JP6983233B2 - 方法 - Google Patents

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Description

本発明は、白金族金属錯体、特にパラジウムホスフィン錯体を製造する方法に関する。
パラジウム(I)トリ−tert−ブチルホスフィンハロゲン化物二量体である{[Pd(PtBu)(μ−Br)]}及び{[Pd(PtBu)(μ−I)]}は、クロスカップリング反応のための活性触媒である。パラジウム(I)トリ−tert−ブチルホスフィンブロミド二量体は、Pd(COD)BrBuPとを、アルカリ金属水酸化物の存在下で反応させることによって製造されてきた(米国特許第8618318号)。米国特許第8618318号では、Pd(ジオレフィン)BrBuPのモル比は、1:1から1:1.1であった。
国際公開第2013/000874号は、PdBrと[P(t−Bu)Pdとを反応させることによる、臭化物二量体の合成法を記載している。Pd(COD)Brと[P(t−Bu)Pdとの反応は、Dura-Vilaら(J. Organomet.Chem.600(2000)198)によって報告された。
パラジウム(I)トリ−tert−ブチルホスフィンヨージド二量体{[Pd(PtBu)(μ−I)]}は、PdIと、[P(t−Bu)Pdとの反応によって製造されてきた(Aufieroら、Angew.Chem.Int Ed.2015, 10322)。
ブロミド二量体及びヨージド二量体はともに、Pddba・CをPtBuの存在下で、それぞれCHBr又はCHIと反応させることにより低収率で製造されてきた(Vilarら、J. Chem.Soc.Dalton Trans.(1996)4313)。
本発明は、白金族金属錯体、特にパラジウム(I)トリ−tert−ブチルホスフィンブロミド二量体及びパラジウム(I)トリ−tert−ブチルホスフィンヨージド二量体について改善された製造方法を提供する。幾つかの実施態様では本方法により、パラジウム(I)ハロゲン化物二量体生成物について、これまで報告されてきたものよりも高い収率がもたらされる。幾つかの実施態様では本方法により、不純物がより少ない生成物(例えばパラジウム(I)トリ−tert−ブチルホスフィンブロミド二量体)がもたらされる。幾つかの実施態様では、NMR分析及び/又は元素分析によって純粋とされる生成物が得られる。
1つの態様において、本発明は、式(I)の錯体:
Figure 0006983233
の製造方法を提供し、
該製造方法は、Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを溶媒中で反応させて、式(I)の錯体を形成する工程を含み、
該製造方法は、塩基の不在下で行い、
Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、1:1.1よりも大きく、約1:2.5までであり、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
別の態様では、式(II)の化合物を、
(a)アルカリ金属水酸化物と、又は
(b)[PRPdと
溶媒中で反応させて式(I)の錯体を形成する工程を含む、式(I)の錯体の製造方法が提供され、
Figure 0006983233
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
本発明はまた、式(II)の化合物:
Figure 0006983233
を提供し、
式中、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
別の態様において、本発明は、式(II)の化合物:
Figure 0006983233
を製造するための方法を提供し、
該製造方法は、Pd(ジオレフィン)X又はPdXと[X][XPR]とを溶媒中で反応させて、式(II)の錯体を形成する工程を含み、
式中、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
本発明の別の態様では、Pd(ジオレフィン)x又はPdXとPRとを溶媒中で反応させる工程を含む、[PRPdの製造方法が提供され、
該製造方法は、塩基の不在下で行い、
Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、少なくとも1:3であり、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
定義
部分又は置換基の結合点は、「−」により表される。例えば、−OHは、酸素原子を介して結合している。
「アルキル」は、直鎖状又は分枝状の飽和炭化水素基を指す。アルキル基は、特定の実施態様においては1〜20個の炭素原子、特定の実施態様においては1〜15個の炭素原子、特定の実施態様においては1〜8個の炭素原子を有してもよい。アルキル基は、非置換であってもよい。或いは、アルキル基は、置換されていてもよい。特に断りのない限り、アルキル基は、任意の適切な炭素原子において結合していてもよく、置換されている場合、任意の適切な原子において置換されていてもよい。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が含まれるが、これらに限られない。
「アリール」は、芳香族炭素環基を指す。アリール基は、単環又は複数の縮合環を有していてもよい。アリール基は、特定の実施態様においては6〜20個の炭素原子、特定の実施態様においては6〜15個の炭素原子、特定の実施態様においては6〜12個の炭素原子を有してもよい。アリール基は、非置換であってもよい。或いは、アリール基は、置換されていてもよい。特に断りのない限り、アリール基は、任意の適切な炭素原子において結合していてもよく、置換されている場合、任意の適切な原子において置換されていてもよい。アリール基の例は、限定されないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル等が含まれる。
前述のように、本発明の第一の態様では、式(I)の錯体:
Figure 0006983233
の製造方法が提供され、
該製造方法は、Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを溶媒中で反応させて、式(I)の錯体を形成する工程を含み、
該製造方法は、塩基の不在下で行い、
Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、1:1.1よりも大きく、約1:2.5までであり、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
本方法は、入手が容易な出発材料であるPd(ジオレフィン)X又はPdX及びPRを使用し、手順が単純なため、大規模製造にとってより適切である。
PRは、P(t−Bu)又はP(i−Pr)(t−Bu)から選択することができる。
ハライドは、クロライド、ブロミド、又はヨージドであり得る。ハライドは好ましくは、ブロミド又はヨージドである。適切なPdX錯体には、PdCl、PdBr及びPdIが、好ましくはPdBr及びPdIが含まれる。Pd(ジオレフィン)Xは、環状ジオレフィン、より好ましくは2,5−ノルボルナジエン(NBD)又は1,5−シクロオクタジエン(COD)を含む。よって適切なPd(ジオレフィン)X化合物には、Pd(COD)Br、Pd(NBD)Br及びPd(COD)Iが含まれる。Pd(COD)Br又はPd(COD)Iが、特に好ましい。
或いは、ジオレフィンを、2つのモノオレフィン分子によって置き換えることができる。この場合、モノオレフィンは、直鎖C2〜10アルケン、分枝状C2〜10アルケン、C5〜10シクロアルケン、及びこれらの組み合わせから成る群より選択することができる。モノオレフィンはより好ましくは、エチレン又はシクロオクテンである。
Pd(ジオレフィン)X又はPdX化合物と、PR配位子とは、溶媒中で混合する。溶媒は、C6〜10芳香族炭化水素であり得る。溶媒は好ましくは、ベンゼン、トルエン、及びキシレンから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、キシレン又はトルエンである。特定の実施態様では、溶媒がキシレンであり、キシレンは、式(I)の化合物の収率を向上させることが実証されている。
溶媒中のPd(ジオレフィン)X濃度は好ましくは、約0.1mol/L〜約2.5mol/Lであり、より好ましくは約0.2mol/L〜約2mol/Lである。溶媒中のPdX濃度は好ましくは、約0.01mol/L〜約1.5mol/Lであり、より好ましくは約0.03mol/L〜約1mol/Lである。
PR配位子は、固体として使用することができるか、又はより好ましくは、溶媒中、例えばトルエン又はキシレン中で溶液として使用することができる。
本発明において、Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、1:1.1よりも大きく、約1:2.5までである。この範囲におけるPd:Pの比率では、式(I)の錯体が、主要な生成物として形成される(反応式1、等式b)。主要な生成物は、反応混合物においてその他のパラジウム含有生成物よりも多い量で形成される、所望のパラジウム含有生成物である。
Pd(ジオレフィン)X:PR又はPdX:PRの適切なモル比には、以下のものが含まれるが、これらに限られない:1:1.15、1:1.2、1:1.25、1:1.3、1:1.35、1:1.4、1:1.45、1:1.5、1:1.55、1:1.6、1:1.65、1:1.7、1:1.75、1:1.8、1:1.85、1:1.9、1:1.95、1:2.0、1:2.05、1:2.1、1:2.15、1:2.2、1:2.25、1:2.3、1:2.35、1:2.4、1:2.45。好ましいモル比は、約1:1.5である。
理論に縛られるつもりはないが、Pd(ジオレフィン)X:PR又はPdX:PRのモル比が1:1.1よりも小さい場合、例えば1:1の場合(反応式1、等式a)、Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを溶媒中で反応させることにより、式(I)の錯体と、式(II)の錯体との混合物が生じる。式(II)の錯体を式(I)の錯体に変換するためには、この反応混合物にアルカリ金属水酸化物をさらに添加する必要があり得る。
Figure 0006983233
反応式1:収率はPdに基づき、括弧内は理論収率。
Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを、溶媒中で反応させるに際して、これらの成分はあらゆる適切な順序で混合することができるが、好ましくはPd(ジオレフィン)X又はPdXを最初に溶媒に添加して、それからPRを添加する。
Pd(ジオレフィン)X又はPdX化合物、及びPR配位子を溶媒中で混合した後、好ましくは反応混合物を、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約1分〜5時間、より好ましくは約30分から約4.5時間、最も好ましくは約45分から約4時間にわたって、撹拌することができる。
別の実施態様において、本発明の方法はさらに、基Xのうち1つ又は複数を独立して、X’と交換することによって式(I’)の錯体:
Figure 0006983233
を製造する工程を含み、式中、X’はそれぞれ、式(I)の錯体における対応する基Xとは異なるハライドである。
アニオン交換は、式(I)の錯体をYX’塩と溶媒中で組み合わせることによって便利に行うことができ、ここでYは、アルカリ金属カチオン(例えばK若しくはNa)、又は第四級アンモニウムカチオン([RN])であり、ここでRは、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜20アルキルから成る群より選択され、X’は、先に規定した通りである。これらの成分は、あらゆる適切な順序で組み合わせることができるが、溶媒中にある式(I)の錯体を、溶媒中にあるYX’塩と組み合わせるのが好ましい。適切なYX’塩の例には、NaI、及びテトラ−n−ブチルアンモニウムヨージドが含まれる。適切なYX’塩の例には、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノール、例えばメタノールが含まれる。アニオン交換は好ましくは、不活性雰囲気(例えばアルゴン又は窒素)の下で行われる。
反応が完了したら、生成物の物理的な形状に応じた何らかの適切な方法によって、式(I)又は(I’)の錯体を反応混合物から分離する。例えば、式(I)又は(I’)の錯体を固体として回収したい場合、反応混合物から沈殿によって、錯体を単離することができる。
沈殿は、適切な溶媒を添加することによって、起こすことができる。この溶媒は、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノールであり得る。この溶媒は好ましくは、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチルー2−ブタノール、2−メチル2−ブタノール、3−メチルー1−ブタノールから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、メタノールである。
溶媒を添加した後、好ましくは反応混合物を、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約1分〜1時間、より好ましくは約5分から約45分間にわたって、撹拌することができる。
錯体はそれから、ろ過、デカンタ又は遠心分離によって単離することができる。分離された錯体を好ましくは、さらなる溶媒で洗浄し、それから乾燥させる。乾燥は、既知の方法により、例えば約10〜60℃の範囲の温度、好ましくは約20〜40℃の範囲の温度で、約1〜30mbarの真空下、約1時間から約5日間にわたって行うことができる。
式(I)の錯体を製造及び単離するあらゆる工程を、不活性雰囲気(例えば窒素又はアルゴン)の下で行うことが好ましい。さらに、式(I)又は(I’)の錯体は水中で安定ではないので、利用するいずれかの溶媒中に存在し得る水の量を制御することが望ましい。よって本発明の1つの実施態様において、溶媒は無水である。
本発明の別の態様は、式(II)の化合物:
Figure 0006983233
を提供し、
式中、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
Xはそれぞれ独立してハライドであり、一般的に前述の通りである。PRは、一般的に前述の通りである。
1つの実施態様において、式(II)の化合物は、[PdBr][BrP(t−Bu)である。別の実施態様において、式(II)の化合物は、[Pd][IP(t−Bu)である。
本発明の別の態様では、式(II)の化合物:
Figure 0006983233
の製造方法が提供され、
該製造方法は、Pd(ジオレフィン)X又はPdXと[X][XPR]とを溶媒中で反応させて、式(II)の錯体を形成する工程を含み、
式中、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
Xはそれぞれ独立してハライドであり、一般的に前述の通りである。PR、ジオレフィン、Pd(ジオレフィン)X、PdXは、一般的に先に記載した通りである。
Pd(ジオレフィン)X又はPdX化合物と、[X][PR]とは、溶媒中でともに混合する。溶媒は、C6〜10芳香族炭化水素、C2〜10エーテル、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される。溶媒は好ましくは、キシレン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される。好ましい溶媒は、トルエン又はテトラヒドロフランである。
Pd(ジオレフィン)X又はPdX化合物と、[X][PR]とを溶媒中で混合した後、好ましくは反応混合物を、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約12時間から約5日、より好ましくは約4日にわたって、撹拌することができる。
反応が完了したら、式(II)の錯体を反応混合物から、一般的には前述のように分離することができる。
PRを溶媒中でXと混合して、[X][XPR]を形成することができる。Xは好ましくは、ブロミド又はヨージドである。溶媒は、C6〜10芳香族炭化水素、好ましくはトルエンである。反応混合物は、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。[X][XPR]を製造及び単離するあらゆる工程を、不活性雰囲気(例えば窒素又はアルゴン)の下で行うことが好ましい。[X][XPR]はそれから、ろ過、デカンタ又は遠心分離によって単離することができる。分離された錯体は好ましくは、さらなる溶媒で洗浄し、それから乾燥させる。
本発明の別の態様では、式(II)の化合物を、
(a)アルカリ金属水酸化物と、又は
(b)[PRPdと
溶媒中で反応させて式(I)の錯体を形成する工程を含む、式(I)の錯体の製造方法が提供され、
Figure 0006983233
式中、
Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
Xはそれぞれ独立してハライドであり、一般的に前述の通りである。PRは、一般的に前述の通りである。
溶媒は、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノール、C6〜10芳香族炭化水素、及びこれらの組み合わせから成る群より選択することができる。溶媒は好ましくは、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチルー2−ブタノール、3−メチルー1−ブタノール、ベンゼン、トルエン、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、メタノール及びトルエンである。溶媒における式(II)の化合物の濃度は好ましくは、約0.01mol/L〜約1.0mol/Lである。
式(II)の化合物:アルカリ金属水酸化物のモル比は、約1:3であり得る。
アルカリ金属水酸化物は、式(II)の化合物を溶媒に入れた懸濁液に添加することができる。アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムであってよく、好ましくは水酸化ナトリウムである。1つの実施態様では、アルカリ金属水酸化物を直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノールに溶解させ、それから反応混合物に溶液として添加する。適切なアルカノールは、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチルー2−ブタノール、3−メチルー1−ブタノール、又はこれらの組み合わせである。アルカノールは好ましくは、メタノールである。アルカリ金属水酸化物/アルカノールの溶液は、あらゆる適切な濃度、例えば約0.05mol/L〜約3mol/Lの範囲、好ましくは約0.1mol/L〜約2.5mol/Lの範囲で、使用することができる。
アルカリ金属水酸化物の添加後、好ましくは反応混合物を、約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約10分〜3時間、より好ましくは約30分から約2時間にわたって、撹拌することができる。
或いは、式(II)の化合物及び[PRR3]Pdをともに混合することができ、それから溶媒を添加する。溶媒は、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノール、C6〜10芳香族炭化水素、及びこれらの組み合わせから成る群より選択することができる。溶媒は好ましくは、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチルー2−ブタノール、2−メチルー2−ブタノール、3−メチルー1−ブタノール、ベンゼン、トルエン、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、メタノール及びトルエンである。溶媒における式(II)の化合物の濃度は好ましくは、約0.01mol/L〜約1.0mol/Lである。
式(II)の化合物:[PRPdのモル比は、約1:2であり得る。
反応混合物は、約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌することができる。この混合物は、例えば好ましくは約10分〜3時間、より好ましくは約20分から約2時間にわたって、撹拌することができる。
反応が完了したら、生成物の物理的な形状に応じた何らかの適切な方法によって、式(I)の錯体を反応混合物から分離することができる。例えば、式(I)の錯体を固体として回収したい場合、反応混合物から沈殿によって、錯体を単離することができる。
沈殿は、適切な溶媒を添加することによって、起こすことができる。この溶媒は、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノールであり得る。この溶媒は好ましくは、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチルー2−ブタノール、2−メチル2−ブタノール、3−メチルー1−ブタノールから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、メタノールである。
溶媒の添加後、好ましくは反応混合物を、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約1分〜1時間、より好ましくは約5分から約45分間にわたって、撹拌することができる。
錯体はそれから、一般的には前述のように、単離することができる。
本発明の別の態様では、Pd(ジオレフィン)x又はPdXとPRとを溶媒中で反応させる工程を含む、[PRPdの製造方法が提供され、
該製造方法は、塩基の不在下で行い、
Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、少なくとも1:3であり、Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される。
ハライド、ジオレフィン、及び適切なPd(ジオレフィン)X又はPdXは、一般的に先に記載した通りである。
Pd(ジオレフィン)X又はPdX化合物と、PRホスフィン配位子とは、溶媒中で混合する。溶媒は、C6〜10芳香族炭化水素である。溶媒は好ましくは、ベンゼン、トルエン、及びキシレンから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、キシレン又はトルエンである。
PR配位子は、固体として使用することができるか、又はより好ましくは、溶媒中、例えばトルエン又はキシレン中で溶液として使用することができる。
Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRの比は、少なくとも1:3であり、この際には[PRPdが、主要な生成物として形成される。
本発明では、Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比が、少なくとも1:1.2である場合、式(I)の錯体が、主要な生成物として形成される(反応式1、反応b)。理論に縛られるつもりはないが、Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比が1:2より大きいと、溶媒中でのPd(ジオレフィン)X又はPdXと、PRとの反応によって式(I)の錯体と、[PRPdとの混合物が生じる。31P−NMRスペクトル分析(エントリー1及び2)によれば、Pd(ジオレフィン)X:PR又はPdX:PRの比が1:2である場合、式(I)の錯体及び[PRPdが、85:15の比率で形成され、これに対してPd(ジオレフィン)X:PRの比が1:3である場合には、式(I)の錯体及び[PRPdが、5:95の比率で形成される。よって、Pd(ジオレフィン)X:PRの比率を増加させることにより、[PRPdが、100%の収率で形成される。
Figure 0006983233
表1:31P−NMRスペクトル分析により特定したPd(ジオレフィン)X:PRの比率に応じた、式(I)の錯体と[PRPdとの比率
Figure 0006983233
Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを、溶媒中で反応させるに際して、これらの成分はあらゆる適切な順序で混合することができるが、好ましくはPd(ジオレフィン)X又はPdXを最初に溶媒に添加して、それからPRを添加する。
Pd(ジオレフィン)X又はPdX化合物、及びPR配位子を溶媒中で一緒に混合した後、好ましくは反応混合物を、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約1分〜5時間、より好ましくは約30分から約4.5時間、最も好ましくは約45分から約4時間にわたって、撹拌することができる。
反応が完了したら、生成物の物理的な形状に応じた何らかの適切な方法によって、[PRR3]Pdを反応混合物から分離することができる。例えば、[PRR3]Pdを固体として回収したい場合、反応混合物から沈殿によって、錯体を単離することができる。
沈殿は、適切な溶媒を添加することによって、起こすことができる。この溶媒は、直鎖状、分枝状又は環状のC1〜10アルカノールであり得る。この溶媒は好ましくは、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2−メチル2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノールから成る群より選択される。特に好ましい溶媒は、メタノールである。
溶媒を添加した後、好ましくは反応混合物を、約0℃〜約40℃の範囲にある温度、好ましくは約5℃〜約35℃の範囲にある温度で、撹拌する。この混合物は、例えば好ましくは約1分〜1時間、より好ましくは約5分から約45分間にわたって、撹拌することができる。
錯体はそれから、一般的には前述のように、単離することができる。
特定の実施態様において、本発明の方法は高収率である。特定の実施態様において、こうして得られる式(I)、(II)及び[PRR3]Pdの錯体は、純粋である。
本発明をさらに、以下の非限定的な実施例を参照しながら説明する。
実施例1:{Pd(Br)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
シュレンクフラスコにPd(COD)Br(1.0g、2.69mmol)及び撹拌子を装填し、脱気及びNによる再充填を3回行う。トルエン(2mL)を添加し、次いでP(t−Bu)(トルエン中で1M、4.03mmol、4.0mL)を添加する。この反応混合物を室温で3時間にわたり撹拌し、それからMeOH(10mL)を添加し、この混合物をさらに15分撹拌する。生成した固体をろ過により単離し、MeOH(5×5mL)で洗浄する。生成した緑色の固体結晶を真空乾燥させて、掲題の化合物を得た(849mg、81%)。
実施例2:{Pd(Br)[P(t−Bu)]}
500mLのシュレンクフラスコに、13.7gのPd(COD)Br及び撹拌子を添加する。このフラスコを封止し、排気及び窒素による再充填を3回行う。このフラスコに、キシレン中で12重量%のtBuP溶液を92.9g、空気が入らないようにしながらカニューレにより添加する。直ちに混合を始める。この反応物を4時間にわたり室温で撹拌した後、緑色のスラリーが得られる。フラスコに無水メタノールを135mLを、空気が入らないようにしながらシリンジによって7分にわたり添加する。生成したスラリーを室温で18分間、撹拌する。それからこのスラリーを、空気が入らないようにしながら窒素下で200mLのシュレンクフリットを用いてろ過する。フラスコを30mLの無水メタノールですすぎ、それからこの無水メタノールをフリット上で最終生成物をスラリー化するために用いる。生成物をもう一度、30mLの無水メタノールで洗浄する。この固体を窒素スイープによるチャンバ真空下で30分間、乾燥させ、その後、シュレンクフリットをパッケージングのためにグローブボックスに移す。青緑の結晶を13.8g、97%の収率で回収。元素分析及びNMR分析(H/31P)により試料を試験したところ、純粋であった。予測値:C,37.09;H,7.00;実測値:C,37.27;H,6.93。
実施例3:{Pd(Br)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
シュレンクフラスコにPdBr(176mg、0.66mmol)及びトルエン(5mL)を装填し、次いでP(t−Bu)溶液(トルエン中で1.0M、1.0mL、1.0mmol)を装填した。反応混合物を室温で窒素下、3時間にわたり撹拌する。それから、MeOH(6mL)を添加し、緑色の反応混合物をさらに20分間、撹拌する。生成した緑色の固体を、窒素下でろ過によって単離し、MeOH(5×3mL)で洗浄し、真空乾燥させて、掲題の化合物を得た(130mg、50%)。
実施例4:{Pd(I)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
PdI(360mg、1.0mmol)をN下に置き、無水トルエン(5mL)中に懸濁させる。反応フラスコを脱気し、Nにより5回、再充填する。それからP(t−Bu)(トルエン中で1M、1.5mmol、1.5mL)を添加し、反応混合物を室温で1時間、撹拌する。それからMeOH(20mL)を添加し、この混合物をさらに30分、撹拌する。生成した固体をろ過により単離し、真空乾燥させて、掲題の化合物を得た(350mg、80%)。NMR分析は、報告したスペクトルに一致する。
実施例5:{Pd(I)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
シュレンクフラスコにPd(COD)Br(0.5g、1.35mmol)及び撹拌子を装填し、封止し、脱気及びNによる再充填を3回行う。このフラスコをグローブボックス内に入れ、P(t−Bu)(トルエン中で1M、2.0mmol、2.0mL)を添加する。封止したフラスコをグローブボックスから取り出し、シュレンクラインにつなげ、さらに1mLのトルエンを加える。反応混合物を室温で窒素下、2時間にわたり撹拌し、それからNaI(2.02g、13.44mmol)をMeOH(5mL)に入れた溶液を添加し、この混合物をさらに1時間、撹拌する。生成した暗紫色の固体をろ過により単離し、MeOH(5×5mL)で洗浄する。生成した暗紫色の結晶を真空乾燥させて、掲題の化合物を得た(503mg、85%)。
実施例6:{Pd(I)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
シュレンクフラスコにPd(COD)Br(0.5g、1.35mmol)及び撹拌子を装填し、封止し、脱気及びNによる再充填を3回行う。このフラスコをグローブボックス内に入れ、P(t−Bu)(トルエン中で1M、2.0mmol、2.0mL)を添加する。封止したフラスコをグローブボックスから取り出し、シュレンクラインにつなげ、さらに1mLのトルエンを加える。反応混合物を室温で窒素下、2時間にわたり撹拌し、それからTBAI(テトラ−n−ブチルアンモニウムヨージド)(2.48g、6.72mmol)をMeOH(5mL)に入れた溶液を添加し、この混合物をさらに1時間、撹拌する。生成した暗紫色の固体をろ過により単離し、MeOH(5×5mL)で洗浄する。生成した暗紫色の結晶を真空乾燥させて、掲題の化合物を得た(548mg、93%)。
実施例7:Pd(COD)Br+1等量PtBu
Figure 0006983233
Pd(COD)Br(9190mg、24.72mmol)をRBフラスコに秤り取り、グローブボックスに移す。それからP(t−Bu)のトルエン溶液(1M、24.72mL、24.72mmol)を添加し、フラスコをグローブボックスから取り出す。それからトルエン(50mL)を添加し、反応混合物をN下で2時間、撹拌する。それから反応混合物をろ過し、生成した赤い固体をTHF(500mL)で洗浄する。赤い固体を乾燥させ、赤い固体のMeOH/アセトン(50:30mL)溶液にヘキサン(30mL)を添加することによって再結晶化する。一晩経つと、[PdBr][BrP(t−Bu)が暗赤色の針状結晶として得られた(1.47g、10%)。H−NMR(アセトン−d6,400MHz):δ1.91(d,J17.6,27H);31P−NMR(アセトン−d6,162MHz):δ124.9;C2454BrPdについて計算して分析:C,22.94;H,4.33;P,4.93。実測値:C,22.97;H,4.23;P,5.01。ろ液を採取し、ロータリーエバポレーターで乾燥。生成した固体をMeOH(150mL)で洗浄すると、フィルタ上に{Pd(Br)[P(t−Bu)]}(6.09g、64%)と、赤いろ液が得られた。
実施例8:[Br][BrP(t−Bu)
Figure 0006983233
Br(0.10mL、310mg、1.9mmol)を、P(t−Bu)(トルエン中で1.0M、1.9mL、1.9mmol)に、N下でシュレンクフラスコ内で加える。これにより発熱反応が生じ、オレンジ色の固体が当初の赤い溶液から析出する。この析出物をろ過により単離し、アセトン(2mL)で洗浄すると、[Br][BrP(t−Bu)]がオフホワイトの固体(537mg、78%)として得られた。
H−NMR(CD3OD,400MHz):δ1.77(d,J17.6,27H);31P−NMR(CD3OD,162MHz):δ124.9;C1227BrPについて計算して分析:C,39.80;H,7.52;Br,44.13;P,8.55。実測値:C,39.52;H,7.42;Br,43.83;P,8.29。
実施例9:[PdBr][BrP(t−Bu)
Figure 0006983233
PdBrを、一晩にわたりアセトン中で撹拌し、それからろ過、乾燥する。シュレンクフラスコに、精製したPdBr(500mg、1.88mmol)及び[Br][BrP(t−Bu)](676mg、1.88mmol)を装填し、脱気し、Nにより再充填する。トルエン(5mL)及びTHF(3mL)を添加し、反応混合物を室温で4日間、撹拌する。それから、生成した固体をろ過し、トルエン(5mL)で洗浄する。暗赤色の固体を真空乾燥(1.03g,87%)。H−NMR(アセトン−d6,400MHz):δ1.91(d,J17.6,27H);31P−NMR(アセトン−d6,162MHz):δ124.9.C2454BrPdについて計算して分析:C,22.94;H,4.33;P,4.93。実測値:C,22.36;H,4.19;P,4.85。
実施例10:{Pd(Br)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
[PdBr][BrP(t−Bu)(150mg、0.12mmol)を、シュレンクフラスコ内でN雰囲気下、トルエン(1mL)中に懸濁させる。MeOH(1mL)を添加すると、暗赤色の反応混合物が得られる。それから、NaOH/MeOH溶液(1M、0.71mL、0.71mmol)を滴加し、生成した暗緑色の反応混合物を室温で1時間、撹拌する。引き続き、さらに4mLのMeOHを加え、この混合物を10分間撹拌し、生成した緑色の固体をN下、ろ過により単離する。この固体をMeOH(3mL)で洗浄し、真空乾燥して、{Pd(Br)[P(t−Bu)]}(89mg、収率89%)を得た。H及び31P−NMR分析により試験したところ、生成物は純粋であった。C2454BrPdについて計算して分析:C,37.09;H,7.00;P,7.97。実測値:C,36.73;H,6.81;P,7.76。
実施例11:{Pd(Br)[P(t−Bu)]}
Figure 0006983233
シュレンクフラスコに[PdBr][BrP(t−Bu)(100mg、0.080mmol)及び[P(t−Bu)Pd(81mg、0.16mmol)を装填し、脱気及びNによる再充填を3回行う。それからトルエン(2mL)及びMeOH(2mL)を添加し、生成した暗緑色の反応混合物を30分間、室温で撹拌する。それから、さらに3mLのMeOHを添加し、反応混合物をさらに10分間撹拌し、生成した暗緑色の固体を、N下でろ過により単離し、MeOH(3mL)で洗浄し、真空乾燥する(119mg、収率96%)。H及び31P−NMR分析により試験したところ、生成物は純粋であった。C2454BrPdについて計算して分析:C,37.09;H,7.00;P,7.97。実測値:C,37.21;H,6.90;P,7.80。
実施例12:
シュレンクフラスコにPd(COD)Br(250mg、0.67mmol)を装填し、グローブボックスに移す。グローブボックス内で、P(t−Bu)配位子を適切な量で添加する(トルエン中で1Mの溶液)。フラスコを封止し、グローブボックスから取り出す。最終的な反応混合物をトルエンで希釈して、0.32Mの溶液にする。この反応混合物を室温で2.5時間にわたり撹拌し、それから4mLのMeOHを添加し、この混合物をさらに10分間、撹拌する。生成した固体を、N下でろ過により単離し、MeOH(4mL)で洗浄する。最終的な生成物を真空乾燥し、H及び31P−NMRで分析する。
Figure 0006983233
Figure 0006983233

Claims (20)

  1. 式(I)の錯体:

    Figure 0006983233
    の製造方法であって、
    該製造方法は、Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを溶媒中で反応させて、式(I)の錯体を形成する工程を含み、
    該製造方法は、塩基の不在下で行い、
    Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、1:1.1より大きく、1:2.5までであり、
    Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
    、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される、製造方法。
  2. ジオレフィンが、環状ジオレフィン又は2つのモノオレフィン分子である、請求項1に記載の方法。
  3. 溶媒がC〜C10芳香族炭化水素である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比が、1:1.5である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. さらに、基Xのうち1つ又は複数を独立してX’と交換することにより、式(I’)の錯体:

    Figure 0006983233
    [式中、X’はそれぞれ、式(I)の錯体における対応する基Xとは異なるハライドである]
    を製造する工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 式(II)の化合物を、
    (a)アルカリ金属水酸化物と、又は
    (b)[PRPdと
    溶媒中で反応させて式(I)の錯体を形成する工程を含む、式(I)の錯体の製造方法であって、

    Figure 0006983233
    式中、
    Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
    、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される、製造方法。
  7. 溶媒が、直鎖、分枝状、又は環状のC1〜10アルカノール、C6〜10芳香族炭化水素、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 式(II)の化合物:アルカリ金属水酸化物のモル比が、1:3である、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 式(II)の化合物:[PRPdのモル比が、1:2である、請求項6又は7に記載の方法。
  11. 式(II)の化合物:

    Figure 0006983233
    [式中、
    Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
    、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される]。
  12. 式(II)の化合物:

    Figure 0006983233
    の製造方法であって、
    該製造方法は、Pd(ジオレフィン)X又はPdXと[X][XPR]とを溶媒中で反応させて、式(II)の錯体を形成する工程を含み、
    式中、
    Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
    、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される、製造方法。
  13. ジオレフィンが、環状ジオレフィン又は2つのモノオレフィン分子である、請求項12に記載の方法。
  14. 溶媒が、C6〜10芳香族炭化水素、C2〜10エーテル、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 溶媒が、キシレン、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、及びこれらの組み合わせから成る群より選択される、請求項14に記載の方法。
  16. [X][XPR]を、PRとXとを溶媒中で反応させて[X][XPR]を形成することにより製造する、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. Pd(ジオレフィン)X又はPdXとPRとを溶媒中で反応させる工程を含む、[PRPdの製造方法であって、
    該製造方法は、塩基の不在下で行い、
    Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比は、少なくとも1:3であり、
    Xはそれぞれ独立して、ハライドであり、
    、R及びRは独立して、tert−ブチル及びイソプロピルから成る群より選択される、製造方法。
  18. ジオレフィンが、環状ジオレフィン又は2つのモノオレフィン分子である、請求項17に記載の方法。
  19. 溶媒がC〜C10芳香族炭化水素である、請求項17又は18に記載の方法。
  20. Pd(ジオレフィン)X:PR、又はPdX:PRのモル比が、1:4である、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
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