JP3712343B2 - 非水系二次電池用負極活物質及びその製造方法並びに非水系二次電池 - Google Patents
非水系二次電池用負極活物質及びその製造方法並びに非水系二次電池 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は非水系二次電池用負極活物質及びその製造方法、並びにその非水系二次電池用負極活物質を用いた非水系二次電池に関するものである。より詳しくは、非水系二次電池用負極活物質として特に好適な、高容量、高エネルギー密度を持ち、かつ充放電サイクル劣化が小さく、高負荷時特性の優れた、特定の成分組成を持つ非水系二次電池用負極活物質及びその簡易な製造方法、並びにその非水系二次電池用負極活物質を用いて構成された非水系二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器等の小型軽量化や高機能化の点から、繰り返し使用可能な二次電池の需要が高まってきている。この様な要求に合致する電池として、省電力化及び環境保全の立場から、鉛蓄電池やニッカド電池に替わるニッケル−水素系やリチウム系のクリーンな非水系電池、特に軽量化、高電圧の点からリチウムイオン二次電池が注目され、実用化されるに至っている。初期の電池では負極にリチウム金属を用いたが、充放電によってデンドライトを生成し、内部短絡を引き起こすという問題があった。その後、リチウム金属に代えて、リチウムイオンを吸収、放出することのできる材料の開発が行われ、コークス等や天然黒鉛等の炭素質あるいは黒鉛質の材料が主に使われる様になっている(特開平2−90863号、特開平1−221859号、特開昭63−121257号公報参照)。
【0003】
炭素質材料は充放電の繰り返しに伴う充放電容量低下(サイクル劣化)が小さく、また高負荷時の充放電容量の低下も小さいという優れた特徴を持つが、黒鉛質材料に比べると充放電容量、エネルギー密度が小さいという難点があった。
【0004】
一方、黒鉛質材料は充放電容量、エネルギー密度は優れているものの、サイクル劣化が炭素質材料よりも大きく、高負荷時の容量低下も大きいという難点があった。
【0005】
そこで炭素質材料と黒鉛質材料それぞれの特徴を活かし、前記の難点を減じるために、両者を混合して使用する方法や(特開平5−290844号、特開平6−36760号、特開平7−192724号、特開平10−83808号公報参照)、黒鉛質材料の表面を炭素質材料で被覆する方法(特許2643035号、特開平4−171677号、特開平5−190209号、特開平8−50897号公報参照)が提案されているが、いずれも上記難点の改良は充分なものではなく、さらなる改良が求められていた。
【0006】
また、前記の両者を混合して使用する方法においては、その混合が比重、粒子形状等の異なる炭素質材料と黒鉛質材料とを単純に混合する方法であるため両者が分離しやすく、電極塗布用ペースト製造直前に混合しなければ均質な電極としがたく、結果として混合の目的を減じるという製造工程上の問題があった。
【0007】
一方、黒鉛質材料の表面を炭素質材料で被覆する方法においては、実際上被覆層を厚くする、換言すれば炭素質材料の割合を多くすることには限界があり、炭素質材料と黒鉛質材料の特徴を活かし、難点を減じるという狙いを充分に達成することが難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題に鑑み、種々検討を行った結果、第一の炭素質材料微粉粒と黒鉛質材料微粉粒、及び加熱処理によって炭素質材料に転換しうる前駆体材料とを混合し、次いでこの混合物を加熱処理すれば、第二の炭素質物質層で被覆された第一の炭素質微粉粒、第二の炭素質物質層で被覆された黒鉛質微粉粒、及び第二の炭素質物質で結着された炭素質微粉粒と黒鉛質微粉粒の集合体微粉粒からなる混合物が得られること、そしてこの様な混合物であれば、相互の分離といった問題も生じず、また炭素質材料と黒鉛質材料の比率を任意に設定できて、結果として両材料の優れた点を最大限に活かし、難点を最大限に減じることが可能なことを見出した。
【0009】
さらに、この方法によれば炭素質材料、及び黒鉛質材料の超微粉は炭素質材料で結着された集合体微粉粒となしうることができ、非水系二次電池のサイクル特性、高負荷時特性の改良に寄与することも見出して本発明に至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、第二の炭素質物質層で被覆された第一の炭素質微粉粒、第二の炭素質物質層で被覆された黒鉛質微粉粒、及び第二の炭素質物質で結着された第一の炭素質微粉粒と黒鉛質微粉粒の集合体微粉粒からなる混合物であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質、並びにそれを用いたことを特徴とする非水系二次電池用負極及び非水系二次電池にある。
ここで、第二の炭素質物質とは、その前駆体物質に熱を加えることによって炭素質材料に転換しうる物質をいう。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
まず本発明において用いられる第一の炭素質材料としては、例えば、コールタール、コールタールピッチ等の石炭系重質油、FCC(流動接触分解)残燈油、EHE油(エチレン製造時の副生油)、常圧残渣油、減圧残渣油等の石油系重質油や、さらにはナフタレンやアントラセン等の多環芳香族化合物を加熱熱処理して得られるタール状物質を、オートクレーブやディレードコーカーでコークス化したしたものが挙げられる。
【0013】
また、フェノール樹脂や、フラン樹脂、あるいは木材や竹材、さらには石炭等を加熱処理して得られる炭素化物も使用することができる。
【0014】
これらのコークス化物や炭素化物は、そのまま本発明における炭素質材料として使用しても良いし、700〜1300℃の加熱処理を経たものを使用しても良いが、製造工程の簡略化の観点から前者の使用が望ましい。
【0015】
また黒鉛質材料としては、前記の第一の炭素質材料等を最終的に2500℃以上の温度で加熱処理した人造黒鉛や、天然黒鉛等が使用でき、製法、種類は特に問わないが、黒鉛質材料の優れた点を活かすためには、真比重が2.15以上、好ましくは2.20以上の高結晶性の黒鉛質材料であることが望ましい。
【0016】
本発明の製造方法では、上記の第一の炭素質材料及び黒鉛質材料を粉砕して微粉化することが必要である。粉砕方法、粒度調整のための分級等の操作自体は特に限定されるものでなく常法によって行われ、衝撃式粉砕機、衝突式式粉砕機、磨砕式粉砕機等の粉砕機を使用して行なうことができる。また、分級についても、ふるいを始め、各種風力式分級機等が使用できる。
【0017】
微粉の粒度及び粒度分布は、非水系二次電池の性能面、製造面の要請から決定されるものではあるが、通常、平均粒度で5〜100μm、最大粒度で300μm以下の範囲のものが、より好ましくは、平均粒度で5〜30μm、最大粒度で100μm以下の範囲のものが使用される。
【0018】
加熱処理によって炭素質材料に転換しうる前駆体物質としては、前記の第一の炭素質材料の原料であるコールタール、コールタールピッチ等の石炭系重質油、FCC残渣油、EHE油、常圧残渣油、減圧残渣油等の石油系重質油や、さらにはナフタレンやアントラセン等の多環芳香族化合物を加熱熱処理して得られるタール状物質等が挙げられる。また、フェノール樹脂や、フラン樹脂等の炭素化可能な樹脂類も使用することができる。
【0019】
これらの前駆体物質は、そのまま使用しても良いし、溶媒等で溶解希釈して粘度調整や炭素化歩留まり調整をした上で使用しても良い。
【0020】
本発明の負極活物質を製造するためには、まず、前記の第一の炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉と第二の炭素質材料となる前駆体物質を混合する。
【0021】
この混合は、バッチ式で行っても良いし、連続式であっても良い。また、室温で行っても良いし、加温して行っても良いが、加温によって第二の炭素質材料となる前駆体物質の粘度を低下させることができ、結果的に混合効率を高めることができるので加温下での混合がより望ましい。この場合の加温温度は前駆体物質の粘度が10Pa・s(10000cP)以下、好ましくは1Pa・s(1000cP)以下となる温度であることが望ましく、前駆体物質の種類にもよるが多くの場合は50〜150℃の範囲である。
【0022】
バッチ式の混合装置としては、2本の枠型ブレードが固定式タンク内で遊星運動を行いながら回転する構造を有する混合機、高速高せん断ミキサーであるディゾルバーや高粘度用のバタフライミキサーの様な一枚のブレードがタンク内を攪拌・分散を行う形態の装置、半円筒状混合槽の側面に沿ってシグマ型等の攪拌翼が回転する構造を有する、いわゆるニーダー形式の装置、攪拌翼を3軸にしたトリミックスタイプの装置、分散槽内に回転ディスクと分散媒体を有する、いわゆるビーズミル形式の装置等を使用することができる。
【0023】
一方、連続式の混合装置としては、パイプラインミキサー(スタティックミキサー)や、連続式ビーズミル(媒体分散機)等を使用することができる。また、通常の樹脂加工等に用いられる混練機を、それに液漏れ対策を施した上で使用しても良い。
【0024】
第一の炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の混合割合は、両者の合計に対して第一の炭素質材料微粉が5〜50重量%、好ましくは15〜35重量%となる範囲が両材料の持つ好ましい特性をそれぞれ最大限に発揮することができて望ましい。
【0025】
また、第二の炭素質材料となる前駆体物質の量は、該前駆体物質の炭素化歩留まりによって異なってくるが、混合処理後の加熱処理の結果残る前駆体物質由来の第二の炭素質物質の割合が、第一の炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の合計に対して5〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲となる量である。この範囲より量が少ないと、第二の炭素質材料と第一の炭素質材料微粉及び黒鉛質材料微粉とが分離しやすくなったり、第一の炭素質材料及び黒鉛質材料の超微粉(粒度が5μm以下の微粉)を結着して集合体微粉とすることができなくなって本発明の効果を損ねることになる。また、量が多すぎる場合は混合、加熱処理後の混合物が粒状化、塊状化してしまい好ましくない。粒状化、塊状化した混合物を再粉砕して使用することもできるが、新たな超微粉の生成等により本発明の効果を減じることになり好ましくない。また、工程上も合理的でない。
【0026】
混合の時間は、使用する混合機の混合効率等によって異なってくるが、通常、5〜60分間、長い場合でも3時間以下である。要は、第一の炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の表面(両材料の超微粉の表面を含む)に第二の炭素質材料となる前駆体物質が浸透し、それらをそれぞれ被覆するだけの時間で充分であり、長すぎる混合時間は、第一の炭素質材料微粉や黒鉛質材料微粉の破壊・超微粉化を招いて好ましくない。
【0027】
前述の溶媒希釈等による第二の炭素質材料となる前駆体物質の粘度調整や、混合時の加温による粘度の低下は、混合装置にかかる負荷を低減させ、混合効率を高めて混合時間を短縮することができるので好ましい。
【0028】
また、混合処理時の雰囲気は、混合処理中の炭素質材料前駆体物質の酸化等による変質を防ぎ、処理中の粘度の上昇を抑止するといった点、及び安全性の点からも窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下、あるいは非酸化性雰囲気下とすることが好ましい。さらに混合処理を減圧状態下で行えば、第一の炭素質材料微粉及び黒鉛質材料微粉からの脱気が促進され、第二の炭素質材料となる前駆体物質のそれらへの浸透が速まって混合時間がより短縮され好ましい。
【0029】
該混合処理物は、次いで加熱処理を施され、該前駆体物質を第二の炭素質物質へと転換させる。
【0030】
この加熱処理は、電気炉、ロータリーキルン等、常法に従って行えばよく、特に制限はない。またバッチ式であっても連続式であっても良い。
【0031】
加熱処理は、実質的に不活性雰囲気であること、例えば窒素ガス、炭酸ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気であることが必要であり、そしてその温度としては、好ましくは700〜1500℃、さらに、目的の電池特性により異なるが、より好ましくは1000〜1200℃で行われる。また、加熱処理時間は、加熱される温度での炭素化反応が実質的に終了するだけの時間でよく、通常、15分から2時間の範囲である。
【0032】
この加熱処理に際しては、混合処理物を100mm以下程度の薄い積層状態にしたり、流動状態にして、加熱処理時に発生する低分子量揮発分の除去を促進させることが、加熱処理時における混合処理物の塊状化を抑制することになるので好ましい。
【0033】
この加熱処理によって、第一の炭素質材料微粉粒と黒鉛質材料微粉粒の各表面には前駆体物質に由来する第二の炭素質物質の皮膜層が形成されると共に、それぞれの超微粉が第二の炭素質物質で結着された集合体微粉となるので被加熱処理混合物中の超微粉の量は減少する。
【0034】
得られた、第二の炭素質物質層で被覆された第一の炭素質微粉粒、第二の炭素質物質層で被覆された黒鉛質微粉粒、及び第二の炭素質物質で結着された第一の炭素質微粉粒と黒鉛質微粉粒の集合体微粉粒からなる混合物は、リチウムイオン二次電池等非水系二次電池の負極材として用いられる。
【0035】
最終的に負極材として用いる場合は、前記の混合物を、バインダー、溶媒(分散媒)、等と混合してペースト化し、これを銅、ニッケル等の金属箔上に塗布した後、乾燥、加圧プレス等を行う。
【0036】
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)や、SBRやNBR等の合成ゴム等が用いられる。また、溶媒(分散媒)としては、通常はバインダーを溶解する有機溶剤が使用され、例えば、N一メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸メチル等が用いられる。合成ゴム等をバインダーとする場合は、分散剤、増粘剤等を加えた水を分散媒とすることもある。
【0037】
正極材及び非水溶媒中に電解質を溶解させてなる電解液については、従来非水系二次電池に用いられているもので良く、特に限定されない。
【0038】
具体的には、正極材としては、LiCoO2、MnO2、TiS2、FeS2、Nb3S4、Mn3S4、CoS2、V2O5、P2O5、CrO3、V3O8、TeO2、GeO2等が、電解質としてはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiB(C6H5)4、LiCl、LiBr、LiCH3SO3Li、LiCF3SO3等が、電解質を溶解する非水溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシェタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジオキソラン等、及びこれらの2種以上の混合溶媒等が用いられる。
【0039】
セパレータは、電池の内部抵抗を小さくするために多孔体が好適であり、ポリエチレンやポリプロピレン等の多孔性フィルムや不織布、あるいはガラスフィルターなどの耐有機溶媒性材料のものが用いられる。
【0040】
これらの負極、正極、電解液及びセパレータは、例えばステンレススチール又はこれにニッケルメッキした電池ケースに組み込むのが一般的である。
【0041】
電池構造としては、帯状の正極と負極をセパレータを介して渦巻き状にしたスパイラル構造、又はボタン型ケースにペレット状の正極と円盤状の負極をセパレータを介して挿入する方法などが採用される。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下実施例によって限定されるものではない。
【0043】
実施例1
ディレードコーカーでコークス化した、コールタール系の生コークスを、ジェットミルで粉砕して得た平均粒度13.5μmの第一の炭素質材料微粉1.6kgfと、コールタール系コークスをアチソン炉で2800℃以上の温度で黒鉛化処理して得られた真比重2.25の黒鉛質材料を、ジェットミルで粉砕して得た平均粒度18.8μmの黒鉛質材料微粉3.5kgf、及びEHE油3.5kgfとを、Gebrder L dige Maschinenbau社(独)製の20L容積レディゲミキサーに投入し、窒素雰囲気、50℃の加温下に20分間の混合処理を行った。
【0044】
次いで、この混合処理物を黒鉛製のトレイに50mm厚さで入れ、ベルトコンベア炉で、窒素流通下、1000℃、45分間の加熱処理を行った。
【0045】
加熱処理品の歩留まり、及び別途求めたコールタール系生コークスの1000℃加熱処理時の歩留まりから、この加熱処理品の組成は、炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の量比がそれぞれ30重量%と70重量%であり、また加熱処理品中に占めるEHE油由来の炭素質物質(第二の炭素質物)の割合は10重量%と見積もられた。
【0046】
得られた加熱処理品は篩目86μmの篩を通して略100μm以上の粗粉をカットした後、粒度の測定と電池性能の測定を行った。
【0047】
粒度測定は、堀場製作所製レーザー回折散乱方式粒度測定装置LA−920で行い、平均粒度19.6μm、5μm以下の超微粉の割合8.4%の結果を得た。
【0048】
電池性能は、図1に示す構成のセルを使用して測定した。
【0049】
加熱処理品(負極材料)は、10%のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)をバインダーとして使用し、20mmφのステンレス金網上に圧着して負極1とした。対極としてはLi金属箔を使用し、同じく20mmφのステンレス金網上に圧着して正極3とした。
【0050】
電解液にはエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を2:3の容量比率で混合した溶液に、電解質としてLiPF6を1モル/リットルの割合で溶解したものを用いた(符号2はセパレータと電解液を示す)。なお、この電池の容量に関しては、正極に対して負極を十分に小さくしている。その他の符号は、4がステンレス製の電池筐体、5が絶縁体(ポリテトラフルオロエチレン製)、6が充放電端子、7がシールパッキンである。
【0051】
この電池を表1に示す条件で、0.00V(対Li極)までの定電流充電と1.5Vまでの定電流放電を繰り返し、放電容量を測定した。なお、測定は25℃で行った。測定結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
比較例1
実施例1で使用したコールタール系生コークス微粉を、ベルトコンベア炉で、窒素流通下、1000℃、45分間の加熱処理をして得た第一の炭素質材料微粉、及び同じく実施例1で使用した黒鉛質材料微粉を、それぞれ篩目86μmの篩を通して略100μm以上の粗粉をカットした後、第一の炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の量比がそれぞれ30重量%と70重量%になる様に混合した。
【0054】
この混合物を実施例1の場合と同様にして粒度測定した結果は、平均粒度が17.8μmであり、5μm以下の超微粉の割合は12.3%であった。
また、実施例1の場合と同様にして測定した電池性能測定結果は表2の通りであった。
【0055】
【表2】
【0056】
比較例2
EHE油の量を1.5kgfとした以外は実施例1と全く同様にして、混合処理及び加熱処理を行い、組成として炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の量比がそれぞれ30重量%と70重量%であり、加熱処理品中に占める炭素質材料前駆体物質由来の炭素質物質の割合が4.3重量%と見積もられる加熱処理品を得た。
【0057】
得られた加熱処理品は篩目86μmの篩を通して略100μm以上の粗粉をカットした後、粒度の測定と電池性能の測定を行った。
【0058】
粒度測定は、堀場製作所製レーザー回折散乱方式粒度測定装置LA−920で行い、平均粒度17.8μm、5μm以下の超微粉の割合11.7%の結果を得た。
【0059】
実施例1と同様にして測定した電池性能の結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
実施例2
実施例1で使用した第一の炭素質材料微粉1.6kgfと、黒鉛質材料微粉3.5kgfに、コールタール2kgfにアントラセン油1kgfを加えて希釈した第二の炭素質材料前駆体物質を加え、実施例1の場合と同様に、レディゲミキサーで窒素雰囲気下、70℃の加温下に40分の混合処理を行った。
【0062】
次いで、得られた混合処理物を実施例1の場合と同様に加熱処理を行い、組成として炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の量比がそれぞれ30重量%と70重量%であり、加熱処理品中に占める炭素質材料前駆体物質由来の炭素質物質の割合が17重量%と見積もられる加熱処理品を得た。
【0063】
得られた加熱処理品は篩目86μmの篩を通して略100μm以上の粗粉をカットした後、粒度の測定と電池性能の測定を行った。
【0064】
粒度測定は、堀場製作所製レーザー回折散乱方式粒度測定装置LA−920で行い、平均粒度21.6μm、5μm以下の超微粉の割合5.3%の結果を得た。実施例1と同様にして測定した電池性能の結果を表4に示す。
【0065】
【表4】
【0066】
比較例3
第二の炭素質材料前駆体物質として、コールタール5kgfにアントラセン油1kgfを加えて希釈したものを使用した以外は、実施例2の場合と全く同様にして混合処理を行った。
【0067】
次いで、得られた混合処理物を実施例1の場合と同様に加熱処理を行い、組成として第一の炭素質材料微粉と黒鉛質材料微粉の量比がそれぞれ30重量%と70重量%であり、加熱処理品中に占める第二の炭素質材料前駆体物質由来の炭素質物質の割合が33重量%と見積もられる加熱処理品を得た。
【0068】
この加熱処理品は、硬い板状の塊となっており、そのままでは非水系二次電池の負極材として使用することはできなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水系二次電池の一例である、ボタン型非水電解液二次電池の断面説明図である。
【符号の説明】
1 負極
2 セパレータ及び電解液
3 正極
4 電池筐体
5 絶縁体
6 充放電端子
7 シールパッキン
Claims (8)
- 黒鉛質ではない第二の炭素質物質層で被覆された、黒鉛質ではない第一の炭素質微粉粒;黒鉛質ではない第二の炭素質物質層で被覆された、黒鉛質微粉粒;及び黒鉛質ではない第二の炭素質物質で結着された黒鉛質ではない第一の炭素質微粉粒と黒鉛質微粉粒の集合体微粉粒からなる混合物であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
- 前記の負極活物質混合物中に占める、黒鉛質ではない第二の炭素質物質の割合が、5〜30重量%である請求項1の非水系二次電池用負極活物質。
- 前記の負極活物質混合物における、黒鉛質ではない第一の炭素質微粉粒及び黒鉛質微粉粒の合計に対する炭素質微粉粒の割合が5〜50重量%である請求項1の非水系二次電池用負極活物質。
- 前記の負極活物質混合物の平均粒度が5〜100μmである請求項1の非水系二次電池用負極活物質。
- 黒鉛質ではない第一の炭素質微粉粒、黒鉛質微粉粒及び黒鉛質ではない第二の炭素質物質の前駆体を混合した後、この混合物を加熱処理して、黒鉛質ではない第二の炭素質物質前駆体を、黒鉛質ではない第二の炭素質物質へと転換させる、請求項1〜4の非水系二次電池用負極活物質の製造方法。
- 前記の加熱処理温度が700〜1500℃である、請求項5の非水系二次電池用負極活物質の製造方法。
- 請求項1〜4に記載の負極活物質を用いることを特徴とする非水系二次電池用負極。
- 請求項7に記載の非水系二次電池用負極を用いることを特徴とする非水系二次電池。
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