JP2000038374A - 硫酸化物の製造方法 - Google Patents

硫酸化物の製造方法

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JP2000038374A JP11063666A JP6366699A JP2000038374A JP 2000038374 A JP2000038374 A JP 2000038374A JP 11063666 A JP11063666 A JP 11063666A JP 6366699 A JP6366699 A JP 6366699A JP 2000038374 A JP2000038374 A JP 2000038374A
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泰光 佐久間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】色相が大幅に改善された硫酸化物を低コストで
得ることができる硫酸化物の製造方法を提供すること。 【解決手段】SO3 ガスと反応して硫酸化物を与える化
合物(以下、原料化合物という)を反応管内壁を流下さ
せながら供給して、該反応管内壁上に原料化合物の薄膜
を形成させるとともに、該反応管内にSO3 ガス及び不
活性ガスを、不活性ガスが原料化合物の薄膜とSO3
ス流との間に流れるように供給する硫酸化物の製造方法
であって、SO3 ガスに対して0.01〜1.8の流量
比、かつ0.1〜1.2の流速比となるように不活性ガ
スを供給する硫酸化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色相が大幅に改善
された界面活性剤として有用な硫酸化物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】SO3 ガスによる硫酸化は高度な発熱を
ともなう反応であり、その反応生成物は粘稠性であっ
て、流動性に欠けるため、SO3 と過度に反応し易く、
しばしば反応物の着色、炭化物の混入等を与えるという
欠点がある。種々の商業的目的に対し、色相の悪い製品
は、商品価値が低下する場合があるため、従来、これら
の色相悪化に対して、多くの方法が提案されている。
【0003】特公昭49−48409号公報において
は、薄膜スルホン化装置において反応液薄膜流とSO3
ガスとの中間に空気又は不活性ガスを冷却ガスとして、
SO3ガスの約2〜5倍量、かつ実質的にSO3 ガス流
と同速度で導入してスルホン化反応を行うことにより、
反応温度を一定にし、着色及び副生成物の少ない硫酸化
物を製造する方法が開示されている。しかしながら、該
製造方法では、冷却を目的として不活性ガスを流すた
め、多量の不活性ガスが必要であり、上記公報の出願人
が後に出願している特公昭53−41130号公報に見
られるような排ガスの循環利用等の措置をとる必要があ
り、設備上の負荷が大きいという欠点がある。また、か
かる硫酸化反応方法を用いて得られる硫酸化物の色相
は、ある程度改善されるものの、より一層の改善が必要
であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、色相が大幅
に改善された硫酸化物を低コストで得ることができる硫
酸化物の製造方法を提供することを目的とする。尚、本
発明でいう「硫酸化」とは、いわゆるスルホン化又は硫
酸エステル化を意味する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、SO3 ガスと
反応して硫酸化物を与える化合物(以下、原料化合物と
いう)を反応管内壁を流下させながら供給して、該反応
管内壁上に原料化合物の薄膜を形成させるとともに、該
反応管内にSO3 ガス及び不活性ガスを、不活性ガスが
原料化合物の薄膜とSO3 ガス流との間に流れるように
供給する硫酸化物の製造方法であって、SO3 ガスに対
して0.01〜1.8の流量比、かつ0.1〜1.2の
流速比となるように不活性ガスを供給する硫酸化物の製
造方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる原料化合物と
しては、アルキルアリール炭化水素、オレフィン炭化水
素、脂肪族アルコール、アルキルフェノール及びそれら
のエトキシレート、その他の硫酸化し得る有機化合物を
使用することができる。本発明の製造方法は、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸化物の製造に特に有用
であり、該化合物はアルカリ金属水酸化物、アミンまた
はアルカノールアミン等の一般的な塩基性試薬で中和す
ることにより、高度に効果的な活性剤化合物を調製する
ことができる。
【0007】原料化合物の流量としては、原料化合物の
分子量によっても異なるが、均一な液膜形成の観点か
ら、浸辺長流量50kg/mHr以上、好ましくは10
0kg/mHr以上であることが望ましく、液膜内の混
合不良による過剰反応を防ぐ観点から、浸辺長流量80
0kg/mHr以下、好ましくは600kg/mHr以
下であること(例えば、50〜800kg/mHr、好
ましくは100〜600kg/mHrであること)が望
ましい。中でも、例えば、14mmのように20mm以
下の内径を有する反応管を用いた場合、原料化合物の流
量としては、2.2kg/Hr以上、好ましくは4.4
kg/Hr以上であることが望ましく、35kg/Hr
以下、好ましくは26kg/Hr以下であること(例え
ば、2.2〜35kg/Hr、好ましくは4.4〜26
kg/Hrであること)が望ましい。また、28mmの
ように20mmを越える内径を有する反応管を用いた場
合、4.4kg/Hr以上、好ましくは8.8kg/H
r以上であることが望ましく、70kg/Hr以下、好
ましくは53kg/Hr以下であること(例えば、4.
4〜70kg/Hr、好ましくは8.8〜53kg/H
rであること)が望ましい。なお、浸辺長流量は以下の
式によって求めることができる。
【0008】
【数1】
【0009】原料化合物の温度は、融点あるいは濁り点
以上の温度であればよく、安定的に運転する観点から、
反応管へ供給する前に、一般的な手段により一定温度に
調整して供給することが望ましい。
【0010】本発明に用いられる反応管としては、その
内壁上に原料化合物を流下させ、原料化合物の薄膜を形
成させることができ、またSO3 ガス及び不活性ガス
を、不活性ガスが原料化合物の薄膜とSO3 ガス流との
間に流れるように供給することができる構造であればよ
く、例えば、製作上及び器材の入手のしやすさからパイ
プ形状が好ましい。
【0011】反応管の寸法は、具体的には、反応管がパ
イプ形状である場合、パイプの内径は圧力損失を防ぎ、
エネルギーロスを抑える観点から、8mm以上、好まし
くは12mm以上であることが望ましく、反応を終了す
るのに必要な管長を短くし、装置コストを抑える観点か
ら、80mm以下、好ましくは40mm以下が望まし
い。また、その場合のパイプの長さは、反応を完結さ
せ、未反応原料を低減させたり、反応熱の除熱を効率的
に行う観点から、1m以上、好ましくは2m以上である
ことが望ましく、圧力損失の軽減により、装置コストを
抑える観点から、15m以下、好ましくは10m以下で
あることが望ましい。
【0012】反応管の材質としては、特に限定はない
が、例えばステンレス鋼、ガラス、フッ素樹脂、チタ
ン、その他の合金材等が挙げられる。
【0013】また、反応管は、該反応管内壁に原料化合
物を流下できるように設置されていればよく、配置に制
限はないが、例えば、水平面に対して垂直に立てられて
いることが好ましい。
【0014】本発明におけるSO3 ガスは、一般的に
は、空気、窒素又はその他の不活性ガスで希釈されて好
適な濃度で使用される。この場合、SO3 濃度は、一般
的には、1.0体積%以上、10体積%以下の濃度を使
用することが好ましい。
【0015】また、その際のSO3 ガスのみの流量とし
ては、反応管の内径によっても異なるが、例えば、14
mmのように20mm以下の内径を有する反応管を用い
た場合には、良好な反応を行う観点から、例えば、1.
8×10-3Nm3 /s以上、好ましくは2.7×10-3
Nm3 /s以上であることが望ましく、圧力損失の軽減
により、装置コストを抑える観点から、9.5×10-3
Nm3 /s以下、好ましくは8.0×10-3Nm3 /s
以下であること(例えば、1.8×10-3〜9.5×1
-3Nm3 /s、好ましくは2.7×10-3〜8.0×
10-3Nm3 /sであること)が望ましい。また、28
mmのように20mmを越える内径を有する反応管を用
いた場合には、11×10-3Nm3 /s以上、好ましく
は15×10-3Nm3 /s以上であることが望ましく、
57×10-3Nm3 /s以下、好ましくは48×10-3
Nm3 /s以下であること(例えば、11×10-3〜5
7×10-3Nm3 /s、好ましくは15×10-3〜48
×10-3Nm3 /sであること)が望ましい。
【0016】SO3 ガスの流速としては、反応において
環状流を形成し、均一な液膜を得る観点から、例えば3
0Nm/s以上、好ましくは40Nm/s以上であるこ
とが望ましく、反応において液膜の乱れ防止及びミスト
の発生防止の観点から、150Nm/s以下、好ましく
は125Nm/s以下であることが望ましい。
【0017】なお、SO3 ガスの流速は後記実施例に記
載の計算方法に従って算出することができる。
【0018】本発明において原料化合物とSO3 ガスと
の間に供給される不活性ガスとしては、特に制限はな
く、例えば、空気、除湿を行った乾燥空気、窒素等のS
3 ガスと原料化合物の両方に化学反応しないガスを用
いることができ、コストの面から空気が好ましく、芒硝
等の副反応物低減の目的から、除湿した乾燥空気がさら
に好ましい。また、SO3 ガスの希釈に用いる不活性ガ
スの一部を用いてもなんら差し支えない。
【0019】また、その際の流量としては、反応管の内
径によっても異なるが、例えば、14mmのように20
mm以下の内径を有する1本の反応管を用いた場合に
は、色相改善効果を十分に得るという観点から、例え
ば、9.0×10-5Nm3 /s以上、好ましくは1.4
×10-4Nm3 /s以上であることが望ましく、反応を
促進させ、未反応原料を十分に低減させる観点から、
6.3×10-3Nm3 /s以下、好ましくは5.4×1
-3Nm3 /s以下であること(例えば、9.0×10
-5〜6.3×10-3Nm3 /s、好ましくは1.4×1
-4〜5.4×10-3Nm3 /sであること)が望まし
い。また、28mmのように20mmを越える内径を有
する1本の反応管を用いた場合には、1.1×10-3
3 /s以上、好ましくは1.5×10-3Nm3 /s以
上であることが望ましく、5.7×10 -2Nm3 /s以
下、好ましくは4.8×10-2Nm3 /s以下であるこ
と(例えば、1.1×10-3〜5.7×10-2Nm3
s、好ましくは1.5×10-3〜4.8×10-2Nm3
/sであること)が望ましい。
【0020】反応管内壁を流下する原料化合物上を流れ
る不活性ガスの流速としては、管中心を流れるSO3
スの流速にもよるが、環状流を形成し、均一な液膜を得
る観点から、例えば14mmのように20mm以下の内
径を有する1本の反応管を用いた場合には、9Nm/s
以上、好ましくは12Nm/s以上であることが望まし
く、液膜の乱れ防止及びミストの発生防止の観点から、
180Nm/s以下、好ましくは150Nm/s以下で
あること(例えば、9〜180Nm/s、好ましくは1
2〜150Nm/sであること)が望ましい。また、2
8mmのように20mmを越える内径を有する1本の反
応管を用いた場合には、3Nm/s以上、好ましくは4
Nm/s以上であることが望ましく、120Nm/s以
下、好ましくは100Nm/s以下であること(例え
ば、3〜120Nm/s、好ましくは4〜100Nm/
sであること)が望ましい。
【0021】なお、不活性ガスの流速は、後記実施例に
記載の計算式に従って算出することができる。
【0022】SO3 ガスに対する不活性ガスの流量比
は、SO3 ガスと不活性ガスの流路面積によって一概に
規定することができないが、不活性ガスの流路面積の増
大は、不活性ガス流量の増加を引き起こすため、反応熱
の発生が過度に抑制されて反応が進みにくくなり、反応
管内で反応が完結しにくくなるので、極端に流路面積を
増大することは好ましくない。逆に、著しい流路面積の
減少は、流路内での圧力損失を増大し、不活性ガス流路
内での液膜厚と反応開始後の液膜厚に大きな差が生じる
ことから液膜の乱れを誘発し、反応物を効率よく得られ
なくなり、好ましくない。これらの見地から、流量比
(不活性ガス/SO3 ガス)は、反応管の内径によって
も異なるが、0.01以上、好ましくは0.015以
上、より好ましくは0.02以上である。また、1.8
以下、好ましくは0.5以下、より好ましくは0.4以
下である。中でも、0.015〜0.5が好ましく、
0.02〜0.4がより好ましい。
【0023】特に、反応管の内径が20mm以下の場
合、さらに好ましくは0.05以上、より好ましくは
0.1以上、特に好ましくは0.15以上である。ま
た、好ましくは1.8以下、より好ましくは0.5以
下、特に好ましくは0.4以下である。中でも、0.0
5〜1.8が好ましく、0.1〜0.5がより好まし
く、0.15〜0.4が特に好ましい。
【0024】特に、反応管の内径が20mmを越える場
合、さらに好ましくは0.01以上、より好ましくは
0.015以上、特に好ましくは0.02以上である。
また、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15
以下、特に好ましくは0.1以下である。中でも、0.
01〜0.2が好ましく、0.015〜0.15がより
好ましく、0.02〜0.1が特に好ましい。
【0025】また、SO3 ガスに対する不活性ガスの流
速比は、反応管の内径によっても異なるが、0.1以
上、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.2以
上である。また、1.2以下、好ましくは1.0以下、
より好ましくは0.9以下である。中でも、0.15〜
1.0が好ましく、0.2〜0.9がより好ましい。
【0026】特に、反応管の内径が20mm以下の場
合、さらに好ましくは0.3以上、より好ましくは0.
4以上、特に好ましくは0.5以上である。また、好ま
しくは1.2以下、より好ましくは1.0以下、特に好
ましくは0.9以下である。中でも、0.3〜1.2が
好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜
0.9が特に好ましい。
【0027】特に、反応管の内径が20mmを越える場
合、さらに好ましくは0.1以上、より好ましくは0.
15以上、特に好ましくは0.2以上である。また、好
ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、特に
好ましくは0.48以下である。中でも、0.1〜0.
8が好ましく、0.15〜0.6がより好ましく、0.
2〜0.48が特に好ましい。
【0028】これらの流速比以外の範囲では、得られる
硫酸化物の色相改善効果が低減する場合がある。これら
の流速比の範囲においては、SO3 ガスと不活性ガスと
の境界におけるSO3 ガス分子の不活性ガス中への混合
が抑制され、SO3 分子の原料化合物の液膜表面への到
達速度が低下することにより、反応器上部での急激な反
応が緩和され、局所的な発熱及び、反応物温度の急激な
上昇が抑制されていると考えられる。しかも、これらの
流速比に調整することにより、使用する不活性ガスの量
はSO3 ガスの量に対して従来技術よりも少量でよく、
さらに設備上に負荷を強いることもなく、優れた色相改
善効果を得ることができる。
【0029】本発明に用いられる装置としては、前記し
たような構成を有する反応管を持つものであれば特に限
定はなく、例えば、図1〜2に示されるような硫酸化反
応装置が用いられる。
【0030】図1は、本発明の好適な硫酸化反応装置の
一例の概略説明図を示す。硫酸化反応装置1は、原料化
合物供給口2、不活性ガス供給口3及び、SO3ガス供
給口4がそれぞれ具備された反応管5が配設されてい
る。
【0031】原料化合物、不活性ガス及びSO3 ガス
は、反応管5の上部において、それぞれの供給口から反
応管5内に供給される。原料化合物は、反応管5の内壁
を流下しながら、SO3 ガスと反応する。また、反応管
5は冷却装置6により外部から冷却できる構造となって
おり、冷却装置6には冷却水が供給される。反応管5の
末端には気液分離器(サイクロン)7が装備されてお
り、硫酸化物と排ガスを分離する。
【0032】図2は、図1で示された硫酸化反応装置1
における原料化合物、不活性ガス、SO3 ガスの各供給
口の構造を示す概略説明図である。
【0033】また、本発明を工業的規模で行うにあたっ
ては、複数本の反応管を組み合わせた多管型反応装置を
用いることが好ましい。この場合に用いられる反応管と
しては、上述した反応管の内径、長さ等を用いることが
でき、各反応管は、内径、長さ等を揃えることが好まし
い。
【0034】
【実施例】実施例1〜3 原料化合物として、ラウリルアルコールに酸化エチレン
を常法で2.5モル付加したアルキルエーテル(分子量
295)を用いた。また、反応装置として、図1に示す
ような1本の反応管(反応管内径(D):14mmφ、
反応管の長さ:4m、SO3 ガス供給管の内径
(d1 ):9mm、SO3 ガス供給管の外径(d 2 ):
12mm)を有する硫酸化反応装置を用いた。
【0035】原料化合物、SO3 ガス及び不活性ガスを
それぞれの供給口から反応管内に連続的に供給し、反応
管内で硫酸化反応を行った。原料化合物の流量について
は、浸辺長流量〔=原料流量/(π×反応管内径
(D))〕で100kg/m・Hrとなるように、また
その他の条件については、表1に示すように調整して硫
酸化反応を行った。得られた硫酸化物は、NaOH水溶
液によって中和し、色相(Klett No.;活性剤
分10%含有品、10mmセル、波長:420nm)を
測定した。その結果を表1に示す。
【0036】〔不活性ガス流速の算出〕なお、図2に示
す如く反応管内に形成されたドーナツ状部(反応管とS
3 ガス供給管との隙間)を流れる不活性ガスの流速
(uS )は、以下の計算式によって求められる。
【0037】
【数2】
【0038】ここで、uS はドーナツ状部を流れる不活
性ガス流速〔m/s〕、VS はドーナツ状部を流れる不
活性ガス流量〔m3 /s〕、Dは反応管内径〔m〕、d
2 はSO3 ガス供給管外径〔m〕、δはドーナツ状部を
流れる原料化合物の液膜厚〔m〕を示す。ここで、液膜
厚δは、以下の手順により求める。
【0039】まず、単純なモデル(以下、円筒モデルと
いう)として、円筒状の反応管内壁を流れる液膜の反応
管の軸方向に対して垂直方向(y軸方向)の速度分布u
(y)は、Navier-Stokes 式から次のように示される。
【0040】
【数3】
【0041】(なお、Pは圧力〔Pa〕、uL は円筒モ
デルの液流速〔m/s〕、uG は円筒モデルの不活性ガ
ス流速〔m/s〕、uLiは円筒モデルの気液界面におけ
る液流速〔m/s〕、gは重力加速度〔m/s2 〕、y
は反応管内壁からのy軸方向の距離〔m〕、zは反応管
の軸方向距離〔m〕、fは不活性ガスと液との摩擦係数
〔−〕(下記の式で算出)、ρL は液密度〔kg/
3 〕、ρG は不活性ガス密度〔kg/m3 〕、μL
液の粘度〔Pa.s〕、τi は気液界面剪断応力〔P
a〕、δ’は円筒モデルの液膜厚み〔m〕、Γ’はδ’
に基づいて計算して得られた浸辺長流量〔kg/mH
r〕を示す。ここで、不活性ガスと液との摩擦係数f
は、f=0.0791・Re-0.25 で求められ、Re=
(D・ρG ・uG )/μG ;D、ρG 及びuG は前記と
同じ、μG は不活性ガス粘度〔Ps・s〕を示す。)
【0042】また、実際の浸辺長流量Γ〔kg/mH
r〕は、Γ=液流量/(π・D)で求められる。ここ
で、液膜厚δ’を仮定し、この仮定に基づいて得られた
浸辺長流量Γ’を(6)式により求め、浸辺長流量Γ’
=実際の浸辺長流量Γ(kg/mHr;少数点2桁まで
一致させる)になるδ’を決定する。δ’を決定するに
あたり、不活性ガス流速uG を仮定して行う。
【0043】次に、求めた円筒モデルの液膜厚δ’から
ドーナツ状部を流れる原料化合物の液膜厚δを以下の手
順で求める。uS =uG となるδ' をδとして求め、同
時にuS を得る。即ち、上述より求めたδ’を用いて
(1)式のδに代入して求めたuS と、δ’を求める際
に仮定したuG が等しければ、δ’はδであり、同時に
S が求まる。uS ≠uG であれば、δ’を求める際の
G の仮定値を変更して、再度δ’の算出以降の操作を
して再計算することによりδとuS を求める。
【0044】〔SO3 ガス流速の算出〕SO3 ガスの流
速は以下の計算式に従って算出した。
【0045】
【数4】
【0046】なお、ut はSO3 ガス流速〔m/s〕、
G はSO3 ガス流量〔m3 /s〕、d1 はSO3 ガス
供給管の内径〔m〕を示す。
【0047】以上により求めた不活性ガス流速及びSO
3 ガス流速〔m/s〕には、温度・圧力の条件が含まれ
ている。その影響をなくすため表1に示した流速〔Nm
/s〕は、〔Nm3 /s〕に換算した不活性ガス流量及
びSO3 ガス流量を用いて計算される。
【0048】比較例1 反応条件を表1に示すように調整した以外は、実施例1
と同様にして硫酸化反応を行い、硫酸化物を得た。その
結果を表1に示す。
【0049】実施例4〜7 原料化合物として、ラウリルアルコールとミリスチルア
ルコールを75:25(重量比)に混合したアルコール
に酸化エチレンを常法で2モル付加したアルキルエーテ
ル(分子量280)を用いた。また、反応装置として、
48本の反応管(反応管内径(D):16mmφ、SO
3 ガス供給管の内径(d1 ):11.1mm、SO3
ス供給管の外径(d2 ):14.1mm、長さ:5m)
を有する多管型硫酸化反応装置を用いた。
【0050】かかる反応装置に原料化合物、SO3 ガス
及び不活性ガスそれぞれの供給口から反応管内へ連続的
に供給し、反応管内で硫酸化反応を行った。原料化合物
の流量については、浸辺長流量〔=原料流量/(π×反
応管内径(D))〕で100kg/m・Hrとなるよう
に、またその他の条件については、表1に示すように調
整して硫酸化反応を行った。得られた硫酸化物は、Na
OH水溶液によって中和し、実施例1と同様に色相を測
定した。その結果を表1に示す。なお、色相が12以下
のものを合格品とする。
【0051】実施例8〜10 原料化合物として、実施例4〜7と同様のアルキルエー
テルを用いた。また、反応装置として、図1に示すよう
な1本の反応管(反応管内径(D):28mmφ、反応
管の長さ:7m、SO3 ガス供給管の内径(d1 ):2
2mm、SO3ガス供給管の外径(d2 ):25mm)
を有する硫酸化反応装置を用いた。
【0052】かかる反応装置に原料化合物、SO3 ガス
及び不活性ガスそれぞれの供給口から反応管内へ連続的
に供給し、反応管内で硫酸化反応を行った。原料化合物
の流量については、浸辺長流量〔=原料流量/(π×反
応管内径(D))〕で230kg/m・Hrとなるよう
に、またその他の条件については、表1に示すように調
整して硫酸化反応を行った。得られた硫酸化物は、Na
OH水溶液によって中和し、実施例1と同様に色相を測
定した。その結果を表1に示す。なお、色相が12以下
のものを合格品とする。
【0053】比較例2〜3 反応条件を表1に示すように調整した以外は、実施例4
と同様にして硫酸化反応を行い、得られた硫酸化物の中
和物の色相を測定した。その結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1より、実施例1〜10で得られた硫酸
化物は、不活性ガス/SO3 ガス流量比及び流速比をそ
れぞれ0.01〜1.8の範囲及び0.1〜1.2の範
囲に調整することにより、流量比、流速比の一方又は両
方が前記の範囲から外れて調整された比較例1〜3で得
られた硫酸化物より色相が大幅に改善されていることが
わかる。
【0056】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることにより、
色相が大幅に改善された硫酸化物を低コストで得ること
ができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に用いられる硫酸化反応装置の
一実施態様を示す概略説明図である。
【図2】図2は、図1に示す硫酸化反応装置における原
料化合物、不活性ガス、SO3ガスの各供給口の構造の
一実施態様を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 硫酸化反応装置 2 原料化合物供給口 3 不活性ガス供給口 4 SO3 ガス供給口 5 反応管 6 冷却装置 7 気液分離器(サイクロン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C11D 1/16 C11D 1/16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SO3 ガスと反応して硫酸化物を与える
    化合物(以下、原料化合物という)を反応管内壁を流下
    させながら供給して、該反応管内壁上に原料化合物の薄
    膜を形成させるとともに、該反応管内にSO3 ガス及び
    不活性ガスを、不活性ガスが原料化合物の薄膜とSO3
    ガス流との間に流れるように供給する硫酸化物の製造方
    法であって、SO3 ガスに対して0.01〜1.8の流
    量比、かつ0.1〜1.2の流速比となるように不活性
    ガスを供給する硫酸化物の製造方法。
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