JP2000041688A - プロモ―タ―活性を有するdna断片 - Google Patents

プロモ―タ―活性を有するdna断片

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JP2000041688A
JP2000041688A JP11196728A JP19672899A JP2000041688A JP 2000041688 A JP2000041688 A JP 2000041688A JP 11196728 A JP11196728 A JP 11196728A JP 19672899 A JP19672899 A JP 19672899A JP 2000041688 A JP2000041688 A JP 2000041688A
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promoter
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dna
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Atsuhiko Niina
惇彦 新名
Mitsuo Takano
光男 高野
Naosuke Okada
尚輔 岡田
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Toyobo Co Ltd
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  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 植物細胞において高プロモーター活性を
有する、西洋ワサビペルオキシダーゼアイソザイム遺伝
子由来のDNA断片、該断片を含むベクター、異種遺伝
子を該断片の転写制御下に配置したベクター、並びに該
ベクターで形質転換された植物。 【効果】 本発明のDNA断片は、従来の植物細胞用プ
ロモーターと比較して極めて高いプロモーター活性を有
するので、植物細胞における異種遺伝子の高発現ベクタ
ーの構築に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物細胞内等で異
種蛋白遺伝子を発現させる時、好適に使用されるプロモ
ーター活性を保持するDNA断片、該DNA断片が導入
されたベクター及び該ベクターにより形質転換された宿
主に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子組換え技術の分野では、遺伝子の
発現量を増大させるために強力なプロモーターにより、
産生mRNA量を増大させることが行われている。植物
においては、その様な例としてカリフラワーモザイクウ
ィルス(CaMV)35Sプロモーターが多用されてい
る。しかしながら、このプロモーターを使用して異種蛋
白遺伝子を発現させた場合、必ずしも期待通りの発現量
が得られないことが多い。そこで、更に強力なプロモー
ターの開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、CaMV35Sプロモーターに代わるより強力
な植物プロモーターを提供することであり、該プロモー
ターを利用して異種遺伝子を高発現する形質転換植物を
提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく各種研究を重ねた結果、西洋ワサビの培
養細胞で生産されるペルオキシダーゼに着目した。ペル
オキシダーゼには多くのアイソザイムが存在すると言わ
れ、ペルオキシダーゼを高生産する西洋ワサビの培養細
胞が既に獲得されている[Yamada, Y., et al., J. Che
m. Tech. Bioch., 38: 31 (1987)]。また、この西洋ワ
サビ培養細胞から得たペルオキシダーゼアイソザイムの
ゲノム遺伝子の構造が決定され、その5’上流にプロモ
ーター配列が存在することが確認されている(昭和62年
度日本醗酵工学会講演要旨集, p21)。本発明者らは、こ
の西洋ワサビの培養細胞から、多種のペルオキシダーゼ
アイソザイム遺伝子のクローンを取得し、各クローンの
5’上流部分の下流にリポーター遺伝子を機能的に連結
した発現カセットを含むベクターを構築し、それらを植
物の培養細胞および各種組織に導入してプロモーター活
性について分析したところ、それらのうちの1つが、C
aMV35Sプロモーターよりも数倍高いプロモーター
活性を有することを見い出し、本発明の完成に至った。
【0005】即ち、本発明は、植物細胞においてプロモ
ーター活性を有する西洋ワサビペルオキシダーゼ(以
下、HRPと略称する場合もある)アイソザイム遺伝子
由来のDNA断片であって、タバコ培養細胞において
は、CaMV35Sプロモーターの約4倍またはそれ以
上のプロモーター活性を有することを特徴とするDNA
断片、該DNA断片を含むベクター、特に異種遺伝子、
好ましくは生理活性を有するポリペプチドをコードする
遺伝子、就中ベータ−グルクロニダーゼ、ペルオキシダ
ーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼまたはルシフェラー
ゼをコードする遺伝子が、該DNA断片の転写制御下に
ある上記ベクター、並びに上記のいずれかのベクターに
より形質転換された植物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のDNA断片は、HRPア
イソザイム遺伝子に由来し且つ植物細胞内でプロモータ
ー活性を示すものである。該DNA断片の植物細胞にお
けるプロモーター活性は、従来公知の強力な植物細胞用
プロモーターであるCaMV35Sプロモーターと比較
しても有意に高く、例えば、タバコ培養細胞において
は、CaMV35Sプロモーターの約4倍またはそれ以
上のプロモーター活性を有する。もちろん、該DNA断
片が高いプロモーター活性を発揮し得る宿主植物はこれ
に限定されるものではない。
【0007】本発明のDNA断片の好ましい一実施態様
として、配列表配列番号1に示される塩基配列を有する
DNA断片、またはそれと均等な塩基配列を有し且つプ
ロモーター活性を有するDNA断片が挙げられる。本発
明では、配列番号1に示されるDNA塩基配列は、プロ
モーター活性を損なわない範囲内で一部を削除あるいは
改変してもよい。
【0008】本発明のDNA断片はいかなる方法により
得られてもよいが、例えば、次のようにして調製でき
る。まず、本発明の出発遺伝子である各種ペルオキシダ
ーゼアイソザイム遺伝子は西洋ワサビの培養細胞から常
法に従い、例えば、Molecular Cloning,(1989), p.8,
3,(Cold Spring Harbor Labs.) に記載の方法に従い、
cDNAライブラリーを調製し、Welinderの報告したFE
BS Letters, (1976), 72, 19記載の西洋ワサビのペルオ
キシダーゼのアミノ酸配列に基づき調製したDNAプロ
ーブを用いて、遺伝子を選択することができる。また、
例えば、Molecular Cloning, (1989), p.9,4,(ColdSpri
ng Harbor Labs.)に記載の方法に従い、西洋ワサビの培
養細胞からゲノムライブラリーを調製し、既に得られて
いるアイソザイム遺伝子をプローブにして、更に多くの
ペルオキシダーゼアイソザイム遺伝子を選択することが
できる。なお、これらのペルオキシダーゼアイソザイム
遺伝子の選択方法は、既に本発明者等により発表されて
いる。すなわち、Fujiyama et al., Eur.J.Biochem. 17
3,(1988),681-687において、prxC1a及びprxC
1bと命名されたペルオキシダーゼアイソザイム遺伝子
が単離されたことが記載されており、またFujiyama et
al., Gene, 89, (1990), 163-169 において、prxC
2及びprxC3と命名されたペルオキシダーゼアイソ
ザイム遺伝子が単離されたことが記載されている。
【0009】本発明のDNA断片は、この様にして単離
されたprxC1a,prxC1b,prxC2及びp
rxC3等のクローンを種々の制限酵素によって切断
し、異種蛋白を発現させ、その量を測定することによっ
て、最も高いプロモーター活性を示した5’非翻訳領域
の一部である。
【0010】prxC1aの5’非翻訳領域について
は、制限酵素 XbaI(塩基配列−525)と制限酵素 EcoRI
(塩基配列−5)で切断した断片を調製した。prxC1
bについては、制限酵素 EcoRI(塩基配列−533)と制限
酵素 NSiI(塩基配列+1)で切断した断片を調製した。
prxC2については、制限酵素 XbaI(塩基配列−52
7)と制限酵素 NSiI(塩基配列+5)で切断した断片を調
製した。prxC3については、制限酵素 EcoRI(塩基
配列−484)と制限酵素HindIII(塩基配列+63) で切断
し、更に修飾酵素Exonuculease IIIでHind IIIサイトか
ら−5の位置まで分解した断片を調製した。これらの各
遺伝子の5’非翻訳領域のプロモーター活性の検索は、
レポータ遺伝子としてベータ−グルクロニダーゼ(GU
S)遺伝子を用い、それと5’非翻訳領域とのキメラ遺
伝子を作製し、それらとpUC系プラスミドまたはpB
I系プラスミドとから発現プラスミドを構築し、これら
を植物プロトプラストに導入することにより、または、
植物形質転換体を作製し、GUS遺伝子の発現量を測定
することにより行うことができる。その結果、第1図に
示すprxC2の5’非翻訳領域がCaMV35Sプロ
モーターよりも高い活性を示し、更にprxC1a,p
rxC1b,prxC3の5’非翻訳領域よりも高い活
性を示すことが見出された。
【0011】本発明のプロモーター活性を有するDNA
断片はpUC系プラスミド、pBI系プラスミド等のプ
ラスミドベクター中に挿入され、異種蛋白遺伝子を発現
させるためのベクターとして使用される。
【0012】プロモーター活性を有するDNA断片の各
種プラスミドへの挿入は、DNA組換えの一般的方法、
例えば、Molecular Cloning, (1989),(Cold Spring Har
borLabs.)に記載の方法に従って行うことができる。例
えばprxC2の5’非翻訳領域を含む XbaI/NsiI断
片はpUC18の XbaIと PstIで切断したマルチクロ
ーニングサイトとライゲーションすれば、プラスミドp
UC18に挿入することができる。
【0013】本発明のDNA断片を含有するベクター
は、ベータ−グルクロニダーゼ(GUS)、ペルオキシ
ダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ、ルシフェラーゼ
等各種動植物、酵母等の異種生物由来の遺伝子を発現さ
せるのに好適である。また、本発明のベクターは、植物
細胞または、酵母細胞等の宿主を形質転換するのに好適
に用いられる。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に於いて限定されるものではない。
【0015】実施例1 [1] ペルオキシダーゼアイソザイム遺伝子の調製 西洋ワサビゲノムDNAライブラリーの調製 西洋ワサビの茎から誘導された培養細胞〔Fujiyama et
al., Structure of the horseradish peroxidase isozy
me c genes, Eur.,J.Biochem, 173,(1988),681-687〕か
ら〔Blin and Stafford Nucleic Acids Res.3, (197
6), 2303-2308]の方法で全DNAを調製した。次にこれ
らをManiatisの方法で制限酵素 Sau3AIで部分分解し
た。この部分分解断片を10〜40%シュクロース密度勾配
遠心分離(33,000rpm, 16時間) で分画し、10〜20kbの長
さのDNA断片を回収した。これを更にアルカリフォス
ファターゼで処理し、脱リン化した後、あらかじめBamH
Iと SalIで処理したλEMBL4(プロメガ製) とライゲー
ションし、Horn(1979)の方法によりパッケージングし
た。組換えファージで感染のためE.coli NM539を使用し
た。
【0016】 西洋ワサビペルオキシダーゼゲノムの
選択 西洋ワサビペルオキシダーゼのcDNAクローンをpS
K1(上記の文献の、PstIで切り出した1.3 kbのDN
A) をマルチプライムDNAラベリング系(Amersham)を
使用して32Pでラベルした。E.coli NM539に感染させて
生じたプラークをナイロン膜に移した後、上記のラベル
したcDNAプローブでプラークハイブリダイゼーショ
ンを行った。ポジティブクローンを精製後、ファージD
NAの制限酵素切断断片をサザーンブロッティングを行
い、cDNAとハイブリダイズするDNA断片をpUC
19にサブクローンした。pSK1に挿入されている32
P−ラベルcDNAとハイブリダイズする9個の組換え
λEMBL4ファージを6×104 の組換えファージの
中から分離した。これらのファージのハイブリダイゼー
ションの強度は、3クラスに分離された。ハイブリダイ
ゼーションの強度が最も強いクローン(クラス1)のう
ち、1クローンがprxC1a、prxC1b遺伝子を
ランダムに含んでいることがわかった。ハイブリダイゼ
ーションの強度が余り強くないクローン(クラス2)の
4個の組換えクローンはcDNAプローブとハイブリダ
イズする EcoRI制限断片(4kb)を含んでいた。また、
ハイブリダイゼーション強度が最も弱いクラス(クラス
3)は、プローブとハイブリダイズする EcoRI(1.5 k
b、0.8 kb) を含んでいた。これらの EcoRI断片及びク
ラス2、クラス3のクローンから得られる他の制限酵素
切断断片とオーバーラップする断片をpUC19にサブ
クローンし、塩基配列を決定した。これらの塩基配列を
prxC1a及びprxC1bの塩基配列とそれから予
測されるアミノ酸配列比較した結果、ペルオキシダーゼ
アイソザイム遺伝子prxC2及びprxC3と命名し
【0017】[2] DNA断片の調製 前記[1] で得たprxC2を制限酵素 XbaI(塩基配列
−527)と NsiI(塩基配列+5)で切断し、配列表配列
番号1に示されるDNA断片を得た。
【0018】[3] タバコプロトプラストでのprxC2
の5’非翻訳領域のプロモーター活性の確認 DNA組換えの為の一連の遺伝子操作は、基本的には、
Molecular Cloning, (1989),(Cold Spring Harbor Lab
s.)に従って行った。前記[2] で得たprxC2の5’
非翻訳領域532bp(第1図)とGUS遺伝子とのキ
メラ遺伝子を作製し、更にそれらをpUC18につな
ぎ、発現プラスミドを構築した。比較のために、prx
C2の5’非翻訳領域 XbaI/ NsiI断片の代わりに、
CaMV35Sプロモーターを用いた発現プラスミドも
構築した。これらの発現プラスミドをエレクトロポレー
ション法によりタバコプロトプラストに導入し、24時
間後のGUS活性を測定した。GUS活性は以下のよう
にして測定した。酵素抽出液300μlに、2mM メチル
ウンベリフェリルグルクロナイドを含む抽出液(50mM リ
ン酸緩衝液, pH7.0 、10mM EDTA 、0.1%トリトンX-100
、0.1%ラウリルザルコシン、10mM β−メルカプトエ
タノール) を300 μl加え、37℃、1 時間酵素反応を行
った。0.2 M Na2CO3 2.4mlを加えて反応を停止させ、生
成物4-メチルウンベリフェロンの蛍光量を蛍光光度計を
用いて測定(Ex. 365nm, Em. 455nm)した。4-メチルウン
ベリフェロン量は4-メチルウンベリフェロンを用いて作
製した標準曲線より求め、それを基にGUS活性を算出
した。蛋白質濃度はBio-Rad 社のプロテインアッセイキ
ットを用いて測定した。その結果を表1に示す。この結
果より、prxC2の5’非翻訳領域にはプロモーター
活性があり、しかも汎用されているCaMV35Sプロ
モーターよりも約4倍以上の強い活性を有することがわ
かる。
【0019】
【表1】
【0020】[4] トランスジェニックタバコ細胞でのp
rxC2の非翻訳領域のプロモーター活性の確認 prxC2の5’非翻訳領域とGUS遺伝子とのキメラ
遺伝子のプラスミドpBI101へのつなぎ換えは図1
に示した。即ち、prxC2の5’非翻訳領域、GUS
遺伝子、及びpUC18から成る組換プラスミドからp
rxC2の5’非翻訳領域とGUS遺伝子部分を含む P
vuII/ EcoRI断片を切り出した。一方、pBI101は
HindIII/ EcoRIで切断後、HindIII切断末端をクレノー
酵素で修復し平滑末端とし、 PvuII/ EcoRI断片を挿入
した。トランスジェニックタバコの作製は、目的のキメ
ラ遺伝子をTriparental Maiting 法によりアグロバクテ
リウム(Agrobacterium) に導入し、このキメラ遺伝子の
入ったアグロバクテリウム(Agrobacterium) を用いてLe
af Disc 法によりタバコ細胞を形質転換した。
【0021】 キメラ遺伝子のアグロバクテリウム(A
grobacterium) への導入 prxC2の5’非翻訳領域とGUS遺伝子及びpBI
101から構築された組換プラスミドで形質転換された
E.coliC600 (ドナーと称する) 、pRK2013を保
持するE.coliHB101(ヘルパーと称する)をそれぞ
れ50μg/mlカナマイシン含有LB培地で37℃、一夜
培養した。アグロバクテリウムツメファシエンス(Agrob
acterium tumefaciens)LBA 4404 株は、LB培地5Lで
25〜28℃、約36時間培養した。各培養液は、1.5
ml容エッペンドルフチューブにとり、遠心により集菌し
た。菌体は0.5 〜1 mlの10mM MgSO4で3回ほど洗浄した
後、約30μlの10mM MgSO4に懸濁した。各菌体懸濁液
は、ドナー、ヘルパー、アグロバクテリウムツメファシ
エンス(A. tumefaciens) の順でLBプレート上にスポ
ットし、25℃、一夜混合培養した。混合培養菌体は、
白金耳等でかき取り、1mlの10mM MgSO4に懸濁し、102
〜105 倍に希釈し、その50μlを400 μg/mlカナマ
イシン含有MinAプレート[MinA 培地(表2参照)の
入ったシャーレ〕に蒔き、25〜28℃、2〜3日培養し、
キメラ遺伝子が導入されたアグロバクテリウムツメファ
シエンス(A. tumefaciens) の単一コロニーを取得し
た。
【0022】
【表2】
【0023】 Leaf Disc法によるタバコの形質転換 キメラ遺伝子を保持するアグロバクテリウムツメファシ
エンス(A. tumefaciens) を50μg/mlカナマイシン含
有LB培地5ml中、25〜28℃、一夜培養したものを、シ
ャーレに移し、そこに5mm角に切った無菌タバコの葉を
表皮を下に、気孔を上にして3分間浸汐した。余分の菌
液をキムワイプで除き、LS培地プレートに置床し、25
℃で培養した。2日後、除菌用培地プレート(第2表)
に移植、3日後、シュート形成用培地(第2表)へ移植
した。その後、5〜7日間隔でシュート形成用培地へ移
植し続けた。茎葉部の発達したシュートが出てきたら切
取り、除菌用培地に移植した。成育した幼植物体は、バ
ーミキュライトとピートモスを1:1に混合し、これに
約1g/Lのハイポネックス溶液を充分混合したものを
含む植木鉢へ移し、一日の内14時間は10,000ルックスの
光を照射し、25℃で栽培した。なお、水は毎日与え、ハ
イポネックス等の肥料は週に一回与えた。
【0024】 トランスジェニックタバコの各器官で
のGUS活性 丈が約10cmまで成長した形質転換タバコを葉、茎、根に
分けて液体窒素で凍結させ、300 〜1000mgをエッペンド
ルフチューブに分取した。抽出緩衝液(50mM リン酸緩衝
液, pH7.0 、10mM EDTA 、0.1 %トリトンX-100 、0.1
%ラウリルザルコシン、10mM β−メルカプトエタノー
ル)300 〜 600 μlと海砂を加え、ガラス棒で粉砕
し、遠心分離により上清を回収した。GUS活性及び蛋
白量の測定は前述[3]記載の方法に従った。その結果を
表3に示した。プロモーターが存在しないとGUS遺伝
子の発現はほとんど認められないが、prxC2のプロ
モーターが存在すると葉、茎、根、いずれの器官でも高
いGUS活性が認められ、prxC2のプロモーターが
いずれの器官でも高く発現しうることが示された。また
prxC2のプロモーターは、同様に測定したprxC
1aおよびprxC1bのプロモーターよりも高いGU
S活性を示した。
【0025】
【表3】
【0026】[5] トランスジェニックタバコ植物体のカ
ルス化によるGUS活性の誘導 各種形質転換タバコ植物体の葉部を5 mm〜1 cm角に切取
り、これをカルス誘導培地(表2参照)に置床し、25
℃、暗所下で2〜3週間培養し形成された各カルスのG
US活性を前述[3] 記載の方法に従い測定した。その結
果を表4に示した。CaMV35Sプロモーターを導入し
たものではカルス化してもGUS活性は誘導されず、比
活性はむしろ低下した。他方、prxC2のプロモータ
ーを導入したものではカルス化により更に約40倍活性が
上昇し、prxC2のプロモーターがカルス化に伴い、
より誘導的に強く発現することが示された。また、pr
xC2のプロモーターは、同様に測定したprxC1a
およびprxC1bのプロモーターよりもカルス化に伴
い、より誘導的に強く発現することが示された。
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】本発明のDNA断片は、植物細胞内等で
良好なプロモーター活性を有するので、各種異種遺伝子
を発現し得る発現ベクターに有利に使用し得る。本発明
のベクターは、種々の有用なポリペプチドを宿主内で効
率よく発現させることができる。
【0029】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Toyo Boseki Kabushiki Kaisha <120> DNA Fragment Having Promoter Activity <130> A-4004 <160> 1 <210> 1 <211> 532 <212> DNA <213> Armoracia rusticana <220> <221> promoter <222> (1)...(527) <400> 1 ctagagtcat tttcattttt ataatcttat agtttatgat agatcataaa tttgaattta 60 taatatatgt gtttgcaaat ttgcataaga aattcattag taccttttat ttatcgtgta 120 aatatttttt ttctaaatat taaatattta agttgaaact acaaatttat aaaaatacaa 180 attgaattta taaatgtatt caaagtacat aaaagaaaag attctatatt ataaacacgt 240 gatattcttt aaattttaat ccaatttgcc gaaagaaaac agaaactttt aaaccacttt 300 gtacagaatt attaaacaca ttgtcgtatt atcttccaca tgtaataagt caggtattgg 360 ataagagtat atttatacac cacttgagta caaatatctc caataattca caaaaagtaa 420 aagccgccga gcttcctttt ttgcttataa aaggatttgt taagacgaaa ctttattcac 480 tcaacttcaa acctaaccaa agaattttat cttagagagc aaagaaa atg ca 532 Met 1
【図面の簡単な説明】
【図1】prxC2の5’非翻訳領域をpBI101の
GUS遺伝子の上流に組込む方法を示す図である。な
お、図中において、C2はprxC2を、GUSはベー
ターグルクロニダーゼを、NPTIIはネオマイシンリン
酸転移酵素の遺伝子を表わしている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物細胞においてプロモーター活性を有
    する西洋ワサビペルオキシダーゼアイソザイム遺伝子由
    来のDNA断片であって、タバコ培養細胞においては、
    カリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターの約
    4倍またはそれ以上のプロモーター活性を有することを
    特徴とするDNA断片。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のDNA断片を含むベクタ
    ー。
  3. 【請求項3】 異種遺伝子が該DNA断片の転写制御下
    にある請求項2記載のベクター。
  4. 【請求項4】 異種遺伝子が生理活性を有するポリペプ
    チドをコードする遺伝子である請求項3記載のベクタ
    ー。
  5. 【請求項5】 該ポリペプチドがベータ−グルクロニダ
    ーゼ、ペルオキシダーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ
    およびルシフェラーゼからなる群より選択される請求項
    4記載のベクター。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかに記載のベクタ
    ーにより形質転換された植物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8552256B2 (en) 2008-04-11 2013-10-08 National Institute Of Agrobiological Sciences Gene capable of being expressed specifically in endosperm of plant, promoter for the gene, and use of the gene and the promoter

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US8552256B2 (en) 2008-04-11 2013-10-08 National Institute Of Agrobiological Sciences Gene capable of being expressed specifically in endosperm of plant, promoter for the gene, and use of the gene and the promoter

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