JP2000043688A - 車両の反転装置 - Google Patents

車両の反転装置

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JP2000043688A
JP2000043688A JP10212955A JP21295598A JP2000043688A JP 2000043688 A JP2000043688 A JP 2000043688A JP 10212955 A JP10212955 A JP 10212955A JP 21295598 A JP21295598 A JP 21295598A JP 2000043688 A JP2000043688 A JP 2000043688A
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gantry
reversing device
frame
main frame
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JP10212955A
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Katsuo Sato
藤 勝 雄 佐
Toshio Nakagawa
川 敏 男 中
Toru Tohata
畑 透 東
Tomonori Tachikawa
川 智 規 立
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Vehicle Cleaning, Maintenance, Repair, Refitting, And Outriggers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の車両の反転装置にあっては、装置全体
が大型で設備費がかかると共に、車両の搬入出方向が限
られているなどの不具合があった。 【解決手段】 車両C1の下面と一方の側面を支持する
架台Aと、架台Aを回転可能に支持するスタンドS1
と、架台Aを回転させる回転駆動機構Bを備えた構成に
より、小型化や設備費の低減を実現すると共に、車両C
1の搬入出に対する使い勝手を良好なものにし、且つ、
架台A上の車両C1の左右方向の略中心線CL上で且つ
ドアウエストラインWLからフロアラインFRの間に架
台Aの回転中心RCを配置することで、架台Aの回転駆
動力の省力化を実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、とくに自動
車の解体において、車両の下側から構造物を取り外すた
めに車両を横倒しにするのに用いられる車両の反転装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両の解体において、車両の下側からエ
ンジン、サスペンションおよび触媒等の各構造物を取り
外すには、例えば、リフトで車両を持ち上げたりフォー
クリフトで車両を横倒しにしたりすることが行われてい
る。しかし、リフトで車両を持ち上げた場合には、上向
きの作業になるとともに車両から土砂や油などが落ちて
くることから、作業者への負担が大きく、また、フォー
クリフトで車両を横倒しにした場合には、横倒しにした
車両が不安定であり、車両を保持するための別の手段が
必要であった。
【0003】そこで、リフトやフォークリフトを用いた
場合の不具合を解消し得るものとしては、図6に示すよ
うな車両の反転装置があった。図示の反転装置は、床面
から一段下がったピット101を形成し、ピット101
内に架台102を設置すると共に、架台102に、モー
タ103および減速機構104によって伸縮駆動される
電動シリンダ105を備えている。ピット101はデッ
キ106で閉塞してあり、デッキ106上には車両Cを
載置するテーブル107が設けてある。テーブル107
は、その片側に、水平な回転軸108と、車両Cの一方
の側面を支持する制止部109を備えており、架台10
2に設けた軸受け110によって回転軸108の部分で
回動可能に保持されている。また、回転軸108には、
ピット101内で下方に延出するアーム111の基端部
が固定してあり、アーム111の先端部には電動シリン
ダ105が連結してある。
【0004】上記の反転装置に対して、車両Cはタイヤ
が外された状態にあり、クレーン等によって搬入され
る。反転装置は、水平状態のテーブル107に車両Cを
載置したのち、図示の状態から電動シリンダ105を収
縮駆動することにより、アーム111を介してテーブル
107を約90度回動させ、車両Cの側部を制止部10
9で支持しながら同車両Cを横倒しにする。この状態で
車両Cの下側に対する作業が行われる。このような車両
の反転装置は、例えば特開平10−16841号公報に
記載されている。
【0005】また、上記の車両の反転装置のほかには、
例えば、車両の外側を取り巻くリング体と、リング体の
周方向に摺動可能なスライド体を備え、スライド体で車
両を保持したのち、同スライド体をリング体に沿って摺
動させることにより、車両を横倒しにする反転装置があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記したよ
うな従来の車両の反転装置にあっては、いずれも装置全
体が大がかりであり、多額の設備費がかかるものとなっ
ていた。また、テーブル107を用いた反転装置では、
テーブル107の回動中心が片側にあるので大きな駆動
力が必要であり、強力な駆動機構の採用が装置全体の大
型化の一因にもなっていた。さらに、リング体を用いた
反転装置では、車両の搬入出方向がリング体の中心線方
向のみに限られているので、フォークリフトによる搬入
出を行うことができず、搬送用の台車が不可欠であるな
どの問題があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記従来の状況に鑑みて成さ
れたもので、装置の小型化や設備費の低減を実現するこ
とができると共に、車両の搬入出に対する使い勝手が良
好である車両の反転装置を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる車両の反
転装置は、請求項1として、車両を横倒しにする反転装
置であって、車両の下面と一方の側面を支持する架台
と、架台上の車両の前後側で架台を回転可能に支持する
スタンドと、架台を回転させる回転駆動機構を備え、架
台上の車両の左右方向の略中心線上で且つドアウエスト
ラインからフロアラインの間に架台の回転中心を配置し
た構成とし、請求項2として、架台が、車両の下面を支
持するメインフレームを備え、メインフレームに、車両
のジャッキアップ部位またはその近傍を受ける支持部を
設けた構成とし、請求項3として、架台のメインフレー
ムが、車両の前後方向の少なくとも2か所に支持部を備
え、車両下面との間に車両側方に開放された隙間を形成
している構成とし、請求項4として、架台が、車両の一
方の側面を支持するサイドフレームを備え、サイドフレ
ームに、下端側を回動中心にして車両に対して近接離間
する方向に回動位置調整可能な可変フレームを設けた構
成とし、請求項5として、架台のメインフレームが、車
両の前側に対応する位置に作業用フロアを備えている構
成とし、請求項6として、架台の上側に張り出すハンガ
ーを備え、ハンガーに、解体用の工具を昇降可能に吊り
下げた構成とし、請求項7として、架台の下側にオイル
パンを備えた構成としており、上記の構成を課題を解決
するための手段としている。
【0009】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる車両の反転装
置は、車両の下面と一方の側面を支持する架台と、架台
上の車両の前後側で架台を回転可能に支持するスタンド
を用いているので、架台に対する車両の搬入出は、例え
ば、フォークリフトを用いて車両を横方向に移動させる
ことにより行われ、あるいはクレーンを用いて車両を上
下方向に移動させることにより行われる。そして、当該
反転装置は、車両を架台に載置したのち、回転駆動機構
によって架台を約90度回転させることにより、架台で
車両の一方の側面を支持しつつ車両を横倒しにする。
【0010】ここで、当然のことながら車両には様々な
種類があり、車種によって車両の左右方向の重心の高さ
が異なるが、そのほとんどはドアウエストラインからフ
ロアラインの間にある。そこで、当該反転装置では、架
台上の車両の左右方向の略中心線上で且つドアウエスト
ラインからフロアラインの間に架台の回転中心を配置す
ることにより、車種が異なる場合であっても、車両の左
右方向の重心と架台の回転中心とが大きくずれないよう
にし、このように車両の重心と架台の回転中心とを可及
的に近づけることにより、小さい駆動力で架台を回転駆
動し得るものとしている。
【0011】本発明の請求項2に係わる車両の反転装置
では、架台のメインフレームに設けた支持部により、車
両のジャッキアップ部位またはその近傍、すなわち構造
的に高強度の部位を受けるので、架台に載置した車両が
安定し、且つ車両のその他の部位の損傷が防止される。
【0012】本発明の請求項3に係わる車両の反転装置
では、架台のメインフレームが、車両の前後方向の少な
くとも2か所に支持部を備え、車両下面との間に車両側
方に開放された隙間を形成しているので、その隙間によ
ってフォークリフトのフォーク等の進入空間が確保さ
れ、車両の搬入出がより容易なものとなる。
【0013】本発明の請求項4に係わる車両の反転装置
では、架台が、車両の一方の側面を支持するサイドフレ
ームを備え、サイドフレームに、下端側を回動中心にし
て車両に対して近接離間する方向に回動位置調整可能な
可変フレームを設けているので、例えば、セダンタイプ
とワゴンタイプのように側面形状が異なる場合に、その
形状に合わせて可変フレームの回動位置を調整すること
により、各種車両の側面を確実に支持する。
【0014】本発明の請求項5に係わる車両の反転装置
では、架台のメインフレームが、車両の前側に対応する
位置に作業用フロアを備えているので、架台上に作業者
が安全に上がることができ、架台に車両を載置した状態
でエンジンルーム内に対する作業が可能となる。
【0015】本発明の請求項6に係わる車両の反転装置
では、架台の上側に張り出すハンガーを備え、ハンガー
に、解体用の工具を昇降可能に吊り下げたので、架台上
の車両に対して、速やかに工具を用いて作業を開始する
ことが可能となり、また、架台を回転させる際に工具を
上昇させておくことにより、架台や車両と工具との干渉
が防止される。
【0016】本発明の請求項7に係わる車両の反転装置
では、架台の下側にオイルパンを備えているので、架台
に車両を載置した状態でエンジン等のオイル抜きを行う
ことが可能となり、そのオイルをオイルパンにより回収
し得る。
【0017】
【発明の効果】本発明の請求項1に係わる車両の反転装
置によれば、車両の下面と一方の側面を支持する架台
と、架台を支持するスタンドと、架台の回転駆動機構を
採用したことにより、例えば床下にピッチを形成したり
リング体を用いたりする従来の反転装置に比べて、装置
全体が小規模なものとなり、装置の小型化や設備費の低
減を実現することができる。また、例えば、フォークリ
フトを用いて架台の側方から車両の搬入出を行うことが
できると共に、クレーンを用いて架台の上方から車両の
搬入出を行うこともできるので、車両の搬入出に対する
使い勝手が非常に良好であり、例えばライン化された車
両解体の一工程として当該反転装置を設置することもき
わめて容易である。さらに、当該反転装置によれば、架
台上の車両の左右方向の略中心線上で且つドアウエスト
ラインからフロアラインの間に架台の回転中心を配置し
たことから、車種によって車両の左右方向の重心の高さ
が異なる場合であっても、車両の重心と架台の回転中心
とを可及的に近づけて、小さい駆動力で架台を回転させ
ることができ、手動により架台および車両を回転させる
ことも可能となり、このような省力化により、回転駆動
機構の小型化を実現することができ、ひいては装置全体
のさらなる小型化や設備費の低減に貢献することができ
る。
【0018】本発明の請求項2に係わる車両の反転装置
によれば、請求項1と同様の効果を得ることができるう
えに、架台のメインフレームに設けた支持部により、構
造上高強度である車両のジャッキアップ部位またはその
近傍を受けることから、架台に車両を安定した状態で載
置することができ、また、載置した際に車両の他の部位
が損傷するような事態を防止することができるので、再
利用可能な部品を多く得ることができる。
【0019】本発明の請求項3に係わる車両の反転装置
によれば、請求項2と同様の効果を得ることができるう
えに、架台と車両下面との間に隙間を形成したことによ
り、フォークリフトを用いて車両の搬入出を簡単に行う
ことができ、また、例えば、車両下側に支持部材を配置
し、この支持部材をクレーンで吊り上げて車両の搬入出
を行うようにすることもできる。
【0020】本発明の請求項4に係わる車両の反転装置
によれば、請求項1〜3と同様の効果を得ることができ
るうえに、車両の一方の側面を支持するサイドフレーム
に設けた可変フレームにより、車種により異なる車両の
側面形状にサイドフレーム全体を対応させることがで
き、各種車両の側面を確実に支持することができる。
【0021】本発明の請求項5に係わる車両の反転装置
によれば、請求項1〜4と同様の効果を得ることができ
るうえに、架台のメインフレームに作業用フロアを設け
たことから、架台に車両を載置した状態で、架台上に作
業者が安全に上がってエンジンルーム内に対する作業を
行うことができ、解体の作業性を大幅に高めることがで
きる。
【0022】本発明の請求項6に係わる車両の反転装置
によれば、請求項1〜5と同様の効果を得ることができ
るうえに、架台の上側に張り出すハンガーに、解体用の
工具を昇降可能に吊り下げたことから、架台上の車両に
対して、速やかに工具を用いて作業を開始することが可
能となり、解体の作業性をより一層高めることができ
る。
【0023】本発明の請求項7に係わる車両の反転装置
によれば、請求項1〜6と同様の効果を得ることができ
るうえに、架台の下側にオイルパンを備えたことから、
架台に車両を載置したままでエンジン等のオイル抜きを
行って、そのオイルを容易に回収することができ、解体
の作業性をより一層高めることができる。
【0024】
【実施例】図1〜図3に示す車両の反転装置は、解体さ
れる車両C1を横倒しにするものであって、車両C1の
下面と一方の側面を支持する架台Aと、架台A上の車両
C1の前後側で架台Aを回転可能に支持する一対のスタ
ンドS1,S2と、架台Aを回転させる回転駆動機構B
を備えている。そして、とくに図1(b)に示すよう
に、架台A上の車両C1の左右方向の略中心線CL上で
且つドアウエストラインWLからフロアラインFLの間
に架台Aの回転中心RCを配置した構成になっている。
【0025】車両C1は、タイヤが外された状態で当該
反転装置に搬入される。この実施例では、セダンタイプ
の車両C1の他に、図1(a)および図2に示すよう
に、ワゴンタイプの車両C2も例示している。架台A
は、車両C1の下面を支持するメインフレームMFと、
車両C1の一方の側面を支持するサイドフレームSFを
備えており、この実施例の場合、サイドフレームSFは
車両C1の右側面を支持する。
【0026】架台AのメインフレームMFは、車両前後
側となる両側に、一対の支持バー1,1を平行に備える
と共に、両支持バー1,1の反サイドフレーム側の端部
間に、車両前後方向の縦部材2を備え、さらに、縦部材
2とサイドフレームSFとの間に、車両左右方向の2本
の横部材3,3を所定の間隔で備えている。各支持バー
1,1は、その中央部に、コ字形に構成された連結体
4,4を備え、この連結体4,4において各スタンドS
1,S2に支持される。縦部材2は、図2で明らかなよ
うに、その両端側を90度屈曲した形態を成しており、
両屈曲部分の先端部を各支持バー1,1に連結してい
る。
【0027】各横部材3は、メインフレームMFに車両
C1を載置する際に、その前後方向における2か所を安
定して支持し得る位置に設けてあり、車両左右方向の2
か所に、車両C1のジャッキアップ部位またはその近傍
を受ける支持部5,5が設けてある。この実施例では、
図1(b)に示すように、車両C1の左右のフロアメン
バーD,Dを両支持部5,5で受けるようになってい
る。
【0028】上記の横部材3は、サイドフレームSF寄
りに一段上がる段差部分を有していて、この段差部分の
上側に一方の支持部5が設けてあり、両支持部5,5の
高さを同一にするために、他方の支持部5は段差寸法に
対応する高さの脚部5aを有している。これにより、メ
インフレームMFは、水平状態にして車両C1を載置し
た際に、車両C1の下側に、側方に開放された隙間Sを
形成する。
【0029】上記のメインフレームMFは、車両C1の
前側に対応する位置に作業用フロア6を備えている。ま
た、当該反転装置は、架台Aを約90度回転させた際に
メインフレームMFが床面に接触することが無いよう
に、スタンドS1,S2によって架台Aを床面から所定
の高さに支持している。このため、架台Aの側方には、
作業用フロア6に上がるためのステップ7が設置してあ
る。
【0030】架台AのサイドフレームSFは、両支持バ
ー1,1の各端部に固定したブラケット8,8間に、車
両前後方向となる2本の縦部材9,9を互いに平行にし
て連結すると共に、両縦部材9,9の両端部および中央
部の3か所を横部材10で各々連結し、さらに、フレー
ム中央部分に、車両上下方向となる2本の支持フレーム
11,11と、両支持フレーム11,11の間に配置し
た可変フレーム12を備えている。
【0031】縦部材9,9は、車両C1のドア部分にほ
ぼ対応する高さに設けてある。両支持フレーム11,1
1は、先述したメインフレームMFの各横部材3,3に
連続すると共に、縦部材9よりも上方に立ち上がる状態
に設けてあって、車両C1に対向する面には、当接した
際に車両C1の表面に傷を付けないように、ゴム製の保
護部材50が設けてある。また、両支持フレーム11,
11間には、縦部材9よりもやや上方となる位置に、軸
線方向を車両前後方向としたフレーム回転軸13が回転
自在に設けてあると共に、上端部寄りの位置に、連結バ
ー14が架設してある。
【0032】可変フレーム12は、その下端部がフレー
ム回転軸13に固定してあり、車両C1に対向する面に
は、支持フレーム11と同様にゴム製の保護部材15が
設けてある。また、図2中左側である一方側の支持フレ
ーム11の横には、縦部材9にブラケット51を介し
て、ブレーキ付きのフレーム駆動用モータ16が設けて
あり、このフレーム駆動用モータ16の出力軸にフレー
ム回転軸13が連結してある。これにより、可変フレー
ム12は、フレーム駆動用モータ16を駆動源として、
下端側を回動中心にして車両C1に対して近接離間する
方向に回動位置を調整することが可能になっている。
【0033】さらに、サイドフレームSFは、車両C1
の前部近傍および後部近傍に対応する位置において、縦
部材9に各ブラケット17,17を介して、車両C1の
下側に延出するサポート部材18,18を備えている。
【0034】なお、上記の架台Aにおいて、支持バー
1、連結体4および支持フレーム11等には、H形やT
形などの適宜の断面を有する鋼材を用いることができ、
縦部材2,9や横部材3等には、鋼管などを用いること
ができる。また、上記の架台Aは、片側にサイドフレー
ムSFを有するので、回転中心に対するバランスを確保
するために、各支持バー1の反サイドフレーム側の端部
に、バランスウエイト19,19を備えている。
【0035】上記の架台Aを支持する一対のスタンドS
1,S2は、例えばH形鋼材などを用いて構成してあっ
て、床面に設置する基礎20、複数の支柱21および支
持台22を備えており、架台Aを間にして対峙してい
る。両支持台22,22の上面中央部には、個々の架台
回転軸23,23を同軸状に保持する軸受け24,24
が設けてある。そして、架台Aの両側に設けたコ字形の
連結体4を軸受け24に跨がるように組み合わせ、連結
体4および軸受け24に架台回転軸23を貫通させる。
これにより、架台Aは両スタンドS1,S2によって回
転自在に保持される。
【0036】各スタンドS1,S2の基礎20には、メ
インフレームMFが垂直状態となるように架台Aを回転
させた際に、それ以上の回転を阻止するための垂直スト
ッパ25が設けてある。また、架台Aの各支持バー1に
は、メインフレームMFを水平状態にした際に、スタン
ドS1,S2の支持台22に当接する水平ストッパ26
が設けてある。
【0037】架台Aの回転駆動機構Bは、車両前方側と
なる一方のスタンドS1に設けてある。回転駆動機構B
は、架台回転軸23に対して平行に配置した入力軸27
と、入力軸27の回転を架台回転軸23に伝達する歯車
装置28を備えている。歯車装置28は、例えばレード
ルを回動操作する装置に類するものであって、入力軸2
7により駆動される傘歯車およびウオームと、架台回転
軸23に固着され且つウオームに係合するウオームホイ
ールなどで構成してある。つまり、回転駆動機構Bは、
入力軸27側からのみ回転駆動が可能であって、入力軸
27の回転を止めれば、架台Aをその回転位置で停止さ
せることが可能である。
【0038】また、回転駆動機構Bは、スタンドS1の
基礎20に、ブレーキ付きの架台駆動用モータ29を備
えており、このモータ29の出力軸に装着したスプロケ
ット30と入力軸27に装着したスプロケット31とに
チェーン32が巻き掛けてあると共に、入力軸27に
は、手動による回転操作用のハンドル33も取り付けて
ある。
【0039】さらに、当該反転装置は、架台Aの下側に
オイルパン34を備えている。このオイルパン34は、
複数のキャスター35を備えていて、自由に移動するこ
とが可能であり、使い勝手をより高めている。
【0040】上記の構成を備えた車両C1の反転装置
は、車両C1の下面と一方の側面を支持する架台Aと、
架台A上の車両C1の前後側で架台Aを回転可能に支持
するスタンドS1,S2を用いた床面設置型の装置であ
って、床下にピッチを形成したりリング体を用いたりす
る従来の反転装置に比べて、装置全体が小規模であり、
装置の小型化や設備費の低減を実現し得るものとなって
いる。
【0041】そして、架台Aに対する車両C1の搬入出
は、図1(a)中の横方向矢印で示すように、例えば、
フォークリフトを用いて車両C1を横方向に移動させる
ことにより行われる。しかも、図1(a)中の下方向矢
印で示すように、クレーンを用いて車両C1を上下方向
に移動させることもできるので、ライン化された解体に
おける一工程としても設置し得るものとなっている。
【0042】ここで、例えばフォークリフトを用いる場
合には、架台Aが車両C1の下側との間に隙間Sを形成
しているので、図1(b)および図2に示すように、フ
ォークリフトのフォークFが入り込む空間が確保され、
車両C1の搬入出をきわめて容易に且つ確実に行うこと
ができる。
【0043】架台Aは、メインフレームMFの支持部5
により、車両C1のフロアメンバDすなわち車両構造上
高強度の部分を受けるので、載置した車両C1が安定す
ると共に、載置した際に車両C1の他の部分が損傷する
ような事態も防止されることとなる。これにより、後に
再利用可能な部品が多く得られる。
【0044】当該反転装置は、上記のように架台Aに車
両C1を載置したのち、回転駆動機構Bによって架台A
を約90度回転させることにより、図4に示す如く架台
AのサイドフレームSFで車両C1の一方の側面を支持
しつつ車両C1を横倒しにする。こののち、車両C1の
下側から、エンジン、サスペンションおよび触媒等の構
成物の取り外し作業が行われる。
【0045】また、上記のように車両C1を横倒しにし
た場合、車両前後方向の重心がエンジンのある前部寄り
にあるので、車両C1が前部側に傾く傾向にあるが、車
両C1の側面を支持フレーム11および可変フレーム1
2で保持しているので、車両C1が倒れるような恐れは
全く無い。
【0046】ここで、当然のことながら車両には様々な
種類があり、車種によって車両の左右方向の重心の高さ
が異なる。つまり、図1(b)に示すように、セダンタ
イプの車両C1の重心G1に対して、ワゴンタイプの車
両C2の重心G2の方が高い位置にある。しかし、これ
らの重心G1,G2は、いずれもドアウエストラインW
LからフロアラインFLの間にある。
【0047】そこで、当該反転装置では、架台A上の車
両C1の左右方向の略中心線CL上で且つドアウエスト
ラインWLからフロアラインFLの間に架台Aの回転中
心RCつまり架台回転軸23を配置することにより、車
種が異なる場合であっても、車両C1(C2)の左右方
向の重心G1(G2)と架台Aの回転中心RCとが大き
くずれないようにし、このように車両C1(C2)の重
心G1(G2)と架台Aの回転中心RCとを可及的に近
づけることにより、小さい駆動力で架台Aを回転駆動し
得るものとしている。
【0048】このような省力化により、採用する架台駆
動用モータ29としては、小型のものでも充分であり、
ハンドル33を用いて手動で回転駆動することも当然可
能であり、この点においても装置の小型化や設備費の低
減に貢献している。
【0049】また、当該反転装置は、セダンタイプの車
両C1とワゴンタイプの車両C2とで側面形状が異なる
場合に、フレーム駆動用モータ16の作動により、その
側面形状に合わせて可変フレーム12の回動位置を調整
する。これにより、各種車両C1,C2の側面を確実に
支持し得ることとなる。このように、フレーム駆動用モ
ータ16を用いれば、可変フレーム12の回動位置を無
段階に設定することが可能となり、自動化にも容易に対
処することができる。
【0050】さらに、当該反転装置は、架台Aのメイン
フレームMFに、作業用フロア6を備えているので、架
台A上に作業者が安全に上がることができる。つまり、
例えばエンジンの取り外しを行う場合には、予めエンジ
ンルーム内でボルトの取り外し作業等を行う必要がある
ので、架台Aに車両C1を載置した状態でその作業を行
うことができるようになる。また、架台Aの下側にオイ
ルパン34を備えているので、架台Aに車両C1を載置
した状態でエンジン等のオイル抜きを行って、そのオイ
ルをオイルパン34により回収し得る。このように、当
該反転装置は、車両C1を反転させる主な機能に加え
て、作業用フロア6やオイルパン34を備えることによ
り、解体に係わる作業性をより一層良好なものにしてい
る。
【0051】上記の反転装置には、図2および図4に示
すように、架台Aの上側に張り出すハンガー36を備
え、ハンガー36に、解体用の工具52を昇降可能に吊
り下げた構成を付加することができる。
【0052】ハンガー36は、両スタンドS1,S2の
支持台22,22上に立設した一対の支柱37,37
と、両支柱37,37の上端部間に架設した車両前後方
向のガイドバー38を備えている。ガイドバー38に
は、その長手方向に沿って摺動自在なスライダ39が設
けてある。スライダ39には、ワイヤ40を巻き取った
バランサー41が設けてあり、このワイヤ40に工具
(例えば油圧カッター)52が連結してある。また、工
具52には、引き下ろしのための操作紐42が取り付け
てある。なお、図には1つの工具52を示したが、当然
複数の工具を設けることができる。
【0053】このように、当該反転装置は、ハンガー3
6および工具52を備えることにより、架台A上の車両
C1に対して、速やかに工具52を用いて作業を開始す
ることが可能となる。工具52は、スライダ39により
車両前後方向に移動自在であり、且つワイヤ40および
バランサー41により昇降自在であるので、横車両C1
の前後方向全体に対して用いることができ、架台Aを回
転させる際には、ガイドバー38側に上昇させておけ
ば、架台Aや車両C1と干渉することはない。なお、上
記の如くハンガー36を設置した場合には、架台Aに対
する車両C1の搬入出は主として側方から行うこととな
る。
【0054】さらに、上記実施例では、架台Aにおける
可変フレーム12をフレーム駆動用モータ16で駆動す
る場合を説明したが、可変フレーム12の回動位置を手
動によって数段階に調整する構成とすることもできる。
【0055】その構成としては、例えば図5に示すよう
に、支持フレーム11間に架設した連結バー14に、係
止穴43aを有する係止板43を設けると共に、可変フ
レーム12に、背面側への突出板44を設け、突出板4
4には、フレーム回転軸13を中心とする円弧に沿って
複数の調整穴44a,44bを形成する。そして、車両
Cの側面形状に応じて可変フレーム12を回動させ、こ
のとき一致した調整穴44a(44b)と係止穴43a
にピン45を挿通させることにより、可変フレーム12
をその回動位置に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる車両の反転装置の一実施例を説
明する図であって、車両前方側となる反転装置の側面図
(a)および架台の回転中心と車両の重心との位置関係
を示す説明図(b)である。
【図2】図1に示す反転装置の正面図である。
【図3】図1に示す反転装置の平面図である。
【図4】図1に示す反転装置の架台を回転させて車両を
横倒しにした状態を示す側面図である。
【図5】可変フレームの手動による回動位置調整の構成
を説明する側面図である。
【図6】従来の車両の反転装置を説明する断面図であ
る。
【符号の説明】
A 架台 B 回転駆動機構 C1 C2 車両 FL フロアライン MF メインフレーム RC 架台の回転中心 S 隙間 S1 S2 スタンド SF サイドフレーム WL ドアウエストライン 5 支持部 6 作業用フロア 12 可変フレーム 34 オイルパン 36 ハンガー 52 工具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東 畑 透 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 立 川 智 規 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3D026 BA35 BA38

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両を横倒しにする反転装置であって、
    車両の下面と一方の側面を支持する架台と、架台上の車
    両の前後側で架台を回転可能に支持するスタンドと、架
    台を回転させる回転駆動機構を備え、架台上の車両の左
    右方向の略中心線上で且つドアウエストラインからフロ
    アラインの間に架台の回転中心を配置したことを特徴と
    する車両の反転装置。
  2. 【請求項2】 架台が、車両の下面を支持するメインフ
    レームを備え、メインフレームに、車両のジャッキアッ
    プ部位またはその近傍を受ける支持部を設けたことを特
    徴とする請求項1に記載の車両の反転装置。
  3. 【請求項3】 架台のメインフレームが、車両の前後方
    向の少なくとも2か所に支持部を備え、車両下面との間
    に車両側方に開放された隙間を形成していることを特徴
    とする請求項2に記載の車両の反転装置。
  4. 【請求項4】 架台が、車両の一方の側面を支持するサ
    イドフレームを備え、サイドフレームに、下端側を回動
    中心にして車両に対して近接離間する方向に回動位置調
    整可能な可変フレームを設けたことを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の車両の反転装置。
  5. 【請求項5】 架台のメインフレームが、車両の前側に
    対応する位置に作業用フロアを備えていることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれかに記載の車両の反転装置。
  6. 【請求項6】 架台の上側に張り出すハンガーを備え、
    ハンガーに、解体用の工具を昇降可能に吊り下げたこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の車両の反
    転装置。
  7. 【請求項7】 架台の下側にオイルパンを備えたことを
    特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の車両の反転
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002283151A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Miyata Jidoki Hanbai Kk 廃棄自動車の解体方法およびその装置
KR101596017B1 (ko) * 2014-10-22 2016-02-19 한국생산기술연구원 재활용을 위한 폐차 부품 수거 시스템

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