JP2000039699A - パターン計算装置及びパターン計算方法 - Google Patents

パターン計算装置及びパターン計算方法

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JP2000039699A JP22109698A JP22109698A JP2000039699A JP 2000039699 A JP2000039699 A JP 2000039699A JP 22109698 A JP22109698 A JP 22109698A JP 22109698 A JP22109698 A JP 22109698A JP 2000039699 A JP2000039699 A JP 2000039699A
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周期パターンの露光と通常のパターン露光の
2重露光によって任意形状の高解像度の回路パターンを
得るときの設計に好適なパターン計算装置及びパターン
計算方法を得ること。 【解決手段】 微細線パターンデータを作成および/ま
たは表示する微細線パターン取扱手段と、任意のラフパ
ターンデータを作成およびまたは表示するラフパターン
取扱手段と、パターン形成演算のための特性パラメータ
を入力および/または表示する特性パラメータ取扱手段
と、前記微細線パターン取扱手段とラフパターン取扱手
段から各々出力される微細線パターンデータおよびラフ
パターンデータと、前記特性パラメータ取扱手段から出
力される特性パラメータを演算して、演算結果の形成パ
ターンデータを出力する多重像演算手段と、当該形成パ
ターンデータを表示する形成パターン取扱手段を具備し
たこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パターン計算装置
及びパターン計算方法に関し、例えば微細な回路パター
ンで感光基板上を露光し、IC,LSI等の半導体チッ
プ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素
子、CCD等の撮像素子といった各種デバイスを製造す
る際の露光方法を考慮した回路パターンの設計システム
に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、IC,LSI、液晶パネル等
のデバイスをフォトリソグラフィー技術を用いて製造す
るときには、フォトマスク又はレチクル等(以下、「マ
スク」と記す。)の面上に形成した回路パターンを投影
光学系によってフォトレジスト等が塗布されたシリコン
ウエハ又はガラスプレート等(以下、「ウエハ」と記
す。)の感光基板上に投影し、そこに転写する(露光す
る)投影露光方法及び投影露光装置が使用されている。
【0003】近年、上記デバイスの高集積化に対応し
て、ウエハに転写するパターンの微細化、即ち高解像度
化が要求されている。従ってウエハに対する微細加工技
術の中心を成す上記投影露光方法及び投影露光装置にお
いても、現在、0.3/μm以下の寸法(線幅)の像
(回路パターン像)を形成するべく、解像度の向上が計
られている。
【0004】従来の投影露光装置の摸式図を図19に示
す。図19中、191は遠紫外線露光用の光源であるエ
キシマーレーザ、192は照明光学系、193は照明光
学系192から照射される照明光、194はマスク、1
95はマスク194から出て光学系(投影光学系)19
6に入射する物体側露光光、196は縮小型の投影光学
系、197は投影光学系196から出て基板198に入
射する像側露光光、198は感光基板であるウエハ、1
99は感光基板を保持する基板ステージを、示す。
【0005】エキシマレーザ191から出射したレーザ
光は、引き回し光学系(190a,190b)によって
照明光学系192に導光され、照明光学系192により
所定の光強度分布、配光分布、開き角(関口数NA)等
を持つ照明光193となるように調整され、マスク19
4を照明する。マスク194にはウエハ198上に形成
する微細パターンを投影光学系196の投影倍率の逆数
倍(例えば2倍や4倍や5倍)した寸法のパターンがク
ロム等によって石英基板上に形成されており、照明光1
93はマスク194の微細パターンによって透過回折さ
れ、物体側露光光195となる。
【0006】投影光学系196は、物体側露光光195
を、マスク194の微細パターンを上記投影倍率で且つ
充分小さな収差でウエハ198上に結像する像側露光光
197に変換する。像側露光光197は図20の下部の
拡大図に示されるように、所定の開口数NA(=Sin
(θ))でウエハ198上に収束し、ウエハ198上に
微細パターンの像を結ぶ。基板ステージ199は、ウエ
ハ198の互いに異なる複数の領域(ショット領域:1
個又は複数のチップとなる領域)に順次、微細パターン
を形成する場合に、投影光学系の像平面に沿ってステッ
プ移動することによりウエハ198の投影光学系196
に対する位置を変えている。
【0007】現在主流となりつつある上記のエキシマレ
ーザを光源とする投影露光装置は高い投影解像力を有し
ているが、例えば0.15μm以下のパターン像を形成
することが技術的に困難である。
【0008】投影光学系196は、露光(に用いる)波
長に起因する光学的な解像度と焦点深度との間のトレー
ドオフによる解像度の限界がある。投影露光装置による
解像パターンの解像度Rと焦点深度DOFは、次の
(1)式と(2)式の如きレーリーの式によって表され
る。
【0009】 R=k1 =(λ/NA) ‥‥‥(1) DOF=k2 =(λ/NA2 ) ‥‥‥(2) ここで、λは露光波長、NAは投影光学系196の明る
さを表す像側の開口数、k1 ,k2 はウエハ198の現
像プロセス特性等によって決まる定数であり、通常0.
5〜0.7程度の値である。
【0010】この(1)式と(2)式から、解像度Rを
小さい値とする高解像度化には開口数NAを大きくする
「高NA化」がある。しかしながら、実際の露光では投
影光学系196の焦点深度DOFをある程度以上の値に
する必要があるため、高NA化をある程度以上に進める
ことが難しいこと、この為、高解像度化には結局、露光
波長λを小さくする「短波長化」が必要となることとが
分かる。
【0011】ところが露光波長の短波長化を進めていく
と重大な問題が発生してくる。それは投影光学系196
を構成するレンズの硝材がなくなってしまうことであ
る。殆どの硝材の透過率は遠紫外線領域では0に近く、
特別な製造方法を用いて露光装置用(露光波長約248
nm)に製造された硝材として溶融石英が現存するが、
この溶融石英の透過率も波長193nm以下の露光波長
に対しては急激に低下する。
【0012】線幅0.15μm以下の微細パターンに対
応する露光波長150nm以下の領域では実用的な硝材
の開発は非常に困難である。また遠紫外線領域で使用さ
れる硝材は、透過率以外にも、耐久牲、屈折率均一性、
光学的歪み、加工性等の複数条件を満たす必要があり、
この事から、実用的な硝材の存在が危ぶまれている。
【0013】このように従来の投影露光方法及び投影露
光鼓置では、ウエハ上に線幅0.15μm以下のパター
ンを形成する為には150nm程度以下まで露光波長の
短波長化が必要である。これに対し、現在のところ、こ
の波長領域では実用的な硝材が存在しないので、ウエハ
に線幅0.15μm以下のパターンを形成することがで
きなかった。
【0014】米国特許第5415835号公報は2光束
干渉露光によって敏細パターンを形成する技術を開示し
ており、この2光束干渉露光によれば、ウエハに線幅
0.15μm以下のパターンを形成することができる。
【0015】2光束干渉露光の原理を図20を用いて説
明する。2光束干渉露光は、レーザ151からの可干渉
牲を有し且つ平行光線束であるレーザ光L151をハー
フミラー152によってレーザ光L151a,L151
abの2光束に分割し、分割した2光束を夫々平面ミラ
ー153a,153bによって反射することにより2個
のレーザ光(可干渉性の平行光線束)を0より大きく9
0度末満のある角度を成してウエハ154面上で交差さ
せることにより交差部分に干渉縞を形成している。この
干渉縞(の光強度分布)によってウエハ154を露光し
て感光させることで干渉縞の光強度分布に応じた微細な
周期パターンをウエハ154に形成するものである。
【0016】2光束L151a,L151bがウエハ1
54面の立てた垂線に対して互いに逆方向に同じ角度だ
け傾いた状態でウエハ面で交差する場合、この2光束干
渉露光における解像度Rは次の(3)式で表される。
【0017】 R=λ/(4sinθ) =λ/4NA =0.25(λ/NA) ‥‥‥(3) ここで、RはL&S(ライン・アンド・スペース)の夫
々の幅、即ち干渉縞の明部と暗部の夫々の幅を示してい
る。又βは2光束の夫々の像面に対する入射角度(絶対
値)を表し、NA=Sinθである。
【0018】通常の投影露光における解像度の式である
(l)式と2光束干渉露光における解像度の式である
(3)式とを比較すると、2光束干渉露光の解像度Rは
(1)式においてk1 =0.25とした場合に相当する
から、2光束干渉露光ではk1=0.5〜0.7である
通常の投影露光の解像度より2倍以上の解像度を得るこ
とが可能である。
【0019】上記米国特許には開示されていないが、例
えばλ=0.248nm(KrFエキシマ)でNA=
0.6の時は、R=0.10μmが得られる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】2光束干渉露光は、基
本的に干渉縞の光強度分(露光量分布)に相当する単純
な縞パターンしか得られないので、所望の形状の回路パ
ターンをウエハに形成することが難しい。
【0021】そこで上記米国特許第5415835号公
報は、2光束干渉露光によって単純な縞パターン(周期
パターン)即ち2値的な露光量分布をウエハ(のレジス
ト)に与えた後、露光装置の分解能の範囲内の大きさの
ある開口が形成されたマスクを用いて通常リソグラフィ
ー(露光)を行なって更に別の2値的な露光量分布をウ
エハに与えることにより、孤立の線(パターン)を得る
ことを提案している。
【0022】しかしながら上記米国特許第541583
5号公報の露光方法は、2光束干渉露光と通常露光の2
つの露光法の夫々において通常の2値的な露光量分布し
か形成していないので、より複雑な形状の回路パターン
を得ることが難しい。
【0023】また、上記米国特許第5415835号公
報は2光束干渉露光と通常露光の2つの露光法を組み合
わせることは開示しているが、このような組み合せを達
成する露光装置を具体的に示してはいない。
【0024】本発明は、2 光束干渉露光に代表される周
期パターン(微細線パターン)露光と周期パターンを含
まない通常パターン(ラフパターン)露光(通常露光)
の2つの露光方法を用いることにより、複雑な形状の回
路パターンをウエハに形成するときの設計段階で用いる
パターン計算装置及びパターン計算方法の提供を目的と
する。
【0025】又、本発明は、多重露光(感光基板上の同
一領域を互いに異なる光パターンで途中に現像処理工程
を介佐須に露光すること)を利用して、所望の形状のパ
ターンを得るときに該所望のパターン形状や、多重露光
を行う複数のマスクのパターン形状や感光基板(レジス
ト)の感度特性、そして露光量等をパラメータとし、こ
れらのパラメータのうちいくつかを特定したときにどの
ようなパターンや特性を選択すれば良いかを演算し、画
面に表示し、設計段階で利用することができるパターン
計算装置及びパターン計算方法の提供を目的とする。
【0026】又、本発明の他の目的は、線幅0.15μ
m以下の部分を備える回路パターンを容易に得ることが
可能な露光方法及び露光装置の提供にある。
【0027】又、本発明の他の目的は、周期パターン露
光と通常露光の2つの露光方法が実施できる露光装置を
提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明のパターン計算装
置は、(1−1)微細線パターンデータを作成および/
または表示する微細線パターン取扱手段と、任意のラフ
パターンデータを作成およびまたは表示するラフパター
ン取扱手段と、パターン形成演算のための特性パラメー
タを入力および/または表示する特性パラメータ取扱手
段と、前記微細線パターン取扱手段とラフパターン取扱
手段から各々出力される微細線パターンデータおよびラ
フパターンデータと、前記特性パラメータ取扱手段から
出力される特性パラメータを演算して、演算結果の形成
パターンデータを出力する多重像演算手段と、当該形成
パターンデータを表示する形成パターン取扱手段を具備
したことを特徴としている。
【0029】特に、 (1−1−1)前記微細線パターン取扱手段は、微細線
パターンの周期、位置、階調のうち少なくとも一つを入
力可能であること。
【0030】(1−1−2)前記微細線パターン取扱手
段は、微細線パターンの周期、位置、階調のうち少なく
とも一つを表示すること。
【0031】(1−1−3)前記微細線パターン取扱手
段は、周期的な微細線パターンを複数重ねて形成したパ
ターンを取扱うこと。
【0032】(1−1−4)前記ラフパターン取扱手段
は、パターンの位置、大きさ、階調のうち少なくとも一
つを表示すること。
【0033】(1−1−5)前記多重像演算手段は、微
細線パターンデータとラフパターンデータの互いに同じ
位置の階調データを加算して出力し、出力された加算後
のデータに対し、前記特性パラメータ取扱手段により与
えられる各階調に対するフィルタリング係数を乗算して
各位置の階調データを求め、出力すること。等を特徴と
している。
【0034】(1−2)微細線パターンデータを作成お
よび/または表示する微細線パターン取扱手段と、任意
のラフパターンデータを作成およびまたは表示するラフ
パターン取扱手段と、パターン形成演算のための特性パ
ラメータを入力および/または表示する特性パラメータ
取扱手段と、最終的な形成パターンデータを入力および
/または表示する形成パターン取扱手段と、前記4 つの
取扱手段のうち、いずれか3 つの取扱手段によりデータ
が入力された場合に、残り1 つのデータを演算し出力す
る多重像演算手段とを具備していることを特徴としてい
る。
【0035】特に、 (1−2−1)前記多重像演算手段は、前記微細線パタ
ーン取扱手段とラフパターン取扱手段から各々出力され
る微細線パターンデータおよびラフパターンデータと、
前記特性パラメータ取扱手段から出力される特性パラメ
ータとを演算することにより形成パターンデータが得ら
れる形成パターン演算過程に対して矛盾のないように最
適化演算されること。
【0036】(1−2−2)前記形成パターン演算過程
は、微細線パターンデータとラフパターンデータの互い
に同じ位置の階調データを加算して出力し、出力された
加算後のデータに対し、特性パラメータ取扱手段により
与えられる各階調に対するフィルタリング係数を乗算し
て各位置の階調データを求め、出力すること。等を特徴
としている。
【0037】(1−3)微細線パターンデータ又は/及
び微細線パターン像データを作成および/または表示す
る微細線パターン取扱手段と、任意のラフパターンデー
タ又は/及びラフパターン像データを作成およびまたは
表示するラフパターン取扱手段と、パターン形成演算の
ための特性パラメータを入力および/または表示する特
性パラメータ取扱手段と、最終的な形成パターンデータ
を入力および/または表示する形成パターン取扱手段
と、該微細線パターンデータを露光装置を介したときに
生成される微細線パターンデータの演算及びその逆変換
の演算をすると共にラフパターンデータを露光装置を介
したときに生成されるラフパターン像データの演算及び
その逆変換を演算し出力する像演算手段と、前記4 つの
取扱手段のうち、いずれか3 つの取扱手段によりデータ
が入力された場合に、残り1 つのデータを演算し出力す
る多重像演算手段とを具備していることを特徴としてい
る。
【0038】特に、 (1−3−1)前記多重像演算手段は、前記微細線パタ
ーン取扱手段とラフパターン取扱手段から各々出力され
る微細線パターンデータおよびラフパターンデータと、
前記特性パラメータ取扱手段から出力される特性パラメ
ータとを演算することにより形成パターンデータが得ら
れる形成パターン演算過程に対して矛盾のないように最
適化演算されること。
【0039】(1−3−2)前記形成パターン演算過程
は、微細線パターンデータとラフパターンデータの互い
に同じ位置の階調データを加算して出力し、出力された
加算後のデータに対し、特性パラメータ取扱手段により
与えられる各階調に対するフィルタリング係数を乗算し
て各位置の階調データを求め、出力すること。等を特徴
としている。
【0040】本発明のパターン計算方法は、 (2−1)微細線パターン取扱手段により作成された微
細線パターンデータとラフパターン取扱手段により作成
された任意のラフパターンデータと特性パラメータ取扱
手段により入力されたパターン形成演算のための特性パ
ラメータとを用いて、多重像演算手段で演算し、当該演
算結果の形成パターンデータを形成パターン取扱手段に
出力すること。
【0041】(2−2)微細線パターン取扱手段により
作成された微細線パターンデータとラフパターン取扱手
段により作成された任意のラフパターンデータと特性パ
ラメータ取扱手段により入力されたパターン形成演算の
ための特性パラメータと、形成パターン取扱手段より作
成された最終的な形成パターンデータの4 つの取扱手段
からのデータのうちいずれか3 つの取扱手段からのデー
タを用いて、残りの1つのデータを演算し、出力するこ
と。等を特徴としている。
【0042】本発明の露光方法は、 (3−1)構成(1−1)又は(1−2)又は(1−
3)のパターン計算装置を利用して得たマスクのパター
ンを感光基板に転写露光していることを特徴としてい
る。
【0043】(3−2)構成(2−1)又は(2−2)
のパターン計算方法を利用して得たマスクのパターンを
感光基板に転写露光していることを特徴としている。
【0044】本発明の露光装置は、 (4−1)構成(3−1)又は(3−2)の露光方法を
用いて感光性のマスク上のパターンを転写していること
を特徴としている。
【0045】本発明のデバイスの製造方法は、 (5−1)構成(4−1)の露光装置を用いてマスク面
上のパターンをウエハ面上に露光した後、該ウエハを現
像処理工程を介してデバイスを製造していることを特徴
としている。
【0046】本発明のマスクは、 (6−1)構成(1−1)又は(1−2)又は(1−
3)のパターン計算装置を利用して製造したことを特徴
としている。
【0047】本発明のソフトウエアは、 (7−1)構成(2−1)又は(2−2)の計算方法に
基づいてプログラムしたことを特徴としている。
【0048】本発明の記録媒体は、 (8−1)構成(7−1)のソフトウエアを記録してい
ることを特徴としている。
【0049】
【発明の実施の形態】まず、本発明において多重露光を
行い、感光基板上に所望の任意のパターンを形成する露
光方法の原理について説明する。
【0050】本発明は、多重露光方法及び露光装置を用
いて素子(デバイス)を作成する技術に好適なものであ
り、特に素子の設計方法及び設計装置を与えるものであ
り、本発明の設計方法及び設計装置を用いることで、0.
15μm以下の解像度のパターンを持つ素子の製造に関し
てより効率的に素子の設計が行えるようになる。
【0051】本発明の設計方法及び設計装置は、周期的
な微細線パターンデータを作成および/または表示する
微細線パターン取扱手段と、任意のラフパターンデータ
を作成およびまたは表示するラフパターン取扱手段と、
パターン形成演算のためのレジスト特性を入力および/
または表示するレジスト特性取扱手段と、前記微細線パ
ターン取扱手段とラフパターン取扱手段から各々出力さ
れる微細線パターンデータおよびラフパターンデータ
と、前記レジスト特性取扱手段から出力されるレジスト
特性パラメータを演算して、演算結果の形成パターンデ
ータを出力するパターン演算手段と、当該形成パターン
データを表示する形成パターン表示手段を具備してお
り、前記パターン演算手段としては、微細線パターンデ
ータとラフパターンデータの互いに同じ位置の露光光強
度データを加算して出力し、出力された加算後のデータ
に対し、入力されたレジスト特性である、各露光光強度
に対する露光感度および残膜特性を乗算して各位置の残
膜厚データ等を求めるものである。
【0052】また、周期的な微細線パターンデータを作
成および/または表示する微細線パターン取扱手段と、
任意のラフパターンデータを作成およびまたは表示する
ラフパターン取扱手段と、パターン形成演算のための特
性パラメータを入力および/または表示するレジスト特
性取扱手段と、最終的な形成パターンデータを入力およ
び/または表示する形成パターン取扱手段を備え、前記
4 つの取扱手段のうち、いずれか3 つの取扱手段により
データが入力された場合に、残り1 つのデータを出力す
る最適化演算手段を具備していることを特徴としてい
る。
【0053】又、当該最適化演算手段において、前記微
細線パターン取扱手段とラフパターン取扱手段から各々
出力される微細線パターンデータおよびラフパターンデ
ータと、前記レジスト特性取扱手段から出力されるレジ
スト特性パラメータを演算することにより形成パターン
データが得られる形成パターン演算過程に対して矛盾の
ないように最適化演算する機能も備えるものである。
【0054】図1〜図9は本発明に係る多重露光におけ
る露光方法の実施形態の説明図である。図1は本発明に
係る露光方法を示すフローチャートである。図1には本
発明に係る露光方法を構成する周期パターン(微細線パ
ターン)露光ステップ、投影露光ステップ(通常パター
ン(ラフパターン)露光ステップ)、現像ステップの各
ブロックとその流れが示してある。同図において周期パ
ターン露光ステップと投影露光ステップの順序は、逆で
もいいし、どちらか一方のステップが複数回の露光段階
を含む場合は各ステップを交互に行うことも可能であ
る。また、各露光ステップ間には.精密な位置合わせを
行なうステップ等があるが、ここでは図示を略した。
【0055】本発明に係る露光方法及び露光装置は、被
露光基板(感光基板)に対して周期パターン露光と通常
の露光の二重露光を行うことを特徴としている。
【0056】ここで通常パターン露光とは周期パターン
露光より解像度が低いが任意のパターンで露光が行える
露光であり、投影光学系によってマスクのパターンを投
影する投影露光があげられる。
【0057】通常パターン露光によって露光されるパタ
ーン(通常パターン)は解像度以下の微細なパターンを
含み、周期パターン露光はこの微細なパターンと略同線
幅の周期パターンを形成するようにする。通常パターン
露光の解像度以上の大きなパターンは、周期パターン露
光の線幅に限定されないが整数倍が効果的である。
【0058】通常パターン露光は任意の形状をしている
のでいろいろな方向を向いていてもよい。一般にICパ
ターンでは、方向がある方向とそれに直行する方向の2
方向を向いている場合が多く、最も微細なパターンはあ
る特定の1方向のみに限定される場合が多い。
【0059】二重露光で周期パターン露光をする際、そ
の通常パターンの最も微細なパターンの方向に、周期パ
ターンの方向を合致させることが重要である。
【0060】また、周期パターンのピークの中心は、通
常パターンにおける解像度以下の微細なパターンの中心
に合致するように露光する。
【0061】本発明における二重露光とは周期パターン
露光と通常パターン露光の二重露光という意味であっ
て、周期パターン露光は、通常パターン露光の最も微細
なパターンの方向に平行にして何回繰り返して露光して
も良い。
【0062】本発明に係る露光方法及び露光装置の周期
パターン露光と通常パターン露光のそれぞれは、1回ま
たは、複数回の露光段階よりなり、複数回の露光段階を
取る場合は、各露光階ごとに異なる露光量分布を感光基
板に与えている。
【0063】図1のフローに従って露光を行なう場合、
まず周期パターンによりウエハ(感光基板)を図2に示
すような周期パターンで露光する。図2中の数字は露光
量を表しており、図2(A)の斜線部は露光量1(実際
は任意)で白色部は露光量0である。
【0064】このような周期パターンのみを露光後現像
する場合、通常、感光基板のレジストの露光しきい値E
thは図2(B)の下部のグラフに示す通り露光量0と
1の間に設定する。尚、図2(B)の上部は最終的に得
られるリソグラフィーパターン(凹凸パターン)を示し
ている。
【0065】図3に、この場合の感光基板のレジストに
関して、現像後の膜厚の露光量依存性と露光しきい値と
をポジ型レジスト(以下、「ポジ型」と記す。)とネガ
型レジスト(以下、「ネガ型」配す。)の各々について
示す。ポジ型の場合は露光しきい値Eth以上の場合
に、ネガ型の場合は露光しきい値Eth以下の場合に、
現像後の膜厚が0となる。
【0066】図4はこのような露光を行った場合の現像
とエッチングプロセスを経てリソグラフィーパターンが
形成される様子を、ネガ型とポジ型の場合に関して示し
た摸式図である。
【0067】本実施形態においては、この通常の露光感
度設定とは異なり、図5(図2(A)と同じ)及び図6
に示す通り、周期パターン露光での中心露光量を1とし
たとき、露光基板のレジストの露光しきい値Ethを1
よりも大きく設定している。この感光基板は図2に示す
下地パターン露光のみ行った露光パターン(露光量分
布)を現像した場合は露光量が不足するので、多少の膜
厚変動はあるものの現像によって膜厚が0となる部分は
生じず、エッチングによってリソグラフィーパターンは
形成されない。これは即ち周期パターンの消失と見做す
ことができる(尚、ここではネガ型を用いた場合の例を
用いて本発明の説明を行うが、本発明はポジ型の場合も
実施できる。)。
【0068】尚、図6において、上部はリソグラフィー
パターンを示し(何もできない)、下部のグラフは露光
量分布と露光しきい値の関係を示す。尚、下部に記載の
1は周期パターン露光における露光量を、E2 は通常
の投影露光における露光量を表している。
【0069】本実施形態の特徴は、周期パターン露光の
みでは一見消失する高解像度の露光パターンを通常の投
影露光による露光装置の分解能以下の大きさのパターン
を含む任意の形状の露光パターンと融合して所望の領域
のみ選択的にレジストの露光しきい値以上の露光をし、
最終的に所望のリソグラフィーパターンを形成できると
ころにある。
【0070】図7(A)は通常の投影露光(通常パター
ン露光)による露光パターンであり、微細なパターンで
ある為、解像できずに被露光物体上での強度分布はぼけ
て広がっている。本実施形態では通常の投影露光の解像
度の約半分の紙幅の微細パターンとしている。
【0071】図7(A)の露光パターンを作る投影露光
を、図5の周期パターン露光の後に、現像工程なしで、
同一レジストの同一領域に重ねて行ったとすると、この
レジスト面上への合計の露光量分布は図7(B)の下部
のグラフのようになる。尚、ここでは周期パターン露光
の露光量E1 と投影露光の露光量E2 の比が1:1、レ
ジストの露光しきい値Ethが露光量E1 (=1)と露
光量E1 と投影露光の露光量E2 の和(=2)の間に設
定されている為、図7(B)の上部に示したリソグラフ
ィーパターンが形成される。
【0072】その際、通常パターンの中心が周期パター
ンのピークと合致させておく。又、通常パターンの方向
と周期パターンの方向とを合致させている。
【0073】図7(B)の上部に示す孤立線パターン
は、解像度が周期パターン露光のものであり且つ単純な
周期パターンもない。従って通常の投影露光で実現でき
る解像度以上の高解像度のパターンが得られたことにな
る。
【0074】ここで仮に、図8の露光パターンを作る投
影露光(図5の露光パターンの2倍の線幅で露光しきい
値以上(ここではしきい値の2倍の露光量)の投影露
光)を、図5の周期パターン露光の後に、現像工程なし
で、同一レジストの同一領域に重ねる。この際、通常パ
ターンの中心が周期パターン露光のピーク位置と合致さ
せることで重ね合わせたパターンの対称性が良く、良好
なるパターン像が得られる。
【0075】このレジストの合計の露光量分布は図8
(B)のようになり、2光束干渉露光(周期パターン露
光)の露光パターンは消失して最終的に投影露光による
リソグラフィーパターンのみが形成される。
【0076】また、図9に示すように、図5の露光パタ
ーンの3倍の線幅で行う場合も理屈は同様であり、4倍
以上の線幅の露光パターンでは、基本的に2倍の線幅の
露光パターンと3倍の線幅の露光パターンの組み合わせ
から、最終的に得られるリソグラフィーパターンの線幅
は自明でであり、投影露光で実現できるリソグラフィー
パターンは全て、本実施形態でも、形成可能である。
【0077】以上簡潔に説明した周期パターン露光と投
影露光の夫々による露光量分布(絶対値及び分布)と感
光基板のレジストのしきい値の調整を行うことにより、
図6、図7(B)、図8(B)、及び図9(B)で示し
たような多種のパターンの組み合わせより成り且つ最小
線幅が周期パターン露光の解像度(図7(B)のパター
ンとなる回路パターンを形成することができる。
【0078】以上の露光方法の原理をまとめると、 (a−1) 投影露光(通常パターン露光)をしないパタ
ーン領域即ちレジストの露光しきい値以下の周期露光パ
ターンは現像により消失する。
【0079】(a−2) レジストの露光しきい値以下の
露光量で行った投影露光のパターン領域に関しては投影
露光と周期パターン露光のパターンの組み合わせにより
決まる周期パターン露光の解像度を持つ露光パターンが
形成される。
【0080】(a−3) 露光しきい値以上の露光量で行
った投影露光のパターン領域は投影露光のみでは解像し
なかった微細パターンも同様に(マスクに対応する)形
成する。ということになる。更に露光方法の利点とし
て、最も解像力の高い周期パターン露光を2光束干渉露
光で行えば、通常の露光に比してはるかに大きい焦点深
度が得られることが挙げられる。
【0081】以上の説明では周期パターン露光と投影露
光の順番は周期パターン露光を先としたが、この順番に
限定されない。
【0082】図10は本実施形態により得られる回路パ
ターン(リソグラフィーパターン)として、所謂ゲート
型のパターンを示している。
【0083】図10のゲートパターンは横方向の即ち図
中A−A’方向の最小線幅が0.1μmであるのに対し
て、縦方向では0.2μm以上である。本発明によれ
ば、このような1次元方向のみ高解像度を求められる2
次元パターンに対しては2光束干渉露光(周期パターン
露光)をかかる高解像度の必要な1次元方向のみで行え
ばいい。
【0084】本実施形態では、図11を用いて1次元方
向のみの2光束干渉露光と通常の投影露光の組み合わせ
の一例を示す。
【0085】図11において、図11(A)は1次元方
向のみの2光束干渉露光による周期的な露光パターンを
示す。この露光パターンの周期は0.2μmであり、こ
の露光パターンは線幅0.1μmL&Sパターンに相当
する。図11の下部における数値は露光量を表すもので
ある。
【0086】このような2光束干渉露光を実現する露光
装置としては、図15で示すような、レーザ151、ハ
ーフミラー152、平面ミラー153による干渉計型の
分波合波光学系を備えるものや、図16で示すような、
投影露光装置においてマスクと照明方法を図17又は図
18のように構成した装置がある。
【0087】図15の露光装置について説明を行う。図
15の露光装置では前述した通り合波する2光束の夫々
が角度θでウエハ154に斜入射し、ウエハ154に形
成できる干渉縞パターン(露光パターン)の線幅は前記
(3)式で表される。角度θと分波合波光学系の像面側
のNAとの関係はNA=sinθである。
【0088】角度θは一対の平面ミラー153(153
a、153b)の夫々の角度を変えることにより任意に
調整、設定可能で、一対の平面ミラーで角度θの値を大
きく設定すれば干渉縞パターンの夫々の縞の線幅は小さ
くなる。例えば2光束の波長が248nm(KrFエキ
シマ)の場合、θ=38度でも各縞の線幅は約0.1μ
mの干渉縞パターンが形成できる。
【0089】尚、この時のNA=sinθ=0.62で
ある。角度θを38度よりも大きく設定すれば、より高
い解像度が得られるということは言うまでもない。
【0090】次に図16乃至図18の露光装置に関して
説明する。図16の露光装置は、例えば通常のステップ
アンドリピート方式又はステップアンドスキャン方式の
縮小投影光学系(多数枚のレンズより成る)を用いた投
影露光装置であり、現状で露光波長248nmに対して
NA0.6以上のものが存在する。
【0091】図16中、161はマスク、162はマス
ク161から出て光学系163に入射する物体側露光
光、163は投影光学系、164は開口絞り、165は
投影光学系163から出てウエハ166に入射する像側
露光光、166は感光基板であるウエハを示し、167
は絞り164の円形開口に相当する瞳面での光束の位置
を一対の黒点で示した説明図である。図16は2光束干
渉露光を行っている状態の摸式図であり、物体側露光光
162と像側露光光165は双方とも、図19の通常の
投影露光とは異なり、2つの平行光線束だけから成って
いる。
【0092】図16に示すような通常の投影露光装置に
おいて2光束干渉露光(周期パターン露光)を行う為に
は、マスク161とその照明方法を図17又は図18の
ように設定すれば良い。以下これら3種の例について説
明する。
【0093】図17(A)はレベンソン型の位相シフト
マスク173を示しており、クロムより成る遮光部17
1のピッチPOが(4)式で0、位相シフタ172のピ
ッチPOSが(5)式で表されるマスクである。
【0094】 P0 =MP=2MR=Mλ/(2NA) ‥‥‥(4) POS=2P0 =Mλ/(NA) ‥‥‥(5) ここで、Mは投影光学系163の投影倍率、λは露光波
長、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0095】一方、図17(B)が示すマスク174は
クロムより成る遮光部のないシフタエッジ型の位相シフ
トマスクであり、レベンソン型と同様に位相シフタ17
5のピッチPOSを上記(5)式を満たすように構成し
たものである。
【0096】図17(A),(B)の夫々の位相シフト
マスクを用いて2光束干渉露光を行うには、これらのマ
スクをσ=0(又は0に近い値)所謂コヒーレント照明
を行う。具体的には図17に示すようにマスク面170
に対して垂直な方向(光軸に平行な方向)から平行光線
束をマスク170に照射する。
【0097】ここで、σ=照明光学系の開口数/投影光
学系の開口数である。このような照明を行うと、マスク
170から上記垂直な方向に出る0次透過回折光に関し
ては、位相シフタ172(175)により隣り合う透過
光の位相差がπとなって打ち消し合い存在しなくなり、
±1次の透過回折光の2平行光線束はマスク170から
投影光学系163の光軸に対して対称に発生し、図16
の2個の物体側露光165がウエハ166上で干渉す
る。また2次以上の高次の回折光は投影光学系163の
開口絞り164の開口に入射しないので結像には寄与し
ない。
【0098】図18に示したマスク180は、クロムよ
り成る遮光部181のピッチPOが(4)式と同様の
(6)式で表されるマスクである。
【0099】 P0 =MP=2MR=Mλ/(2NA) ‥‥‥(6) ここで、Mは投影光学系163の投影倍率、λは露光波
長、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0100】図18の位相シフタを有していないマスク
には、1個又は2個の平行光線束による斜入射照明とす
る。この場合の平行光線束のマスク180への入射角θ
0 は(7)式を満たすように設定される。2個の平行光
線束を用いる場合が、光軸を基準にして互いに逆方向に
θ0 傾いた平行光線束によりマスクを照明する。
【0101】sinθ0 =M/NA ‥‥‥(7) ここでも、Mは投影光学系163の投影倍率、NAは投
影光学系163の像側の開口数を示す。
【0102】図18が示す位相シフタを有していないマ
スクを上記(7)式を満たす平行光線束により斜入射照
明を行うと、マスク180からは、光軸に対して角度θ
0 で直進する0次透過回折光とこの0次透過回折光の光
路と投影光学系の光軸に関して対称な光路に沿って進む
(光軸に対して角度−θ0 で進む)−1次透過回折光の
2光束が図16の2個の物体側露光光162として生
じ、この2光束が投影光学系163の開口絞り164の
開口部に入射し、結像が行われる。
【0103】尚、本発明においてはこのような1個又は
2個の平行光線束による斜入射照明も「コヒーレント照
明」として取り扱う。
【0104】以上が通常の投影露光装置を用いて2光束
干渉露光を行う技術であり、通常の投影露光装置の照明
光学系は部分的コヒーレント照明を行うように構成して
あるので、照明光学系の0<σ<1に対応する不図示の
開口絞りをσ 0に対応する特殊開口絞りに交換可能に
する等して、投影露光装置において実質的にコヒーレン
ト照明を行うよう構成することができる。
【0105】図10及び図11が示す実施形態の説明に
戻る。本実施形態では前述した2光束干渉露光(周期パ
ターン露光)の次に行う通常の投影露光(通常パターン
露光)(例えばマスクに対して部分的コヒーレント照明
を行うもの)によって図11(B)が示すゲートパター
ンの露光を行う。
【0106】図11(C)の上部には2光束干渉露光に
よる露光パターンとの相対的位置関係と通常の投影露光
の露光パターンの領域での露光量を示し、同図の下部
は、通常の投影露光によるウエハのレジストに対する露
光量を縦横を最小線幅のピッチの分解能でマップ化した
ものである。
【0107】図11の下部に示す露光量分布は、マスク
から入射される光強度を1としてウエハに露光される強
度分布を示したものである。
【0108】図11(A)の周期パターンの露光による
露光量分布は、理想的には1と0の矩形波であるはずだ
が、2光束干渉露光の解像限界付近の線幅を用いている
ので、0次光と1次光のみで形成されるsin 波となって
いる。そのsin 波の最大値をIo、最小値をI1 とあらわ
す。このとき、照明条件のσによって、I0 とI1 の値
が定まる。
【0109】図11(B)の通常の投影露光による露光
量分布は、各部分での代表的な値を示している。この投
影露光による露光パターンの最小線幅の部分は、解像せ
ずぼけて広がり、光強度の各店の値は下がる。露光量
は、大まかにパターン中心部をb、両サイドをd、両側
からのぼけ像がくる中心部をcとする。最小線幅の2倍
の線幅は、b 、c 、d の値よりも大きいが、投影露光の
解像限界付近の線幅であるため、少しぼけてa の値をと
る。これら、a ,b ,c ,d の値は、照明条件によって
変化する。
【0110】図11(C)の露光量分布は、図11
(A)の露光パターンと図11(B)の露光パターンの
露光量の加算した結果生じたものである。
【0111】2光束干渉露光と投影露光の各露光での光
量比は、それぞれの露光の照明条件により異なる。加算
における各露光での光量比は、照明系の照度比として、
2光束干渉露光:投影露光=1:kとし、kの値は次の
ようにして求める。
【0112】図11(C) の露光量分布は、上記の露
光量分布、光量比を用いて、以下の式で表せる。
【0113】 a' = k×a + I0 a" = k×a + I1 b' = k ×b + I0 c' = k×c+ I1 d' = k×d + I1 所望のゲートパターンを得るためには、レジストの感光
のしきい値Icとの関係式を得る。たとえば、レジストが
ネガ型の場合、以下のようになる。
【0114】 a' >IC a" >IC b' >IC c' <IC d' <IC a',a",b'は差が小さい方が望ましく、c'と特にb'との
差がある方が望ましい。これらの式を解くことにより、
各照明条件での最適光量比が求められる。特に微細パタ
ーンの関係する以下の2式は重要である。
【0115】レジストがネガ型の場合、 k×b+I0>IC k×c+I1<IC レジストがポジ型の場合、 k×b+I1<IC k×c+I0>IC レジストがポジ型の場合、露光量分布の大小関係が反転
し、レジストしきい値Icとの不等号が逆になるが、同様
に最適光量比が求められる。
【0116】以上説明した2光束干渉露光と通常の投影
露光の照明方法の異なった2つを組み合わせによって図
12の微細回路パターンが形成される様子について述べ
る。本実施形態においては2光束干渉露光と通常の投影
露光の間には現像過程はない。従って各露光の露光パタ
ーンが重なる領域での露光量は加算され、加算後の露光
量(分布)により新たな露光パターンが生じることと成
る。
【0117】図12,図13,図14は波長248nm のK
rFエキシマステッパーを用いたときの具体的な実施例
である。図12に示すような、最小線幅0.12μmのゲー
トパターンを通常露光し、重ねてレベンソンタイプの位
相シフトマスクで、その最小線幅と重なるように周期パ
ターンを露光したものである。
【0118】投影レンズのNAは0.6 、照明系のσは、
レベンソンマスクによる露光では、0.3 とした。通常マ
スク露光時では、σ=0.3 ,0.6 ,0.8 、輪帯照明とし
た。
【0119】位相シフトマスクなどの2光束干渉により
周期パターンを露光する場合の、コヒーレント照明はσ
の値がゼロまたは、それに近い値であるが、あまり小さ
くすると単位時間当たりの露光量が小さくなり、露光に
要する時間が長くなるので実際的でない。
【0120】周期パターン露光のときはσが0.3 以下で
あることが望ましく、レベンソンマスクによる露光では
その最大であるσ=0.3 とした。
【0121】通常露光では、一般的に部分的コヒーレン
ト照明にするが、σを大きくすると複雑な形状の再現性
はよくなり、かつ深度は広がる。照度分布が外側に比べ
て内側が低いいわゆる輪帯照明では、この傾向は顕著に
なるが、コントラストは落ちるという欠点がある。
【0122】図13(A)に示すように、通常露光のσ
を周期パターン露光のσと同じ0.3にして同じ照明条件
で二重露光を行うと、ゲートパターンがデフォーカス0
±0.2 μmの範囲で解像されるが、線パターンの部分が
うねっており、くびれた部分が断線の原因となるため好
ましくない。
【0123】又、通常パターン露光のときはσ=0.6
以上にするのが良い。図13(B)に示すように、通常
露光のσを0.6 にするとデフォーカス0±0.4 μmの範
囲でゲートパターンが解像されるようになり、線パター
ンの部分がうねりは解消されている。通常露光と周期パ
ターン露光の露光量比を 通常露光:周期パターン露光=
1.5 :1とした。
【0124】図14(A)に示すように、通常露光のσ
が0.8 と大きくなると、複雑な形状の再現性は若干よく
なる。通常露光と周期パターン露光の露光量比を通常パ
ターン露光:周期パターン露光=2 :1とした。通常パ
ターン露光のときは周期パターン露光に比べて2倍以上
の露光量とするのが良い。
【0125】図14(B)では、通常露光を輪帯照明と
し、リング内側の0.6 から外側の0.8 までの照度を1、
リング内側の0.6 以下を照度0とした場合の二次元強度
分布である。通常露光と周期パターン露光の露光量比を
通常露光:周期パターン露光=2.5:1とした。
【0126】輪帯照明では、σが0.8 の時よりも、複雑
な形状の再現性はよくなり、かつ深度は広がる。デフォ
ーカス±0.4 μm以下で良好な像が得られた。
【0127】このように微細な回路パターンは、周期パ
ターン露光との二重露光によって形成される。通常露光
パターンの微細なパターンは光強度が低くコントラスト
も低いので、通常は解像されないが、コントラストが高
い周期パターン露光と二重に露光し重ね合わせることに
よって、微細なパターンはコントラストが増強され解像
されるようになる。
【0128】一方、通常露光パターンの解像度以上の大
きなパターンも、周期パターン露光の強度と重ね合わさ
れコントラストが増強されるので、周期パターン露光の
線幅の整数倍にするとエッジがシャープな像となる。本
発明の露光方法によって、0.12μmといった微細な線幅
を有する回路パターンが、例えばσや照度の光量比を可
変とする照明条件の切り替え可能な照明光学系を有する
投影露光装置を用いて形成可能としている。
【0129】周期パターン露光と通常パターン露光の光
量比は、照明条件の組み合わせによる最適値を前述の計
算式によって求めた。
【0130】照明条件1 周期パターンの露光はσ=0.
3、通常パターン露光はσ=0.3図11(A) の下部に示し
た周期パターンの露光による露光量分布と、図11(B)
の下部に示した通常の投影露光による露光量分布(ベス
トフォーカス)を以下に示す。
【0131】 I0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.31 b = 0.34 c = 0.61 d = 0.09 k = 1.0 のとき最適であり、 a' = 2.11 a" = 1.54 b'= 1.21 c'= 0.89 d'= 0.32 となり、後の比較のため、最大値のa'を1で規格化する
と次のようになる。
【0132】a' = 1.0 a" = 0.73 b'= 0.57 c'= 0.42
d'= 0.15 I0 = 0.38 照明条件2 周期パターンの露光はσ=0.3、通常パター
ン露光はσ=0.6 I0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.25 b = 0.44 c = 0.53 d = 0.13 k = 1.5 のとき最適であり、 a' = 2.68 a" = 2.11 b'= 1.46 c'= 1.03 d'= 0.43 となり、後の比較のため、最大値のa'を1で規格化する
と次のようになる。
【0133】a' = 1.0 a" = 0.79 b'= 0.55 c'= 0.38
d'= 0.16 I0 = 0.30 照明条件3 周期パターンの露光はσ=0.3、通常パター
ン露光はσ=0. 8 I0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.20 b = 0.48 c = 0.47 d = 0.16 k = 2.0 のとき最適であり、 a' = 3.20 a" = 2.63 b'= 1.76 c'= 1.17 d'= 0.55 となり、最大値のa'を1で規格化すると次のようにな
る。
【0134】a' = 1.0 a" = 0.82 b'= 0.55 c'= 0.37
d'= 0.17 I0 = 0.25 照明条件4 周期パターンの露光はσ=0.3、通常パター
ン露光はσ=0. 8で輪帯照明とし、内側(輪帯内側)σ
0.6以下の照度分布をゼロとした。
【0135】 I0 = 0.80 I1 = 0.23 a = 1.10 b = 0.47 c = 0.36 d = 0.19 k = 2.5 のとき最適であり、 a' = 3.55 a" = 2.98 b'= 1.98 c'= 1.13 d'=0.71 となり、最大値のa'を1で規格化すると次のようにな
る。
【0136】a' = 1.0 a" = 0.84 b'= 0.56 c'= 0.32
d'=0.20 I0 = 0.23 今までの議論で、レジストしきい値は、最大露光量3の
とき1.5 だったので、最大露光量で規格化するとレジス
トしきい値は0.5 となる。
【0137】この規格化された露光量分布を見ると、
a',a",b'は規格化されたレジストしきい値0.5 より大
きく、c',d',I0 はしきい値より小さい。
【0138】現像によって露光量がレジストしきい値よ
り大きい部分がのこるから、露光量がa',a",b'のみパ
ターンとして現像後残ることになる。従って、図11
(C) の下部で灰色に示された部分が、現像後の形状であ
る。
【0139】一般に、通常露光パターンを露光するとき
は、周期パターンを露光するときの約2倍の露光量が適
切で、通常露光パターンを露光するときの照明条件と、
周期パターンを露光するときの照明条件の組合わせによ
って最適な露光量比があり、前述の計算式で求められ
る。
【0140】前述の計算式から、種々の照明条件の組合
わせを計算した結果、次のことが示された。周期パター
ン露光のときσ=0.3で通常パターン露光の照明条件
σが0.8 より小さいときは、通常パターンを露光すると
きの露光量を周期パターンを露光するときの露光量より
2倍以下にするとよい。
【0141】周期パターンのときσ=0.3で通常パタ
ーンを露光するときの照明条件が輪帯照明のときは、輪
帯の巾が小さいときは、通常パターンを露光する露光量
が周期パターンを露光するときの露光量より2倍以上に
するとよい。
【0142】周期パターンを露光するときの照明条件σ
が0.3 より小さいときは、通常パターンを露光する露光
量は、周期パターンを露光するときの露光量より2倍以
上にするとよい。
【0143】図20は本発明に係る2光束干渉露光用の
露光装置の一例を示す概略図であり、図20において、
201は2光束干渉露光用の光学系で、基本構成は図1
5の光学系と同じである。202はKrF又はArFエ
キシマレーザー、203はハーフミラー、204(20
4a,204b)は平面ミラー、205は光学系201
との位置関係が固定又は適宜ベースライン(量)として
検出できるオフアクシス型の位置合わせ光学系で、ウエ
ハ206上の2光束干渉用位置合わせマークを観察し、
その位置を検出する。206は感光基板であるウエハ、
207は光学系201の光軸に直交する平面及びこの光
軸方向に移動可能なXYZステージで、レーザー干渉計
等を用いてその位置が正確に制御される。装置205と
XYZステージ207の構成や機能は周知なので具体的
な説明は略す。
【0144】図21は本発明に係る2光束干渉用露光装
置と通常の投影露光装置より成る高解像度の露光装置を
示す概略図である。
【0145】図21において、212は図20の光学系
201、装置205を備える2光束干渉露光装置であ
り、213は、不図示の照明光学系とレチクル位置合わ
せ光学系214、ウエハ位置合わせ光学系(オフアクシ
ス位置合わせ光学系)217とマスク215の回路パタ
ーンをウエハ218上に縮小投影する投影光学系216
とを備える通常の投影露光装置である。
【0146】レチクル位置合わせ光学系214はマスク
215上の位置合わせマークを観察し、その位置を検出
する。ウエハ位置合わせ光学系217はウエハ206上
の投影露光用又は2光束干渉と兼用の位置合わせマーク
を観察し、その位置を検出する。光学系214,21
6,217の構成や機能は周知なので、具体的な説明は
略す。
【0147】図21の219は2光束干渉用露光装置2
12と投影露光装置213で共用される1つのXYZス
テージであり、このステージ219は、装置212,2
13の各光軸に直交する平面及びこの光軸方向に移動可
能で、レーザー干渉計等を用いてそのXY方向の位置が
正確に制御される。
【0148】ウエハ218を保持したステージ219
は、図21の位置(1)に送り込まれてその位置が正確
に測定され、測定結果に基づいて位置(2)で示す装置
212の露光位置に送り込まれてウエハ218へ2光束
干渉露光が行われ、その後、位置(3)に送り込まれて
その位置が正確に測定され位置(4)で示す装置213
の露光位置に送り込まれてウエハ218へ投影露光が行
われる。
【0149】装置213においては、オフアクシスの位
置合わせ光学系217の代わりに、投影光学系216を
介してウエハ218の位置合わせマークを観察し、その
位置を検出する不図示のTTLの位置合わせ光学系や、
投影光学系216とマスク(レチクル)215とを介し
てウエハ218上の位置合わせマークを観察し、その位
置を検出する不図示のTTRの位置合わせ光学系も使用
できる。
【0150】図22は本発明に係る2光束干渉用露光と
通常の投影露光の双方が行える高解像度の露光装置を示
す概略図である。
【0151】図22において、221はKrF又はAr
Fエキシマレーザー、222は照明光学系、223はマ
スク(レチクル)、224はマスクステージ、227は
マスク223の回路パターンをウエハ228上に縮小投
影する投影光学系、225はマスク(レチクル)チェン
ジャであり、ステージ224に、通常のレチクルと前述
したレベンソン位相シフトマスク(レチクル)又はエッ
ジシフタ型のマスク(レチクル)又は位相シフタを有し
ていない周期パターンマスク(レチクル)の一方を選択
的に供給する為に設けてある。
【0152】また、マスクステージは微細パターンの方
向と周期パターンの方向と平行にする為に、予めマスク
にバーコード等に描かれてある情報をもとにマスクを回
転させる機能を持たせてある。
【0153】図22の229は2光束干渉露光と投影露
光で共用される1つのXYZステージであり、このステ
ージ229は、光学系227の光軸に直交する平面及び
この光軸方向に移動可能で、レーザー干渉計等を用いて
そのXY方向の位置が正確に制御される。
【0154】また、図22の装置は、不図示のレチクル
位置合わせ光学系、ウエハ位置合わせ光学系(図21で
説明したオフアクシス位置合わせ光学系とTTL位置合
わせ光学系とTTR位置合わせ光学系)とを備える。
【0155】図22の露光装置の照明光学系222は部
分的コヒーレント照明とコヒーレント照明とを切換え可
能に構成してあり、コヒーレント照明の場合には、ブロ
ック230内の図示した前述した(1a)又は(1b)
の照明光を、前述したレベンソン型位相シフトレチクル
又はエッジシフタ型レチクル又は位相シフタを有してい
ない周期パターンレチクルの1つに供給し、部分的コヒ
ーレント照明の場合にはブロック230内に図示した
(2a)の照明光を所望のレチクルに供給する。部分的
コヒーレント照明からコヒーレント照明とを切換えは、
通常光学系222のフライアイレンズの直後に置かれる
開口絞りを、この絞りに比して開口径が十分に小さいコ
ヒーレント照明用絞りと交換すればいい。
【0156】本発明に係る露光方法及び露光装置におけ
る2重露光における前記第1露光と前記第2露光の露光
波長は、第2露光が投影露光の場合、双方とも400n
m以下であり、好ましくは250nm以下である。25
0nm以下の露光波長の光を得るにはKJrFエキシマ
レーザ(約248nm)やArFエキシマレーザ(約1
93nm)を用いる。
【0157】尚、本発明において「投影露光」というの
は、マスクに形成された任意のパターンからの3個以上
の平行光線束が互いに異なる様々な角度で像面に入射し
て露光が行なわれるものである。
【0158】本発明に係る露光装置はマスクのパターン
をウエハに投影する投影光学系と、部分的コヒーレント
照明とコヒーレント照明の双方の照明が可能なマスク照
明光学系とを有し、部分的コヒーレント照明によって通
常の露光を行い、コヒーレント照明によって2光束干渉
露光を行うことにより、周期パターン露光を特徴とす
る。「部分的コヒーレント照明」とはσ=(照明光学系
の開口数/投影光学系の開口数)の値がゼロより大きく
1より小さい照明であり、「コヒーレント照明」とは、
σの値がゼロまたはそれに近い値であり、部分的コヒー
レント照明のσに比べて相当小さい値である。
【0159】周期パターン露光でのコヒーレント照明で
はσを0.3以下にする。通常露光を行う際の部分的コ
ヒーレント照明はσを0.6以上にする。σ=0.8が
望ましい。さらに照度分布が外側に比べて内側が低い輪
帯照明にすると、なお効果的である。
【0160】この露光装置の露光波長は、400nm以
下であり、好ましくは250nm以下である。250n
m以下の露光波長の光を得るにはKrFエキシマレーザ
(約248nm)やArFエキシマレーザ(約193n
m)を用いる。
【0161】発明の実施形態においては、マスク照明光
学系として部分的コヒーレント照明とコヒーレント照明
とが切換え可能な光学系を開示している。
【0162】本発明の露光装置は2光束干渉露光装置と
通常(投影)露光装置を両装置で共用される被露光基板
(感光基板)を保持する移動ステージとを有している。
【0163】この露光装置の露光波長も、400nm以
下であり、好ましくは250nm以下である。250n
m以下の露光波長の光を得るにはKrFエキシマレーザ
(約248nm)やArFエキシマレーザ(約193n
m)を用いている。
【0164】以上説明した露光方法及び露光装置を用い
てIC、LSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示
素子、磁気ヘッド等の検出素子、CCD等の撮像素子と
いった各種デバイスの製造が可能である。
【0165】次に本発明のパターン計算方法及びパター
ン表示方法について説明する。本発明では微細線パター
ンとラフパターン(回路パターン)を感光基板(レジス
ト)上に多重露光(感光基板上の同一領域を互いに異な
る光パターンで途中に現像処理工程を介さずに露光する
こと)してパターンを形成するときに ・微細線パターンデータ(又は露光装置を介することに
よって選られる微細線パターン像データ) ・ラフパターンデータ(又は露光装置を介することによ
って得られるラフパターン像データ) ・レジスト特性データ(特性パラメータ) ・形成パターンデータ の4つのデータのパラメータのうち3つのパラメータを
既知データとして多重露光演算手段(最適化演算手段)
に入力し、残りの1つのデータを多重露光演算手段で演
算し、形成パターン表示手段(形成パターン取扱手段)
に表示することを特徴としている。
【0166】図23は本発明のパターン計算装置の実施
形態1の要部ブロック図である。本実施形態は微細線パ
ターン、ラフパターン、そしてレジスト特性データ(特
性パラメータ)の3 つのデータを既知データとし、これ
より未知の形成パターンデータを得る方法を示してい
る。
【0167】本実施形態では多重露光により、感光基板
(ウエハ)上で所望のパターン像(形成パターンデー
タ)を得る為に各種の表示/入力手段(取扱手段)から
多重露光演算手段に所望のデータを入力している。
【0168】具体的には (ア−1)微細線パターン表示/入力手段(微細線パタ
ーン取扱手段)から微細線パターンデータFD(形状、
ピッチ、露光量等)を多重露光演算手段に入力する。
【0169】(ア−2)ラフパターン表示/入力手段
(ラフパターン取扱手段)からラフパターンデータRD
(ゲートパターン等の回路パターンの形状に基づくデー
タや露光量)を多重露光演算手段入力する。
【0170】(ア−3)レジスト特性表示/入力手段
(特性パラメータ取扱手段)からレジスト特性データ
(特性パラメータ、例えばレジストの閾値、ガンマ特性
(露光量に対する現像後の膜厚との関係)等)THを多
重露光演算手段に入力する。
【0171】多重露光演算手段ではこれら各種のデータ
FD,RD,THに基づいて多重露光したとき、感光基
板(ウエハ)上にどのようなパターンが形成されるかを
演算する。
【0172】そして多重露光演算手段で演算し求めた形
成パターンデータFRDを形成パターン表示/入力手段
に入力する。形成パターン表示/入力手段は多重露光演
算手段で求めた形成パターンを表示する。
【0173】図24は本実施形態における表示手段(形
成パターン表示/入力手段)で表示する画面表示方法の
概略図である。
【0174】図24において、31はメニューウインド
ウである。操作を行う者は、マウス等の入力指示機器を
用いて画面上のポインタを適宜移動し、クリックやプル
ダウン等の操作によりウインドウ内のメニューを選択し
て入力することができる。
【0175】メニューには、VIEW−表示(確認)、
EDIT−編集(入力)、CALC−計算(最適化演
算)、PRINT−印刷がある。これ以外のメニューを
適宜追加できることは言うまでもない。
【0176】VIEW−表示(確認)では表示のみが行
われ、編集等はできない。もちろん全てのデータ(パタ
ーンデータ、レジスト特性データ等)が矛盾なく演算さ
れている。
【0177】EDIT−編集(入力)では各マスクパタ
ーンやレジスト特性の入力を行うものであり、いずれか
一つのウインドウを選択して入力を行うことができる。
またEDITでは順演算を常に行っており、即ち微細線
パターン及びラフパターン、レジスト特性値の入力がな
されると、それに応じて演算手段により演算された形成
パターンが形成パターンウインドウにリアルタイムで表
示される。
【0178】CALC−計算(最適化演算)では、目的
とする形成パターンを入力することができる。目的とす
る形成パターンの他に、例えば微細線マスクパターンと
レジスト特性パラメータを入力することができ、残りの
ラフパターンを逆演算により演算して求め、これをラフ
パターンウインドウに表示する。形成パターン以外の2
つの入力は適宜選択することができる。
【0179】PRINT−印刷では画面に表示されてい
る結果を適宜レイアウト調整等して、プリンタ等の出力
装置又は画像ファイル等に出力する。
【0180】以下は実際のGUI(グラフィカルユーザ
インターフェイス)も含めた、より具体的な説明であ
る。
【0181】図24の状態はEDITを選択している状
態であり、MASK2と示されたラフパターンの入力を
行っている状態である。ラフパターンの入力は図中36
のカーソルをマウスによってプルダウン、即ちボタンを
押さえて四角形の一頂点を選択したまま動かすことによ
ってラフパターン中の図形を変形して行われている。
【0182】このとき図23に示した機能ブロック図に
よれば、順演算、即ち微細線パターンデータとラフパタ
ーンデータとレジスト特性パラメータが演算手段により
演算されて、形成パターンデータを算出する演算が、リ
アルタイムで行われ、図24中の形成パターン表示入力
ウインドウPAに同時に変化している様子が結果として
表示されている。
【0183】この様子は、表示部PA中のカーソル37
によって示されている。カーソル36が動かされると、
それに伴って、カーソル37も移動し、カーソル37の
示している形成パターンも同時に変化する。
【0184】同様にレジスト特性表示入力ウインドウT
Aの中にもカーソル38が存在し、このカーソルを指定
してマウス等により、入力値であるレジストの特性グラ
フを変化させることができる。カーソル38によりグラ
フの曲線を直接変形させることも可能であるし、またE
th(レジスト閾値)を不図示の入力ダイアログにより
読み込むこと等も可能である。
【0185】このようにして入力されたレジスト特性は
前述したラフデータの入力の際と同様に、演算手段に受
け渡され演算されて、リアルタイムに形成パターンを変
化させて表示する。
【0186】FAは微細線パターンデータFDに基づく
微細線パターンFP(MASK1)を表示する表示部、
RAはラフパターンデータRDに基づくラフパターンR
P(MASK2)を表示する表示部である。
【0187】尚、表示部RAにはラフパターンRPと表示
部FAで表示した微細線パターンFPとの位置関係を理
解しやすいように双方を示している。PAは形成パター
ンデータFRDに基づく形成パターンFRPを表示する
表示部である。
【0188】表示部PAには微細線パターンFPと形成
パターンFRPとの位置関係を理解しやすいように双方
を示している。TAはレジスト特性データTHに基づく
ガンマ特性γを表示する表示部である。
【0189】本実施形態では、これらの各表示部に図2
3のパターン計算装置で計算し、求めた各種のデータを
リアルタイムで演算し、表示している。例えば、3つの
データを入力し、残りの1つのデータを演算し、これら
のデータを各々の表示部に表示して計算段階で利用して
いる。
【0190】図25は本実施形態における表示手段で表
示する画面表示方法の概略図である。同図は図24の表
示手段に比べて微細線パターンデータFDに基づく微細
線パターンFP(MASK1)を表示する表示部FA
と、ラフパターンRDに基く該パターンRP(MASK
2)を表示する表示部RA、そして多重露光演算手段で
演算し、実際に得られる形成パターンデータFRDに基
くパターンFRP(PATTERN)を表示する表示部
PAを画面上で縦方向に連続して表示している。
【0191】これによって、各パターン(FP,RP,
FRP)が互いにどのような位置関係になっているかを
画面上で容易に認識できるようにしている。
【0192】図25を例にして本発明の演算(特に最適
化演算)の効果を説明する。図25は図中MASK1と
表示された微細線パターンFPと、MASK2と表示さ
れた形成パターンRPと、PATTERNと表示された
形成パターンFRPを1 つのウインドウに互いに位置関
係(オーバーレイ)がわかりやすいように表示したもの
である。
【0193】例えばPATTERN(目的とする形成パ
ターン)とMASK1(微細線パターン)を入力して、
MASK2(ラフ露光パターン)を求めるような設計を
行う場合に本発明は大きな効果を発揮する。なぜなら
ば、通常直感的には入力されたPATTERNとMAS
K1が両者とも対称性があり、即ちPATTERNの基
本単位のゲートパターンが左右対称であり、さらにMA
SK1の周期パターンも同様に左右対称である為に求め
るべきMASK2のパターンも同様に左右対称であると
考えるのが普通である。これは、多重露光とレジスト閾
値でフィルタする演算がそれほど複雑ではなく、左右対
称性を崩さないと思われるからである。
【0194】しかしながら実際は、図中MASK2に示
したように明らかに非対称なパターンが答えとなってい
る。これはラフパターンとして、ハーフトーンを用いた
場合の一つのパターンのブロックのサイズが微細線パタ
ーンの周期の2倍、(即ち多重露光の裸婦露光の解像度
が微細線露光の1/2の解像度)であるという制約のた
めである。
【0195】この例の示すところは、単純な加算をベー
スとした演算であっても、設計者がその答えを見つける
ことは直感的には難しく、計算後の計算能力を活かした
全数検査(メシュ分割して全ての組み合わせで制約条件
に適合する者を探索する)や最適化演算(特定のアルゴ
リズム例えばシミュレーテッドアニーリング法等を用い
た探索)を用いることが必要であるということである。
【0196】本発明はこのような多重露光によるパター
ン形成において必要となるマスクパターン等の設計を行
う為のシステムを提供するものであり、本発明により短
時間で効率的に設計を行えるようにする効果が得られ
る。
【0197】図26は本発明のパターン計算装置の実施
形態2の要部ブロック図である。本実施形態は多重露光
演算手段に、 (イ−1)微細線パターン表示/入力手段(微細線パタ
ーン取扱手段)から微細線パターンデータFDを入力す
る。
【0198】(イ−2)レジスト特性表示/入力手段
(特性パラメータ取扱手段)かレジスト特性データTH
を入力する。
【0199】(イ−3)形成パターン表示/入力手段
(形成パターン取扱手段)から実際に得たい形状のパタ
ーン、即ち感光基板(ウエハ)で得られる形成パターン
データFRDを入力する。
【0200】多重露光演算手段(最適化演算手段)では
これらの各種のデータFD、TH、FRDに基いて多重
露光することによって形成パターンデータFRDに基く
形成パターンFRPを得る為のラフパターンデータRD
を演算する。
【0201】そしてラフパターンデータRDをラフパタ
ーン表示/入力手段に出力する。ラフパターン表示/入
力手段では、これによって画面にパターンRPを表示す
る。例えば図24、図25において、画面内にラフパタ
ーンRPを表示する。
【0202】本実施形態では4つのデータ(パラメー
タ)のうち任意の3つのデータより残りの1つのデータ
を求めており、このときの3つのデータは任意である。
【0203】図27は本発明のパターン計算装置及びパ
ターン計算方法の実施形態3の要部ブロック図である。
本実施形態では図23,図26の実施形態1,2に比べ
て、像演算手段を新たに設け、微細線パターンとラフパ
ターンデータより、実際の露光装置を介したとき、どの
ようなパターン像(微細線パターンデータ、ラフパター
ン像データ)が得られるかを演算している。そして多重
露光演算手段は、このようなデータを用いて形成パター
ンデータを得ている。
【0204】具体的には、 (ウ−1)微細線パターン表示/入力手段から微細線パ
ターンデータFDを像演算手段に入力する。
【0205】(ウ−2)ラフパターン表示/入力手段か
らラフパターンデータRDを像演算手段に入力する。
【0206】(ウ−3)像演算手段では微細線パターン
データFDとラフパターンデータRDより各々具体的に
露光装置を介したときに得られる微細線パターン像デー
タFDDとラフパターン像データRDDを演算し、これ
らの像データを多重露光演算手段に、又微細線パターン
像データFDDを微細線パターン像表示/入力手段へ、
ラフパターン像データRDDをラフパターン像表示/入
力手段に出力する。
【0207】(ウ−4)微細線パターン像表示/入力手
段では微細線パターン像データFDD又は/及びそのパ
ターンを画面に表示する。
【0208】(ウ−5)ラフパターン像表示/入力手段
ではラフパターン像データRDD又は/及びそのパター
ンを画面に表示する。
【0209】(ウ−6)レジスト特性表示/入力手段か
らレジスト特性データTHを多重露光演算手段に入力す
る。
【0210】(ウ−7)多重露光演算手段では微細線パ
ターン像データFDD、ラフパターン像データRDD、
そしてレジスト特性データTHより多重露光をしたとき
に感光基板(ウエハ)で得られる形成パターンデータF
RDDを演算し、形成パターン表示/入力手段に出力す
る。
【0211】(ウ−8)形成パターン表示/入力手段
は、多重露光演算手段で演算された形成パターンデータ
FRDD又は/及びそのパターンを画面に表示する。
【0212】尚、微細線パターン表示/入力手段と微細
線パターン像表示/入力手段は微細線パターン取扱手段
の一要素を構成している。ラフパターン表示/入力手段
とラフパターン像表示/入力手段はラフパターン取扱手
段の一要素を構成している。
【0213】図28は本実施形態における表示手段(形
成パターン表示/入力手段)で表示する画面表示方法の
概略図である。図28において、FAは微細線パターン
データFDに基づく微細線パターンFP(MASK1)
を表示する表示部、RAはラフパターンデータRDに基
づくラフパターンRP(MASK2)を表示する表示部
である。
【0214】尚、表示部RAにはラフパターンRPと表示
部FAの微細線パターンFPとの位置関係を理解しやす
いように双方を示している。PAは形成パターンデータ
FRDに基づく形成パターンFRPを表示する表示部で
ある。TAはレジスト特性データTHに基づくガンマ特
性γを表示する表示部である。
【0215】FAAは微細線パターンデータFDに基づ
く微細線パターン像データFDD(IMAGE1)を表
示する表示部、RAAはラフパターンデータRDに基づ
くラフパターン像データRDD(IMAGE2)を表示
する表示部、PAAは形成パターンデータFRDDに基
づく形成パターンFRPPを表示する表示部である。本
実施形態では図27に示す装置で得た各種のデータを演
算し、リアルタイムで各表示部にデータ及びパターンを
表示している。
【0216】図29は本発明のパターン計算装置及びパ
ターン計算方法の実施形態4の要部ブロック図である。
本実施形態では図27の実施形態3に比べて、像演算手
段で演算するパラメータ、多重露光演算手段で演算する
パラメータ、そして最終的に得たいパラメータ(ラフパ
ターンデータRD)が異なっているだけであり、基本的
なパターン計算方法やパターン表示方法は同じである。
【0217】本実施形態では感光基板で得たい形成パタ
ーンデータを入力し、設計段階における理想的な回路パ
ターン(ラフパターンデータ)をパラメータとして求め
ている。
【0218】(エ−1)微細線パターン表示/入力手段
から微細線パターンデータFDを像演算手段に入力す
る。
【0219】(エ−2)レジスト特性表示/入力手段か
らレジスト特性データTHを多重露光演算手段に入力す
る。
【0220】(エ−3)形成パターン表示/入力手段か
ら実際に得たい形状のパターン、即ち感光基板(ウエ
ハ)で得られる形成パターンデータFRDDを多重露光
演算手段に入力する。
【0221】(エ−4)像演算手段では微細線パターン
データFDより具体的に露光装置を介したときに得られ
る微細線パターン像データFDDを演算し、この像デー
タFDDを多重露光演算手段を微細線パターン像表示/
入力手段に出力する。
【0222】(エ−4)微細線パターン像表示/入力手
段では微細線パターン像データFDD又は/及びそのパ
ターンを画面に表示する。
【0223】(エ−5)多重露光演算手段では微細線パ
ターン像データFDD、形成パターンデータFRDD、
そしてレジスト特性データTHより多重露光をしたとき
に露光装置で得られるラフパターン像データRDDを演
算し、ラフパターン像表示/入力手段と像演算手段に出
力する。
【0224】(エ−6)ラフパターン像表示/入力手段
ではラフパターン像データRDD又は/及びそのパター
ンを画面に表示する。
【0225】(エ−7)像演算手段は微細線パターンデ
ータFDより露光装置を介した後の微細線パターン像デ
ータFDDを演算し、微細線パターン像表示/入力手段
に出力する。
【0226】又、ラフパターン像データRDDより露光
装置を介する前の(設計値に相当)ラフパターンデータ
RDを演算して、ラフパターン表示/入力手段に出力し
ている。
【0227】(エ−8)微細線パターン像表示/入力手
段では微細線パターン像データFDD又は/及びそのパ
ターンを画面に表示する。
【0228】(エ−9)ラフパターン表示/入力手段で
はラフパターンデータRDを画面に表示する。
【0229】尚、本実施形態では最終的に得たいパラメ
ータをラフパターンデータRDとしたが、これに限らず
所定のパラメータのデータを入力すればどのようなパラ
メータでも任意に選択することができる。
【0230】以上の各実施形態における微細線パターン
としては周期的パターンに限らず、例えば図30(A)
に示すような市松模様のパターンであっても良く、又図
30(B)に示すような線パターンが等ピッチで配列し
ていないパターンを用いても良い。
【0231】本発明のソフトウエアは以上の計算方法に
基づいてプログラムされている。又、本発明の記録媒体
は以上の計算方法に基づいてプログラムされたソフトウ
エアを記録している。
【0232】次に上記説明したパターン計算装置で得た
マスクを利用した半導体デバイスの製造方法の実施形態
を説明する。
【0233】図31は半導体デバイス(ICやLSI等
の半導体チップ、或いは液晶パネルやCCD等)の製造
のフローを示す。
【0234】ステップ1(回路設計)では半導体デバイ
スの回路設計を行なう。ステップ2(マスク製作)では
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。
【0235】一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4
(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、前記用意したマ
スクとウエハを用いてリソグラフィ技術によってウエハ
上に実際の回路を形成する。
【0236】次のステップ5(組立)は後工程と呼ば
れ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導
体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシ
ング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封
入)等の工程を含む。
【0237】ステップ6(検査)ではステップ5で作製
された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト
等の検査を行なう。こうした工程を経て半導体デバイス
が完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0238】図32は上記ウエハプロセスの詳細なフロ
ーを示す。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸
化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶
縁膜を形成する。
【0239】ステップ13(電極形成)ではウエハ上に
電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打
込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15
(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステ
ップ16(露光)では前記説明した露光装置によってマ
スクの回路パターンをウエハに焼付露光する。
【0240】ステップ17(現像)では露光したウエハ
を現像する。ステップ18(エッチング)では現像した
レジスト以外の部分を削り取る。ステップ19(レジス
ト剥離)ではエッチングがすんで不要となったレジスト
を取り除く。これらのステップを繰り返し行なうことに
よってウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0241】本実施形態の製造方法を用いれば、従来は
製造が難しかった高集積度の半導体デバイスを容易に製
造することができる。
【0242】
【発明の効果】本発明は以上のように、 (オ−1)2光束干渉露光に代表される周期パターン露
光と周期パターンを含まない通常パターン露光(通常露
光)の2つの露光方法を用いることにより、複雑な形状
の回路パターンをウエハに形成するときの設計段階で用
いるパターン計算装置及びパターン計算方法。
【0243】(オ−2)多重露光(感光基板上の同一領
域を互いに異なる光パターンで途中に現像処理工程を介
佐須に露光すること)を利用して、所望の形状のパター
ンを得るときに該所望のパターン形状や、多重露光を行
う複数のマスクのパターン形状や感光基板(レジスト)
の感度特性、そして露光量等をパラメータとし、これら
のパラメータのうちいくつかを特定したときにどのよう
なパターンや特性を選択すれば良いかを演算し、画面に
表示し、設計段階で利用することができるパターン計算
装置及びパターン計算方法。
【0244】(オ−3)線幅0.15μm以下の部分を
備える回路パターンを容易に得ることが可能な露光方法
及び露光装置。
【0245】(オ−4)周期パターン露光と通常露光の
2つの露光法が実施できる露光装置。を、達成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光方法のフローチャート
【図2】2光束干渉露光による露光パターンを示す説明
【図3】レジストの露光感度特性を示す説明図
【図4】現像によるパターン形成を示す説明図
【図5】通常の2光束干渉露光による露光パターンを示
す説明図
【図6】本発明における2光束干渉露光による露光パタ
ーンを示す説明図
【図7】本発明の実施形態1において形成できる露光パ
ターン(リソグラフィーパターン)の一例を示す説明図
【図8】本発明の実施形態1において形成できる露光パ
ターン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す説
明図
【図9】本発明の実施形態1において形成できる露光パ
ターン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す説
明図
【図10】本発明の実施形態2に係るゲートパターンを
示す説明図
【図11】本発明の実施形態2を示す説明図
【図12】ゲートパターンを説明する図
【図13】形成されたゲートパターンの説明図
【図14】形成されたゲートパターンの説明図
【図15】従来の2光束干渉用露光装置の一例を示す概
略図
【図16】2光束干渉露光を行なう投影露光装置の一例
を示す概略図
【図17】図16の装置に使用するマスク及び照明方法
の1例を示す説明図
【図18】図16の装置に使用するマスク及び照明方法
の他の1例を示す説明図
【図19】従来の投影露光装置を示す概略図
【図20】本発明の2光束干渉露光装置の一例を示す概
略図
【図21】本発明の高解像度の露光装置の一例を示す概
略図
【図22】本発明の高解像度の露光装置の一例を示す概
略図
【図23】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態1の要部ブロック図
【図24】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態1の画面表示の説明図
【図25】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態1の画面表示の説明図
【図26】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態2の要部ブロック図
【図27】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態3の要部ブロック図
【図28】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態2の画面表示の説明図
【図29】本発明のパターン計算装置及びパターン計算
方法の実施形態4の要部ブロック図
【図30】本発明に係る微細線パターンの説明図
【図31】本発明のデバイスの製造方法のフローチャー
【図32】本発明のデバイスの製造方法のフローチャー
【符号の説明】
221 エキシマレーザ 222 照明光学系 223 マスク(レチクル) 224 マスク(レチクル)ステージ 225 2光束干渉用マスクと通常投影露光用のマスク 226 マスク(レチクル)チェンジャ 227 投影光学系 228 ウエハ 229 XYZステージ

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細線パターンデータを作成および/ま
    たは表示する微細線パターン取扱手段と、任意のラフパ
    ターンデータを作成およびまたは表示するラフパターン
    取扱手段と、パターン形成演算のための特性パラメータ
    を入力および/または表示する特性パラメータ取扱手段
    と、前記微細線パターン取扱手段とラフパターン取扱手
    段から各々出力される微細線パターンデータおよびラフ
    パターンデータと、前記特性パラメータ取扱手段から出
    力される特性パラメータを演算して、演算結果の形成パ
    ターンデータを出力する多重像演算手段と、当該形成パ
    ターンデータを表示する形成パターン取扱手段を具備し
    たことを特徴とするパターン計算装置。
  2. 【請求項2】 前記微細線パターン取扱手段は、微細線
    パターンの周期、位置、階調のうち少なくとも一つを入
    力可能であることを特徴とする請求項1のパターン計算
    装置。
  3. 【請求項3】 前記微細線パターン取扱手段は、微細線
    パターンの周期、位置、階調のうち少なくとも一つを表
    示することを特徴とする請求項1のパターン計算装置。
  4. 【請求項4】 前記微細線パターン取扱手段は、周期的
    な微細線パターンを複数重ねて形成したパターンを取扱
    うことを特徴とする請求項1のパターン計算装置。
  5. 【請求項5】 前記ラフパターン取扱手段は、パターン
    の位置、大きさ、階調のうち少なくとも一つを表示する
    ことを特徴とする請求項1のパターン計算装置。
  6. 【請求項6】 前記多重像演算手段は、微細線パターン
    データとラフパターンデータの互いに同じ位置の階調デ
    ータを加算して出力し、出力された加算後のデータに対
    し、前記特性パラメータ取扱手段により与えられる各階
    調に対するフィルタリング係数を乗算して各位置の階調
    データを求め、出力することを特徴とする請求項1のパ
    ターン計算装置。
  7. 【請求項7】 微細線パターンデータを作成および/ま
    たは表示する微細線パターン取扱手段と、任意のラフパ
    ターンデータを作成およびまたは表示するラフパターン
    取扱手段と、パターン形成演算のための特性パラメータ
    を入力および/または表示する特性パラメータ取扱手段
    と、最終的な形成パターンデータを入力および/または
    表示する形成パターン取扱手段と、前記4 つの取扱手段
    のうち、いずれか3 つの取扱手段によりデータが入力さ
    れた場合に、残り1 つのデータを演算し出力する多重像
    演算手段とを具備していることを特徴とするパターン計
    算装置。
  8. 【請求項8】 前記多重像演算手段は、前記微細線パタ
    ーン取扱手段とラフパターン取扱手段から各々出力され
    る微細線パターンデータおよびラフパターンデータと、
    前記特性パラメータ取扱手段から出力される特性パラメ
    ータとを演算することにより形成パターンデータが得ら
    れる形成パターン演算過程に対して矛盾のないように最
    適化演算されることを特徴とする請求項7のパターン計
    算装置。
  9. 【請求項9】 前記形成パターン演算過程は、微細線パ
    ターンデータとラフパターンデータの互いに同じ位置の
    階調データを加算して出力し、出力された加算後のデー
    タに対し、特性パラメータ取扱手段により与えられる各
    階調に対するフィルタリング係数を乗算して各位置の階
    調データを求め、出力することを特徴とする請求項8の
    パターン計算装置。
  10. 【請求項10】 微細線パターンデータ又は/及び微細
    線パターン像データを作成および/または表示する微細
    線パターン取扱手段と、任意のラフパターンデータ又は
    /及びラフパターン像データを作成およびまたは表示す
    るラフパターン取扱手段と、パターン形成演算のための
    特性パラメータを入力および/または表示する特性パラ
    メータ取扱手段と、最終的な形成パターンデータを入力
    および/または表示する形成パターン取扱手段と、該微
    細線パターンデータを露光装置を介したときに生成され
    る微細線パターンデータの演算及びその逆変換の演算を
    すると共にラフパターンデータを露光装置を介したとき
    に生成されるラフパターン像データの演算及びその逆変
    換を演算し出力する像演算手段と、前記4 つの取扱手段
    のうち、いずれか3 つの取扱手段によりデータが入力さ
    れた場合に、残り1 つのデータを演算し出力する多重像
    演算手段とを具備していることを特徴とするパターン計
    算装置。
  11. 【請求項11】 前記多重像演算手段は、前記微細線パ
    ターン取扱手段とラフパターン取扱手段から各々出力さ
    れる微細線パターンデータおよびラフパターンデータ
    と、前記特性パラメータ取扱手段から出力される特性パ
    ラメータとを演算することにより形成パターンデータが
    得られる形成パターン演算過程に対して矛盾のないよう
    に最適化演算されることを特徴とする請求項10のパタ
    ーン計算装置。
  12. 【請求項12】 前記形成パターン演算過程は、微細線
    パターンデータとラフパターンデータの互いに同じ位置
    の階調データを加算して出力し、出力された加算後のデ
    ータに対し、特性パラメータ取扱手段により与えられる
    各階調に対するフィルタリング係数を乗算して各位置の
    階調データを求め、出力することを特徴とする請求項1
    1のパターン計算装置。
  13. 【請求項13】 微細線パターン取扱手段により作成さ
    れた微細線パターンデータとラフパターン取扱手段によ
    り作成された任意のラフパターンデータと特性パラメー
    タ取扱手段により入力されたパターン形成演算のための
    特性パラメータとを用いて、多重像演算手段で演算し、
    当該演算結果の形成パターンデータを形成パターン取扱
    手段に出力することを特徴とするパターン計算方法。
  14. 【請求項14】 微細線パターン取扱手段により作成さ
    れた微細線パターンデータとラフパターン取扱手段によ
    り作成された任意のラフパターンデータと特性パラメー
    タ取扱手段により入力されたパターン形成演算のための
    特性パラメータと、形成パターン取扱手段より作成され
    た最終的な形成パターンデータの4 つの取扱手段からの
    データのうちいずれか3 つの取扱手段からのデータを用
    いて、残りの1 つのデータを演算し、出力することを特
    徴とするパターン演算方法。
  15. 【請求項15】 請求項1から12のいずれか1 項のパ
    ターン計算装置を利用して得たマスクのパターンを感光
    基板に転写露光していることを特徴とする露光方法。
  16. 【請求項16】 請求項13又は14のパターン計算方
    法を利用して得たマスクのパターンを感光基板に転写露
    光していることを特徴とする露光方法。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16の露光方法を用い
    て感光性のマスク上のパターンを転写していることを特
    徴とする露光装置。
  18. 【請求項18】 請求項17の露光装置を用いてマスク
    面上のパターンをウエハ面上に露光した後、該ウエハを
    現像処理工程を介してデバイスを製造していることを特
    徴とするデバイスの製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1から12のいずれか1 項のパ
    ターン計算装置を利用して製造したことを特徴とするマ
    スク。
  20. 【請求項20】 請求項13又は14の方法に基づきプ
    ログラムしたことを特徴とするソフトウエア。
  21. 【請求項21】 請求項20のソフトウエアを記録した
    ことを特徴とする記録媒体。
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