JP2000042957A - ロボット制御装置 - Google Patents

ロボット制御装置

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JP2000042957A
JP2000042957A JP10207812A JP20781298A JP2000042957A JP 2000042957 A JP2000042957 A JP 2000042957A JP 10207812 A JP10207812 A JP 10207812A JP 20781298 A JP20781298 A JP 20781298A JP 2000042957 A JP2000042957 A JP 2000042957A
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Japan
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value
circuit
control
robot
torque
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JP10207812A
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Akira Murakami
晃 村上
Yoshiharu Nishida
吉晴 西田
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小さな外力・外トルクでロボットを動作させ
る柔軟制御を実現する。 【解決手段】 偏差量の比例値を出力する位置制御ゲイ
ン回路1および速度制御ゲイン回路2と、偏差量の積分
値を出力する速度偏差積分回路13と、比例値を柔軟制
御時にトルク制限値に制限するトルク制限回路3と、位
置制御から柔軟制御への切り換え直前に、正方向および
逆方向に同一量でロボット(モータ4)を微小動作させ
る微小振動発生回路8と、積分値の高周波成分を除去す
るローパスフィルタ回路18と、位置制御から柔軟制御
への切り換え直前におけるローパスフィルタ回路18を
通過した積分値を記憶し、積分値を柔軟制御時に補償値
として出力する記憶回路19と、位置制御時には比例値
に積分値を加算したトルク指令信号kによりロボットを
作動させる一方、柔軟制御時にはトルク制限値に制限さ
れた比例値に補償値を加算したトルク指令信号kにより
ロボットを作動させる第2スイッチ回路20等とを有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置制御と柔軟制
御とを切り換えて作業を行うロボット制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年におけるロボットは、所定の作業を
迅速に行うことができると共に、特定の作業中に外力を
吸収できることが望まれている。従って、このようなロ
ボットの制御に使用されるロボット制御装置は、ロボッ
トのモータに大きなトルクを発生させてアーム先端の作
業点を目標位置に高速で移動させる位置制御の機能と、
所定以上の外力により作業点が移動する程度のトルクで
ロボットの姿勢を保持させる柔軟制御の機能とを備えて
いる。
【0003】即ち、従来のロボット制御装置の制御系
は、図7に示すように、位置出力回路55および位置制
御回路51間に形成された位置フィードバックループ
と、モータ54および速度制御ゲイン回路52間に形成
された速度フィードバックループとを有しており、これ
らのフィードバックループにおける偏差量の比例値を位
置制御ゲイン回路51および速度制御ゲイン回路52に
より求め、偏差量の積分値を速度偏差積分回路56によ
り求めるようになっている。
【0004】そして、位置制御を行う場合には、トルク
制限回路53を大きな制限値に設定すると共に、速度偏
差積分回路56とトルク制限回路53とを接続させるよ
うにスイッチ回路58a・58bの接続・切断状態を設
定することによって、速度制御ゲイン回路52からの比
例値に速度偏差積分回路56からの積分値を加算した大
きなトルク指令信号によりモータ54(ロボット)を作
動させるようになっている。
【0005】一方、柔軟制御を行う場合には、トルク制
限回路53に小さなトルク制限値を設定すると共に、位
置制御から柔軟制御への切り換え直前の積分値を補償値
として記憶回路57に格納し、記憶回路57とトルク制
限回路53とを接続させるようにスイッチ回路58a・
58bの接続・切断状態を設定する。そして、トルク制
限回路53において制限された比例値に記憶回路57か
らの補償値を加算した小さなトルク指令信号でモータ5
4(ロボット)を作動させるようになっている(特開平
6−332538号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、位置制御から柔軟制御への切り換え直前の
積分値を補償値として用いる構成では、偏差量の積分値
が重力と摩擦トルクとの合計であるため、下記の理由に
より、小さな外力・外トルクであっても作動する柔軟制
御とすることができないという問題がある。
【0007】即ち、重力は、ロボットの姿勢とワークの
質量とが同一であれば、常に同じであるのに対し、摩擦
トルクは、切り換え直前の動作により変動するという性
質を有している。例えばアームを振り上げるときは、重
力方向に対して同方向に摩擦力が作用する一方、アーム
を振り下げるときは、重力方向に対して逆方向に摩擦力
が作用しており、振り上げ動作後と振り下げ動作後とで
は、摩擦トルクが異なっている。従って、各動作から所
定の姿勢に静止する直前の摩擦トルクを柔軟制御の補償
値に含めると、この補償値で作動するモータ54の補償
トルクが所定の姿勢で生じるロボットの真の重力に対し
て大きな差を生じることによって、ロボットが所定の姿
勢を維持できないことがある。尚、このような状況は、
サーボ状態で所定の姿勢に静止し続けている場合におい
ても、摩擦トルクが変化することがあり、静止し続けて
いる状態で柔軟制御に切り換えたときにも同様に生じる
ものである。
【0008】そこで、従来は、補償値に含まれる摩擦ト
ルクの変化分でロボットの姿勢が変化しないように、ト
ルク制限回路53のトルク制限値を最大静止摩擦トルク
以上の値に設定する対策が採られている。ところが、こ
の場合には、最大静止摩擦トルク未満の小さな外力・外
トルクで作動する柔軟制御を行うことができない。これ
により、柔軟制御に切り換えた場合でも、突き当て等の
作業時に必要以上に大きな力・トルクをワークに加えて
しまうことになる。
【0009】従って、本発明は、小さな外力・外トルク
でロボットを動作させる柔軟制御を実現することができ
るロボット制御装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、フィードバックループにおける
偏差量の比例値および積分値を基にして作動されるロボ
ットに対して位置制御と柔軟制御とを切り換え可能に行
うロボット制御装置において、前記偏差量の比例値を出
力する比例手段と、前記偏差量の積分値を出力する積分
手段と、前記比例値を柔軟制御時にトルク制限値に制限
する第1制限手段と、位置制御から柔軟制御への切り換
え直前に、正方向および逆方向に同一量で前記ロボット
を微小動作させる微小動作手段と、前記積分値の高周波
成分を除去するフィルタ手段と、位置制御から柔軟制御
への切り換え直前における前記フィルタ手段を通過した
積分値を記憶し、該積分値を柔軟制御時に補償値として
出力する第1記憶手段と、位置制御時には前記比例値に
前記積分値を加算したトルク指令信号によりロボットを
作動させる一方、柔軟制御時には前記トルク制限値に制
限された比例値に前記補償値を加算したトルク指令信号
によりロボットを作動させる切り換え手段とを有してい
ることを特徴としている。
【0011】上記の構成によれば、位置制御から柔軟制
御への切り換え直前に、正方向および逆方向に同一量で
ロボットが微小動作されることによって、正方向および
逆方向に同一量で生じた摩擦力に対応した高周波成分が
偏差量の積分値に現れる。そして、この積分値の高周波
成分がフィルタ手段において除去されることによって、
ロボットの各姿勢に固有の重力に対応した積分値が抽出
され、この積分値が柔軟制御時に第1記憶手段から補償
値として出力される。これにより、柔軟制御時に、小さ
なトルク制限値で比例値を制限した場合であっても、ロ
ボットの姿勢が補償値で保持されるため、極めて小さな
外力・外トルクでロボットが動作する柔軟制御を実現す
ることができる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のロボッ
ト制御装置であって、前記積分手段からの積分値を柔軟
制御時に重力変化補償値に制限し、前記トルク指令信号
に含ませる第2制限手段を有していることを特徴として
いる。上記の構成によれば、柔軟制御時にロボットの姿
勢が変化すると、姿勢の変化に伴って重力が変化するこ
とになるが、この重力の変化分に相当する制限値を重力
変化補償値として設定しておくことによって、変化した
後の姿勢を保持することができる。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のロボット制御装置であって、ロボットの姿勢に対応し
た補償値を記憶する第2記憶手段と、柔軟制御時のロボ
ットの姿勢を認識し、該姿勢に対応する補償値が前記第
2記憶手段に記憶されていれば、該第2記憶手段からの
補償値を前記第1記憶手段の補償値に代えて出力させる
補償値選択手段とを有していることを特徴としている。
上記の構成によれば、第2記憶手段に記憶された補償値
を柔軟制御に用いることによって、位置制御から柔軟制
御への切り換え直前にロボットを微小動作させて補償値
を求める処理を省略することができるため、位置制御か
ら柔軟制御への切り換えを迅速に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕本発明の第1の実
施形態を図1および図2に基づいて以下に説明する。第
1の実施形態に係るロボット制御装置は、位置制御の機
能と柔軟制御の機能とを備えた制御系を有している。こ
の制御系は、図1に示すように、位置制御ゲイン回路1
と速度制御ゲイン回路2とトルク制限回路3とモータ4
と位置出力回路5とを目標位置信号aの入力側からこの
順に直列接続した状態で有している。位置制御ゲイン回
路1の入力側には、第1加算点6と第2加算点7とが直
列接続されている。第1加算点6には、目標位置信号a
が入力されていると共に、微小振動発生回路8が接続さ
れている。
【0015】上記の微小振動発生回路8には、図示しな
い制御部が接続されており、制御部からの柔軟制御開始
指令を受けたときに、例えば正弦波のような正方向およ
び逆方向に対称な振動波形からなる微小振動信号bを出
力するようになっている。そして、位置制御ゲイン回路
1に接続された第1加算点6は、微小振動信号bが入力
されていないときには目標位置信号aを第2加算点7に
出力する一方、微小振動信号bが入力されているときに
は目標位置信号aに微小振動信号bを加算して第2加算
点7に出力するようになっている。
【0016】上記の第2加算点7には、位置出力回路5
の出力側に設けられた第1分岐点9が接続されている。
そして、第2加算点7と第1分岐点9とは、両点7・9
間において位置に対するフィードバックループを形成し
ており、第2加算点7は、第1分岐点9からの位置出力
信号cを目標位置信号aから減算して位置偏差信号dと
して出力するようになっている。
【0017】上記の第2加算点7は、位置制御ゲインK
ppを有した位置制御ゲイン回路1に接続されている。位
置制御ゲイン回路1は、第2加算点7からの位置偏差信
号dに位置制御ゲインKppを乗算することにより速度指
令信号eを出力するようになっている。この位置制御ゲ
イン回路1は、第3加算点10に接続されており、第3
加算点10には、モータ4の出力側に設けられた第2分
岐点11が接続されている。そして、第3加算点10と
第2分岐点11とは、両点10・11間において速度に
対するフィードバックループを形成しており、第3加算
点10は、第2分岐点11からの速度信号fを速度指令
信号eから減算して速度偏差信号gとして出力するよう
になっている。
【0018】上記の第3加算点10は、第3分岐点12
を介して速度制御ゲイン回路2と速度偏差積分回路13
とに接続されており、各回路2・13に速度偏差信号g
を出力するようになっている。速度制御ゲイン回路2
は、速度制御ゲインKvpを有しており、速度偏差信号g
に速度制御ゲインKvpを乗算して第1トルク指令信号h
として出力するようになっている。速度制御ゲイン回路
2は、第1トルク指令信号hの信号出力を制限するトル
ク制限回路3に接続されている。トルク制限回路3は、
図示しない制御部により制限値が変更可能にされてお
り、位置制御時に大きなトルク制限値に設定される一
方、柔軟制御時に小さなトルク制限値に設定されるよう
になっている。
【0019】一方、速度偏差積分回路13は、積分ゲイ
ンKviを有しており、速度偏差信号gの積分値に積分ゲ
インKviを乗算して第2トルク指令信号iとして出力す
るようになっている。この速度偏差積分回路13は、第
4分岐点14を介して第2トルク指令信号iを制限する
重力変化補償回路15に接続されている。重力変化補償
回路15は、図示しない制御部により制限値が変更可能
にされており、位置制御時に大きな制限値に設定される
一方、柔軟制御時に重力の変化分に相当する小さな制限
値(重力変化補償値)に設定されるようになっている。
【0020】さらに、上記の速度偏差積分回路13は、
第4分岐点14を介して柔軟回路系16に接続されてい
る。柔軟回路系16は、第1スイッチ回路17とローパ
スフィルタ(LPF)回路18と記憶回路19と第2ス
イッチ回路20とを第4分岐点14側からこの順に直列
接続した構成にされている。上記のローパスフィルタ回
路18には、例えば移動平均等のFIRフィルタやII
Rフィルタ等が用いられている。そして、ローパスフィ
ルタ回路18は、第2トルク指令信号i中に含まれる微
小振動に伴う高周波成分を除去するようになっている。
また、記憶回路19は、高周波成分を除去された第2ト
ルク指令信号iを記憶して柔軟トルク指令信号jとして
出力するようになっている。また、第1スイッチ回路1
7および第2スイッチ回路20は、図示しない制御部に
より接続・切断状態が切り換え可能にされており、柔軟
制御時に第1スイッチ回路17が切断状態、第2スイッ
チ回路20が接続状態に切り換えられるようになってい
る。
【0021】上記のように構成された柔軟回路系16お
よび重力変化補償回路15は、トルク制限回路3の出力
側に設けられた第5加算点22および第4加算点21に
それぞれ接続されている。そして、制御部は、図2の第
1制御ルーチンを実行して上述の回路系を制御すること
によって、位置制御時においては速度制御ゲイン回路2
からの第1トルク指令信号hに速度偏差積分回路13か
らの第2トルク指令信号iを加えたトルク指令信号kで
モータ4(ロボット)を作動させるようになっている一
方、柔軟制御時においてはトルク制限回路3で制限され
た第1トルク指令信号hに記憶回路19からの柔軟トル
ク指令信号jを加えたトルク指令信号kでモータ4(ロ
ボット)を作動させるようになっている。
【0022】上記の構成において、ロボット制御装置の
動作について説明する。ロボット制御装置に電源が投入
されると、図2に示すように、第1制御ルーチンが実行
されることによって、位置制御が行われる。即ち、第1
スイッチ回路17が接続状態および記憶回路19が切断
状態に設定されると共に、トルク制限回路3および重力
変化補償回路15の制限値がそれぞれ大きな値に設定さ
れる。この後、目標位置信号aが第1加算点6および第
2加算点7を介して位置制御ゲイン回路1に出力される
ことによって、目標位置信号aに位置制御ゲインKppお
よび速度制御ゲインKvpが乗算されてトルク指令信号k
とされ、この信号kに基づいてモータ4が作動される。
【0023】モータ4が作動すると、モータ4から速度
信号fが出力され、第2分岐点11を介して第3加算点
10にフィードバックされる。また、速度信号fは、位
置出力回路5にも入力され、位置出力回路5で積分され
ることにより位置出力信号cにされた後、第1分岐点9
を介して第2加算点7にフィードバックされる。これに
より、位置および速度に対するフィードバック制御が行
われることになり、第2加算点7において目標位置信号
aから位置出力信号cを減算した位置偏差信号dが形成
され、この信号dが位置制御ゲイン回路1で位置制御ゲ
インKppを乗算されて速度指令信号eにされる。そし
て、速度指令信号eは、第3加算点10において速度信
号fを減算されて速度偏差信号gとされた後、速度制御
ゲイン回路2で速度制御ゲインKvpを乗算されて第1ト
ルク指令信号hにされると共に、速度偏差積分回路13
で積分および積分ゲインKviを乗算されて第2トルク指
令信号iにされる。
【0024】上記の第1トルク指令信号hおよび第2ト
ルク指令信号iは、トルク制限回路3および重力変化補
償回路15にそれぞれ入力され、各回路3・15の制限
値と比較される。この際、各回路3・15の制限値は、
位置制御を行うため、第1トルク指令信号hおよび第2
トルク指令信号iよりも大きな値に設定されている。従
って、各回路3・15は、第1トルク指令信号hおよび
第2トルク指令信号iを制限することなく入力された状
態で出力することになり、これらの指令信号h・iは、
第4加算点21で合算されてトルク指令信号kとされ
る。そして、トルク指令信号kは、第5加算点22を介
してモータ4に出力される。尚、第5加算点22におい
ては、第2スイッチ回路20が切断状態に設定されてい
るため、記憶回路19からの柔軟トルク指令信号jがト
ルク指令信号kに加算されることはない。これにより、
モータ4は、トルク指令信号kに基づいた大きなトルク
で作動することによって、アーム(ロボット)先端の作
業点を目標位置に高速で移動させることになる(S
1)。
【0025】次に、柔軟制御を行うか否かが判定され
(S2)、柔軟制御を行わない場合には(S2,N
O)、上述のS1における位置制御が繰り返して行われ
る。一方、柔軟制御を行う場合には(S2,YES)、
微小振動発生回路8から正方向および逆方向に対称な振
動波形からなる微小振動信号bが出力され、目標位置信
号aに加算されることによって、微小振動信号bの成分
を含んだトルク指令信号kでモータ4が作動される(S
3)。そして、停止しているアームが正方向および逆方
向に同一量で振動(微小動作)することによって、正方
向および逆方向に作用する摩擦力による成分と重力の成
分とのトルクに対応した速度信号fおよび位置出力信号
cがフィードバックされる。これにより、フィードバッ
クの結果得られる速度偏差信号gが振動することによっ
て、速度偏差積分回路13において積分された第2トル
ク指令信号iが振動による高周波成分を有することにな
る。
【0026】上記の第2トルク指令信号iは、第1スイ
ッチ回路17を介してローパスフィルタ回路18に出力
され、この回路18におけるフィルタ処理により高周波
成分が除去されることによって、低周波成分のみが記憶
回路19に記憶される。この際、第2トルク指令信号i
の高周波成分は、上述の微小動作の結果、正方向および
逆方向に作用する摩擦力に対応したトルクの変化分を含
んでおり、この変化分は、微小動作が正方向および逆方
向に対称な振動波形により行われるため、正方向および
逆方向において同一量である。従って、フィルタ処理に
より高周波成分が除去されると、正方向および逆方向に
作用する摩擦力に対応したトルクが互いに打ち消された
状態になるため、フィルタ処理された低周波成分の第2
トルク指令信号iが重力成分のみに対応した重力値とな
り、この重力値が記憶回路19に記憶される(S4)。
【0027】次に、第1スイッチ回路17が切断状態、
第2スイッチ回路20が接続状態に切り換えられること
によって、記憶回路19から重力成分のみに対応した補
償値(重力値)を示す柔軟トルク指令信号jが出力され
る(S5)。この後、微小動作が停止された後(S
6)、柔軟制御時に姿勢が変化した場合の重力の変化分
に対応した重力変化補償値が重力変化補償回路15の制
限値として設定される(S7)。また、柔軟に動作する
ための動摩擦トルク程度の小さなトルク制限値がトルク
制限回路3に設定される(S8)。そして、このような
設定により柔軟制御が行われることになる。
【0028】即ち、トルク制限回路3のトルク制限値で
制限された第1トルク指令信号hと、重力変化補償回路
15の重力変化補償値で制限された第2トルク指令信号
iと、記憶回路19からの柔軟トルク指令信号jとが加
算されることよりトルク指令信号kが形成された後、こ
の信号kでモータ4が作動される。この際、柔軟トルク
指令信号jの補償値は、アーム(ロボット)の姿勢に応
じた重力分に対応されており、アームの姿勢を保持する
ために使用される。また、重力変化補償回路15の重力
変化補償値は、アームの姿勢変化による重力変化分に対
応し、極めて小さな値に設定される場合が多い。これに
より、トルク制限値に応じた小さな外力・外トルクでア
ームが柔軟に動作することになる。
【0029】この後、柔軟制御を終了するか否かが判定
され(S9)、終了しないのであれば(S9,NO)、
S9が繰り返して実行されることによって、柔軟制御が
継続される。一方、柔軟制御を終了するのであれば(S
9,YES)、続いて位置制御を開始するか否かが判定
される(S10)。そして、位置制御を開始するのであ
れば(S10,YES)、S1が再実行される一方、位
置制御を開始しないのであれば(S10,NO)、本ル
ーチンが終了される。
【0030】〔実施形態2〕次に、本発明の第2の実施
形態を図3および図4に基づいて以下に説明する。尚、
第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記して
その説明を省略する。
【0031】第2の実施形態に係るロボット制御装置
は、位置制御の機能と柔軟制御の機能とを備えた制御系
を有している。この制御系は、図3に示すように、記憶
回路19に接続された外部記憶部23を有している。外
部記憶部23は、アーム(ロボット)の各姿勢に対応し
た補償値(重力値)を格納可能になっている。そして、
外部記憶部23は、図示しない制御部に接続されてお
り、制御部により制御されることによって、柔軟制御時
の姿勢が格納済みの姿勢と一致すれば、この姿勢に対応
する補償値を読み出して柔軟トルク指令信号mとして出
力する一方、一致しなければ、記憶回路19の柔軟トル
ク指令信号jの補償値を格納するようになっている。
尚、外部記憶回路23は、大容量のメモリであっても良
いし、ハードディスク等の記録装置であっても良い。
【0032】上記の外部記憶装置23は、選択回路24
に接続されている。選択回路24は、外部記憶装置23
に接続された第1入力端子24bと、記憶回路19に接
続された第2入力端子24cと、未接続の第3入力端子
24dと、これらの入力端子24b〜24dに接続可能
にされた出力端子24aとを有しており、出力端子24
aは、第5加算点22に接続されている。また、選択回
路24は、図示しない制御部に接続されており、制御部
は、位置制御時に出力端子24aと第3入力端子24d
とを接続状態にして柔軟トルク指令信号j・mの出力を
禁止する一方、柔軟制御時に出力端子24aと第1また
は第2入力端子24b・24cとを接続状態にすること
によって、柔軟トルク指令信号j・mの何れか一方を第
5加算点22に出力させるようになっている。その他の
構成は、第1の実施形態と同一であるため、その説明を
省略する。
【0033】上記の構成において、ロボット制御装置の
動作について説明する。ロボット制御装置に電源が投入
されると、図4に示すように、第2制御ルーチンが実行
されることによって、位置制御が行われる。即ち、選択
回路24の出力端子24aと第3入力端子24dとが接
続状態にされることによって、柔軟トルク指令信号j・
mの出力が禁止された後、トルク制限回路3および重力
変化補償回路15の制限値がそれぞれ大きな値に設定さ
れる。そして、モータ4がトルク指令信号kに基づいた
大きなトルクで作動されることによって、アーム先端の
作業点が目標位置に高速で移動される(S11)。
【0034】次に、柔軟制御を行うか否かが判定され
(S12)、柔軟制御を行わない場合には(S12,N
O)、上述のS11における位置制御が繰り返して行わ
れる。一方、柔軟制御を行う場合には(S12,YE
S)、現在のアーム(ロボット)の姿勢が認識される
(S11)。そして、認識した現在の姿勢と同一または
同一に近い姿勢のデータが外部記憶部23に格納されて
いるか否かが判定され(S14)、格納されていない場
合には(S14,NO)、微小振動発生回路8から正方
向および逆方向に対称な振動波形からなる微小振動信号
bが出力され、目標位置信号aに加算されることによっ
て、微小振動信号bの成分を含んだトルク指令信号kで
モータ4が作動される(S16)。そして、微小動作に
より正方向および逆方向に作用する摩擦力に対応したト
ルクの変化分を含んだ第2トルク指令信号iが、第1ス
イッチ回路17を介してローパスフィルタ回路18に出
力され、この回路18におけるフィルタ処理により高周
波成分が除去されることによって、重力成分のみに対応
した低周波成分の重力値が記憶回路19に記憶される
(S17)。
【0035】次に、第1スイッチ回路17が切断状態、
選択回路24における出力端子24aと第2入力端子2
4cとが接続状態にされることによって、上述の第2ト
ルク指令信号iを記憶した記憶回路19から重力成分の
みに対応した補償値(重力値)を示す柔軟トルク指令信
号jが第5加算点22に出力される(S18)。また、
この柔軟トルク指令信号jは、外部記憶部23にも出力
され、外部記憶部23は、柔軟トルク指令信号jの補償
値を現在の姿勢に対応させて記憶する(S19)。
【0036】この後、微小動作が停止された後(S2
0)、柔軟制御時に姿勢が変化した場合の重力の変化分
に対応した重力変化補償値が重力変化補償回路15の制
限値として設定される(S21)。また、柔軟に動作す
るための小さなトルク制限値がトルク制限回路3に設定
される(S22)。そして、このような設定によって、
記憶回路19の補償値を用いた柔軟制御が行われること
になる。
【0037】一方、S14において、現在の姿勢に対応
するデータが格納されている場合には(S14,YE
S)、外部記憶部23から現在の姿勢に対応する補償値
(重力値)が読み出される。そして、第1スイッチ回路
17が切断状態、選択回路24における出力端子24a
と第1入力端子24bとが接続状態にされることによっ
て、上記の補償値が柔軟トルク指令信号mとして第5加
算点22に出力される(S15)。そして、上述のS2
1から実行されることによって、外部記憶部23の補償
値を用いた柔軟制御が行われることになる。
【0038】この後、柔軟制御を終了するか否かが判定
され(S23)、終了しないのであれば(S23,N
O)、S23が繰り返して実行されることによって、柔
軟制御が継続される。一方、柔軟制御を終了するのであ
れば(S23,YES)、続いて位置制御を開始するか
否かが判定される(S24)。そして、位置制御を開始
するのであれば(S24,YES)、S11が再実行さ
れる一方、位置制御を開始しないのであれば(S24,
NO)、本ルーチンが終了される。
【0039】〔実施形態3〕次に、本発明の第3の実施
形態を図5および図6に基づいて以下に説明する。尚、
第1および第2の実施形態と同一の部材には同一の符号
を付記してその説明を省略する。
【0040】第3の実施形態に係るロボット制御装置
は、図5に示すように、6軸の自由度を有したロボット
に適用されるようになっており、第2の実施形態と同一
構成の回路系が第1軸から第6軸までの機構に対応して
それぞれ設けられている。これらの回路系は、図示しな
い制御部により制御されており、制御部は、図6の第3
制御ルーチンを実行することによって、各軸において位
置制御と柔軟制御とを切り換え可能に行うと共に、柔軟
制御時に各軸のトルク制限値(τ1,τ2,τ3,τ
4,τ5,τ6)をトルク制限回路3に設定するように
なっている。その他の構成は、第1および第2の実施形
態と同一であるため、その説明を省略する。
【0041】上記の構成において、ロボット制御装置の
動作について説明する。ロボット制御装置に電源が投入
されると、図6に示すように、第3制御ルーチンが実行
されることによって、各軸について位置制御が行われ
る。即ち、第1軸から第6軸の各制御系において、選択
回路24の出力端子24aと第3入力端子24dとが接
続状態にされ、柔軟トルク指令信号j・mの出力が禁止
された後、トルク制限回路3および重力変化補償回路1
5の制限値がそれぞれ大きな値に設定される。そして、
モータ4がトルク指令信号kに基づいた大きなトルクで
作動されることによって、アーム先端の作業点が目標位
置に高速で移動される(S31)。
【0042】次に、柔軟制御を行うか否かが判定され
(S32)、柔軟制御を行わない場合には(S32,N
O)、上述のS31における位置制御が繰り返して行わ
れる。一方、柔軟制御を行う場合には(S32,YE
S)、現在のアーム(ロボット)の姿勢が認識される
(S31)。そして、認識した現在の姿勢と同一姿勢の
データが外部記憶部23に格納されているか否かが判定
され(S34)、格納されていない場合には(S34,
NO)、微小振動発生回路8から正方向および逆方向に
対称な振動波形からなる微小振動信号bが出力され、目
標位置信号aに加算されることによって、微小振動信号
bの成分を含んだトルク指令信号kでモータ4が作動さ
れる(S36)。そして、微小動作により正方向および
逆方向に作用する摩擦力に対応したトルクの変化分を含
んだ第2トルク指令信号iが、第1スイッチ回路17を
介してローパスフィルタ回路18に出力され、この回路
18におけるフィルタ処理により高周波成分が除去され
ることによって、重力成分のみに対応した低周波成分の
重力値が記憶回路19に記憶される(S37)。
【0043】次に、第1スイッチ回路17が切断状態、
選択回路24における出力端子24aと第2入力端子2
4cとが接続状態にされることによって、上述の第2ト
ルク指令信号iを記憶した記憶回路19から重力成分の
みに対応した補償値(重力値)を示す柔軟トルク指令信
号jが第5加算点22に出力される(S38)。また、
この柔軟トルク指令信号jは、外部記憶部23にも出力
され、外部記憶部23は、柔軟トルク指令信号jの補償
値を現在の姿勢に対応させて記憶する(S39)。
【0044】この後、微小動作が停止された後(S4
0)、柔軟制御時に姿勢が変化した場合の重力の変化分
に対応した重力変化補償値が重力変化補償回路15の制
限値として設定される(S41)。そして、作業座標系
と関節座標系との微小変位の対応関係を示すヤコビアン
の転置行列を用いることによって、作業座標系における
力の限界値から関節座標系におけるトルクの限界値が算
出される。
【0045】即ち、ロボット(アーム)先端の作業点を
柔軟に動作させるためのトルク制限値fが指定される
と、このトルク制限値fのベクトルは、作業座標系にお
ける力fx,fy,fzとトルクτx,τy,τzとを
用いて(1)式で示すことができる。 f=〔fx,fy,fz,τx,τy,τz〕T ・・・ (1)
【0046】一方、関節座標系のトルク制限値τのベク
トルは、各軸の関節座標系のトルクτ1 ,τ2 ,τ3
τ4 ,τ5 ,τ6 を用いて(2)式で示すことができ
る。 τ=〔τ1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 ,τ5 ,τ6 T ・・・ (2)
【0047】そして、作業座標系のトルク制限値fと関
節座標系のトルク制限値τとの関係は、ヤコビアンの転
置行列JT を用いて(3)式で示すことができる。 τ = JT f ・・・ (3)
【0048】これにより、(3)式から各軸のトルクτ
1 ,τ2 ,τ3 ,τ4 ,τ5 ,τ6が求められ(S4
2)、これらの値がトルク制限値として各軸のトルク制
限回路3に設定される(S43)。そして、このような
設定によって、記憶回路19の補償値を用いた柔軟制御
が行われることになる。
【0049】一方、S34において、現在の姿勢に対応
するデータが格納されている場合には(S34,YE
S)、外部記憶部23から現在の姿勢に対応する補償値
(重力値)が読み出される。そして、第1スイッチ回路
17が切断状態、選択回路24における出力端子24a
と第1入力端子24bとが接続状態にされることによっ
て、上記の補償値が柔軟トルク指令信号mとして第5加
算点22に出力される(S35)。そして、上述のS4
1から実行されることによって、外部記憶部23の補償
値を用いた柔軟制御が行われることになる。
【0050】この後、柔軟制御を終了するか否かが判定
され(S44)、終了しないのであれば(S44,N
O)、S44が繰り返して実行されることによって、柔
軟制御が継続される。一方、柔軟制御を終了するのであ
れば(S44,YES)、続いて位置制御を開始するか
否かが判定される(S45)。そして、位置制御を開始
するのであれば(S45,YES)、S31が再実行さ
れる一方、位置制御を開始しないのであれば(S45,
NO)、本ルーチンが終了される。
【0051】以上のように、第1ないし第3の実施形態
におけるロボット制御装置は、フィードバックループに
おける偏差量(位置偏差信号d・速度偏差信号g)の比
例値(速度指令信号e・第1トルク指令信号h)および
積分値(第2トルク指令信号i)を基にして作動される
ロボット(モータ4)に対して位置制御と柔軟制御とを
切り換え可能に行うものであり、偏差量の比例値を出力
する比例手段(位置制御ゲイン回路1・速度制御ゲイン
回路2)と、偏差量の積分値を出力する積分手段(速度
偏差積分回路13)と、比例値を柔軟制御時にトルク制
限値に制限する第1制限手段(トルク制限回路3)と、
位置制御から柔軟制御への切り換え直前に、正方向およ
び逆方向に同一量でロボットを微小動作させる微小動作
手段(微小振動発生回路8)と、積分値の高周波成分を
除去するフィルタ手段(ローパスフィルタ回路18)
と、位置制御から柔軟制御への切り換え直前におけるフ
ィルタ手段を通過した積分値を記憶し、積分値を柔軟制
御時に補償値(柔軟トルク指令信号j)として出力する
第1記憶手段(記憶回路19)と、位置制御時には比例
値に積分値を加算したトルク指令信号kによりロボット
を作動させる一方、柔軟制御時にはトルク制限値に制限
された比例値に補償値を加算したトルク指令信号kによ
りロボットを作動させる切り換え手段(第1スイッチ回
路17・第2スイッチ回路20)とを有した構成にされ
ている。
【0052】上記の構成によれば、位置制御から柔軟制
御への切り換え直前に、正方向および逆方向に同一量で
ロボットが微小動作されることによって、正方向および
逆方向に同一量で生じた摩擦力に対応した高周波成分が
偏差量の積分値に現れる。そして、この積分値の高周波
成分がフィルタ手段において除去されることによって、
ロボットの各姿勢に固有の重力に対応した積分値が抽出
され、この積分値が柔軟制御時に第1記憶手段から補償
値として出力される。これにより、柔軟制御時に、小さ
なトルク制限値で比例値を制限した場合であっても、ロ
ボットの姿勢が補償値で保持されるため、極めて小さな
外力・外トルクでロボットが動作する柔軟制御を実現す
ることができる。
【0053】また、第2および第3の実施形態における
ロボット制御装置は、上記の構成に加えて、上記の積分
手段(速度偏差積分回路13)からの積分値(第2トル
ク指令信号i)を柔軟制御時に重力変化補償値に制限
し、トルク指令信号kに含ませる第2制限手段(重力変
化補償回路15)を有した構成にされている。
【0054】上記の構成によれば、柔軟制御時にロボッ
トの姿勢が変化すると、姿勢の変化に伴って重力が変化
することになるが、この重力の変化分に相当する制限値
を重力変化補償値として設定しておくことによって、変
化した後の姿勢を保持することができる。
【0055】また、第2および第3の実施形態における
ロボット制御装置は、上述の構成に加えて、ロボットの
姿勢に対応した補償値を記憶する第2記憶手段(外部記
憶部23)と、柔軟制御時のロボットの姿勢を認識し、
姿勢に対応する補償値が第2記憶手段に記憶されていれ
ば、第2記憶手段からの補償値(柔軟トルク指令信号
m)を第1記憶手段の補償値(柔軟トルク指令信号j)
に代えて出力させる補償値選択手段(選択回路24)と
を有した構成にされている。尚、補償値選択手段(選択
回路24)は、第2および第3の実施形態において説明
したように、第3入力端子24dを有することにより第
2スイッチ回路20としての機能を備えていても良い
し、第2スイッチ回路20とは別個に設けられていても
良い。
【0056】上記の構成によれば、第2記憶手段に記憶
された補償値を柔軟制御に用いることによって、位置制
御から柔軟制御への切り換え直前にロボットを微小動作
させて補償値を求める処理を省略することができるた
め、位置制御から柔軟制御への切り換えを迅速に行うこ
とができる。
【0057】
【発明の効果】請求項1の発明は、フィードバックルー
プにおける偏差量の比例値および積分値を基にして作動
されるロボットに対して位置制御と柔軟制御とを切り換
え可能に行うロボット制御装置において、前記偏差量の
比例値を出力する比例手段と、前記偏差量の積分値を出
力する積分手段と、前記比例値を柔軟制御時にトルク制
限値に制限する第1制限手段と、位置制御から柔軟制御
への切り換え直前に、正方向および逆方向に同一量で前
記ロボットを微小動作させる微小動作手段と、前記積分
値の高周波成分を除去するフィルタ手段と、位置制御か
ら柔軟制御への切り換え直前における前記フィルタ手段
を通過した積分値を記憶し、該積分値を柔軟制御時に補
償値として出力する第1記憶手段と、位置制御時には前
記比例値に前記積分値を加算したトルク指令信号により
ロボットを作動させる一方、柔軟制御時には前記トルク
制限値に制限された比例値に前記補償値を加算したトル
ク指令信号によりロボットを作動させる切り換え手段と
を有している構成である。
【0058】上記の構成によれば、柔軟制御時に、小さ
なトルク制限値で比例値を制限した場合であっても、ロ
ボットの姿勢が重力に対応した補償値で保持されるた
め、極めて小さな外力・外トルクでロボットが動作する
柔軟制御を実現することができるという効果を奏する。
【0059】請求項2の発明は、請求項1記載のロボッ
ト制御装置であって、前記積分手段からの積分値を柔軟
制御時に重力変化補償値に制限し、前記トルク指令信号
に含ませる第2制限手段を有している構成である。上記
の構成によれば、柔軟制御時にロボットの姿勢が変化す
ると、姿勢の変化に伴って重力が変化することになる
が、この重力の変化分に相当する制限値を重力変化補償
値として設定しておくことによって、変化した後の姿勢
を保持することができるという効果を奏する。
【0060】請求項3の発明は、請求項1または2記載
のロボット制御装置であって、ロボットの姿勢に対応し
た補償値を記憶する第2記憶手段と、柔軟制御時のロボ
ットの姿勢を認識し、該姿勢に対応する補償値が前記第
2記憶手段に記憶されていれば、該第2記憶手段からの
補償値を前記第1記憶手段の補償値に代えて出力させる
補償値選択手段とを有している構成である。上記の構成
によれば、第2記憶手段に記憶された補償値を柔軟制御
に用いることによって、位置制御から柔軟制御への切り
換え直前にロボットを微小動作させて補償値を求める処
理を省略することができるため、位置制御から柔軟制御
への切り換えを迅速に行うことができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるロボット制御装置のブ
ロック図である。
【図2】第1制御ルーチンのフローチャートである。
【図3】第2の実施形態におけるロボット制御装置のブ
ロック図である。
【図4】第2制御ルーチンのフローチャートである。
【図5】第3の実施形態におけるロボット制御装置のブ
ロック図である。
【図6】第3制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】従来例を示すものであり、ロボット制御装置の
ブロック図である。
【符号の説明】
1 位置制御ゲイン回路 2 速度制御ゲイン回路 3 トルク制限回路 4 モータ 5 位置出力回路 6 第1加算点 7 第2加算点 8 微小振動発生回路 9 第1分岐点 10 第3加算点 11 第2分岐点 12 第3分岐点 13 速度偏差積分回路 14 第4分岐点 15 重力変化補償回路 16 柔軟回路系 17 第1スイッチ回路 18 ローパスフィルタ回路 19 記憶回路 20 第2スイッチ回路 21 第4加算点 22 第5加算点 23 外部記憶部 24 選択回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィードバックループにおける偏差量の
    比例値および積分値を基にして作動されるロボットに対
    して位置制御と柔軟制御とを切り換え可能に行うロボッ
    ト制御装置において、 前記偏差量の比例値を出力する比例手段と、 前記偏差量の積分値を出力する積分手段と、 前記比例値を柔軟制御時にトルク制限値に制限する第1
    制限手段と、 位置制御から柔軟制御への切り換え直前に、正方向およ
    び逆方向に同一量で前記ロボットを微小動作させる微小
    動作手段と、 前記積分値の高周波成分を除去するフィルタ手段と、 位置制御から柔軟制御への切り換え直前における前記フ
    ィルタ手段を通過した積分値を記憶し、該積分値を柔軟
    制御時に補償値として出力する第1記憶手段と、 位置制御時には前記比例値に前記積分値を加算したトル
    ク指令信号によりロボットを作動させる一方、柔軟制御
    時には前記トルク制限値に制限された比例値に前記補償
    値を加算したトルク指令信号によりロボットを作動させ
    る切り換え手段とを有していることを特徴とするロボッ
    ト制御装置。
  2. 【請求項2】 前記積分手段からの積分値を柔軟制御時
    に重力変化補償値に制限し、前記トルク指令信号に含ま
    せる第2制限手段を有していることを特徴とする請求項
    1記載のロボット制御装置。
  3. 【請求項3】 ロボットの姿勢に対応した補償値を記憶
    する第2記憶手段と、 柔軟制御時のロボットの姿勢を認識し、該姿勢に対応す
    る補償値が前記第2記憶手段に記憶されていれば、該第
    2記憶手段からの補償値を前記第1記憶手段の補償値に
    代えて出力させる補償値選択手段とを有していることを
    特徴とする請求項1または2記載のロボット制御装置。
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