JP2000039410A - 分析用試料ケース - Google Patents

分析用試料ケース

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JP2000039410A
JP2000039410A JP10253346A JP25334698A JP2000039410A JP 2000039410 A JP2000039410 A JP 2000039410A JP 10253346 A JP10253346 A JP 10253346A JP 25334698 A JP25334698 A JP 25334698A JP 2000039410 A JP2000039410 A JP 2000039410A
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aluminum foil
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Hisashi Muraoka
久志 村岡
Tadashi Nozaki
正 野崎
Mitsuo Iida
光雄 飯田
Yoshiharu Ota
嘉治 太田
Isamu Sugiyama
勇 杉山
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PYUAREKKUSU KK
Nomura Micro Science Co Ltd
Original Assignee
PYUAREKKUSU KK
Nomura Micro Science Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷電粒子放射化分析において被分析試料の
環境からの有機汚染の危険を確実に除去することができ
る、試料チップとカバーチップを重ね合わせて収納・輸
送・荷電粒子照射の出来る用試料ケースを提供するこ
と。 【解決手段】 チップ状の分析試料とその被分析表
面を覆うように該表面に密着させたカバーチップとから
なる重ね合わせ体を収納するための試料ケースであっ
て、(a)該重ね合わせ体を収納したときに、前記分析試
料の被分析表面とは反対側の表面を受け入れる底部と該
分析試料の側面を受け入れ囲繞する側壁とを有し、該側
壁の頂部は大体平坦である皿状体と、(b)該重ね合わせ
体を収納したときに、少なくとも、皿状体の前記平坦面
とカバーチップとを覆うアルミニウム箔と、(c)該アル
ミニウム箔を前記皿状体の外側面に密着させて前記重ね
合わせ体を該ケース内に封じ込む治具とを具備すること
を特徴とする荷電粒子放射化分析用試料ケース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄い板状試料表面の超微
量の不純物分析法に用いる試料のケースに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイス製造工程ではシリコンウ
ェーハが不純物で汚染されると不良化するので、微粒子
や金属が汚染しないよう十分な清浄度が要求されてい
る。超LSIの高度化と共に、酸イオンやアンモニアの
ような非金属の汚染も問題となり、さらに有機物の汚染
の管理が必要となってきた。シリコンウェーハを有機物
が汚染すると膜形成工程等で直接デバイスを不良化する
原因となることが明らかになり、また有機物汚染は洗浄
工程での洗浄剤の除去能力を低下させて、間接的にデバ
イス不良化の原因となることも分ってきた。そこで19
97年12月の米国半導体工業会が発表したロードマッ
プでは1997年の256MDRAMプロセスで許容さ
れる有機物汚染量は炭素濃度で1×1014atoms/cm2
2009年の256GDRAMプロセスでは1.8×10
13atoms/cm2となっている。
【0003】このような要求に応えるものと期待され、
シリコン表面の炭素濃度を試料そのままの状態で分析出
来る新しい方法として、シリコン表面にサイクロトロン
などにより加速した重陽子を照射して、12C(d,n)
13Nの核反応を起させ、生成した13Nを化学分離して、
同時計数法でその放出するβ+の消滅放射線を計測する
方法が発表されている(Journal of Radioanalytical a
nd Nuclear Chemistry,Vol.216,No.2(1997)217-219)。
この方法は薄いシリコン板からなるカバーチップで被分
析試料表面をカバーして重ね合わせ荷電粒子照射を行う
ことを特徴としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】被分析原子が目的の核
反応を起す確率(断面積)は入射粒子エネルギーの関数
で、両者の関係を示す曲線が励起関数と呼ばれ、一般に
入射エネルギーの増大と共に増加し極大値を経て減少に
転じる。カバーシリコン板で粒子エネルギーは減少する
ので、カバーシリコンの厚さを励起関数が最大になるよ
うに決めることにより高感度で分析を行うことが出来
る。
【0005】図1は上記の分析方法の概念を説明したも
のであり、図2は図1における部分Cの拡大図である。
サイクロトロンで作られた重陽子(太い矢印1)はビー
ムスリット2で必要なビーム状に絞られ、軽元素の薄板
の窓3を通って常圧のヘリウムの流れる照射室4に入
る。ヘリウムは照射室4の一隅に設けられた入り口から
他の一隅に設けられた出口へと細い矢印4aのように流
す。カバーチップ5が重ね合わされた試料チップ6は予
め水冷の照射室壁面7のビームのあたる位置に図1のよ
うに固定しておく。
【0006】小型サイクロトロンを使って荷電粒子照射
を行う場合、照射ビームの大きさから試料ウェーハもカ
バーウェーハも2cm×2cm程度のチップ状にしたものが
適当であって、実際の照射では、図3のようにカバーチ
ップ5と試料チップ6とを重ね、金属製(アルミニウム
が一般的)の支持治具8のつめ9に挟み込んで水冷壁面
7に真空チャックで固定している。
【0007】重陽子の加速エネルギーと励起関数と重陽
子がカバーチップに到達するまでに通過する物質とその
厚みとが決まれば、カバーチップの最適厚みも決まる。
9MeVの加速エネルギーの場合、カバーシリコンチッ
プの厚みは230μm程度となる場合が多い。このカバ
ーチップは清浄空気中で900℃、30分程度の加熱を
行うと実質的に有機物の汚染が除去出来る。試料チップ
とカバーチップの治具へのセッティングの段階で実質的
に有機汚染がなく、また照射位置へのセッティングまで
及び照射中に試料表面が有機汚染しなければ、10分の
照射で炭素の検出限界5×1012atoms/cm2が達成出来
る。試料の分析面とカバーチップの被覆面は重ねてある
ので、この面の汚染は起り難く、特に表面炭素量が1014
atoms/cm2以上の定量ではこの面での汚染は無視出来
る。しかし、両面間の密着性は完全とはいえないので試
料面の炭素量が少ない、即ち1013atoms/cm2のオーダー
の場合にはこの面の汚染は無視できず問題となる。特に
照射中は試料が僅かに発熱するので、隙間の空気が動
き、照射装置内雰囲気も微量有機汚染源となり得る。こ
れに対する対策として、サイクロトロンの周辺をクリー
ンルーム化することは困難である。従って周辺の機械環
境から強い有機汚染が起こる可能性があった。
【0008】チップの治具へのセッティングやその為の
諸準備を除塵対策だけしかしていない通常の半導体用ク
リーンルーム中で行うと、試料やカバーチップの表面が
雰囲気中に存在するガス状有機不純物で汚染し、数分間
の露出で炭素濃度で1014atoms/cm2オーダーに達するこ
ともまれではない。これはダストレベルがクラス100
0でもクラス10でも関係なく、取入れる大気中の有機
ガス成分がそのまま到来し、さらにクリーンルーム中の
建材その他から、雰囲気中にフタル酸化合物やシロキサ
ンのような有機物がガス状に放出されるからである。従
って照射治具へのセッティングは、カバーチップの熱処
理と共に、活性炭フィルタを装備した有機物除去対策が
十分になされているクリーンルーム内で行う必要があ
る。このクリーンルームはサイクロトロンに近接した場
所に設置されていることが望ましい。なぜならば通常ウ
ェーハ等の清浄搬送に使うポリエチレンやポリプロピレ
ン容器はアウトガスが有機汚染源となり、出来るだけ短
時間で運ばないと有機汚染が起こるからである。そこで
分析試料とカバーチップとの重ね合わせ体とを収容する
気密なケースを使うことが考えられる。しかし、気密化
には弾性のあるシール部品が必要となり、このような弾
性体は通常強い有機汚染源となるので使用することが好
ましくない。
【0009】そこで、本発明の目的は、このような汚染
の機会を低減し、被分析試料の環境からの有機汚染の危
険を確実に除去することができる、試料チップとカバー
チップを重ね合わせて収納・輸送・荷電粒子照射の出来
る荷電粒子放射化分析用試料ケースを提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成する手段として、チップ状の分析試料とその被分析
表面を覆うように該表面に密着させたカバーチップとか
らなる重ね合わせ体を収納するための試料ケースであっ
て、(a)該重ね合わせ体を収納したときに、前記分析試
料の被分析表面とは反対側の表面を受け入れる底部と該
分析試料の側面を受け入れ囲繞する側壁とを有し、該側
壁の頂部は大体平坦である皿状体と、(b)該重ね合わせ
体を収納したときに、少なくとも、皿状体の前記平坦面
とカバーチップとを覆うアルミニウム箔と、(c)該アル
ミニウム箔を前記皿状体の外側面に密着させて前記重ね
合わせ体を該ケース内に封じ込む治具とを具備すること
を特徴とする荷電粒子放射化分析用試料ケースを提供す
るものである。
【0011】このケースはその裏面を真空チャックで固
定しそのまま荷電粒子ビームの照射を行うことができの
で、被分析試料のセット時以外は環境からの有機汚染の
危険が確実に除ける。したがって、分析原理に由来する
定量限界までの高感度分析を可能にする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより詳細に説明す
る。 (a) 皿状体:皿状体の材質は熱伝導のよい金属がよ
く、これによって照射時の試料の昇温を防ぐことが出来
る。熱伝導のよいセラミックを使ってもよい。荷電粒子
照射で半減期のごく短かい放射性同位体しか生成しない
点で、アルミニウムが望ましい。 (b) アルミニウム箔:アルミニウム箔の厚さは15μ
m〜20μm程度でよい。これに対し治具による締め込
みでおおむねケース内部を気密に保つことが出来る。 (c) 取り付け治具:アルミニウム箔を皿状体の側面に
押しつけて重ね合わせチップを封じ込む治具としては、
例えば、締込み環が挙げられる。材料としては、ゴム、
好ましくは有機ガスの吸着の少ないフッ素樹脂、アルミ
ニウム等が挙げられ得る。形状は締め込み環がゴムの場
合は円形が望ましいが、楕円形でも四角形でもよく、特
に形状は限定されない。ゴム締め込み環の場合、皿状体
の側壁外周には円形あるいは楕円形のくぼみを設け、締
め込み環がフィットするようにすることが好ましい。あ
るいは、皿状体の側壁と頂部平坦部との境を形成する縁
をRのある平滑n曲面とし、同形状の内面をもつ環状の
金属あるいは有機ガス発生の少ない合成樹脂を締め込み
環とし、所定の補助具で該環を皿に嵌め込んでもよい。
【0013】本発明の試料ケースの使用に際しては、皿
状体、アルミニウム箔、取り付け治具及びカバーチップ
を活性炭ケミカルフィルタを装備したクリーンルーム中
であらかじめ加熱処理して付着汚染している有機物を除
去する。清浄空気中において500℃で数時間加熱すれ
ば確実に有機物は除去される。取り付け治具としてフッ
素樹脂ゴム環を使う場合は紫外線オゾン処理を1時間程
度行うか、あるいはアセトン洗浄後、250℃の熱処理
を数時間行って付着有機物を除く。このように処理した
後、該クリーンルーム内で被分析試料チップを皿状体に
入れ、カバーチップでカバーした後、アルミニウム箔で
覆い、締め込み環等の取り付け治具で該箔を皿状体の側
面においてこれに密着するとケースへの封入が完成す
る。このケースによれば遠隔地からサイクロトロン照射
が出来る所まで輸送しても、内部が有機汚染する恐れは
ない。
【0014】本発明の試料ケースの対象は12C(d,
n)13Nの反応による表面炭素の分析に限定されるもの
ではない。例えば、10B(d,n)11Cの反応による表
面ボロンの分析などにも有用かつ有効である。大気中に
は微量のボロンが含まれ、また半導体用のクリーンルー
ムではフッ酸が使われる為これが原因となってHEPA
フィルタが雰囲気のボロン汚染を起しており、従って本
ケースによる重ね合わせチップの気密収納の有効性は明
らかである。
【0015】
【作用】本発明のケースのアルミ箔面に照射された荷電
粒子のエネルギーはまずアルミニウム箔で減少し、次い
でカバーチップのシリコン薄板で減衰する。各元素中に
おける重陽子のエネルギー減衰率は十分な精度で知られ
ているので、本発明を実施するための最適のアルミニウ
ム箔とシリコンカバーチップの厚みは、励起関数に基い
てあらかじめ求めておくことが出来る。
【0016】締め込まれたアルミニウム箔と皿の外周の
間の僅かの隙から外部の雰囲気が侵入する危険はあり得
る。しかし実際にこのケースを使って加熱処理有機汚染
除去試料を収納し、数日放置しても検出限界に近い分析
結果が得られた。これは、アルミニウム箔を空気中で5
00℃に加熱して有機物を除く処理を行う際、活性の強
いアルミニウムの自然酸化膜が成長し、この膜が雰囲気
中の有機物やボロン化合物に対し強い吸着力があって、
このような不純物の内部への侵入を妨げる為である。有
機物除去処理を行った水滴接触角が2.8°の清浄面を
もつシリコンチップ試料を石英管に入れて、通常のクリ
ーンルーム雰囲気を0.5m/秒の速さで6時間流した
ところ、水滴接触角は6°となり、明らかに有機汚染が
観察されたが、上述のように加熱処理したアルミ箔片を
塊状にもみ丸めて該石英管に詰め、この中に同様に清浄
化したシリコン試料を埋めて同じ雰囲気を同様に流した
が、水滴接触角は変化せず、このようなアルミニウム面
は雰囲気中のガス状不純物を吸着する作用があることを
確認出来た。本発明の締め込み構造により長時間輸送中
の環境雰囲気からの汚染は分析結果に影響しない程度に
十分に抑制出来る。
【0017】
【実施例】次に実施例について詳細に説明するが、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。この実施例
は表面炭素の分析の場合で説明するが、表面ボロンの分
析の場合もまったく同様に実施出来る。分析試料は炭素
濃度1016atoms/cm2以下の規格のシリコン単結晶から作
られた630μmの厚さのウェーハ(この実施例ではp
型(100)のものを使用したがn型(111)でも表
面炭素の分析の場合は無関係)である。試料はダイヤモ
ンドペンを使って2cm×2cmのチップに切り出して用い
た。この作業は、米国ESI社の活性炭フィルター10
76の下流に除塵用ULPAフィルタ−を組み合わせた
フィルター系による、エアリターン型のダウンフローク
リーンルーム内でなされた。このクリーンルームの有機
物汚染に対する管理は、水滴接触角が3°以下の親水性
化処理をしたシリコンウェーハを24時間放置して水滴
接触角の角度が1°以上増加しない条件でなされてい
る。以下シリコンチップ及びケース構成部品の加熱によ
る有機物除去並びにに試料チップのケースへの封入もす
べてこのクリーンルーム内でなされた。
【0018】この実施例では照射する重陽子の入射エネ
ルギーは照射位置で7.9MeVとし、アルミニウム箔
は20μmのものを使用したので、カバーチップの厚さ
は220μmとした。カバーチップは上述の低炭素濃度
のシリコン単結晶から作られた厚さ220μmのウェー
ハから同様に2cm×2cmの形状に切り出されたもので、
RCA洗浄した後、石英ガラス炉心管の熱処理炉中で清
浄空気を流して900℃、30分の加熱を行った。熱処
理が終ったチップはこのクリーンルーム中で冷却し、同
様に加熱して有機物を除去した石英ウール中に収納して
このクリーンルーム中に保管した。
【0019】実施例1 図4は本実施例のケースを構成する皿状体10を示すも
ので、アルミニウムで出来ており、図5は図4における
A−A断面図である。皿状体10は底壁11と該底壁の
周縁部で上方に設けられた側壁12とからなり、該側壁
12で囲繞されてなる窪み13があり、ここへ2枚重ね
のチップを入れた時、その上面と皿状体の側壁頂部の上
面14がほぼ同じ高さかチップ面がやや高くなるように
窪みの深さを決めておく。皿状体の側面には溝15が設
けられ、プーリー状となっている。
【0020】この実施例のケースは図7に示すように皿
状体10と、その上面14と側面を覆うアルミニウム箔
21と、その箔を皿状体の側面に締め付けるゴム製の締
め付け環22からなっている。ゴム環はフッ素樹脂系の
商品名バイトンのものを用いた。このゴム環の締め付け
を容易に行う為にはアルミニウム製の円柱状補助具17
を使用する。図6は該補助具17の縦断面である。側面
16の下部は下方に向かって僅かな傾斜で細まり、底部
の鍋底状窪み17aとの間で窪みを取り巻く丸刃状の縁
18が形成されている。この縁18の内径は皿状体の側
壁頂部の外径より僅かに大きくしてあり、また窪みの深
さも適当に浅くしてあるので、縁18を皿状体の外周に
重ねた場合、皿状体の側面頂部は僅かに縁18の中に嵌
まり込むようになっている。
【0021】皿状体10の窪み13にまず試料チップ1
9を図7に示すように被分析面を上にして置き、その上
にカバーチップ20を重ねる。直径が皿状体より2cm
程度大きいほぼ円形のアルミニウム箔21を重ね合わせ
チップを収納した皿状体の上に、皿状体の中心とアルミ
ニウム箔の中心が大体一致するように重ねる。
【0022】締め付け用ゴム環22を補助具17の側面
16に嵌め、補助具17の底の縁18をアルミニウム箔
21越しに皿状体10の外周に重ねて、図6におけるゴ
ム環22を下方に滑らせると、ゴム環22は図7に示す
ように皿状体10外周の溝15で止って固定する。弛緩
したときのゴム環22の内径を僅かに皿状体の外径より
小さくしておくことにより、アルミニウム箔21は図7
のようにゴム環22で皿状体の外周に締め付けられ、重
ね合わせチップはアルミニウム箔21とアルミニウム皿
状体10の間に気密に収納される。
【0023】アルミニウム製の皿状体及び補助具とアル
ミニウム箔はチップ収納に先立ち、チップを収納するク
リーンルーム内の熱処理炉で500℃、1時間処理して
おく。バイトン環は1時間紫外線オゾン処理をしてお
く。
【0024】分析試料は、材料メーカから入手したウェ
ーハを上述のように2cm×2cmに切断した後RCA洗浄
して上記クリーンルーム内で風乾したもの(試料1)
と、こうして風乾した後にさらに熱処理を加えたものが
準備された。RCA洗浄は (SC−1処理)NH4 OH:H22 :H2 O=1
容:1容:5容の洗浄液で70℃、10分; (DHF処理)HF:H2 O=1容:50容の洗浄液で
室温、3分;および (SC−2処理)HCl:H22 :H2 O=1容:1
容:6容の洗浄液で70℃、10分;の各処理を夫々超
純水リンスを後続させて順に行ったものである。
【0025】加熱処理品は高純度の空気中で900℃、
30分の熱処理を行った後、このクリーンルーム内で放
冷し、冷却直後のもの(試料2)と、同様に放冷後この
クリーンルームに24時間放置したもの(試料3)が準
備された。
【0026】各試料は3個づつとし、上述のようにケー
スに収納して石英ウールでくるんで包装して、宅配便で
約500km離れているサイクロトロン施設に送付し、
熱処理の3日後にケースのまま皿状体の底を図1に示す
装置の照射室の水冷壁面6に取付け、7.9MeV、1
0分の重陽子照射を行った。照射後ケースから試料チッ
プを取出し、高周波加熱で融解して、発生したガスの中
13Nをチタンスポンジに吸収し、このβ+壊変で発生
する消滅放射線を同時計数計測して、核反応した炭素量
を算出した。
【0027】分析の結果試料1の表面炭素濃度は3×10
14atoms/cm2、5×1014atoms/cm2、2×1014atoms/c
m2、であったのに対し、試料2は3×1012atoms/cm2
3×1012atoms/cm2、5×1012atoms/cm2、試料3は
1.1×1013atoms/cm2、8×1012atoms/cm2、1.0×1
013atoms/cm2となった。熱処理直後の試料2はほぼ検
出限界である。シリコン単結晶自体に深さ1μmあたり
1012atoms/cm2に近い炭素が存在する可能性があり、こ
れらがバックグラウンドとなり分析原理的に2×1012at
oms/cm2程度の検出限界となる。
【0028】以上からRCA洗浄は有機物除去には効果
がないこと、試料チップをこのケースのまま保管し重陽
子照射しても外界からの有機汚染を受けないこと、また
この有機汚染対策したクリーンルームはこのケース構成
部品を清浄化するのに、またシリコンチップを作成する
のに、さらに試料をケースに収納するのに十分な清浄度
があることが分る。
【0029】実施例2 本実施例は本発明の別のタイプのケースを示すもので、
アルミニウム箔の締め付け環は皿状体と同じくアルミニ
ウムで出来ている。図8は使用される皿状体25の平面
図であり、図9は図8におけるB−B断面図である。皿
状体25の上面にはチップを収納する窪み26が実施例
1の場合と同様にあり、2枚重ねのチップを入れた時皿
状体25の側壁頂部27がチップ上面と同様の高さ関係
になるよう窪みの深さを決めておく。皿状体の側面28
と側壁頂部27との境界の縁29は丸みをもった曲面に
加工し、また側面28は僅かにテーパーがかかり(3°
程度)裾広がりに下方に向かって直径が増している。
【0030】皿状体25の側面は傾斜の極めてゆるい台
形斜面となるが、側壁頂部27の外径より僅かに大きい
内径を有する筒状リング30(図10参照)が締め付け
環となる。図11に示すようにこの実施例のケースはこ
の皿状体25の側壁頂部27と側面28を覆うアルミニ
ウム箔31とその箔を皿状体25の側面に締め付けるア
ルミニウム環30からなっている。このアルミニウム環
30の締め付けを容易に行う為にはアルミニウム製の補
助具を使用する。
【0031】図12はこの補助具で環30の締め付けを
行う直前の状態を示す縦断面図である。補助具は皿状体
25の底が嵌まり込む凹部34aが内底34に作られて
いるたらい状体32と、たらい状体側壁33の内面に嵌
まりこむ外側筒状部35と、外側筒状部35にネジ止め
等で一体化されるガイド体36と、ガイド体36の一部
である上方筒状部36aの内面にそって滑り落ちること
の出来る環押し円柱37よりなる。ガイド体36は上方
筒状部36aの下方に下方筒状部36bを有しており、
この内面にそってアルミニウム環30の外側面が滑り落
ちるように作られている。この下方筒状部36bの底3
6cは筒部周りの面と直交し、ガイド体36をセットし
た時皿状体25の側壁頂部と同じ高さになるようにして
おく。また、アルミニウム環30の上面を押すことが出
来るように環押し円柱37の下方側面はガイド体の下方
筒状部36bの内面との間に若干の隙間があるように細
くしてある。この補助具ではたらい状体の側壁33は筒
状であり、この筒の中心線とたらい状体の底にある凹部
34aの中心線と外方筒状部35、上方筒状部36a、
下方筒状部36bのそれぞれの中心線が一致するように
構成されている。また、環押し円柱37の底面37aは
該中心線に対して直交するように作られている。
【0032】この補助具を使ってアルミニウム環30の
締め込みを行うには、たらい状体32の凹部34aに皿
状体25の底部をはめ込み、重ね合わせチップ38,3
9を皿状体25の窪み26にセットした後、実施例1と
同様のアルミニウム箔31を同様に皿状体25にかぶ
せ、外方筒状部35(ガイド体と一体になっている)を
たらい状体32に嵌め込む。次いでアルミニウム環30
を下方筒状部36bの中に滑り落とす。アルミニウム環
30はアルミニウム箔31の上に止まる。ここで環押し
円柱37を上方筒状部36aの中に滑り落としさらに圧
力をかけると、その底37aがアルミニウム環30を押
してアルミニウム箔31がチップ38の上面とアルミニ
ウム製皿状体25の側面27に密着する。環押し円柱3
7とガイド体36を除き、あらかじめたらい状体32の
底にあけておいた穴40から皿状体25の底を押すと、
図11のように重ね合わせチップを気密に収納したケー
スが出来上がる。
【0033】分析試料は、実施例1のようにRCA洗浄
した後、同様に900℃、30分の熱処理をしたもの
(試料4)を6個準備した。その中の3個は通常の半導
体デバイス製造用クリーンルーム内に24時間放置し
た。後者の試料を試料5とする。アルミニウム製のケー
ス部品及び補助具はすべて実施例1と同じクリーンルー
ム内で500℃、1時間の熱処理を行ったものを用い、
付着有機物を除いてからカバーチップと試料4または試
料5を重ね合わせて上述のようにケース内にセットし
た。実施例1と同様にこのケースを遠隔のサイクロトロ
ン施設に送付し、ケース収納後3日目に実施例1と同様
に重陽子照射を行い、化学分離後13Nを定量し、表面炭
素濃度を求めた。
【0034】試料4の表面炭素濃度は2×1012atoms/c
m2、4×1012atoms/cm2、4×12atoms/cm2、通常クリ
ーンルームに24時間放置した試料5は2×1014atoms
/cm2、3×1014atoms/cm2、1.6×1014atoms/cm2、で
あった。熱処理直後の試料はケース内に3日間収納され
ていても、また照射中にも有機汚染を受けていないこと
が分る。従ってこのケースの構造は本発明の目的を十分
満足している。また一般のクリーンルームの有機汚染状
況が数値でもってしかも再現性よく把握出来ることも分
る。
【0035】
【発明の効果】本発明の試料ケースによれば、被分析試
料の環境からの有機汚染の危険を確実に除去することが
できる。特にこのケースはその裏面を真空チャックなど
で固定しそのまま荷電粒子ビームの照射を行うことがで
きので、チップセット時以外は環境からの有機汚染の危
険が確実に除ける。したがって、分析原理に由来する定
量限界までの高感度分析を可能にする。
【0036】より具体的には、本発明のケースに収納さ
れたチップは数日間保管してもまた長距離の輸送をして
も外界から有機汚染を受ける恐れがない。またケースの
まま照射室にセットして荷電粒子放射化分析が出来、こ
の照射時の有機汚染を受けることもないので、炭素分析
の場合、検出限界2×1012atoms/cm2が達成出来る。こ
のレベルはULSIデバイス製造上十分な値である。ま
た本発明のケース形状は照射位置への連続自動装填が可
能な単調なもので、自動装填を行えば作業者の被曝防止
も容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 荷電粒子放射化分析の概念を説明する図。
【図2】 図1における部分Cの拡大図。
【図3】 従来の支持治具でチップ重ね合わせ体を保持
した状態を示す縦断面図。
【図4】 実施例1で使用した皿状体を示す図。
【図5】 図4の皿状体の縦断面図。
【図6】 図4、図5の皿状体にアルミニウム箔を被せ
たのちにゴム環を取り付ける補助具の縦断面図。
【図7】 実施例の試料ケースにチップを収納した状態
の縦断面図。
【図8】 実施例2で使用した皿状体を示す図。
【図9】 図8の皿状体の縦断面図。
【図10】 筒状アルミニウム環の縦断面図を示す。
【図11】 実施例2の試料ケースにチップを収納した
状態の縦断面図。
【図12】 図8、図9の皿状体にアルミニウム箔を被
せたのちにアルミニウム環を取り付ける補助具の縦断面
図。
【符号の説明】
1 重陽子 4 照射室 5 カバーチップ 6 試料チップ 8 支持治具 10 皿状体 15 溝 21 アルミニウム箔 22 締め付け用ゴム環 17 円柱状補助具 19 試料チップ 20 カバーチップ 25 皿状体 30 締め付け用アルミニウム環 31 アルミニウム箔 32 たらい状体 35 外側筒状体 36 ガイド体 37 環押し円柱 38 カバーチップ 39 試料チップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野崎 正 神奈川県横浜市港北区新羽町735番地 株 式会社ピュアレックス内 (72)発明者 飯田 光雄 神奈川県横浜市港北区新羽町735番地 株 式会社ピュアレックス内 (72)発明者 太田 嘉治 神奈川県厚木市岡田2丁目九番八号 野村 マイクロ・サイエンス株式会社内 (72)発明者 杉山 勇 神奈川県厚木市岡田2丁目九番八号 野村 マイクロ・サイエンス株式会社内 Fターム(参考) 2G001 AA05 FA12 JA07 JA12 JA14 KA01 LA11 MA05 NA03 PA07 QA01 QA02 QA10 RA03 RA05 5C001 AA08 CC05 5F031 CA13 DA12 MA33 NA18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チップ状の分析試料とその被分析表面を覆
    うように該表面に密着させたカバーチップとからなる重
    ね合わせ体を収納するための試料ケースであって、(a)
    該重ね合わせ体を収納したときに、前記分析試料の被分
    析表面とは反対側の表面を受け入れる底部と該分析試料
    の側面を受け入れ囲繞する側壁とを有し、該側壁の頂部
    は大体平坦である皿状体と、(b)該重ね合わせ体を収納
    したときに、少なくとも、皿状体の前記平坦面とカバー
    チップとを覆うアルミニウム箔と、(c)該アルミニウム
    箔を前記皿状体の外側面に密着させて前記重ね合わせ体
    を該ケース内に封じ込む治具とを具備することを特徴と
    する荷電粒子放射化分析用試料ケース。
JP10253346A 1998-07-17 1998-07-17 分析用試料ケース Pending JP2000039410A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007149571A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Hitachi High-Technologies Corp 試料測定方法、及び荷電粒子線装置

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JP2007149571A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Hitachi High-Technologies Corp 試料測定方法、及び荷電粒子線装置

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