JP2000038368A - パラジウム錯体触媒の存在下でブタジエンとアンモニアからオクタ―2,7―ジエニル―1―アミンを製造する改良方法 - Google Patents

パラジウム錯体触媒の存在下でブタジエンとアンモニアからオクタ―2,7―ジエニル―1―アミンを製造する改良方法

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JP2000038368A JP11043518A JP4351899A JP2000038368A JP 2000038368 A JP2000038368 A JP 2000038368A JP 11043518 A JP11043518 A JP 11043518A JP 4351899 A JP4351899 A JP 4351899A JP 2000038368 A JP2000038368 A JP 2000038368A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラジウム錯体触媒の存在下でブタジエンと
アンモニアからオクタ−2,7−ジエニル−1−アミン
を製造する改良方法の提供。 【解決手段】 テロメリゼーション後に存在する反応混
合物からオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンとオク
タ−1,7−ジエニル−3−アミンを互いに個別に単離
しそしてこうして単離したオクタ−1,7−ジエニル−
3−アミンに異性化反応に付してオクタ−2,7−ジエ
ニル−1−アミンを生じさせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、アンモニアによるブタジエンの
テロメリゼーション(telomerization)
を2相系中で行った後にその反応混合物からオクタ−
2,7−ジエニル−1−アミンとオクタ−1,7−ジエ
ニル−3−アミンを単離し、そしてこのオクタ−1,7
−ジエニル−3−アミンの異性化でオクタ−2,7−ジ
エニル−1−アミンを生じさせることによるオクタ−
2,7−ジエニル−1−アミンを製造する改良方法に関
する。本発明は、更に、新規なトリフェニルホスフィン
モノ−およびジメトキシトリ(スルホン酸ナトリウム)
類にも関し、かつパラジウム錯体の調製でトリフェニル
ホスフィントリメトキシトリ(スルホン酸ナトリウム)
類、トリフェニルホスフィントリメチルトリ(スルホン
酸ナトリウム)類およびトリフェニルホスフィントリフ
ルオロジ−およびトリ(スルホン酸ナトリウム)類を配
位子として用いることにも関する。
【0002】オクタジエニルアミン類は、例えばオクチ
ルアミン類を製造する時の中間体として用いられてお
り、一方で、上記オクチルアミン類は、例えば生地軟化
剤、腐食抑制剤、凝集助剤および乳化剤の製造などで必
要とされている。このような目的で、特にオクタ−2,
7−ジエニル−1−アミンに興味が持たれている。
【0003】ブタジエンとアンモニアのテロメリゼーシ
ョンでは、通常、複雑な反応混合物が生じ、それにはオ
クタ−2,7−ジエニル−1−アミンに加えて、オクタ
−1,7−ジエニル−3−アミンがかなりの量で入って
おりかつ第二および第三オクタジエニルアミン類が入っ
ている。
【0004】ブタジエンとアンモニアのテロメリゼーシ
ョンが2相系中で行われること、そしてパラジウム化合
物と燐化合物(これはパラジウム化合物が水中で示す溶
解度を高くする)、例えばスルホン化(sulphon
ated)トリフェニルホスフィン類などから成る混合
物が触媒として用いられることは、ヨーロッパ特許出願
公開第773 211号から公知である。オクタ−2,
7−ジエニル−1−アミン(1)、オクタ−1,7−ジ
エニル−3−アミン(2)および第二オクタジエニルア
ミン類(3)が入っている反応混合物が生じる。(1)
が生じる選択率は40から56%であり、(2)が生じ
る選択率は28から43%であり、そして(3)が生じ
る選択率は10%以下である。この反応混合物の処理は
行われなかった。
【0005】ヨーロッパ特許出願公開第816 308
号に従い、上記テロメリゼーションの触媒として使用さ
れた錯体化合物には遷移金属が中心原子として含まれて
おりかつトリス(ヒドロキシアルキル)−ホスフィンも
しくは−ホスフィンオキサイドが配位子として少なくと
も1つ含まれている。ブタジエンの変換率を4から63
%にした場合には(1)が生成する選択率を66%にま
で上昇させることができ、そしてブタジエンの変換率を
2%未満にした場合(即ちブタジエンの過剰量を大きく
した場合)には上記選択率を85%にまで高くすること
ができる。(2)が生成する選択率は1から40%の範
囲であり、(1)が生成する選択率と(2)が生成する
選択率には直接的な関係が存在しない。例えば、(1)
を85%の選択率で生じさせた時には(2)が9%の選
択率で得られ、そして(1)を55%の選択率で生じさ
せた時の(2)の選択率は1%である。そこでも反応混
合物の処理は行われていない。
【0006】従って、オクタ−2,7−ジエニル−1−
アミンを、使用触媒、ブタジエン過剰量および他のパラ
メーターに関係なくできるだけ良好な選択率および収率
で製造する方法が継続して求められている。
【0007】今回、ブタジエンとアンモニアのテロメリ
ゼーションを親水性パラジウム触媒存在下の2相系中で
行ってオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンを製造す
る方法が見い出された。この方法は、テロメリゼーショ
ン後に存在する反応混合物からオクタ−2,7−ジエニ
ル−1−アミンとオクタ−1,7−ジエニル−3−アミ
ンを互いに個別に単離しそしてこうして単離したオクタ
−1,7−ジエニル−3−アミンに異性化反応に付して
オクタ−2,7−ジエニル−1−アミンを生じさせるこ
とを特徴とする。
【0008】アンモニアは、望まれる如何なる形態でも
使用可能である。アンモニアと水の混合物、例えば5か
ら35重量%濃度のアンモニア水溶液または高純度のア
ンモニア(商業的に入手可能な製品)を用いるのが好適
である。
【0009】上記2相系は一般に親水相と疎水相から成
る。この親水相は必須成分として例えば水または親水性
溶媒か或は親水性溶媒と水の混合物を含有し得る。親水
性溶媒は、例えばC1−C6−モノ−、ジ−、トリ−、テ
トラ−、ペンタ−およびヘキサアルコール類、テトラメ
チレンスルホン、ジメチルスルホキサイドまたはアセト
ニトリルなどであり得る。上記親水相を好適には水に
し、この水は例えばそのままおよび/またはアンモニア
水溶液の形態で使用可能である。
【0010】上記疎水相は必須成分として過剰量のブタ
ジエンおよび/または有機溶媒(水に混和しないか或は
本質的に混和しない)を含有し得る。水に混和しないか
或は本質的に混和しない適切な有機溶媒は、例えば10
0gの水に20℃で溶解する量がほんの5g未満、特に
3g未満の溶媒である。そのような溶媒の例は、反応条
件下で液状である塩化脂肪族および芳香族炭化水素、エ
ーテル類、第三アミン類、ピロリドン、脂肪族炭化水素
および芳香族炭化水素である。この疎水相を好適にはブ
タジエン、ベンゼン、トルエンまたは塩化メチレン、特
にブタジエンにする。
【0011】ブタジエンを反応体として用いかつ疎水相
の必須成分として用いることが望まれる場合には、それ
を例えば少なくとも0.5モル(アンモニア1モルを基
準)の量で用いてもよい。この量を好適には0.7から
100モル、特に3から50モルにする。ブタジエンを
単に反応体として用いる場合には、それを例えば0.5
から2モル(アンモニア1モルを基準)、好適には0.
7から5モルの量で用いてもよい。
【0012】適切な親水性パラジウム錯体は、例えば式
(I)
【0013】
【化3】 [式中、L1は、スルホン化、カルボキシル化(car
boxylated)およびヒドロキシル化(hydr
oxylated)トリアルキル−およびトリフェニル
ホスフィン類および−ホスフィンオキサイド類から成る
群の同一もしくは異なる配位子であり、L2は、H、C
O、NO、NH2、NH3、PF3、H2O、S、ハロゲン
類、芳香族配位子、オレフィン系配位子、アリル系配位
子およびアセチレン系配位子から成る群の同一もしくは
異なる配位子であり、xは、ゼロから6の整数であり、
そしてyは、ゼロまたは1から5の整数であるが、x+
yの合計は、少なくとも1で多くとも6であり、そして
mは、1、2または3であり、そしてn、pおよびq
は、各場合とも、ゼロ、1、2または3であるが、関係
m・p=n・qが適用可能であり、そしてAは、電荷q
を伴うアニオンである]で表される錯体である。
【0014】適切な配位子L1は、好適にはモノ−、ビ
ス−およびトリ(ヒドロキシ−C1−C5−アルキル)−
ホスフィン類、モノ−、ビス−およびトリ(ヒドロキシ
−C1−C5−アルキル)−ホスフィンオキサイド類、酸
形態のモノ−、ジ−およびトリスルホン化トリフェニル
ホスフィン類、そして塩形態のモノ−、ジ−およびトリ
スルホン化トリフェニルホスフィン類である。特にスル
ホン化トリフェニルホスフィン配位子は、また、フェニ
ル環上にさらなる置換基、例えば同一もしくは異なるハ
ロゲン原子をトリフェニルホスフィン1単位当たり1か
ら3個含んでいてもよくそして/または同一もしくは異
なるC1−C10−アルキル基を1から3個含んでいても
よくそして/または同一もしくは異なるC1−C10−ア
ルコキシ基を1から3個含んでいてもよい。
【0015】特に好適な配位子L1は、アルキル基の末
端にヒドロキシル基が存在すると言った配列を有するト
リ(ヒドロキシ−C1−C5−アルキル)−ホスフィン
類、トリフェニルホスフィントリスルホン酸類およびそ
れらの塩類、そしてトリフェニルホスフィンモノ−、ジ
−およびトリメトキシトリ(ナトリウムスルホン酸)類
およびそれらの塩類、そしてトリフェニルホスフィンモ
ノ−、ジ−およびトリフルオロモノ−、ジ−およびトリ
スルホン酸類およびそれらの塩類である。
【0016】トリフェニルホスフィン単位のアルキル基
は、好適には、C1−C4−アルキル基を包含し、そして
それに存在するアルコキシ基は、好適には、C1−C4
アルコキシ基を包含する。
【0017】非常に特に好適な配位子L1は、トリス
(ヒドロキシ−3−プロピル)−ホスフィン、3,
3’,3”−ホスフィントリイル−トリス−(ベンゼン
スルホン酸)のトリナトリウム塩[以降TPPTSと呼
ぶ]、3,3’,3”−ホスフィントリイル−ビス−
(ベンゼンスルホン酸)−モノ(4−メトキシベンゼン
スルホン酸)のトリナトリウム塩[以降MOM−TPP
TSと呼ぶ]、3,3’,3”−ホスフィントリイルモ
ノ(ベンゼンスルホン酸)−ビス−(4−メトキシベン
ゼンスルホン酸)のトリナトリウム塩[以降BOM−T
PPTSと呼ぶ]、3,3’,3”−ホスフィントリイ
ル−トリス−(4−メトキシベンゼンスルホン酸)のト
リナトリウム塩[以降TOM−TPPTSと呼ぶ]、
3,3’,3”−ホスフィントリイル−トリス−(4−
メチルベンゼンスルホン酸)のトリナトリウム塩[以降
TOT−TPPTSと呼ぶ]、5,5’,5”−ホスフ
ィントリイル−トリス−(2−フルオロベンゼンスルホ
ン酸)のトリナトリウム塩[以降p−F−TPPTSと
呼ぶ]、および5,5’−(4−フルオロフェニルホス
フィンジイル)−ビス−(2−フルオロベンゼンスルホ
ン酸)のジナトリウム塩[以降p−F−TPPDSと呼
ぶ]である。
【0018】適切な配位子L2は、好適にはNH2、NH
3、Cl、Br、I、アリル、メタリル、シクロペンタ
ジエニル、シクロオクタジエニルおよびジベンジリデン
アセトンである。
【0019】式(I)中、xは好適にはゼロまたは1か
ら4の整数、特に1から4の整数であり、そしてyは好
適にはゼロ、1または2であるが、x+yの合計は多く
て4である。
【0020】アニオンAは、好適には酢酸塩、塩化物、
アセチルアセトン塩、テトラフルオロホウ酸塩およびヘ
キサフルオロアンチモン酸塩である。
【0021】MOM−TPPTSおよびBOM−TPP
TSは新規化合物である。これらは特に式(II)およ
び(III)
【0022】
【化4】 に一致し、本発明ではまたそれらも提供する。これらは
Angew.Chemie 107、893(199
5)に記述されているようにして調製可能である。
【0023】また、TOM−TPPTS、TOT−TP
PTS、p−F−TPPTSおよびp−F−TPPDS
をブタジエンとアンモニアのテロメリゼーションで用い
るパラジウム錯体を調製する場合の配位子として用いる
ことも新規であり、本発明ではそのような使用も提供す
る。上記化合物はAngew.Chemie 107、
893(1995)またはJ.prakt.Chem.
336、591、(1994)に記述されているように
して調製可能である。
【0024】式(I)で表される親水性パラジウム錯体
の調製は、簡潔な様式で、例えばタイプL1および/ま
たはタイプL2の配位子をパラジウム塩またはパラジウ
ム錯体化合物と水が入っている初期仕込み物に添加する
ことなどを通して実施可能である。このようにすると、
式(I)で表される親水性パラジウム錯体が入っている
水溶液が生じ、これをそのまま本発明に従う方法で用い
てもよいが、しかしながら、また、式(I)で表される
相当する錯体を単離した後、この単離した錯体を本発明
に従う方法で用いることも可能である。
【0025】また、例えば、最初にパラジウム塩または
パラジウム錯体化合物を水またはアンモニア水溶液と一
緒にオートクレーブに入れた後、ブタジエン、所望配位
子および任意にさらなるアンモニア水溶液を添加しそし
て次にテロメリゼーションで望まれる圧力および温度条
件に設定することなどにより、式(I)で表される親水
性パラジウム錯体をインサイチューで生じさせることも
可能である。この場合には、例えば、所望配位子を使用
パラジウム塩もしくはパラジウム錯体化合物1モルに対
して0.1−50モルの量で用いることができる。この
量を好適には0.2−30モル、特に0.3−10モル
にする。式(I)で表される錯体をインサイチューで生
じさせると、また、式(I)で表されるいろいろな個々
の物質から成る混合物が生じる可能性があるが、それで
もそれらはそのような混合物の形態で本発明に従う方法
の触媒として効果を示す。
【0026】本発明に従って用いるべき親水性パラジウ
ム錯体の調製で用いる出発化合物は、例えば下記のパラ
ジウム塩および錯体である:パラジウム(II)の酢酸
塩、塩化物、アセチルアセトン塩、ヘキサフルオロアン
チモン酸塩およびテトラフルオロホウ酸塩、そしてテト
ラフルオロホウ酸アリルジアミノパラジウム(II)、
ビス−(η3−アリル−ヨード)−パラジウム(I
I)、ヘキサフルオロアンチモン酸アリルジアミノパラ
ジウム(II)、そしてこの種類の他の全てのパラジウ
ム(II)塩または錯体。式(I)で表される親水性パ
ラジウム錯体の調製で用いるパラジウム塩または錯体の
選択は本発明に従う方法にとって特に重要ではない。本
発明に従って用いるべき親水性パラジウム錯体の調製で
用いるに適した出発化合物はまたパラジウム(0)錯
体、例えば式
【0027】
【化5】 [式中、L1は、式(I)で定義した通りであり、そし
てx’は、1から6の整数である]で表される錯体また
はジベンジリデンアセトンパラジウムなどである。
【0028】また、本発明に従う方法を実施している間
に上記親水性パラジウム錯体の酸化状態が変化する可能
性もある。
【0029】例えば、親水性パラジウム錯体を親水相1
リットル当たり0.5から500ミリモルの量で用いる
ことができる。この量を好適には1から25ミリモル、
特に2.5から10ミリモルにする。この親水性パラジ
ウム錯体をインサイチューで生じさせる場合には、例え
ば、パラジウム塩またはパラジウム錯体化合物を親水相
1リットル当たり0.5から500ミリモル用いる。こ
の量を好適には1から25ミリモル、特に2.5から1
0ミリモルにする。
【0030】L1が式(II)または(III)で表さ
れる化合物であるか或はTOM−TPPTSまたはTO
T−TPPTSである式(I)で表される触媒を用いる
と、オクタ−2,7−ジエニル−1−アミンが比較的高
い含有量で入っている反応混合物が生じる。しかしなが
ら、また、生じるオクタ−1,7−ジエニル−3−アミ
ンの量が比較的少量であってもそれを単離してそれに異
性化を受けさせてオクタ−2,7−ジエニル−1−アミ
ンを得ると、更により多い量でオクタ−2,7−ジエニ
ル−1−アミンを得ることが可能になる。L1がp−F
−TPPTSおよびp−F−TPPDSである式(I)
で表される触媒を用いると、一般に、向上した触媒活性
がもたらされる。
【0031】ブタジエンとアンモニアのテロメリゼーシ
ョン反応は、例えば、1から30バールの範囲の圧力
下、30から150℃の範囲の温度で実施可能である。
この反応を、好適には、50から120℃のオートクレ
ーブ中、相当する反応温度で自然発生的に生じる圧力下
で実施する。
【0032】このテロメリゼーション反応は一般に30
分から20時間後に完了する。反応混合物が反応中に徹
底的に混ざり合うことを確保するのが有利である。
【0033】この反応混合物を処理して、その中に存在
するオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンとオクタ−
1,7−ジエニル−3−アミンを例えば下記に示す如く
個別に単離する。
【0034】ブタジエンを疎水相の必須成分として用い
た場合には、装置の圧抜きを行って大気圧にする時に過
剰量で存在するブタジエンを排出させる。反応混合物中
に残存する残留ブタジエンに関しては、必要に応じて、
例えば窒素を吹き込むことでそれを追い出してもよい。
それによって、触媒が入っている水相と反応生成物が入
っている有機相が生じ、これらを分離した後、以下に記
述する如き処理を行ってもよい。適切な溶媒を用いて親
水相を抽出した後、この抽出した相を疎水相に加えて、
それらを一緒に処理するのが有利である。
【0035】有機溶媒を用いて疎水相を構成させた場合
には、疎水相を親水相から分離してもよく、そしてこの
分離した親水相を、必要に応じて、水に混和しない溶媒
で洗浄した後、この洗浄液を疎水相に加えてもよい。
【0036】上記触媒が入っている親水相は、所望に応
じて、例えば本発明に従って行う次のバッチのオクタ−
2,7−ジエニル−1−アミン(1)の製造または単離
オクタ−1,7−ジエニル−3−アミン(2)の異性化
などで使用可能である。
【0037】上記疎水相[必要ならば存在する溶媒を除
去しそして必要ならばフリーラジカル捕捉剤(例えば立
体障害フェノール)を添加した後]に分別蒸留を受けさ
せることができる。(1)および(2)が例えば4から
40ミリバールの圧力下で示す沸点の互いの差は、理論
段数(theoretical plates)を例え
ば50から150にしそして還流比を例えば3:1から
15:1にした分溜塔でそれらを互いから容易に分離す
ることができるに充分なほどの差である。このようにし
て、(2)が入っている第一溜分および(1)が入って
いる第二溜分の各々を99%以上に及ぶ純度で得ること
ができる。残留物質は比較的高い沸点の成分、特にビス
−オクタジエニルアミン類である。
【0038】ここまでの工程段階で、(1)を例えば4
0から87%の選択率(反応したブタジエンを基準)お
よび(2)を例えば7から40%の選択率(反応したブ
タジエンを基準)で得ることができる。
【0039】その後、本発明に従い、この上に記述した
如く得た(2)に異性化反応を受けさせて(1)を生じ
させると、(1)の生成選択率が例えば1から25%
(元の選択率を基準)上昇する。
【0040】この異性化は、この上に記述したテロメリ
ゼーションに類似した様式で実施可能である、即ち同じ
触媒を用いて2相系中で実施可能である。この異性化で
は、上記テロメリゼーション混合物を処理している間に
分離した触媒またはそれが入っている溶液を用いるのが
有利である。この異性化を、この上のテロメリゼーショ
ンで示したパラメーターとは対照的に、下記の条件下で
実施するのが有利である。
【0041】例えば、親水性パラジウム錯体を親水相1
リットル当たり0.5から500ミリモル用いることが
できる。この量を好適には1から25ミリモル、特に
2.5から10ミリモルにする。また、例えば、最初に
パラジウム塩またはパラジウム錯体化合物を水またはア
ンモニア水溶液と一緒に導入した後に所望配位子を添加
することなどを通してインサイチューで生じさせた親水
性パラジウム錯体を用いることも可能である。この場合
には、例えば、パラジウム塩もしくはパラジウム錯体を
親水相1リットル当たり0.5から500ミリモル用い
ることができる。この量を好適には1から25ミリモ
ル、特に2.5から10ミリモルにする。所望配位子を
使用パラジウム塩もしくはパラジウム錯体化合物1モル
当たり0.1−50モル用いることができる。この量を
好適には0.2−30モル、特に0.3から10モルに
する。
【0042】上記親水相の必須成分は、例えば水または
親水性溶媒またはアンモニアであり得る。また、水と親
水性溶媒とアンモニアの任意所望混合物を用いることも
可能である。アンモニアを存在させるのが常に好適であ
る。親水性溶媒は、例えばC 1−C6モノ−、ジ−、トリ
−、テトラ−、ペンタ−およびヘキサアルコール類、テ
トラメチレンスルホン、ジメチルスルホキサイドまたは
アセトニトリルなどである。上記親水相を好適には水、
アンモニア、および水とアンモニアの混合物(アンモニ
ア含有量が1から99重量%の混合物)にする。アンモ
ニアの含有量を5から60重量%にするのが特に好適で
ある。アンモニアの含有量を10から30重量%にする
のが非常に特に好適である。オクタ−1,7−ジエニル
−3−アミン(2)を親水相1リットル当たり例えば1
0から5000g用いることができる。用いるオクタ−
1,7−ジエニル−3−アミンの量を50から3000
gにするのが好適であり、100から2000gにする
のが特に好適である。
【0043】温度を例えば20から200℃、好適には
40から150℃、特に好適には60から120℃にす
る。
【0044】圧力を例えば0から500バールにする。
この過程を好適には0から100バールの圧力、特に好
適には個々の温度で自然発生的に生じる圧力下で実施す
る。また、反応を装置内で実施して、それを取り巻くも
のによる圧力補正の結果として行き渡る大気圧を用いる
ことも可能である。
【0045】反応時間は一般に1時間から14日間であ
り、これは使用するパラジウム塩もしくはパラジウム錯
体に対するオクタ−1,7−ジエニル−3−アミン
(2)の比率および所望異性化度に依存する。反応中の
反応混合物が徹底的に混ざり合うことを確保するのが有
利である。
【0046】異性化が完了した時点で残存する反応混合
物の処理は、テロメリゼーション後に残存する反応混合
物と同じ様式で実施可能であり、例えば相分離を起こさ
せ、水相を有機溶媒で抽出した後、有機相を一緒にして
蒸留を行うことなどで実施可能である。
【0047】また、各場合とも先行段階で分離した
(2)に異性化を数回に渡って連続的に受けさせること
も可能である。
【0048】
【実施例】実施例1 500mlの3つ口フラスコに入れた41mlの濃硫酸
に4.38gのホウ酸をアルゴン雰囲気下(硫酸が前以
て酸素を含まないようにする目的で硫酸にアルゴンを通
しながら)で完全に溶解させる。その後、それに(オル
ソ−メトキシフェニル)ジフェニルホスフィンを5g溶
解させた後、その混合物を氷/塩化ナトリウム混合物で
−10℃に冷却する。この温度で73.9mlの発煙硫
酸を2時間かけて滴下した後、その溶液を室温で3時間
撹拌する。
【0049】加水分解による合成を継続するに先立っ
て、最初にサンプルを5ml取り出して、それの処理
を、以下に記述する如き混合物全体に関して行う処理と
同じ様式で行う。このサンプルを31P−NMR分光法で
検査することで、スルホン化が既に完了にまで進行して
いるか否かの情報を得る。反応時間があまりにも短い
と、モノ−およびジスルホン化生成物がまだ存在してお
り、そして反応時間をあまりにも長くすると、ホスフィ
ンオキサイドが存在するようになる。このような不純物
は全体として除去が非常に困難である。
【0050】加水分解では、酸素を含まない50mlの
水を氷冷却を伴わせて非常にゆっくりと加える。次に、
その混合物を2 lのSchlenkフラスコに移し
て、氷冷却しながら7.5モル規定の水酸化ナトリウム
溶液を用いて中和する。pH電極を用いてpHをできる
だけ正確に7に調整することを推奨する。次に、ロータ
リーエバポレーターを用いて上記溶液を蒸発乾固させた
後、生成物を250mlのメタノールで抽出する。Ce
lite(商標)を用いて上記溶液の濾過を行った後、
メタノールを減圧下で留出させる。その残渣を20ml
の水で取り上げ、その混合物をシリンジフィルターに通
して濾過した後、水を減圧下で除去する。メタノールを
用いた抽出および水を用いた抽出を交互に行うことで、
MOM−TPPTSを純度が93%の三水化物として1
4%の収率で得る。
【0051】31−NMR(D2O): -14.6ppm1 H−NMR(D2O): 3.6ppm(3H);6.96ppm(1H);
7.02ppm(1H);7.3ppm(2H);7.4ppm(2H);7.6ppm(2H);
7.7ppm(3H)13 C−NMR(D2O): 164.2ppm;144.6ppm;138.1p
pm;137.06ppm;137.1ppm;132.25ppm;131.9ppm;131.
2ppm;130.8ppm;128.2ppm;125.7ppm;112.9ppm;57.7
ppm実施例2 BOM−TPPTSの合成を実施例1に記述した様式と
全く類似した様式で実施したが、但し(オルソ−メトキ
シフェニル)ジフェニルホスフィンの代わりにビス(オ
ルソ−メトキシフェニル)−フェニルホスフィンを用い
る。BOM−TPPTSを純度が92%の三水化物とし
て14%の収率で得る。
【0052】31−NMR(D2O): -24.34ppm1 H−NMR(D2O): 3.6ppm(6H);7.0ppm(2H);7.0
3ppm(2H);7.3ppm(1H);7.4ppm(1H);7.6ppm(1H);7.7pp
m(3H)13 C−NMR(D2O): 161.7ppm;141.9ppm;135.5pp
m;134.4ppm;133.55ppm;129.6ppm;129.4ppm;128.5p
pm;128ppm;125.6ppm;121.8ppm;110.3ppm;55ppm実施例3 濃度が27%のNH3水溶液10mlにビス(3η−アリ
ル−ヨードパラジウム)を1372mg溶解させる。こ
の溶液を5mlの水に973.4mgのAgBF4が入
っている溶液に加える。次に、Celite(商標)を
用いて、析出したAgIを濾別する。その濾液を蒸発さ
せて体積を小さくした後、その残渣に各場合とも10m
lの沸騰CH2Cl2を用いた抽出を3回受けさせること
で生成物を溶解させ、そして各場合ともその溶液にデカ
ンテーションを受けさせる。単に冷却することで生成物
がいくらか析出し、そしてペンタンを20ml加えるこ
とで残りを析出させる。この白色固体を各場合とも5m
lのペンタンを用いて3回洗浄した後、高真空下で乾燥
させる。テトラフルオロホウ酸[3η−アリル−ジアミ
ノパラジウム]を50.3%の収率で得る。
【0053】1H−NMR(D2O): 2.9ppm(2H);4.0
ppm(2H);5.5ppm(1H)13 C−NMR(D2O): 61ppm;118ppm実施例4 6枚羽根のディスク撹拌機(6−blade disc
agitator)が邪魔板(flow disru
ptors)との組み合わせで含まれている撹拌装置が
入っている容積が125mlの電気加熱ステンレス鋼製
オートクレーブ内で反応を実施する。このオートクレー
ブを最初に組み立てた後、酸素を除去する目的で、真空
排気とアルゴン充填を3回づつ行う。
【0054】テトラフルオロホウ酸[3η−アリル−ジ
アミノパラジウム]を30.3mg重量測定してSch
lenk管に入れた後、濃度が27%のアンモニア水溶
液15mlと一緒に上記オートクレーブに移した。次
に、40gのブタジエンを計量用カートリッジに通して
導入する。反応槽の内容物を撹拌(2000rpm)し
ながら80℃に加熱する。その間に、32.4%水溶液
の形態のTPPTSを0.113ミリモル重量測定して
Schlenk管に入れ、そして15mlのアンモニア
水溶液と一緒に鋼製滴下漏斗に移す。この後者を上記オ
ートクレーブに取り付ける。内部温度が80℃になった
時点で、最初に圧力補正装置を開けた後、上記滴下漏斗
の栓を開ける。温度が約60℃にまで降下したが、3分
以内に再び所望値である80℃に到達する。45分の反
応時間後、上記オートクレーブを氷浴に入れ、撹拌機の
速度を下げ(200rpm)た後、Bunsenバーナ
ーを用いて過剰量のブタジエンを吹き出させる。このよ
うにすると、反応槽の内容物が5分かけて20℃にまで
冷える。ブタジエンが全部焼失した時点で、オートクレ
ーブを開けて、その内容物を分液漏斗に移す。次に、1
0mlのトルエンを用いて濯ぎを実施した後、抽出を行
い、そして相分離を助長する目的で塩化ナトリウムをス
パチュラ先端量で加える。相分離後、GC標準ウンデカ
ンを重量測定して有機相に加えて、その有機相を4Åモ
レキュラーシーブで乾燥させる。次に、このモレキュラ
ーシーブを濾別して10mlのトルエンで洗浄する。サ
ンプルを取り出して、その組成をガスクロで検査する。
変換率はブタジエンに換算して5.8%であった。サン
プルの組成は(1)が76%で(2)が21%で(3)
が3%であった。
【0055】実施例5から7 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。しかしな
がら、TPPTSを0.113ミリモル用いる代わり
に、この化合物を他の量で用いる。これらの実施例を表
1に挙げる。
【0056】
【表1】 実施例8から11 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。しかしな
がら、TPPTSの水溶液を用いる代わりに、MOM−
TPPTSを三水化物の形態で用いる。この化合物の使
用量も同様に変える。これらの実施例を表2に挙げる。
【0057】
【表2】 実施例12から15 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。TPPT
Sの水溶液を用いる代わりに、BOM−TPPTSを三
水化物の形態で用いる。この化合物の使用量も同様に変
える。これらの実施例を表3に挙げる。
【0058】
【表3】 実施例16から19 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。TPPT
Sの水溶液を用いる代わりに、TOM−TPPTSを三
水化物の形態で用いる。この化合物の使用量も同様に変
える。これらの実施例を表4に挙げる。
【0059】
【表4】 実施例20から22 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。しかしな
がら、TPPTSの水溶液を用いる代わりに、TOT−
TPPTSを三水化物の形態で用いる。この化合物の使
用量も同様に変える。これらの実施例を表5に挙げる。
【0060】
【表5】 実施例23 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。しかしな
がら、TPPTSの水溶液を用いる代わりに、TOM−
TPPTSを三水化物の形態で2.428ミリモルおよ
びテトラフルオロホウ酸[3η−アリル−ジアミノパラ
ジウム]を0.971モル用いる。変換率はブタジエン
に換算して29.0%であった。サンプルの組成は
(1)が67重量%で(2)が13重量%で(3)が1
7重量%である。
【0061】実施例24 実施例18に記述した手順と同じ手順を用いる。しかし
ながら、この場合には、7時間の反応時間を維持する。
変換率はブタジエンに換算して30.4%であった。サ
ンプルの組成は(1)が78重量%で(2)が5重量%
で(3)が16重量%である。
【0062】実施例25 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。しかしな
がら、TPPTSの水溶液を用いる代わりに、p−F−
TPPDSが二水化物の形態で0.099ミリモルでp
−F−TPPTSが三水化物の形態で0.015ミリモ
ルの混合物を用いる。変換率はブタジエンに換算して
8.2%であった。サンプルの組成は(1)が54重量
%で(2)が38重量%で(3)が6重量%である。
【0063】実施例26から29 実施例4に記述した手順と同じ手順を用いる。しかしな
がら、テトラフルオロホウ酸[3η−アリル−ジアミノ
パラジウム]の代わりに他のパラジウム化合物を用い
る。加うるに、TPPTSの使用量を変えた。これらの
実施例を表6に挙げる。
【0064】
【表6】 実施例30 250mlの20%濃度アンモニア水溶液に1.5ミリ
モルの酢酸パラジウムと4.5ミリモルのTPPTS
(TPPTSを32.4%濃度の水溶液の形態で使用)
が入っている溶液を、前以て真空排気とアルゴン充填を
3回受けさせておいたステンレス鋼製オートクレーブ
に、アルゴン向流下で導入する。ブタジエンを120g
凝縮させた後、上記オートクレーブを激しく撹拌しなが
ら15分かけて80℃に加熱する。この温度で反応混合
物を更に45分間激しく混合する。次に、加熱を止め
て、Bunsenバーナーを用いて過剰量のブタジエン
を焼失させる。その結果として、オートクレーブの内容
物が冷える。ブタジエンが全部焼失した後、オートクレ
ーブの内容物を分液漏斗に移して相分離を起こさせる。
水相を各場合とも40mlのペンタンを用いて3回抽出
し、この抽出液を有機相と一緒にする。上記過程中に除
去した水を分離して廃棄する。残存する有機相をモレキ
ュラーシーブで乾燥させる。この乾燥剤を分離した後、
ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去する。残
存する液体を2gの2,4−ジ−t−ブチルフェノール
と一緒に混合した後、それに分別蒸留を受けさせる。理
論段数が80で還流比が1:10の分溜塔を用いる。2
0ミリバールの圧力下61℃の塔頂温度で化合物(2)
を34.1g単離する。同様に20ミリバール下、7
5.5℃の塔頂温度で、化合物(1)を55g単離す
る。
【0065】この化合物(2)の全量をガラス製オート
クレーブに移して、0.974ミリモルの酢酸パラジウ
ム、5.58ミリモルのTPPTS(32.4%濃度の
水溶液形態)および290mlの27%濃度アンモニア
溶液と一緒にして、それに異性化を受けさせる。この混
合物を80℃の温度で15時間激しく撹拌した後、室温
に冷却する。相分離を起こさせ、水相を全体で50ml
のペンタンを用いて抽出した後、この抽出液を有機相と
一緒にする。除去した水を分離して廃棄する。有機相を
モレキュラーシーブで乾燥させ、この乾燥剤を分離した
後、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去す
る。その残渣に分別蒸留をこの上に既に記述した如く受
けさせる。それによって化合物(2)を19.8gおよ
び化合物(1)を6.5g得る。この化合物(2)の全
量にこの上に記述したのと全く類似した様式で再び異性
化反応に続く蒸留による分離を受けさせる。それによっ
て化合物(1)を3.6gおよび化合物(2)を11.
5g得る。次に、この化合物(2)の全量にこの上に記
述したのと全く類似した様式で異性化反応に続く蒸留に
よる分離を受けさせる。それによって、化合物(1)を
1.8gおよび化合物(2)を6.1g得る。
【0066】ここに記述したテロメリゼーションに続く
3回の異性化で化合物(1)を一緒にして66.9g
得、これは変換率がブタジエンに換算して48.2%で
あることに相当する。
【0067】実施例31および32 6枚羽根のディスク撹拌機が邪魔板との組み合わせで含
まれている撹拌装置が入っている容積が125mlの電
気加熱ステンレス鋼製オートクレーブ内で触媒相回収実
験を実施した。このオートクレーブを最初に組み立てた
後、酸素を除去する目的で、真空排気とアルゴン充填を
3回づつ行う。
【0068】25.4mgの酢酸パラジウムと相当する
量のTPPTSを重量測定してSchlenk管に入れ
る。この触媒を、濃度が27%のNH3水溶液30ml
と一緒に上記オートクレーブに移す。次に、40gのブ
タジエンを凝縮させた後、上記オートクレーブを撹拌し
ながら反応温度(80℃)にまで加熱する。この加熱段
階を25分間持続させる。この加熱段階後、上記反応温
度を更に50分間維持する。次に、上記オートクレーブ
を氷浴に入れた後、Bunsenバーナーを用いてブタ
ジエンを吹き出させる。その結果として、内部温度が5
分以内に20℃にまで降下する。ブタジエンが全部焼失
した時点で、反応槽の内容物を、上記オートクレーブの
内側床にまで伸びているライザーパイプ(riser
pipe)に通して、保護ガス下の分液漏斗に移す。こ
の目的で、アルゴンをニードルバルブに通して上記オー
トクレーブに0.5バールの圧力で送り込み、それによ
って液体を圧縮して上記ライザーパイプに通して送り出
す。上記分液漏斗内で相分離を起こさせて、触媒相を上
記オートクレーブに戻す。次に、このオートクレーブに
アンモニアを1gおよびブタジエンを40g入れて凝縮
させる。ここからは、最初の実験で既に記述した手順と
同じ手順を用いる。同じ触媒相を用いて全体で4回の実
験を実施する。有機相を10mlのトルエンと混合した
後、GC標準ウンデカンを重量測定して入れる。次に、
この相を4Åモレキュラーシーブで乾燥させた後、組成
をガスクロで測定する。その結果を表7および8に挙げ
る。
【0069】
【表7】
【0070】
【表8】 実施例33 実施例31および32に記述した手順と同じ手順を用い
たが、しかしながら、TPPTSの代わりにTOM−T
PPTSを用いる。重量測定したTOM−TPPTSの
量は0.565ミリモルの量に相当していた。反応時間
を200分にした。実験結果を表9に示す。
【0071】
【表9】 本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
【0072】1. ブタジエンとアンモニアのテロメリ
ゼーションを親水性パラジウム錯体存在下の2相系中で
行ってオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンを製造す
る方法であって、テロメリゼーション後に存在する反応
混合物からオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンとオ
クタ−1,7−ジエニル−3−アミンを互いに個別に単
離しそしてこうして単離したオクタ−1,7−ジエニル
−3−アミンに異性化反応に付してオクタ−2,7−ジ
エニル−1−アミンを生じさせることを特徴とする方
法。
【0073】2. 該反応後に触媒相を分離して再利用
することを特徴とする第1項記載の方法。
【0074】3. 該親水性パラジウム錯体が式(I)
【0075】
【化6】 [式中、L1は、スルホン化、カルボキシル化およびヒ
ドロキシル化トリアルキル−およびトリフェニルホスフ
ィン類および−ホスフィンオキサイド類から成る群の同
一もしくは異なる配位子であり、L2は、H、CO、N
O、NH2、NH3、PF3、H2O、S、ハロゲン類、芳
香族配位子、オレフィン系配位子、アリル系配位子およ
びアセチレン系配位子から成る群の同一もしくは異なる
配位子であり、xは、ゼロから6の整数であり、そして
yは、ゼロまたは1から5の整数であるが、x+yの合
計は、少なくとも1で多くとも6であり、そしてmは、
1、2または3であり、そしてn、pおよびqは、各場
合とも、ゼロ、1、2または3であるが、関係m・p=
n・qが適用可能であり、そしてAは、電荷qを伴うア
ニオンである]で表される錯体であることを特徴とする
第1および2項記載の方法。
【0076】4. 該触媒の調製で用いるパラジウム塩
またはパラジウム錯体が酢酸パラジウム(II)、塩化
パラジウム(II)、アセチルアセトンパラジウム(I
I)またはビス−(アリルヨード)−パラジウム(I
I)であることを特徴とする第1から3項記載の方法。
【0077】5. 式(II)および(III)
【0078】
【化7】 で表される3,3’,3”−ホスフィントリイル−ビス
−(ベンゼンスルホン酸)−モノ−(4−メトキシベン
ゼンスルホン酸)ナトリウム塩および3,3’,3”−
ホスフィントリイルモノ−(ベンゼンスルホン酸)−ビ
ス−(4−メトキシ−ベンゼンスルホン酸)ナトリウム
塩。
【0079】6. ブタジエンとアンモニアのテロメリ
ゼーションで用いるパラジウム錯体を調製するための、
配位子としての3,3’,3”−ホスフィントリイル−
トリス−(4−メトキシベンゼンスルホン酸)トリナト
リウム塩、3,3’,3”−ホスフィントリイル−トリ
ス−(4−メチルベンゼンスルホン酸)トリナトリウム
塩、5,5’,5”−ホスフィントリイル−トリス−
(2−フルオロベンゼンスルホン酸)トリナトリウム塩
および5,5’−(4−フルオロフェニルホスフィンジ
イル)−ビス−(2−フルオロベンゼンスルホン酸)ジ
ナトリウム塩の使用。
【0080】7. テトラフルオロホウ酸アリルジアミ
ノパラジウム(II)。
【0081】8. ブタジエンとアンモニアのテロメリ
ゼーションで三価燐化合物を用いてパラジウム錯体を調
製するための、前駆体としてのテトラフルオロホウ酸ア
リルジアミノパラジウム(II)の使用。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 9/50 C07F 9/50 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07F 15/00 C07F 15/00 C (72)発明者 イエルク−デイートリヒ・イエンチユ ドイツ47799クレーフエルト・ビスマルク シユトラーセ84 (72)発明者 トマス・プリンツ ドイツ50753ケルン・エシヤーシユトラー セ233 (72)発明者 ビルギト・ドリーセン−ヘルシヤー ドイツ52074アーヘン・クローネンベルク 41 (72)発明者 ビルヘルム・カイム ドイツ52074アーヘン・ブリユツセラーリ ング99

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブタジエンとアンモニアのテロメリゼー
    ションを親水性パラジウム錯体存在下の2相系中で行っ
    てオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンを製造する方
    法であって、テロメリゼーション後に存在する反応混合
    物からオクタ−2,7−ジエニル−1−アミンとオクタ
    −1,7−ジエニル−3−アミンを互いに個別に単離し
    そしてこうして単離したオクタ−1,7−ジエニル−3
    −アミンに異性化反応に付してオクタ−2,7−ジエニ
    ル−1−アミンを生じさせることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 該親水性パラジウム錯体が式(I) 【化1】 [式中、L1は、スルホン化、カルボキシル化およびヒ
    ドロキシル化トリアルキル−およびトリフェニルホスフ
    ィン類および−ホスフィンオキサイド類から成る群の同
    一もしくは異なる配位子であり、L2は、H、CO、N
    O、NH2、NH3、PF3、H2O、S、ハロゲン類、芳
    香族配位子、オレフィン系配位子、アリル系配位子およ
    びアセチレン系配位子から成る群の同一もしくは異なる
    配位子であり、xは、ゼロから6の整数であり、そして
    yは、ゼロまたは1から5の整数であるが、x+yの合
    計は、少なくとも1で多くとも6であり、そしてmは、
    1、2または3であり、そしてn、pおよびqは、各場
    合とも、ゼロ、1、2または3であるが、関係m・p=
    n・qが適用可能であり、そしてAは、電荷qを伴うア
    ニオンである]で表される錯体であることを特徴とする
    請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(II)および(III) 【化2】 で表される3,3’,3”−ホスフィントリイル−ビス
    −(ベンゼンスルホン酸)−モノ−(4−メトキシベン
    ゼンスルホン酸)ナトリウム塩および3,3’,3”−
    ホスフィントリイルモノ−(ベンゼンスルホン酸)−ビ
    ス−(4−メトキシ−ベンゼンスルホン酸)ナトリウム
    塩。
  4. 【請求項4】 ブタジエンとアンモニアのテロメリゼー
    ションで用いるパラジウム錯体を調製するための、配位
    子としての3,3’,3”−ホスフィントリイル−トリ
    ス−(4−メトキシベンゼンスルホン酸)トリナトリウ
    ム塩、3,3’,3”−ホスフィントリイル−トリス−
    (4−メチルベンゼンスルホン酸)トリナトリウム塩、
    5,5’,5”−ホスフィントリイル−トリス−(2−
    フルオロベンゼンスルホン酸)トリナトリウム塩および
    5,5’−(4−フルオロフェニルホスフィンジイル)
    −ビス−(2−フルオロベンゼンスルホン酸)ジナトリ
    ウム塩の使用。
  5. 【請求項5】 テトラフルオロホウ酸アリルジアミノパ
    ラジウム(II)。
  6. 【請求項6】 ブタジエンとアンモニアのテロメリゼー
    ションで三価燐化合物を用いてパラジウム錯体を調製す
    るための、前駆体としてのテトラフルオロホウ酸アリル
    ジアミノパラジウム(II)の使用。
JP11043518A 1998-02-27 1999-02-22 パラジウム錯体触媒の存在下でブタジエンとアンモニアからオクタ―2,7―ジエニル―1―アミンを製造する改良方法 Pending JP2000038368A (ja)

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DE19808260A DE19808260A1 (de) 1998-02-27 1998-02-27 Verbessertes Verfahren zur Herstellung von Octa-2,7-dienyl-1-amin aus Butadien und Ammoniak, neue Triphenylphosphanmono- und -dimethoxytrinatriumsulfonate und die Verwendung von Triphenylphosphantrimethoxytrinatriumsulfonaten, Triphenylphosphantrimethyltrinatriumsulfonaten und Triphenylphosphantrifluordinatrium- und trinatriumsulfonaten als Liganden zur Herstellung von Palladium-Komplexen
DE19808260.6 1998-02-27

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