JP2000041701A - ゴム製靴底の表面処理方法 - Google Patents

ゴム製靴底の表面処理方法

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JP2000041701A
JP2000041701A JP10229538A JP22953898A JP2000041701A JP 2000041701 A JP2000041701 A JP 2000041701A JP 10229538 A JP10229538 A JP 10229538A JP 22953898 A JP22953898 A JP 22953898A JP 2000041701 A JP2000041701 A JP 2000041701A
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JP
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adhesive
rubber
rays
flash lamp
shoe soles
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JP10229538A
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English (en)
Inventor
Seiichi Uenari
清一 上成
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着面が荒削りされて保管されたゴム製靴底の
接着力をクリーンな環境で迅速に、かつ十分に向上する
ことができるゴム製靴底の表面処理方法を提供する。 【解決手段】靴本体の底面に接着されるゴム製靴底の接
着面に接着剤を塗布する前に、このゴム製靴底の接着面
に、ロングアーク型のキセノンフラッシュランプからの
紫外線および赤外線を含む放射光を照射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、靴本体の底面に接
着されるゴム製靴底の接着面の表面処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】靴底がゴム製の靴は、ゴム製の靴底が靴
本体の底面に接着剤にて接着されているが、その接着工
程は図1に示すとおりである。すなわち、靴底の素材で
ある例えばSBR(スチレン・ブタジエン・ラバー)の
ゴム板を靴底の形状に切り出して靴底を成形する。次
に、接着剤による接着力を強固にするために、研削機に
て靴底の接着面を荒削りして0.1mm程度の微小な凹
凸を形成し、ゴムの新面を露出させるとともに接着面積
を増大させる。
【0003】研削機にて接着面を荒削りした靴底は、在
庫として比較的長期間保管されることが多いが、この保
管中に、ゴムの老化防止剤としてゴム板に混練されたワ
ックスが経時変化によって靴底の接着面に析出する。し
かし、このワックスの析出物は、接着力を阻害すること
が知られている。このため、靴底の接着面に接着剤を塗
布する前に、靴底の接着面にバフ研磨を行い、ワックス
の析出物を除去するとともに、このバフ研磨を接着面の
再研磨として機能させ、保管中に縮小した凹凸を再生し
て接着面の表面積を再度増大させている。そして、バフ
研磨を行った後に接着面に接着剤を塗布し、ゴム製靴底
を靴本体の底面に圧着接合し、乾燥させることにより接
着工程を完了する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、靴は消費者
の多様なニーズに対応するためにデザインや大きさの異
なる多品種を生産する必要がある商品であり、従って、
靴底の大きさや形状も様々である。このために前記の靴
底のバフ研磨は機械化が困難であり、作業者が手作業で
バフ研磨している。
【0005】しかし、この作業者の手作業によるバフ研
磨時間は、1枚の靴底に対して数分間必要であり、生産
性が極めて低い問題点がある。また、バフ研磨によって
粉塵が発生し、作業環境が悪化する問題点もある。そし
て、接着面の表面に吹き出すように析出したワックスは
バフ研磨によって除去できるが、表面に埋まったような
状態で析出し、表面に十分に露出していないワックス
は、バフ研磨では除去しにくい不具合もある。従って、
バフ研磨処理が不要になるのが最も望ましく、仮にバフ
研磨処理を行うにしても簡単な処理で済むことが望まし
い。
【0006】また、接着剤は、従来は有機溶剤系のもの
を使用していたが、有機溶剤系接着剤は作業環境を著し
く悪化させ、作業者や外部環境に悪影響を及ぼすので、
作業者の保護と外部の環境基準を満たすために、多大な
公害防止用の設備投資を必要とし、コストアップの要因
になる。また、有機溶剤の使用が条例などにより規制さ
れるようになった。このため最近では、有機溶剤系の接
着剤に代えて、水溶性溶剤系の接着剤も一部で使用され
るようになった。しかしながら、水溶性溶剤系接着剤の
接着力は有機溶剤系の接着剤に比べてどうしても劣り、
十分な接着力を確保しにくい問題点がある。
【0007】そこで本発明は、接着面が荒削りされて保
管されたゴム製靴底の接着力をクリーンな環境で迅速
に、かつ十分に向上することができるゴム製靴底の表面
処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明のゴム製靴底の表面処理方法は、靴本体の
底面に接着されるゴム製靴底の接着面に接着剤を塗布す
る前に、このゴム製靴底の接着面に、ロングアーク型の
キセノンフラッシュランプからの紫外線および赤外線を
含む放射光を照射することにより接着力を向上させる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図2は、本発明のゴム
製靴底の表面処理を行うための装置を模式的に示す。図
2において、灯具1内には、キセノンフラッシュランプ
2が配置され、キセノンフラッシュランプ2は点灯電源
に接続されている。そして、キセノンフラッシュランプ
2の放射光は下方に照射される。
【0010】キセノンフラッシュランプ2は、例えば、
入力電圧が480〜600V、電極間距離が120mm
の棒状のロングアーク型フラッシュランプであり、点灯
モードは、0.5Hzで10回閃光発光し、3分間休止
の繰返しである。そして、コンデンサー容量が4000
μFのとき、460〜720ジュールのエネルギーを放
射するが、その放射スペクトル分布は図3に示すとおり
である。すなわち、その放射光の波長範囲は広範囲に及
び、キセノンフラッシュランプ2は紫外線および赤外線
を含む放射光を照射する。
【0011】キセノンフラッシュランプ2の下方に配置
される被処理物Wは、靴底の素材であるSBRのゴム板
を靴底の形状に切り出して靴底を成形し、研削機にて靴
底の接着面を荒削りして0.1mm程度の微小な凹凸を
形成し、ゴムの新面を露出させるとともに接着面積を増
大させた後、在庫として比較的長期間保管されていたも
のである。
【0012】かかる被処理物Wにキセノンフラッシュラ
ンプ2から紫外線および赤外線を含む放射光を照射する
と、被処理物Wの表面において、紫外線の作用により、
ゴムの成分の炭素と酸素の結合や炭素と水素の結合が切
断され、接着剤と親和性を有するカルボニル基や水酸基
などの官能基が生成される。また、同時に赤外線を照射
するので、これらの反応が活性化し、カルボニル基や水
酸基などの官能基の生成が助長される。このため、光処
理された被処理物Wの表面に接着剤を塗布して靴本体の
底面に接着するとき、被処理物Wの表面において、接着
剤への展性となじみが強くなり、接着力を向上させるこ
とができる。
【0013】因みに、放射光に赤外線をほとんど含まな
いオゾン発生タイプの低圧水銀ランプを用いて同様の光
処理を行ったところ、接着力の向上はあまり見られず、
ゴムの成分の炭素と酸素の結合や炭素と水素の結合を切
断する紫外線のみでなく、これらの反応を活性化する赤
外線を含む放射光を照射することが重要であることが分
かった。
【0014】このように、キセノンフラッシュランプ2
の放射光を被処理物Wに照射するので、作業環境は極め
てクリーンである。また、キセノンフラッシュランプ2
が棒状のロングアーク型であるので、例えばレーザ加工
のように走査する必要がなく、極めて短時間、例えば5
秒程度で処理することができる。また、閃光発光による
瞬時の表面処理であるので、被処理物W内部への熱変形
などの悪影響が及ばず、更には、キセノンフラッシュラ
ンプ2の配光特性に多少ムラがあっても、処理ムラが起
りにくい利点もある。
【0015】次に、前記のキセノンフラッシュランプ2
を用い、JIS K6854 「接着剤のはく離接着強
さ試験方法」に基づいて実際に接着強度試験を行った結
果を説明する。 試験条件 被処理物W 黒色のSBR 27×100×5mm 相手材料 天然牛革 有機溶剤系接着剤 ダイアボンドNo888(ノガワケミカル社製) 水性溶剤系接着剤 ダイアボンドDW210(ノガワケミカル社製) 照射エネルギー 500ジュール/cm2 相手材料である天然牛革はバフ処理して光沢を完全に取
り除き、接着剤は被処理物であるSBRとともに塗布
し、室温で20分間乾燥し、更に遠赤外線ヒータにより
70℃で3分間加熱してから両者を圧着し、前記のJI
Sに基づいてはく離試験を行った。パラメータは、光処
理前のバフ研磨の有無および接着剤の有機溶剤系と水性
溶剤系の種類である。なお、比較例として、光処理を行
わないSBRについても同じ試験を行った。その結果を
表1に示す。表1におけるはく離強度の単位はN/25
mmであり、試料数n=3の平均値である。
【0016】
【表1】
【0017】表1から分かるように、「光処理なし」の
比較例に比べて、「光処理あり」の実施例は、バフ研磨
の有無、接着剤の種類にかかわらず接着強度が向上して
おり、ゴム製靴底の接着面に、ロングアーク型のキセノ
ンフラッシュランプからの紫外線および赤外線を含む放
射光を照射することにより大きな接着強度が得られるこ
とが認められた。
【0018】バフ研磨は、前述したとおり、問題点の多
い作業であるが、接着強度から見るとバフ研磨の効果は
大きい。しかし、本発明の光処理によって接着強度を向
上できるので、バフ研磨の必要性は低いが、もし本発明
の光処理とバフ研磨を併用する場合でも、従来行ってい
たバフ研磨よりもずっと簡単なバフ研磨で従来と同水準
の接着強度が得られるので、バフ研磨の問題点を軽減す
ることができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、靴本体
の底面に接着されるゴム製靴底の接着面に接着剤を塗布
する前に、このゴム製靴底の接着面に、ロングアーク型
のキセノンフラッシュランプからの紫外線および赤外線
を含む放射光を照射するので、接着面が荒削りされて保
管されたゴム製靴底の接着力をクリーンな環境で迅速
に、かつ十分に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の接着工程の説明図である。
【図2】本発明を実施すめための装置の説明図である。
【図3】キセノンフラッシュランプの放射スペクトルで
ある。
【符号の説明】 1 灯具 2 キセノンフラッシュランプ 3 点灯電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 靴本体の底面に接着されるゴム製靴底の
    接着面に接着剤を塗布する前に、該ゴム製靴底の接着面
    に、ロングアーク型のキセノンフラッシュランプからの
    紫外線および赤外線を含む放射光を照射することを特徴
    とするゴム製靴底の表面処理方法。
JP10229538A 1998-07-31 1998-07-31 ゴム製靴底の表面処理方法 Pending JP2000041701A (ja)

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