JP2000037455A - 内視鏡用処置具 - Google Patents

内視鏡用処置具

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JP2000037455A
JP2000037455A JP10208024A JP20802498A JP2000037455A JP 2000037455 A JP2000037455 A JP 2000037455A JP 10208024 A JP10208024 A JP 10208024A JP 20802498 A JP20802498 A JP 20802498A JP 2000037455 A JP2000037455 A JP 2000037455A
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locking
outer tube
endoscope
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operation shaft
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JP10208024A
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Tomoyuki Yamashiro
知幸 山城
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Clinical Supply Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 穿刺針等の作用部材の突出長を任意に微調整
し得る内視鏡用処置具を提供すること。 【解決手段】 上記課題を解決する本発明の内視鏡用処
置具10は、外管14の基端部に設けられた外筒部12
および内管18等の操作部材の基端部に設けられた操作
軸部20に、穿刺針16等の作用部材の外管先端部14
aから突出される長さを多段階に変更させるとともにそ
の多段階の各々の位置で該操作軸部20および内管18
等の操作部材を固定させて該突出長の微調整を実現する
突出長微調整手段が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡に設けられ
た処置具用チャンネルを介して体腔内の患部を処置する
内視鏡用処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】内視鏡の普及に伴い、例えば大腸ポリー
プ(腫瘤)の切除や細胞組織の採取、あるいは食道静脈
瘤硬化療法等における患部の止血等のためにいわゆる内
視鏡的処置が盛んに行われている。この内視鏡的処置に
用いられる処置具(以下「内視鏡用処置具」という。)
は、一般的には、術者が把持し操作する外筒部(ホルダ
ー部)と当該外筒部に装備される外管と当該外管内に進
退自由に配置される操作部材とから構成されている。そ
して、処置の目的に応じて当該操作部材の先端部には、
注射針やスネアループあるいは電極のような患部に直接
作用させる部材(以下「作用部材」という。)を装着し
た種々の内視鏡用処置具が開発されている。
【0003】而して、内視鏡用処置具における上記外管
を内視鏡に設けられた処置具用チャンネル(ルーメン)
に挿入してその先端部を体腔内の患部(被処置部)近傍
に到達させるとともに操作部材先端の作用部材を当該先
端部から突出させ、術者が内視鏡によってその位置を確
認しつつ当該処置具を操作することによって処置が施さ
れる。すなわち、内視鏡的処置を行う術者は、一方の手
で内視鏡を保持しつつ他方の手で内視鏡用処置具の操作
を行う必要がある。このため、従来、内視鏡用処置具に
は術者が片手で操作し得るような形態と操作性とが要求
されており、例えば、特公平5−30460号公報や実
公平6−13741号公報には、内視鏡用注射器であっ
て、内視鏡の上記チャンネルに外管を挿入した際に操作
部材先端に装着した針が当該外管先端部から不用意に突
出しないようにするための固定手段を設けた内視鏡用注
射器が記載されている。このような内視鏡用注射器を用
いることによって、内視鏡的処置時に操作部材先端の針
を必要に応じて外管内に収納あるいは外管から所定の長
さに突出させた状態に保持・固定することが可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際の内視
鏡的処置では、体腔内における患部の位置や処置の目的
等に応じて内視鏡用処置具における上記外管からの針そ
の他の作用部材の最適突出長は異なってくる。また、一
度の処置で作用部材の外管先端からの最適突出長が患部
(組織)の位置によって異なる場合があり得る。例え
ば、早期大腸癌の表面型病変部(粘膜部)を内視鏡的処
置によって切除するいわゆるEMR(endoscopic mucosa
l resection)法等においては、病変部に薬液を注入する
ために内視鏡的注射器を用いる際、病変部の位置や状態
によって外管から突出させる針の突出長が変動し得る。
【0005】しかしながら、上記公報に記載されるよう
な従来の内視鏡用処置具によっては、針その他の作用部
材の突出長がいくつかの所定の長さに固定されてしま
い、患部の状況(例えば患部の存在位置やその表面形
状)に応じて内視鏡の上記チャンネルに処置具を挿入し
たまま当該突出長を多様に変更させることが不可能であ
った。このため、針等の作用部材の突出長を異ならせる
ためには、術者は内視鏡用処置具を内視鏡の上記チャン
ネルから一旦抜き出して突出長を調整するか、或いは術
前に突出長を予め調整しておくか、或いはまた術者が事
前に適切な突出長の内視鏡用処置具を選択しておく必要
があった。然るに、このような突出長の調整は、助手等
による迅速且つ正確な補助作業を必要とする。また、こ
のような突出長の調整およびそれに伴う複数回の処置
は、当該内視鏡的処置に要する時間を延長させてしま
い、患者に苦痛を強いる結果となり得るため好ましいこ
とではない。
【0006】本発明は、内視鏡的処置における上記問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、内視鏡に設けられた処置具用チャンネル(ルーメ
ン)に挿入した場合にも外管の先端における作用部材の
突出長を患部の状況に応じて多様に微調整し得る内視鏡
用処置具を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、内視鏡のチャンネルに挿入され
る外管と、その外管の基端部に設けられた外筒部と、そ
の外管内に進退可能に配置される操作部材と、その操作
部材の基端部に設けられた操作軸部と、その操作部材の
先端部に装備された作用部材とを有する内視鏡用処置具
であって、その操作軸部の少なくとも一部が当該外筒部
に保持された状態において、当該外筒部および外管に対
して当該操作軸部および操作部材を進退させることによ
って当該作用部材の外管先端部から外部に突出する突出
長が決定されており、ここで当該操作軸部および当該外
筒部には、当該突出長を多段階に変更させるとともにそ
の多段階に変更された各々の位置で当該操作軸部および
操作部材を固定させることによって当該突出長の微調整
が実現される突出長微調整手段が設けられている内視鏡
用処置具(以下「本発明の内視鏡用処置具」という)を
提供する。
【0008】本明細書において上記作用部材の外管先端
部から突出される長さ(突出長)に関して「多段階に変
更」とは、作用部材の外管先端部から突出される長さが
その最小突出長(典型的にはゼロ即ち突出していない状
態)から最大突出長の間で多様に異なり得ることを指す
用語である。従って、作用部材の外管先端部から突出さ
れる長さが予め設定された数通り(典型的には2通り乃
至3通り)の長さのうちのいずれかに限定されて変更し
得る程度のものは本明細書における「多段階に変更」の
範疇に含まれない。
【0009】また、本発明は、上記本発明の内視鏡用処
置具において、上記突出長微調整手段が、上記操作軸部
または外筒部の一方に設けられた係止片と、上記操作軸
部または外筒部の他方に設けられた係合部とから構成さ
れており、その係合部は当該操作軸部が当該外筒部に保
持された際に当該係止片と相対する位置に設けられてお
り、その係合部には、上記外筒部および外管に対する操
作軸部および操作部材の進退に伴って当該係止片を当該
進退方向に移動させ得る移動溝と、当該係止片を所定の
位置で固定させ得る係止溝とが隣接して形成されてお
り、その係止片を当該移動溝に配置した場合に上記作用
部材の上記突出長が多段階に変更される一方、当該移動
溝から係止溝へ係止片を移動させることによって当該操
作軸部および操作部材をその位置で固定することが実現
される内視鏡用処置具(以下「本発明の第二の内視鏡用
処置具」という)を提供する。
【0010】また、本発明は、上記本発明の内視鏡用処
置具において、上記突出長微調整手段が、上記外筒部に
回転可能に設けられた係止用車部材と、上記操作軸部に
設けられた係合部とから構成されており、その係合部
は、上記操作軸部が当該外筒部に保持された際にその係
止用車部材と相対する位置に設けられており、その係合
部は、上記外筒部および外管に対する操作軸部および操
作部材の進退に伴って当該係止用車部材を回転させつつ
当該係止用車部材と係合する形状に形成されており、そ
の外筒部の一部には当該係止用車部材と係合して当該係
止用車部材の回転を停止させるストッパーが設けられて
おり、その係止用車部材を当該係合部に係合させつつ回
転自由な状態に配置しておくことによって上記作用部材
の上記突出長が多段階に変更される一方、当該係止用車
部材と当該ストッパーとを係合させることによって当該
操作軸部および操作部材をその位置で固定することが実
現される内視鏡用処置具(以下「本発明の第三の内視鏡
用処置具」という。)を提供する。
【0011】また、本発明は、上記本発明の内視鏡用処
置具において、上記突出長微調整手段が、上記外筒部に
設けられた制動部材と、上記操作軸部に設けられた接触
片とから構成されており、上記外筒部および外管に対す
る操作軸部および操作部材の進退の際、その接触片を当
該外筒部に密着しない状態に配置することによって上記
作用部材の上記外管先端部から突出される長さが多段階
に変更される一方、当該制動部材によって当該接触片を
当該外筒部の一部に押し付けることによって当該操作軸
部および操作部材をその位置で固定することが実現され
る内視鏡用処置具(以下「本発明の第四の内視鏡用処置
具」という。)を提供する。
【0012】本発明の内視鏡用処置具では、外筒部への
操作軸部の進退操作に応じて操作部材の先端に設けられ
た作用部材の外管先端部からの突出長が決定されること
に加えてその突出長を当該進退操作に伴って多段階に変
更させ、その各々の状態で固定することができる。この
ため、本発明の内視鏡用処置具によれば、適用する患部
の形状等に応じて作用部材の突出長を、随時、多様に微
調整できる。また、突出長微調整手段が上記外筒部およ
び操作軸部に設けられているため、術者自身の手元操作
で当該突出長の微調整を容易に行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の内視鏡用処置具
(上記第二、第三、第四の内視鏡用処置具を包含する。
以下同じ。)の好適な実施形態を図面を参照しつつ説明
する。
【0014】先ず、第一の実施形態として、図1〜図5
を参照しつつ特に上記本発明の第二の内視鏡用処置具と
して好適な内視鏡用処置具10を説明する。なお、図1
は本実施形態に係る内視鏡用処置具10の外観を模式的
に示す図である。また、図2は図1におけるII−II線矢
視断面図である。
【0015】図1に示すように、本実施形態に係るシリ
ンジ状の内視鏡用処置具10の概略は、長い管状の外管
14と、その外管14の基端部に設けられている外筒部
12と、その外管14内に配置される上記操作部材に相
当する内管18と、その内管18の基端部に設けられた
プランジャ状の操作軸部20とから構成されている。こ
の外管14の先端部14aは開放されている。一方、内
管18の先端部には上記作用部材の一典型例である穿刺
針(注射針)16が装備されている。また、操作軸部2
0の基端部20aには内管18に通じる送液口20bが
形成されており、内視鏡的処置の際には、この送液口2
0bから種々の薬液を内管18内に送出することができ
る。なお、特に限定されるものではないが、本内視鏡用
処置具10は、従来の内視鏡用処置具と同様、穿刺針1
6はステンレス(例えばSUS304)から成形されて
いる。また、外管14および内管18は、粘着性や摩擦
抵抗性が低く、可撓性に優れる合成樹脂(例えばフッ素
樹脂)から成形されている。一方、外筒部12および操
作軸部20は、本内視鏡用処置具10における把持部
(操作部)に相当するものであるため、所定の強度を有
する合成樹脂(例えばポリプロピレンあるいはABS樹
脂)から成形されている。
【0016】而して、図1に示すように、この外管14
内に内管18を配置することによって、本内視鏡用処置
具10が構築されている。なお、図1および図2に示す
ように、外管14内に内管18を配置した際には、上記
プランジャ状操作軸部20の一部が外筒部12における
筒内に配置される。これにより、外筒部12と操作軸部
20とが相互に保持される。そして、図2に示す本内視
鏡用処置具10の構造から明らかなように、操作軸部2
0を外筒部12に対して長軸方向に進退操作することに
連動して、内管18の外管14に対する進退が行われ
る。而して、操作軸部20を外筒部12の奥深くにまで
挿入することによって穿刺針16の針先16aが外管先
端部14aから突出することとなる(図示せず)。すな
わち、本内視鏡用処置具10において、操作軸部20お
よび内管18の外筒部12および外管14に対する進退
の程度(即ち操作軸部20の筒内部12cへの収容の度
合)によって、穿刺針16の針先16aの外管先端部1
4aから突出する長さ(突出長)が決定される。なお、
内視鏡に設けられたチャンネル(図示せず)内への本内
視鏡用処置具10の脱着操作や、後述する針先16a突
出長の微調整操作を除く実際の内視鏡的処置方法等は、
本処置具10と同様の形態(突出長微調整手段に係るも
のを除く大まかな形態)の従来型穿刺針付き内視鏡用処
置具と同様であり特に本発明を特徴付けるものでもない
ため、詳細な説明は省略する。
【0017】次に、本実施形態に係る内視鏡用処置具1
0に設けられている突出長微調整手段について説明す
る。本実施形態に係る突出長微調整手段は、外筒部12
に設けられた後述する係止片13と、操作軸部20に設
けられた後述する係合部22とから実質的に構成されて
いる。以下、これらについて詳述する。
【0018】図1に示すように、外筒部12の開放部近
くの側壁には当該開放部から長軸方向に二つのスリット
12aが平行に形成されている。このことによって、当
該二つのスリット12aに挟まれた部分(以下「ガイド
部12b」という。)を外力によって外筒部12の他の
部分から別個独立に復原可能に撓ませることができる。
而して、図2に示すように、このガイド部12bの筒内
側には後述する係合部22に対応する係止片13が設け
られている。一方、図3に示すように、操作軸部20の
側壁であって上記進退操作時に上記係止片13に相対す
る部位には、長軸方向に沿って係合部22が設けられて
いる。而して、この係合部22は、上記進退操作の際に
係止片13と係わり合う3つの溝から構成されている。
すなわち、図3に示すように、本係合部22は操作軸部
20側壁に形成された第一移動溝24と、その第一移動
溝24に隣接して形成された係止溝25と、その係止溝
25に隣接して形成された第二移動溝26とから構成さ
れている。図3のA部分を詳細に説明する図5に示すよ
うに、係止溝25の操作軸部20基端部20a寄りに
は、多数(好ましくは10以上より好ましくは20以
上)の係止用突起25aが当該係止溝25からほぼ垂直
に等間隔に立設されている。なお、係止用突起25a間
の間隙は、上記係止片13が挟まれ得る程度の寸法に設
定されている。一方、図5に示すように、上記係止用突
起25aに同調するようにして第一移動溝24上にもほ
ぼ等間隔に位置決め用突起24aが立設されている。図
5から明らかなように、この位置決め用突起24aは、
操作軸部20の基端部20a側の面が垂直に形成されて
いる一方で操作軸部20の先端側(内管18方向)の面
は緩やかな傾斜面に形成されている。なお、図4に模式
的に示すように、上記位置決め用突起24a間の間隙と
上記係止用突起25a間の間隙とがほぼ同調するように
してこれら位置決め用突起24aおよび係止用突起25
aが隣接して設けられている。これにより、後述するよ
うに操作軸部20を外筒部12に対して回転させること
により、位置決め用突起24a間の間隙に配置されてい
る上記係止片13をそのまま真横に隣接する係止用突起
25a間の間隙に移動させることができる。なお、第二
移動溝26には突起物は形成されておらず、当該溝26
の表面はフラットである(図4、図5)。
【0019】ところで、図5におけるVI−VI線矢視断面
図である図6に示すように、第一移動溝24と係止溝2
5との間および係止溝25と第二移動溝26との間に
は、それぞれ隆起した畦状の境界突起線24b,25b
が形成されている。而して、これら境界突起線24b,
25bは、一方の側壁がほぼ垂直に形成され、他方の側
壁は緩やかな傾斜面に形成されている。すなわち、図6
に示すように、第一移動溝24と係止溝25との間の境
界突起線24bは、第一移動溝24に面する側の側壁は
緩やかな傾斜面として形成されている一方、係止溝25
に面する側の側壁はほぼ垂直に形成されている。同様
に、係止溝25と第二移動溝26との間の境界突起線2
5bは、係止溝25に面する側の側壁は緩やかな傾斜面
として形成されている一方、第二移動溝26に面する側
の側壁はほぼ垂直に形成されている。なお、図3に示す
ように、操作軸部20の先端側(即ち内管18側)にお
いて、上記二つの境界突起線24b,25bは相互に接
近しつつついには連結するように形成されている。この
結果、操作軸部20の先端側である係合部22先端部2
2aにおいて、上記第一移動溝24と第二移動溝26と
が合流することとなる。
【0020】上述のごとき係止片13および係合部22
が本発明の突出長微調整手段として設けられた結果、術
者は内視鏡の所定のチャンネル(図示せず)に本内視鏡
用処置具10の外管14を挿入した状態のまま、手元で
操作軸部20を外筒部12に対して進退操作することに
伴って、外管14先端部14aからの針先16aの突出
長を、患部の形状等に応じて随時、多様に微調整するこ
とができる。以下、このことを詳述する。
【0021】外筒部12に設けられた上記係止片13が
上記第一移動溝24に配置されるようにして筒内部12
cに操作軸部20を保持(収容)する。而して、その状
態のまま操作軸部20(典型的には基端部20a)を操
作して操作軸部20を筒内部12cに押し入れていく。
なお、この状態では針先16aは外管14内に収容され
た状態であり、外部に露出しない。而して、操作軸部2
0の外筒部12への収容の度合が進行し、第一移動溝2
4に設けられた最初(最も先端部22a寄り)の位置決
め用突起24aに係止片13が当接する。このとき、上
述のとおり、係止片13が当接する位置決め用突起24
aの面は緩やかな傾斜面である。このため、やや力を加
えてそのまま操作軸部20の外筒部12への押し入れを
継続することによって、上記ガイド部12b(図1)が
係止片13ごと当該傾斜面に沿って上へ持ち上げられて
いき、結果、係止片13が当該最初の位置決め用突起2
4aを乗り越えることができる。なお、本実施形態にお
いては、この最初の位置決め用突起24aを乗り越えた
際に上記穿刺針16の針先16aが外管14の先端部1
4aから僅かに露出するように設定されている。
【0022】而して、本実施形態においては、上述のと
おり、位置決め用突起24aを上記第一移動溝24に多
数(典型的には10以上好ましくは20以上)、等間隔
に林立して設けている。このため、上記乗り越え操作を
順次繰り返すことによって、その乗り越えた位置決め用
突起24aの数に応じて、針先16aの突出長を少しず
つ長くすることができる。なお、本実施形態において
は、操作軸部20基端部20a側の最も端に設けられた
位置決め用突起24aを乗り越えた際に上記突出長が最
大となる。ところで、この位置決め用突起24aの操作
軸部20基端部20a側の面は垂直に形成されているた
め、上記の乗り越え操作の際、誤って、操作軸部20を
引っぱり出す操作を行ったとしても係止片13が上記と
逆方向に位置決め用突起24aを乗り越えることはな
い。
【0023】而して、上記乗り越え操作によって所望す
る突出長を決定したとき、その位置で操作軸部20を回
転させて位置決め用突起24a間の間隙に存在する係止
片13を係止溝25の対応する係止用突起25a間の間
隙に移動させる。このとき、上述のとおり、第一移動溝
24と係止溝25との間の境界突起線24bはその第一
移動溝24に面する側の側壁が緩やかな傾斜面として形
成されている。このため、やや力を加えてそのまま操作
軸部20の回転操作を継続することによって、上記ガイ
ド部12b(図1)が係止片13ごと当該傾斜面に沿っ
て上へ持ち上げられていき、結果、係止片13が当該境
界突起線24bを乗り越えて係止溝25に移動すること
ができる。なお、当該境界突起線24bの係止溝25に
面する側はほぼ垂直に形成されているため(図6)、係
止溝25に一旦移動した係止片13が誤って再び第一移
動溝24に戻ることを防止することができる。このよう
にして係止片13を係止溝25に移動させた結果、係止
片13はその位置(即ち係止用突起25a間の間隙)で
固定され、それに伴って外筒部12に対する操作軸部2
0および内管18の動きも規制される。係止溝25に設
けられている係止用突起25aはほぼ垂直に設けられて
おり(図5)、係止片13がそれを乗り越えて移動する
余地がないからである。この結果、外管14からの針先
16aの突出長がその位置で固定されることとなる。こ
のとき、係止用突起25a自体またはそれに隣接する操
作軸部20の表面の一部にその位置に対応する突出長に
ついてのマーカー(図示せず)を付与しておくことによ
って、多段階に当該突出長を繰り返し変更・決定するこ
とができる。例えば、所定のマーカー部位が、外筒部1
2の開放側端部に丁度隠れる位置まで操作軸部20が収
容された際に、所定の突出長が実現されるという具合で
ある。このように突出長に応じて数多くのマーカーを設
けておくことによって、内視鏡的処置の度に常に安定し
た突出長を多段階に変更・決定することができる。以上
のとおり、本内視鏡用処置具10においては、上記係止
片13と係合し得る上記位置決め用突起24aおよび係
止用突起25aを操作軸部20の係合部22に多数設け
た結果、外管先端部14aからの作用部材(ここでは穿
刺針16)の突出長を多段階に変更しつつその各々の突
出長で固定することを容易に行うことができる。
【0024】次に、上記操作によって微調整して突出さ
せた針先16aを外管14内に収容する操作を説明す
る。上記と同様、係止用突起25a間に配置されている
係止片13を操作軸部20を回転させることによってそ
のまま第二移動溝26上に移動させる。すなわち、上述
のとおり、係止溝25と第二移動溝26との間の境界突
起線25bはその係止溝25に面する側の側壁が緩やか
な傾斜面として形成されているため、やや力を加えてそ
のまま操作軸部20の回転操作を継続することによって
上記ガイド部12bが係止片13ごと当該傾斜面に沿っ
て上へ持ち上げられていき、結果、係止片13が当該境
界突起線25bを乗り越えて第二移動溝26に移動する
ことができる。なお、当該境界突起線25bの第二移動
溝26に面する側はほぼ垂直に形成されており(図
6)、第二移動溝26に一旦移動した係止片13が誤っ
て再び係止溝25に戻ることを防止することができる。
このようにして係止片13を第二移動溝26に移動させ
た結果、当該係止片13を第二移動溝26上で移動させ
つつ操作軸部20を外筒部12内から後退させる操作を
行うことが可能となり、それに伴って穿刺針16の針先
16aが外管14内に収容される。このとき、係止片1
3は第二移動溝26上を移動して係合部22先端部22
aに移ることとなるため、上述のとおり、そのまま第一
移動溝24に合流し、再び当該第一移動溝24上に配置
されることとなる。従って、再び、上記操作を繰り返す
ことによって、針先16aを外管14先端部14aから
突出させ且つその突出長を微調整することができる。
【0025】以上のように、本実施形態に係る内視鏡用
処置具10によれば、上記外筒部12に対する操作軸部
20の相対位置を異ならせることに伴って作用部材(こ
こでは穿刺針16)の外管14先端部14aから突出さ
れる長さを多段階に変更させるとともにその多段階の各
々の位置で当該作用部材および内管18を固定すること
ができる。
【0026】次に、本発明に係る第二の実施形態とし
て、特に上記本発明の第三の内視鏡用処置具として好適
な内視鏡用処置具30を図面を参照しつつ説明する。な
お、図7は本実施形態に係る内視鏡用処置具30の外観
を模式的に示す図である。また、図8は図7におけるVI
II−VIII線矢視断面図である。
【0027】図7に示すように、本実施形態に係る内視
鏡用処置具30も上述の第一実施形態で説明したものと
同様、シリンジ状の処置具30であって作用部材とし
て、穿刺針36を装備するものである。すなわち、図7
に示すように、本実施形態に係る内視鏡用処置具30
も、上記内視鏡用処置具10と同様、先端部34aが開
放している外管34と、その外管34の基端部に設けら
れている外筒部32と、その外管34内に配置される上
記操作部材に相当する内管38とその内管38の基端部
に設けられたプランジャ状の操作軸部40とから構成さ
れている。内管38の先端部には上記穿刺針36が装備
されている。また、操作軸部40の基端部40aには内
管38に通じる送液口40bが形成されている。而し
て、本実施形態に係る内視鏡用処置具30も、上記第一
の実施形態に係る処置具10と同様に、操作軸部40お
よび内管38の外筒部32および外管34に対する進退
の程度(収容の度合)によって、穿刺針36の針先36
aの外管先端部34aから突出する長さ(突出長)が決
定される。なお、特に限定されるものではないが、本内
視鏡用処置具30についても、上述の内視鏡用処置具1
0と同様の材質によって、穿刺針36、外管34、内管
38、外筒部32および操作軸部40が成形され得る。
また、内視鏡に設けられたチャンネル(図示せず)内へ
の本内視鏡用処置具30の脱着操作や、後述する本実施
形態に係る針先36a突出長の微調整操作以外の実際の
内視鏡的処置方法等は、本処置具30や上記処置具10
と同様の形態(突出長微調整手段に係るものを除く大ま
かな形態)を有する従来の穿刺針付き内視鏡用処置具と
同様であり、特に本発明を特徴付けるものでもないため
詳細な説明は省略する。
【0028】次に、本内視鏡用処置具30を特徴付ける
本実施形態に係る突出長微調整手段について説明する。
本実施形態に係る突出長微調整手段は、外筒部32に設
けられた後述する係止歯車35と、操作軸部40に設け
られた後述する係合部42とから実質的に構成されてい
る。以下、これらについて詳述する。
【0029】図7に示すように、外筒部32の開放部近
くの側壁には開口部32aが形成されている。図7およ
び図8に示すように、この開口部32aの内部には取付
け軸33が長軸方向に対して直交するようにして設けら
れている。而して、この取付け軸33には、上記係止用
車部材の一典型例として周囲に多数の歯35aが形成さ
れた円形の係止歯車35が回転可能に取付けられてい
る。ここで、図7に示すように、この係止歯車35の厚
みは開口部32aの開口幅の2分の1よりもやや細く形
成されており、さらに当該係止歯車35は取付け軸33
に沿って移動可能に取り付けている。ここで、図7およ
び図8に示すように、開口部32aの一方の隅には、当
該係止歯車35の歯35aの一部と係合し得るストッパ
ー32bが開口部の内方に突き出た状態に形成されてい
る。これにより、図7に示すように、係止歯車35が上
記ストッパー32bと係合しない位置に配置されている
場合は、取付け軸33に対して回転自在である。他方、
係止歯車35を上記ストッパー32bと係合する位置ま
で取付け軸33に沿って移動させた場合には、図8に示
すように、歯35aの一部と当該ストッパー32bとが
係合し、結果、係止歯車35の回転動作を規制すること
ができる。一方、図7に示すように、操作軸部40の側
壁の一部であって上記進退操作時に上記係止歯車35に
対合し得る部位には、長軸方向に沿って係合部42が設
けられている。而して、この係合部42には、上記進退
操作の際に上記係止歯車35の歯35aと噛み合って係
合し得る係合突起42aが設けられている。
【0030】上述のごとき係止歯車35および係合部4
2が本発明の突出長微調整手段として設けられた結果、
術者は内視鏡の所定のチャンネル(図示せず)に本内視
鏡用処置具30の外管34を挿入した状態のまま、手元
で操作軸部40を外筒部32に対して進退操作すること
によって、外管34先端部34aからの針先36aの突
出長を、患部の形状等に応じて随時、多様に微調整する
ことができる。以下、このことを詳述する。
【0031】外筒部32に設けられた上記係止歯車35
が上記係合部42の係合突起42aと噛み合うようにし
て、筒内部32cに操作軸部40を保持(収容)する。
而して、その状態のまま操作軸部40(典型的には基端
部40aまたは係止歯車35の露出部分)を操作して操
作軸部40を筒内部32cに押し入れていく。このとき
係止歯車35は操作軸部40の動きに応じて回転する。
而して、操作軸部40の外筒部32への収容の度合が進
行すると、当該収容の度合に応じて、上記穿刺針36の
針先36aが外管34の先端部34aから露出してく
る。このとき、係合突起42a自体またはそれに隣接す
る操作軸部40の表面の一部にそれぞれの突出長に対す
るマーカーをつけておくことによって、多段階に当該突
出長を繰り返し変更・決定することができる。例えば、
所定のマーカー部位が、外筒部32の開放側端部に丁度
隠れる位置まで操作軸部40が収容された際に、所定の
突出長が実現されるという具合である。このように突出
長に応じて数多くのマーカーを設けておくことによっ
て、内視鏡的処置の度に常に安定した突出長を多段階に
変更・決定することができる。
【0032】而して、マーカーを目印に所望する突出長
が得られた際に、操作軸部40の筒内部32cへの押し
入れを中止する。そして、当該突出長で針先36aを固
定させる場合には、その位置で係止歯車35を移動させ
て上記ストッパー32bに係止歯車35の歯35aを係
合すればよい。これにより、係止歯車35の回転が規制
され、それに連動して外筒部32に対する操作軸部40
および内管38の動きも規制される。この結果、針先3
6aがその突出長で固定されることとなる。なお、針先
36aの固定を解除する場合には、係止歯車35を移動
させて上記ストッパー32bと係止歯車35の歯35a
との係合を解除すればよい。そして、操作軸部40を外
筒部32から後退させる操作を行うことによって、当該
操作に伴って穿刺針36の針先36aが外管34内に収
容される。
【0033】以上のとおり、上記係止歯車35および上
記係合部42に各々多数の歯35aおよび係合突起42
aを設けた結果、本実施形態に係る内視鏡用処置具30
においても、外管先端部34aからの作用部材(ここで
は穿刺針36)の突出長を多段階に変更しつつその各々
の突出長で固定することを容易に行うことができる。
【0034】次に、本発明に係る第三の実施形態とし
て、特に上記本発明の第四の内視鏡用処置具として好適
な内視鏡用処置具50を図面を参照しつつ説明する。な
お、図9は本実施形態に係る内視鏡用処置具50の外観
を模式的に示す図である。また、図10は図9における
X−X線矢視断面図である。
【0035】図9に示すように、本実施形態に係る内視
鏡用処置具50も上述の第一および第二実施形態で説明
したものと同様、シリンジ状の処置具50であるが、本
実施形態に係る処置具50は作用部材としてスネアルー
プ56aを備えた内視鏡用スネアである。すなわち、図
9に示すように、本実施形態に係る内視鏡用処置具50
は、上記内視鏡用処置具10,30と同様、先端部54
aが開放している外管54と、その外管54の基端部に
設けられている外筒部52と、その外管54内に配置さ
れる上記操作部材に相当する操作管58とその操作管5
8の基端部に設けられたプランジャ状の操作軸部60と
から構成されている。操作管58の先端部には上記スネ
アループ56aがループ取付け基部56を介して装備さ
れている。また、操作軸部60の基端部60aには操作
管58に通じる送液口60bが形成されており、ループ
取付け基部56に設けられた排液口(図示せず)に種々
の薬液を送出する。而して、本実施形態に係る内視鏡用
処置具50は、操作軸部60および操作管58の外筒部
52および外管54に対する進退の程度(収容の度合)
によって、スネアループ56aおよびループ取付け基部
56の外管先端部54aから突出する長さ(突出長)が
決定される。なお、特に限定されるものではないが、本
内視鏡用処置具50についても、上述の内視鏡用処置具
10と同様の材質によって、外管54、操作管58、外
筒部52および操作軸部60が成形されており、スネア
ループ56aやループ取付け基部56についても従来の
内視鏡用スネアにおけるのと同様の材質(例えば発熱可
能な種々の高導電性材料)から成形されたものでよい。
また、内視鏡に設けられたチャンネル(図示せず)内へ
の本内視鏡用処置具50の脱着操作や、後述する本実施
形態に係るスネアループ56aおよびループ取付け基部
56突出長の微調整操作以外の実際の内視鏡的処置方法
等は、本処置具50と同様の形態(突出長微調整手段に
係るものを除く大まかな形態)を有する従来の内視鏡用
スネアと同様であり、特に本発明を特徴付けるものでも
ないため、詳細な説明は省略する。
【0036】次に、本内視鏡用処置具50を特徴付ける
本実施形態に係る突出長微調整手段について説明する。
本実施形態に係る突出長微調整手段は、外筒部52に設
けられた後述する制動部材53と、操作軸部60の側壁
に設けられた後述する接触片62とから実質的に構成さ
れている。以下、これらについて詳述する。
【0037】図9に示すように、外筒部52の開放部近
くの側壁には長軸方向にスリット52aが形成されてい
る。而して、そのスリット52aには、制動部材53が
当該スリット52aをスライド移動可能に設けられてい
る。図12に示すように、この制動部材53は、大まか
にいって、上記スリット52aの表面に露出される操作
ヘッド部53aと、当該スリット52aに挟持される係
合軸部53bと当該係合軸部に連なって外筒部の内側に
配置されるフラットなプレート状の作用部53cとから
構成されている。而して、この作用部53cの一方の側
壁部(スリット52aに装着した際に操作軸部60の基
端部60aに向く側)は、斜角(鋭角)をつけて形成さ
れている(以下この面を「ベベル面53d」とい
う。)。
【0038】一方、図9および図10に示すように、操
作軸部60の側壁の一部であって上記進退操作時に上記
制動部材53と対合し得る部位には、接触片62が形成
されている。すなわち、図10に示すように、この接触
片62は長尺状のフラットなプレートであり、操作軸部
60の長軸方向に配置されるとともにその基端部60a
寄りにおいて当該操作軸部60に固着されている。これ
により、当該接触片62の先端部分(即ち操作管58寄
り)は操作軸部60の表面から若干持ち上げることが可
能となる。なお、本実施形態において、上記接触片62
先端部分の表面には、外筒部52内壁面に密着し得る密
着材63(例えばラバー)がコーティングされている。
【0039】上述のごとき制動部材53および接触片6
2が本発明の突出長微調整手段として設けられた結果、
術者は内視鏡の所定のチャンネル(図示せず)に本内視
鏡用処置具50の外管54を挿入した状態のまま、手元
で操作軸部60を外筒部52に対して進退操作すること
によって、外管54先端部54aからのスネアループ5
6aおよびループ取付け基部56の突出長を、患部の形
状等に応じて随時、多様に微調整することができる。以
下、このことを詳述する。
【0040】外筒部52に設けられた上記制動部材53
のベベル面53dを含む作用部53cの一部を上記接触
片62と操作軸部60との間隙62aに填め込む。この
ときの填め込み状態は、制動部材53が当該間隙62a
に挟まれてその状態で保持され得る程度が好ましい。す
なわち、この状態では、接触片62と外筒部52内壁面
とを接触させない。而して、その状態のまま操作軸部6
0(典型的には基端部60aまたは当該基端部60aか
ら延伸して形成された図9に示す指操作用レバー60a
a)を操作して操作軸部60を筒内部52cに押し入
れ、その一部を保持(収容)する。このとき上述の状態
で保持されている制動部材53は操作軸部60の動きに
応じて上記スリット52a内を移動することとなる。而
して、操作軸部60の外筒部52への収容の度合が進行
すると、当該収容の度合に応じて、上記スネアループ5
6aが外管54の先端部54aから露出してくる。この
とき、接触片62表面またはそれに隣接する操作軸部6
0の表面の一部にその位置に対応する突出長についての
マーカー(図示せず)を付与しておくことによって、多
段階に当該突出長を繰り返し変更・決定することができ
る。例えば、所定のマーカー部位が、外筒部52の開放
側端部に丁度隠れる位置まで操作軸部60が収容された
際に、所定の突出長が実現されるという具合である。こ
のように突出長に応じて数多くのマーカーを設けておく
ことによって、内視鏡的処置の度に常に安定した突出長
を多段階に変更・決定することができる。
【0041】而して、図11に示すように、マーカーを
目印に所望するスネアループ56aあるいはそれに加え
てループ取付け基部56の突出長が得られた際に、操作
軸部60の筒内部52cへの押し入れを中止する。そし
て、当該突出長でスネアループ56aおよびループ取付
け基部56を固定させる場合には、その位置で制動部材
53をさらに奥深く上記間隙62aに填め込み、上記接
触片62を上記密着材63ごと外筒部52内壁面に接触
させる(図11)。これにより、外筒部52に対する操
作軸部60および操作管58の動きが制止され、結果、
スネアループ56aおよびループ取付け基部56がその
突出長で固定されることとなる。なお、スネアループ5
6aおよびループ取付け基部56の固定を解除する場合
には、制動部材53の上記間隙62aへの填め込みを緩
め、接触片62と外筒部52内壁面との接触を解除すれ
ばよい。そして、操作軸部60を外筒部52から引っぱ
り出す操作を行うことによって、当該操作に伴ってスネ
アループ56aおよびループ取付け基部56が外管54
内に収容される。
【0042】以上のとおり、上記制動部材53および上
記接触片62を設けた結果、本実施形態に係る内視鏡用
処置具50においても、外管先端部54aからの作用部
材(ここではスネアループ56a)の突出長を多段階に
変更しつつその各々の突出長で固定することを容易に行
うことができる。
【0043】以上、本発明の内視鏡用処置具の好適ない
くつかの実施形態を図面を参照しつつ説明したが、本発
明がこれら態様に限定されることを意図したものではな
い。例えば、上述の各実施形態において、所定の突出長
の状態から迅速に作用部材(上記針先16a,36aや
スネアループ56a)を外管14,34,54内に収納
し得るように、外筒部12,32,52の筒内部12
c,32c,52cに上記操作軸部20,40,60と
係合させた状態でバネ部材(図示せず)を配置させてお
いてもよい。すなわち、上記操作軸部20,40,60
の外筒部12,32,52からの後退を当該配置したバ
ネ部材によって速やかに実現することが可能となる。
【0044】また、上記第一の実施形態においては、二
つの移動溝(第一移動溝24および第二移動溝26)を
設けるとともに境界突起線24b,25bを上記形状に
したことによって、突出長の変更および固定操作の際に
上記係止片13が一方向にのみ移動し得るように構成さ
れているが、本発明の第二の内視鏡用処置具はこれに限
定されるものではない。例えば、上記第一移動溝24と
係止溝25とのみからなる係合部あるいは上記第二移動
溝26と係止溝25とのみからなる係合部であってもよ
い。なお、これらの場合には、第一移動溝24と係止溝
25との間の境界突起線24bあるいは第二移動溝26
と係止溝25との間の境界突起線25bは、係止片13
が当該二つの溝間で可逆的に両方向に移動可能な形状に
形成する。例えば、境界突起線24b,25bにおける
上記垂直に形成されている側面を他方の面と同様の傾斜
面にすればよい。また、上記第二移動溝26を設けない
場合には、上記位置決め用突起24aにおける操作軸部
20基端部20a側の側面を他方の側面と同様の傾斜面
とする。これにより、係止片13は当該第一移動溝上を
両方向に移動することができる。また、上述の第一の実
施形態では、係止片13を外筒部に設け、係合部22を
操作軸部に設けているがこの逆でもよい。
【0045】また、上述の第二の実施形態では、係止用
車部材として係止歯車を用いているがこれに限らず例え
ば周囲に摩擦力を高める密着材(ラバーやサンドペーパ
等)をコーティングしたローラー部材であってもよい。
この場合、当該ローラー部材と好ましく係合させるため
に上記係合突起42aに代えて係合シート(ラバーやサ
ンドペーパ等)を操作軸部の上記係合部42に配備する
のが好ましい。
【0046】また、上記第三の実施形態においては、密
着性の向上のために上記密着材63を接触片62の表面
にコーティングしているが、これに代えて或いはこれに
加えて、外筒部52の内壁であって当該接触片62が接
触し得る部位に同様の密着材を設けてもよい。なお、本
発明の内視鏡用処置具における作用部材の種類、形状、
あるいは処置具を構成する外筒部、操作軸部、外管およ
び操作部材の材質、形状は本発明を適用する内視鏡的処
置の内容に応じて適宜変更すればよく、上記実施形態に
係る各処置具10,30,50の形状に限定されるもの
ではない。また、穿刺針等を衛生的に患部へ挿入させる
ために、外管(アウターチューブ)の先端をフィルム等
で覆ってもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、内視鏡に設けられた処
置具用チャンネル(ルーメン)に挿入した場合にも外管
の先端における作用部材の突出長を任意に微調整し得る
内視鏡用処置具を提供することができる。すなわち、本
発明の内視鏡用処置具では、上記突出長微調整手段が設
けられた結果、外管先端部からの突出長を多段階に変更
し、その各々の状態で固定することができる。このた
め、本発明の内視鏡用処置具によれば、体腔内の被処置
部の形状等に応じて作用部材の突出長を随時、多様に微
調整することが実現される。さらに、上記突出長微調整
手段を上記外筒部および操作軸部に設けたため、術者自
身の手元操作で当該突出長の微調整を迅速且つ容易に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る本発明の内視鏡用処置具の外
観を模式的に示す図である。
【図2】図1におけるII−II線矢視断面図である。
【図3】一実施形態に係る本発明の内視鏡用処置具の操
作軸部の要部を模式的に示す図である。
【図4】操作軸部に設けられた移動溝および係止溝の構
造を模式的に示す図である。
【図5】操作軸部に設けられた係合部の要部を示す斜視
図である。
【図6】図5におけるVI−VI線矢視断面図である。
【図7】一実施形態に係る本発明の内視鏡用処置具の外
観を模式的に示す図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線矢視断面図である。
【図9】一実施形態に係る本発明の内視鏡用処置具の外
観を模式的に示す図である。
【図10】図9におけるX−X線矢視断面図である。
【図11】一実施形態に係る本発明の内視鏡用処置具に
おける突出長微調整手段の作用を説明する図である。
【図12】一実施形態に係る制動部材の外観を示す斜視
図である。
【符号の説明】
10,30,50 内視鏡用処置具 12,32,52 外筒部 13 係止片 14,34,54 外管 16,36 穿刺針 16a,36a 針先 18,38 内管 20,40,60 操作軸部 22,42 係合部 24 第一移動溝 24a 位置決め用突起 24b,25b 境界突起線 25 係止溝 25a 係止用突起 26 第二移動溝 35 係止歯車 53 制動部材 56 ループ取付け基部 56a スネアループ 58 操作管 62 接触片 63 密着材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡のチャンネルに挿入される外管
    と、その外管の基端部に設けられた外筒部と、その外管
    内に進退可能に配置される操作部材と、その操作部材の
    基端部に設けられた操作軸部と、その操作部材の先端部
    に装備された作用部材とを有する内視鏡用処置具であっ
    て、 その操作軸部の少なくとも一部が該外筒部に保持された
    状態において、該外筒部および外管に対して該操作軸部
    および操作部材を進退させることによって該作用部材の
    外管先端部から外部に突出する突出長が決定されてお
    り、 ここで該操作軸部および該外筒部には、該突出長を多段
    階に変更させるとともにその多段階に変更された各々の
    位置で該操作軸部および操作部材を固定させることによ
    って該突出長の微調整が実現される突出長微調整手段が
    設けられている内視鏡用処置具。
  2. 【請求項2】 前記突出長微調整手段が、前記操作軸部
    または外筒部の一方に設けられた係止片と、前記操作軸
    部または外筒部の他方に設けられた係合部とから構成さ
    れており、 その係合部は該操作軸部が該外筒部に保持された際に該
    係止片と相対する位置に設けられており、 その係合部には、前記外筒部および外管に対する操作軸
    部および操作部材の進退に伴って該係止片を該進退方向
    に移動させ得る移動溝と、該係止片を所定の位置で固定
    させ得る係止溝とが隣接して形成されており、 その係止片を該移動溝に配置した場合に前記作用部材の
    前記突出長が多段階に変更される一方、該移動溝から係
    止溝へ係止片を移動させることによって該操作軸部およ
    び操作部材をその位置で固定することが実現される請求
    項1に記載の内視鏡用処置具。
  3. 【請求項3】 前記突出長微調整手段が、前記外筒部に
    回転可能に設けられた係止用車部材と、前記操作軸部に
    設けられた係合部とから構成されており、 その係合部は、前記操作軸部が該外筒部に保持された際
    にその係止用車部材と相対する位置に設けられており、 その係合部は、前記外筒部および外管に対する操作軸部
    および操作部材の進退に伴って該係止用車部材を回転さ
    せつつ該係止用車部材と係合する形状に形成されてお
    り、 その外筒部の一部には該係止用車部材と係合して該係止
    用車部材の回転を停止させるストッパーが設けられてお
    り、 その係止用車部材を該係合部に係合させつつ回転自由な
    状態に配置しておくことによって前記作用部材の前記突
    出長が多段階に変更される一方、該係止用車部材と該ス
    トッパーとを係合させることによって該操作軸部および
    操作部材をその位置で固定することが実現される請求項
    1に記載の内視鏡用処置具。
  4. 【請求項4】 前記突出長微調整手段が、前記外筒部に
    設けられた制動部材と、前記操作軸部に設けられた接触
    片とから構成されており、 前記外筒部および外管に対する操作軸部および操作部材
    の進退の際、その接触片を該外筒部に密着しない状態に
    配置することによって前記作用部材の前記外管先端部か
    ら突出される長さが多段階に変更される一方、該制動部
    材によって該接触片を該外筒部の一部に押し付けること
    によって該操作軸部および操作部材をその位置で固定す
    ることが実現される請求項1に記載の内視鏡用処置具。
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