〜12は20℃台となっており、室温付近で用いるの
に適したものとなっている。
【0086】これらのことから、実施例10〜12を比
較例4に対して評価すると、極めて良好(◎印)と評価
することができる。
【0087】次に、表7は、極性側鎖を有するベースポ
リマーが、減衰特性ピーク温度を高温側にシフトさせる
減衰性付与剤と、低温側にシフトさせる減衰性付与剤と
を含有するように作製された本発明品に係る別の実施例
の材料組成及び測定結果について示したものである。
【0088】
【表7】
【0089】本発明品(実施例13〜15)は、それぞ
れピーク温度を高温側にシフトさせる効果のあるヒンダ
ードフェノール系減衰性付与剤であるアデカスタブAO
−80をそれぞれ40phrずつ配合している。
【0090】また、本発明品(実施例13〜15)は、
ピーク温度を低温側にシフトさせる減衰性付与剤とし
て、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)を配合成
分としている。すなわち、実施例13は、ベータ−アラ
ニン,N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジニル)−ドデシルエステル及びテトラデシルエステ
ル混合物(クラリアントジャパン(株)製:商品名「S
anduvor3052」:化10)を10phr、実
施例14は、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジニル)ピロリジニル−2,5
−ジオン(クラリアントジャパン(株)製:商品名「S
anduvor3055」:化11)を10phr、実
施例15は、N−アセチル−3−ドデシル−1−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)ピロリ
ジン−2,5−ジオン(クラリアントジャパン(株)
製:商品名「Sanduvor3058」:化12)を
10phr、それぞれ配合している。
【0091】
【化10】
【0092】
【化11】
【0093】
【化12】
【0094】これらの作製方法は実施例1〜3の場合と
同様の方法で行った。また、tanδの測定方法につい
ても同様の方法で行った。
【0095】また、これらを評価するための比較品とし
て、アクリルゴムにヒンダードフェノール系減衰性付与
剤のみを含有する上述した比較例4を用い、更にアクリ
ルゴムにヒンダードアミン系光安定剤のみを含有する比
較例11を作製した。
【0096】この比較例11の配合成分としては表7に
記載の通り、ベースポリマーとしてアクリルゴムを用
い、ピーク温度を低温側にシフトさせる効果を有するヒ
ンダードアミン系光安定剤であるSanduvor30
58を32phr配合したもので、その作製方法及びt
anδ測定方法は、実施例1〜3と同様である。
【0097】以下、実施例13〜15の結果を、比較例
4及び11に対して評価する。比較例4及び1は、ta
nδの値については要求特性(tanδ≧2.5)を超
えてはいるものの、ピーク温度が室温から離れたものと
なっている。それに対して、実施例13〜15は、ta
nδの値が要求特性を超えた状態を維持しつつ、そのピ
ーク温度を室温に近づけることができている。また、こ
れらもその配合成分が多成分系となっていることから、
経時変化の抑制効果を有しているが、特にこの場合は、
1ヶ月後のtanδ保持率が100〜101%となって
おり、全く経時変化をしていない大変優れたものとなっ
ている。
【0098】以上のことから、上述と同様に4段階で評
価を行ったところ、実施例13〜15の結果は、全て極
めて良好(◎印)と評価できる。
【0099】上述した通り、表1、4、5、6及び7に
示した実施例1〜15は、ヒンダードフェノール系減衰
性付与剤と減衰特性ピーク温度調整剤を含有する高減衰
材料組成物、若しくはピーク温度を高温側にシフトさせ
る効果を有する減衰性付与剤と低温側にシフトさせる効
果を有する減衰性付与剤を含有する高減衰材料組成物で
あるが、これらは高いtanδを示すことは勿論のこ
と、その配合量を調節することで目的の使用温度範囲に
合わせて、ピーク温度を調節することが可能となる。ま
た、これらの高減衰材料組成物は、多成分系となってい
ることから、減衰性付与剤の結晶化を抑制できることか
ら、経時変化によるtanδの低下の抑制に著しい効果
が得られる。
【0100】以上、本実施例を順に説明したが、要する
に本実施例に係る高減衰材料組成物は、極性側鎖を有す
るベースポリマーが、ヒンダードフェノール系減衰性付
与剤と、減衰特性ピーク温度の調整剤とを含有するよう
にしたもの、或いは極性側鎖を有するベースポリマー
が、減衰特性ピーク温度を高温側にシフトさせる減衰性
付与剤と、低温側にシフトさせる減衰性付与剤とを含有
するようにしたものであるから、その配合量を調節する
ことにより、目的の使用温度範囲に合ったピーク温度を
有するものとなる。
【0101】本発明は、上記した実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
の改変が可能である。例えば、ベースポリマーとして
は、本発明で用いたアクリルゴム、塩素化ポリエチレン
以外に、極性側鎖を有する塩基性ポリマーであれば、何
等限定されることなく、種々のものを適用することがで
き、その一例としてエチレン−アクリルゴム、エチレン
−酢酸ビニルゴム(EVA)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン(SI
S)共重合体、メタクリル系共重合体(PMMA、PM
BA)を用いることができる。
【0102】また、減衰性付与剤として用いた化合物の
改変としては、本発明で用いたもの以外に、ヒンダード
フェノール系化合物、亜リン酸エステル系化合物、含窒
素塩基性化合物、1分子中にエステル結合を有する化合
物等であれば用いることができる。
【0103】更に、減衰特性ピーク温度調整剤は、本発
明で用いたもの以外に、ポリアミン基を有する化合物或
いはポリアミドアミン基を有する化合物であれば、何等
限定されることなく適用することができるが、アミン価
が100から1000の範囲にあるものが、より好まし
く適用できる。
【0104】ピーク温度を高温側にシフトさせることの
できる減衰性付与剤としては、本発明で用いたもの以外
に、その効果を有するものであれば何等限定されること
なく用いることができる。そして、ピーク温度を低温側
にシフトさせるものの改変についても同様でその効果を
有するものであれば何等限定されることなく、適用で
き、その一例として、シアノアクリレート、アクリル系
モノマー、アクリル系オリゴマー或いはヒンダードアミ
ン系光安定剤が挙げられる。
【0105】
【発明の効果】本発明に係る高減衰材料組成物によれ
ば、極性側鎖を有するベースポリマーが、ヒンダードフ
ェノール系減衰性付与剤を含有し、更に、これが減衰特
性ピーク温度の調整剤として、ポリアミン基を有する化
合物或いはポリアミドアミン基を有する化合物を、その
アミン価を考慮して含有させたものであるから、ピーク
温度を目的の使用温度範囲に合わせて材料設計できるこ
とは勿論のこと、そのアミン価が適切なことから、減衰
性付与剤がブリードすることなく経時変化によるtan
δの低下が少ないものとなる。
【0106】また、更に本発明に係る別の高減衰材料に
よれば、極性側鎖を有するベースポリマーが、減衰特性
ピーク温度が高温側にシフトさせる減衰性付与剤と、低
温側にシフトさせる減衰性付与剤とを含有するようにし
たものであるから、一般的に高いtanδを発現する減
衰性付与剤を配合したときに、ピーク温度が高温側にシ
フトしてしまう現象を、低温側にシフトさせる効果を有
する減衰性付与剤をも配合することによって、その高い
tanδを維持したまま、目的の使用温度範囲に合わせ
たピーク温度を有する材料を提供できるようになる。
【0107】また更に、これらの高減衰材料組成物は、
その配合成分が多成分系になっていることから、含有し
ている減衰性付与剤の結晶化或いはブリード現象を抑制
することができるので、経時変化によるtanδの低下
の少ないものとすることができる。
【0108】したがって、本発明に係る高減衰材料組成
物は、音響ルームの遮音壁、建築構造体の遮音間仕切
り、車両の防音壁等、幅広い分野に適用することができ
るため、産業上極めて有益なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 25/10 C08L 25/10 27/06 27/06 31/04 31/04 A 33/00 33/00 F16F 15/08 F16F 15/08 D (72)発明者 三原 利之 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 橋本 和信 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600番地 東海ゴム工業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AC03 BD01 BD04 EA36 EA38 4J002 BB061 BB071 BB181 BB241 BD041 BG041 BG061 CM012 EE056 EJ036 EJ046 EJ066 EL126 EN037 EU076 EU186 EV076 FD076 FD202 FD207 GL00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極性側鎖を有するベースポリマーが、ヒ
    ンダードフェノール系減衰性付与剤と減衰特性ピーク温
    度の調整剤とを含有することを特徴とする高減衰材料組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ベースポリマーが、アクリルゴム、
    エチレン−アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム、
    塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリ
    ル−ブタジエンゴム、ブチルゴム、スチレン−イソプレ
    ン−スチレン共重合体、メタクリル系共重合体より選ば
    れた1種又は2種以上のものであることを特徴とする請
    求項1に記載される高減衰材料組成物。
  3. 【請求項3】 前記ヒンダードフェノール系減衰性付与
    剤は、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
    4−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,
    6−(1H,3H,5H)トリオン、1,1,3−トリ
    ス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチ
    ルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−
    メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ペンタエ
    リスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
    ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリ
    エチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5
    −メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト]、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[(3−
    第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
    ロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テト
    ラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−ト
    リメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−ter
    t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン、
    1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−
    t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
    ト]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−
    ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
    ート]、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t
    ert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
    (4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、
    4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチ
    ルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエ
    ンのブチル化反応生成物、2,5−ジ−tert−ブチ
    ルハイドロキノン、2,5−ジ−tert−アミルハイ
    ドロキノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒド
    ロキシフェノキシ)−ブタン、1−[2−{3−(3,
    5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキフェニル)プロピオ
    ニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−
    ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキ
    シ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンより選
    ばれた少なくとも1種又は2種以上の材料であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載される高減衰材料組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記減衰特性ピーク温度調整剤は、ポリ
    アミン基を有する化合物或いはポリアミドアミン基を有
    する化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3
    に記載の高減衰材料組成物。
  5. 【請求項5】 前記減衰特性ピーク温度調整剤のアミン
    価が100から1000の範囲にあることを特徴とする
    請求項4に記載される高減衰材料組成物。
  6. 【請求項6】 極性側鎖を有するベースポリマーが、減
    衰特性ピーク温度を高温側にシフトさせる減衰性付与剤
    と、低温側にシフトさせる減衰性付与剤とを含有するこ
    とを特徴とする高減衰材料組成物。
  7. 【請求項7】 前記ベースポリマーが、酸性の極性側鎖
    を有する塩素化ポリエチレン或いはポリ塩化ビニルより
    選ばれた1種又は2種以上のものであることを特徴とす
    る請求項6に記載される高減衰材料組成物。
  8. 【請求項8】 前記ベースポリマーが、塩基性の極性側
    鎖を有するアクリルゴム、エチレン−アクリルゴム、エ
    チレン−酢酸ビニルゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
    ンゴム、ブチルゴム、スチレン−イソプレン−スチレン
    共重合体、メタクリル系共重合体より選ばれた1種又は
    2種以上のものであることを特徴とする請求項6に記載
    される高減衰材料組成物。
  9. 【請求項9】 前記減衰特性ピーク温度を高温側にシフ
    トさせる減衰性付与剤が、ヒンダードフェノール系化合
    物、含窒素塩基性化合物、1分子中にエステル結合を有
    する化合物或いは亜リン酸エステル系化合物より選ばれ
    た1種又は2種以上のものであることを特徴とする請求
    項6、7又は8に記載される高減衰材料組成物。
  10. 【請求項10】 前記減衰特性ピーク温度を低温側にシ
    フトさせる減衰性付与剤が、シアノアクリレート、アク
    リル系モノマー、アクリル系オリゴマー或いはヒンダー
    ドアミン系光安定剤より選ばれた1種又は2種以上のも
    のであることを特徴とする請求項6、7、8又は9に記
    載される高減衰材料組成物。
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