JP2000040514A - 非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池

Info

Publication number
JP2000040514A
JP2000040514A JP11139634A JP13963499A JP2000040514A JP 2000040514 A JP2000040514 A JP 2000040514A JP 11139634 A JP11139634 A JP 11139634A JP 13963499 A JP13963499 A JP 13963499A JP 2000040514 A JP2000040514 A JP 2000040514A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
carbonaceous powder
secondary battery
carbonaceous
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11139634A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Kato
明男 加藤
Noritoshi Takao
憲利 高尾
Tomiyuki Kamata
富行 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP11139634A priority Critical patent/JP2000040514A/ja
Publication of JP2000040514A publication Critical patent/JP2000040514A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 負極活物質として用いたときに電極反応速度
に悪影響を及ぼしたり、電極形成用ペーストの流動特性
を低下させることなく、電解液の分解を防止し、不可逆
容量の小さい非水系二次電池を与える炭素質粉末を提供
する。 【解決手段】 画像解析法による粒子形状解析で求めら
れるマイクロラフネスの値が1×106 μm以下である
非水系二次電池用炭素質粉末。この炭素質粉末は、炭素
質材料を微粉砕し、得られた炭素質粉末に機械的な摩擦
力を加えるか、又は、得られた炭素質粉末を酸素濃度5
00ppm以下の雰囲気下で、400℃以上の温度で加
熱処理することにより製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系二次電池用
炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを負極活物質
とする非水系二次電池に関するものである。詳しくは、
非水系二次電池用電極材料として特に好適な炭素質粉末
及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器等の小型軽量化や高機能
化の点から、小型軽量で高性能な電池、特に繰り返し充
放電可能な二次電池の需要が高まってきている。この様
な要求に合致する電池としては、ニッケル水素二次電池
やリチウム二次電池等の非水系二次電池が挙げられる
が、軽量でかつ高電圧が得られる点でリチウム二次電池
が注目されており、飛躍的な生産の伸びが見込まれてい
る。
【0003】リチウム二次電池には、負極活物質として
主に、コークス等の炭素や、天然黒鉛等の黒鉛といった
炭素質材料が粉末の形で使用されている。また、負極活
物質としてのみならず、正極にもこれらの炭素質粉末
が、導電材料として使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】炭素質粉末を負極活物
質として用いる場合には、これを結着材及び溶媒と混合
してペースト化し、このペーストを導電基材となる金属
箔上に塗布して電極を形成するが、電池容量には寄与し
ない結着材の使用量を少しでも減少させるため、低比表
面積の炭素質粉末が求められていた。また、負極活物質
の炭素質材料は、電解液との相互作用を介して電極反応
に関与しているが、炭素質材料の表面活性が大きすぎて
相互作用が強すぎると、電解液の分解を招いて不可逆容
量を増加させたり、充放電の反復に伴う容量の低下率が
大きくなったりすることがあり、この点からも表面活性
の小さい、低比表面積の炭素質粉末が求められていた。
【0005】炭素質粉末の比表面積を小さくするには、
例えば粉末の平均粒度を大きくする、あるいは粒度分布
範囲を狭くする、といった方法があるが、電極反応速度
に悪影響を及ぼしたり、電極形成用ペーストの流動特性
を低下させるといったことが多く、必ずしも適切な方法
ではなかった。本発明者等は、粒度を操作することなく
低比表面積の炭素質粉末を得る方法を検討した結果、粉
砕後の粉末を構成する粒子の表面には微細な荒れ、毛羽
立ちが存在し、かつこの微細な荒れ、毛羽立ちが比表面
積に寄与する割合が大きいことを見出した。そして、こ
の微細な荒れ、毛羽立ちを機械的な摩擦力を加えて除去
したり、低濃度の酸素雰囲気下で加熱して酸化除去した
りすれば、大幅に比表面積が低下することを見出し、本
発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、画像解析法による粒子形状解析で求められるマイク
ロラフネスの値が1×106 μm以下、好ましくはこれ
に加えて比表面積が5m2 /g以下の非水系二次電池用
の炭素質粉末を提供することにある。また、炭素質材料
を微粉砕して所定の粒度の炭素質粉末を得た後、この粉
末に機械的な摩擦力を加えるか、又はこの粉末を低濃度
の酸素雰囲気下で加熱することにより、上記の特性を有
する非水系二次電池用の炭素質粉末を製造する方法を提
供することにある。さらには上記の特性を有する炭素質
粉末を負極活物質とする非水系二次電池を提供すること
にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず本発明において炭素質粉末の原料として用いられる
炭素質材料としては、例えば、コールタール等の石炭系
重質油、FCC(流動接触分解)残渣油等の石油系残渣
油、さらにはナフタレンやアントラセン等の多環芳香族
化合物を加熱処理して得られるタール状物質を、オート
クレーブやディレードコーカーでコークス化したものが
挙げられる。
【0008】また、フェノール樹脂やフラン樹脂、ある
いは木材や竹材、さらには石炭等を、加熱して得られる
炭素化物も使用することができる。これらのコークス化
物や炭素化物は、少なくとも700℃以上の最終加熱温
度を経ていることが、リチウム二次電池などの非水系二
次電池用炭素質材料として望ましい。また、上記のコー
クス化物や炭素化物を、さらに3000℃近くまで加熱
して得られる人造黒鉛質物質や、天然黒鉛等も、炭素質
材料として用いることができる。
【0009】本発明の炭素質粉末を製造するには、まず
上記の炭素質材料を微粉砕して、所定の粒度及び粒度分
布を持つ粉末にする。粉砕の方法、及び粒度調整のため
の分級等の方法は特に限定されるものではなく、衝撃式
粉砕機、ジェット式粉砕機、ボールミルといった微粉砕
機が使用できる。また、分級も篩を始め、各種の風力式
分級機が使用できる。
【0010】粒度及び粒度分布は本発明での必要上から
規定されるものではなく、非水系二次電池の性能面及び
製造面の要請から決定されるものである。通常は平均粒
度で5〜100μm、最大粒度で300μm以下の範囲
のものが、多くの場合には平均粒度で5〜30μm、最
大粒度で100μm以下の範囲のものが使用されてい
る。
【0011】本発明の炭素質粉末を製造する第1の製造
方法では、粉砕、分級に続いて、炭素質粉末に機械的な
摩擦力を加える操作を実施する。さらなる粉砕の進行を
防ぎながら、機械的な摩擦力で粉末粒子表面の微細な荒
れ、毛羽立ちを除去するためには、V型ブレンダーやパ
ドルミキサーの様な粉体混合機や、ニーダーやバンバリ
ーミキサー、あるいはスクリュー押出機の様な混練機
で、粉末を一定時間攪拌、混合するといった方法が挙げ
られる。
【0012】この方法によれば、攪拌、混合が行われる
過程で、粉体を構成する粒子同士が擦れ合い、この時に
生じる摩擦力で粉末粒子表面の微細な荒れ、毛羽立ちが
除去されてゆく。有効な摩擦力を得るためには粉体に荷
重がかかっていることが望ましいが、この荷重は粉体自
身の自重で容易に得ることができる。すなわち、装置に
一定量以上の粉体を装入して処理すればよく、その量は
1kg以上、好ましくは5kg以上である。
【0013】攪拌、混合の時間は使用する設備や、粉体
の粒度等によって異なってくるが、通常10分間以上、
好ましくは30分間以上で比表面積低減の効果が得られ
る。
【0014】具体的な例を示すと、例えば15L容積程
度の双腕型混練機(ニーダー)を使用する場合は、炭素
質粉末を攪拌羽根が隠れる程度の量である10〜15
L、重量にして10〜15kg(粉末の嵩密度が1g/
cm3 である場合)充填する。次いで攪拌を開始して少
なくとも10分間以上、好ましくは30分間以上の攪拌
を行う。攪拌時間が長くなれば、粉末の比表面積の低下
も大きくなるが、最初の60分までの低下が大きく、以
後低下幅は徐々に小さくなってくるので長大な時間は必
要でなく、通常3時間以下、長くても5時間以下の攪拌
時間で充分である。
【0015】攪拌の速度も、攪拌羽根が空廻りして実質
的に粉体の攪拌、混合が起こらなくなる程過大でなけれ
ば、特に制約されるものではないが、通常この様式の混
練機の場合では5〜50rpmの範囲で運転される。ま
た、攪拌の強さ(攪拌トルク)も、過大なものは必要な
く、充填された粉体の攪拌、混合が起こるだけのものが
あれば充分であり、通常この様式の混練機の場合は、本
発明の目的を果たすために必要とされる以上の攪拌強さ
を備えている。
【0016】炭素質粉末に機械的な摩擦力を加える方法
としては、その他に、円盤ミルやスタンプミルの様な、
粉体にかかる摩擦力が相対的に大きい粉砕機で、粉体に
かかる粉砕負荷を抑制しながら、すなわち粉砕が起こら
ないような軽い負荷がかかる程度の運転で処理するとい
った方法を採ることもできる。また粉体を、変形しうる
容器、例えば紙袋、ビニール袋等に、容器内で動き得る
程度に充填した後封をし、次いで容器に繰り返し歪みを
加えるという方法を採っても、本発明の目的を達するこ
とができる。
【0017】本発明の炭素質粉末を製造する第2の製造
方法では、粉砕、分級に続いて、炭素質粉末を低濃度の
酸素雰囲気下で加熱処理する操作を実施する。加熱処理
は、ロータリーキルン、電気炉等で行われ、特に制限は
されないが、処理の効果を上げるために、粉末を50m
m以下程度の薄い積層状態にしたり、攪拌等により粉末
表面が気中にさらされる様にしたり、さらには粉末を流
動層状態にしたりすることが好ましい。
【0018】加熱温度は、雰囲気中の酸素濃度によって
最適温度が異なってくるが、通常400℃以上、好まし
くは800〜1500℃、更に好ましくは800〜12
00℃の範囲である。また、加熱時間も雰囲気中の酸素
濃度、最終温度に到達するまでの時間によって異なって
くるが、通常15分間以上、好ましくは15分〜3時間
の範囲である。
【0019】雰囲気中の酸素濃度は、高すぎると処理す
る炭素質粉末の過大な酸化、すなわち燃焼消耗を招いた
り、炭素質粉末粒子を賦活して微細な気孔を生成させ、
かえって比表面積を増加させることがあるので、通常5
00ppm以下、好ましくは20〜300ppm、更に
好ましくは20〜100ppmの範囲であることが望ま
しい。
【0020】雰囲気中の酸素濃度は、窒素、アルゴン等
の不活性ガス中に、空気、酸素を所定の酸素濃度になる
ように混合することで、容易に調節できる。また、酸素
に限らず、他の酸化性ガスを併用したり、単独で使用す
ることも可能である。
【0021】粉砕後の炭素質粉末粒子の表面には、微細
な荒れ、毛羽立ちがあるが、その程度は画像解析法によ
る粒子形状解析によって、マイクロラフネスという値で
数値化することができ、この値が大きければ荒れ、毛羽
立ちも大きいということになる。この様な画像解析装置
としては、例えば(株)セイシン企業製の粒子形状測定
装置“ジュリエット・イメージ・アナライザー”があ
り、多数、通常300以上の粉末粒子の拡大投影粒子像
を観察、解析することで、粉末粒子の寸法的要素、形状
的要素、形態的要素を把握することができる。
【0022】形態的要素のひとつであるマイクロラフネ
スは、投影粒子画像の輪郭を、非常に小さな単位(ピク
セル(画素))でなぞり、その図形をフーリエ展開して
指数化した値であり、値が大きい程粒子表面の荒れ、毛
羽立ちも大きいことを示すが、次の様に定義される。
【0023】
【数1】
【0024】幾何学的には図1の粒子外縁のフーリエ表
記において、R(θ)は粒子輪郭(すなわち、外縁要
素)のフーリエ表記であり、{(an,n )}はデカル
ト・フーリエ係数でnは調和数である。L2nは構造理論
により定義されるフーリエ“形状”項であり、R0 は粒
子輪郭と同等の半径(すなわち円相当径)である。
【0025】粉砕後の炭素質粉末のマイクロラフネス値
は、使用する粉砕機の種類によって、また粉末の粒度に
よって多少異なってくるが、通常1×106 〜5×10
7 μmの範囲にある。この値は、本発明方法により機械
的な摩擦力を粉砕後の炭素質粉末に加えたり、低酸素雰
囲気下で加熱処理することによって低下し、1×10 6
μm以下、通常5×104 〜1×106 μmの範囲まで
低下させることができる。
【0026】一方、炭素質粉末の比表面積は、粒子の形
状、粒子表面の凹凸度合い、気孔の量等によって変わっ
てくるが、とりわけ粒子表面の微細な凹凸度合い、すな
わち荒れ、毛羽立ちの様なマイクロラフネス値で表され
る微細な凹凸度合いの影響が大きいことが検討の結果判
った。粉末の比表面積は、その粒度に依存する所が大き
いので、本発明における炭素質粉末の比表面積を一律に
規定することは困難であるが、例えば、粉砕後には通常
5〜8m2 /g程度の比表面積を持つ、平均粒度15〜
20μm程度の粉末の場合、本発明方法により機械的な
摩擦力を粉砕後の炭素質粉末に加えることでマイクロラ
フネスを低下させることにより、粒度を変化させること
なく、5m2 /g以下、好ましくは1〜5m2 /g程度
の比表面積まで低下させることができる。
【0027】炭素質粉末の平均粒度が異なれば、元の比
表面積も異なり、その結果本発明方法を適用後の比表面
積も異なってくるが、粒度自体が比表面積に影響する割
合が大きくなってくる小粒度側で、比表面積低下の程度
が小さくなるといったことはあるものの、平均粒度15
〜20μm程度の粉末の場合と同様の効果があることは
言うまでもない。また、大粒度側では、粉砕後に既に比
表面積が5m2 /g以下になることがあるが、この場合
でも、本発明方法の適用でさらなる比表面積の低下を得
ることができる。
【0028】尚、本発明で得られる非水系二次電池用炭
素質粉末の好ましい平均粒度は5〜30μm、更に好ま
しくは15〜20μmである。
【0029】上記の、炭素質粉末に機械的な摩擦力を加
える操作又は低濃度の酸素雰囲気下で加熱処理を行った
後の処理は任意に行ないうるが、そのままでリチウム二
次電池等の非水系二次電池用の負極活物質等として好適
に使用できる、低比表面積の炭素質粉末となる。すなわ
ち、常法に従い結着材、溶媒と混合してペースト化し、
導電基材の金属箔上に塗布して電極を形成することが可
能であり、結着材の使用量の低減や、電池の不可逆容量
の低減、充放電の反復に伴う容量低下の低減が期待でき
る。
【0030】本発明の炭素質粉末を活物質として負極を
製造するには、常法により、この炭素質粉末を結着材及
び溶媒と混合してペーストを調製し、これを導電基材で
ある銅、ニッケル等の金属箔上に塗布して乾燥させ、次
いで所定の形状に切断したり加圧成型すればよい。結着
材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテト
ラフルオロエチレンや、エチレン−プロピレン−ジエン
ゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などの合成
ゴムが用いられる。溶媒としては通常は結着材を溶解す
る有機溶媒、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサン、酢酸メチルなどが用いられる。ま
た、場合によっては水に分散剤や増粘剤等を加えたもの
を溶媒(分散媒)とすることもある。
【0031】本発明の炭素質粉末を活物質とする負極と
組合せる正極及び電解液としては常用のものを用いるこ
とができる。すなわち正極活物質としては、LiCoO
2 、LiNiO2 、MnO2 、TiS2 、FeS2 、N
3 4 、Mn3 4 、CoS2 、V2 6 、P
2 5 、CrO3 、V3 8 、TeO2 、GeO2 等が
用いられる。電解質としてはLiClO4 、LiB
4 、LiPF6 、LiAsF6、LiB(C6 5
4 、LiCl、LiBr、LiCF3 SO3 等が用いら
れ、電解質を溶解する非水溶媒としてはプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネー
ト等のカーボネート類、テトラヒドロフラン、ジオキソ
ラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシ
エタン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒を
通常はいくつか混合して用いる。
【0032】正極と負極とを隔離するセパレータとして
は、通常はポリエチレンやポリプロピレン等の多孔性フ
ィルムや不織布が用いられる。ガラスフィルターなどを
用いることもできる。電池の構造としては、負極及び正
極をセパレータを介して渦巻き状に巻いたスパイラル構
造、又はボタン型の電池ケースに正極と負極とをセパレ
ータを介して収容した構造など常用のものを用いること
ができる。なお、電池ケースとしては、通常はステンレ
ススチール製ないしはこれにニッケルメッキしたものが
用いられる。
【0033】
【実施例】実施例−1 コールタールをコーキングして得た生コークスを、11
00℃の温度で加熱処理して仮焼コークスを得た。次い
で、この仮焼コークスをジェットミルにて微粉砕し、気
流式分級機、サイクロンで粒度調整して、平均粒度1
8.1μm、最大粒度101μm以下のコークス微粉末
を得た(粒度の測定は、堀場製作所製レーザー回折散乱
方式粒度測定装置LA−500による)。
【0034】このコークス微粉末の比表面積は5.9m
2 /gであり(島津製作所製BET多点方式比表面積測
定装置ジェミニ2360による)、画像解析法において
粉末粒子表面の微細な凹凸の程度を表すマイクロラフネ
スの値は30.8×105 μmであった(セイシン企業
製粒子形状測定装置ジュリエット・イメージ・アナライ
ザーによる)。
【0035】このコークス微粉末を、15Lの容積を持
つ双腕型混練機(井上製作所製ニーダー)に10kg充
填し、22rpmの攪拌速度で、10、30、60、1
20、240分間の攪拌、混合処理をそれぞれ行った。
処理後の各微粉末の平均粒度、比表面積、マイクロラフ
ネス値を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】実施例−2 実施例−1で得たものと同じ仮焼コークスを、衝撃式粉
砕機にて粗粉砕し、最大粒径約5mmのコークス粗粉末
を得た。この粗粉末を黒鉛製の箱形容器に充填し、アチ
ソン炉にて約2900℃の加熱処理を行って人造黒鉛化
した。
【0038】次いで、この人造黒鉛をジェットミルにて
微粉砕し、気流式分級機、サイクロンで粒度調整して、
平均粒度14.1μm、最大粒度101μm以下の人造
黒鉛微粉末を得た。この人造黒鉛微粉末の比表面積は
6.3m2 /gであり、マイクロラフネスの値は49.
2×105 μmであった。
【0039】この人造黒鉛微粉末を、15Lの容積を持
つ双腕型混練機(井上製作所製ニーダー)に10kg充
填し、22rpmの攪拌速度で、60分間の攪拌、混合
処理を行った。処理後の微粉末の平均粒度は14.0μ
mであり、比表面積は3.8m2 /gであった。また、
マイクロラフネス値は4.2×105 μmであった。
【0040】実施例−3 実施例−1で得たものと同じ仮焼コークスをジェットミ
ルにて微粉砕し、気流式分級機、篩で粒度調整して、平
均粒度62μmのコークス微粉末を得た。このコークス
微粉末の比表面積は3.7m2 /gであり、マイクロラ
フネスの値は39.6×105 μmであった。
【0041】このコークス微粉末を、15Lの容積を持
つ双腕型混練機(井上製作所製ニーダー)に10kg充
填し、22rpmの攪拌速度で、60分間の攪拌、混合
処理を行った。処理後の微粉末の平均粒度は56μmで
あり、比表面積は1.9m2 /gであった。また、マイ
クロラフネス値は7.4×105 μmであった。
【0042】実施例−4 実施例1で得た平均粒度18.1μm、比表面積5.9
2 /g、マイクロラフネス30.8×105 μmのコ
ークス微粉末を、黒鉛製のトレイ中に40mmの厚さで
入れ、箱形の電気炉中で、酸素濃度50ppmの窒素流
通雰囲気下、10℃/分で400〜1500℃まで昇温
して、1時間、一部は5時間まで、の保持をした。処理
後の各微粉末の平均粒度、比表面積、マイクロラフネス
値、及び処理の歩留を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】実施例−5 実施例1で得た平均粒度18.1μm、比表面積5.9
2 /g、マイクロラフネス30.8×105 μmのコ
ークス微粉末を、黒鉛製のトレイ中に40mmの厚さで
入れ、箱形の電気炉中で、酸素濃度50ppmの窒素流
通雰囲気下、10℃/分で1200℃まで昇温して、1
5分〜5時間の保持をした。処理後の各微粉末の平均粒
度、比表面積、マイクロラフネス値、及び処理の歩留を
表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】実施例−6 実施例1で得た平均粒度18.1μm、比表面積5.9
2 /g、マイクロラフネス30.8×105 μmのコ
ークス微粉末を、黒鉛製のトレイ中に40mmの厚さで
入れ、箱形の電気炉中で、酸素濃度20〜1000pp
mの窒素流通雰囲気下、10℃/分で1200℃まで昇
温して、1時間の保持をした。処理後の各微粉末の平均
粒度、比表面積、マイクロラフネス値、及び処理の歩留
を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】実施例−7 表1に記載の処理時間0分、30分及び120分の炭素
質粉末を負極活物質としてリチウム二次電池を製作し、
その充放電特性を評価した。 負極:炭素質粉末90重量部と結着材のポリフッ化ビニ
リデン10重量部との混合物にN−メチルピロリドンを
加えてペースト化し、これを厚さ20μmの銅箔に乾燥
プレス後の厚さが60μmとなるように塗布して乾燥し
た。次いで1000kg/cm2 の圧力でプレスしたの
ち直径13mmの円板状に打抜いて負極とした。 対極:厚さ0.4mmのリチウム金属箔を直径16mm
の円板状に打抜いたものを、ステンレススチール製の金
網に圧着したものを用いた。 電解液:容量比でプロピレンカーボネート:エチレンカ
ーボネート:ジエチルカーボネート=30:30:40
の混合溶媒に、過塩素酸リチウム(LiClO4)を1
モル/Lとなるように溶解したものを用いた。 セパレータ:多孔性のポリエチレンフィルムを用いた。
ステンレススチール製の電池ケースに、負極と対極とを
電解液を含浸させたセパレータを介して積層したものを
収容し、絶縁体を介して蓋を取付けてリチウム二次電池
を製作した。この電池について、0.1mA/cm2
電流密度で、電圧が3mV(対Li極)となるまで定電
流で充電し、次いで0.1mA/cm2 の電流密度で
1.5Vとなるまで定電流で放電するサイクルを反復し
た。初回の充放電容量と効率(放電容量/充電容量)及
び200回充放電を反復したときの放電容量維持率(2
00回目の放電容量/初回放電容量)を表5に示す。
【0049】
【表5】
【0050】実施例−8 表1に記載の処理時間0分及び120分の炭素質粉末に
結着材としてポリフッ化ビニリデンを混合し、これにN
−メチルピロリドンを加えてペースト化したものを厚さ
20μmの銅箔に乾燥プレス後の厚さが60μmとなる
ように塗布して乾燥し、電極を製作した。これから50
×30mmの試験片を切り出し、試験片の炭素質粉末層
が無い側の長辺の中心部を直径10mmの鋼棒に押しあ
てて曲げ、炭素質粉末層からの剥落量を調べた。結果を
表6に示す。
【0051】
【表6】
【0052】
【発明の効果】本発明の炭素質粉末を用いれば、電極反
応速度に悪影響を及ぼすことなく、電極形成用ペースト
の流動特性を低下させることなく、電解液の分解が防止
でき、不可逆容量の小さい非水系二次電池を提供でき
る。又、本発明の製造方法によれば、粉末の平均粒度や
粒度分布範囲を狭くすることをしなくとも低表面積で、
表面の微細な荒れ、毛羽立ちが低減した非水系二次電池
用の炭素質粉末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロラフネス値を求めるための粒子外縁の
フーリエ表記の概念図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像解析法による粒子形状解析で求めら
    れるマイクロラフネスの値が1×106 μm以下である
    非水系二次電池用炭素質粉末。
  2. 【請求項2】 比表面積が5m2 /g以下である、請求
    項1記載の非水系二次電池用炭素質粉末。
  3. 【請求項3】 平均粒度が5〜30μmの範囲である、
    請求項1又は2記載の非水系二次電池用炭素質粉末。
  4. 【請求項4】 炭素質材料を微粉砕し、得られた炭素質
    粉末に機械的な摩擦力を加えることを特徴とする、請求
    項1ないし3のいずれかに記載の非水系二次電池用炭素
    質粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 粉体混合機又は混練機で炭素質粉末を攪
    拌、混合することにより機械的な摩擦力を加えることを
    特徴とする、請求項4記載の非水系二次電池用炭素質粉
    末の製造方法。
  6. 【請求項6】 炭素質材料を微粉砕し、得られた炭素質
    粉末を、酸素濃度500ppm以下の雰囲気下で、40
    0℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする、請求
    項1ないし3のいずれかに記載の非水系二次電池用炭素
    質粉末の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし3のいずれかに記載の炭
    素質粉末を負極活物質とする非水系二次電池。
JP11139634A 1998-05-21 1999-05-20 非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池 Pending JP2000040514A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11139634A JP2000040514A (ja) 1998-05-21 1999-05-20 非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-139512 1998-05-21
JP13951298 1998-05-21
JP11139634A JP2000040514A (ja) 1998-05-21 1999-05-20 非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000040514A true JP2000040514A (ja) 2000-02-08

Family

ID=26472303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11139634A Pending JP2000040514A (ja) 1998-05-21 1999-05-20 非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000040514A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009020357A1 (en) * 2007-08-07 2009-02-12 Sodiff Advanced Materials Co., Ltd. Anode active material for lithium secondary cell
JP2012049090A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nissan Motor Co Ltd 電極、電池および電極の製造方法
CN110870114A (zh) * 2017-07-07 2020-03-06 日立化成株式会社 锂离子二次电池用负极材料的制造方法及锂离子二次电池用负极材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009020357A1 (en) * 2007-08-07 2009-02-12 Sodiff Advanced Materials Co., Ltd. Anode active material for lithium secondary cell
JP2012049090A (ja) * 2010-08-30 2012-03-08 Nissan Motor Co Ltd 電極、電池および電極の製造方法
CN110870114A (zh) * 2017-07-07 2020-03-06 日立化成株式会社 锂离子二次电池用负极材料的制造方法及锂离子二次电池用负极材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8431270B2 (en) Composite graphite particles for nonaqueous secondary battery, negative-electrode material containing the same, negative electrode, and nonaqueous secondary battery
JP3873325B2 (ja) リチウム二次電池負極用炭素材及びその製造方法
EP1265301B1 (en) Anode material for lithium secondary battery, process for production thereof, and lithium secondary battery
KR100889451B1 (ko) 분산성이 향상된 나노입자 함유 전극활물질의 제조방법
WO2014034858A1 (ja) 非水電解質二次電池負極用炭素質材料及びその製造方法
WO2013118757A1 (ja) 非水電解質二次電池用炭素質材料
JP2005310744A (ja) 非水系リチウム二次電池用正極活物質とその製造方法及びその正極活物質を用いた非水系リチウム二次電池
JP6291414B2 (ja) リチウムイオン二次電池負極用炭素材およびその製造方法並びに用途
JP2010009951A (ja) 非水系二次電池用複合黒鉛粒子、それを含有する負極材料、負極及び非水系二次電池
KR101631735B1 (ko) 리튬 이차전지용 음극재 및 이의 제조방법
JP2006202724A (ja) 非水電解質二次電池用正極及びその製造方法
JP6605512B2 (ja) 炭素材料、その製造方法及びその用途
JP2011060467A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法
JP2003173774A (ja) リチウムイオン系二次電池用負極材およびその製造方法、および該負極材を用いたリチウムイオン系二次電池
JP2002231225A (ja) 複合電極材料とその製造方法、これを用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP3406583B2 (ja) リチウム二次電池負極用黒鉛−炭素複合材料、その製造方法及びリチウム二次電池
JP2018170247A (ja) リチウム二次電池用複合活物質およびその製造方法
EP3896758A1 (en) Negative electrode carbon material for lithium ion secondary battery, production method therefor, and negative electrode and lithium ion secondary battery using same
JPH09274920A (ja) 非水電解液電池
JP2000040514A (ja) 非水系二次電池用炭素質粉末及びその製造方法、並びにこれを用いた二次電池
JP2017224419A (ja) 非水電解質二次電池負極用炭素質材料およびその製造方法
JP2002222650A (ja) 非水電解液二次電池負極用黒鉛質粒子及びその製造法、非水電解液二次電池負極並びに非水電解液二次電池
JP2000203817A (ja) 複合炭素粒子、その製造法、負極材料、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JP3712343B2 (ja) 非水系二次電池用負極活物質及びその製造方法並びに非水系二次電池
JP4198254B2 (ja) 非水系二次電池用炭素質負極材料、その製造方法及び非水系二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050308

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050628